JP2010124646A - モータ構造及びモータ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続部分の構造を複雑化することなく、モータと電力供給ハーネスとを簡易に結線することができるモータ構造及びモータ製造方法を提供する。
【解決手段】モータ軸に平行に延設されたコイル引出線(121)を含むモータコイル(12)を収装するモータ本体(10)と、モータ本体(10)に設けられ、外部から挿入されるハーネス引出線(92)がモータコイル引出線(121)と並行するようにモータ軸に平行に形成されたハーネス挿通孔(22)を有する結線保護ケース(20)と、モータコイル(12)及びハーネス(90)に貫通して挿入され、モータコイル引出線(121)とハーネス引出線(92)との平面的な相対位置を決める位置決め部材(30)と、位置決め部材(30)から突出したモータコイル(12)及びハーネス(90)に被せられ、モータコイル(12)とハーネス(90)とを導通する結線キャップ(40)と、を有する。
【選択図】図2

Description

この発明は、モータ構造及びモータ製造方法に関する。
車両を駆動するモータと、そのモータに電力を供給するハーネスと、の結線は困難であった。すなわち車両駆動モータは大形であり、大重量である。そこでまず車両駆動モータを車載してから、電力供給ハーネスを結線する。ところが電力供給ハーネスは太径で剛堅であるので、自由に屈曲することが困難である。そのため車両駆動モータと電力供給ハーネスとの結線作業を容易にする構造が種々提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2005−229754号公報
しかしながら特許文献1では、内部コイル(巻)線とモータ電力供給ハーネスの接続を別々の方向で行っているため接続の端子台が大きいことや、接続部が複雑、接点数が多いなどの問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、接続部分の構造を複雑化することなく、モータと電力供給ハーネスとを簡易に結線することができるモータ構造及びモータ製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、モータ軸に平行に延設されたコイル引出線を含むモータコイルを収装するモータ本体と、前記モータ本体に設けられ、外部から挿入されるハーネスの引出線が前記モータコイルのコイル引出線と並行するようにモータ軸に平行に形成されたハーネス挿通孔を有する結線保護ケースと、を含む。そして前記モータコイル及び前記ハーネスに貫通して挿入され、モータコイルのコイル引出線とハーネスの引出線との平面的な相対位置を決める位置決め部材と、前記位置決め部材から突出した前記モータコイル及び前記ハーネスに被せられ、モータコイルとハーネスとを導通する結線キャップと、を有するモータ構造である。
本発明によれば、位置決め部材によってモータコイルのコイル引出線とハーネスの引出線との平面的な相対位置を決め、その位置決め部材から突出したモータコイル及びハーネスに結線キャップを被せてモータコイルとハーネスとを導通する。したがって、接続部分の構造を複雑化することなく、モータと電力供給ハーネスとを簡易に結線することができる。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるモータの第1実施形態の外観斜視図である。
モータ1は、モータ本体10の上部に結線保護ケース20を備える。結線保護ケース20において、モータ内部のモータコイル(後述)と外部ハーネス90とが結線される。モータ1は交流モータである。モータ1にはU相、V相及びW相の3本の外部ハーネス90が結線される。外部ハーネス90はモータ1とインバータなどを接続する配線である。
図2は本発明によるモータの第1実施形態の結線保護ケース近傍を示す拡大図であり、図2(A)は縦断面図、図2(B)は右側面図である。
モータ1は、モータ本体10と、結線保護ケース20と、位置決め部材30と、結線キャップ40と、を含み、外部ハーネス90に結線される。
モータ本体10は、モータケース11の内部にモータコイル12を収装する。モータケース端部111は段付薄肉状である。モータコイル12のコイル引出線121は、モータ軸に平行に延設されている。コイル引出線121は大径部121a及び段付部121bを含み、先細である。なお図2ではモータ軸の図示を省略するが、図2(A)の左右方向がモータ軸方向である。
結線保護ケース20は、モータケース11の端部に設けられる。結線保護ケース20の接続部21は断面コ状になっており、このコ状部分21にモータケース11の段付薄肉端部111が嵌入する。結線保護ケース20には、ハーネス挿通孔22が貫通する。ハーネス挿通孔22は、モータ軸に平行に形成される。ハーネス90はモータ1とインバータなどを接続する外部配線である。ハーネス90には鍔91が形成されている。このような構造であるので、ハーネス挿通孔22にハーネス90を挿入して、結線保護ケース20に鍔91が突き当たるようにすると、ハーネス90の引出線92はモータコイル12のコイル引出線121と並行になる。ハーネス引出線92は、コイル引出線121と同様に大径部92a及び段付部92bを含み、先細である。
位置決め部材30にはハーネス位置決め孔31及びコイル位置決め孔32が貫通して形成される。ハーネス位置決め孔31の孔径は、ハーネス引出線92の大径部92aの外径と略同一である。ハーネス位置決め孔31は、3つ形成されており、それぞれの孔にU相、V相及びW相の3本の外部ハーネス90の引出線92が挿入される。そしてハーネス引出線92の大径部92aがハーネス位置決め孔31に位置する。コイル位置決め孔32の孔径は、コイル引出線121の大径部121aの外径と略同一である。コイル位置決め孔32は、3つ形成されており、それぞれの孔にU相、V相及びW相の3本のコイル引出線121が挿入される。コイル引出線121の大径部121aがコイル位置決め孔32に位置する。位置決め部材30は、ボルト51で結線保護ケース20に固定される。このように位置決め部材30がコイル引出線121及びハーネス引出線92に挿し込まれてボルト51で結線保護ケース20に固定されるので、コイル引出線121及びハーネス引出線92の平面的な相対位置、すなわち図2(A)の上下方向及び奥行方向の位置関係が固定される。
結線キャップ40は、図2(A)に示すように断面略コ状の部材である。そして結線キャップ40には、断面略コ状の貫通路41が形成されている。コ状貫通路41は、図2(B)に示すように3つ並んで形成されている。コ状貫通路41には、たとえばスチールウールのような導電性の弾性材42が充填されている。そして3本のコ状貫通路41はそれぞれの一端に、位置決め部材30から突出するU相、V相及びW相の3本のハーネス90のハーネス引出線92を挿し込む。またそれに対応してコ状貫通路41のそれぞれの他端に、位置決め部材30から突出するU相、V相及びW相の3本のモータコイル12のコイル引出線121を挿し込む。コ状貫通路41には導電性の弾性材42が充填されているので、ハーネス引出線92とコイル引出線121とが導通する。このようにハーネス引出線92を軸方向で貫通路41に挿入する。またコイル引出線121を軸方向で貫通路41に挿入する。したがってハーネス引出線92及びコイル引出線121の軸方向の寸法バラツキを貫通路41で吸収可能である。また上述のようにコイル引出線121には段付部121bが形成されている。ハーネス引出線92には段付部92bが形成されている。段付部121b及び段付部92bが抜け止めとなって確実に導通する。結線キャップ40は、脚部43で結線保護ケース20にボルト固定される。
(モータの製造方法)
図3は、本発明によるモータ製造方法の第1実施形態を説明する図である。
図3(A)に示すように、モータケース11にモータコイル12が収装されたモータ本体10の上方に外部ハーネス90をセットする(ハーネスセット工程#101)。
続いて図3(B)に示すように、ハーネス90の引出線92に結線保護ケース20のハーネス挿通孔22を通す。そして結線保護ケース20のコ状部分21をモータケース11の段付薄肉端部111に嵌入し固定する(結線保護ケース取付工程#102)。そしてハーネス90の鍔91を結線保護ケース20に突き当てることで、ハーネス90を位置決めする(ハーネス取付工程#103)。ハーネス挿通孔22は上述のようにモータ軸に平行に形成されているので、位置決めされたハーネス90の引出線92はモータコイル12のコイル引出線121と並行するようになる。
次に図3(C)に示すように、ハーネス引出線92及びコイル引出線121に、位置決め部材30のハーネス位置決め孔31及びコイル位置決め孔32を通す(位置決め部材挿入工程#104)。このときハーネス引出線92及びコイル引出線121は先細であるので、ハーネス位置決め孔31及びコイル位置決め孔32に通しやすい。そして位置決め部材30をセットして結線保護ケース20にボルト51で固定する(位置決め部材固定工程#105)。このときハーネス引出線92の大径部92aがハーネス位置決め孔31に位置する。ハーネス引出線92の大径部92aの外径は、ハーネス位置決め孔31の孔径と略同一であるので、ハーネス引出線92が位置決めされる。またコイル引出線121の大径部121aがコイル位置決め孔32に位置する。コイル引出線121の大径部121aの外径は、コイル位置決め孔32の孔径と略同一であるので、コイル引出線121が位置決めされる。
そして図3(D)に示すように、位置決め部材30から突出するハーネス引出線92及びコイル引出線121に、結線キャップ40の貫通路41を嵌入し、結線キャップ40を結線保護ケース20にボルト52で固定する(結線キャップ取付工程#106)。上述のように貫通路41には、導電性の弾性材42が充填されているので、ハーネス引出線92とコイル引出線121とが導通する。
最後に図3(E)に示すように、結線保護ケース20の開口部分を蓋23で塞ぐ(結線保護ケース閉蓋工程#107)。
本実施形態によれば、平行に延びたハーネス引出線92及びコイル引出線121に、位置決め部材30のハーネス位置決め孔31及びコイル位置決め孔32を通す。この際、ハーネス引出線92及びコイル引出線121は先細であるので、ハーネス位置決め孔31及びコイル位置決め孔32に通しやすい。またハーネス引出線大径部92aが略同一径のハーネス位置決め孔31に位置し、コイル引出線大径部121aが略同一径のコイル位置決め孔32に位置する。そして位置決め部材30を結線保護ケース20にボルト固定することで、ハーネス引出線92及びコイル引出線121の平面的な相対位置が位置決めされる。そして位置決め部材30から突出するハーネス引出線92及びコイル引出線121に、結線キャップ40の貫通路41を嵌入するので、ハーネス引出線92及びコイル引出線121の軸方向の寸法バラツキを貫通路41で吸収可能である。このように本実施形態によれば、構造を複雑化することなく、ハーネス引出線92及びコイル引出線121を位置決めして確実に導通することができるのである。
(第2実施形態)
図4は本発明によるモータの第2実施形態の結線保護ケース近傍を示す拡大図であり、図4(A)は縦断面図、図4(B)は右側面図である。
第1実施形態では結線キャップ40を結線保護ケース20にボルト固定したが、本実施形態では結線キャップ40を位置決め部材30にボルト固定する。第1実施形態では、結線キャップ40を締結するためのボルト穴を、結線保護ケース20に形成しておく必要があったが、本実施形態によればそのようなボルト穴が不要になる。したがって結線保護ケース20を小形化でき、ひいてはモータサイズを小形化できる。
(第3実施形態)
図5は本発明によるモータの第3実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。
第2実施形態では結線キャップ40を位置決め部材30にボルト固定したが、本実施形態では結線キャップ40を位置決め部材30に爪止めする。すなわち本実施形態の結線キャップ40は、先端に爪44が形成される。そしてこの爪44が位置決め部材30の凸部33に引っかかることで固定される。このような構造にすれば、結線キャップ40を位置決め部材30に押し当てることで、結線キャップ40が位置決め部材30に固定される。したがって、結線キャップ40を取り付ける作業が容易である。
(第4実施形態)
図6は本発明によるモータの第4実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。
上記各実施形態では、結線キャップ40は蓋23と別体の部品であったが、本実施形態の結線キャップ40は、蓋23に固着されている。このような構造にすれば、組み付け工程数を減らすことができる。また結線キャップ40が熱を持っても、その熱が蓋23に逃げやすくなる。したがって熱が結線保護ケース20に籠もり難くなる。そのため結線キャップ40を小形化することが可能であり、ひいてはモータサイズを小形化できる。
(第5実施形態)
図7は本発明によるモータの第5実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。
第4実施形態では蓋23の背面は平面であったが、本実施形態では蓋23の背面にフィン23aを形成した。このような構造にすれば、結線キャップ40が熱を持っても、その熱が蓋23のフィン23aから放熱されやすくなり、結線キャップ40をさらに小形化することができ、ひいてはモータサイズのさらなる小形化が可能となる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
本発明によるモータの第1実施形態の外観斜視図である。 本発明によるモータの第1実施形態の結線保護ケース近傍を示す拡大図である。 本発明によるモータ製造方法の第1実施形態を説明する図である。 本発明によるモータの第2実施形態の結線保護ケース近傍を示す拡大図である。 本発明によるモータの第3実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。 本発明によるモータの第4実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。 本発明によるモータの第5実施形態の結線保護ケース近傍を示す縦断面図である。
符号の説明
1 モータ
10 モータ本体
11 モータケース
12 モータコイル
121 コイル引出線
121a 大径部
121b 段付部
20 結線保護ケース
23 蓋
23a フィン(放熱部)
30 位置決め部材
31 ハーネス位置決め孔
32 コイル位置決め孔
40 結線キャップ
41 貫通路
42 導電性弾性材
90 外部ハーネス
92 ハーネス引出線
92a 大径部
92b 段付部

Claims (9)

  1. モータ軸に平行に延設されたコイル引出線を含むモータコイルを収装するモータ本体と、
    前記モータ本体に設けられ、外部から挿入されるハーネスの引出線が前記モータコイルのコイル引出線と並行するようにモータ軸に平行に形成されたハーネス挿通孔を有する結線保護ケースと、
    前記モータコイル及び前記ハーネスに貫通して挿入され、モータコイルのコイル引出線とハーネスの引出線との平面的な相対位置を決める位置決め部材と、
    前記位置決め部材から突出した前記モータコイル及び前記ハーネスに被せられ、モータコイルとハーネスとを導通する結線キャップと、
    を有するモータ構造。
  2. 前記結線キャップの内部に設けられた導電性の弾性材をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ構造。
  3. 前記位置決め部材及び前記結線キャップは、前記結線保護ケースに固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ構造。
  4. 前記位置決め部材は、前記結線保護ケースに固定され、
    前記結線キャップは、前記位置決め部材に固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ構造。
  5. 前記結線キャップは、前記位置決め部材にネジ止めされる、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータ構造。
  6. 前記結線キャップは、前記位置決め部材に爪止めされる、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータ構造。
  7. 前記結線保護ケースは、開口を塞ぐ蓋を含み、
    前記結線キャップは、前記蓋に固設される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ構造。
  8. 前記蓋の外側面に設けられ、前記結線保護ケース内の熱を放熱する放熱部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項7に記載のモータ構造。
  9. モータケースに収装されたモータコイルの引出線に、ハーネスを並べるハーネスセット工程と、
    結線保護ケースに形成されたハーネス挿通孔に前記ハーネスの引出線を通してから結線保護ケースを前記モータケースに固定する結線保護ケース取付工程と、
    前記ハーネスの引出線及び前記モータコイルの引出線に、前記位置決め部材のハーネス位置決め孔及びコイル位置決め孔を通す位置決め部材挿入工程と、
    前記位置決め部材を前記結線保護ケースに固定する位置決め部材固定工程と、
    前記位置決め部材から突出する前記ハーネス引出線及び前記モータコイル引出線に、前記結線キャップの貫通路を嵌入し固定する結線キャップ取付工程と、
    を有するモータ製造方法。
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