JP2010124189A - 読取装置 - Google Patents

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教之 小守
Takahito Nakanishi
隆仁 中西
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清一 松村
Toru Shiraki
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Abstract

【課題】ロッドレンズアレイを用いた焦点調整不要な読取装置を提供すること。
【解決手段】読取装置は、カバーガラス7と、ロッドレンズアレイ1と、フレーム2と、基板4とを備えている。ロッドレンズアレイ1は、カバーガラス7に対向する第1の面と、当該第1の面と反対の第2の面とを有している。ロッドレンズアレイ1の第2の面に対向配置される受光素子41は、基板4に実装されている。フレーム2は、カバーガラス7に当接するカバー当接面26aと、ロッドレンズアレイ1の第1の面に当接するレンズ当接面22とを有し、カバーガラス7及びロッドレンズ1の光軸方向の位置を決定している。さらに、ロッドレンズアレイ1の第2の面と基板4とに挟まれるように固定部材3が設けられており、ロッドレンズアレイ1と受光素子41との相対位置を決定している。
【選択図】図1

Description

本発明は、コピー機等に用いられる読取装置に関する。
近年、コピー機の裏面読み取り、ファクシミリ装置の原稿読み取りセンサ、紙幣を認識する認識センサ、パーソナルコンピュータ用のスキャナなどに、小型の密着型イメージセンサが用いられている。密着型イメージセンサは、原稿面を主走査方向に複数領域に分割し、複眼レンズを用いて画像を読み取るものである。複眼レンズとしては、半径方向に所定の関数で規定される屈折率分布を有するロッドレンズを複数配列したロッドレンズアレイを用い、正立等倍像を得ている。
ロッドレンズアレイの焦点深度は非常に浅く、共役長Tc(原稿読取り位置から受光素子までの物体像面間距離)の中心に対してロッドレンズアレイが少しでもずれると、MTF(Modulation Transfer Function)の低下が著しい。これに対して、ロッドレンズアレイの中心と共役長の中心とを一致させれば、共役長の長さが少々違っても、MTFの低下が少ないことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、組み立て性を向上するため、フレームに固定したロッドレンズアレイの上に、ロッドレンズアレイの焦点距離に応じた板厚のカバーガラスを当接させて固定した密着型イメージセンサの取り付け構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この取り付け構造によれば、原稿読み取り位置(カバーガラスの表面)からロッドレンズアレイまでの距離がカバーガラスの板厚によって決定されるため、焦点距離の調整作業が不要になる。
特開2000−32214号公報(段落0012、図12) 特開平10−190909号公報(段落0029、図1)
しかしながら、上記の取り付け構造では、ロッドレンズアレイの焦点距離に合わせてカバーガラスの板厚を変更する必要があるため、条件に合ったカバーガラスの入手が難しい場合がある。また、カバーガラスは、ロッドレンズアレイの副走査方向の中心位置にのみ当接して固定されているため、カバーガラスの副走査方向の傾きが発生し易い。加えて、ロッドレンズアレイの高さにばらつきがあると、フレームに対するカバーガラスの光軸方向の位置がばらつくこととなるため、原稿読み取り位置に対する受光素子の位置決めが難しくなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カバーガラスをフレームに対して一定の位置に且つ安定した姿勢に保つと共に、カバー部材の板厚の選択の幅を広げ、なお且つ、ロッドレンズアレイの中心位置と共役長の中心とを精度良く一致させることができる読取装置を提供することにある。
本発明に係る読取装置は、原稿面の位置を規定するカバー部材と、カバー部材に対向する第1の面と、当該第1の面と反対の第2の面とを有し、光軸が規定されるロッドレンズアレイと、ロッドレンズアレイの第2の面に対向配置される受光素子が実装された基板と、カバー部材に当接するカバー当接面と、ロッドレンズアレイの第1の面に当接するレンズ当接面とを有し、光軸方向におけるカバー部材とロッドレンズアレイの位置を決定するフレームと、ロッドレンズアレイの第2の面と基板とに挟まれるように配置され、光軸方向におけるロッドレンズと受光素子との相対位置を決定する固定部材と、フレームに対して基板及び固定部材を保持する保持手段とを備えて構成される。
本発明によれば、フレームによってカバー部材の位置が決定されるため、カバー部材をフレームに対して一定の位置に且つ安定した姿勢に保つことができる。また、(ロッドレンズアレイの焦点距離に応じた板厚のカバーガラスを用いていた従来構成と比較して)カバーガラスの選択の幅が広がる。また、フレームによってロッドレンズアレイと原稿面(カバー部材の表面)との距離が決定され、レンズ固定部材によってロッドレンズアレイと受光素子との距離が決定されるため、ロッドレンズアレイの高さのばらつきが発生しても、常に共役長Tcの中心とロッドレンズアレイの中心とを一致させることができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施の形態における読取装置の構成を示す断面図及び分解斜視図である。まず、図1を参照して、読取装置の構成について説明する。
図1に示すように、読取装置10は、原稿が載置される板状のカバーガラス7(カバー部材)と、このカバーガラス7が取り付けられたフレーム2とを備えている。フレーム2内には、カバーガラス7に対向するように、2つの導光体8が平行に並んで配置されている。2つの導光体8の間には、ロッドレンズアレイ1が配置されており、レンズ固定部材3によりフレーム2に固定されている。フレーム2の下側(カバーガラス7と反対の側)には、複数の受光素子41が一方向に配列された基板4が、コイルばね(弾性部材)5及びアタッチメント6(保持手段、保持部材)により取り付けられている。
なお、以下の説明では、カバーガラス7の表面に直交する方向をZ方向とし、受光素子41から原稿に向かう方向を+Z方向、その反対方向を−Z方向とする。また、Z方向に直交するXY面内において、基板4の受光素子41の配列方向(主走査方向)をX方向とし、X方向に直交する方向(副走査方向)をY方向とする。
カバーガラス7は、X方向(主走査方向)に長い長方形の板状部材であり、光を透過する材料(ここでは透明ガラス)により構成されている。
導光体8は、X方向に長い2つの円柱状部材であり、光を透過する材料(ここでは透明アクリル樹脂等)により構成されている。導光体8は、照明光を伝達して原稿面を照明するものであり、後述するように、できるだけカバーガラス7に近づけて配置される。各導光体8は、そのX方向端部において、下方(−Z側)に屈曲した鉛直部81(図2)を有しており、この鉛直部81は基板4に設けられた発光素子44(図2)に対向している。また、各導光体8は、その長手方向端部の近傍において、取り付け板82(図2)を介してフレーム2に取り付けられている。
フレーム2は、X方向に長いブロックであり、そのY方向両側には外壁を規定する一対の壁部26が形成されている。各壁部26の上端部すなわち+Z方向の端部には、カバーガラス7が固定される、XY面に平行なカバー当接面(カバー当接部)26aが形成されている。このカバー当接面26aには、両面テープ、接着剤等を用いて、カバーガラス7が固定される。また、壁部26の上端部には、カバー当接面26aに固定されたカバーガラス7のY方向両端面(幅方向端面)に当接する当接端面26bも形成されている。
フレーム2において、壁部26の内側には、2つの導光体8が収容される2つの凹部28が形成されている。各凹部28は、略半円筒状の底面を有しており、中央部29を間に挟んで平行に、X方向に延在している。
フレーム2の中央部29には、ロッドレンズアレイ1を収容するレンズ組み込み穴21が形成されている。レンズ組み込み穴21は、X方向に長い矩形状の穴であり、下側(−Z側)からロッドレンズアレイ1が収容される。フレーム2の中央部29において、レンズ組み込み穴21の上端に位置する部分には、原稿面からの光を通過させてロッドレンズアレイ1に入射させる光透過孔21aと、ロッドレンズアレイ1の上端面(第1の面)に当接するレンズ当接面22とが形成されている。
レンズ組み込み穴21に挿入されたロッドレンズアレイ1は、レンズ当接面22に当接することにより、フレーム2に対するZ方向(光軸方向)の位置が決定される。すなわち、ロッドレンズアレイ1の上面から原稿面までの距離は、フレーム2におけるカバー当接面26aからレンズ当接面22までの距離Aと、カバーガラス7の厚みと(カバーガラス7を両面テープで固定した場合には、さらに両面テープの厚みと)により決定される。
フレーム2の下側すなわち−Z側には、壁部26の内側に位置する収容凹部2Aが形成されており、この収容凹部2Aには、ロッドレンズアレイ1をレンズ組み込み穴21に固定するためのレンズ固定部材3が設けられている。レンズ固定部材3は、2つで一組となってY方向に対向し合っており、X方向に複数組設けられている(図2参照)。
各レンズ固定部材3は、略直方体形状の本体部30と、この本体部30の上面から+Z方向に延在する板状の挿入部(突出部)34とを有している。各レンズ固定部材3の本体部30の上面において、挿入部34のY方向内側に位置する面は、レンズ当接面(レンズ当接部)31を規定している。
フレーム2におけるレンズ組み込み穴21のY方向両側には、各レンズ固定部材3の挿入部34を挿入するための挿入凹部23が形成されている。挿入凹部23は、2つで一組となってY方向に対向し合っており、X方向に複数組形成されている。
レンズ固定部材3の挿入部34は、フレーム2の挿入凹部23と、(レンズ組み込み穴21に挿入された)ロッドレンズアレイ1との隙間に挿入される。この状態で、レンズ固定部材3の上面のレンズ当接面31は、ロッドレンズ1の下端面(第2の面)に当接する。また、各レンズ固定部材3の本体部30の下面すなわち−Z側の面において、Y方向外側の端部の近傍には、ガイドピン33が突出形成されている。
側壁26の下端27(−Z側の端部)には、収容凹部2A内の固定部材3の下面に当接するように、基板4が取り付けられている。この基板4の上面の中央部には、上述した複数の受光素子41がX方向に配列されている。受光素子41は、ロッドレンズアレイ1の光軸上に位置しており、ロッドレンズアレイ1を通過した光が上述した各組2つのレンズ固定部材3の間を通って受光素子41に入射するようになっている。基板4の上面がレンズ固定部材3の下面(基板当接面32)に当接しているため、ロッドレンズアレイ1の下面から受光素子41までの距離は、レンズ固定部材3におけるレンズ当接面31から基板当接面32までの距離Bと、受光素子41の高さとによって決定される。
ここで、本実施の形態では、フレーム2の下端27と基板4との隙間がロッドレンズアレイ1の高さCのばらつきにより変化し得るため、この隙間からゴミが侵入して受光素子41に付着すると、画素の欠落により画像の劣化を招く可能性がある。そこで、受光素子41にゴミが付着しないよう、弾性変形可能な防塵ゴム9(防塵部材)を、フレーム2の下端27の溝部27aに配置している。また、基板4には、レンズ固定部材3の下面に突出形成されたガイドピン33を貫通させる貫通穴42が形成されている。
基板4のさらに下側(−Z側)には、この基板4をフレーム2に対して固定するアタッチメント6が取り付けられている。アタッチメント6は、略コの字状の断面を有してX方向に長く形成されている。アタッチメント6は、略コの字をなす底板部61とその両側の側腕部62とを有している。側腕部62には、フレーム2の壁部26の両側面(Y方向における両端面)に突出形成された係合用突起24に係合する係合穴63が形成されている。
アタッチメント6の底板部61には、レンズ固定部材3のガイドピン33の下端部が係合する穴部64が形成されている。また、アタッチメント6の底板部61と基板4との間には、コイルばね5が圧縮状態で設けられており、このコイルばね5は、上記のガイドピン33の周囲に配置されている。
アタッチメント6の両側腕部62の係合穴63がフレーム2の係合用突起24に係合すると、コイルばね5の弾性力により基板4がレンズ固定部材3に押し当てられ、さらにレンズ固定部材3がロッドレンズアレイ1に押し当てられる。これにより、フレーム2、ロッドレンズアレイ1、レンズ固定部材3、基板4及びアタッチメント6が一体として保持される。
次に、本実施の形態における読取装置10の組み立て方法について説明する。図3乃至図8は、読取装置10の組み立て方法を示す斜視図であり、いずれも読取装置10を−Z側(すなわち原稿とは反対の側)から見た斜視図に相当する。
まず、フレーム2の壁部26に、導光体8が取り付けられた取り付け板82(図2参照)を固定し、さらに、フレーム2のカバー当接面26aにカバーガラス7を接着等により固定する。なお、この工程は、後述するようにフレーム2、ロッドレンズアレイ1、レンズ固定部材3、基板4、コイルばね5及びアタッチメント6を固定した後で行っても良い。
次に、図3に示すように、フレーム2のレンズ組み込み穴21に、ロッドレンズアレイ1を−Z側から挿入する。これにより、フレーム2のレンズ当接面22(図1)に、ロッドレンズアレイ1の+Z側の端面(ロッドレンズアレイの第1の面)が当接する。
次いで、図4に示すように、レンズ組み込み穴21に挿入されたロッドレンズ1と、フレーム2の挿入凹部23とにより形成された矩形状の穴に、レンズ固定部材3の挿入部34を−Z側から挿入する。これにより、ロッドレンズアレイ1の−Z側の端面(ロッドレンズアレイの第2の面)と、レンズ固定部材3のレンズ当接面31とが当接し、レンズ固定部材3のZ方向(光軸方向)の位置が決定される。
さらに、図5に示すように、フレーム2の下端27の溝部27aに、防塵ゴム9を装着する。
次に、図6に示すように、基板4を、フレーム2の下端27に取り付ける。このとき、基板4は、受光素子41が実装された面をロッドレンズアレイ1側(+Z側)に向けて、レンズ固定部材3に当接するように取り付けられる。基板4の貫通穴42には、レンズ固定部材3のガイドピン33が挿入される。また、フレーム2のX方向両端に設けられた一対の位置決めピン25(図6にはフレームのX方向の一端部のピンのみ示す)が、基板4に設けられた位置決め穴45に係合し、これにより基板4のフレーム2に対するX方向・Y方向の位置決めがなされる。なお、位置決め穴45及び位置決めピン25による位置決めを行うのは、レンズ固定部材3のガイドピン33のX方向、Y方向の位置精度が高くないためである。
次に、図7に示すように、基板4の裏面側(受光素子41が実装されている面と反対側)にコイルばね5を配置する。このとき、コイルばね5を、その内側にレンズ固定部材3のガイドピン33が挿入されるように取り付けることができるため、コイルばね5の取り付けが容易になる。
次に、図8に示すように、アタッチメント6の係合穴63を、フレーム2の係合用突起24に係合させることで、アタッチメント6をフレーム2に取り付ける。このとき、レンズ固定部材3のガイドピン33が、アタッチメント6の穴部64に係合する。
図1に示すように、コイルばね5は、アタッチメント6と基板4との間で圧縮される。圧縮されたコイルばね5の付勢力により、基板4がレンズ固定部材3の本体部30の下面(基板当接面32)に押し当てられる。これにより、レンズ固定部材3のレンズ当接面31がロッドレンズアレイ1に押し当てられ、さらに、ロッドレンズアレイ1の+Z側の端面(ロッドレンズアレイの第1の面)がフレーム2のレンズ当接面22に押し当てられる。
このようにして、読取装置10が組み立てられると共に、カバーガラス7、ロッドレンズアレイ1、レンズ固定部材3及び基板4の相互の光軸方向の位置が決定される。この状態で、カバーガラス7の表面に載置された原稿の原稿面の像が、ロッドレンズアレイ1により、基板4上の受光素子41に結像する状態となる。
このように構成された読取装置10は、フレーム2の寸法Aを適切に設定することにより、ロッドレンズアレイ1と原稿面7との距離を決定することができ、レンズ固定部材3の寸法Bを適切に設定することにより、ロッドレンズアレイ1と受光素子41との距離を決定することができるため、ロッドレンズアレイ1の高さCのばらつきが発生しても、常に共役長Tcの中心とロッドレンズアレイ1の中心とが一致する。従って、MTFの低下を抑制することができる。
すなわち、ロッドレンズアレイ1の高さCが1mm伸びたと仮定すると、ロッドレンズアレイ1の中心位置は0.5mm(=1mm÷2)だけ下方に変位することになる。一方、原稿面から受光素子41までの距離(Tc)も1mm伸びるため、共役長Tcの中心はやはり0.5mm(=1mm÷2)だけ下方に変位することになる。そのため、この状態でも、共役長Tcの中心とロッドレンズアレイ1の中心とが一致する。
また、カバーがロッドレンズアレイを介してフレームに取り付けられている従来装置(特許文献2参照)と比較して、本実施の形態の読取装置10では、カバーガラス7がフレーム2に直接固定されているため、カバー2の位置(すなわち原稿面の位置)はロッドレンズアレイ1の高さCのばらつきの影響を受けない。
なお、基板4は、ロッドレンズアレイ1を介してフレーム2に取り付けられているため、基板4の位置はロッドレンズアレイ1の高さCのばらつきの影響を受ける。しかしながら、アタッチメント6がコイルばね5を介して基板4をフレーム2に固定しているため、基板4の位置のばらつきをコイルばね5の伸縮で吸収することができる。そのため、読取装置10の総高さD(カバーガラス7の表面からアタッチメント6の下面までの長さ)は、ロッドレンズアレイ1の高さCのばらつきの影響を受けない。
また、カバーガラス7のY方向両端面が、フレーム2の当接端面26bに当接して位置決めされるため、Y方向の位置ずれや傾きが防止される。
さらに、ロッドレンズアレイの焦点距離に応じた板厚のカバーガラスを用いていた従来装置(特許文献2参照)と比較して、カバーガラス7の板厚を、導光体8の形状・配置並びに読取装置の用途に応じて自由に選択することができる。少ない光量で原稿面を十分に照明するためには、導光体8を原稿面に近づけて配置する方が有利であり、そのためには、カバーガラス7の厚みを薄くして導光体8を原稿面に近づけることは有効な手段である。
ところで、ロッドレンズアレイを用いた読取装置は、その用途によって主走査方向(X軸方向)の長さが異なる。紙幣の認識センサとして用いる場合、主走査方向の長さは、短いもので60mmから100mm程度であり、このような場合には、カバー、フレーム、ロッドレンズアレイ及び基板の反りによる焦点の位置ずれは問題とならない。一方、コピー機において裏面読み取りセンサとして用いられる場合、読取装置の主走査方向の長さは、A3用紙対応の300mm程度から、A0用紙対応の930mm程度の長さにまで及ぶ。このような場合には、カバー、フレーム、ロッドレンズアレイ及び基板の反りにより、主走査方向の各位置において焦点の位置ずれが発生する場合がある。
しかしながら、本実施の形態における読取装置10では、カバーガラス7がフレーム2に両面テープや接着剤等で固定されているため、主走査方向の各位置において、カバーガラス7の裏面からフレーム2のレンズ当接面22までの距離A(図1)が変動することはない。また、上述したように、コイルばね5の付勢力により、基板4がレンズ固定部材3に押し当てられ、レンズ固定部材3がロッドレンズアレイ1に押し当てられ、さらにロッドレンズアレイ1がフレーム2に押し当てられているため、主走査方向の各位置において、ロッドレンズアレイ1の−Z側の端面(ロッドレンズアレイの第2の面)から基板41の実装面(+Z側の端面)までの距離Bが変動することもない。
すなわち、主走査方向の長さが例えばA0対応の930mm程度である読取装置10において、カバーガラス7、フレーム2、ロッドレンズアレイ1又は基板4に反りがあったとしても、焦点の位置ずれが生ずることはない(この場合、反りは矯正されることになる)。
また、複写機の本体等に読取装置10を取り付ける際、フレーム2に撓みが生じた場合や、逆に撓みが矯正された場合であっても、カバーガラス7とロッドレンズアレイ1との距離及びロッドレンズアレイ1と基板4との距離が、主走査方向の各位置で変化しないため、焦点位置のずれが生じることもない。
次に、ロッドレンズアレイ1の副走査方向(Y方向)の傾きについて説明する。ロッドレンズアレイ1の幅すなわちY方向の寸法E(図1)は、高さCと同様、ばらつきが生じる場合がある。そのため、フレーム2に設けられたレンズ組込み穴21のY方向の内側寸法は、ロッドレンズアレイ1のY方向の寸法Eの公差範囲を考慮した最大値よりも大きく設定されている。この場合、レンズ組込み穴21の中で、ロッドレンズアレイ1の光軸が傾き、読取画像の劣化を招くことが考えられる。
ここで、図3に示すように、フレーム2は、一対の壁部26が主走査方向の両端でつながる「ロの字」の構造となっている。このため、フレーム2が樹脂等で構成されている場合には、壁部26がY方向に撓む(弾性変形する)ことができる。そこで、フレーム2に係合するアタッチメント6を、例えば、ばね性を有する部材(ステンレス鋼、りん青銅等)で構成し、アタッチメント6の弾性力によりフレーム2を図1に示すF方向(Y方向内側)に弾性変形させ、壁部26によりロッドレンズアレイ1を挟み込むようにすることが好ましい。
このようにすれば、ロッドレンズアレイ1とレンズ組み込み穴21とのY方向の隙間がなくなるため、ロッドレンズアレイ1の光軸の傾きを抑えることができる。なお、この場合、カバーガラス7をフレーム2に両面テープ等で固定する工程は、アタッチメント6をフレーム2に取り付けた後に行うことが好ましい。
なお、本実施の形態では、基板4を付勢するためにコイルばね5を用いたが、アタッチメント6を上述のようにばね性を有する材料で作製する場合は、アタッチメント6のばね性を利用して(例えばアタッチメント6を板ばねとして構成する等して)、基板4を付勢するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に示す読取装置10によれば、カバーガラス7の位置がフレーム2のカバー当接面26aにより決定されるため、カバーガラス7を一定の位置に且つ安定した姿勢に保つことができる。また、カバーガラスの板厚を任意に選択することができる。また、ロッドレンズアレイ1の高さCがばらついても、ロッドレンズアレイ1の中心と共役長Tcの中心とを一致させることができるため、MTFの低下を抑制することができる。
また、ロッドレンズアレイ1と基板4との相対位置関係がレンズ固定部材3の部品精度によって決定され、読取装置10の組み立てにより、カバーガラス7、ロッドレンズアレイ1、レンズ固定部材3及び基板4のZ方向の各位置が決定されるため、ロッドレンズアレイ1の焦点調整のための作業が不要となる。
なお、上述したコイルばね5、アタッチメント6等を使用せずに、基板4をレンズ固定部材3に当接させた状態で、基板4とフレーム2とを接着剤やねじ等により固定することも可能である。しかしながら、本実施の形態のように、ロッドレンズアレイ1及び基板4をフレーム2に組み込む際に、ねじや接着剤等を使用せずに、アタッチメント6の係合穴63とフレーム2の係合用突起24との係合(スナップフィット)及びコイルばね5の付勢力を利用することにより、組立性を向上することができる。さらに、読取装置10の分解や、フレーム2からのロッドレンズアレイ1及び基板4の分離を容易に行うことができるため、構成部品の分別及び再資源化が容易となる。
また、カバーガラス7のY方向における位置は、フレーム2によって決定されるため、Y方向の傾きを生じることもない。
アタッチメント6をばね材(弾性部材)で形成し、フレーム2を副走査方向内側に付勢するように構成すれば、フレーム2の枠部26でロッドレンズアレイ1を副走査方向に挟み込んでフレーム2とロッドレンズアレイ1との隙間をなくし、ロッドレンズアレイ1の光軸の傾きを解消することができる。
本発明の実施の形態における読取装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態における読取装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における読取装置の組み立て工程を示す斜視図である。
符号の説明
1 ロッドレンズアレイ、 2 フレーム、 21 レンズ組込み穴、 22 レンズ当接面、 23 挿入凹部、 24 係合用突起、 25 位置決めピン、 26a カバー当接面、 26b 当接端面、 27 下端、 27a 溝部、 3 レンズ固定部材、 31 レンズ当接面、 32 基板当接面、 33 ガイドピン、 34 挿入部、 4 基板、 41 受光素子、 42 貫通穴、 5 コイルばね、 6 アタッチメント、 63 係合穴、 62 穴部、 7 カバーガラス、 8 導光体、 82 取り付け板、 9 防塵ゴム、 A レンズ当接面からカバー当接面までの寸法、 B レンズ当接面から基板当接面までの寸法、 C ロッドレンズアレイの高さ、 D 読取装置10の高さ、 E ロッドレンズアレイの幅、 F アタッチメントの付勢力の方向、 Tc ロッドレンズアレイの共役長。

Claims (10)

  1. 原稿面の位置を規定するカバー部材と、
    前記カバー部材に対向する第1の面と、当該第1の面と反対の第2の面とを有し、光軸が規定されるロッドレンズアレイと、
    前記ロッドレンズアレイの前記第2の面に対向配置される受光素子が実装された基板と、
    前記カバー部材に当接するカバー当接部と、前記ロッドレンズアレイの前記第1の面に当接するレンズ当接部とを有し、前記光軸方向における前記カバー部材及び前記ロッドレンズアレイの位置を決定するフレームと、
    前記ロッドレンズアレイの前記第2の面と前記基板とに挟まれるように配置され、前記光軸方向における前記ロッドレンズと前記受光素子との相対位置を決定する固定部材と
    前記フレームに対して前記基板及び前記固定部材を保持する保持手段と
    を備えたことを特徴とする読取装置。
  2. 前記保持手段は、前記基板を、前記光軸方向において、前記固定部材に対して付勢する付勢手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  3. 前記付勢手段は、前記フレームに取り付けられる保持部材と、前記保持部材と前記基板との間に設けられた弾性部材とを含むことを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
  4. 前記付勢手段は、前記フレームに取り付けられ、なお且つ弾性を有する保持部材であることを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
  5. 前記付勢手段は、前記ロッドレンズアレイのレンズ要素の配列方向に直交する副走査方向において、前記フレームの側面を内側に付勢するように構成されていることを特徴とする請求項2から4までのいずれか1項に記載の読取装置。
  6. 前記フレームは、前記光軸方向における前記カバー部材と反対の側に、前記固定部材を収容する収容凹部を有し、さらに、前記収容凹部に連通して、前記ロッドレンズアレイを組み込むための組み込み穴を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の読取装置。
  7. 前記固定部材は、前記ロッドレンズアレイの前記第2の面に当接する当接面と、当該当接面から突出する突出部とを有し、
    前記フレームは、前記組み込み穴に隣接して、前記固定部材の前記突出部が挿入される挿入凹部を有することを特徴とする請求項6に記載の読取装置。
  8. 前記フレームは、前記収容凹部を囲む壁部に、前記基板に対向する対向面を有し、
    前記壁部の前記対向面と前記基板との間に、防塵部材が配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の読取装置。
  9. 前記フレームは、前記ロッドレンズアレイのレンズ要素の配列方向に直交する副走査方向において、前記カバー部材の端面に当接してその前記副走査方向の位置を決定する当接面を有することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の読取装置。
  10. 前記固定部材は、前記ロッドレンズアレイのレンズ要素の配列方向において、一定間隔をあけて複数個配置されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の読取装置。
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