JP2015207922A - 画像読取装置およびその組み立て方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレームの長手方向に反りがある場合でも、レンズアレイの長手方向に沿う全領域にわたって、MTF性能を確保することが可能な画像読取装置を提供することを目的とする。【解決手段】等倍光学系を構成するレンズアレイ3と受光素子アレイ5とがフレーム2の長手方向に沿って固定されている画像読取装置において、レンズアレイ3には、その光軸方向に沿って、受光素子アレイ5の反り量Dのほぼ1/2の反り量が形成されていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

この発明は、ファクシミリや複写機、スキャナなどに利用することが可能な密着型イメージセンサ等の画像読取装置、およびその組み立て方法に関する。
近年、コピー機の裏面読み取りセンサ、ファクシミリ装置、スキャナの原稿読み取りセンサ、あるいは金融端末装置等の紙幣認識センサなどにおいては、小型の画像読取装置が用いられている。
この種の画像読取装置は、原稿の読取位置を規制するカバー部材、原稿の画像の正立等倍像を得るためのレンズアレイ、この正立等倍像を光電変換するための受光素子アレイ、この受光素子アレイが搭載される基板、および上記のカバー部材、レンズアレイ、受光素子アレイ、基板をそれぞれ位置決めするためのフレームなどから構成される。
上記のカバー部材は、例えば透明ガラスや透明樹脂からなり、また、レンズアレイは、例えば、半径方向に所定の関数で規定される屈折率分布を有するGRINレンズの複数個を2次元配列したGRINレンズアレイなどが使用される。このGRINレンズアレイは、通常、円柱型のレンズ(以下、単にレンズという)を2次元配列し、その軸方向に沿う両側を側板で挟んだ状態で接着固定された構造となっている。また、受光素子アレイは、正立等倍像を光電変換するために複数の受光素子を基板上に2次元配列して構成されている。
レンズアレイを構成する各レンズは、正立等倍像を得るための等倍光学系を構成する上で、その焦点深度が非常に浅く、原稿をピンボケせずに良好なコントラストで読み取ることができる読取位置(以下、物体面という)から各レンズの光入射側の上端面までの距離と、受光素子アレイの結像面から各レンズの光出射側の下端面までの距離とが同じにならず両者の距離が少しでも異なると、MTF(Modulation Transfer Function)性能の低下が著しくなる。逆に、各レンズについて、上記の2つの距離が同じであれば、物体面から結像面までの共役距離が少々異なっていても、MTF性能の低下が少ないことが知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
ここで、予めMTF性能が確保できる板厚のカバー部材を選定し、レンズアレイを選定したカバー部材に当接させて固定する画像読取装置の構造が提案されている。この構造によれば、MTF性能を確保するための光路長調整作業が不要となる(例えば、下記の特許文献2、3参照)。
特開2000−32214号公報 特開平10−190909号公報 国際公開WO2009/104602号公報
このような画像読取装置の構造においては、カバー部材、レンズアレイ、基板をそれぞれ位置決めするためのフレームは、コスト面から樹脂成形品で構成されることが多い。このような樹脂成形品であるフレームは、加熱成形後の熱収縮の影響などにより、僅かな歪を生じ易く、特に、その長手方向に沿って反りが生じ易い。
一方、上記のカバー部材、レンズアレイ、および受光素子アレイが実装された基板は、いずれもフレームを基準にして組み付けられている。特に、特許文献2に記載の従来の画像読取装置では、レンズアレイの光入射側の上端面がカバー部材の下面に当接して固定されている。また、特許文献3に記載の従来の画像読取装置では、レンズアレイの光出射側の下端面がフレームに形成された収納室の下面に当接して固定されている。
このため、フレームに上記のような成形時の反りが発生している場合、これに伴ってフレームを基準にして組み付けられる上記のカバー部材、レンズアレイ、基板、受光素子アレイにも反りが生じる。その結果、個々のレンズについて見ると、それらの各レンズのコントラストが揃う物体面が、フレームの反りに応じた状態で湾曲する。一方、用紙などの原稿は、通常、平坦な状態でカバー部材の上を通過するので、レンズアレイの長手方向に沿う全領域にわたって物体面を平坦な状態にすることが困難となり、原稿を読み取った画像にピンぼけが生じる。特に、レンズアレイや受光素子アレイの長手方向に沿ってピンぼけが生じ易くなる。
このような、フレームの反りに起因した不具合発生を防ぐには、例えば、フレームを研磨するなどして反りを無くすことが考えられるが、このようにすると、精密な研磨作業を要し、余分な工数と労力が必要となり、コストアップを招来するため好ましくない。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、フレームに反りが発生していても、余分な手間や労力を要することなく、レンズアレイの長手方向に沿う全領域にわたって、MTF性能を確保することが可能な画像読取装置、およびその組み立て方法を提供することを目的としている。
この発明に係る画像読取装置は、等倍光学系を構成するレンズアレイと受光素子アレイとがフレームの長手方向に沿って固定されたものであって、上記レンズアレイには、その光軸方向に沿って上記受光素子アレイの反り量のほぼ1/2の反り量が形成されていることを特徴としている。
また、この発明の画像読取装置の組み立て方法は、上記フレームの反り量を計測する計測器と、上記レンズアレイを支持して湾曲させる支持機構とを適用し、上記計測器で上記フレームの反り量を計測した後、その計測結果に基づいて上記支持機構を駆動して上記レンズアレイを支持した状態で湾曲させ、この状態で上記フレームに固定することを特徴としている。
この発明の画像読取装置によれば、レンズアレイはその光軸方向に沿って受光素子アレイの反り量のほぼ1/2の反り量が形成されているので、フレームの反りに影響されることなく、副走査方向に沿う全領域にわたって、良好なコントラストを得る上で必要な物体面を平坦な状態とすることができる。これにより、その物体面を平坦なMTF性能許容範囲内に確実に収めることができるので、原稿を読み取った画像にピンぼけが生じることがない。
また、この発明の画像読取装置の組み立て方法によれば、計測器と支持機構を適用することで、フレームの反りに伴う受光素子アレイの反り量に応じた反り量をレンズアレイに確実に形成することができるので、原稿を読み取った画像にピンぼけが生じることがない良好な品質の画像読取装置を製作することが可能となる。
この発明の実施の形態における画像読取装置を示す分解斜視図である。 図1の画像読取装置の構造を示す主走査方向に沿う断面図である。 図1の画像読取装置のレンズアレイの組み立て状態を示す斜視図である。 図1の画像読取装置のレンズアレイ、受光素子アレイ、およびフレームとの配置関係を説明するための主走査方向と直交する副走査方向に沿う模式断面図である。 図1の画像読取装置において、等倍光学系における物体面、結像面、およびMTF性能許容範囲の相互関係を説明するための主走査方向と直交する副走査方向に沿う模式断面図である。 従来の画像読取装置の構造を示す主走査方向に沿う断面図である。 従来の他の画像読取装置の構造を示す主走査方向に沿う断面図である。 図6、図7に示す従来の画像読取装置において、物体面、結像面、およびMTF性能許容範囲の相互関係を説明するための主走査方向と直交する副走査方向に沿う模式断面図である。
この発明の実施の形態1について説明する前に、この発明の特徴を理解する上で、従来技術の内容、およびその場合の問題点について、以下に説明する。
図6は、前述の特許文献2に記載されている従来の画像読取装置において、主走査方向(図中Y方向)に沿った断面図である。また、図7は前述の特許文献3に記載されている従来の画像読取装置において、主走査方向(図中Y方向)に沿った断面図である。
図6および図7において、符号3は原稿の正立等倍像を得るためのレンズアレイ、4は原稿の読取位置を規制するカバー部材、5は正立等倍像を光電変換するための受光素子アレイ、6は受光素子アレイ5が搭載された基板、2は上記のレンズアレイ3、カバー部材4及び基板6をそれぞれ位置決め固定するフレームである。
そして、図6に示す構成のものでは、レンズアレイ3は、フレーム2に形成された垂直基準面2aに沿わせた状態で、光出射側の下端面3bがフレーム2に形成された長穴2bを貫通して受光素子アレイ5に対向するとともに、レンズアレイ3の光入射側の上端面3aがカバー部材4の下面に当接して固定されている。
また、図7に示す構成のものでは、レンズアレイ3は、フレーム2に形成された垂直基準面2aに沿わせた状態で、光出射側の下端面3bがフレーム2に形成された収納室2cの下面に当接して固定されるとともに、収納室2cの底部に形成された貫通孔2dを通して受光素子アレイ5に対向している。
図6および図7に示したいずれの構成の画像読取装置においても、レンズアレイ3、カバー部材4、受光素子アレイ5、および基板6がフレーム2に一体的に固定されているので、図8に示すように、フレーム2の長手方向、つまり主走査方向(Y方向)と直交する副走査方向(X方向)において、フレーム2の成形時の反りの程度に応じて、これらのレンズアレイ3、カバー部材4、受光素子アレイ5、および基板6が同等の反りを持つことになる。すなわち、副走査方向(X方向)において、フレーム2と共に、レンズアレイ3や受光素子アレイ5が同じ曲率でもって湾曲している。
このため、フレーム2の長手方向(X軸方向)の中央付近、および端部付近のいずれの箇所においても、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mからレンズアレイ3の光入射側の上端面3aまでの距離と、受光素子アレイ5の結像面Fからレンズアレイ3の光出射側の下端面3bまでの距離とは、いずれもL3で等しくなる。すなわち、フレーム2に成形時の反りが発生している場合、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mは、フレーム2の反りの程度に応じて湾曲した状態になる。一方、用紙などの原稿は、通常、平坦な状態でカバー部材4の上を通過する。
したがって、レンズアレイ3の長手方向に沿う全領域にわたって、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mを、平坦なMTF性能許容範囲R内に収めることが困難となる。すなわち、図8の場合は、X軸方向の中央付近で平坦なMTF性能許容範囲RからΔR分だけ物体面Mがずれている。そのため、原稿を読み取った画像にピンぼけが生じる。特に、副走査方向(X軸方向)においてピンぼけが生じ易くなる。
次に、この発明の読み取り装置の実施の形態1について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における画像読取装置を示す分解斜視図、図2は同画像読取装置の構造を示す主走査方向(Y軸方向)に沿う断面図であり、図6、図7に示した従来技術と対応する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態1の画像読取装置1は、原稿の読取位置を規制するカバー部材4、原稿の画像の正立等倍像を得るためのレンズアレイ3、この正立等倍像を光電変換するための受光素子アレイ5、この受光素子アレイ5が搭載される基板6、および上記のカバー部材4、レンズアレイ3、受光素子アレイ5、および基板6をそれぞれ位置決め固定するフレーム2を備え、これらのレンズアレイ3、カバー部材4、受光素子アレイ5、および基板6が接着剤などを用いてフレーム2に一体的に固定されている。
この実施の形態1において、レンズアレイ3は、フレーム2に形成された垂直基準面2aに沿わせた状態で、光出射側の下端面3bがフレーム2に形成された長穴2bを貫通して受光素子アレイ5に一定の隙間S2を保って対向させる。一方、レンズアレイ3の光入射側の上端面3aはカバー部材4の下面4bには当接せず、一定の隙間S1を確保した状態で固定されている。
その場合、レンズアレイ3の上下に確保されている各隙間S1、S2は、フレーム2の反り量より十分大きくなるように予め設定されており、レンズアレイ3の光軸方向(Z軸方向)の位置調整が可能な構造となっている。
図3は、この実施の形態1の画像読取装置のレンズアレイの組み立て状態を示す斜視図、図4は同画像読取装置のレンズアレイ、受光素子アレイ、およびフレームとの配置関係を説明するための主走査方向(Y軸方向)と直交する副走査方向(X軸方向)に沿う断面図である。
レンズアレイ3の組み付け時には、フレーム2の長手方向となる副走査方向(X軸方向)に沿うフレーム2の下面2eの反り量を各計測器8a、8b、8cを用いて予め計測し、その計測結果をコントローラ9に取り込む。そして、各計測器8a、8b、8cの計測結果に基づいて、コントローラ9の制御により、アクチュエータを備えた支持機構7a、7b、7cを駆動してレンズアレイ3を湾曲させ、その状態でレンズアレイ3を接着剤などでフレーム2に固定する。
この場合、各計測器8a、8b、8cは、副走査方向(X軸方向)に沿うフレーム2の下面2e側において、その中央の位置P2と、この位置P2から左右にそれぞれ一定距離X0だけ離れた対称位置P1、P3に配置される。ここで、各計測器8a、8b、8cとしては、例えば軽荷重の接触式リニアゲージや非接触式のレーザ変位計を適用することができる。特に、レーザ変位計を用いれば、フレーム2の反りを非接触でより正確に測定できる利点がある。
また、上記の各支持機構7a〜7cは、その支持箇所が各計測器8a〜8cの計測点を通るレンズアレイ3の光軸方向(Z軸方向)に沿った垂直な平面内に含まれるように配置されている。すなわち、レンズアレイ3の長手方向(X軸方向)における上端面3aにおいて、その中央の位置P5、およびその中央位置P5から左右にそれぞれ一定距離X0だけ離れた対称位置P4、P6の各々の垂直面を通るように各支持機構7a〜7cがそれぞれ配置されている。
ここで、各支持機構7a、7b、7cとしては、例えばピエゾ素子などのアクチュエータと、レンズアレイ3を挟み込むチャック、あるいはレンズアレイ3の側面を吸着する吸着ヘッドとを組み合わせた機構のものを使用することができる。特に、各支持機構7a、7b、7cがレンズアレイ3と当接するヘッド部分は、図3に示すように、レンズアレイ3の上端面3aとその側面の両方に接触するようにすれば、後述のようにレンズアレイ3を湾曲させる際に、傷付けることなく確実に変形させることができるので都合がよい。
フレーム2の長手方向である副走査方向(X軸方向)に沿う結像面Fの反り量Dは、各計測器8a、8b、8cの測定結果に基づき、次のようにして計測できる。
フレーム2の長手方向(X軸方向)の寸法に比べて、受光素子アレイ5の光軸方向(Z軸方向)の長さは十分に小さいので、フレーム2の長手方向(X軸方向)に沿う受光素子アレイ5の反り量や、その結像面Fの反り量は、フレーム2の下面2eの反り量と同等とみなすことができる。このことから、まず、フレーム2の下面2eの反り量Dを、計測器8a〜8cを用いて測定する。
ここで、副走査方向(X軸方向)に沿ってそれぞれ配置された各計測器8a〜8cについて、計測器8aの測定点の座標をP1、計測器8bの測定点の座標をP2、計測器8cの測定点の座標をP3とすると、フレーム2の下面2eの反り量Dは、光軸方向(Z軸方向)の座標の差として次式で与えられる。
D=(P1+P3)/2−P2 (1)
このように、フレーム2の下面2eの反り量Dが求まると、コントローラ9は、上記の各測定点P1、P2、P3に対応して配置された各支持機構7a〜7cを駆動して、レンズアレイ3の上端面3aの長手方向(X軸方向)の中央位置における反り量が、上記の(1)式により得られた反り量Dのほぼ1/2に湾曲するように調整する。
ここで、支持機構7a〜7cがレンズアレイ3の上端面3aに接触する各位置の座標をそれぞれP4、P5、P6とし、また、座標の位置P1とP4、およびP6とP3を結ぶ距離を共にL0として予め設定しておくと、各座標P4、P5、P6は、次の式で得られる。
P4=P1+L0 (2)
P6=P3+L0 (3)
P5≒(P4+P6)/2−D/2 (4)
そして、コントローラ9の制御により、副走査方向(X軸方向)に沿って、レンズアレイ3の上端面3aが上記の座標P4、P5、P6の位置を通るように、各支持機構7a〜7cを駆動してレンズアレイ3を湾曲させる。
このようにして、画像読取装置1を組み立てる際には、上記のような手順で支持機構7a〜7cによってレンズアレイ3を湾曲させた状態を保持したままで、フレーム2の垂直基準面2aにレンズアレイ3を当接して接着剤等で固定する。レンズアレイ3をフレーム2に固定した後は、支持機構7a〜7や計測器8a、8b、8cは撤去する。
次いで、フレーム2の下面2eに受光素子アレイ5を実装した基板6を固定する。引き続いて、レンズアレイ3の光入射側の上端面3aに対するカバー部材4の下面4bの隙間S1を調整した後、フレーム2の上面2fにカバー部材4を固定する。なお、カバー部材4をフレーム2に固定した後に基板6を固定してもよい。
図5は、等倍光学系における物体面M、結像面F、およびMTF性能許容範囲Rの相互関係を説明するための副走査方向(X軸方向)に沿う模式断面図である。
図3、図4を用いて説明したように、レンズアレイ3をフレーム2に固定する際に、フレーム2の長手方向となる副走査方向(X軸方向)に沿うフレーム2の下面2eの反り量Dを各計測器8a、8b、8cを用いて予め計測し、コントローラ9により、各計測器8a、8b、8の計測結果に基づいて、支持機構7a、7b、7cを駆動して、レンズアレイ3の上端面3aの長手方向(X軸方向)の中央位置における反り量が、上記の(1)式により得られた反り量Dのほぼ1/2に湾曲するように調整する。そうすると、図5に示すように、フレーム2の長手方向(X軸方向)の両端付近では、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mからレンズアレイ3の上端面3aまでの距離と、受光素子アレイ5の結像面Fからレンズアレイ3の下端面3bまでの距離とは、いずれもL1で等しくなる。また、フレーム2の長手方向(X軸方向)の中央付近では、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mからレンズアレイ3の上端面3aまでの距離と、受光素子アレイ5の結像面Fからレンズアレイ3の下端面3bまでの距離とは、いずれもL2で等しくなる。
すなわち、フレームに成形時の反りが発生している場合、レンズアレイ3を構成する各々のレンズの共役距離は、フレーム2の長手方向(X軸方向)の両端付近と中央付近とで異なるものの(L1≠L2)、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mは、フレーム2の反りに影響されずにフレーム2の長手方向(X軸方向)に沿って全て平坦な状態になる。一方、用紙などの原稿は、通常、平坦な状態でカバー部材4の上方を通過する。
したがって、フレーム2が反っていても、これに影響されることなく、副走査方向(X軸方向)に沿う全領域にわたって、良好なコントラストを得る上で必要な物体面Mを平坦な状態にできるので、この物体面Mを平坦なMTF性能許容範囲R内に確実に収めることができ、原稿を読み取った画像にピンぼけが生じることがない。
等倍光学系をつくるレンズアレイ3の各レンズの光軸に対する傾きは1°以下となっており、例えばフレーム2の副走査方向(X軸方向)の長さが、A4サイズの複写機に搭載されるようなサイズの場合には、レンズアレイ3の反り量は2.5mm以下となる。フレーム2が樹脂素材であったとしても、レンズアレイ3の反り量2.5mm以下とすることは難しくない。また、レンズアレイ3は樹脂素材のため、その反り量2.5mmで固定した場合の残留応力は接着固定のせん断応力よりも十分小さいので何ら問題はない。
なお、この発明は、この実施の形態1の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しないか範囲において、実施の形態1の構成に対して各種の変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
1 画像読取装置、2 フレーム、3 レンズアレイ、3a 上端面、3b 下端面、4 カバー部材、5 受光素子アレイ、6 基板、7a〜7c 支持機構、
8a〜8c 計測器、9 コントローラ、R MTF性能許容範囲、M 物体面、
F 結像面。

Claims (7)

  1. 等倍光学系を構成するレンズアレイと受光素子アレイとがフレームの長手方向に沿って固定されている画像読取装置において、
    上記レンズアレイには、その光軸方向に沿って、上記受光素子アレイの反り量のほぼ1/2の反り量が形成されていることを特徴とする画像読取装置。
  2. 上記レンズアレイとこれを覆うカバー部材との間、および上記レンズアレイと上記受光素子アレイとの間には、それぞれ上記フレームの反り量より大きな一定の隙間が確保されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 上記フレームの長手方向の中央位置から左右対称の各位置において、上記レンズアレイと上記受光素子アレイとの間の光軸方向に沿う長さが互いに等しくなるように固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像読取装置を組み立てる方法であって、
    上記フレームの反り量を計測する計測器と、上記レンズアレイを支持して湾曲させる支持機構とを適用し、上記計測器で上記フレームの反り量を計測した後、その計測結果に基づいて上記支持機構を駆動して上記レンズアレイを湾曲させ、この状態で上記レンズアレイを上記フレームに固定することを特徴とする画像読取装置の組み立て方法。
  5. 上記計測器により上記フレームの長手方向の中央位置における当該フレームの光軸方向に沿った反り量を計測し、上記支持機構により上記フレームの長手方向の中央位置に対応した箇所のレンズアレイに対して、上記受光素子アレイの反り量のほぼ1/2の反り量を光軸方向に沿って形成することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置の組み立て方法。
  6. 上記計測器として、レーザ変位計を用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像読取装置の組み立て方法。
  7. 上記支持機構を上記フレームの長手方向に沿って少なくとも3箇所に配置し、その内の少なくとも2つの支持機構により上記フレームの長手方向の中央位置から一定距離離れた左右対称の各位置において、上記レンズアレイと上記受光素子アレイとの間の光軸方向に沿う長さが互いに等しくなるように支持し、残りの支持機構により上記レンズアレイをその光軸方向に沿って湾曲させることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の画像読取装置の組み立て方法。
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