JP2010122479A - 光学装置、光学部材保持機構および撮像装置 - Google Patents

光学装置、光学部材保持機構および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】姿勢にかかわらず光学部材のガタつきを確実に抑制すること。
【解決手段】鏡筒101の内側に設けられて光軸方向に移動可能に設けられた可動レンズ枠201を備えたレンズ装置において、鏡筒101の内面の少なくとも一部をなし、光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部401と、可動レンズ枠201に保持され、勾配部401側に突出する当接部を備え、当該当接部を勾配部401に当接させることによって可動レンズ枠201と勾配部401とを離反させる付勢力を作用させる姿勢保持部材402と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

この発明は、光軸方向に移動可能に設けられた光学部材を備えた光学装置、当該光学装置における光学部材を保持する光学部材保持機構、および上記光学装置を備えた撮像装置に関する。
従来、たとえば、光軸方向に移動可能に設けられたレンズ摺動枠を備え、このレンズ摺動枠を光軸方向に移動させることによってフォーカス(焦点)調整やズーム(倍率)調整をおこなうようにしたレンズ装置があった。このようなレンズ装置においては、具体的には、たとえば鏡筒の内周側に配置されるレンズ摺動枠の外周位置に設けられたコマを、操作リングに設けられたカム溝および鏡筒に設けられた縦溝に挿入し、鏡筒に対して操作リングを相対的に回動させてコマを縦溝に沿って移動させることによりレンズ摺動枠を摺動させる機構を実現している。
このように、光軸方向に移動可能に設けられた光学部材を光軸方向に移動させることによって光学性能を調整する光学装置においては、水平方向あるいは垂直方向に対するレンズ装置における光軸方向の向き(以下「レンズ装置の姿勢」という)によっては光軸方向における光学部材の位置にガタつきが生じ、光学性能が低下することがあった。
レンズ装置の姿勢によって生じる光学性能の差、いわゆる姿勢差が生じることに対する対策として、従来、たとえばバネやスプリングなどの弾性部材を用いて、レンズ摺動枠をスラスト方向(光軸方向)における一方側に付勢したり、レンズ摺動枠をラジアル方向に付勢してレンズ摺動枠を鏡筒内で突っ張らせたりすることによって、姿勢差を抑制するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1、2を参照)。
特開平10−123403号公報 特開平11−052212号公報
しかしながら、上述した従来の技術のように、レンズ摺動枠をスラスト方向(光軸方向)における一方側に付勢する、いわゆる片寄せする場合、レンズ摺動枠の光軸方向における位置によって弾性部材がレンズ摺動枠に作用させる付勢力が変化するため、レンズ摺動枠の光軸方向における位置によってガタ取り効果にばらつきが生じるという問題があった。また、レンズ摺動枠の光軸方向における位置によって弾性部材が作用させる付勢力が変化するため、レンズ摺動枠の光軸方向における位置によって操作リングの回動に要するトルクが変化し、操作リングを回動させる操作者に対して操作感のムラを感じさせてしまうという問題があった。
また、レンズ摺動枠をラジアル方向に付勢する場合、レンズ装置の姿勢によって弾性部材が作用させる付勢力にばらつきが生じるため、レンズ摺動枠の光軸方向における位置によってガタ取り効果にばらつきが生じるという問題があった。これに対して、レンズ装置の姿勢にかかわらず弾性部材の付勢力を確実に作用させるために弾性部材による付勢力を増大させると、操作リングを操作する際のトルクが重くなり、操作性が低下するという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、姿勢にかかわらず光学部材のガタつきを確実に抑制することができる光学装置、光学部材保持機構および撮像装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる光学装置は、鏡筒の内側に設けられて光軸方向に移動可能に設けられた光学部材を備えた光学装置であって、前記光学部材に保持され、前記鏡筒の内面側に突出する当接部を備え、当該当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることによって前記鏡筒に対して前記光学部材を光軸方向へ付勢させる付勢力を作用させる姿勢保持部材と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、姿勢保持部材が光学部材側から鏡筒の内面を付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材の鏡筒の内面に対する当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材が鏡筒の内面に当接する当接位置において付勢力を作用させることができる。これにより、当接位置においては付勢力に対する反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材を押さえ、姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材が、前記当接部が前記鏡筒と当接することにより発生する応力の、前記光軸に平行な方向の分力により前記付勢力を作用させることを特徴とする。この発明によれば、当接部が鏡筒と当接することにより発生する応力を利用することにより、簡易な構成によって姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材が、前記当接部材を前記鏡筒の内面の一部に当接させることによって、前記付勢力を作用させるとともに、前記鏡筒に対して前記光学部材を前記光軸に交差する方向へ付勢させる第2の付勢力を作用させることを特徴とする。この発明によれば、当接部が鏡筒と当接することにより発生する応力を利用することにより、簡易な構成によって姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材が、前記当接部が前記鏡筒と当接することにより発生する応力の前記光軸に平行な方向の分力および前記光軸に交差する方向の分力により前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする。この発明によれば、当接部が鏡筒と当接することにより発生する応力を利用することにより、簡易な構成によって姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記当接部と当接する前記鏡筒の内面の一部は、前記光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部であり、前記姿勢保持部材は、前記当接部を前記勾配部に当接させることにより前記光学部材と前記勾配部とを離反させることによって前記付勢力を作用させることを特徴とする。
この発明によれば、勾配部が光軸方向において光軸に対して傾斜しているため、姿勢保持部材が光学部材側から勾配部を付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材の当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材が勾配部に当接する当接位置において常に複数方向に付勢力を作用させることができる。これにより、当接位置においては各付勢力に対して複数方向から反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材を複数方向から押さえ、姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記当接部と当接する前記鏡筒の内面の一部は、前記光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部であり、前記姿勢保持部材は、前記当接部を前記勾配部に当接させることにより前記光学部材と前記勾配部とを離反させることによって前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする。
この発明によれば、勾配部が光軸方向において光軸に対して傾斜しているため、姿勢保持部材が光学部材側から勾配部を付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材の当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材が勾配部に当接する当接位置において常に複数方向に付勢力を作用させることができる。これにより、当接位置においては各付勢力に対して複数方向から反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材を複数方向から押さえ、姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材が、前記当接部からなる一端部と他端部とからなり、前記光学部材に支軸によって連結された応力部材と、前記他端部と当接する係止部材と、を備えており、前記当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることにより前記支軸を介して前記他端部と前記係止部材とを当接させることによって前記付勢力を作用させることを特徴とする。
この発明によれば、姿勢保持部材が光学部材側から鏡筒の内面を付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材の鏡筒の内面に対する当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材が鏡筒の内面に当接する当接位置において付勢力を作用させることができる。これにより、当接位置においては付勢力に対する反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材を押さえ、姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材が、前記当接部からなる一端部と他端部とからなり、前記光学部材に支軸によって連結された応力部材と、前記他端部と当接する係止部材と、を備えており、前記当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることにより前記支軸を介して前記他端部と前記係止部材とを当接させることによって前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする。
この発明によれば、姿勢保持部材が光学部材側から鏡筒の内面を付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材の鏡筒の内面に対する当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材が鏡筒の内面に当接する当接位置において付勢力を作用させることができる。これにより、当接位置においては付勢力に対する反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材を押さえ、姿勢保持部材の位置を安定させることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記光学部材は、当該光学部材の外周面から前記光軸を中心とする円の半径方向に突出するコマ部材を備え、当該コマ部材を前記鏡筒に設けられた溝に嵌め込むことによって前記溝に沿って移動可能に設けられており、前記姿勢保持部材は、前記円の外周における前記コマ部材とは異なる位置に設けられていることを特徴とする。この発明によれば、光学部材の位置を安定させる機能を、光学部材を支持する機能とは別に、独立して設けることができる。
また、この発明にかかる光学装置は、上記の発明において、前記姿勢保持部材は、前記光軸を中心とする同一円周上に複数設けられており、少なくとも一つの付勢部材の付勢力は、別の付勢部材の付勢力とは異なることを特徴とする。この発明によれば、付勢部材どうしの付勢力を異ならせることにより、光学部材の移動にかかる操作感の微調整をおこなうことができる。
また、この発明にかかる撮像装置は、撮像用の光電変換素子と、前記光電変換素子に入射する外光の光学性能を調整する請求項1〜5のいずれか一つに記載の光学装置と、を備えたことを特徴とする。この発明によれば、光学部材をがたつかせることなく光軸方向に移動させることによって光学性能を調整し、撮像をおこなうことができるので、良好な画像を撮像することができる。
この発明にかかる光学装置、光学部材保持機構および撮像装置によれば、光学装置の姿勢にかかわらず光学部材の位置を安定させ、光学装置の姿勢にかかわらず光学部材のガタつきを確実に抑制することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光学装置、光学部材保持機構および撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置の概略構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を示す斜視図である。図1において、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置100は、光学装置を実現し、鏡筒101を備えている。鏡筒101は、前方側鏡筒101aおよび後方側鏡筒(符号を省略する)を備え、光軸方向の両端部に開口を備えた略円筒形状からなる。前方側鏡筒101aは、後方側鏡筒よりも対物側に設けられる。後方側鏡筒は、前方側鏡筒101aよりも接眼側に設けられて、図示を省略する撮像装置本体が備えるマウントに取り付けられる。
撮像装置本体内には、撮像用の光電変換素子すなわち撮像素子(図示を省略する)が配置されている。撮像素子は、レンズ装置100を介して入射した外光を光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。撮像素子は、具体的には、たとえばCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの固体撮像素子によって実現することができる。
鏡筒101の外周側には、操作リング102が設けられている。操作リング102は、レンズ装置100の光軸を軸心方向とする円筒形状からなり、光軸を中心として回動自在に設けられている。図1における符号103は、操作リング102の回動を規制するロックビスである。ロックビス103は、締める方向(時計回り方向)に回動し、先端を操作リング102に当接させることによって操作リング102の回動を規制する。また、ロックビス103は、弛める方向(反時計回り方向)に回動し、先端を操作リング102から離反させるように変位することによって、鏡筒101に対する操作リング102の回動を許容する。
鏡筒101の内側には、光軸方向に移動可能な可動レンズ104が設けられている。この実施の形態1のレンズ装置100は、操作リング102と同数あるいはそれ以上の個数のレンズを備えている。可動レンズ104は、レンズ装置100が備えるレンズの一部をなし、操作リング102の数と同数設けられている。可動レンズ104の操作リング102の回動にともなって光軸方向に移動する。操作リング102の回動にともなって可動レンズ104が光軸方向に移動する構成については後述する。
つぎに、レンズ装置100の内部構成について説明する。図2、図3および図4は、レンズ装置100の内部構成を示す説明図である。図2においては、光軸に直交する平面で切断した状態のレンズ装置100における可動レンズ104およびその周辺を斜めから見た状態を示している。図3においては、光軸に直交する平面で切断した状態のレンズ装置100の断面を示している。図4においては、レンズ装置100を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面の一部を示している。
図2、図3および図4において、可動レンズ104は、可動レンズ104の外周縁を保持する可動レンズ枠201を介して鏡筒101に連結されている。この実施の形態1においては、可動レンズ枠201によって光学部材が実現されている。光学部材は可動レンズ枠201によって実現されるものに限らず、可動レンズ104を直接鏡筒101に連結し、可動レンズ104によって光学部材を実現してもよい。
可動レンズ枠201は、可動レンズ枠201の外周部分において、光軸を中心とする円の半径方向に突出するコマ部材202を備えている。コマ部材202は、複数(この実施の形態1においては3つ)設けられており、光軸を中心とする同一円周上に等間隔に配置されている。コマ部材202は、鏡筒101に設けられた溝としての直進溝203を貫通して、操作リング102の内周面に設けられたカム溝(図6における符号601を参照)に係合している。
直進溝203は、光軸方向を長手方向とする長穴形状をなし、光軸を中心とする円の半径方向に鏡筒101を貫通している。鏡筒101の内周面において、直進溝203を縁取る周囲部(図3における矢印Aを参照)は、光軸方向において光軸に平行な方向を長手方向とする略長方形状をなしている。
鏡筒101の内周面において周囲部以外の部分(図3における矢印Bを参照)は、光軸方向において光軸に対して傾斜した勾配部401をなしている。勾配部401は、周囲部以外のすべての部分とすることができる。また、勾配部401は、周囲部以外のすべての部分に限らず、鏡筒101の内面の少なくとも一部をなしていればよい。
この実施の形態1における鏡筒101は、金型を用いて成形された成形部品によって実現することができる。成形部品によって実現される鏡筒101は、具体的には、たとえば加熱することによって液体状になったプラスチック原料(溶融樹脂)を高圧力で金型に流し込んで成形する射出成形(injection molding)によって成形することができる。
公知の技術であるため図示および説明を省略するが、金型は、主に鏡筒101の外側を形成するキャビティと、主に鏡筒101の内周面を形成するコアと、を組み合わせることによって構成される。キャビティおよびコアは、金型の抜き方向において、相対的に移動可能とされている。また、キャビティの内周面およびコアの外周面は、金型から成形部品を抜き取る際の抵抗を低減するための抜き勾配が設けられている。抜き勾配は、たとえば5度前後が好ましく、鏡筒101の光軸方向における寸法に依存するものの、最大値で10度程度とすることが好ましい。これによってレンズ装置100の光学性能を低下させることなく、鏡筒101を容易に成形することができる。
この実施の形態1において、勾配部401の勾配は、金型の抜き勾配に由来している。勾配部401は、金型を抜き易くするために設計時点で元々設けられることが決まっている金型の勾配(傾斜)を、そのまま成形部品である鏡筒101に転写することによって実現されている。このため、光軸に対する勾配部401の傾斜方向は、金型の抜き勾配の傾斜方向すなわち金型の抜き方向と一致している。
勾配部401は光軸方向において光軸に対して傾斜していればよく、具体的には、たとえば接眼側ほど内径が小さくなるように傾斜していればよい。また、勾配部401は、具体的には、たとえば対物側ほど内径が小さくなるように傾斜していてもよい。接眼側の内径の方が対物側の内径よりも小さくなるように傾斜するか、対物側の内径の方が接眼側の内径よりも小さくなるように傾斜するかは、たとえば鏡筒101の全体形状などに基づき金型を設計する際に決定することができる。
この実施の形態1においては、既存の金型を用いて従来と同様にして鏡筒101を成形することによって、勾配部401設計のために新たに金型を作成することなく、勾配部401を備えた鏡筒101を成形することができる。これによって、金型が抜き易く、作業効率の向上を図ることができるという利点を利用したまま、勾配部401を備えた鏡筒101を成形することができる。
カム溝601は、光軸方向に対して傾斜した方向を長手方向とし、光軸を中心とする螺旋形状をなしている。コマ部材202は、直進溝203およびカム溝内において、各溝の長手方向にスライド自在とされている。可動レンズ保持枠201は、コマ部材202によって鏡筒101内で吊られた状態とされている。
可動レンズ保持枠201が鏡筒101内で吊られた状態においては、可動レンズ保持枠201の外周面と鏡筒101の内周面との間には、空間(符号を省略する)が確保される。可動レンズ保持枠201の外周面と主鏡筒101の内周面との間に確保される空間は、鏡筒101に対する可動レンズ保持枠201の光軸方向への移動を許容すればよい。
可動レンズ保持枠201の外周面と主鏡筒101の内周面との間に確保される空間は、具体的には、可動レンズ保持枠201の外周面と主鏡筒101の内周面とが完全に密着した状態でなければ、空間の大小は格別限定されるものではない。空間の大きさは、勾配部401の勾配によって接眼側と対物側とで若干異なるが、可動レンズ保持枠201の外周面と主鏡筒101の内周面との距離が、レンズ装置100の光学性能を損なわない程度の大きさとされている。
可動レンズ枠201の外周部分には、複数の姿勢保持部材402が設けられている。この実施の形態1における姿勢保持部材402は、一つの可動レンズ枠201ごとに複数(この実施の形態1においては3つ)設けられている。姿勢保持部材402は、一つの可動レンズ枠201ごとに1つずつ設けられていてもよい。
この実施の形態1において、姿勢保持部材402は、光軸を中心とする同一円周上において等間隔に配置されている。姿勢保持部材402は、それぞれ、光軸を中心とする円周上においてコマ部材202の中間に位置するように設けられている。姿勢保持部材402の先端部は、球面形状からなり、これによって各姿勢保持部材402は勾配部401に対して点接触している。この実施の形態においては、姿勢保持部材402の先端部によって、当接部を実現することができる。
姿勢保持部材402の先端部は、球面形状に限るものではなく、たとえば勾配部401に面接触するように、光軸方向において光軸に対して傾斜した平面形状をなしていてもよい。姿勢保持部材402は、可動レンズ枠201の外周面から光軸方向に凹んだ凹部403に挿入されており、これによって可動レンズ枠201に保持されている。
姿勢保持部材402は、付勢部材404と当接部材405とを備えている。付勢部材404は、当接部材405よりも光軸側に設けられて、当接部材405を勾配部401側に付勢している。付勢部材404は、具体的には、たとえば圧縮バネによって実現することができる。
付勢部材404を圧縮バネによって実現する場合、付勢部材404は、収縮状態で凹部403に収容される。これによって、当接部材405を勾配部401側に付勢することが可能になる。付勢部材404は、圧縮バネに限るものではない。付勢部材404は、圧縮バネに変えて、たとえばゴムやスポンジなどの弾性部材によって実現することもできる。
付勢部材404の付勢力は、付勢部材404を形成する材料自体が備える弾性力に応じて変化する。たとえば外観が同一の圧縮バネであれば、圧縮バネを形成する材料の硬度が高い方が、硬度が低い材料よりも大きな付勢力を作用させることができる。また、付勢部材404の付勢力は、凹部403における付勢部材404の圧縮状態などに応じて変化する。凹部403の大きさは一定であるため、たとえば同じ材料を用いて形成されている同一径の圧縮バネであれば、圧縮方向における寸法、すなわち長いバネの方が短いバネよりも大きな付勢力を作用させることができる。
付勢部材404の付勢力は、複数設けられたすべての姿勢保持部材402において等しい。また、付勢部材404の付勢力は、複数設けられた姿勢保持部材402のそれぞれで異なっていてもよい。複数設けられた姿勢保持部材402ごとの付勢部材404、あるいは一部の付勢部材404の付勢力を別の付勢部材404の付勢力と異ならせることにより、操作リング102の操作にかかる操作感を、トルクなどの数値ではあらわしきれない微妙な範囲で調整することができる。
また、付勢部材404の付勢力は、たとえば要求性能の違いなどにしたがって、機種ごとに異なっていてもよい。具体的には、操作リング102の操作にかかるトルクを重くする場合は各付勢部材404の付勢力が強くなるように調整し、逆に操作リング102の操作にかかるトルクを軽くする場合は各付勢部材404の付勢力が小さくなるように調整する。
また、付勢部材404の付勢方向は、付勢部材404の圧縮(伸長)方向によって決定することができる。この実施の形態1においては、付勢部材404の圧縮方向が凹部403の深さ方向と一致しており、付勢部材404の付勢方向を凹部403の凹み方向によって決定することができる。
このため、この実施の形態1においては、付勢部材404の付勢方向が光軸を中心とする円の半径方向と一致するような形状の凹部403とされているが、たとえば光軸に直交する平面に交差する方向に凹んだ凹部を形成したり、円の半径方向に対して交差する方向に凹んだ凹部を形成したりすることによって、付勢部材404の付勢方向を調整することもできる。
当接部材405は、球体形状をなし、付勢部材404によって勾配部401に当接するように付勢されている。当接部材405は、たとえば樹脂などを用いて形成されている。当接部材405は、球体形状に限るものではなく、たとえば勾配部401側の先端が球面形状となる形状であればよい。また、当接部材405は、勾配部401に対して点接触する形状に限るものではない。当接部材405は、たとえば、勾配部401に面接触するように、光軸方向において光軸に対して傾斜した平面形状をなしていてもよい。
当接部材405を形成する材料は、勾配部401に対する良好なすべり性を示す材料を用いることが好ましく、たとえば勾配部401に密着するなどして可動レンズ枠201の移動を妨げることのない材料とすることが好ましい。当接部材405は、たとえば鏡筒101を形成する材料と同じあるいは鏡筒101を形成する材料よりも硬度の高い材料を用いて形成することにより、可動レンズ枠201の移動を妨げることなく勾配部401に当接することができる。
このような構成において、鏡筒101に対して操作リング102が光軸周りに回動すると、カム溝に係合しているコマ部材202が、操作リング102の回動にともなって、光軸を中心として操作リング102とともに回動しようとする。一方で、このコマ部材202は、直進溝203を貫通して直進溝203に係合しているため、直進溝203によって光軸周りへ回動する方向への移動が規制される。これによりコマ部材202は、カム溝内を移動しながら直進溝203内を移動し、結果としてレンズ装置100の光軸方向に移動する。
そして、コマ部材202を備えた可動レンズ枠201は、コマ部材202の移動にともなって光軸方向に移動する。これによって可動レンズ104の光軸方向における位置を調整することができる。光軸方向における可動レンズ104の位置調整が終了した場合、ロックビス103を締め付け、鏡筒101に対する操作リング102の回動をロックする。
従来は、ロックビス103を締めることによって、調整した位置に可動レンズ104を固定するようにしていたが、ロックビス103によって操作リング102の回動をロックした場合にも、レンズ装置100を構成する各部品間のガタつきなどに起因して、レンズ装置100の姿勢によっては可動レンズ枠201が光軸方向に移動してしまうことがあった。
つぎに、姿勢保持部材402の作用について説明する。図5および図6は、姿勢保持部材402の作用を示す説明図である。図5においては、レンズ装置100を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面のうち、姿勢保持部材402の近傍を示している。図6においては、姿勢保持部材402によるコマ部材202への作用を示す説明図である。
図5および図6において、姿勢保持部材402は、光軸に直交する面内において、光軸を中心とする円の外周方向に向かって、光軸側から勾配部401に当接している。そして、勾配部401は光軸方向において光軸に対して傾斜している。このため、姿勢保持部材402が光学部材側から勾配部401を付勢することによる付勢力は、姿勢保持部材402の当接角度に応じた角度で分力される。
具体的には、姿勢保持部材402の勾配部401に対する当接部においては、以下の3つの付勢力が発生する。1つめの付勢力は、姿勢保持部材402による付勢方向、すなわち光軸に直交する面内において、光軸を中心とする円の外周方向へ向かう付勢力となる(図5における矢印Pを参照)。2つめの付勢力は、光軸方向において、鏡筒101の内径の小さい方へ向かう付勢力となる(図5における矢印Qを参照)。3つめの付勢力は、1つめの付勢力と2つめの付勢力との合力となる(図5における矢印Rを参照)。
これらの3つの方向P、Q、Rに作用する付勢力は、姿勢保持部材402の付勢力の大きさと、光軸に対する勾配部401の傾斜角度によって決定する。このように、姿勢保持部材402が勾配部401に当接する当接位置501においては、常に3方向に付勢力を作用させることができる。姿勢保持部材402が勾配部401に当接する当接位置501においては、光軸を中心とする円周方向(図5における矢印Pを参照)に発生する付勢力と、光軸方向(図5における矢印Qを参照)に発生する付勢力と、R方向に作用する付勢力と、が作用する。
コマ部材202は、光軸方向に(図6における矢印Q方向)を長手方向とする直進溝203に挿入されている。コマ部材202は、たとえばレンズ装置100の姿勢が変わりコマ部材202が直進溝203に沿って移動しようとした場合に、光軸方向に付勢力を発生させる。コマ部材202が光軸方向に付勢力を発生させることにより、コマ部材202がカム溝601に当接する当接位置602においては、カム溝601に直交する方向(図6における矢印Tを参照)におけるコマ部材202の移動を規制する反力(以下「矢印T方向の反力」という)が発生する。
コマ部材202がカム溝601に当接する当接位置602において、矢印T方向の反力を発生させることによって、光軸に直交する方向(図6における矢印Sを参照)においては、矢印T方向の反力の分力として、光軸に直交する方向に分力が発生する。コマ部材202は、光軸に直交する方向に発生した分力の作用によって、直進溝203に当接するように付勢される。
また、光軸に直交する方向に発生した分力の作用によって、コマ部材202が直進溝203に当接する当接位置603においては、光軸(直進溝203)に直交する方向(図6における矢印S方向)におけるコマ部材202の移動を規制する反力(以下「矢印S方向の反力」という)が発生する。このように、コマ部材202を光軸方向に沿って付勢する矢印Q方向の付勢力に対して、矢印T方向の反力および矢印S方向の反力を作用させることにより、コマ部材202の移動を規制し、コマ部材202のがたつきを抑えることができる。これによって、レンズ装置100の姿勢が変わった場合にも姿勢保持部材402を安定させることができる。
姿勢保持部材402は、勾配部401を付勢するとともにその反力によって可動レンズ枠201を付勢している。このため、姿勢保持部材402の位置を安定させることによって可動レンズ枠201の位置を安定させることができる。これによって、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、鏡筒101の内側に設けられて光軸方向に移動可能に設けられた光学部材の一例としての可動レンズ枠201を備えた光学装置の一例としてのレンズ装置100において、鏡筒101の内面の少なくとも一部をなし、光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部401と、可動レンズ枠201に保持され、勾配部401側に突出する当接部を備え、当該当接部を勾配部401に当接させることによって可動レンズ枠201と勾配部401とを離反させる付勢力を作用させる姿勢保持部材402と、を備えたことを特徴とするため、光軸方向において光軸に対して傾斜している勾配部401を、姿勢保持部材402が可動レンズ枠201側から付勢することによる付勢力を、姿勢保持部材402の当接角度に応じた角度で分力させ、姿勢保持部材402が勾配部401に当接する当接位置501において常に3方向に付勢力を作用させることができる。
当接位置501においては各付勢力に対して3方向から反力が作用するので、この反力を利用して姿勢保持部材402を3方向から押さえ、姿勢保持部材402の位置を安定させることができる。これによって、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、姿勢保持部材402の先端部が球面形状からなることを特徴とするため、勾配部401に対して、姿勢保持部材402を点接触させ、可動レンズ枠201の移動に際して勾配部401と姿勢保持部材402との間に作用する摩擦力を低減することができる。
これによって、可動レンズ枠201の移動に過剰な負荷をかけることなく、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、可動レンズ枠201が、当該可動レンズ枠201の外周面から光軸を中心とする円の半径方向に突出するコマ部材202を備え、当該コマ部材202を鏡筒101に設けられた溝に嵌め込むことによって溝に沿って移動可能に設けられており、姿勢保持部材402は、円の外周におけるコマ部材202とは異なる位置に設けられていることを特徴とするため、可動レンズ枠201の位置を安定させる機能を、可動レンズ枠201を支持する機能とは別に、独立して設けることができる。
これによってコマ部材202の製造精度に影響を与えることなく姿勢保持部材402を設けることができ、精度を確保するための構造上の制約や製造作業者の負担を増やすことなく、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、姿勢保持部材402が、勾配部401に当接する当接部材405と、当該当接部材405よりも光軸側に設けられて当接部材405を勾配部401側に付勢する付勢部材404と、を備えたことを特徴とするため、姿勢保持部材402を簡易な構成によって実現することができる。また、この発明によれば、レンズ装置100に対する要求性能などに応じて、当接部材405と付勢部材404とを任意に組み合わせることができる。
これによって、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制しつつ、可動レンズ枠201の移動にかかる操作感を任意に調整することができる。
また、この実施の形態1によれば、姿勢保持部材402が、光軸を中心とする同一円周上に複数設けられており、少なくとも一つの付勢部材404の付勢力は、別の付勢部材404の付勢力とは異なることを特徴とするため、付勢部材404どうしの付勢力を異ならせることにより、可動レンズ枠201の移動にかかる操作感の微調整をおこなうことができる。
これによって、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制しつつ、レンズ装置100に対する要求性能などに応じて、可動レンズ枠201の移動にかかる操作感を細かく調整することができる。
また、この実施の形態1のレンズ装置100を用いて、撮像用の光電変換素子に外光を入射させる撮像装置とする場合、可動レンズ枠201をガタつかせることなく光軸方向に移動させることによって光学性能を調整し、撮像をおこなうことができる。これによって、良好な画像を撮像することができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1のレンズ装置100と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。図7、図8および図9は、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の一部を示す説明図である。
図7においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の一部を、斜め方向から見た状態を示している。図8においては、図7に示したレンズ装置の一部を、光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面を示している。図9においては、図8における断面を、切断面に直交する方向から見た状態を示している。
図7、図8および図9において、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置は、応力部材801と、係止部材としてのストッパ804とを備えている。実施の形態2のレンズ装置においては、応力部材801とストッパ804とによって姿勢保持部材902が構成されている。応力部材801は、可動レンズ104における可動レンズ枠201に設けられている。より具体的には、応力部材801は、可動レンズ枠201に設けられ、可動レンズ枠201の外周側から光軸側に凹んだ凹部802内に設けられている。
凹部802内には、可動レンズ枠201に固定あるいは一体成形された支軸803が設けられている。応力部材801は、凹部802内において、支軸803を介して可動レンズ枠201に連結されている。また、応力部材801は、支軸803を中心として回動可能とされている。
応力部材801は、支軸803を通り、光軸方向に対して傾斜する方向を長手方向とする長手形状をなしている。支軸803は、応力部材801における長手方向の略中間部に位置付けられている。応力部材801は、長手方向の一端側が光軸に近接した場合には他端側が光軸から離反し、長手方向の他端側が光軸に近接した場合には一端側が光軸から離反するように回動する。
可動レンズ枠201は、移動レンズ104および応力部材801が取り付けられた状態で鏡筒101内に配設される。可動レンズ枠201が鏡筒101内に配設される前の状態における応力部材801は、長手方向における一端側が可動レンズ枠201の外周側よりも外側に位置づけられた状態とされる。
このため、応力部材801における一端側は、可動レンズ枠201が鏡筒101内に配設される際に勾配部401(鏡筒101の内周面)に当接する。そして、応力部材801は、一端側が勾配部401に当接することによって、一端側が光軸に近接する方向に、支軸803を中心として回動する。
この実施の形態2において、応力部材801における一端側は、鏡筒101の内面すなわち勾配部401に正対するように屈曲されている。屈曲された先端は、勾配部401ほど勾配部401に向かって突出するように湾曲した曲面形状をなしている。これにより、応力部材801の当接力を勾配部401に良好に伝達するとともに、当接することによって勾配部401と応力部材801との間に作用する摩擦力を軽減することができる。
可動レンズ枠201には、応力部材801の回動を規制するストッパ804が設けられている。ストッパ804は、支軸803を間にして応力部材801の一端側とは反対側に設けられている。応力部材801の他端側は、応力部材801の一端側が光軸に近接する方向に所定角度以上回動すると、ストッパ804に当接する。このように応力部材801の他端側の移動を規制することによって、応力部材801の回動を規制することができる。
つぎに、応力部材801の作用について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置における応力部材801の作用を示す説明図である。図10において、応力部材801は、支軸803を中心として回動することによって、一端側を勾配部401に当接させる。応力部材801の一端側が勾配部401に当接することによって、応力部材801に対しては、応力部材801の一端側を勾配部401から離反させる方向に付勢する付勢力が作用する。
一方で、応力部材801の他端側はストッパ804によって回動が規制されている。これにより、応力部材801は、勾配部401に対して、光軸側から外周側に向かって勾配部401を付勢する付勢力を作用させる。応力部材801が光軸側から勾配部401を付勢することによる付勢力は、応力部材801が先端部分においてストッパ804に当接する当接位置1001に伝達される。
応力部材801の長手方向が光軸方向に対して傾斜しているため、応力部材801がストッパ804を付勢する付勢力は、支軸803を間にして付勢方向が反転される。反転された付勢力は、応力部材801がストッパ804に当接する当接位置1001において図示のように分力される。
当接部分1001において各付勢力に対して3方向から反力が作用するので、この反力を利用して応力部材801を3方向から押さえ、応力部材801の位置を安定させることができる。これによって姿勢保持部材902の位置を安定させることができる。そして、姿勢保持部材902を安定させることによって、レンズ装置100の姿勢が変わった場合にも、可動レンズ枠201すなわち移動レンズ104を安定して定位置に位置させることができる。
そして、姿勢保持部材902の位置を安定させることによって可動レンズ枠201の位置を安定させることができる。これによって、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201の位置を安定させ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。なお、実施の形態2の姿勢保持部材902を用いる場合、鏡筒101の内周面は、光軸方向において光軸に対して必ずしも傾斜している必要はなく、光軸方向に平行であってもよい。
つぎに、応力部材の変形例について説明する。図11は、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置における応力部材の変形例を示す説明図である。図11において、応力部材1101は、略くの字形状に屈曲した形状をなしている。応力部材1101は、屈曲した部分において、支軸803を介して可動レンズ枠201に連結されている。応力部材1101の一端部は、勾配部401(鏡筒101の内周面)に向かって突出するように屈曲している。
応力部材801の他端部は、光軸方向に平行な方向であって一端部から離間する方向に突出するように屈曲している。応力部材1101は、他端部を介してストッパ804に当接する。応力部材1101をこのような形状とすることにより、応力部材1101における一端部を勾配部401に当接させるとともに、一端部が勾配部401に当接することによる付勢力を応力部材1101における他端部からストッパ804に対して確実に伝達することができる。これによって、応力部材1101からの付勢力を、可動レンズ枠201の安定化のために効率よく利用することができる。
そして、応力部材1101からの付勢力を効率よく利用することによって、レンズ装置100の姿勢が変わった場合にも、可動レンズ枠201すなわち移動レンズ104を安定して定位置に位置させることができ、レンズ装置100の姿勢にかかわらず可動レンズ枠201のガタつきを確実に抑制することができる。
応力部材801の一端部は、勾配部401(鏡筒101の内周面)に向かって突出するように屈曲している形状に限らない。応力部材801の一端部は、支軸803を通り光軸方向に傾斜する方向を長手方向とする形状であれば、支軸803から勾配部401(鏡筒101の内周面)までの形状が直線形状であってもよい。
以上のように、この発明にかかる光学装置、光学部材保持機構および撮像装置は、光軸方向に移動可能に設けられた光学部材を備えた光学装置、当該光学部材を保持する光学部材保持機構、および当該光学装置を備えた撮像装置に有用であり、特に、使用に際しての姿勢が一方向に限定されない光学装置、当該光学装置における光学部材を保持する光学部材保持機構、および当該光学装置を備えた撮像装置に適している。
この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を示す斜視図である。 レンズ装置の内部構成を示す説明図(その1)である。 レンズ装置の内部構成を示す説明図(その2)である。 レンズ装置の内部構成を示す説明図(その3)である。 姿勢保持部材の作用を示す説明図(その1)である。 姿勢保持部材の作用を示す説明図(その2)である。 この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の一部を示す説明図(その1)である。 この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の一部を示す説明図(その2)である。 この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の一部を示す説明図(その3)である。 この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置における応力部材の作用を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置における応力部材の変形例を示す説明図である。
符号の説明
100 レンズ装置
101 鏡筒
104 可動レンズ
201 可動レンズ枠
202 コマ部材
203 直進溝
401 勾配部
402 姿勢保持部材
403 凹部
404 付勢部材
405 当接部材
501 当接位置
601 カム溝
801 応力部材
803 支軸
804 ストッパ
902 姿勢保持部材
1001 当接位置
1101 応力部材

Claims (11)

  1. 鏡筒の内側に設けられて光軸方向に移動可能に設けられた光学部材を備えた光学装置であって、
    前記光学部材に保持され、前記鏡筒の内面側に突出する当接部を備え、当該当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることによって前記鏡筒に対して前記光学部材を光軸方向へ付勢させる付勢力を作用させる姿勢保持部材と、
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  2. 前記姿勢保持部材は、前記当接部が前記鏡筒と当接することにより発生する応力の、前記光軸に平行な方向の分力により前記付勢力を作用させることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記姿勢保持部材は、前記当接部材を前記鏡筒の内面の一部に当接させることによって、前記付勢力を作用させるとともに、前記鏡筒に対して前記光学部材を前記光軸に交差する方向へ付勢させる第2の付勢力を作用させることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  4. 前記姿勢保持部材は、前記当接部が前記鏡筒と当接することにより発生する応力の前記光軸に平行な方向の分力および前記光軸に交差する方向の分力により前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記当接部と当接する前記鏡筒の内面の一部は、前記光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部であり、
    前記姿勢保持部材は、前記当接部を前記勾配部に当接させることにより前記光学部材と前記勾配部とを離反させることによって前記付勢力を作用させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学装置。
  6. 前記当接部と当接する前記鏡筒の内面の一部は、前記光軸方向において当該光軸に対して傾斜した勾配部であり、
    前記姿勢保持部材は、前記当接部を前記勾配部に当接させることにより前記光学部材と前記勾配部とを離反させることによって前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする請求項3または4に記載の光学装置。
  7. 前記姿勢保持部材は、前記当接部からなる一端部と他端部とからなり、前記光学部材に支軸によって連結された応力部材と、前記他端部と当接する係止部材と、を備えており、
    前記当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることにより前記支軸を介して前記他端部と前記係止部材とを当接させることによって前記付勢力を作用させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光学装置。
  8. 前記姿勢保持部材は、前記当接部からなる一端部と他端部とからなり、前記光学部材に支軸によって連結された応力部材と、前記他端部と当接する係止部材と、を備えており、
    前記当接部を前記鏡筒の内面の一部に当接させることにより前記支軸を介して前記他端部と前記係止部材とを当接させることによって前記付勢力および前記第2の付勢力を作用させることを特徴とする請求項3または4に記載の光学装置。
  9. 前記光学部材は、当該光学部材の外周面から前記光軸を中心とする円の半径方向に突出するコマ部材を備え、当該コマ部材を前記鏡筒に設けられた溝に嵌め込むことによって前記溝に沿って移動可能に設けられており、
    前記姿勢保持部材は、前記円の外周における前記コマ部材とは異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光学装置。
  10. 前記姿勢保持部材は、前記光軸を中心とする同一円周上に複数設けられており、少なくとも一つの付勢部材の付勢力は、別の付勢部材の付勢力とは異なることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の光学装置。
  11. 撮像用の光電変換素子と、
    前記光電変換素子に入射する外光の光学性能を調整する請求項1〜10のいずれか一つに記載の光学装置と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
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