JP2010122463A - トナー位置検出方法、反射型光学センサ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射型光学センサOS1において、検出光を放射する発光部E1〜E2は副方向に交わる2方向に配置されて照射手段となる。E1とE2は副方向において平行ではない。D1〜D10は受光部を示し、BSP1、BSP2は照射スポットを示している。副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段E1、E2のうち1方向に配列した照射手段の検出光に対する支持部材(転写ベルト)の反射特性と、該転写ベルト上に形成されたトナーパターンDP1の反射特性との差を信号A、残りの1方向に配列した照射手段の検出光に対する上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号Bとするとき、上記信号Aと信号Bとに基づいてトナーパターンの上記支持部材上における位置を演算的に検出する。
【選択図】図3
Description
このような画像形成装置により形成される画像はトナー画像であるが、よく知られたように、記録紙等の画像担持媒体上に適正なトナー画像を得るには、トナー画像の位置を正確に把握する必要がある。
例えば、光導電性の感光体上に形成されたトナー画像を、記録紙上に転写・定着して画像形成する場合、感光体上のトナー画像は記録紙上の所望の位置(例えば中央部)に正しく転写される必要がある。
このような適正位置への転写は、感光体上におけるトナー画像の転写されるべき記録紙に対する位置が適正に把握されていなければ実現できない。
重ね合わせられるトナー画像相互の位置関係を適正に調整できないと、画像の書き出し側が相互にずれてしまうレジストずれ、画像の長さの誤差となる倍率ずれ、さらにこれらが各色トナー画像間で相対的にずれることによる色ずれなど、様々な異常画像を生じる原因となる。
トナー位置検出用のトナーパターンは、形成すべきトナー画像と同一の画像形成条件で形成されるので、トナーパターンの位置を検出することにより、形成されるトナー画像の位置を知ることができ、検出されたトナーパターンの位置に応じて、画像形成条件を調整し、適正な位置に「画像形成用のトナー画像」を形成できる。
トナーパターンに検出光を照射し、反射光を受光する光学装置は反射型光学センサと呼ばれる。
反射型光学センサは古くから種々のものが提案され知られている(特許文献1〜3)。
発光部としては上記の如くLEDが用いられるのが一般的であるが、LEDから放射される検出光は、トナー位置検出用のトナーパターンにトナーパターンよりも小さいサイズのスポットとして照射される。
トナーパターンは、例えば、転写ベルト上に形成され、転写ベルトの回転に伴い移動する。このときトナーパターンの移動する方向をここでは「副方向」と呼ぶこととする。転写ベルト上で、副方向に直交する方向を「主方向」と呼ぶこととする。
トナー画像として可視化される静電潜像を光走査により形成する場合であれば、上記主方向は光走査における主走査方向に対応し、副方向は副走査方向に対応する。
検出光のスポットの大きさは、通常、直径:2〜3mm程度である。
反射型光学センサによる検出光のスポットが照射される主方向の位置は、トナーパターンの主方向中央部であることが理想である。
しかしながら、静電潜像形成部における光走査領域の変動や、転写ベルトの蛇行、さらには、反射型光学センサの取り付け位置の主方向の位置ずれや、主方向における取り付け位置の経時的変化等が原因し、トナーパターンと反射型光学センサの主方向における位置関係は、必ずしも理想状態とはならない。
トナーパターンと反射型光学センサの主方向における位置関係のずれにより、検出光のスポットがトナーパターンからはみ出して照射されれば、受光手段により受光される反射光は適正なものではなく、トナー位置の適正な検出はできない。
検出光のスポットがトナーパターンの外側にはみ出して照射されると、スポットの一部はトナーパターンの無い部分で正反射され、トナーパターンの部分では拡散反射される。
このとき、受光部が正反射光を受光するように配置されているとすれば、受光部の受光する正反射光の強度は拡散反射により低減する。
このような正反射光強度の低下は検出信号の変動(誤差要因)となり、トナーパターン位置の正しい検出に悪影響を及ぼす。
このような問題を避けるため、従来は、トナーパターンと反射型光学センサの主方向における位置関係のずれの存在に拘わらず、検出光のスポットが主方向においてトナーパターン内に位置するように、トナーパターンの主方向幅・副方向幅を15mm程度〜25mm程度の大きさに設定し、上記位置関係のずれが生じても、検出光のスポットがトナーパターンの外側にはみ出さないようにしていた。
すなわち、トナーパターンと反射型光学センサの主方向における位置関係のずれを想定し、この位置ずれをカバーできるようにトナーパターンを大きくしていた。
トナーパターンとなるべき静電潜像を光走査で書き込む場合であると、トナーパターンの大きさに比例して光走査の時間が大きくなり、本来の画像形成に対する作業効率を低下させる原因となる。
また、トナーパターンを形成するトナーは、本来の画像形成に寄与しない不寄与トナーとして消費され、パターンの大きさ(面積)に比例して不寄与トナーの消費量も大きくなる。
すなわち、従来から知られたトナー位置検出方式には、作業の向上を困難とするという問題と、不寄与トナーの消費量が大きいという問題とがある。
さらに、上記トナー位置検出方法では、1個あるいは2個の検出光のスポットは全て副方向において同じ位置に存在しているため、すなわち主方向に並んで存在するため、トナーパターンが副方向において特定の領域に存在している時だけにしか、トナー位置検出を行うことは不可能であった。
つまり、従来のトナー位置検出方法では、リアルタイムにトナーの位置を検出することはできなかった。
「トナーによる画像を形成する画像形成方法」は、前述の複写機やプリンタ、プロッタ、ファクシミリ装置、MFP等において実行される画像形成方法であり、「静電潜像を形成するプロセス」と「形成された静電潜像をトナーにより可視化するプロセス」とを有する。静電潜像の形成は、均一帯電した光導電性の潜像担持体に対して「光走査等の露光プロセス」を実行することにより行われる。
「トナーパターンとなるべき静電潜像」は、所定の濃度パターンの像を露光して形成することもできるし、光走査による書き込みにより形成することもできる。
「支持部材」は、上記の如く、トナー位置検出時にトナーパターンを保持して副方向に移動する部材であるが、具体的には、例えば、静電潜像が形成される潜像担持体自体であることや、トナー画像の転写に用いる転写ベルトや中間転写ベルト、さらにはトナー画像を転写される記録紙であることができる。
また「所定のトナーパターン」は、トナーパターンが定形であること、すなわち「一定の形状」であることを意味する。
すなわち、検出光を放射する「検出光用の発光部」をM(≧2)個、支持部材に「検出光のスポットをM箇所で照射できる」ように、副方向に交わる任意の2方向に配置して「照射手段」とし、N(≧2)個の受光部を「支持部材および/またはトナーパターンによる検出光の反射光」を受光できるように、照射手段に対応させて、副方向に交わる上記任意の2方向に配置して「受光手段」とする。
そして、受光手段のM個の発光部を発光させ、受光手段のN個の受光部の出力に基づきトナー位置を演算的に検出する。上において「副方向に交わる2方向」は、副方向に直交する方向、すなわち「主方向」は含まれておらず、前記2方向が副方向となす角度はそれぞれ等しい。また、前記2方向は互いに平行にはならない。
照射手段は、発光部として2個以上のハロゲンランプ、レーザーダイオード、LEDを用い、これらを副方向に交わる任意の2方向に配列して構成することができる。発光部の数は、任意の2方向について同じであり、前記2方向のうち1方向に所定のピッチで配列した各発光部は、前記2方向のうち残りの1方向に所定のピッチで配列した各発光部と副方向において同じ位置に配置している。
この時、M個の発光部を全て点灯させ、M個の発光部のそれぞれから放射される検出光が支持部材表面に形成するスポットの1方向の配列を、副方向に直交する方向、すなわち「主方向」に射影したとき、前記2方向のうち1方向に配列した任意の1の発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心と、前記2方向のうち1方向に配列した任意の1の発光部と副方向において同じ位置に配置され、前記2方向のうち残りの1方向に配列している任意の1の発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心とが、副方向においてそれぞれの発光部と同じ位置に存在し、尚且つ主方向においてスポットが互いに重ならず、また接することがないように発光部は配置されている。
発光部としてはまた2以上の発光部を持つ「LEDアレイ」を用いることができる。この場合には、LED発光部から照射される光を支持部材上に集光させるような適当な集光光学系を組合せて照射手段とすることができる。
上記2方向のうち1方向に配列した発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心と、前記2方向のうち残りの1方向に配列した任意の1の発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心とが、副方向において同じ位置に存在し、尚且つ主方向においてスポットが接するように前記2方向の発光部は配列されている。
この時PDは、対応する発光部に関して、配列方向とは別の方向に配列しているPDと、主方向において遠ざかる方向に配置されている。
MおよびNの下限は上記の如く2であるが、上限は、トナー位置検出用の反射型光学センサの実用的な大きさにより適宜に定めることができる。好適な値としてはMの最大値は500程度である。Nについては、前述のPDアレイのように「数1000」であってもよい。
照射手段を構成するM個の発光部の発光は、M個の発光部を同時に点滅させるようにしても良いし、M個の発光部を幾つかのグループに分け、発光部の配列における一端側からグループ順次に点滅させてもよく、さらには、M個の発光部を1個づつ順次に点滅させるようにしてもよい。
従ってこれら2個以上の受光部の出力に基づき、トナーパターンの位置が精緻に検出される。
この時、トナーパターンの主方向の長さは、前記2方向のうち1方向に配列した任意の1の発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心と、前記2方向のうち1方向に配列した任意の1の発光部と副方向において同じ位置に配置され、前記2方向のうち残りの1方向に配列している任意の1の発光部から照射された検出光が支持部材表面に形成するスポットの中心との最小間隔よりも大きければ、原理的にはいくらでも小さくすることができる。
例えば、前記最小間隔が7mmであった場合、トナーパターンの主方向の長さは7mm程度まで短くできる。すなわち、主方向に15mm〜25mmの大きさを必要としていた従来のトナーパターンに比して、トナーパターンを有効に小さくできる。
また、支持部材が転写ベルトや中間転写ベルトである場合、支持体の表面は「鏡面に近く検出光を実質的に正反射させる場合」もあれば「検出光を拡散反射させる場合」もあるが、支持体表面が検出光を拡散反射させるものであっても、支持体表面での検出光の拡散反射と、トナーパターンによる拡散反射とに「反射特性の差」があれば、検出光が拡散反射して複数の受光部に受光されるとき「複数受光部に配分される受光量の分布」が、支持媒体での拡散反射とトナーパターンによる拡散反射で異なる。
従って、「複数受光部に配分される受光量の分布」の変化により、トナーパターンの位置の検出が可能である。
この時、トナーパターンの主方向における縁(副方向に平行な縁)は、前記した両スポットの中心と接している。また、両スポットは主方向において、互いに接しているとする。
この状態では、前記任意の1の発光部周辺に位置する受光部における受光部出力と、前記任意の1の発光部と副方向において同じ位置に配置され前記2方向のうち残りの1方向に配列している発光部周辺に位置する受光部における受光部出力は等しい。
この状態で、主方向において前記1方向側にトナーパターンがずれたと仮定すると、前記任意の1の発光部周辺に位置する受光部における受光部出力は、前記任意の1の発光部と副方向において同じ位置に配置され、前記2方向のうち残りの1方向に配列している発光部周辺に位置する受光部における受光部出力に比して小さくなる。つまり、信号Aと信号Bは等しくなくなる。
このように、検出光のスポットとトナーパターンとの位置関係に応じて、各受光部の受光する光量が変化するため、これら2個以上の受光部出力に基づき、トナーパターンの位置が精緻に検出される。
また、発光部と受光部を前記した条件の下で多数配置すれば、副方向の位置ごとにおいてトナーパターンの位置検出が可能となる。つまり、リアルタイムにトナーパターンの位置が検出できる。
上記請求項1または2記載のトナー位置検出方法において、副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域と、信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域とを通過する時間内まで、照射手段のM個の発光部全てを発光させ続けてもよいし(請求項3)、上記矩形状のパターンが前記2つの照射領域を通過後、副方向において矩形状パターンに対してパターンの進行方向と逆方向に位置する照射手段のM’(<M)個の発光部は消灯させてもよい(請求項4)。
簡単に説明すると、上記M個の発光部全ての直下をパターンが通過するまでの間、対応する発光部が同時に発光するようにして、各発光部対を順次に発光させ続けてもよい。
つまり、照射手段を構成するM個の発光部の発光は、M個の発光部を同時に点滅させるようにしても良いし、M個の発光部を幾つかのグループに分け、発光部の配列における一端側からグループ順次に点滅させてもよく、さらには、M個の発光部を1個づつ順次に点滅させるようにしてもよい。
独立してもしくは同時に点滅可能で検出光を放射するM(≧2)個の発光部を、上記支持部材に検出光のスポットをM箇所で照射できるように、副方向に交わる任意の2方向に配置してなる照射手段と、N(≧2)個の受光部を上記支持部材および/またはトナーパターンによる検出光の反射光を受光できるように、上記照射手段に対応させて上記2方向に配列してなる受光手段とを有し、
副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段のうち、1方向に配置した照射手段を点灯させることで得られる上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号A、残りの1方向に配置した照射手段を点灯させることで得られる上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号Bとするとき、
上記信号Aと信号Bとに基づいてトナーパターンの上記支持部材上における位置を演算的に検出することを特徴とし、照射手段と受光手段を有する(請求項6)。
照射手段は、発光部として2個以上のハロゲンランプ、レーザーダイオード、LEDを配列して構成できる。発光部としてLEDを用いる場合は、M個の独立したLED素子を配列して構成することもできるし、M個のLED発光部をアレイ配列したLEDアレイを用いることもできる。
受光手段は、N個の独立したPDを配列して構成することもできるし、N個のPD受光部を配列一体化したPDアレイを用いることもできる。
請求項6記載の反射型光学センサにおいて、トナー位置検出用のトナーパターンが「主方向および副方向に幅を有する矩形状のパターン」であり、この矩形状のパターンの主方向における長さが、副方向において同一の位置に配置された上記2つの発光部の中心を結んで得られる主方向と平行となる線分の長さの半分よりも長ければ、矩形状のパターンの長さはトナー位置検出用の反射型光学センサの実用的な大きさにより適宜に定めることができる(請求項7)。
請求項6または7記載の反射型光学センサにおいて、副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域と、信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域とを通過する時間内まで、照射手段のM個の発光部全てを発光させ続けてもよいし(請求項8)、上記矩形状のパターンが前記2つの照射領域を通過後、副方向において矩形状パターンに対してパターンの進行方向と逆方向に位置する照射手段のM’(<M)個の発光部は消灯させてもよい(請求項9)。
簡単に説明すると、反射型光学センサの直下をパターンが通過するまでの間、対応する発光部が同時に発光するようにして、各発光部対を順次に発光させ続けてもよい。
請求項6〜10の任意の1に記載の反射型光学センサにおいては、「1個の発光部に複数個の受光部が対応」することもできるし(請求項11)、逆に「1個の受光部に複数個の発光部が対応」することもできる(請求項12)。
請求項6〜12の任意の1に記載の反射型光学センサは、照射手段の発光部から放射される検出光を、支持部材表面に向けて集光的に導光する「照明用光学系」および/または支持部材表面からの反射光を受光手段に向けて集光的に導光する「受光用光学系」を有することができる(請求項13)。
請求項14記載の画像形成装置は「形成される画像が、色の異なる複数種のトナーによる多色画像もしくはカラー画像であり、トナーの色ごとにトナー位置検出が行なわれる」ものであることができる(請求項15)。
勿論、これらの画像形成装置では、上記反射型光学センサを用いて、請求項1〜5の何れかのトナー位置検出方法が実施される。
この発明によれば、トナー位置検出に用いるトナーパターンのサイズを従来のものに比して有効に小さくできるので、トナー位置検知にかかる時間を短くでき、本来の画像形成に対する作業効率を向上させることができる。また、トナーパターンのサイズを小さくできるので、不寄与トナーの消費量を軽減できる。さらに、リアルタイムでのトナーパターンの位置が検出できる。
請求項2記載の発明によれば、トナーの使用量を減少させることができる。
請求項3記載の発明によれば、主方向におけるトナー位置検出の検出精度を向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、不要な発光部を消灯させることで、消費電力を低下させることができる。
請求項5記載の発明によれば、全発光部点灯時に比してSN比を向上させることができ、消費電力を低下させることができる。
請求項6記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができ、尚且つトナー使用量を減少させることができる。
請求項8記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができ、尚且つ主方向におけるトナー位置検出の検出精度を向上させることができる。
請求項9記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができ、尚且つ消費電力を減らすことのがきる。
請求項10記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができ、尚且つ消費電力を減らすことができる。
請求項11、12記載の発明によれば、発光部と受光部の配置の工夫により、光量を稼ぐことができる。
請求項13記載の発明によれば、集光させることで、センサの検出精度を向上させ、光量を稼ぐことができる。
請求項14、15記載の発明によれば、トナー位置検出をリアルタイムに行うことができる。
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の実施の形態を説明する。図1に示す画像形成装置は「カラー画像」を形成するものである。カラー画像はイエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、黒:Kの4色のトナーにより形成される。
図1において、符号20で示す部分は「光走査装置」である。光走査装置20は、従来から知られた公知の種々のものを用いることができる。
符号11Y〜11Kは「光導電性の潜像担持体」であるドラム状の感光体であり、感光体11Yはイエロートナーによるトナー画像の形成に用いられ、感光体11M,11C、11Kはそれぞれ、マゼンタトナー、シアントナー、黒トナーによるトナー画像の形成に用いられる。
これら静電潜像はそれぞれ現像装置GY,GM、GC、GKにより反転現像され、感光体11Y、11M、11C、11K上にそれぞれイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、黒トナー画像が形成される。
これら各色トナー画像は、図示されない記録シート(転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)に転写される。転写には転写ベルト17が用いられる。
このようにして、記録シート上においてイエロートナー画像〜黒トナー画像が重ね合わせられてカラー画像を合成的に構成する。記録シートは、担持したカラー画像を定着装置19により定着されて装置外へ排出される。なお、上記のようにすることに代えて、中間転写ベルトを用い、上記4色のトナー画像を中間転写ベルト上に重ね合わせて転写してカラー画像を得、このカラー画像を記録シートに転写し、定着してもよい。
すなわち、トナー位置検出用のトナーパターンは、光走査装置20により感光体11Y〜11Kに個別に書き込まれて形成された「トナーパターンとなるべき静電潜像」が、各現像装置GY,GM、GC、GKにより反転現像されてトナー画像となり、さらに転写ベルト17の表面に直接的に転写されてトナーパターンとなる。この説明から明らかなように、説明中の実施の形態において転写ベルト17が「支持部材」である。したがって、以下、転写ベルト17を「支持部材17」とも言う。
トナーパターンは支持部材たる転写ベルト17に形成され、転写ベルト17の回転により移動し、反射型光学素子OS1〜OS4によりトナー位置検出が行われる。
なお、転写ベルト17上に形成されたトナーパターンは、図1において反射型光学センサOS1〜OS4よりも右側、すなわち、これらセンサの下流側で、図示されないクリーニング装置により転写ベルト17の表面から除去される。
図2において、符号DP1〜DP4は転写ベルト17上におけるイエロートナー画像〜黒トナー画像の位置を検出するための「位置検出パターン」を示す。
すなわち、反射型光学センサOS1〜OS4は、主方向における4箇所で、各色トナー画像の位置を検出する。
上には、記録シートを搬送して転写するための転写ベルト17上に形成されるトナーパターンを検出する例を説明したが、画像形成装置の形態によっては潜像担持体として感光体や中間転写ベルト(または中間転写体)上に形成されるトナーパターンを反射型光学センサによって検出することもできる。
図3は、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た時、図4は、トナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を示している。
図3において、符号OS1は上に説明した反射型光学センサを示している。先に説明した4個の反射型光学センサOS1〜OS4は構造的には同一のものであるので、反射型光学センサOS1を例にとって説明する。
図3において上下方向が「主方向」、左右方向の左向きが「副方向」である。反射型光学センサOS1は、副方向に延びる長さを有して検出光を放射する検出光用の発光部E1〜E2(M=2個)を、副方向と直交する方向に間隔をおいてかつ平行にならないように副方向に交わる2方向に配置して「照射手段」とする。この時、E1と副方向がなす角度αとE2と副方向がなす角度βは等しく、尚且つE1とE2は副方向において平行ではない。
発光部E1〜E2は、トナーパターンを搬送する面(パターン移動面)に対しては略平行に配置されている。
そして、照射手段と受光手段とを対応させて、適宜のハウジングに一体的に組み付けた構成である。ハウジングは、図1に示した「転写ベルト17の下方の位置」に所定の位置関係で配置される。
説明の具体性のため、転写ベルト17の表面は滑らかであり、転写ベルト表面での反射光は全て正反射光であるとする。
発光部E1とE2は具体的には、線状のハロゲンランプやキセノンランプ、蛍光灯であり、受光部D1〜D10は具体的にはPD(フォトダイオード)である。
前述の如く、トナー位置検知用のトナーパターンDP1は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色トナーごとに形成されるが、図3に示すトナーパターンDP1はイエロートナーにより構成される。
トナーパターンDP1は、個々のパターンを矩形状に形成し、それを副方向に5つ等間隔に並べたものである。これら矩形状のトナーパターンは、光走査におけるレーザパワーまたは発光デューティの調整や現像バイアスの調整によって形成できる。
図5は任意の1の矩形状パターンが副方向に移動した時の位置検出の概略を示している。
パターンの主方向の長さは、E1とE2からの放射光によるスポットの縁の最小間隔(D5、D10の位置における内縁間隔)よりも大きく、最大間隔(D1、D6の位置における外縁間隔)よりは小さいとし、パターンの副方向の長さは各受光部の副方向の長さと同程度とする。但し、図面上は厳密に表示していない。
また、主方向への位置ずれがなければ、トナーパターンの中心は、D1とD6の中心を結び、主方向に平行となる線分の垂直二等分線上にあるものとする。これを、パターンが「基準位置」にあると定義する。そして、パターンは副方向に移動するものとする。
図5に示すように、トナーパターンDP1は支持部材である転写ベルト17の表面に形成されて副方向に移動しつつ、反射型光学センサOS1の検出距離に近づいていく、トナーパターンDP1は形成される時点が定まっており、形成されてから上記検出領域に到達する時間も略定まっている。そこで、トナーパターンDP1が検出距離に近づいた適当なタイミングで、発光部E1とE2を点滅制御する。
発光部E1とE2は常時点灯しており、トナーパターンDP1が反射型光学センサOS1の直下を通過し終えるまで点灯は続く。ここで、図5中のIは、トナーパターンの中心がD1とD6の中心を結んだ線分上にある状態を、IIは、トナーパターンの中心がD2とD7の中心を結んだ線分上にある状態を、IIIは、トナーパターンの中心がD3とD8の中心を結んだ線分上にある状態を、IVは、トナーパターンの中心がD4とD9の中心を結んだ線分上にある状態を、Vは、トナーパターンの中心がD5とD10の中心を結んだ線分上にある状態をそれぞれ示している。
前述の如く、転写ベルト17の表面は滑らかで、トナーパターンが形成されてない部分に検出光が照射された時の反射光は正反射光であるため、各受光部におけるPD出力値には変化がない。
このような条件下で、トナーパターンDP1が反射型光学センサの直下を通過し終えるまで、トナーパターンが主方向において基準位置に存在しつつ副方向に移動し、トナーパターンの中心がI〜Vの位置に配置されている場合を考える。ここで、説明を簡略化するために、トナーパターンからの拡散反射光は、進行方向をX軸の正の向きとし、副方向におけるD1とD2またはD6とD7の間隔をdとすると、I〜Vのそれぞれの場所から副方向に±dだけ離れた受光部まで検出されるとする。
また、各受光部におけるトナーからの正反射光および拡散反射光による出力は、照射対象物が転写ベルト単体である場合に比べて十分に小さいとする。
また、受光部3〜5、受光部8〜10における受光部出力は、照射対象物が転写ベルト単体の場合の時と等しい。
トナーパターンがIIの位置にある場合、各受光部におけるPD出力の結果を図8に示す。説明を簡略化するため、D1とD3、D6とD8における受光部出力はほぼ等しいとした。
この時、拡散反射の影響で、受光部D2とD7に加え、受光部D1とD6、D3とD8が受光する正反射光成分が減少するが、受光部D2とD7はトナーパターンに近い位置に配置しているため、受光部出力が最も小さくなった。また、受光部4〜5、受光部9〜10における受光部出力は、照射対象物が転写ベルト単体の場合の時と等しい。
トナーパターンがIII〜Vにある時も、図7〜図8で示した、各受光部における受光部出力の分布が得られる。
図9は、トナーパターンが主方向において、E1側にずれている場合の、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を、図10は、トナーパターンが主方向において、E1側にずれている場合の、トナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た様子を示している。
また、図11は、トナーパターンが主方向において、E1側にずれていて、尚且つIの状態にある時の各受光部における受光部出力を示している。
図11から主方向への位置ずれを見積もるには、受光部D1とD6、D2とD7の受光部出力に着目すればよい。この受光部出力は、E2から放射される検出光の支持部材表面上でのスポットと重なっている照射対象物の面積に比例するため、トナーパターンの主走査位置ずれ量とスポットと重なる照射対象物の面積の関係を明らかにすれば、受光部D1とD6、D2とD7の出力から、トナーの主方向位置を検出することができる。
ここでは記載しないが、トナーパターンがII〜Vの位置にいても、同様に主走査方向の位置検出は可能となる。
図12は、トナーパターンが主方向において、E2側にずれている場合の、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を、図13は、トナーパターンが主方向において、E2側にずれている場合の、トナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た様子を示している。
また、図14は、トナーパターンが主方向において、E2側にずれていて、尚且つIの状態にある時の各受光部における受光部出力を示している。
図14から主方向への位置ずれを見積もるには、トナーパターンが主方向において、E1側にずれている場合と同様に、受光部D1とD6、D2とD7の受光部出力に着目すればよい。この受光部出力は、E1から放射される検出光の支持部材表面上でのスポットと重なっている照射対象物の面積に比例するため、トナーパターンの主走査位置ずれ量とスポットと重なる照射対象物の面積の関係を明らかにすれば、受光部D1とD6、D2とD7の出力から、トナーの主方向位置を検出することができる。
ここでは記載しないが、トナーパターンがII〜Vの位置にいても、同様に主走査方向の位置検出は可能となる。
上の説明では、発光部M=2、受光部N=10の例を示したが、受光部の数をN=2としても、同様の方法で、トナーの主方向の位置検出は可能である。
図15は、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た時、図16は、トナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を示している。図17は、図15における矩形状パターンを1本にしただけで、他は図15と変わらない。
図15において上下方向が「主方向」、左右方向の左向きが「副方向」である。反射型光学センサOS1は、図15に示すように、検出光を放射する検出光用の発光部E1〜E10(M=10個)のうち、E1〜E5を、E1〜E5の中心を結んだ直線と副方向とが所定の角度αをなすように主方向および副方向に所定ピッチで等間隔に配置し、発光部E1〜E10(M=10個)のうち、E6〜E10を、E6〜E10の中心を結んだ直線と副方向とが所定の角度βをなすように主方向および副方向に所定ピッチで等間隔に配置して「照射手段」とする。
一方、反射光を受光する受光部D1〜D10(N=10個)は、D1〜D5の中心を結んだ直線とE1〜E5の中心を結んだ直線とは平行となり、D6〜D10の中心を結んだ直線とE6〜E10の中心を結んだ直線とは平行となるように配置されている。
D1とE1は副方向において同じに位置に配置され、同様に、D2とE2、D3とE3、D4とE4、D5とE5、D6とE6、D7とE7、D8とE8、D9とE9、D10とE10も副方向において同じに位置に配置されている。
そして照射手段と受光手段とを対応させて、適宜のハウジングに一体的に組み付けた構成である。ハウジングは、図1に示した「転写ベルト17の下方の位置」に所定の位置関係で配置される。
説明の具体性のため、転写ベルト17の表面は滑らかであり、転写ベルト表面での反射光は全て正反射光であるとする。
発光部E1から放射される検出光は、支持部材表面上において、E1とD1の中心を結んだ線分の主方向における中心付近の領域をスポットとして照射する。同様にEn(n=1〜10)は、支持部材表面上において、EnとDnの中心を結んだ線分の主方向における中心付近の領域をスポットとして照射する。
照射手段を構成する10個の発光部の発光は、10個の発光部を同時に点滅させるようにしても良いし、M個の発光部を幾つかのグループに分け、発光部の配列における一端側からグループ順次に点滅させてもよく、さらには、M個の発光部を1個づつ順次に点滅させるようにしてもよい。
図16、図17に示すように、トナーパターンDP1は支持部材である転写ベルト17の表面に形成されて副方向に移動しつつ、反射型光学センサOS1の検出距離に近づいていく。
トナーパターンDP1は形成される時点が定まっており、形成されてから上記検出領域に到達する時間も略定まっている。そこで、トナーパターンDP1が検出距離に近づいた適当なタイミングで、発光部(LED)E1〜E10を点滅制御する。
発光部E1〜E10から放射された検出光が転写ベルト17の表面に形成するスポットの大きさは、例えば直径1mm程度であり、隣接するスポットは互いに重なっていない。
発光部E1〜E10は常時点灯しており、トナーパターンDP1が反射型光学センサの直下を通過し終えるまで点灯は続く。
図17において、トナーパターンがIの位置(図5の位置に相当)にある時の各受光部における受光部出力を図18に示す。この時、受光部D1とD6は、トナーパターンからの拡散反射光からの影響で、他の受光部に比べて受光部出力が低くなっている。
図19は、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を、図20は、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た様子を示している。
トナーパターンが図20のように、主方向においてE1〜E5側にずれ、図20中には不図示であるIの位置にトナーパターンが到達した場合、各受光部における出力は図21のようになる。
この時、D1における値は、他の受光部の出力に比べて低くなっている。図21から主方向への位置ずれを見積もるには、受光部D1とD6の受光部出力に着目すればよい。D1の受光部出力は、E1から放射される検出光の支持部材表面上でのスポットと重なっている照射対象物の面積に、D6の受光部出力は、E6から放射される検出光の支持部材表面上でのスポットと重なっている照射対象物の面積に比例するため、トナーパターンの主走査位置ずれ量とスポットと重なる照射対象物の面積の関係を明らかにすれば、受光部D1とD6の出力から、トナーの主方向位置を検出することができる。
図22は、トナーパターンが主方向において、E6〜10側にずれている場合の、反射型光学センサによるトナーパターン検出の様子を副方向側から見た様子を、図23は、トナーパターンが主方向において、E6〜10側にずれている場合の、トナーパターン検出の様子をセンサの真上から見た様子を示している。
図24は、トナーパターンが主方向において、E6〜10側にずれていて、尚且つIの状態にある時の各受光部における受光部出力を示している。
ここでは記載しないが、トナーパターンがII〜Vの位置にいても、同様に主走査方向の位置検出は可能となる。
上の説明では、発光部M=10、受光部N=10の例を示したが、M≧2、N≧2であれば、同様の方法でトナーの主方向の位置検出は可能である。
また、発光部がLEDアレイになったことで支持部材表面上の照射領域が狭くなり、トナーからの拡散反射光の増加に伴う正反射出力低下の影響を受けにくくなったため、トナーパターンがIにある時、発光部が線状であった図3〜図16の場合に比べて、D1とD6の受光部出力の差が大きくなった。
つまり、発光部にLEDアレイを用いることによって、トナーパターンの主方向の位置検出精度が向上したといえる。
トナーが図19のように、主方向においてE1〜E5側にずれた時、図20中には不図示であるIの位置にトナーパターンが到達するまでは、全発光部を点灯させ、IIの位置にトナーが到達した時はE1とE6を消灯し、IIIの位置にトナーが到達した時はE1〜2とE6〜7消灯し、IVの位置にトナーが到達した時はE1〜3とE6〜8を消灯し、Vの位置にトナーが到達した時はE1〜4とE6〜9を消灯してもよい。このように、各位置におけるPD出力に関係しない発光部を消灯させることで、センサの消費電力の低下に繋がる。
上では、発光部を常時点灯させる場合を例にしたが、以下で10個の発光部を幾つかのグループに分け、発光部の配列における一端側からグループ順次に点滅させる場合と、10個の発光部を1個づつ順次に点滅させる場合について考える。
10個の発光部を、発光部E1とE6、発光部E2とE7、発光部E3とE8、発光部E4とE9、発光部E5とE10の対の5グループに分けた時を例にとる。
先ず、E1とE6が同時に点灯して消灯し、続いてE2とE7が同時に点灯して消灯し、次いでE3とE8が同時に点灯して消灯し、さらに発光部E4とE9、E5とE10の順に2個の発光部対が順次に点灯し、消灯する。これら発光部の点灯・消灯は高速で繰り返される。
点灯・消灯は、トナーパターンが支持部材表面上における反射型光学センサの直下を通過するまで高速で繰り返される。従って、転写ベルト17の表面は、検出光の10個のスポットで「発光部の配列方向に繰り返して走査」される。これを以下「検出光によるスポット走査」という。
この場合でも、上で示した方法と同様にトナー位置検出は可能である。
また、別の実施例として、E1からE10の順に各発光部の点灯・消灯を高速で繰り返すことでも、上で示した方法と同様にトナー位置検出は可能である。
図27〜図28に示す例も図15〜図24に示した例の変形例であり、発光部Mの数が受光部Nの数より多い場合を示している(M=10,N=6)。トナー位置検出方法は、図15〜図24を用いた説明と同じであるので省く。
このように照射手段・受光手段として、半導体プロセスで製造されるLEDアレイやPDアレイを用いると、各々独立したLEDやPDを集積するよりも、発光部・受光部の位置精度を大きく向上させることができる。
また、受光手段を構成するN個の受光部の「波長感度特性」が相互に異なると、同じトナーパターンからの反射光を受光しても、受光部ごとに出力が変化してトナー位置検出のための演算処理に対して誤差になる。
従って、受光手段の受光部を構成するPDのピーク感度波長が「受光手段内の受光部ごとにはばらつかない」ことが好ましいが、これは受光手段として、ピーク感度波長が加工プロセス上から同一になる「PDアレイ」を用いることにより実現できる。
また、照射手段から放射される検出光が受光手段により効率よく受光されるためには、発光部を構成するLEDの発光波長と、受光部を構成するPDのピーク感度波長が「数10nmレベルの範囲で略同一」であることが好ましい。一般に、発光素子として用いられるGaAs系LEDの発光波長は950nm程度、受光素子として用いられるSi系PDのピーク感度波長は800〜1000nmであるので、発光素子や受光素子を選択して使用することが望ましい。
また、LEDやPDの組成やデバイス構造を調整することによって波長帯域をシフトさせることができるので、LEDの発光波長とPDのピーク感度波長を略同一とすることもできる。
素子自体としてはこのような機能を持たないLEDアレイを照射手段に用いる場合には、反射型光学センサは、請求項13記載のように、発光部から放射される検出光を、支持部材表面に向けて集光的に導光する照明用光学系および/または支持部材表面からの反射光を受光手段に向けて集光的に導光する受光用光学系を有することで、検出光のスポット照射を実現できる。
勿論、独立したLEDを配列して発光部を形成する場合、各LEDが照射光を集光する機能を持っていても、上記照明用光学系を用いて検出光の照射部に「より有効」に照射を行うことができる。
角度αと角度βの大きさは等しいが、E1〜E5の中心を結んだ直線とE6〜E10の中心を結んだ直線は平行にはならない。
一方、反射光を受光する受光部D1〜D10(N=10個)は、D1〜D5の中心を結んだ直線とE1〜E5の中心を結んだ直線とは平行となり、D6〜D10の中心を結んだ直線とE6〜E10の中心を結んだ直線とは平行となるように配置されている。
D1とE1は副方向において同じに位置に配置され、同様に、D2とE2、D3とE3、D4とE4、D5とE5、D6とE6、D7とE7、D8とE8、D9とE9、D10とE10も副方向において同じに位置に配置されている。発光部E1〜E10の個々はLED、受光部D1〜D10の個々はPDである。
トナー位置検出の動作は、図2、図3〜図14、図15〜図24に即して説明したとおりである。
個々の発光部(LED)Ei(i=1〜10)が点灯・消灯を行うとき、放射される検出光は、照明用光学系LEにより、支持部材17またはトナーパターンDPに照射される。そして反射光は、受光用光学素子LDにより受光部Di(i=1〜10)に向かい受光される。
なお、照明用光学系、受光用光学系は、支持部材やトナーパターンへ照射する検出光のスポットの適切形状、受光部が受光する受光スポットの適切形状を実現できる形態にすることができる。
照明用光学系と受光用光学系を同一形状にすれば、これら光学系のコストダウンが図れる。図29〜図33において、受光部、発光部を10個としたのも、図の複雑化を避け、説明の便宜上の理由による。
本実施形態では、反射型光学センサOSBは、照明用光学系をなす10個の集光レンズLE1〜LE10と、受光用光学系をなす10個の集光レンズLD1〜LD10を有し、これらを相互の位置関係を適切に定めて一体化した照明受光用光学系LDEAとして示している。
このような照明受光用光学系LDEAを用いることにより、照明用の各集光レンズと、受光用の各集光レンズの配置精度をさらに高めることが可能となる。
本実施形態に示すような集光レンズの配列は、フォトリソグラフィーやナノインプリントなどの加工法を用いてガラス基板や樹脂基板上に形成できる。本実施形態において受光部・発光部を10個としたのも、図の複雑化を避け、説明の便宜上の理由による。
照明用光学系や受光用光学系は、発光部・受光部の配列に応じて適宜の形態をとることは言うまでも無い。
照明用光学系や受光用光学系をレンズアレイもしくは複数レンズで形成する場合、その配列ピッチは等しいことが好ましいことは言うまでも無い。
DP1〜4 トナーパターン
OS1〜4 反射型光学センサ
E1、E2 発光部
D1〜D10 受光部
LE1〜10 照明用光学系
LD1〜10 受光用光学系
Claims (15)
- トナーによる画像を形成する画像形成方法において、所定の副方向へ移動する支持部材の表面に所定のトナーパターンを形成し、上記支持部材に照射手段により検出光を照射し、上記支持部材および/またはトナーパターンによる反射光を受光手段により受光し、上記検出光に対する上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差に基づき上記トナーパターンの上記支持部材上における位置を検出するトナー位置検出方法であって、
検出光を放射する検出光用の発光部をM(≧2)個、上記支持部材に検出光のスポットをM箇所で照射できるように、副方向に交わる任意の2方向に配置して照射手段とするとともに、N(≧2)個の受光部を上記支持部材および/またはトナーパターンによる検出光の反射光を受光できるように、上記照射手段に対応させて上記2方向に配列して受光手段とし、
副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段のうち1方向に配列した照射手段の検出光に対する上記支持部材の反射特性と、上記トナーパターンの反射特性との差を信号A、残りの1方向に配列した照射手段の検出光に対する上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号Bとするとき、
上記信号Aと信号Bとに基づいてトナーパターンの上記支持部材上における位置を演算的に検出することを特徴とするトナー位置検出方法。 - 請求項1記載のトナー位置検出方法において、
トナーパターンが、副方向およびこれに直交する主方向に幅を有する矩形状のパターンであり、この矩形状のパターンの主方向における長さを、副方向において同一の位置に配置された上記発光部から放射される検出光の上記支持部材上におけるスポットの中心間隔の最小間隔よりも大きく、最大間隔よりも小さくすることを特徴とするトナー位置検出方法。 - 請求項1または2記載のトナー位置検出方法において、
前記矩形状のパターンが、前記副方向において、前記2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域と、信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域とを通過する時間内まで、照射手段のM個の発光部全てを発光させ続けることを特徴とするトナー位置検出方法。 - 請求項1または2記載のトナー位置検出方法において、
前記矩形状のパターンが、信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域または/および信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域を通過後、副方向において矩形状のパターンに対してパターンの進行方向と逆方向に位置する照射手段のM’(<M)個の発光部は消灯させることを特徴とするトナー位置検出方法。 - 請求項1または2記載のトナー位置検出方法において、
前記2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち、信号Aを取得するのに用いられる任意の1つの発光部と、前記任意の1つの発光部と副方向において同一の位置に配置された信号Bを取得するのに用いられる任意の1つの発光部とにより発光部対を構成し、上記矩形状のパターンの副方向への移動方向をX軸の正の方向としたとき、上記矩形状のパターンの副方向における縁のうち、移動方向と逆側の縁のX座標と、発光部の中心のX座標が最大となる発光部から放射される検出光の上記支持部材上における照射領域の縁のX座標のうち最大となるX座標との差が正になるまで、対応する発光部が同時に発光するようにして、各発光部対を順次に発光させ続けることを特徴とするトナー位置検出方法。 - トナーによる画像を形成する画像形成方法において、所定の副方向へ移動する支持部材の表面に所定のトナーパターンを形成し、上記支持部材に照射手段により検出光を照射し、上記支持部材および/またはトナーパターンによる反射光を受光手段により受光し、上記検出光に対する上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差に基づき上記トナーパターンの上記支持部材上における位置を検出するのに用いる反射型光学センサであって、
独立してもしくは同時に点滅可能で検出光を放射するM(≧2)個の発光部を、上記支持部材に検出光のスポットをM箇所で照射できるように、副方向に交わる任意の2方向に配置してなる照射手段と、N(≧2)個の受光部を上記支持部材および/またはトナーパターンによる検出光の反射光を受光できるように、上記照射手段に対応させて上記2方向に配列してなる受光手段とを有し、
副方向に交わる任意の2方向に配置した照射手段のうち、1方向に配置した照射手段を点灯させることで得られる上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号A、残りの1方向に配置した照射手段を点灯させることで得られる上記支持部材の反射特性と上記トナーパターンの反射特性との差を信号Bとするとき、
上記信号Aと信号Bとに基づいてトナーパターンの上記支持部材上における位置を演算的に検出することを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6記載の反射型光学センサにおいて、
トナーパターンが、副方向およびこれに直交する主方向に幅を有する矩形状のパターンであり、この矩形状のパターンの主方向における長さを、副方向において同一の位置に配置された上記発光部の中心を結んで得られる主方向と平行となる線分の長さの半分よりも長くすることを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6または7に記載の反射型光学センサにおいて、
前記矩形状のパターンが、前記副方向において、前記2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域と、信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域とを通過する時間内まで、照射手段のM個の発光部全てを発光させ続けることを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6または7に記載の反射型光学センサにおいて、
前記矩形状のパターンが、前記副方向において、前記2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち信号Aを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域または/および信号Bを取得するのに用いられる少なくとも1つの発光部から放射される検出光の前記支持部材上における照射領域を通過後、副方向においてトナーパターンに対して進行方向と逆方向に位置する照射手段のM’ (<M)個の発光部は消灯させることを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6または7に記載の反射型光学センサにおいて、
前記2方向に配置した照射手段のM個の発光部のうち、信号Aを取得するのに用いられる任意の1つの発光部と、前記任意の1つの発光部と副方向において同一の位置に配置された信号Bを取得するのに用いられる任意の1つの発光部とにより発光部対を構成し、上記矩形状のパターンの副方向への移動方向をX軸の正の方向としたとき、上記矩形状のパターンの中心のX座標の値からパターンの副方向における長さの半分を減じた値と、発光部の中心のX座標が最大となる発光部から放射される検出光の上記支持部材上における照射領域の中心のX座標との差が、発光部の中心のX座標が最大となる発光部の上記支持部材上におけるビームスポット径よりも大きくなるまで、対応する発光部が同時に発光するようにして、各発光部対を順次に発光させ続けることを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6〜10の任意の1に記載の反射型光学センサにおいて、
1個の発光部に複数個の受光部が対応することを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6〜10に記載の反射型光学センサにおいて、
1個の受光部に複数個の発光部が対応することを特徴とする反射型光学センサ。 - 請求項6〜12の任意の1に記載の反射型光学センサにおいて、
照射手段の発光部から放射される検出光を、支持部材表面に向けて集光的に導光する照明用光学系および/または支持部材表面からの反射光を受光手段に向けて集光的に導光する受光用光学系を有することを特徴とする反射型光学センサ。 - トナーによる画像を形成する画像形成装置において、
トナー位置検出に用いる反射型光学センサとして、請求項6〜13の任意の1に記載の反射型光学センサを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
形成される画像が、色の異なる複数種のトナーによる多色画像もしくはカラー画像であり、色ごとのトナー濃度が検出されることを特徴とする画像形成装置。
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