JP2010122443A - 無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系 - Google Patents

無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】外径が細く、全長が長く、諸収差が良好に補正されていて、多光子励起にも使用可能な高開口数でin vivo観察に適した液浸細径対物光学系を実現する。
【解決手段】物体側から順に、像側に凸面を向けた平凸レンズL2を含む正屈折力の第1群G1と、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けたレンズL3を含む正屈折力の第2群G2と、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けたレンズL6を含む負屈折力の第3群G3と、最も物体側に配置され像側レンズ面が像側に凸面を向けたレンズL7と、最も像側に配置され物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたレンズL8とを含む正屈折力の第4群G4と、凸レンズL11と凹レンズL10が接合され、かつ接合面が負屈折力である接合レンズを含む正屈折力の第5群G5とで構成され、無限遠設計で第4群G4と第5群G5との間に中間結像面を有する液浸細径対物光学系1を提供する。
【選択図】図1

Description

この発明は、細胞の機能の解明やイメージング等のアプリケーションに用いられる顕微鏡対物ユニットに関し、哺乳類特に動物を生きたままで観察するのに好適な顕微鏡対物ユニットに関するものである。
従来、特定の分子や組織、細胞などに色素や蛍光マーカーをつけて、これを蛍光顕微鏡や共焦点レーザー走査顕微鏡などで観察して、生物の細胞や組織内の分子の振る舞いなどを観察する方法が行なわれている。
マウスなどの哺乳類の生物個体が生きた状態での分子の振る舞いは培養細胞とは異なる場合が有り、個体が生きたまま(in vivo)で生体組織や細胞内の観察が行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−119300号公報
従来のレーザー走査型共焦点顕微鏡を始めとする顕微鏡は、ラットやマウス等の実験小動物の各種臓器を生きたままの状態(in vivo)で観察することは想定していない。しかし、生物個体の内部を観察する場合、従来の顕微鏡対物レンズでは、その外径が大きいため、生体を大きく切り開いて観察する必要がある。しかし、生体を大きく切り開くと侵襲が高いので、長時間の観察は不可能である。
すなわち、これら実験小動物の各種臓器を観察するには、表皮や筋肉組織を切開し、あるいは、頭蓋骨に穿孔して内部の臓器を露出させる必要があるが、観察部位に近接配置される対物レンズのサイズが実験小動物もしくは観察対象に比較して大きいために、内部の臓器などを観察する場合には、表皮や筋肉組織等を大きく切開、あるいは大きな孔を開ける必要がある。
一方、先端径を細くした特許文献1の光学系が開示されているが、マウスの脳などの比較的小さな臓器の深部を観察する場合には、まだ侵襲が高く、生体に与えるダメージを考えると、正常な状態での観察は困難であるという不都合がある。更にこの光学系では、多光子励起で観察するには開口数が小さく、分解能が落ちるのはもちろんのこと、検出光が弱いために、S/Nが良くないという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、実験小動物を始めとする哺乳類の細胞、筋肉等の生体組織、あるいは、心臓、肝臓等の各種臓器、特に脳組織を生きたままの状態で、比較的長期間にわたって低侵襲に観察することを可能とするとともに、多光子励起に用いるための無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、物体側から順に、正屈折力の第1群、正屈折力の第2群、負屈折力の第3群、正屈折力の第4群そして正屈折力の第5群で構成され、前記第1群は、像側に凸面を向けた平凸レンズを含み、前記第2群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、前記第3群は、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けているレンズを含み、前記第4群は、最も物体側に配置され像側レンズ面が像側に凸面を向けたレンズと、最も像側に配置され物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたレンズとを含み、前記第5群は、凸レンズと凹レンズが接合され、かつ前記接合面が負屈折力である接合レンズを含み、無限遠設計で前記第4群と前記第5群との間に中間結像面を有する液浸細径対物光学系を提供する。
本発明によれば、正屈折力の第1群において、最も物体側が略平面となることにより、間に気泡が入らないようにすることができる。また、像面側に凸面を向けた平凸レンズを含むことにより、アプラナティック条件に近くして、球面収差とコマ収差の発生を小さくすることができる。
正屈折力の第2群において、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けることにより、球面収差やコマ収差が大きく発生するが、光束の発散を小さくして第2群以降で光線高が高くなるのを防ぐことができ、レンズ外径を小さくすることができる。
負屈折力の第3群において、最も像面側のレンズ面が像面側に凹面を向けていることによって、第3群内での光線高を高くすることなく、ペッツバール和を小さくすることができ像面湾曲を補正することができる。
正屈折力の第4群においては、最も物体側に配置されたレンズの像面側レンズ面が像面側に凸面を向けていることで、アプラナティック条件に近くし、第3群からの発散光を球面収差とコマ収差の発生を大きくすることなく、略収斂光にすることができる。更に最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けることで、アプラナティック条件に近くし、球面収差とコマ収差の発生を大きくすることなく収斂光にすることができる。
正屈折力の第5群において、発散光を平行光に変換するために全体として正屈折力を持たせると共に、負屈折力の接合面を持つ接合レンズを含むことによって、第1群から第4群で補正しきれなかった球面収差、色収差を補正することができる。
また、中間結像面を本液浸細径対物光学系内に設けることにより、像側の射出瞳位置をレンズ外に配置することが可能となる。
よって、このように構成された本発明に係る無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系によれば、外径が細く、全長が長く、諸収差が良好に補正されていて、多光子励起にも使用可能な高開口数でin vivo観察に適した無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系を実現することができる。
上記発明においては、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1) 0.15 < F12/(L13・NA) < 0.25
ただし、F12は、第1群から第2群までを合わせた焦点距離、L13は、物体面から第3群の最も像側面までの光軸距離、そして、NAは、無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系の物体側開口数である。
条件式(1)が0.15を下回ると第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が小さくなり、第1群と第2群の屈折力が強くなるため、球面収差が大きく発生し、その補正が困難になるとともに、物体側NAが大きくなるため、第1群及び第2群の光線高が大きくなるため細径にすることができない。また、L13が長くなり、本液浸細径対物光学系の細径部分が長くなり、軸外光のケラレが発生し視野範囲が狭くなるなどするため、不都合である。
逆に、条件式(1)が0.25を上回ると、第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が大きくなり屈折力が小さくなる。その結果、物体からの発散光を収斂することができず、第1群と第2群の光線高が大きくなって不都合である。また、物体側開口数NAが小さくなるため、分解能が落ちるなど不都合が生じる。また、L13が短くなるため、本液浸細径対物光学系の細径部分の長さが短くなり、マウスなどの小動物の生体深部を観察するときに、より深部を低侵襲に観察することが困難になる。
また、上記発明においては、以下の条件式(2)から(5)を満足することが好ましい。
(2) 12 < F/F12 < 14
(3) 1.7 < φ/φ12 < 2.5
(4) 1.75 < n12 < 1.90
(5) 80 < ν < 95
ただし、F12は、第1群から第2群までを合わせた焦点距離、Fは、第5群の焦点距離、φ12は、第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径、φは、第5群のレンズのうち最も大きなレンズ径、n12は、第1群と第2群のレンズのうち最も大きな屈折率(d線)、νは、第5群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの凸レンズのアッベ数(d線)である。
条件式(2)が12を下回ると、第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が大きくなり、第1、2群の屈折力が小さくなるため、物体からの発散光を収斂することができず、前記第1、2群での光線高が大きくなり不都合である。
逆に、条件式(2)が14を上回ると、第5群の焦点距離Fが大きくなるため、第4群からの発散光を収斂光に変換できなくなるので不都合であると共に、第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が小さくなり第1、2群の屈折力が大きくなるため、この第1、2群で大きな球面収差が発生し不都合である。
条件式(3)が1.7を下回ると、第5群のレンズのうち最も大きなレンズ径φが小さくなるため、第1群から第4群で発生した球面収差などをはじめとする諸収差の補正が困難になるとともに、第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径φ12が大きくなるため、細径にすることができず不都合である。
逆に、条件式(3)が2.5を上回ると、第5群のレンズのうち最も大きなレンズ径φが大きくなり、第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径φ12が小さくなるため、収差補正の点では好都合であるが、レンズ径φ12が小さくなりすぎると軸外光がケラレるなどして、物体側開口数NAや視野範囲が小さくなるなど不都合が生じるため、適切な値に留めておくのが好ましい。
条件式(4)が1.75を下回ると、第1,2群の屈折力が小さくなり、物体からの発散光を収束させることができず、光線高が高くなり細径にすることができないため不都合である。
逆に条件式(4)が1.90を上回ると、第1,2群の曲率半径が大きくなるため、球面収差の補正が過剰になるため不都合である。
条件式(5)が80を下回ると、通常接合レンズの凹レンズには高屈折高分散のフリント系硝材を用いるため、接合面でのアッベ数の差が小さくなり第1群から第4群で発生した色収差の補正が困難になる。
逆に条件式(5)が95を上回ると、色収差の補正が過剰になるため不都合である。
本発明によれば、実験小動物を始めとする哺乳類の細胞、筋肉等の生体組織、あるいは、心臓、肝臓等の各種臓器、特に脳組織を生きたままの状態で、比較的長期間にわたって低侵襲に観察することが可能となるとともに、多光子励起に使用することができるようになるという効果を奏する。
〔第1の実施例〕
図1に本発明の第1の実施例のレンズ構成を示し、その実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系1は、最も物体側に配置されたレンズの物体側のレンズ面が略平面であるレンズと、像面側に凸面を向けた平凸レンズを含む正屈折力の第1群G1、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第2群G2、最も像面側のレンズ面が像面側に凹面を向けている負屈折力の第3群G3、最も物体側に配置されたレンズの像面側レンズ面が像面側に凸面を向けており、更に最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたことを特徴とする正屈折力の第4群G4、負屈折力の接合面を持つ凸レンズと凹レンズとの接合レンズを含む正屈折力の第5群G5、そして第4群G4と第5群G5との間に配置された中間結像面で構成されている。
更に具体的には、第1レンズ群G1は、平行平板L1と、像面側に凸面を向けd線の屈折率が1.883である平凸レンズL2とから構成され正屈折力を有する。
第2レンズ群G2は、物体側の面が物体側に凸面を向けている両凸レンズL3と両凹レンズL4とを接合した接合レンズから構成され正屈折力を有する。
第3レンズ群G3は、両凸レンズL5と像側の面が像面側に凹面を向けている両凹レンズL6とを接合した接合レンズから構成され負屈折力を有する。
第4レンズ群G4は、最も物体側に配置された両凸レンズL7の像側レンズ面が像側に凸面を向けており、最も像側に配置された平凸レンズL8の物体側レンズ面が物体側に凸面を向けており、全体として正屈折力を有する。
第5レンズ群G5は、両凸レンズL9、像側に凹面を向けた負屈折力のメニスカスレンズL10と物体側に凸面を向けた正屈折力の平凸レンズL11とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズ、および、像側に凸面を向けた正屈折力の平凸レンズL12と物体側に凹面を向けた負屈折力のメニスカスレンズL13とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズから構成され、全体として正屈折力を有し、平凸レンズL11と平凸レンズL12のアッベ数は94.9である。
そして、像側の射出瞳の位置は、メニスカスレンズL13から1.3mm像側に配置される。
本実施形態においては、各レンズL1〜L13が以下の条件式(1)〜(5)を満たすように構成されている。
(1) 0.15 < F12/(L13・NA) < 0.25
(2) 12 < F/F12 < 14
(3) 1.7 < φ/φ12 < 2.5
(4) 1.75 < n12 < 1.90
(5) 80 < ν < 95
ここで、F12は、第1群G1から第2群G2までを合わせた焦点距離、L13は、物体面から第3群G3の最も像側面までの光軸距離、NAは、無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系1の物体側開口数、Fは、第5群G5の焦点距離、φ12は、第1群G1と第2群G2のレンズL1〜L4のうち最も小さなレンズ径、φは、第5群G5のレンズL9〜L13のうち最も大きなレンズ径、n12は、第1群G1と第2群G2のレンズL1〜L4のうち最も大きな屈折率(d線)、νは、第5群G5の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの平凸レンズL11のアッベ数(d線)である。
表1に本実施例に係る液浸細径対物光学系1のレンズデータを示し、図3に本実施例の収差図を示す。
Figure 2010122443
表中の記号については、
r:曲率半径, d:面間隔, nd:屈折率(d線), νd:アッベ数(d線)
となっている。
本実施例において、条件式(1)〜(5)における各値は以下の通りである。
12 = 0.418
= 5.50
13 = 3.70
NA = 0.62
φ12 = 0.80
φ = 1.80
12 = 1.883
ν = 94.9
(1)F12/(L13・NA) = 0.18
(2)F/F12 = 13.2
(3)φ/φ12 = 2.25
(4)n12 = 1.883
(5)ν = 94.9
本実施例に係る液浸細径対物光学系1においては、レンズL1〜L6のレンズ直径は0.8mm、レンズL7,L8のレンズ直径は1.2mm、レンズL9〜L13のレンズ直径は1.8mmであり、レンズL1からレンズL6までの先端部分は非常に小さい径のレンズのみで構成されている。
このため、マウスなどの実験小動物の体内奥深くを低侵襲で比較的長期間に渡ってin vivo観察するのに適している。また、本実施例は近赤外域まで収差を補正しており、近赤外光を用いて試料の表面だけでなく比較的散乱の影響を受けずに生体内部を観察することができる。更に、物体側開口数を比較的大きくしているため多光子励起にも使用することができる。
〔第2の実施例〕
図2に本発明の第2の実施例のレンズ構成を示し、その実施形態について以下に説明する。
なお、第1の実施例と共通する構成については、同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係る無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系1は、最も物体側に配置されたレンズの物体側のレンズ面が略平面であるレンズと、像面側に凸面を向けた平凸レンズを含む正屈折力の第1群G1、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第2群G2、最も像面側のレンズ面が像面側に凹面を向けている負屈折力の第3群G3、最も物体側に配置されたレンズの像面側レンズ面が像面側に凸面を向けており、更に最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第4群G4、負屈折力の接合面を持つ凸レンズと凹レンズとの接合レンズを含む正屈折力の第5群G5、そして第4群G4と第5群G5との間に配置された中間結像面で構成されている。
更に具体的には、第1群G1は、平行平板L31と像面側に凸面を向けd線の屈折率が1.883である平凸レンズL32から構成され正屈折力を有する。
第2群G2は、物体側の面が物体側に凸面を向けている両凸レンズL33と平凹レンズL34とを接合した接合レンズから構成され正屈折力を有する。
第3群G3は、両凸レンズL35と像側の面が像面側に凹面を向けている両凹レンズL36とを接合した接合レンズから構成され負屈折力を有する。
第4群G4は、最も物体側に配置された平凸レンズL37の像側レンズ面が像側に凸面を向けており、最も像側に配置された平凸レンズL38の物体側レンズ面が物体側に凸面を向けており、全体として正屈折力を有する。
第5群G5は、像側に凸面を向けた正屈折力のメニスカスレンズL39、および、像側に凸面を向けた正屈折力の平凸レンズL40と像側に凸面を向けた負屈折力のメニスカスレンズL41とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズから構成され、全体として正屈折力を有し、平凸レンズL40のアッベ数は94.9である。
そして、像側の射出瞳の位置は、メニスカスレンズL41から4.8mm像側に配置される。
本実施形態においては、各レンズL31〜L41が以下の条件式(1)〜(5)を満たすように構成されている。
(1) 0.15 < F12/(L13・NA) < 0.25
(2) 12 < F/F12 < 14
(3) 1.7 < φ/φ12 < 2.5
(4) 1.75 < n12 < 1.90
(5) 80 < ν < 95
ここで、F12は、第1群G1から第2群G2までを合わせた焦点距離、L13は、物体面から第3群G3の最も像側面までの光軸距離、NAは、無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系1の物体側開口数、Fは、第5群G5の焦点距離、φ12は、第1群G1と第2群G2のレンズL31〜L34のうち最も小さなレンズ径、φは、第5群G5のレンズL39〜L41のうち最も大きなレンズ径、n12は第1群G1と第2群G2のレンズL31〜L34のうち最も大きな屈折率(d線)、νは第5群G5の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの凸レンズL40のアッベ数(d線)である。
表2に本実施例に係る液浸細径対物光学系1のレンズデータを示し、図4に本実施例の収差図を示す。
Figure 2010122443
本実施例に係る液浸細径対物光学系1は、基本的には第1の実施例とほぼ同じであるが、第1の実施例よりも歪曲収差を補正し、像の歪みを少なくした例である。
更に、本実施例においても、レンズL31〜L36のレンズ直径は0.8mm、レンズL37,L38のレンズ直径は1.2mmであり、その先端部分は非常に小さい径のレンズのみで構成されている。
このため、マウスなどの実験小動物の体内奥深くを低侵襲で比較的長期間に渡ってin vivo観察するのに適している。また、近赤外域まで収差を補正しており、近赤外光を用いて試料の表面だけでなく比較的散乱の影響を受けずに生体内部を観察することができるとともに、物体側開口数を比較的大きくしているため多光子励起にも使用することができる。
本実施例において、条件式(1)〜(5)における各値は以下の通りである。
12 = 0.470
= 6.07
13 = 3.72
NA = 0.61
φ12 = 0.80
φ = 1.60
12 = 1.883
ν = 94.9
(1)F12/(L13・NA) = 0.20
(2)F/F12 = 12.9
(3)φ/φ12 = 2.00
(4)n12 = 1.883
(5)ν = 94.9
なお、実施例1,2ともに、像側への射出光が平行光となるので、それ自体では結像しない。そこで、以下の表3に示すレンズデータを有し、図5にレンズ構成図を示す結像レンズと組み合わせて使用する。
Figure 2010122443
本発明の第1の実施例に係る液浸細径対物光学系の構成図である。 本発明の第2の実施例に係る液浸細径対物光学系の構成図である。 本発明の第1の実施例に係る液浸細径対物光学系の収差図で、(a)球面収差、(b)正弦条件違反量、(c)非点収差、(d)は歪曲収差を表している。 本発明の第2の実施例に係る液浸細径対物光学系の収差図で、(a)球面収差、(b)は正弦条件違反量、(c)非点収差、(d)歪曲収差を表している。 結像レンズの一例を示す構成図である。
符号の説明
1 液浸細径対物光学系
G1 第1群
G2 第2群
G3 第3群
G4 第4群
G5 第5群
L1,L31 平行平板
L2,L32 平凸レンズ
L3,L33 両凸レンズ
L4 両凹レンズ
L5,L35 両凸レンズ
L6,L36 両凹レンズ
L7 両凸レンズ
L8,L38 平凸レンズ
L9 両凸レンズ
L10 メニスカスレンズ(凹レンズ)
L11 平凸レンズ
L12 平凸レンズ
L13 メニスカスレンズ
L34 平凹レンズ
L37 平凸レンズ
L39 メニスカスレンズ
L40 平凸レンズ
L41 メニスカスレンズ(凹レンズ)

Claims (3)

  1. 物体側から順に、正屈折力の第1群、正屈折力の第2群、負屈折力の第3群、正屈折力の第4群そして正屈折力の第5群で構成され、
    前記第1群は、像側に凸面を向けた平凸レンズを含み、
    前記第2群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、
    前記第3群は、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けたレンズを含み、
    前記第4群は、最も物体側に配置され像側レンズ面が像側に凸面を向けたレンズと、最も像側に配置され物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたレンズとを含み、
    前記第5群は、凸レンズと凹レンズが接合され、かつ前記接合面が負屈折力である接合レンズを含み、
    無限遠設計で前記第4群と前記第5群との間に中間結像面を有する液浸細径対物光学系。
  2. 以下の条件式(1)を満足する請求項1に記載の無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系。
    (1) 0.15 < F12/(L13・NA) < 0.25
    ただし、
    12 :第1群から第2群までを合わせた焦点距離
    13 :物体面から第3群の像側面までの光軸距離
    NA :本液浸細径対物光学系の物体側開口数
  3. 以下の条件式(2)から(5)を満足する請求項1または請求項2に記載の無限遠設計で中間結像面を持つ液浸細径対物光学系。
    (2) 12 < F/F12 < 14
    (3) 1.7 < φ/φ12 < 2.5
    (4) 1.75 < n12 < 1.90
    (5) 80 < ν < 95
    ただし、
    12 :第1群から第2群までを合わせた焦点距離
    :第5群の焦点距離
    φ12 :第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径
    φ :第5群のレンズのうち最も大きなレンズ径
    12 :第1群と第2群のレンズのうち最も大きな屈折率(d線)
    ν :第5群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの凸レンズのアッベ数(d線)
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