JP2010122350A - 光導波路の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンコアの酸化が抑制できる低温条件で形成したクラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにする。
【解決手段】シリコンコア131の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件で酸化シリコン膜106を形成した後、酸化シリコンの粘性流動が起こり始める950℃以上の高温条件で、酸化シリコン膜106(シリコン基板101)を加熱し、シリコンコア131を覆う上部クラッド層161を形成する。この加熱処理により、シリコンコア131の段差により生じていた酸化シリコン膜106の脆弱な部分の膜質が改善され、この後の工程において損傷が発生しないようになる。
【選択図】 図1G

Description

本発明は、オプトエレクトロニクス分野、光通信分野において使用されている光導波路型フィルターなどの平面光回路において、SOI基板上に構築されるシリコンをコアとした光導波路の作製方法に関するものである。
シリコン基板の上に形成する光導波路を基本とする平面導波型光回路は、作製プロセスに半導体装置の製造技術を利用できるため、作製が容易であり、集積化および大規模化にも有利であることから、光分岐,光スイッチ,波長フィルターなどの光通信のキー部品に広く利用されている。現在の光通信システムに導入されている平面導波路型光回路は、導波路のコアおよびクラッドが、主に石英系材料で構成されている(特許文献1,非特許文献1参照)。
このような石英系の平面導波型光回路の光導波路の作製について説明すると、まず、図7Aに示すように、シリコン基板701の上に、火炎堆積法を用いて、膜厚30μm程度の屈折率の低い下部クラッドガラス膜702を形成する。次に、下部クラッドガラス膜702の上に、火炎堆積法により、膜厚6μm程度の石英ガラスコア膜703を形成する。次に、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により石英ガラスコア膜703をパターニングし、図7Cに示すように、断面矩形のコア731を形成する。この後、図7Dに示すように、下部クラッドガラス膜702およびコア731の上に、火炎堆積法を用いて、層厚15μm程度の屈折率の低い上部クラッド層704を形成し、上部クラッド層704でコア731を埋め込み、光導波路とする。
近年では、光デバイスの小型化および高集積化が求められるようになり、石英ガラスコア膜703の屈折率を高くした導波路の開発が盛んになり、石英系導波路においても、コアの石英におけるゲルマニウムやチタンなどの添加量を増加させ、比屈折率差が3%程度にまで高められた導波路も作製されるようになっている。石英系材料を用いる場合であれば、添加物の増量により屈折率を高めたコアを、前述した作製方法と同様にすることで、形成することができる。ただし、石英系材料では、上述以上には屈折率を高めることができず、比屈折率差は3%程度が限界である。比屈折率差が3%の光導波路では、波長1.5μmの通信波長帯では、導波路の曲げ半径を1mm程度とすることが可能であり、この範囲で、小型の光デバイスが実現できる。
一方、光デバイスの大幅な小型化、高集積化、さらにはシリコン電子素子との融合を目的に、ここ数年、導波路のコアを石英からシリコンに置き換えることで、比屈折率差を非常に高くし、光閉じ込めを強くしたシリコン導波路の研究が活発になってきている。シリコン導波路は、曲げ半径を数μmと小さくできるため、非常に微小な光デバイスを実現することが可能となる。
特願平8−043653号公報 特願平5−181031号公報 河内 正夫、「プレーナ光波回路デバイス」、電子情報通信学会論文誌、C−II、Vol.J81-C-II, No.6, pp.513-523, 1998. 植松 真司 他、「新しい物理モデルに基づいたシリコン熱酸化のシミュレーション」、表面科学、第23巻、第2号, pp.104-110, 2002.
しかしながら、シリコン導波路を作製する場合、次に示すような問題が生じる。
石英系材料をコアとする光導波路は、クラッドとなる厚い酸化膜の形成に熱CVD法の一種である火炎堆積法が用いられている。このような熱CVD法で酸化膜を形成する場合、基板を1000℃程度に加熱することになり、また、膜の形成中は酸化雰囲気となるため、基板の上に形成されているコアなどの各パターンも酸化されることになる。ここで、コアをシリコンから構成する場合、上述したように上部クラッドを形成すると、コアが酸化され、コアの断面形状や屈折率が変化し、導波路のコアとしての機能を維持することが維持できなくなる。このため、シリコンをコアとする場合、シリコンのコアが酸化しない、もしくは酸化が進行しにくい低温条件で、コアを覆うクラッドとなる酸化膜を形成することが重要となる。
シリコンの酸化が抑制できるような低温の条件で酸化膜を形成する方法としては、プラズマCVD法が知られており、この成膜方法は、電子回路や導波路作製にも応用されている。ところが、プラズマCVD法のような低温プロセスで、コアの上に酸化膜を堆積してクラッドを形成した場合、これより後における、新たな膜の形成や洗浄などの工程において、コアの上面縁部よりクラッド表面にかけて、侵食されたような損傷部分が発生するという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコンコアの酸化が抑制できる低温条件で形成したクラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにすることを目的とする。
本発明に係る光導波路の作製方法は、酸化シリコンよりなる下部クラッド層の上にシリコンよりなるコアを形成する第1工程と、下部クラッド層の上に、コアを覆う酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる膜を、コアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で形成する第2工程と、膜を粘性流動が起こり始める温度以上に加熱することでコアを覆う上部クラッド層を下部クラッド層の上に形成する第3工程とを少なくとも備える方法である。
上記光導波路の作製方法において、酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる膜は、CVD法で形成するようにすればよい。特に、CVD法は、ECRプラズマCVD法であるとよい。また、第3工程では、窒素ガス雰囲気もしくは真空中で行うとよい。
以上説明したように、本発明によれば、コアを覆う酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる膜を、コアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で形成した後、この膜を粘性流動が起こり始める温度以上に加熱するようにしたので、シリコンコアの酸化が抑制できる低温条件で形成したクラッドに、この後の工程において損傷が発生しないようにすることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
始めに、本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法について説明する。まず、図1Aに示すように、シリコン基板101と、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層102と、単結晶シリコン層103とを備えるSOI(Silicon on Insulator)基板を用意する。例えば、埋め込み絶縁層102は、層厚1〜3μm程度とされ、単結晶シリコン層103は、層厚150〜250nm程度とされている。
次に、単結晶シリコン層103の上に酸化シリコン層104を形成し、酸化シリコン層104の上にレジスト層105を形成する。例えば、SiH4およびO2をソースガスとしたよく知られたプラズマCVD法により、酸化シリコン層104が形成できる。また、紫外線感光レジストや電子線感光レジストなどを、回転塗布法などにより塗布することで、レジスト層105が形成できる。
次に、よく知られたフォトリソグラフィ技術によりレジスト層105をパターニングし、図1Bに示すように、酸化シリコン層104の上にレジストパターン151を形成する。例えば、レジスト層105が紫外線感光レジストである場合、紫外線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン151が形成できる。また、レジスト層105が電子線感光レジストである場合、電子線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン151が形成できる。なお、現像により形成したレジストパターン151は、例えば、100℃程度の加熱処理(ポストベーク)を施しておく。
次に、レジストパターン151をマスクとして酸化シリコン層104を選択的に除去し、図1Cに示すように、マスクパターン141を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で酸化シリコン層104をエッチングしてレジストパターン151の形状を酸化シリコン層104に転写することで、マスクパターン141を形成すればよい。
次に、レジストパターン151を除去した後、マスクパターン141をマスクとして単結晶シリコン層103を選択的に除去し、図1Dに示すように、シリコンコア131を形成する。例えば、塩素系またはフッ素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で単結晶シリコン層103をエッチングしてマスクパターン141の形状を酸化シリコン層104に転写することで、シリコンコア131を形成すればよい。この後、マスクパターン141を除去することで、図1Eに示すように、埋め込み絶縁層102よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア131が形成された状態が得られる。シリコンコア131は、例えば、断面の形状が、幅400nm,高さ200nm程度に形成されればよい。
次に、図1Fに示すように、埋め込み絶縁層102の上に酸化シリコン膜106を形成し、形成した酸化シリコン膜106でシリコンコア131が埋め込まれるようにする。この酸化シリコン膜106の形成は、既に形成されているシリコンコア131が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン膜106をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア131に生じない範囲の温度で行う。
一般に、シリコンの酸化プロセスは、800〜1200℃で行われている(非特許文献2参照)。従って、酸化性の雰囲気で行われるCVD法で酸化シリコン膜106を形成する場合、少なくとも800℃よりも低い温度を条件とすることが重要となる。この条件においても、酸化をより抑制するという観点では、安全を見て、600℃以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、酸化シリコン膜106は、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法により形成することができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコン膜106を堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで、酸化シリコン膜106を形成することができる。また、形成される酸化シリコン膜106は、屈折率が1.46程度となる。なお、ECRプラズマに限るものではなく、前述したように、シリコンコア131の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン膜106を形成してもよい。
上述したように酸化シリコン膜106を形成した後、酸化シリコンの粘性流動が起こり始める950℃以上の高温条件で、酸化シリコン膜106(シリコン基板101)を加熱し、図1Gに示すように、シリコンコア131を覆う上部クラッド層161を形成する。この加熱処理により、シリコンコア131の段差により生じていた酸化シリコン膜106の脆弱な部分の膜質が改善され、この後の工程において損傷が発生しないようになる。
この熱処理では、シリコンコア131は酸化シリコン膜106で覆われているため、高温条件で加熱しても酸化されにくい状態となっている。ただし、上記熱処理を数秒の短時間で行う、もしくは、減圧排気(真空)状態や窒素ガス雰囲気など酸素のない雰囲気で行うことで、シリコンコア131の酸化がより抑制できるようになる。また、酸素のない雰囲気で加熱処理を行うことで、上部クラッド層161の屈折率が、この加熱処理により変化することも抑制できるようになる。
以上に説明した製造方法により形成されるシリコン導波路は、図2の断面図に示すように、断面視矩形のシリコンコア203に限らず、断面視リブ型のシリコンコア層204であってもよい。図2では、基板201の上に、下部クラッド層202,シリコンコア203,シリコンコア層204、および上部クラッド層206を備えたシリコン光導波路を示している。リブ型のシリコンコア層204では、よく知られているように、コアとなるリブ部の両脇にシリコンのスラブ部を残した形状となっている。シリコンコア203は、断面寸法が、幅400nm,高さ200nm程度に形成されている。また、シリコンコア層204は、リブ部の断面形状が、幅600nm,高さ200nm程度に形成されている。これらのシリコン光導波路では、シリコンのコアと酸化シリコンのクラッドとの比屈折率差が40%程度と大きいため、シングルモード条件を満たすコアの断面寸法は、100〜600nm程度の小さいものとなる。
ここで、シリコンコア131の段差により生じる酸化シリコン膜106の脆弱性について説明する。シリコンコア131などの段差を有するパターンの上に、前述したプラズマCVD法のように低温条件のCVD法で膜(酸化シリコン膜106)を形成する場合、図3に示すように、段差部となるコア上面縁部を基点とし、膜質が脆弱な領域である脆弱部301が形成されることが判明している。脆弱部301は、他の領域に比較してエッチング耐性が低く、例えば、HF系の洗浄液を用いた洗浄などで、選択的にエッチングされて侵食され、損傷部分となる。また、ゲルマニウムの堆積にソースガスとして用いられるGeH4ガスなどの還元雰囲気中に晒すことによっても、脆弱部301が選択的にエッチングされる。
低温で行うCVD法などで、コアなどの段差のある基板の上に酸化膜を堆積すると、段差の縁の部分より不均一な領域が生じ、形成された酸化膜の内部に応力が発生し、膜質の均一性を損なう現象が、脆弱部301発生の原因と考えられる。不均一な領域である脆弱部301には、歪みが集中しており、例えば、エッチングの雰囲気では、脆弱部301が、他の領域の膜に比較して特に侵食されやすくなる。
図4は、Siコアが形成されている基板の上に、前述同様の低温条件のECRプラズマCVD法により、膜厚0.5μm程度に酸化シリコン膜を形成し、成膜直後の状態と、1%濃度のHF溶液で4分間処理した後の状態とを走査型電子顕微鏡で観察した結果である。図4において、「加熱なし」は、成膜したものを、加熱することなく1%濃度のHF溶液に4分間浸漬した試料であり、「加熱あり」は、成膜した後に、1050℃・20分の加熱処理を加えてから1%濃度のHF溶液に4分間浸漬した試料である。
図4の電子顕微鏡写真からも明らかなように、「加熱なし」の条件においては、平坦部においては、成膜直後の状態と同様の状態であるが、Siコアの上面縁部における酸化シリコン膜には、Siコアの側部にまで到達する侵食部が形成されていることがわかる。これに対し、「加熱あり」の条件においては、Siコアの上面縁部における酸化シリコン膜に、侵食されている部分が発生しておらず、膜質が改善されていることがわかる。なお、平坦部で評価した屈折率および膜厚においては、「加熱あり」の条件においても、他の試料との差は測定されていない。
ところで、平衡平板電極による容量結合型プラズマによるCVD法で形成した酸化シリコン膜においては、上述したような高温の処理を成膜した後に加えると、膜厚が減少するため、熱処理をする場合には、膜厚の変化量を考慮して成膜を行うことが報告されている(特許文献2参照)。これに対し、上述した実施の形態においては、成膜後の加熱処理による膜厚の変化は観察されていない。これは、本例で用いたECRプラズマCVD法では、適度のエネルギーをもったイオン衝撃効果により、イオンが照射される部分は緻密な膜が形成されるためである。低温の成膜法としてECRプラズマCVD法を用いると、後の熱処理における膜厚の変化が抑制できるので、様々な熱処理に対応することが可能となり、作製プロセス上安定性が高いという利点がある。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法について説明する。まず、図5Aに示すように、シリコン基板501と、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層502と、単結晶シリコン層503とを備えるSOI基板を用意する。例えば、埋め込み絶縁層502は、層厚1〜3μm程度とされ、単結晶シリコン層503は、層厚150〜250nm程度とされている。
次に、図5Bに示すように、単結晶シリコン層503の上に酸化シリコン層504を形成し、酸化シリコン層504の上にレジスト層505を形成する。例えば、SiH4およびO2をソースガスとしたよく知られたプラズマCVD法により、酸化シリコン層504が形成できる。また、紫外線感光レジストや電子線感光レジストなどを、回転塗布法などにより塗布することで、レジスト層505が形成できる。
次に、よく知られたフォトリソグラフィ技術によりレジスト層505をパターニングし、図5Cに示すように、酸化シリコン層504の上にレジストパターン551およびレジストパターン552を形成する。例えば、レジスト層505が紫外線感光レジストである場合、紫外線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン551およびレジストパターン552が形成できる。また、レジスト層505が電子線感光レジストである場合、電子線露光装置を用いて所望の形状のパターンの潜像を露光し、この後、現像することでレジストパターン551およびレジストパターン552が形成できる。なお、現像により形成したレジストパターン551およびレジストパターン552は、例えば、500℃程度の加熱処理を施しておく。
次に、レジストパターン551およびレジストパターン552をマスクとして酸化シリコン層504を選択的に除去し、図5Dに示すように、マスクパターン541およびマスクパターン542を形成する。例えば、フッ化炭素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で酸化シリコン層504をエッチングしてレジストパターン551およびレジストパターン552の形状を酸化シリコン層504に転写することで、マスクパターン541およびマスクパターン542を形成すればよい。
次に、レジストパターン551およびレジストパターン552を除去した後、マスクパターン541およびマスクパターン542をマスクとして単結晶シリコン層503を選択的に除去し、図5Eに示すように、シリコンコア531およびシリコンコア532を形成する。例えば、塩素系またはフッ素系のエッチングガスを用いた反応性イオンエッチングにより、高い異方性を備えた状態で単結晶シリコン層503をエッチングし、マスクパターン541およびマスクパターン542の形状を酸化シリコン層504に転写することで、シリコンコア531およびシリコンコア532を形成すればよい。
この後、マスクパターン541およびマスクパターン542を除去することで、図5Fに示すように、埋め込み絶縁層502よりなる下部クラッド層の上に、シリコンコア531およびシリコンコア532が形成された状態が得られる。ここで、シリコンコア532は、上述するように上部に光吸収層としてのゲルマニウム層が形成されて検出器となる部分である。
次に、図5Gに示すように、埋め込み絶縁層502の上に酸化シリコン膜506を形成し、形成した酸化シリコン膜506でシリコンコア531およびシリコンコア532が埋め込まれるようにする。この酸化シリコン膜506の形成は、既に形成されているシリコンコア531およびシリコンコア532が、酸化されることで形状が崩れ、また、屈折率が変化しないような条件で行うことが重要である。例えば、酸化シリコン膜506をCVD法で形成する場合、よく知られた熱酸化がシリコンコア531およびシリコンコア532に生じない範囲の温度で行う。この温度は、前述したように、少なくとも800℃よりも低い温度を条件とし、よりよくは、600℃以下の温度条件とすることが望ましいものと考えられる。
ここで、酸化シリコン膜506は、SiH4およびO2ガスを用いたECRプラズマCVD法により形成することができる。例えば、よく知られたECRプラズマCVD装置を用い、全圧が1Pa程度の条件でSiH4ガスとO2ガスとを2:1程度の割合で導入し、マイクロ波パワー400WでECRプラズマを生成し、酸化シリコン膜506を堆積すればよい。この方法によれば、200℃程度の低温の温度条件で、成膜速度0.15μm/minで、酸化シリコン膜506を形成することができる。また、形成される酸化シリコン膜506は、屈折率が1.46程度となる。なお、本実施の形態においても、前述したように、シリコンコア531およびシリコンコア532の熱酸化が抑制できる範囲の温度条件であれば、他のプラズマCVD法で酸化シリコン膜506を形成してもよい。
上述したように酸化シリコン膜506を形成した後、酸化シリコンの粘性流動が起こり始める950℃以上の高温条件(例えば1050℃)で、酸化シリコン膜506(シリコン基板501)を加熱し、図5Hに示すように、シリコンコア531およびシリコンコア532を覆う上部クラッド層561を形成する。この加熱処理により、シリコンコア531およびシリコンコア532の段差により生じていた酸化シリコン膜506の脆弱な部分の膜質が改善され、この後の工程において損傷が発生しないようになる。
この熱処理では、シリコンコア531およびシリコンコア532は酸化シリコン膜506で覆われているため、高温条件で加熱しても酸化されにくい状態となっている。ただし、上記熱処理を数秒の短時間で行う、もしくは、減圧排気状態や窒素ガス雰囲気など酸素のない雰囲気で行うことで、シリコンコア531およびシリコンコア532の酸化がより抑制できるようになる。また、酸素のない雰囲気で加熱処理を行うことで、上部クラッド層561の屈折率が、この加熱処理により変化することも抑制できるようになる。
次に、図5Iに示すように、光検出部としたいシリコンコア532の上部領域の上部クラッド層561に、開口部561aを形成する。例えば、公知のフォトリソグラフィ技術により、該当部に開口部を有するマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして上部クラッド層561を選択的にエッチング除去することで、開口部561aが形成できる。開口部561aを形成した後に、上記マスクパターンは除去する。
次に、開口部561aの底部に露出したシリコンコア532の上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することで、図5Jに示すように、一部のシリコンコア532の上にゲルマニウム層507を形成する。例えば、GeH4をソースガスとしたCVD法により、基板温度600℃・3時間の条件でゲルマニウムを堆積することで、シリコンコア532の露出している上面に、選択的にゲルマニウムを堆積することができる。
このゲルマニウムの堆積において、CVD法で堆積した酸化シリコン膜の段差により生じる脆弱部は、前述したように、GeH4ガスに晒すことによっても、エッチングされてしまう。この状態について図6を用いて説明する。図6は、Siコアが形成されている下部クラッドの上に、前述同様の低温条件のECRプラズマCVD法により、膜厚0.5μm程度に酸化シリコンからなる上部クラッド(SiO2)を形成し、成膜直後の状態と、上述したゲルマニウムの成膜プロセスを行った後の状態とを走査型電子顕微鏡で観察した結果である。図6において、(a)、成膜したものを、加熱することなくゲルマニウムの成膜によりGeH4ガスに晒した試料であり、(b)は、成膜した後に、1050℃・20分の加熱処理を加えてからゲルマニウムの成膜によりGeH4ガスに晒した試料である。なお、いずれの試料も、ゲルマニウム層を形成する箇所ではなく、光導波路とする部分を観察している。
図6の電子顕微鏡写真からも明らかなように、(a)においては、Siコアの上面縁部における酸化シリコン膜には、Siコアの側部にまで到達する侵食部が形成されていることがわかる。これに対し、(b)においては、Siコアの上面縁部における酸化シリコン膜に、侵食されている部分が発生しておらず、膜質が改善されていることがわかる。なお、平坦部で評価した屈折率および膜厚においては、「加熱あり」の条件においても、他の試料との差は測定されていない。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、低温条件のCVD法で形成した酸化シリコン膜506を1050℃で加熱処理した後に、ゲルマニウム層507を形成するようにしたので、他の領域の光導波路に影響を与えることなく、ゲルマニウム層507を所望の領域のみに成長させることができる。このように、酸化シリコン膜の形成後に熱処理を行うことで、ゲルマニウム検出器との集積プロセスにおいても、シリコンコアよりなる光導波路が損傷を受けることなく、また、導波路損失を増加させることなく、良好な集積でバイスが作製できるようになる。
なお、上述では、CVD法で酸化シリコン膜を堆積して上部クラッド層を形成する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、クラッド層として酸窒化シリコン膜を用いる場合についても同様であることは、当業者であれば容易に理解できるものである。また、コアは、単結晶シリコンに限るものではなく、多結晶シリコン、アモルファスシリコンであってもよいことはいうまでもない。
また、CVD法に限らず、スパッタ法で堆積することで、上部クラッド層を形成する場合についても、本発明が適用可能である。スパッタ法によれば、よく知られているように、シリコンコアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜を形成することができる。ただし、スパッタ法で堆積した膜においても、コアなどの段差のある基板の上に酸化膜を堆積すると、段差の縁の部分より不均一な領域が生じ、形成された酸化膜の内部に応力が発生し、膜質の均一性を損なう現象が発生するものと考えられる。従って、スパッタ法で堆積することで上部クラッド層を形成する場合においても、前述した実施の形態に示したように、形成した膜の粘性流動が起こり始める温度以上の高温条件で加熱することで、後の工程における様々な処理に対し、高い耐性が得られるようになる。
本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態1における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 シリコンコアを備える光導波路の断面形状を示す構成図である。 シリコンコア131の上面縁部より酸化シリコン膜106に形成される脆弱部301の状態を説明する説明図である。 Siコアが形成されている基板の上に形成した膜厚0.5μm程度の酸化シリコン膜の状態を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 本発明の実施の形態2における光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 Siコアが形成されている下部クラッドの上に形成した酸化シリコン膜の状態を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 石英系の平面導波型光回路の光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 石英系の平面導波型光回路の光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 石英系の平面導波型光回路の光導波路の作製方法例を説明する工程図である。 石英系の平面導波型光回路の光導波路の作製方法例を説明する工程図である。
符号の説明
101…シリコン基板、102…埋め込み絶縁層(下部クラッド層)、103…単結晶シリコン層、104…酸化シリコン層、105…レジスト層、106…酸化シリコン膜、131…シリコンコア、141…マスクパターン、151…レジストパターン、161…上部クラッド層。

Claims (4)

  1. 酸化シリコンよりなる下部クラッド層の上にシリコンよりなるコアを形成する第1工程と、
    前記下部クラッド層の上に、前記コアを覆う酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる膜を、前記コアにおける熱酸化が抑制される温度条件の範囲で形成する第2工程と、
    前記膜を粘性流動が起こり始める温度以上に加熱することで前記コアを覆う上部クラッド層を前記下部クラッド層の上に形成する第3工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする光導波路の作製方法。
  2. 請求項1記載の光導波路の作製方法において、
    前記酸化シリコンもしくは酸窒化シリコンよりなる膜は、CVD法で形成する
    ことを特徴とする光導波路の作製方法。
  3. 請求項2記載の光導波路の作製方法において、
    前記CVD法は、ECRプラズマCVD法である
    ことを特徴とする光導波路の作製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の作製方法において、
    前記第3工程では、窒素ガス雰囲気もしくは真空中で行う
    ことを特徴とする光導波路の作製方法。
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