JP2014038183A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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良二 埜口
Takeshi Horikawa
堀川  剛
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Abstract

【課題】アッパークラッド層に空洞が発生することなく、光の伝搬損失を低減可能な光導波路及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光導波路の製造方法は、光導波路コアが形成されたアンダークラッド層の面上にCVD法によりクラッド材を堆積させ、アッパークラッド層を形成するアッパークラッド層形成工程と、異方性のドライエッチングにより前記アッパークラッド層を残層状態のエッチング深さでエッチングし、前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成された前記アッパークラッド層の残層を形成するエッチング工程と、前記CVD法により前記残層上に前記クラッド材を堆積させ、厚みが追加された前記アッパークラッド層を形成するアッパークラッド層追加形成工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2(c)

Description

本発明は、光の伝搬損失を低減可能な光導波路及びその製造方法に関する。
小型化、低電力化、高速化が期待される光集積回路の実現に向けて、光の伝搬損失が少ない光導波路の開発が求められている。前記光導波路は、光の屈折率の大きい材料で形成された光導波路コアの周囲が光の屈折率の低い材料で形成されるクラッド材で覆われた構造を有し、前記光導波路コアに導入される光をコア内に閉じ込めながら、伝搬させることができる部材である。
しかしながら、従来の製造方法で製造される光導波路には、光の伝搬損失が大きいという問題がある。この従来の光導波路の製造方法が有する問題点を、図1(a)〜(d)を参照しつつ説明する。光導波路の製造では、光導波路コア2をクラッド材で覆うため、アンダークラッド層1上に凸状の光導波路コア2が形成された中間構造に、アッパークラッド層形成のためのクラッド材を堆積させる。クラッド材の堆積は、CVD(Chemical Vaper Deposition)法により実施され、中間構造表面に拡散、吸着された反応ガスの化学反応により行われる。中間構造に対してクラッド材の堆積を開始させると(図1(a)参照)、アンダークラッド層1上に一様に堆積される部分と、光導波路コア2の形状の影響を受け湾曲して形成される部分とが同時に形成されていくが、この際、両者の境界に生じた微細なすきまであるスリットSが発生する(図1(b)参照)。このスリットSは、クラッド材の堆積が進むのと同時に成長し続け、クラッド材堆積の終了後においても、クラッド材堆積層としてのアッパークラッド層3中に、その最表面と光導波路コア2とが通じる態様で残存する(図1(c)参照)。その後、適用される光集積回路に適した素子形状を付与するため、薬液処理を行い、余剰のアッパークラッド層3をエッチングする工程が必要となるが、この際、アッパークラッド層3中にスリットSが存在すると、毛細管現象によりスリットS内に薬液が染み込み、その周囲もエッチングされて空洞Cが発生する(図1(d)参照)。
このような空洞の存在は、更なるクラッド層の堆積によっても埋めることができないため、光導波路コア中を伝搬する光を外部に散乱させ、光伝搬損失を増大させる原因として大きな問題となる。
ところで、これまでに光導波路の光導波特性を改善させる方法が種々提案されてきている。
例えば、特許文献1では、クラッドの表面に硬化性を有する液体を塗布し、該液体を硬化させて平坦化した後、クラッドの凹凸の凹面が露出するようにドライエッチングする方法が提案されている。しかしながら、この方法では、コアをクラッドで覆う際にスリットが生じることから、ドライエッチング後の光導波路に対して薬液処理を行うと、空洞が生ずる問題がある。
また、特許文献2では、下クラッド上に第1のコアが形成された状態で、下クラッド及び第1のコアを覆うように第2のコア層を形成し、この第2のコア層のうち、第1のコアの光の伝搬方向に平行となる側面以外に形成された第2のコア層を異方性エッチングで除去して第1のコアの側面に第2のコアを形成した後、第1のコア及び第2のコアを覆うように上クラッドを形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法においても、第1のコア及び第2のコアを覆う上クラッドにスリットが生じることから、ドライエッチング後の光導波路に対して薬液処理を行うと、空洞が生ずる問題がある。
特開2001− 74963号公報 特開2006−208548号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、薬液処理後のアッパークラッド層に空洞が発生することなく、光の伝搬損失を低減可能な光導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> クラッド材で被覆された光導波路コアを有する光導波路の製造方法であって、断面凸状の光導波路コアが形成されたアンダークラッド層の面上にCVD法により前記クラッド材を堆積させ、前記光導波路コアの側面及び上面が被覆されるように前記アンダークラッド層上にアッパークラッド層を形成するアッパークラッド層形成工程と、異方性のドライエッチングにより前記アッパークラッド層を残層状態のエッチング深さでエッチングし、前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有し、周辺の残層より厚膜のサイドウォールが形成された前記アッパークラッド層の残層を形成するエッチング工程と、前記CVD法により前記アッパークラッド層の残層上に前記クラッド材を堆積させ、厚みが追加された前記アッパークラッド層を形成するアッパークラッド層追加形成工程と、を含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
<2> アッパークラッド層形成工程が、光導波路コア上での計測にて該光導波路コアの高さの1.2倍以上の厚みTでアッパークラッド層を形成し、エッチング工程が、前記アッパークラッド層を前記光導波路コア上の計測にて該光導波路コアの高さの0.1倍以上の厚みTまでエッチングし、前記エッチング後の前記厚みTと比較して、水平方向における前記光導波路コアの側面から前記サイドウォールの立ち上がり起点までの距離を2倍以上とするサイドウォールを形成する工程である前記<1>に記載の光導波路の製造方法。
<3> エッチング工程とアッパークラッド層追加形成工程を複数回繰り返して行う前記<1>から<2>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<4> 更に、アッパークラッド層形成工程後、エッチング工程前にアッパークラッド層上に有機SOG剤を塗工する有機SOG剤塗工工程を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<5> エッチング工程が、サイドウォールの立ち上がり角度を断面視で70°以下に調整する工程である前記<1>から<4>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<6> 更に、アッパークラッド層追加形成工程後のアッパークラッド層に対し、光導波路コア上の前記アッパークラッド層が部分的に除去された窓開け部分を形成する窓開け工程を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<7> アンダークラッド層及びアッパークラッド層の屈折率を0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して1.4〜2.5とする前記<1>から<6>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<8> クラッド材がSiOである前記<7>に記載の光導波路の製造方法。
<9> 光導波路コアの屈折率を0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して3〜5とする前記<1>から<8>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<10> 光導波路コアの形成材料がSiである前記<9>に記載の光導波路の製造方法。
<11> 窓開け工程がフッ酸、硫酸過酸化水素混合液、アンモニア過酸化水素水混合液、フッ酸過酸化水素混合液及び塩酸過酸化水素水混合液のいずれかを含む薬液によりアッパークラッド層の一部を溶解除去する工程である前記<6>から<10>のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の光導波路の製造方法により製造される光導波路であって、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層上に配される光導波路コアと、前記光導波路コアの側面及び上面を覆うように前記アンダークラッド層上に配されるアッパークラッド層と、を有し、前記アッパークラッド層が前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成されていることを特徴とする光導波路。
<13> 光導波路コア上のアッパークラッド層が部分的に除去されている前記<12>に記載の光導波路。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、薬液処理後のアッパークラッド層に空洞が発生することなく、光の伝搬損失を低減可能な光導波路及びその製造方法を提供することができる。
図1(a)は、従来の光導波路の製造方法の概要を示す説明図(1)である。 図1(b)は、従来の光導波路の製造方法の概要を示す説明図(2)である。 図1(c)は、従来の光導波路の製造方法の概要を示す説明図(3)である。 図1(d)は、従来の光導波路の製造方法の概要を示す説明図(4)である。 図2(a)は、本発明の光導波路の製造プロセスの概要を示す説明図(1)である。 図2(b)は、本発明の光導波路の製造プロセスの概要を示す説明図(2)である。 図2(c)は、本発明の光導波路の製造プロセスの概要を示す説明図(3)である。 図2(d)は、本発明の光導波路の製造プロセスの概要を示す説明図(4)である。 図3(a)は、エッチング工程時におけるアッパークラッド層の立ち上がり角度を説明する説明図である。 図3(b)は、アッパークラッド層追加形成工程時におけるアッパークラッド層の立ち上がり角度を説明する説明図である。 図4(a)は、比較例1に係る光導波路の断面形状を示す電子顕微鏡像を示す図である。 図4(b)は、薬液処理後の比較例1に係る光導波路の断面形状を示す電子顕微鏡像を示す図である。 図4(c)は、実施例1に係る光導波路の断面形状を示す電子顕微鏡像を示す図である。 図4(d)は、薬液処理後の実施例1に係る光導波路の断面形状を示す電子顕微鏡像を示す図である。 図5は、光伝搬損失特性を示す図である。 図6は、実施例2に係る光導波路の断面構造を示す図である。 図7は、実施例3に係る光導波路の断面構造を示す図である。
(光導波路の製造方法)
クラッド材で被覆された光導波路コアを有する光導波路の製造方法であって、少なくとも、アッパークラッド層形成工程と、エッチング工程と、アッパークラッド層追加形成工程とを有し、必要に応じて、その他の工程を有する。
<アッパークラッド層形成工程>
前記アッパークラッド層形成工程は、断面凸状の光導波路コアが形成されたアンダークラッド層の面上にCVD法により前記クラッド材を堆積させ、前記光導波路コアの側面及び上面が被覆されるように前記アンダークラッド層上にアッパークラッド層を形成する工程である。
前記クラッド材としては、特に制限はなく、従来公知の材料から目的に応じて適宜選択することができるが、前記アンダークラッド層及び前記アッパークラッド層を形成し易く、これらのクラッド層を前記光導波路コアの屈折率より小さな屈折率で形成し易いことから、SiN、SiOが好ましく、中でもSiOが好ましい。
また、前記アッパークラッド層の屈折率としては、前記光導波路コアの屈折率より小さい限り、特に制限はないが、0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して1.4〜2.5であることが好ましい。このような屈折率を有すると、Si又はSiGeをを素子形成材料とする光導波路を作製することができる。
前記CVD法による前記クラッド材の堆積方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法から目的に応じて選択することができる。
例えば、前記アッパークラッド層を形成するクラッド材をSiOとする場合、シランガス、酸素ガスを反応ガスとして用い、これらを化学反応させて、SiOの前記アッパークラッド層を形成することができる。
前記CVDを実施する圧力条件としては、特に制限はないが、0.01Torr〜1.0Torr(1Torrは、約133.322Pa)が好ましい。また、温度条件としては、特に制限はないが、200℃〜450℃が好ましい。これらの条件で前記CVDを実施すると、断面凸状の光導波路コアに対してカバレージの良い成膜を形成することができる。
前記アッパークラッド層の形成に先立ち、前記光導波路コアが形成されたアンダークラッド層を有する構造物を用意する。
前記アンダークラッド層としては、特に制限はなく、従来公知の方法から目的に応じて選択することができ、前記アッパークラッド層と異なる方法で形成してもよいが、前記アッパークラッド層の形成方法と同じ方法で形成されることが好ましい。
即ち、前記CVD法により、前記アッパークラッド層と同じ構造を有する前記アンダークラッド層を基板上に形成することが好ましい。したがって、前記アンダークラッド層の形成材料としては、前記アッパークラッド層と同様にSiOが好ましく、その屈折率としては、前記アッパークラッド層と同様に0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して1.4〜2.5であることが好ましい。前記アンダークラッド層としては、SiNを用いても構わない。
前記アンダークラッド層上に形成される前記光導波路コアの形成方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子線描画法を用いたリソグラフィ技術により形成する方法が挙げられる。
前記光導波路コアの形成材料としては、特に制限はないが、前記光導波路コアを形成し易く、前記クラッド層の屈折率より小さな屈折率で形成し易いことから、SiGe,Siが好ましく、中でもSiが好ましい。前記光導波路コアをSiで形成する場合、前記アンダークラッド層を絶縁層としたSOI(Silicon on Insulator)層から加工形成することができる。
また、前記光導波路コアの屈折率としては、特に制限はないが、0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して3〜5であることが好ましい。このような屈折率を有すると、SiO又はSiNをクラッド材とする光導波路を作製することができる。
なお、前記光導波路コアの形状としては、断面凸状であり、その高さとしては、100nm〜300nm程度である。また、その幅としては、50nm〜20μm程度である。
<エッチング工程>
前記エッチング工程は、異方性のドライエッチングにより前記アッパークラッド層を残層状態のエッチング深さでエッチングし、前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有し、周辺の残層より厚膜のサイドウォールが形成された前記アッパークラッド層の残層を形成する工程である。
前記光導波路の製造方法は、前記アッパークラッド層の形成時に、一旦、前記エッチング工程を行って前記サイドウォールを形成することを技術の核とする。このようなサイドウォールの形成により、その後に追加される前記アッパークラッド層にスリットが生ずることを避けることができる。
前記ドライエッチングの実施方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)型のドライエッチング方法が挙げられる。
前記サイドウォールの立ち上がり角度としては、特に制限はないが、断面視で70°以下であることが好ましい。前記立ち上がり角度が70°を超えると、追加される前記アッパークラッド層にスリットが生ずることがある。なお、前記立ち上がり角度の下限としては、15°程度である。
また、前記エッチング工程の実施に関し、特に制限はないが、前記アッパークラッド層形成工程では、前記光導波路コア上での計測にて該光導波路コアの高さの1.2倍以上の厚みTで前記アッパークラッド層を形成し、前記エッチング工程では、前記アッパークラッド層を前記光導波路コア上の計測にて該光導波路コアの高さの0.1倍以上の厚みTまでエッチングすることが好ましい。このように各工程を実施すると、より確実にスリットの生じない前記アッパークラッド層を形成可能な前記サイドウォールが得られやすい。なお、前記厚みTの上限は、5倍程度であり、前記厚みTの上限は、0.8倍程度である。
また、サイドウォールの水平方向の厚みに関し、前記エッチング後の前記アッパークラッド層の残層厚みTと比較して、水平方向における前記光導波路コアの側面からサイドウォールの立ち上がり起点までの距離を2倍以上とすることが好ましい。なお、前記距離の上限としては、5倍程度である。
<追加アッパークラッド層形成工程>
前記追加アッパークラッド層形成工程は、前記CVD法により前記アッパークラッド層の残層上に前記クラッド材を堆積させ、厚みが追加された前記アッパークラッド層を形成する工程である。
前記CVD法による前記クラッド材の堆積方法としては、前記アッパークラッド層形成工程と同様に行うことができる。
前記追加アッパークラッド層形成工程で追加される厚みとしては、特に制限はなく、前記エッチング工程後の残層の厚みと合わせて最終的に形成される前記アッパークラッド層の総厚みとして、厚い分は3μm程度の厚みであるが、上層金属配線とSiを有するデバイスとの間に電気的、光学性能上の影響を与えない厚みとし、薄い分に関しては特に制限はない。このような総厚みであると、前記光導波路を用いた素子形成プロセスを好適に実施することができる。
前記エッチング工程と前記追加アッパークラッド層形成工程の実施回数としては、それぞれ1回ずつ行えばよいが、各工程の実施条件によっては、複数回繰り返して行ってもよい。前記エッチング工程と前記追加アッパークラッド層形成工程を複数回繰り返して行うこととすれば、最終的に追加されるアッパークラッド層からより確実にスリットを排除することができる。
なお、最終的に得られる前記アッパークラッド層としては、前記追加アッパークラッド層形成工程により、前記エッチング工程において形成された前記サイドウォールの形状が反映されて、前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成される。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、窓開け工程、有機SOG(Spin On Glass)剤塗工工程、前記エッチング工程等に付随して実施されるアッシング、洗浄、乾燥などの工程が挙げられる。
前記窓開け工程は、アッパークラッド層追加形成工程後のアッパークラッド層に対し、光導波路コア上の前記アッパークラッド層が部分的に除去された窓開け部分を形成する窓開け工程である。この窓開け工程は、光導波路コアを形成するSOI層を用いて製造される光デバイスへの電極形成、又は、前記SOI層上に形成される光デバイスの形成領域を形成する目的で実施される。
前記窓開け部分を形成する方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ酸、硫酸過酸化水素混合液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合液(APM)、フッ酸過酸化水素混合液(FPM)及び塩酸過酸化水素水混合液(HPM)のいずれかを含む薬液によりアッパークラッド層の一部を溶解除去する方法が挙げられる。また、前記溶解除去の方法としては、例えば、0.1質量%〜50質量%に希釈された前記薬液中に30秒〜10分間、前記光導波路を浸漬する方法が挙げられる。
−有機SOG剤塗工工程−
前記有機SOG剤塗工工程は、前記アッパークラッド層形成工程後、前記エッチング工程前にアッパークラッド層上に有機SOG剤を塗工する工程である。この塗工工程は、光導波路コアが隣接する場所へ有機SOG剤を埋め込む目的で実施される。
前記有機SOG剤としては、特に制限はなく、従来公知の材料から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、東京応化(株)製OCD−Type7等が挙げられる。
また、前記塗工方法としては、スピンコータ等により塗工する方法などが挙げられる。
<製造プロセス>
以上に説明した前記光導波路の製造方法における製造プロセスの一例を図2(a)〜(d)を用いて説明する。
先ず、断面凸状の光導波路コア12が形成されたアンダークラッド層11の面上にCVD法によりクラッド材を堆積させ、光導波路コア12の側面及び上面が被覆されるようにアンダークラッド層11上にアッパークラッド層13を形成する(アッパークラッド層形成工程;図2(a)参照)。アッパークラッド層13の形成時に、スリットSが生ずることとなる。この際、アッパークラッド層13は、後のエッチング工程におけるサイドウォールの形成を見越して、光導波路コア12上での計測にて該光導波路コア12の高さHの1.2倍以上の厚みTで形成することが好ましい。
次いで、異方性のドライエッチングによりアッパークラッド層13を残層状態のエッチング深さでエッチングし、断面視にて光導波路コアの側面にアンダークラッド層11から光導波路コア12を覆うように立ち上がり光導波路コア12の上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成されたアッパークラッド層13の残層を形成する(エッチング工程;図2(b)参照)。この際、アッパークラッド層13を光導波路コア12上の計測にて該光導波路コア12の高さHの0.1倍以上の厚みTまでエッチングすることが好ましい。また、サイドウォールの水平方向の厚みに関し、アッパークラッド層13の残層厚みTと比較して、光導波路コア12の側面からサイドウォールの立ち上がり起点までの水平方向の距離Dを2倍以上とすることが好ましい。このようなエッチングを行うことで、スリットの発生を回避させるのに好適なサイドウォールが形成される。
なお、厚みの測定は、垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡により撮像して観察することにより行うことができる。
次いで、CVD法によりアッパークラッド層13の残層上にクラッド材を堆積させ、厚みが追加されたアッパークラッド層13’を形成する(アッパークラッド層追加形成工程;図2(c)参照)。この厚みが追加されたアッパークラッド層13’は、エッチング工程により形成されたサイドウォール上に形成されることから、追加された表層側において、スリットSがない構造を有する。これにより光導波路10が製造される。
したがって、その後の薬液処理において、アッパークラッド層13’に薬液が付与されても、スリットSがアッパークラッド層13’の表層側で封じられていることから、薬剤処理による空洞の発生を抑えることができる(図2(d)参照)。
また、技術の核となるサイドウォールに関し、その立ち上がり角度の測定方法を図3(a)、(b)を用いて説明する。なお、図3(a)は、エッチング工程時におけるアッパークラッド層の立ち上がり角度を説明する説明図である。図3(b)は、アッパークラッド層追加形成工程時におけるアッパークラッド層の立ち上がり角度を説明する説明図である。
この図3(a)では、基板30上に、アンダークラッド層21と光導波路コア22がこの順に形成され、これらを覆うようにアッパークラッド層23が形成されている様子が示されている。アッパークラッド層23は、エッチング工程によりエッチングされている。
ここで、立ち上がり角度θは、アンダークラッド層21上のアッパークラッド層23の最表面の位置をAとし、該Aから100nm上方の位置をA’とし、アッパークラッド層23の立ち上がり位置をBとし、A’を通り、A−Bを結ぶ線と平行な線がアッパークラッド層23のサイドウォールと接する位置をB’としたとき、光導波路コア22側に延長されたA−B線と、B−B’線とのなす角とで決定される。このB−B’線は、微小な領域を対象としているため、略直線状の立ち上がりとして観察できる。実際の立ち上がり角度θの観察は、垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡により撮像して観察することにより行うことができる。
このエッチング工程時の立ち上がり角度θとしては、前述の通り、70°以下であることが好ましい。
アッパークラッド層追加形成工程時においても、厚みが追加されたアッパークラッド層23’の立ち上がり角度をA−B線と、B−B’線とのなす角とで決定することができる(図3(b)参照)。
アッパークラッド層追加形成工程時のアッパークラッド層23’は、エッチング工程時のサイドウォールの形状が反映されたサイドウォール形状を有するが、エッチング工程時の立ち上がり角度θを70°以下とし、アッパークラッド層23’の総厚みを光導波路コア22の高さの1.2倍以上としたときのアッパークラッド層追加形成工程時における立ち上がり角度θは、60°以下として観察される。
(光導波路)
本発明の光導波路は、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層上に配される光導波路コアと、前記光導波路コアの側面及び上面を覆うように前記アンダークラッド層上に配されるアッパークラッド層と、を有し、前記アッパークラッド層が前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成されていることを特徴とする。
この光導波路は、本発明の前記光導波路の製造方法により製造することができ、この他の特徴については、本発明の前記光導波路の製造方法において説明した特徴を有する。
(比較例1)
基板として、アンダークラッド層となる埋め込み酸化膜層(SiO層)の厚みが3μm、SOI層の厚みが0.22μmのSOIウエハを用意した。
このSOIウエハ上に、レジスト湿布・現像装置を用いて、レジスト剤を湿布してレジスト層を形成した。
次いで、レジスト層に対して、電子線描画装置を用いて露光した。この際、露光の線幅が440nmとなるように調整して露光した。露光後、現像液により、レジスト層を現像して基板上に線幅が440nmのレジストパターンを形成した。
次いで、レジストパターンに対して、ICPプラズマエッチング装置を用いてドライエッチングを行い、基板上に線状に配される線幅が440nmの凸状光導波路コアを形成した。
次いで、RFプラズマアッシング装置を用いてアッシングを行い、レジスト残渣を剥離させた。アッシング処理後の基板を硫酸過酸化水素混合液(HSO:H=4:1)と水による洗浄を行い、乾燥させた。
次いで、光導波路コアが形成された基板に対し、CVD装置を用いて、光導波路コアを覆うようにSiOのアッパークラッド層を堆積させた。CVDによるアッパークラッド層の堆積は、反応ガスとしてのSiH及びOを反応容器内にそれぞれ50sccm,100sccmで導入し、0.05Torrの減圧条件、420℃の温度条件下で行った。また、アッパークラッド層の厚みは、500nmとした。
以上により、比較例1に係る光導波路を製造した。
(実施例1)
比較例1に係る光導波路に対し、以下の工程を実施することにより、実施例1に係る光導波路を製造した。この実施例1に係る光導波路は、図3(b)に示す構造を有する。
先ず、ICPプラズマエッチング装置を用いて、異方性のドライエッチングを行い、アッパークラッド層を残層状態のエッチング深さでエッチングした(エッチング工程)。この際、アッパークラッド層の残層には、光導波路コアの側面に基板から光導波路コアを覆うように立ち上がり、光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有し、周辺の残膜より厚膜のサイドウォールが形成される。ドライエッチングは、反応容器内の圧力条件を1.0Paとし、エッチングガスとしてのCHF、CF及びArを、それぞれ40sccm、20sccm、50sccmの流量で導入し、エッチング装置のソース電源を400Wattとし、バイアス電極に10Wattの電力を供給する条件で行った。また、エッチング深さは、400nmとし、アッパークラッド層の残層の厚みを100nmとした。なお、同様の実験を繰り返し、エッチング後の構造物を垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡により撮像して観察したところ、サイドウォールの立ち上がり角度θ(図3(a)参照)は、63°〜64°であった。
次いで、RFプラズマアッシング装置を用いてアッシングを行い、エッチング残渣を剥離させた。アッシングは、反応容器内の圧力条件を800mTorrとし、アッシングガスとしてのOを800sccmの流量で導入し、200Wattの電力を供給する条件で5分間行った。アッシング処理後の基板を硫酸過酸化水素混合液(HSO:H=4:1)と水による洗浄を行い、乾燥させた。
次いで、アッパークラッド層の残層に対し、CVD装置を用いて、SiOのアッパークラッド層を追加堆積させた(アッパークラッド層追加形成工程)。CVDによるアッパークラッド層の追加堆積は、反応ガスとしてのSiH及びOを反応容器内にそれぞれ50sccm,100sccmで導入し、0.05Torrの減圧条件、420℃の温度条件下で行った。また、追加堆積後のアッパークラッド層の厚みを400nmとした。
以上により、実施例1に係る光導波路を製造した。なお、同様の実験を繰り返し、これら実施例1に係る光導波路を垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡により撮像して観察したところ、サイドウォールの立ち上がり角度θ(図3(b)参照)は、53°〜55°であった。
(測定結果及び評価)
比較例1に係る光導波路を垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡によりX−SEM像を撮像して観察した。比較例1に係る光導波路の電子顕微鏡像を図4(a)に示す。
この比較例1に係る光導波路に対して、1質量%DHF(希フッ酸)に5分間浸漬させ、その後、水で洗浄し、乾燥させた(薬液処理)。
薬液処理後の断面形状を再度電子顕微鏡により撮像して観察した。薬液処理後の比較例1に係る光導波路の電子顕微鏡像を図4(b)に示す。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、比較例1に係る光導波路では、薬液処理後に空洞の発生が確認される。この空洞は、比較例1に係る光導波路におけるアッパークラッド層形成時にスリットが生じ、薬液が毛細管現象により、スリット内に侵入して発生したものと推察される。
同様に、実施例1に係る光導波路を垂直にへき開した断面形状を電子顕微鏡により撮像して観察した。実施例1に係る光導波路の電子顕微鏡像を図4(c)に示す。
この実施例1に係る光導波路に対して、1質量%DHF(希フッ酸)に5分間浸漬させ、その後、水で洗浄し、乾燥させた(薬液処理)。
薬液処理後の断面形状を再度電子顕微鏡により撮像して観察した。薬液処理後の実施例1に係る光導波路の電子顕微鏡像を図4(d)に示す。
図4(c)及び図4(d)に示されるように、実施例1に係る光導波路では、薬液処理後において、空洞の存在が確認されなかった。これは、実施例1に係る光導波路におけるアッパークラッド層形成時に一旦ドライエッチングすることで表面形状が湾曲したサイドウォールが形成されたことに伴い、その後、このサイドウォール上に追加されるアッパークラッド層において、スリットが生じなかったものと推察される。図5に光伝搬損失の結果を示す。該図5から明らかなように、比較例1の伝搬損失に対して実施例1の伝搬損失が光導波路の線幅に依存せず低く改善している。なお、この測定は、垂直にへき開した受光側光導波路コアに1.5μm波長スーパールミネッセンスダイオード光源からビーム径を調整するためスポットサイズコンバーターを介して光を導入後、導波路出力側から出てきた光を、スポットサイズコンバーターを介して受光側ファイバーに結合させて光量を測定する。長さの異なる導波路を測定し、其々の長さに対する伝搬率をプロットし、その傾きから光伝搬損失を求めることで行った。
なお、この測定は、実施例1及び比較例1に準じて製造を行い、ただし、光導波路線幅をおよそ440nm〜480nmの範囲で変更した光導波路に対して行った。
(実施例2)
実施例2に係る光導波路の断面構造を図6に示す。本実施例は、実施例1(図3(b)参照)で示した光導波路構造のアッパークラッド層23’と同様にパターニングを施して、SOI(Silicon on Insulator)層からなる導波路コア22上に開口部31を形成し、光デバイス形成領域を設けることを特徴としている。以下に、本実施例における光導波路の製造方法を示す。
実施例1で示した製造方法にて光導波路を形成後、レジストを用いてSiOからなるアッパークラッド層23’’にパターニングを施した後、ドライエッチングによって前記アッパークラッド層23’’を一部エッチングする。前記パターニングは、SOI層上に受光素子形成領域が開口するように行う。また、前記ドライエッチングは、SiOが一定の厚さだけ残るように時間調整を行い、アッパークラッド層23’’の途中でエッチングを止めることとする。ドライエッチングのみで開口すると、SOI層上にエッチングダメージが発生し、受光素子等のデバイス形成時にデバイス特性が劣化する。前記エッチング時に残存させるアッパークラッド層23’’の膜厚は、時間調整によって制御可能な範囲で極力薄くする。本実施例では、SOI層上のアッパークラッド層の膜厚に対して10%の厚みを有するSiOが開口領域31上に残るように時間調整を行った。例えば、アッパークラッド層23’’の膜厚が1μmの場合は、残存SiOの膜厚を100nmとし、アッパークラッド層23’’の膜厚が200nmの場合は残存SiOの膜厚を20nmとした。ドライエッチング後にレジストを除去し、希釈フッ酸(HF)等を用いて、残存したSiOをウェットエッチングにより除去して開口部31を形成した。前記開口部31は、ウェットエッチングによって開口しているため、ドライエッチングのみで開口する場合に比べてSOI層のオーバーエッチング量が極めて少なく、前記開口部31の内部と外部において、SOI層22の膜厚は等しくなり、デバイスに入射した光が反射する等の不具合は発生し難い。また、エッチングダメージの無いSOI表面を得ることができ、例えば、前記開口後に、シリコンゲルマニウム(SiGe)層をエピタキシャル成長して受光素子を形成する際、ドライエッチングのみで開口する場合に比べてSiGe層の結晶性を向上することが可能になる。また、本実施例は、実施例1で述べた手法を用いているため、ウェットエッチングによって開口部31を形成しても、導波路コア側壁近傍に空洞が発生しないという利点を有している。
(実施例3)
実施例3に係る光導波路の断面構造を図7に示す。本実施例は、実施例2で示した光導波路上の開口部内にSiGeからなる受光層32を形成し、受光素子を製造することを特徴とするものである。以下に、本実施例における光導波路の製造方法を示す。
光導波路コア22’を加工後、レジストを用いたパターニングを施した後、受光素子領域にp型又はn型のイオン注入を行い、イオン注入領域を形成する。前記イオン注入は、p型の場合はボロン(B)、n型の場合は燐(P)を用いると良い。前記イオン注入後に、実施例1で示した製造方法にて、アッパークラッド層23’’’を形成する。次いで、実施例2で示した製造方法にて開口部31(図6参照)を形成し、前記開口部31上にCVD(Chemical Vapor Deposition)により、SiGe層(受光層)32のエピタキシャル成長を行った。前記エピタキシャル成長は、CVD装置のチャンバに装置を導入後、水素雰囲気下で約700〜900℃のクリーニングを行って表面上に付着した酸素等を除去した後に行った。原料ガスは、モノシラン(SiH)又はジシラン(Si)とモノゲルマン(GeH)を用いた。本エピタキシャル成長は、SiGe層が開口部31内のSOI層上のみに形成する、所謂選択成長する条件で行っている。成長圧力と成長温度は、前記選択成長を行う条件に調整しており、SiGe層32中のGeの組成に応じて1Torr〜100Torr、500℃〜700℃の範囲で行った。Geの組成は、受光する光の波長に応じて調整した。本実施例では、1.3μm〜1.55μmまでの長波長帯での良好な受光感度を実現するため、Ge組成が80%〜100%の高い領域において成膜を行った。SOI層上のSiOをウェットエッチングによって最終的に除去したため、エッチングダメージの少ないSOI表面を開口することができ、SiGe層32の結晶性は極めて良好であることを確認した(欠陥密度<2×10cm−2)。SiGe層32のエピタキシャル成長後に、SiOからなる第2のアッパークラッド層33を形成し、金属電極領域34を形成する。前記第2のアッパークラッド層33の膜厚は、光導波路コア22’を伝播する光が金属電極により吸収されない程度の厚さに設定する。本実施例では、前記第2のアッパークラッド層33の膜厚を約1μmとした。前記金属電極領域34は、レジストを用いて前記第2のアッパークラッド層33にパターニングを行った後、ドライエッチングで開口する。前記開口は、実施例2で述べたようにドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせにて行うことも可能である。この場合、ドライエッチングのみで開口する場合に比べてSOI層のオーバーエッチング量を少なくすることができ、金属電極領域34下部におけるイオン注入領域の抵抗を小さくすることが可能である。金属電極35は、例えば窒化チタン(TiN)上にアルミニウム(Al)を積層させた構造をスパッタリング又はCVD法にて成膜する。本実施例ではTiNとAlの膜厚をそれぞれ20nm、300nmとした。最後に金属電極35をパターニングして、図7に示す構造を得る。本実施例では、実施例1で述べた手法による光導波路の形成を行ったため、SiGe層32形成領域の開口をウェットエッチングにて行うことが可能になり、良好なSiGe結晶と、それに起因した良好な受光感度を得ることができる。
以上のように、本発明の光導波路は、薬液処理を行っても空洞の発生を抑えることができ、光伝搬損失を低減させることができることから、薬液処理の形成プロセスを有する光集積回路の製造分野等において、広く用いることができる。
1,11, 21 アンダークラッド層
2,12,22,22’ 光導波路コア
3,13,13’,23,23’,23’’,23’’’ アッパークラッド層
10,10’ 光導波路
30 基板
31 開口部
32 受光層(SiGe層)
33 第2のアッパークラッド層
34 金属電極領域
35 金属電極
S スリット
C 空洞
H 光導波路コアの高さ
,T アッパークラッド層の厚み
D 距離
θ,θ 立ち上がり角度

Claims (13)

  1. クラッド材で被覆された光導波路コアを有する光導波路の製造方法であって、
    断面凸状の光導波路コアが形成されたアンダークラッド層の面上にCVD法により前記クラッド材を堆積させ、前記光導波路コアの側面及び上面が被覆されるように前記アンダークラッド層上にアッパークラッド層を形成するアッパークラッド層形成工程と、
    異方性のドライエッチングにより前記アッパークラッド層を残層状態のエッチング深さでエッチングし、前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有し、周辺の残層より厚膜のサイドウォールが形成された前記アッパークラッド層の残層を形成するエッチング工程と、
    前記CVD法により前記アッパークラッド層の残層上に前記クラッド材を堆積させ、厚みが追加された前記アッパークラッド層を形成するアッパークラッド層追加形成工程と、
    を含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. アッパークラッド層形成工程が、光導波路コア上での計測にて該光導波路コアの高さの1.2倍以上の厚みTでアッパークラッド層を形成し、エッチング工程が、前記アッパークラッド層を前記光導波路コア上の計測にて該光導波路コアの高さの0.1倍以上の厚みTまでエッチングし、前記エッチング後の前記厚みTと比較して、水平方向における前記光導波路コアの側面から前記サイドウォールの立ち上がり起点までの距離を2倍以上とするサイドウォールを形成する工程である請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. エッチング工程とアッパークラッド層追加形成工程を複数回繰り返して行う請求項1から2のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  4. 更に、アッパークラッド層形成工程後、エッチング工程前にアッパークラッド層上に有機SOG剤を塗工する有機SOG剤塗工工程を含む請求項1から3のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  5. エッチング工程が、サイドウォールの立ち上がり角度を断面視で70°以下に調整する工程である請求項1から4のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  6. 更に、アッパークラッド層追加形成工程後のアッパークラッド層に対し、光導波路コア上の前記アッパークラッド層が部分的に除去された窓開け部分を形成する窓開け工程を含む請求項1から5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  7. アンダークラッド層及びアッパークラッド層の屈折率を0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して1.4〜2.5とする請求項1から6のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  8. クラッド材がSiOである請求項7に記載の光導波路の製造方法。
  9. 光導波路コアの屈折率を0.8μm〜1.6μmの波長帯の光に対して3〜5とする請求項1から8のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  10. 光導波路コアの形成材料がSiである請求項9に記載の光導波路の製造方法。
  11. 窓開け工程が、フッ酸、硫酸過酸化水素混合液、アンモニア過酸化水素水混合液、フッ酸過酸化水素混合液及び塩酸過酸化水素水混合液のいずれかを含む薬液によりアッパークラッド層の一部を溶解除去する工程である請求項6から10のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の光導波路の製造方法により製造される光導波路であって、アンダークラッド層と、前記アンダークラッド層上に配される光導波路コアと、前記光導波路コアの側面及び上面を覆うように前記アンダークラッド層上に配されるアッパークラッド層と、を有し、前記アッパークラッド層が前記光導波路コアの側面に前記アンダークラッド層から前記光導波路コアを覆うように立ち上がり前記光導波路コアの上面に向けて弧状に湾曲する湾曲面を有するサイドウォールが形成されていることを特徴とする光導波路。
  13. 光導波路コア上のアッパークラッド層が部分的に除去されている請求項12に記載の光導波路。
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