以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される基端側に対して先端側が前方へ屈曲した接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、本体ケース25を備え、この本体ケース25の内部には、図示しない隔壁が設けられている。そして、この隔壁の後側には、電動送風機27を収容する図示しない電動送風機室、および、電源コード31を出し入れ可能に巻回した図示しないコードリールを収容するコードリール室がそれぞれ区画されているとともに、隔壁の前側には、電動送風機27の吸込側に連通する本体集塵室35が区画され、この本体集塵室35に、集塵袋である紙パック、あるいはサイクロン分離装置などの集塵装置である集塵カップなどの集塵部が着脱可能に配置されている。また、隔壁には、本体集塵室35と電動送風機室とを連通する図示しない通気孔が形成されている。
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成され、上側が開口した下ケース37と、この下ケース37の上側後部である電動送風機室およびコードリール室を覆う上ケース38と、この上ケース38あるいは下ケース37に対して上下方向に回動可能に軸支され本体集塵室35を開閉可能とする本体蓋39とを備えている。そして、下ケース37の両側方には、掃除機本体13の走行用の大径の走行輪41(一方のみ図示)が回転自在に軸支されている。
上ケース38は、後部に、電動送風機室の下流側に連通する図示しない排気孔と、電源コード31を本体ケース25の外部に導出するための図示しないコード導出口とがそれぞれ開口形成されている。
本体蓋39は、後端側が回動可能に軸支されている。また、この本体蓋39には、接続管部15が接続される本体吸込口43が形成されている。したがって、この本体吸込口43は、本体ケース25の前部に位置している。
そして、電動送風機27は、図3に示すように、モータ45と、このモータ45に接続されて回転される遠心ファン46と、これらモータ45と遠心ファン46との間に位置する整流板であるディフューザ47と、遠心ファン46およびディフューザ47の一部を覆う略円筒状のファンカバー48とを備えており、掃除機本体13の本体ケース25内に収容された図示しない制御手段により動作が制御される。なお、以下、便宜的に、モータ45側を下側、遠心ファン46側(ファンカバー48側)を上側として説明する。
モータ45は、本体部であるモータ本体部51と、このモータ本体部51を保持する胴体ケースとしてのフレーム52と、このフレーム52に取り付けられた一対のブラシ装置53とを有している。
モータ本体部51は、平面視で枠状の固定子55の内方に、回転子56が配置されて構成されている。
固定子55は、ステータ、あるいはフィールドとも呼ばれるもので、固定子本体としての平面視四角形状のフィールドコア61と、このフィールドコア61の所定位置に巻回された界磁巻線62とを有し、フレーム52とディフューザ47との間に配設されている。
フィールドコア61は、鉄板を多数積層して形成され、中心部に、回転子56が挿入される開口部64が開口されている。この開口部64は、内周側が回転子56の外周面に所定の間隙を介して対向している。
界磁巻線62は、フィールドコア61の開口部64の周囲に固定極であるN極およびS極を形成するものである。
また、回転子56は、ロータ、あるいは電機子すなわちアーマチュアとも呼ばれるもので、回転中心となる出力軸である回転軸66と、この回転軸66と一体に設けられた整流子67および回転子本体としてのアーマチュアコア68とを一体的に有している。
回転軸66は、軸方向の一端部である上端部が、ディフューザ47に挿通され、この上端部に遠心ファン46が接続されている。また、この回転軸66は、両端側がベアリング71,72によりそれぞれ回転自在に保持されている。
整流子67は、ブラシ装置53と摺接する複数の整流子片75を外周に備えており、回転軸66の下端側に位置している。
アーマチュアコア68は、例えば複数の鉄板を積層して形成された鉄心部77と、この鉄心部77の両端部を挟む絶縁体78とを有し、整流子67よりも上方に位置して固定子55の内周側に配置されている。また、このアーマチュアコア68の周囲には、リード線が巻回されており、コイルであるアーマチュアコイル79が構成されている。
アーマチュアコイル79は、固定子55の界磁巻線62により形成される固定極に対して磁気的に吸引あるいは反発される回転極であるN極あるいはS極を形成するもので、多数のリード線を巻回して形成され、各リード線の端部が、それぞれ整流子67の各整流子片75に電気的に接続されている。
また、フレーム52は、略有底円筒状の第1フレーム81とこの第1フレーム81の上端部に径方向に沿って配置された第2フレーム82とを有している。
第1フレーム81は、例えば金属、あるいは合成樹脂などにより形成され、内部にフィールドコア61を保持している。また、この第1フレーム81の上端部には、外側へとフランジ状に屈曲されたフランジ部84が形成されている。さらに、この第1フレーム81の下端部には、ベアリング71を保持するモータヘッド部85が凹設されている。そして、この第1フレーム81には、各ブラシ装置53が取り付けられるブラシ取付孔86が互いに対向する位置に開口形成されているとともに、これらブラシ取付孔86の間の位置に、複数の排気口87が開口形成されている。
第2フレーム82は、例えば金属、あるいは合成樹脂などにより形成され、両端部がねじ89を介して第1フレーム81の上端側のフランジ部84に固定されている。また、この第2フレーム82の中心部には、ベアリング72を内側に保持するベアリング保持部91が上側へと突出するように形成されており、このベアリング保持部91の外側が、ディフューザ47を固定する部分となっている。
各ブラシ装置53は、長手状のカーボンブラシ93と、このカーボンブラシ93の長手方向の一端側を保持するブラシ保持器94と、このブラシ保持器94に収容されカーボンブラシ93を長手方向の他端側へと付勢する付勢部材としてのばね95と、ブラシ保持器94に設けられカーボンブラシ93、家庭用商用交流電源、あるいは電池などの図示しない電源部、および、界磁巻線62側に電気的に接続された端子96とをそれぞれ有している。そして、ブラシ保持器94とともにカーボンブラシ93が第1フレーム81のブラシ取付孔86にねじ97を介して取り付けられ、カーボンブラシ93の長手方向の他端側がばね95の付勢により整流子片75に弾性的に摺接して電気的に接続されている。
遠心ファン46は、回転軸66と一体的に回転するもので、この回転により生じる空気との摩擦により発生する熱に対する耐熱性を有するように、例えばアルミニウムなどの金属によって形成されている。また、遠心ファン46は、円板状に設けられた第1プレートとしての第1シュラウドである下部ファンプレート105、この下部ファンプレート105に対して所定の間隙を介して略平行に対向し吸込口106を備えた円板状の第2プレートとしての第2シュラウドである上部ファンプレート107、および、これらファンプレート105,107の間に一体に設けられた平面視で渦巻状のブレードとしての複数のファン翼108を備えている。
下部ファンプレート105は、中心部に孔部113が開口形成されており、この孔部113に回転軸66が挿通されている。そして、この下部ファンプレート105は、中心側がファンワッシャ115,116により挟持され、これらファンワッシャ115,116および孔部113に挿通された回転軸66の先端に固定手段であるナット117が取り付けられることにより、回転軸66と一体的に接続されている。
上部ファンプレート107は、吸込口106の周囲へと上方に向けて湾曲状に湾曲されている。
各ファン翼108は、それぞれ遠心ファン46の中心側である一端側から外周側である他端側へと、遠心ファン46の回転方向に対して後側へと円弧状に湾曲して形成されており、互いに遠心ファン46の周方向に均等に配置されている。
ディフューザ47は、遠心ファン46から外周側へと吹き出された空気を整流してモータ45側へと導くもので、モータ45と遠心ファン46との間に位置している。このディフューザ47は、図1および図2に示すように、平面視で略円形板状の整流板本体としてのディフューザ本体121と、このディフューザ本体121の一主面である上面から上方へと突出した複数、例えば13枚の静翼(整流ブレード)としての第1静翼(第1整流ブレード)である上流側ブレード122と、ディフューザ本体121の他主面である下面から下方へと突出した複数、例えば16枚の第2静翼(第2整流ブレード)である下流側ブレード123とを一体に有している。そして、このディフューザ47は、ファンカバー48の内径よりも小さい外径を有している。換言すれば、このディフューザ47は、ファンカバー48に対して内周側に離間されている。このため、ディフューザ47の外方には、図3に示すように、ファンカバー48との間に、共通風路125が区画されている。
図1および図2に示すように、ディフューザ本体121は、例えば補強材としてのガラス繊維を混入したナイロンなどの合成樹脂により成形されている。そして、このディフューザ本体121は、遠心ファン46(図3)が嵌合する平面視で円形状の嵌合凹部127が形成されている。したがって、このディフューザ本体121の嵌合凹部127の周囲である外周縁の上面には、各上流側ブレード122が形成される平面視で円環状の段部128が形成されている。また、嵌合凹部127の略中心域には、下側へと窪んだ凹部131が形成されている。また、この凹部131の略中心部には、第2フレーム82のベアリング保持部91が下側から挿入される保持孔部132が開口形成されている。また、凹部131の保持孔部132の両側には、ディフューザ47を第2フレーム82に固定するためのねじ133が上側から挿入されるねじ孔134(一方のみ図示)が穿設されている。
各上流側ブレード122は、段部128の内縁部から外縁部に亘って連続的に形成されており、上流端側が、段部128の内縁部に位置した金属部135であり、この金属部135を除く下流側の部分が、段部128の外縁部まで連続する樹脂部136となっている。そして、各上流側ブレード122は、上流端部から下流端部へと、段部128の平面視での接線方向に対して図2に示す時計回り方向に円弧状に湾曲して形成されている。また、各上流側ブレード122は、ディフューザ47の周方向に互いに略均等に離間されて配置されている。すなわち、上流側ブレード122は、全体として、図2に示す時計回り方向への渦巻状に配置されている。さらに、各上流側ブレード122は、上端部がファンカバー48に対して気密に密着している。このため、互いに隣り合う上流側ブレード122,122間には、ファンカバー48との間に、遠心ファン46から吹き出された空気を外周側へと整流する風路としての第1風路である上流側風路137がそれぞれ区画されている。
金属部135は、例えばアルミニウム、あるいは鉄などの、ディフューザ本体121を構成する合成樹脂よりも剛性が大きい金属によって予めディフューザ本体121とは別体(別パーツ)に形成されており、ディフューザ47を成形する際に、インサート成形、あるいはアウトサート成形によってディフューザ本体121と一体的となっている。すなわち、金属部135は、下端部135aがディフューザ本体121の段部128に対して埋め込まれて配置されている。また、この金属部135の先端側、すなわち上流端135bは、鋭角状に尖って楔状に形成されており、この上流端135bから下流側へと徐々に厚みが大きくなるように形成され、最も厚みが大きい下流側の部分で樹脂部136に対して隙間なく密着している。したがって、この金属部135の少なくとも上流側の部分は、樹脂部136よりも厚みが薄く(薄肉状に)形成されており、例えば1mm未満の厚みを有している。また、この金属部135の下流側の樹脂部136と密着する部分は、上下方向に沿って平面状の金属部密着面135cとなっている。さらに、この金属部135は、上流側ブレード122の上流側の一部、例えば上流側ブレード122の長手方向の中間位置よりも上流側風路137の上流側の部分をなしている。
樹脂部136は、ディフューザ本体121と一体に成形されており、上流端が、金属部135の金属部密着面135cと密着される樹脂部密着面136aとなっている。また、この樹脂部136は、樹脂部密着面136aから下流側へと徐々に厚みが増加し、所定位置から厚みが略一定の樹脂部本体136bが長尺状に形成され、かつ、この樹脂部本体136bの下流側の端部が、下流側へと徐々に厚みが薄くなるように外周側が内周側へと下流端部136cとなっている。
ここで、金属部135と樹脂部136とは、内周側の側面135d,136dが互いに面一となっているとともに、外周側の側面135e,136eが互いに面一となっている。また、これら金属部135と樹脂部136とは、上面135f,136fが互いに面一となっており、これら上面135f,136fは、ファンカバー48に対して密着されている。
上流側風路137は、上流側から下流側へと徐々に拡開されるように形成されており、全ての上流側風路137の下流側が共通風路125に連通している。
また、下流側ブレード123は、ディフューザ本体121の他主面の外縁部から中心側へと連続して形成されている。すなわち、各下流側ブレード123の上流端部は、ディフューザ本体121の外縁部に位置し、各下流側ブレード123の下流側端部は、ディフューザ本体121の中心側に位置して、上流端部から下流端部へと、平面視で上流側ブレード122に対して交差するように図2に示す時計回り方向に円弧状に湾曲して形成されている。また、各下流側ブレード123は、ディフューザ47の周方向に互いに略均等に離間されて配置されている。このため、互いに隣り合う下流側ブレード123,123間には、各上流側風路137からディフューザ47の外周側へと吹き出されたら空気を内周側(モータ45側)へと整流する第2風路である下流側風路138がそれぞれ区画されている。
下流側風路138は、上流側から下流側へと略風路断面積が一定となるように形成されており、全ての下流側風路138の上流側が共通風路125に連通している。また、これら下流側風路138の下流側は、第1フレーム81の内部に連通している。
そして、ファンカバー48は、例えばアルミニウムなどの金属によりプレス成形されており、モータ45のフレーム52の第1フレーム81のフランジ部84の外周縁部に圧入嵌合される円筒状のファンカバー本体141と、このファンカバー本体141の軸方向の一端である上端側に連続する端面部としての縮径部142とを一体に有している。
ファンカバー本体141は、ファンカバー48をフレーム52に対して取り付けた状態でディフューザ47の外周側に対向する部分であり、内周面が共通風路125を区画している。
縮径部142は、外周側から内周側へと、密着部としての額縁部147および吸気口区画部としての傾斜部148が連続して配置され、この傾斜部148の中央部に、丸孔状の吸気口149が開口形成されている。
額縁部147は、ディフューザ47の各上流側ブレード122の上端部である上面135f,136fが下面に密着される平面視で円環状の部分であり、中心軸方向に対して略直交する方向に沿って平面状に形成されている。また、この額縁部147は、上面が隔壁の後部にモータクッションなどのシール体を介して気密に保持されている。このため、吸気口149が、隔壁の通気孔に気密に接続される。
傾斜部148は、外周縁部が額縁部147に対して上方に段差状に突出した段差部151となっており、この段差部151から中心側、すなわち吸気口149側に向けて徐々に上方へと突出するように傾斜し、かつ、吸気口149の外縁部で上方へと軸方向に沿って突出するように形成されている。ここで、この傾斜部148の段差部151は、ディフューザ47の嵌合凹部の位置に対応しており、遠心ファン46の外周縁部に対して若干外方へと離間されている。また、この傾斜部148の吸気口149の下側には、シール部材153が取り付けられており、このシール部材153が、遠心ファン46の吸込口106の外縁部に圧接されている。このため、吸気口149は、遠心ファン46の吸込口106に対して気密に接続されている。
次に、上記第1の実施の形態の掃除動作を説明する。
作業者が把持部21を把持して所定の設定ボタン22を操作すると、制御手段が電動送風機27を設定ボタン22で設定した動作モードで駆動させる。
このとき、電動送風機27において、固定子55では、電源部から供給され制御手段によって位相角制御された電源により、界磁巻線62およびフィールドコア61を介して、N極およびS極の固定極が開口部64に臨んで周方向に交互に形成される。
回転子56では、電源部から供給された電源がカーボンブラシ93を介して整流子67へと供給されることで、この整流子67の各整流子片75と接続されたアーマチュアコイル79にそれぞれN極、あるいはS極の回転極が発生する。
この結果、固定子55側の固定極に対して回転子56側の回転極が磁気的に吸引・反発することで、開口部64内で回転子56が周方向に回動する。
そして、回転子56の回転に伴い、カーボンブラシ93に接触する整流子67の整流子片75が変化することにより、アーマチュアコイル79に形成される回転極の極性が切り換わることで、固定子55側の固定極との磁気的な吸引・反発がさらに継続されて、回転子56がさらに回動する。
これら動作を繰り返すことで、回転子56が周方向に継続して回転する。
この回転子56の回転に伴い、回転軸66に接続された遠心ファン46が回転し、ファンカバー48の吸気口149から吸込口106を介して空気をファンプレート105,107間に吸い込み、この吸い込んだ空気を、遠心ファン46の外周側へと吹き出す。
この遠心ファン46から吹き出された空気は、ディフューザ47の各上流側ブレード122の金属部135の上流端135bによりそれぞれ各上流側風路137へと整流され、これら上流側風路137によってディフューザ47の外周方向へと渦巻状に整流された後、共通風路125に流入し、ディフューザ47の外周側から、下流側ブレード123,123間の各下流側風路138へと流入し、さらにこれら下流側風路138によってディフューザ47の中心側へと渦巻状に整流され、第2フレーム82の両側などから第1フレーム81内へと吸い込まれる。すなわち、遠心ファン46の外周側に吹き出された空気は、各上流側風路137、共通風路125および各下流側風路138を介して、螺旋状に整流される。
そして、この空気は、モータ45を冷却しつつ排気口87からフレーム52の外部である電動送風機室に吹き出された後、排気孔を介して本体ケース25の外部へと吹き出される。この結果、電動送風機27の吸込側に負圧が発生する。
この負圧の作用により、床ブラシ19の先端側から床面上の塵埃を空気とともに吸い込むと、この吸い込まれた空気は吸込風となり、塵埃とともに床ブラシ19から延長管18、ホース体16および本体吸込口43を経由して、集塵部へと吸い込まれ、この集塵部で塵埃が捕集される。
掃除が終了すると、作業者が所定の設定ボタン22を操作することで、制御手段が電動送風機27の駆動を停止させる。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、各上流側ブレード122の上流側風路137の上流側の端部をその他の一部より薄い金属により形成した金属部135とし、各上流側ブレード122の金属部135以外の部分を合成樹脂により形成した樹脂部136とすることにより、各上流側ブレード122の上流端の厚みを薄くして(断面積を小さくして)各上流側ブレード122による空気抵抗を抑制でき、送風効率を向上できる。
特に、ディフューザ47のディフューザ本体121および各上流側ブレード122の樹脂部136などは、強度を向上するためにガラス繊維を混入したナイロンなどにより形成されていることにより、成形流動性が比較的低く、成形性が良好でないので、各上流側ブレード122の厚みは、ショートモールドなどが生じないように、所定以上薄くすることが容易でない。このため、各上流側ブレード122中の最も厚みを薄くしたい上流端側を金属で形成することによって、合成樹脂によって成形可能な厚みよりも薄く形成できるとともに、樹脂部136は必要以上に薄くしないで済むため、ガラス繊維を混入したナイロンなどでも、容易に成形できる。
また、金属部135は、先端である上流端135bが鋭角状に形成されているため、この金属部135での空気抵抗を低減でき、送風効率をより向上できる。
さらに、各上流側ブレード122は、必要最小限の上流端側のみを金属部135とすることにより、例えば各上流側ブレード全体を金属によって形成する場合と比較して、ディフューザ47(電動送風機27)が必要以上に重くなったり、製造コストが嵩んだりすることもなく、また、金属製であるファンカバー48の額縁部147に対しての密着性を確保できる。
そして、厚みを抑制した金属部135によって各上流側ブレード122の上流端側を構成することにより、各上流側風路137に流入する気流がこれら上流側ブレード122の上流側で剥離しにくく、この剥離に起因する非周期的な騒音の発生を抑制できる。
また、送風効率を向上した電動送風機27を電気掃除機11に用いることにより、電気掃除機11での掃除効率を向上できる。
さらに、上記電動送風機27は、騒音を抑制できるので、この電動送風機27を電気掃除機11に用いることにより、例えば夜間など、周囲の環境音に配慮を要する時間帯や場所であっても電気掃除機11を使用可能となり、利便性が向上する。
次に、第2の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、金属部135が係合部としての金属部係合部135gを備えるとともに、樹脂部136が係合部としての樹脂部係合部136gを備えるものである。
金属部係合部135gは、金属部135の下流側の端部から、外周側の側面135e側の部分が下流側へと突出して形成されている。
樹脂部係合部136gは、樹脂部136の上流側の端部から、内周側の側面136d側の部分が上流側へと突出して形成されている。
そして、これら係合部135g,136gは、互い違いに組み合わされて係合されている。
また、金属部135の内周側の側面135d、外周側の側面135e、および、上面135fは、それぞれ樹脂部136の内周側の側面136d、外周側の側面136e、および、上面136fと面一となっている。
このように、各上流側ブレード122の少なくとも上流側風路137の上流側の端部をその他の一部より薄い金属により形成した金属部135とし、この金属部135以外の部分を合成樹脂により形成した樹脂部136とするなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、金属部135と樹脂部136との互いに接触する部分に係合部135g,136gを有することにより、これら係合部135g,136gの係合によって、金属部135と樹脂部136とを確実に一体的に係合できるとともに、金属部135を内周側から樹脂部136が樹脂部係合部136gを介して支持するため、樹脂部136に比較的強度が大きい合成樹脂を用いれば、遠心ファン46から吹き出された空気の負圧によって金属部135が内周側へと倒れることを防止できる。
次に、第3の実施の形態を図6を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、金属部係合部135gは、金属部135の下流側の端部から、内周側の側面135d側の部分が下流側へと突出して形成され、樹脂部係合部136gは、樹脂部136の上流側の端部から、外周側の側面136e側の部分が上流側へと突出して形成されているものである。
すなわち、上記第2の実施の形態と係合部135g,136gの内周側と外周側とが反対となっている。
そして、各上流側ブレード122の少なくとも上流側風路137の上流側の端部をその他の一部より薄い金属により形成した金属部135とし、この金属部135以外の部分を合成樹脂により形成した樹脂部136とするなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、金属部135と樹脂部136との互いに接触する部分に係合部135g,136gを有することにより、これら係合部135g,136gの係合によって、金属部135と樹脂部136とを確実に一体的に係合できるとともに、樹脂部136を内周側から金属部135が金属部係合部135gを介して支持するため、遠心ファン46から吹き出された空気の負圧によって樹脂部136が内周側へと倒れることを金属部135によって防止できる。
次に、第4の実施の形態を図7を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第4の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、樹脂部係合部136gは、樹脂部136の内周側の側面136d側および外周側の側面136e側のそれぞれから、上流側へと突出して互いに離間されており、金属部係合部135gは、金属部135の厚み方向の略中心位置から下流側へと突出して、樹脂部係合部136g,136g間に係合されているものである。
したがって、金属部135は、下流側の端部が凸字状に形成され、樹脂部136は、上流側の端部が凹字状に形成されている。
そして、各上流側ブレード122の少なくとも上流側風路137の上流側の端部をその他の一部より薄い金属により形成した金属部135とし、この金属部135以外の部分を合成樹脂により形成した樹脂部136とするなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、金属部135と樹脂部136との互いに接触する部分に係合部135g,136gを有することにより、これら係合部135g,136gの係合によって、金属部135と樹脂部136とを確実に一体的に係合できるとともに、金属部135の金属部係合部135gを樹脂部136の内周側および外周側から樹脂部係合部136g,136gを介して支持するため、樹脂部136に比較的強度が大きい合成樹脂を用いれば、遠心ファン46から吹き出された空気の負圧によって金属部135が内周側、あるいは外周側へと倒れることを樹脂部136によって防止できる。
なお、上記第4の実施の形態において、金属部係合部135gを、金属部135の内周側の側面135d側および外周側の側面135e側のそれぞれから、下流側へと突出して互いに離間し、樹脂部係合部136gを、樹脂部136の厚み方向の略中心位置から上流側へと突出して、金属部係合部135g,135g間に係合するように構成しても、同様の作用効果を得ることができるとともに、遠心ファン46から吹き出された空気の負圧によって樹脂部136が内周側、あるいは外周側へと倒れることを金属部135によって防止できる。
次に、第5の実施の形態を図8を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、樹脂部136の上流側の上端側から上流側へと、被覆部としての金属部固定部である突出部136hが突出しており、この突出部136hに、金属部135の上端部135hが埋め込まれているものである。したがって、金属部135は、樹脂部136の突出部136hによりファンカバー48側である上側の位置が覆われ、この突出部136hとディフューザ本体121の段部128との間で上下が固定されている。
突出部136hは、先端側である上端側へと徐々に厚みが薄くなるように(細くなるように)形成されており、上流端136iが、金属部135の上流端135bの位置と略一致、あるいは若干上流側に突出している。また、この突出部136hの上流端136iは、金属部135の上流端135bよりも厚みが大きく形成されており、上流側へと突出する円弧状に形成されている。すなわち、突出部136hは、金属部135の内周側の側面135dおよび外周側の側面135eに対して面一ではなく、上流側風路137へと僅かに突出している。さらに、樹脂部136の上面136fは、ファンカバー48の額縁部147の内面に対して密着されている。また、突出部136hは、樹脂部136の上側寄りの位置に、薄い層状に形成されている。すなわち、突出部136hは、金属部135の上流側風路137に露出している部分よりも高さ寸法が相当小さく設定されている。
そして、各上流側ブレード122の少なくとも上流側風路137の上流側の端部をその他の一部より薄い金属により形成した金属部135とし、この金属部135以外の部分を合成樹脂により形成した樹脂部136とするなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、樹脂部136により金属部135の上側を覆うことにより、ファンカバー48の額縁部147の内面に密着して各上流側風路137を区画する各上流側ブレード122の上端側全体が樹脂部136となるので、額縁部147に対しての密着性(シール性)が金属部135を額縁部147に密着させる場合よりも向上し、各上流側風路137から各上流側ブレード122と額縁部147との隙間を介して空気が漏れることを、より確実に防止できるので、空気漏れに起因する送風効率の低下を防止できる。
さらに、突出部136hは、先端である上流端136iの厚みを金属部135の上流端135bの厚みよりも大きくしているので、ガラス繊維などを混入したナイロンなどの成形流動性が比較的低い合成樹脂により成形する際でも、ショートモールドが起こりにくく、上流端136iまで確実に成形できる。
また、突出部136hの上流端136iの位置では、上流側ブレード122の上流端の厚みが比較的大きくなっているものの、金属部135に対して高さ寸法が相当に小さいため、殆どの気流が金属部135によって整流されるので、突出部136hの厚みによって送風効率が低下することは殆どない。
そして、金属部135は、突出部136hとディフューザ本体121の段部128との間で上下が固定されているので、遠心ファン46から吹き出された空気の負圧によって金属部135が内周側、あるいは外周側へと倒れることを防止できる。
なお、上記第5の実施の形態において、金属部135と樹脂部136とは、上記第2の実施の形態ないし第4の実施の形態と同様に、突出部136hの下側の位置で、係合部135g,136gによって互いに係合してもよい。
また、上記各実施の形態において、電気掃除機11の細部は、上記構成に限定されるものではない。
さらに、電動送風機27は、電気掃除機11だけでなく、産業用のブロワあるいはポンプなどに用いることもできる。