JP2010121388A - 自走式スライム処理装置およびスライム処理方法 - Google Patents

自走式スライム処理装置およびスライム処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 スライムを周囲に拡散させることなく、杭孔の拡底部に沈積したスライムを確実に除去することが可能な自走式スライム処理装置およびスライム処理方法を提供する。
【解決手段】 水中ポンプ40を杭孔90内に巻上げ機23の吊り具30により昇降可能に吊下げ、吊り具30の下降により吊り具30または水中ポンプ40のいずれかに上部が揺動可能に連結される支持脚51の下端部を杭孔90の拡底部90bに着地させるとともに、支持脚51の下端部を中心として支持脚51を拡底部90bの内壁面側に傾倒させ、支持脚51の傾倒により水中ポンプ40を拡底部90bにて杭孔90の軸部90aの内壁面よりも半径方向外方に移動させた状態で沈積したスライムSを水中ポンプ40により吸込む。
【選択図】 図1

Description

この発明は、掘削した杭孔の底部に沈積したスライムを除去する自走式スライム処理装置およびスライム処理方法に関する。
建築物の基礎杭を打設するために、地表から垂直に地中を掘削し杭孔を形成することが行われる。杭孔の形成に際しては、掘削土砂の搬出促進、地下水の噴出防止、杭孔壁の崩壊防止などのために杭孔に安定液が投入される。安定液を用いた掘削作業においては、スライム(砂などを主体とする堀り屑)が発生し、スライムは杭孔の底部に沈積する。スライムは、コンクリートと混じって打設されると、基礎杭の支持力に悪影響を及ぼすため、コンクリートの打設前に十分に除去する必要がある。
図28は、安定液を用いた従来の杭孔の掘削作業の一例を示している。図28に示すように、杭孔90は、地表GL側から垂直に延びる軸部90aと、軸部90aの下方に位置する拡底部90bを有している。拡底部90bの内径D2は、基礎杭の支持力を高めるために軸部90aの内径D1よりも大に設定されている。安定液91は、杭孔90の地表GL近くまで投入されており、掘削によって生じたスライムSが拡底部90bに沈積している。沈積したスライムSの除去は、ロープ94によって吊下げられた水中ポンプ93を拡底部90bの底面90cまで降ろした状態で行うようにしている。
安定液を用いた杭孔の掘削作業において、杭孔の底部に沈積したスライムをポンプにより吸込み、このスライムを杭孔の外部に排出する技術は従来から知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−351178号公報 特開2000−120067号公報
しかし、図28に示すスライムSの除去においては、吊下げた水中ポンプ93を拡底部90bの内壁面に接近させることができず、拡底部90aに沈積したスライムSを確実に除去することが難しいという問題があった。すなわち、拡底部90bの内径D2は軸部90aの内径D1よりも大であるため、拡底部90bの内壁面は軸部90aの内壁面よりも距離D3だけ外側に位置することになるので、距離D3の範囲に水中ポンプ93を着地させることができず、拡底部90bに沈積したスライムSを十分に除去することができないという問題がある。
特許文献1の装置は、スクリューによって杭孔の底部を攪拌してスライムを吸込むようにしているが、この場合はスライムが攪拌によって安定液の中間部近傍まで浮遊し、安定液の大半にスライムが拡散するという問題がある。したがって、基礎杭の支持力を維持するためには、安定液を多量に入れ替える必要が生じ、コストが高くなるとともに工期が遅れるという問題が生ずる。特許文献2の装置は、噴射ノズルによりスライムを巻き上げて吸込むようにしているので、スライムが安定液の大半に浮遊拡散し、特許文献1と同様の問題が生じる。
そこでこの発明は、スライムを周囲に拡散させることなく、杭孔の拡底部に沈積したスライムを確実に除去することが可能な自走式スライム処理装置およびスライム処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、杭孔の軸部の下方に位置し前記軸部の内径よりも大きな内径を有する拡底部に沈積したスライムを除去する自走式スライム処理装置であって、前記スライムを吸込み可能な水中ポンプと、前記水中ポンプを前記杭孔内に吊下げる吊り具を有し該吊り具を前記杭孔内で昇降させる巻上げ手段と、前記吊り具または前記水中ポンプのいずれかに上部が揺動可能に連結され下端部が前記杭孔の拡底部に着地可能な支持脚を有し、前記吊り具の下降により前記杭孔の拡底部に着地した前記支持脚の下端部を中心として前記支持脚を前記拡底部の内壁面側に傾倒させ前記水中ポンプを前記拡底部にて前記軸部の内壁面よりも半径方向外方に移動させる傾倒手段と、を備えたことを特徴とする自走式スライム処理装置である。
この発明によれば、杭孔内に吊下げられた水中ポンプは、拡底部に着地する直前で傾倒手段により拡底部の内壁面側に近づく方向に移動するので、拡底部の隅々に沈積したスライムを除去することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自走式スライム処理装置において、前記傾倒手段は、前記支持脚を傾けて上部の揺動中心位置に対して下端部の位置を水平方向にずらすストッパーを有していることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の自走式スライム処理装置において、前記吊り具は、水平方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の自走式スライム処理装置において、前記支持脚は、前記拡底部の内壁面の周方向における複数位置に傾倒可能であることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、杭孔の軸部の下方に位置し前記軸部の内径よりも大きな内径を有する拡底部に沈積したスライムを除去するスライム処理方法であって、前記水中ポンプを前記杭孔内に巻上げ手段の吊り具により昇降可能に吊下げ、前記吊り具の下降により前記吊り具または前記水中ポンプのいずれかに上部が揺動可能に連結される支持脚の下端部を前記杭孔の拡底部に着地させるとともに、前記支持脚の下端部を中心として前記支持脚を前記拡底部の内壁面側に傾倒させ、前記支持脚の傾倒により前記水中ポンプを前記拡底部にて前記軸部の内壁面よりも半径方向外方に移動させた状態で前記拡底部に沈積したスライムを前記水中ポンプにより吸込むことを特徴とするスライム処理方法である。
請求項1および5に記載の発明によれば、拡底部の隅々までスライムを確実に除去することが可能となるので、基礎杭の支持力を十分に満足させる高品質の杭孔を形成することができる。また、スライムを強制的に上方に浮遊させる必要がないので、スライムが安定液の上方に拡散することを防止することができる。これにより、安定液を多量に入れ替える必要がなくなり、コスト低減および工期短縮が図れる。
請求項2に記載の発明によれば、ストッパーによって支持脚おける上部の揺動中心位置に対して下端部の位置を水平方向にずらすようにしているので、拡底部に着地した支持脚を容易に拡底部の内壁面側に傾けることが可能となり、傾倒手段の構成を簡素化することができる。
請求項3に記載の発明によれば、吊り具は水平方向に移動可能に構成されているので、水中ポンプを杭孔の所定の位置に容易に移動させることができ、作業能率を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、傾倒脚は拡底部の内壁面の周方向における複数位置に傾倒可能であるので、水中ポンプを拡底部の内壁面の周方向の複数位置に位置決めすることができ、拡底部の内壁面に沿って沈積しているスライムを確実に除去することができる。
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
図1〜図25は、この発明の実施の形態を示しており、とくに図1〜図11はスライムSを除去するための自走式スライム処理装置1を示している。図8および図9において、自走式スライム処理装置1は、主として自走装置本体10と、巻上げ機23と、水中ポンプ40と、傾倒手段50とを有している。自走装置本体10は、環状の履帯を有する走行部11を有しており、地表GLを前後方向および左右方向に自走可能となっている。走行部11の上部には、運転室13を有する旋回フレーム12が設けられている。運転室13には、自走装置本体10を操作するための操作レバーや計器などが配置されている。旋回フレーム12には、ブーム14が連結されている。ブーム14は、軸方向に伸縮可能であり、かつ旋回フレーム12側を中心として上下方向に揺動可能となっている。図9に示すように、ブーム14は旋回フレーム12の旋回運動に伴い左右方向(矢印Z方向)にも揺動可能となっている。
図8に示すように、ブーム14の先端部には、ケーブル用滑車15が回転自在に取付けられている。旋回フレーム12の後部側には、ケーブル用ドラム16が設けられている。ケーブル用ドラム16は、水中ポンプ40に電力を供給するための電力ケーブル21の巻き取りおよび巻き出しを行う機能を有している。旋回フレーム12には、ケーブル用滑車15とケーブル用ドラム16との間に位置する電力ケーブル21を受け止めるガイドローラ19が設けられている。旋回フレーム12のケーブル用ドラム16と隣接する位置には、ホース用ドラム17が設けられている。ホース用ドラム17は、旋回フレーム12の後部側に設けられた軸受部18を中心として軸心回りに回転可能となっている。ホース用ドラム17は、水中ポンプ40からのスライムSを杭孔90の外へ排出するホース20の巻き取りおよび巻き出しを行う機能を有している。ブーム14の先端部には、ホース20の巻き取りおよび巻き出し時の位置ずれを防止する円弧状のガイド部22が設けられている。
自走装置本体10は、水中ポンプ40を昇降させる巻上げ手段としての巻上げ機23を備えている。巻上げ機23は、水中ポンプ40を杭孔90内で昇降させる吊り具30を有している。吊り具30は、主としてワイヤーロープ31と、第一の滑車32と、吊り下げフレーム33と、第二の滑車34を有している。第一の滑車32は、ブーム14の先端部に取付けられている。ワイヤーロープ31の一端部31aは、図10に示すように、ブーム14の先端部に設けられた支持部36に連結されている。ワイヤーロープ31の他端部は、図9に示すホース用ドラム17の近傍に配置された巻上げ機23の巻き上げドラム24に連結されている。巻き上げドラム24は、ワイヤーロープ31の巻き取りおよび巻き出しを行う機能を有している。ワイヤーロープ31は、巻き上げドラム24から第一の滑車32へ向かって延び、この第一の滑車32から第二の滑車34を経由して支持部36に延びている。
吊り下げフレーム33は、図7に示すように、互いに対向する一対の上部フレーム33aを有している。上部フレーム33aの両端部には、第二の滑車34がそれぞれ取付けられている。第二の滑車34は、一対の上部フレーム33aに挿通されたシャフト34aを介して上部フレーム33aに回転自在に支持されている。図2に示すように、ワイヤーロープ31は、2つの第二の滑車34を介して吊り下げフレーム33を吊り下げるようになっている。吊り下げフレーム33の両端部には、ワイヤーロープ31の第二の滑車34からの外れを防止するガイド35が取付けられている。この実施の形態においては、第二の滑車34を上部フレーム33aの両端部にそれぞれ設けているので、一本のワイヤーロープ31を利用して吊り下げフレーム33を二箇所で吊下げることになり、ワイヤーロープ31が軸心回りに捩れることを抑制することができる。これにより、吊り下げフレーム33はブーム14に対して常に同じ姿勢に保つことが可能となり、水中ポンプ40の位置決めが容易となる。また、吊り下げフレーム33を二箇所で吊下げることにより、吊り下げフレーム33を常に水平に保つことができる。
図2に示すように、吊り下げフレーム33の下部フレーム33bの下面には、筒状の保持軸37の上端部が接合されている。保持軸37は、吊り下げフレーム33と後述する保持フレーム39とを上下方向で連結する機能を有している。図4に示すように、保持軸37の外周には、回動フレーム38が配設されている。回動フレーム38は、ボルトにより連結される半割り形の主フレーム38aと副フレーム38bとを有している。主フレーム38aは、内面側に保持軸37の外周面と対向する円弧面を有している。副フレーム38bは、同様に内面側に保持軸37の外周面と対向する円弧面を有している。主フレーム38aと副フレーム38bとをボルト38eで連結した状態の回動フレーム38は、保持軸37を若干の隙間をもって外周から包囲するようになっている。これにより、回動フレーム38は、保持軸37を中心として軸心周りに回動可能となっている。
図3に示すように、吊り下げフレーム33の下部フレーム33bには、第一の位置決め孔33cと第二の位置決め孔33dが形成されている。第一の位置決め孔33cと第二の位置決め孔33dは、所定の間隔をもって形成されており、第一の位置決め孔33cと第二の位置決め孔33dとのなす角は、回動フレーム38の回動中心に対して角度θ3(θ3=90°)に設定されている。回動フレーム38の主フレーム38aには、ロック孔38cが形成されている。ロック孔38cの内径は、第一の位置決め孔33cと第二の位置決め孔33dと同じ径に設定されている。ロック孔38cは、回動フレーム38を軸心回りに回転させることにより、吊り下げフレーム33の第一の位置決め孔33cの位置または第二の位置決め孔33dの位置と合致するようになっている。
吊り下げフレーム33には、鎖(図示略)などの連結部材を介して固定用ピン33eが移動自在に連結されている。ロック孔38cは、回動フレーム38の回動方向の動きをロックするためのものであり、固定用ピン33eを第一の位置決め孔33cとロック孔38cの双方に挿入することにより、回動フレーム38を所定の位置に固定することが可能となっている。同様に、固定用ピン33eを第二の位置決め孔33dとロック孔38cの双方に挿入することにより、回動フレーム38を別の位置に固定することができる。回動フレーム38の主フレーム38aの両端部には、後述する支持脚51を揺動可能に連結するための軸受け部38dが設けられている。
保持軸37の下面には、下方に延びる保持フレーム39が接合されている。保持フレーム39の下端部には、水中ポンプ40が吊下げられている。水中ポンプ40は、ポンプ本体部41と、ポンプ部42と、吸込み部43とを有している。ポンプ本体部41の上端部は、ボルト39aを介して保持フレーム39の下端部と連結されている。水中ポンプ40は、ポンプ本体部41内に収納された電動機(図示略)によりポンプ本体部41のインペラ(図示略)を回転駆動させ、拡底部90bに沈積したスライムSを吸込み部43から吸込む機能を有している。ポンプ部42には、吸込んだスライムSを吐出するための排出口42aが形成されている。排出口42aには、スライムSを杭孔90の外側に排出するためのホース20が接続されている。吸込み部43には、多数の吸込み孔43aが形成されている。吸込み部43の底部43bは、拡底部90bの底面90cに着地可能となっている。水中ポンプ40は、安定液91や地下水のような液体のみでなく、土砂などが混在している泥水も吸込む機能を有している。
回動フレーム38には、傾倒手段50が連結されている。傾倒手段50は、一対の支持脚51と、ストッパー56を有している。一対の支持脚51は、水中ポンプ40を中心として左右にそれぞれ配置されている。各支持脚51の上端部には、吊り具30の回動フレーム38と連結するための連結軸51aが取付けられている。連結軸51aは、回動フレーム38に形成された軸受け部38dに挿入されている。一対の支持脚51は、連結軸51aを中心として下方が水平方向に揺動可能となっている。この実施の形態においては、図3に示すように、2つの第二の滑車34を結ぶ軸線と直交する軸線に対して、水中ポンプ40の移動方向(軸線F方向)が角度θ4(θ4=6°)ずれるように、回動フレーム38のロック位置が設定されている。これは、一対の支持脚51が揺動する際に、水中ポンプ40の排出口42aやホース20に接触することを防止するためである。
支持脚51は、図2に示すように、上下方向の長さを可変することが可能な下端部52を有している。下端部52は、上下方向(矢印X1方向)に移動可能となっている。下端部52には、上下方向に所定の間隔をもって複数の位置決め孔52aが形成されている。傾倒手段50は、支持脚51に保持されたピン52bを必要に応じて下端部52の所定の位置決め孔52aに挿入することにより、支持脚51の揺動中心である連結軸51aから下端部52までの長さを変化させることが可能となっている。支持脚51の下端部52には、杭孔90の拡底部90bの底面90cに着地可能な複数の突起部53が形成されている。突起部53は、先端にいくにしたがって先細りとなる円錐状に形成されており、拡底部90bの底面90cに食い込み可能となっている。
一対の支持脚51の上部における内側には、支持板55が互いに対向するように固定されている。各支持板55の間には、図1に示すように、支持脚51を所定の角度θ1だけ拡底部90bの内壁面側に傾けるためのストッパー56が設けられている。ストッパー56は、帯状の金属板から構成されている。ストッパー56は、図6に示すように、一端部が一方の支持板55に連結されており、他端部が他方の支持板55に連結されている。ストッパー56は、保持フレーム39の下端部と当接可能となっている。ストッパー56は、保持フレーム39の下端部との接触面積を増加させるために、保持フレーム39との接触部が保持フレーム39の当接部の形状と同一の円弧状に形成されている。支持脚51は、図1に示すように、揺動中心位置である連結軸51aと下端部である突起部53が水平方向に距離L1だけずれるように傾けられている。このように、支持脚51は、ストッパー56により上端部と下端部とが距離L1だけ偏心した状態で傾いており、この傾きにより吊り具30の下降時に容易に拡底部90bの内壁面としての垂直面90b1および傾斜面90b2側に傾倒するようになっている。また、この実施の形態においては、支持脚51の傾倒方向を図1と反対方向とすることを可能にするため、ストッパー56を図6の位置と反対側に取付けることが可能となっている。
傾倒手段50は、図1に示すように、吊り具30の下降により底面90cに食い込んだ支持脚51の突起部53を中心として、角度θ1に傾けられている支持脚51を拡底部90bの垂直面90b1および傾斜面90b2側にさらに角度θ2だけ傾倒させるようになっている。そして、水中ポンプ40は、支持脚51の角度θ2の傾倒に伴って斜め下方に移動し、拡底部90bにて軸部90aの内壁面よりも半径方向外方に位置するようになっている。支持脚51の傾倒によって斜め下方に移動した水中ポンプ40は、拡底部90bの底面90cに着地した状態で、沈積したスライムSを吸込み口43から吸込むようになっている。
つぎに、杭孔90の掘削手順およびスライムSの除去作業手順について、図23、24のフローチャートを用いて説明する。
図23に示すように、ステップ106において掘削を行うため地表GLに対して杭芯出し(墨出し)を行う。つぎに、ステップ107に進み、掘削機の現地への搬入および資材の搬入を行う。その後、ステップ108に進み、杭芯出し位置の近傍に掘削機(図示略)を据付ける。図12は、掘削機による掘削開始の状態を示している。ここでは、地表GLに描かれた掘削位置を示す杭芯し位置に掘削機のケリーバー62の中心を合わせる。
つぎに、ステップ109に進み、ドリリングバケット63をケリーバー62によって軸心回りに回転させることにより杭孔90の掘削を行う。ここで、ドリリングバケット63の上端部には、半径方向外方に突出するリーマナイフ64が取付けられており、リーマナイフ64が地表GLから深さH1だけ進んだ位置で掘削を終了する。この状態では、ドリリングバケット63の先端部で掘削された杭孔90の内径はD1となり、リーマナイフ64で掘削された杭孔90の内径はD4となる。この実施の形態においては、例えば内径D1は2mに設定されており、内径D4は2.1m〜2.2mに設定されている。また、リーマナイフ64による掘削深さH1は、4mに設定されている。
図14は、ドリリングバケット63によるさらなる掘削状態を示している。ここでは、ドリリングバケット63による掘削開始前に、リーマナイフ64で掘削した部位へのスタンドパイプ65の建込みを行い、杭孔90の地表GL近傍を補強する。スタンドパイプ65は、例えば長さが5mに設定されており、杭孔90に打ち込まれたスタンドパイプ65は、地表GLから約1mだけ突出している。ここで、上記のステップ107〜109の作業においては、図23に示すように、元請110の立会い者によって各工程における作業内容の確認(ステップ111〜113)が行われる。
スタンドパイプ65による杭孔90の地表GL近傍の補強を行った後は、ステップ114に進み、軸部90aの掘削を開始する。ここで、軸部90aの掘削開始に先立ち、ステップ102において、安定液91を生成する。安定液91の生成過程においては、ステップ103にてベントナイトの粘性検査を行う。安定液91は、杭孔90における掘削土砂の搬出促進、地下水の噴出防止、杭孔壁の崩壊防止などのために用いられるものであり、軸部90aの掘削開始前に、ステップ104において、安定液91を地表GL側から杭孔90内に投入する。安定液91は、杭孔90の内壁から地中に浸透するようになっている。
ステップ114における軸部90aの掘削は、杭孔90内に安定液91を投入した状態でドリリングバケット63により行い、図14に示すように、掘削深さがH2となった時点で終了する。図15は、軸部90aの掘削が完了した状態を示している。図15において、安定液91は液面91aがスタンドパイプ65の下端部を超える位置まで達している。安定液91は、その後の作業工程においても、ほぼ図15と同じ液面レベルに保たれるように不足分が補充される。軸部90aの掘削が終了すると、ステップ115に進み、軸部90aの深さを確認するための検尺を行う。
つぎに、ステップ116に進み、ドリリングバケット63を取り外し、拡底バケット67に交換する。そして、ステップ117において、拡底バケット67による杭孔90の底部の掘削を行う。図16は、杭孔90の底部に拡底部90bを形成する状態を示している。拡底バケット67は、拡径および縮径が可能となっており、縮径した状態で杭孔90の軸部90aを降下し、杭孔90の底部に着地した状態で拡径するようになっている。杭孔90の底部は、拡底バケット67の掘削によって半径方向に拡大し、内径がD2となる拡底部90bに形成される。また、拡底部90bの底面90cは、地表GLと平行な水平面に形成される。この状態では、拡底部90bには、掘削によって生じたスライムSが沈積しているので、ステップ118に進み、一次スライム処理を行う。一次スライム処理においては、拡底部90bに沈積したスライムSは底ざらいバスケット(図示略)などにより除去される。
ここで、図1に示すように、拡底部90bは、底面90cと、垂直面90b1と、傾斜面90b2とを有している。底面90cは、拡底部90bの最も下に位置する部位であり、水平に形成されている。垂直面90b1は、底面90cから垂直に上方へ延びる部位であり、拡底部90bの内壁面の一部を構成している。傾斜面90b2は、垂直面90b1の上端から軸部90aの下端まで延びる部位であり、同様に拡底部90bの内壁面の一部を構成している。
一次スライム処理が終了すると、ステップ119に進み、杭孔90の深さを確認するための検尺を行う。つぎに、ステップ120に進み、杭孔90の検尺の結果が良好であるか否かを判断する。ここで、杭孔90の検尺の結果が不良であると判断した場合は、ステップ118に戻り、一次スライム処理を再度行う。ステップ120において、杭孔90の検尺の結果が良好であると判断した場合は、ステップ124に進み、超音波による拡底部90bの内壁の測定を行う。超音波測定器68による拡底部90bの内壁の測定は、図17に示すように、地表GL側から杭孔90の底部に向けて測定機器68を降下し、測定機器68を拡底部90bに停止させた状態で拡底部90bの内壁の測定を行う。超音波による拡底部90bの内壁の測定が終了すると、ステップ125に進み、杭孔90の泥水置換処理を行う。
図18は、杭孔90の泥水置換処理を示している。ここでは、自走式スライム処理装置1によって拡底部90bに沈積したスライムSの除去が行われる。スライムSの除去に際しては、図8に示す自走装置本体10を地表GL側における杭孔90の近傍に停止させ、吊り具30を介して吊下げられた水中ポンプ40と傾倒手段50を杭孔90内に進入させる。ここで、自走装置本体10は、図8に示すように、ブーム14の操作により水中ポンプ40と傾倒手段50を水平方向(矢印X方向)および垂直方向(矢印Y方向)に移動させることができるとともに、旋回フレーム12の旋回によりブーム14を矢印Z方向にも移動させることができるので、水中ポンプ40と傾倒手段50を杭孔90内のあらゆる位置に容易に移動させることができる。また、水中ポンプ40と傾倒手段50を吊下げる吊り下げフレーム33を二つの第二の滑車34を利用して二箇所で吊下げているので、ワイヤーロープ31が軸心回りに捩れることを抑制することができるとともに、吊り下げフレーム33を常に水平に保つことができる。これにより、吊り下げフレーム33をブーム14に対して常に同じ姿勢に保つことが可能となり、水中ポンプ40の位置決めが容易となる。
自走装置本体10による杭孔90の開口部での水中ポンプ40と傾倒手段50の位置決めが完了すると、巻上げ機23の巻き上げドラム24の駆動により吊り具30の下降が開始され、水中ポンプ40と傾倒手段50は拡底部90bに向けて降下する。図1は、吊り具30に吊下げられた水中ポンプ40と傾倒手段50が拡底部90bに到達した状態を示している。この状態では、吊り具30の降下に伴い支持脚51の下端部に設けられた突起部53が拡底部90bの底面90cに着地し、突起部53は吊り具30および水中ポンプ40の重みを受けて底面90cに食い込む。ここで、支持脚51は、ストッパー56により所定の角度θ1だけ拡底部90bの内壁面としての垂直面90b1および傾斜面90b2側に傾けられているので、突起部53を中心として拡底部90bの内壁面側に角度θ2だけ傾倒する。水中ポンプ40は、吊り具30に吊下げられているので、支持脚51の傾倒により軸部90aの内壁面よりも半径方向外方に移動し、拡底部90bの底面90cに着地する。すなわち、水中ポンプ40は、傾倒手段50を用いることにより、ワイヤーロープ31のみの吊下げでは移動できない領域まで水平方向に移動することが可能となる。
水中ポンプ40が図1の状態で拡底部90bに着地すると、水中ポンプ40へ電力ケーブル21を介して電力が供給され、拡底部90bに沈積したスライムSが水中ポンプ40の吸込み口43から吸込まれる。水中ポンプ40の吸込み口43から吸込まれたスライムSは、ホース20を介して杭孔90の外部に排出される。拡底部90bの安定液91もスライムSと一緒に泥水としてホース20を介して杭孔90の外部に排出され、排出された泥水に代えて新たな安定液91が杭孔90に投入される。
このように、水中ポンプ40を拡底部90bにて軸部90aの内壁面よりも半径方向外方に移動させた状態で,拡底部90bに沈積したスライムSを吸込むようにしているので、拡底部90bの隅々までスライムSを確実に除去することが可能となり、基礎杭の支持力を十分に満足する高品質の杭孔90を形成することができる。また、スライムSの拡散が防止できるので、安定液91の入れ替え量も少なくて済み、コスト低減および工期短縮が図れる。また、ストッパー56により支持脚51を所定の角度θ1だけ拡底部90bの内壁面側に傾けるようにしているので、例えば防水仕様の電動機などを用いた傾倒機構に比べて傾倒手段50の構成を簡素化することができる。
図1では、傾倒手段50の支持脚51は図の左側にのみ傾倒可能となっているが、支持脚51の傾倒方向を逆にする場合は、ストッパー56を支持板55から取外し、ストッパー51を支持板55の反対側に取付ける。これにより、支持脚51は右側に傾いた状態で支持され、右側にのみ傾倒可能となる。また、支持脚51の位置を図1の位置から角度θ3(θ3=90°)ずらす場合は、固定用ピン33eを第一の位置決め孔33cおよびロック孔38cから抜取った状態で、回動フレーム38の保持軸37を中心として回動させる。そして、回動フレーム38のロック孔38cを第二の位置決め孔33dに合致させた状態で、固定用ピン33eを第二の位置決め孔33dとロック孔38cに挿入する。これにより、支持脚51の位置は図2の位置から角度θ3ずれた状態となり、支持脚51の傾倒方向を変えることが可能となる。
このようにして、支持脚51の位置を適宜調整することにより、水中ポンプ40を拡底部90bの内壁面(垂直面90b1、傾斜面90b2)の周方向の複数位置に位置決めすることができ、拡底部90bの内壁面に沿って沈積しているスライムSを確実に除去することができる。傾倒手段50を用いたスライムSの除去が終了すると、巻き上げドラム24の駆動によるワイヤーロープ30の巻取りにより、水中ポンプ40は吊り具30とともに上昇し、杭孔90の外部に搬出される。
杭孔90の泥水置換が完了すると、ステップ126に進み、拡底部90bの確認を行い、ステップ126において確認の結果が良好であるか否かを判断する。ここで、不良であると判断した場合は、再びステップ114〜126の作業を行う。ステップ127において、確認の結果が良好であると判断した場合は、ステップ128に進み、鉄筋籠71の建込みを行う。鉄筋籠71は、ステップ105において既に組立てられている。組立てられた鉄筋籠71はステップ123で検査を受け、検査に合格した鉄筋籠71がステップ128において杭孔90に建込まれる。図19は、クレーン70を用いて杭孔90に鉄筋籠71を建込む途中の状態を示している。鉄筋籠71の建込み作業においては、図24のステップ132に示すように、元請110の立会い者により継手長さや鉄筋天端の確認が行われる。
鉄筋籠71の建込みが終了すると、ステップ129に進み、トレミー管72の建込みを行う。図20は、杭孔90の鉄筋籠71の内側にトレミー管72を挿入した状態を示している。トレミー管72の挿入に際しては、ステップ133に示すように、元請110の立会い者により気密の確認が行われる。トレミー管72の挿入が終了すると、ステップ130に進み、トレミー管72を用いて二次スライム処理を行う。これにより、拡底部90bに残存しているスライムSがトレミー管72を介して外部に排出される。
つぎに、ステップ131に進み杭孔90の深さの検尺を行い、ステップ134に進む。ステップ134においては、ステップ131における検尺の結果が良好であるか否かを判断する。ここで、検尺の結果が不良であると判断した場合は、ステップ130に戻り、再び二次スライム処理を行う。ステップ134において、検尺の結果が良好であると判断した場合は、ステップ135に進み、生コンクリート打設を行う。生コンクリート74は、図23のステップ101において、業者に発注した後、ステップ121において品質の確認を行い、ステップ122でスランプテストおよび生コンクリート74内の空気量の確認等を行う。図21は、杭孔90に生コンクリート打設の状態を示している。生コンクリート74は、トレミー管72を介して杭孔90に投入され、杭孔90の拡底部90bから所定の高さになるまで供給される。
生コンクリート打設が終了すると、ステップ136に進み、鉄筋籠71の杭頭天端の確認を行う。つぎに、ステップ137に進み、スタンドパイプ65を杭孔90から引抜き、その後、杭孔90の開口部の埋戻しを行う。図22は、スタンドパイプ65を杭孔90から引抜いた状態を示している。この状態では、杭孔90の開口部は土砂75により埋め戻され、地表GLと同じ高さとなる。
図25は、自走装置本体10によるスライムSの除去手順の一例を示している。図25(A1)に示すように、自走装置本体10を位置P1に停止させた状態では、ブーム14の操作による水中ポンプ40の移動により、拡底部90bに沈積しているスライムSの約半分近くを除去することが可能となる。そして、図25(B1)に示すように、自走装置本体10を位置P1から位置P2を変えることにより、さらに拡底部90bに沈積しているスライムSの半分以上を除去することが可能となる。このようにして、自走装置本体10を反時計回りに移動させるとともに、自走装置本体10を図25(C1)の位置P3、図25(D1)の位置P3に停止させ、ブーム14を適宜操作することにより、沈積しているスライムSを拡底部90bのすべての領域で除去することが可能となる。
図26は、自走装置本体10によるスライムSの除去手順の別の例を示しており、とくに自走装置本体10の近傍に一つの障害物81が存在する場合を示している。図26(A2)に示すように、自走装置本体10を位置P5に停止させた状態では、ブーム14の操作により、拡底部90bに沈積しているスライムSの約半分近くを除去することが可能となる。そして、図26(B2)に示すように、自走装置本体10を位置P5から位置P6を変えることにより、さらに拡底部90bに沈積しているスライムSの半分以上を除去することが可能となる。このようにして、自走装置本体10を反時計回りに移動させるとともに、自走装置本体10を図26(C2)の位置P7、図26(D2)の位置P8に停止させ、ブーム14の操作および固定用ピン33eの位置を90°変えることで水中ポンプ40の傾倒方向を90°変えることにより、沈積しているスライムSを拡底部90bのすべての領域で除去することが可能となる。
図27は、自走装置本体10によるスライムSの除去手順のさらに別の例を示しており、とくに自走装置本体10の近傍に二つの障害物82、83が存在する場合を示している。図27(A3)に示すように、自走装置本体10を位置P9に停止させた状態では、ブーム14の操作により、拡底部90bに沈積しているスライムSの約半分近くを除去することが可能となる。そして、図27(B3)においては、ストッパー56を反対側に取り付けて、水中ポンプ40の傾倒方向を180°変更してスライムSの除去を行う。図27(C3)においては、固定用ピン33eの位置を90°変えて、水中ポンプ40の傾倒方向を90°変更してスライムSの除去を行う。図27(D3)においては、ストッパー56を反対側に取り付けて、水中ポンプ40の傾倒方向を180°変更してスライムSの除去を行う。したがって、図27のスライムSの除去においては、自走装置本体10を位置P9に停止させたまま、ブーム14を適宜操作することにより、沈積しているスライムSを拡底部90bのすべての領域で除去することが可能となる。
このように、自走式スライム処理装置1では、自走装置本体10のブーム14を適宜操作し、かつ傾倒手段50を利用することにより、水中ポンプ40を拡底部90bのほぼ全ての領域に移動させることができるので、従来のスライム処理方法に比べて拡底部90bに沈積しているスライムSを確実に除去することができる。
また、傾倒手段50の支持脚51を吊り具30から取外すことにより、水中ポンプ40は第一の滑車32に支持されるワイヤーロープ31の直下に常に位置することになるので、図28に示す従来と同じ方法での使用も可能となる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態においては、杭孔90の軸部90aの内径D1を2mに設定し、拡底部90bの内径D2を3mに設定したが、内径D1と内径D2の比率はであるはこれに限定されることはない。すなわち、この工法においては、拡底率(拡底率=有効拡底面積/軸部断面積)が予め決められており、この範囲であれば軸部90aと拡底部90bの大きさを任意に設定してよい。また、この実施の形態においては、支持脚51を吊り具30に連結する構成としたが、支持脚51を水中ポンプ40側に揺動可能に連結する構成であっても、支持脚51の傾倒により水中ポンプ40を、拡底部90bの内壁面に接近させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係わる自走式スライム処理装置の要部側面図である。 図1の正面図である。 図2の平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図1のC−C線に沿う断面図である。 図2における吊り具の部分断面図である。 図1の自走式スライム処理装置の全体側面図である。 図8の装置の平面図である。 図8の装置の正面図である。 図8の装置の背面図である。 杭孔の掘削開始前の状態を示す部分正面図である。 杭孔の掘削開始状態を示す断面図である。 杭孔の掘削状態を示す断面図である。 杭孔の軸部の掘削が終了した状態を示す断面図である。 杭孔の拡底部の掘削状態を示す断面図である。 杭孔の拡底部の測定状態を示す断面図である。 杭孔の拡底部における泥水置換の状態を示す断面図である。 杭孔への鉄筋籠の建込み状態を示す断面図である。 杭孔へのトレミー管の建込み状態を示す断面図である。 杭孔への生コンクリートの打設状態を示す断面図である。 杭孔の埋め戻し状態を示す断面図である。 杭孔の掘削開始から完成までの作業手順を示すフローチャートである。 図23の作業に続く作業の内容を示すフローチャートである。 本発明の自走式スライム処理装置によるスライム除去の手順の一例を示す工程図であり、(A1)〜(D1)はスライムの除去領域を示す工程図である。 本発明の自走式スライム処理装置によるスライム除去の手順の変形例を示す工程図であり、(A2)〜(D2)はスライムの除去領域を示す工程図である。 本発明の自走式スライム処理装置によるスライム除去の手順のさらに別の変形例を示す工程図であり、(A3)〜(D3)はスライムの除去領域を示す工程図である。 従来のスライム除去作業の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 自走式スライム処理装置
10 自走装置本体
11 走行部
12 旋回フレーム
14 ブーム
20 ホース
21 電力ケーブル
23 巻上げ機(巻上げ手段)
30 吊り具
31 ワイヤーロープ
33 吊り下げフレーム
37 保持軸
38 回動フレーム
39 保持フレーム
40 水中ポンプ
50 傾倒手段
51 支持脚
51a 連結部
53 突起部(下端部)
56 ストッパー
90 杭孔
90a 軸部
90b 拡底部
90b1 垂直面(内壁面)
90b2 傾斜面(内壁面)
91 安定液
S スライム
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自走式スライム処理装置において、前記傾倒手段は、前記支持脚に取付けられ前記吊り具の一部を構成する保持フレームとの当接により前記支持脚を傾けて上部の揺動中心位置に対して下端部の位置を水平方向にずらすストッパーを有していることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の自走式スライム処理装置において、前記吊り具は、前記巻き上げ手段を備えた自走装置本体の伸縮可能なブームに対して水平となるように吊り下げられており、前記支持脚は前記吊り具の下降により前記杭孔の拡底部に着地した下端部を中心として前記拡底部の内壁面側に傾倒可能であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の自走式スライム処理装置において、前記支持脚は、前記吊り具を中心として軸心周りに回動可能に構成されており、前記吊り具に対する前記支持脚の軸心周りの回動または前記吊り具に対する前記ストッパーの取付け位置の変更によって前記拡底部の内壁面の周方向における複数位置に傾倒可能であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、吊り具はブームに対して水平となるように吊下げられているので、水中ポンプを杭孔の所定の位置に容易に移動させることができ、作業能率を高めることができる。
傾倒手段50は、図1に示すように、吊り具30の下降により底面90cに食い込んだ支持脚51の突起部53を中心として、角度θ1に傾けられている支持脚51を拡底部90bの垂直面90b1および傾斜面90b2側にさらに角度θ2だけ傾倒させるようになっている。そして、水中ポンプ40は、支持脚51の角度θ2の傾倒に伴って斜め下方に移動し、拡底部90bにて軸部90aの内壁面よりも半径方向外方に位置するようになっている。支持脚51の傾倒によって斜め下方に移動した水中ポンプ40は、拡底部90bの底面90cに着地した状態で、沈積したスライムSを吸込み部43から吸込むようになっている。
水中ポンプ40が図1の状態で拡底部90bに着地すると、水中ポンプ40へ電力ケーブル21を介して電力が供給され、拡底部90bに沈積したスライムSが水中ポンプ40の吸込み部43から吸込まれる。水中ポンプ40の吸込み部43から吸込まれたスライムSは、ホース20を介して杭孔90の外部に排出される。拡底部90bの安定液91もスライムSと一緒に泥水としてホース20を介して杭孔90の外部に排出され、排出された泥水に代えて新たな安定液91が杭孔90に投入される。
このようにして、支持脚51の位置を適宜調整することにより、水中ポンプ40を拡底部90bの内壁面(垂直面90b1、傾斜面90b2)の周方向の複数位置に位置決めすることができ、拡底部90bの内壁面に沿って沈積しているスライムSを確実に除去することができる。傾倒手段50を用いたスライムSの除去が終了すると、巻き上げドラム24の駆動によるワイヤーロープ31の巻取りにより、水中ポンプ40は吊り具30とともに上昇し、杭孔90の外部に搬出される。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態においては、杭孔90の軸部90aの内径D1を2mに設定し、拡底部90bの内径D2を3mに設定したが、内径D1と内径D2の比率はこれに限定されることはない。すなわち、この工法においては、拡底率(拡底率=有効拡底面積/軸部断面積)が予め決められており、この範囲であれば軸部90aと拡底部90bの大きさを任意に設定してよい。また、この実施の形態においては、支持脚51を吊り具30に連結する構成としたが、支持脚51を水中ポンプ40側に揺動可能に連結する構成であっても、支持脚51の傾倒により水中ポンプ40を、拡底部90bの内壁面に接近させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、杭孔の軸部の下方に位置し前記軸部の内径よりも大きな内径を有する拡底部に沈積したスライムを除去するスライム処理方法であって、水中ポンプを前記杭孔内に巻上げ手段の吊り具により昇降可能に吊下げ、前記吊り具の下降により前記吊り具または前記水中ポンプのいずれかに上部が揺動可能に連結される支持脚の下端部を前記杭孔の拡底部に着地させるとともに、前記支持脚の下端部を中心として前記支持脚を前記拡底部の内壁面側に傾倒させ、前記支持脚の傾倒により前記水中ポンプを前記拡底部にて前記軸部の内壁面よりも半径方向外方に移動させた状態で前記拡底部に沈積したスライムを前記水中ポンプにより吸込むことを特徴とするスライム処理方法である。

Claims (5)

  1. 杭孔の軸部の下方に位置し前記軸部の内径よりも大きな内径を有する拡底部に沈積したスライムを除去する自走式スライム処理装置であって、
    前記スライムを吸込み可能な水中ポンプと、
    前記水中ポンプを前記杭孔内に吊下げる吊り具を有し該吊り具を前記杭孔内で昇降させる巻上げ手段と、
    前記吊り具または前記水中ポンプのいずれかに上部が揺動可能に連結され下端部が前記杭孔の拡底部に着地可能な支持脚を有し、前記吊り具の下降により前記杭孔の拡底部に着地した前記支持脚の下端部を中心として前記支持脚を前記拡底部の内壁面側に傾倒させ前記水中ポンプを前記拡底部にて前記軸部の内壁面よりも半径方向外方に移動させる傾倒手段と、
    を備えたことを特徴とする自走式スライム処理装置。
  2. 前記傾倒手段は、前記支持脚を傾けて上部の揺動中心位置に対して下端部の位置を水平方向にずらすストッパーを有していることを特徴とする請求項1に記載の自走式スライム処理装置。
  3. 前記吊り具は、水平方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自走式スライム処理装置。
  4. 前記支持脚は、前記拡底部の内壁面の周方向における複数位置に傾倒可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自走式スライム処理装置。
  5. 杭孔の軸部の下方に位置し前記軸部の内径よりも大きな内径を有する拡底部に沈積したスライムを除去するスライム処理方法であって、前記水中ポンプを前記杭孔内に巻上げ手段の吊り具により昇降可能に吊下げ、前記吊り具の下降により前記吊り具または前記水中ポンプのいずれかに上部が揺動可能に連結される支持脚の下端部を前記杭孔の拡底部に着地させるとともに、前記支持脚の下端部を中心として前記支持脚を前記拡底部の内壁面側に傾倒させ、前記支持脚の傾倒により前記水中ポンプを前記拡底部にて前記軸部の内壁面よりも半径方向外方に移動させた状態で前記拡底部に沈積したスライムを前記水中ポンプにより吸込むことを特徴とするスライム処理方法。
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