JP2010120161A - 延伸合成樹脂シートの成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】O−PETシート等を使用して凹陥部を有する容器を成形する方法を提案する。
【解決手段】加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを雌金型の上に配置し、前記雌金型の内側凹部面と対向する外側凸部面が前記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する雄金型を前記雌金型に圧入させ、前記外側凸部面で前記延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧する成形方法であって、前記雄金型を弾性部材で形成するようにした。また、雄金型を雌金型に圧入する工程の前に、予め真空成形法によって延伸合成樹脂シートを雌金型の内側凹部面に沿わせる工程を含むこともある。そして、雄金型の一部を構成する支持部材に対し、雄金型の外側凸部の表面に、弾性部材が所望厚さの層を有するように取り付けた。また、延伸合成樹脂シートはO−PETシートで、弾性部材は、シリコン系ゴムまたはフッ素系ゴムからなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、熱可塑性合成樹脂シート、特にO−PETに代表される2軸延伸合成樹脂シートの成形法に関するもので、アンダーカット部を有する雌金型の内側凹部面に正確に密着して、精度の高い成形品を得る成形方法を提案するものである。
従来、コンビニエンスストアなどで販売される弁当、すし、おでんなどの容器として、合成樹脂シートを成形した各種の容器が利用されている。この種の容器は、収容物の液体成分が漏出したり、乾燥を防ぐために、容器本体と蓋体との間に密封性が要求される。そのため、容器本体または蓋体の一方の開口周縁に、他方の開口周縁に嵌着係合するようにした凹陥溝が周設されている。この凹陥溝によって容器本体と蓋体は確実に密着し、密封性が確保される。
このように、容器に凹陥溝を施す場合、該部は金型においてアンダーカット部となり、通常の方法では成形や取り出しが困難となる。そこで、このアンダーカット部を有する金型を用いた成形方法として、特許文献1や特許文献2に記載の方法が提案されている。特許文献1に記載の方法は、雄金型として、その成形面の容器の凹陥溝(アンダーカット部)に相当する位置に径方向に押出可能なOリングなどの弾性部材を配置したものを用い、加熱され軟化した合成樹脂シートを雄金型と雌金型との間に型合わせして成形する過程において、エアシリンダを作動して移動部材を下降させ弾性部材を外方に押し出して、容器の内周面に凹陥溝を成型するようにしたものである。
また、特許文献2に記載の方法は、本出願人の出願に係るものであるが、真空成型法により成型する装置にあって、軟化状態にあるプラスチックシートを真空吸引して所望の形状に成型する主金型と、アンダーカット部を成型可能な突出部を有する補助金型との組み合わせからなり、主金型は固定とする一方、補助金型はその突出部がアンダーカット部から離型可能な傾斜角度をもって斜め外側上方に上昇するようにしたものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法は、Oリングを用いることから、長期の使用によってその径が拡大するなど、耐久性に問題があったほか、Oリングの断面が円形であるため、細かな形状の成型が困難であり、高い寸法精度が要求される容器の成型には、必ずしも適当でない場合もあった。
また、上記各文献に記載の方法は、アンダーカット部の成形にエアシリンダにより作動する移動部材(補助金型)を採用したものであり、その構成が複雑であり、金型が高価となるという課題が残される。
ところで、上述した各種容器は、上述したように、合成樹脂シートを加熱して軟化させ、真空吸引等によって金型に密着させて所望の形状に成形する真空成形や、圧空・真空成形の方法により成形することが多い。この場合、合成樹脂シートとしては、従来ポリスチレン(PS)シートが採用されることが多かったが、近年、ポリエチレンテレフタレート(PET)を使用する容器が提案され、特に2軸延伸性を有するPETシート(O−PET)の使用が模索されている。
このようにO−PETシートを使用する目的は、このO−PETシートが、加熱すると収縮しようとする力が働いて硬くなり、薄肉でも相当の強度を保つため、同じ成型品であっても、材料費が約30%節減できるからである。また、透明性や耐熱性に優れており、電子レンジで温める弁当容器等の透明蓋としては、最適だからである。
特開平8−127062号公報 特開2001−301018号公報
しかしながら、O−PETシートを使用する場合、従来の成形方法では、予備加熱によってシートを軟化させても、これを金型に送るまでの間にシートの硬化が始まる。そのため、成形時に全体の伸びが悪く、成形金型の凹凸部に対する密着性が低くなり、必要な成形精度を満たす成形が困難であった。特に、上述したような凹陥部(アンダーカット部)を有する容器を成形する場合、金型のアンダーカット部にシートが正確に密着しないので、高精度な凹陥部を有する容器を成形することが困難であった。また、アンダーカット部以外でも、丸みの少ない角部などに対する密着性も低いものであった(図4の円で囲んだ部分を参照。)。
本発明は、上記課題を解決するために発明をしたものであって、例えばO−PETシート等の延伸合成樹脂シートを使用して凹陥部を有する容器を成形する場合の新たな成形方法及び装置を提案するものである。
上記課題を解決するために、本発明では、請求項1に記載する延伸合成樹脂シートの成形方法の発明として、加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを雌金型の上に配置し、前記雌金型の内側凹部面と対向する外側凸部面が前記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する雄金型を前記雌金型に圧入させ、前記外側凸部面で前記延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧する成形方法であって、前記雄金型を弾性部材で形成するという手段を採用した。
さらに、請求項2に記載する延伸合成樹脂シートの成形方法の発明として、上記加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを上記雌金型の上に配置した後であって、上記雄金型を上記雌金型に圧入する工程の前に、予め真空成形法によって前記延伸合成樹脂シートを雌金型の内側凹部面に沿わせる工程を含むという手段を採用した。
また、請求項3に記載する発明は、上記請求項2に記載する発明において、上記真空成形法に代え、圧空成形法または圧空・真空成形法を適用するという手段を採用した。
そして、請求項4に記載する発明は、雄金型の一部を構成する支持部材に対し、上記雄金型の上記雌金型の内側凹部面と対向し上記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する上記外側凸部の表面に、弾性部材は所望厚さの層を有するように取り付けたものであるという手段を採用した。
また、請求項5に記載する発明は、上記雌金型が、アンダーカット部を有するものであるという手段を採用した。
また、請求項6に記載する発明は、上記雌金型が、固定金型と、その開口周縁部に設けられる移動金型とからなり、上記雄金型をこの雌金型に圧入させて延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧した後、前記移動金型を前記雌金型の内側凹部内に前進させてアンダーカット部とするという手段を採用した。
また、請求項7に記載する発明は、上記各発明において、上記延伸合成樹脂シートがO−PETシートであるという手段を採用した。
そして、請求項8に記載する発明は、上記各発明において、上記弾性部材が、弾性材料としてシリコン系ゴムまたはフッ素系ゴムからなるという手段を採用した。
さらに、請求項9に記載する発明は、上記弾性部材が、上記雌金型に上記いずれかの弾性材料を注入、硬化させて得たものであるという手段を採用した。
そして、請求項10に記載する発明では、完成成形品の外側形状と同じ内側形状である内側凹部を有する雌金型と、この雌金型の凹部面形状と同じ凸部面形状を有し、少なくともその外側凸部の表面は所望厚さの弾性部材の層で形成されている雄金型とからなる一対の成形型を使用する成形装置であって、上記請求項1から請求項9のいずれか1項記載の成形方法を適用した延伸合成樹脂シートの成形装置とするという手段を採用した。
上述した請求項1に係る発明は、雄金型の外側凸部面を雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する弾性部材で形成したものであるから、延伸合成樹脂シートを加熱装置によって軟化させた後、上記雄金型を圧入することにより、弾性部材の滑り特性と弾力性が作用し、シートの全面を均等に押圧する。これにより、シートは雌金型の内側凹部面に沿って完全に密着し、高い精度で成形することができる。
また、請求項2に係る発明は、加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを、予め真空成形法によって上記雌金型の凹部面形状に沿わせた後に、上記雄金型を圧入するので、同様に、シートは雌金型の内側凹部面に沿って完全に密着し、高い精度で成形することができる。
また、請求項3に係る発明のように、真空成形法に代えて、圧空成形法や圧空・真空成形法を適用しても、同等の作用効果を得ることができ、応用の範囲が広がるものである。
そして、請求項4に係る発明は、支持部材に対し、雄金型の外側凸部の表面に弾性部材が所望の厚さを有するように取り付けたものであるから、支持部材により弾性部材は確実に支持され圧入が可能となると共に、所望の厚さとしたので、弾性部材の弾力性を担保して、圧入時の押圧力を維持することができる。
また、請求項5に係る発明のように、上記雌金型がアンダーカット部を有するものであっても、雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状の弾性部材が、アンダーカット部まで入り込み、シートを確実に密着させるので、高い精度で、凹陥部を形成できるようになった。
また、請求項6に係る発明のように、上記雌金型を、固定金型と、その開口周縁部に設けられる移動金型とで構成し、上記雄金型をこの雌金型に圧入させて延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧した後、前記移動金型を前記雌金型の内側凹部内に前進させてアンダーカット部とする場合、弾性部材がアンダーカット部まで入り込む際に生じる摩耗による損傷を防止できるので、より高い精度で、凹陥部を形成できるようになった。
また、請求項7に係る発明のように、延伸合成樹脂シートとしてO−PETシートを採用した場合でも、従来と異なり、上記作用により、精度の高い成形品を成形することが可能である。そして、O−PETシートを使用することで、従来より薄肉でも、同じ強度の成形品を得ることができるので、材料費を約30%節減することが可能となった。さらに、O−PETシートは、透明性や耐熱性にも優れているので、電子レンジで温めることの多い弁当容器などに広く活用することが可能となった。
また、請求項8に係る発明のように、弾性材料としてシリコン系ゴム等を使用した場合には、圧入成形時に、弾性部材の滑り特性や弾力性が担保され、雌金型の内側凹部面に正確に沿った成形が可能である。
さらに、請求項9に係る発明では、弾性部材を、雌金型にシリコン系ゴム等の弾性材料を注入、硬化させて得るようにしたので、弾性部材の凸部面形状を雌金型の凹部面形状と同じ形状にすることができ、成形時の精度を高く維持できる。
そして、請求項10に係る発明では、上述した構成の雌金型と雄金型を一対の成形型として使用し、上記各成形方法を実行する成形装置としたので。完成成形品において、高い精度で凹陥部を形成した成形品を成形可能な成形装置を提供することができた。
以下、本発明に係る延伸合成樹脂シート(例えばO−PETシートに代表される2軸延伸合成樹脂シート)の成形方法及び成形装置の好ましい実施形態について、添付図面に従って説明する。
図1は第1の実施形態を示すもので、図1において、1は、所望の凹陥部を有する成形品(例えば蓋体)を成形するための雌金型で、完成成形品の外側形状と同じ内側形状を有する内側凹部1aを有し、その開口周縁部には、組み合わされる容器本体の開口周縁に嵌合係着可能な凹陥部に対応する形状のアンダーカット部1bが形成されている。2は、上記雌金型1と対をなす雄金型で、上記雌金型1の内側凹部1a面と対向する外側凸部2a面が、上記雌金型1の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有するものであり、適宜な支持部材2bに対して、上記外側凸部2aの表面に所望の厚さで弾性部材2cの層を有するように取り付けたものである。
上記雄金型2は、成形時に雌金型1内に圧入(矢印方向)されるが、その終了時、両金型間に設ける間隔は、成形対象である加熱軟化された合成樹脂シート(S)の厚さより薄い間隔とし、成形時に、圧入した上記弾性部材2cが上記雌金型1に密着する合成樹脂シート(S)の全面を均等に押圧するようにする。但し、これに限定されず、上記間隔をなくして(ゼロにする)雌金型1の凹部面形状と全く同じ凸部面形状としたものであっても、押圧時に、その弾性により収縮、反発するので、同じ作用を得ることができる。
また、上記弾性部材2cとしては、一般的なゴム状の弾性材料を広く採用することが可能である。この場合、圧入時に雌金型1に密着するように押圧する必要があるから、軟質であるが容易に形状が変化しないような性質を有することが好ましく、弾力性、離型性や滑り特性の観点から、シリコン系ゴムやフッ素系ゴムを採用することが望ましい。
なお、上記弾性部材2cを取り付ける支持部材2bは、図示しないシリンダと接続し、雄金型2を上下動させるものである。即ち、本発明の要旨は、雄金型を所定の弾性部材2cで構成して成形するものであるが、この雄金型2を上下動させるためには、所定の支持部材2bに支持させることが現実的であり、この支持部材2bに対して上記凸部面形状を有する所定の厚さ以上の弾力部材の層を設けて、弾性部材2cの弾力性を作用させる必要がある。この厚さは、薄すぎると弾性部材の弾力性を発揮できないので、少なくともその弾力性が成形面に有効に作用するような厚さが選定される。
ここで、先に、上記弾性部材2cの製作方法について、弾性材料としてシリコン系ゴムを使用する場合を例に説明しておく。まず、成形対象である蓋体の外側形状と同じ内側形状を有する凹部1aを有する雌金型1を用意する。そして、図2に示すように、この中に液体状のシリコンゴムと硬化剤とを混合したものを注入して硬化させる。これを離型すると、雌金型1の凹部面形状と全く同じ凸部面形状を有する弾性部材2cを得ることができる。この弾性部材2cを、適宜、上述した支持部材2bに所望の厚さを有するように取り付ければ、前記雄金型1となる。
次に、本発明に係る成形方法について説明する。本発明方法では、上述した構成の雌金型1と雄金型2を一対の成形型として使用する。図1(A)において、従来の真空成形法と同じように、予め予備加熱装置で加熱、軟化させたO−PETシート(S)を雌金型1の上に配置し、内側凹部1a面から吸引して真空状態を作ることによりシート(S)を雌金型1の内側凹部1a面に沿わせる。このとき、O−PETシートの性質により、完全に雌金型1の内側凹部1a面に密着することはなく、特にアンダーカット部1bや角部などに小さな隙間が生じている。続いて、弾性部材2cを有する雄金型2を雌金型1に対して圧入させ、弾性部材2cによってシート(S)の全面に押圧力を作用させ、雌金型1に確実に密着させる。即ち、弾性部材2cは、雌金型1の凹部面形状と全く同じ凸部面形状を有するので、その表面の滑り特性と弾力性により、O−PETシートを傷つけることなくその全面を均等に押圧し、アンダーカット部1bや角部にも入り込んで、図1(B)に示すように、上記隙間をなくし、精度高く雌金型1の内側凹部面に沿って密着させることができるのである。そして、一定時間経過後、シートが完全に硬化すれば、従来方法によって、冷却、取り出し等を行えば、所望の凹陥部を有する蓋体を容易に得ることができる。
なお、上記初期段階において、真空成形法に代えて、圧空成形法、圧空・真空成形法を適用しても同等の作用・効果を得ることができる。
或いは、上記真空成形法によってシート(S)を雌金型1の内側凹部1a面に沿わせる工程を省略し、従来のプレス成形法と同様に、加熱、軟化させたO−PETシート(S)を雌金型1の上に配置した後、直ちに弾性部材2cを有する雄金型2を雌金型1に対して圧入させ、この弾性部材2cによってシート(S)の全面に押圧力を作用させるようにしてもよい。かかる方法によっても、シート(S)を雌金型1に確実に密着させることができる。
続いて、図3は第2の実施形態を示すもので、図3において、11は、所望の凹陥部を有する成形品(例えば蓋体)を成形するための雌金型で、完成成形品の外側形状と同じ内側形状を有する内側凹部11aを有し、その開口周縁部には、組み合わされる容器本体の開口周縁に嵌合係着可能な凹陥部に対応する形状のアンダーカット部11bが形成されている。この雌金型11は、その大部分を形成する固定金型11cと、その開口周縁部に設けた移動金型11dとで構成され、移動金型11dは、図示しないシリンダによって水平方向(矢印方向)に移動可能であり、上記内側凹部11a内に突出することで上記アンダーカット部11bを形成する。
12は、上記雌金型11と対をなす雄金型で、上記雌金型11の内側凹部11a面と対向する外側凸部12a面が、上記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有するものであり、適宜な支持部材12bに対して、上記外側凸部12aの表面に所望の厚さで弾性部材12cの層を有するように取り付けたものである。
なお、この雄金型12の構成や作用は、上述した第1の実施形態に示す雄金型2と、基本的に同じ作用を有するものであり、弾性部材12cとしては、シリコン系ゴムやフッ素系ゴムを採用することが好ましい。また、その製作方法についても、同様であり、所定形状の雌金型に液体状のシリコンゴム等と硬化剤等を注入し、硬化させ、これを離型して得た弾性部材12cを支持部材12bに取り付ける。
次に、上述した構成の雌金型11と雄金型12を一対の成形型として使用する場合の成形方法について、図3に従って説明する。図3(A)において、従来の真空成形法と同じように、予め予備加熱装置で加熱、軟化させたO−PETシート(S)を雌金型11上に配置し、内側凹部11a面から吸引して真空状態を作ることによりシート(S)を雌金型11の内側凹部11a面に沿わせる。このとき、移動金型11dは後退した位置にあり、アンダーカット部11bは形成されていない。また、O−PETシートの性質により、完全に雌金型11の内側凹部11a面に密着することはなく、角部などに小さな隙間が生じている。続いて、弾性部材12cを有する雄金型12を雌金型11に対して圧入させ、弾性部材12cによってシート(S)の全面に押圧力を作用させ、雌金型11に確実に密着させる。即ち、弾性部材12cは、雌金型11の凹部面形状と同じ凸部面形状を有するので、その表面の滑り特性と弾力性により、O−PETシートを傷つけることなくその全面を均等に押圧し、図3(B)に示すように、上記隙間をなくし、精度高く雌金型の内側凹部11a面に沿って密着させることができる。この状態で移動金型11dを矢印方向に前進させると、移動金型11dが雄金型12の凹部12dに嵌入してシート(S)を押し込み、図3(C)に示すように、アンダーカット部11bが形成されることになる。この場合には、移動金型11dの押圧力と弾性部材12cの弾発力が相互に作用して、移動金型11dの前進によって形成されたアンダーカット部11bの形状に沿ってシート(S)が隙間なく密着し、精度高く凹陥部を形成することが可能である。そして、一定時間経過後、シートが完全に硬化すれば、移動金型11dを元の位置に後退させて取り出せば、所望の凹陥部を有する蓋体を容易に得ることができる。
なお、上記初期段階において、真空成形法に代えて、圧空成形法、圧空・真空成形法を適用しても同等の作用・効果を得ることができる。
或いは、上記真空成形法によってシート(S)を雌金型11の内側凹部11a面に沿わせる工程を省略し、従来のプレス成形法と同様に、加熱、軟化させたO−PETシート(S)を雌金型11の上に配置した後、直ちに弾性部材12cを有する雄金型12を雌金型11に対して圧入させ、この弾性部材12cによってシート(S)の全面に押圧力を作用させ、さらに移動金型11dを前進させて成形するようにしてもよい。かかる方法によっても、シート(S)を雌金型11に確実に密着させることができる。
上述した第1の実施形態の場合には、図2(B)に示すように、弾性部材2cを有する雄金型2を雌金型1に対して圧入させた場合、弾性部材2cの表面の滑り特性と弾力性によってシート(S)を均等に押圧し、アンダーカット部1bに入り込んで凹陥部が形成される。このとき、かかる成形作業を繰り返すと、雄金型1の弾性部材2cの上記アンダーカット部1bと対応して突出した部分が次第に摩耗する可能性がある。そうすると、該部での弾性部材2cの入り込みによる凹陥部の形成の精度が低下して、成形精度を高く維持できない場合が生じる。これに対して、上記第2の実施形態によれば、移動金型11dの前進によってアンダーカット部11bが形成されるので、弾性部材12cに対する負担が軽減され、上記突出した部分の摩耗を防止することができるのである。
なお、上記各実施形態では、O−PETシートを使用する場合を例に説明したが、本発明に係る成形方法は、O−PETシートに限らず、他の2軸延伸合成樹脂シートや、1軸延伸合成樹脂シート等にも広く適用可能である。但し、特に、従来成形が困難であったO−PETシートに適用すれば、従来より薄肉で同じ程度の強度の蓋体を得ることができ、材料費を約30%節減することが可能となるものである。また、O−PETシートは、透明性や耐熱性にも優れているので、電子レンジで温めることの多い弁当の蓋体などに広く活用することが可能である。
さらに、雄金型となる弾性部材は、雌金型にシリコン系ゴム等を流し込んで硬化させて製作するので、雌金型と正確に対応する雄金型を製作することが可能であり、特に凹陥部を高精度で成形できる。そのため、密封性を必要とされる各種容器の蓋体の製造にも広く適用できる成形方法である。
本発明に係るシートの成形方法の第1の実施形態の説明断面図である。 シリコン製弾性部材を製作する場合の説明断面図である。 本発明に係るシートの成形方法の第2の実施形態の説明断面図である。 従来の成形法による場合の、シートの金型に対する密着性を示す説明断面図である。
符号の説明
1 雌金型
1a 内側凹部
1b アンダーカット部
2 雄金型
2a 外側凸部
2b 支持部材
2c 弾性部材
11 雌金型
11a 内側凹部
11b アンダーカット部
11c 固定金型
11d 移動金型
12 雄金型
12a 外側凸部
12b 支持部材
12c 弾性部材
12d 凹部

Claims (10)

  1. 加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを雌金型の上に配置し、前記雌金型の内側凹部面と対向する外側凸部面が前記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する雄金型を前記雌金型に圧入させ、前記外側凸部面で前記延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧する成形方法であって、前記雄金型は弾性部材で形成されていることを特徴とする延伸合成樹脂シートの成形方法。
  2. 上記加熱装置によって軟化させた延伸合成樹脂シートを上記雌金型の上に配置した後であって、上記雄金型を上記雌金型に圧入する工程の前に、予め真空成形法によって前記延伸合成樹脂シートを雌金型の内側凹部面に沿わせる工程を含む請求項1記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  3. 上記真空成形法に代え、圧空成形法または圧空・真空成形法を適用した請求項2記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  4. 上記雄金型は、雄金型の一部を構成する支持部材に対し、上記雄金型の上記雌金型の内側凹部面と対向し上記雌金型の凹部面形状と同じ形状の凸部面形状を有する上記外側凸部の表面に、弾性部材は所望厚さの層を有するように取り付けたものである請求項1から請求項3のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  5. 上記雌金型は、アンダーカット部を有するものである請求項1から請求項4のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  6. 上記雌金型は、固定金型と、その開口周縁部に設けられる移動金型とからなり、上記雄金型をこの雌金型に圧入させて延伸合成樹脂シートの全面を均等に押圧した後、前記移動金型を前記雌金型の内側凹部内に前進させてアンダーカット部とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  7. 上記延伸合成樹脂シートがO−PETシートである請求項1から請求項6のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  8. 上記弾性部材が、弾性材料としてシリコン系ゴムまたはフッ素系ゴムからなる請求項1から請求項7のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  9. 上記弾性部材が、上記雌金型に上記いずれかの弾性材料を注入、硬化させて得たものである請求項1から請求項8のいずれか1項記載の延伸合成樹脂シートの成形方法。
  10. 完成成形品の外側形状と同じ内側形状である内側凹部を有する雌金型と、この雌金型の凹部面形状と同じ凸部面形状を有し、少なくともその外側凸部の表面は所望厚さの弾性部材の層で形成されている雄金型とからなる一対の成形型を使用する成形装置であって、上記請求項1から請求項9のいずれか1項記載の成形方法を適用することを特徴とする延伸合成樹脂シートの成形装置。
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