JP2010120138A - 粒子噴射ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル先端部を大型化することなく硬質粒子の拡散を防止する。
【解決手段】加工対象物5の表面に圧縮空気により硬質粒子4を照射する粒子噴射ノズルであって、硬質粒子照射用の通路PS2を有する噴射用管部材1と、噴射用管部材1の内周面に沿って旋回しつつ噴射用管部材1の一端部側の噴出口1aに向けて流れるように圧縮空気に旋回流を発生させる旋回流発生機構10と、噴射用管部材1における旋回流の発生部よりも通路下流側に、硬質粒子4を供給する粒子供給手段2とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】加工対象物5の表面に圧縮空気により硬質粒子4を照射する粒子噴射ノズルであって、硬質粒子照射用の通路PS2を有する噴射用管部材1と、噴射用管部材1の内周面に沿って旋回しつつ噴射用管部材1の一端部側の噴出口1aに向けて流れるように圧縮空気に旋回流を発生させる旋回流発生機構10と、噴射用管部材1における旋回流の発生部よりも通路下流側に、硬質粒子4を供給する粒子供給手段2とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、加工対象物の表面にショットブラストやショットピーニングを照射する粒子噴射ノズルに関する。
従来より、機械部品等のワークの表面を硬化または研掃するための手段として、圧縮空気によってノズルの先端から硬質粒子をワークに噴射衝突させるショットピーニングやショットブラストといった方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載のノズルには、ノズル先端部に硬質粒子の噴孔が形成されるとともに、硬質粒子が放射状に広がって噴射されることを防止するために、この硬質粒子の噴孔を囲繞するように搬送用流体の噴孔が形成される。さらにノズル先端部に振動機構が設けられ、振動機構により振動を加えて硬質粒子の噴出を促進する。
しかしながら、上記特許文献1記載のノズルには、ノズル先端部に硬質粒子の噴孔を囲繞するように搬送用流体の噴孔が形成されるとともに、振動機構が備えられるため、ノズル先端部が大型化し、狭小空間にノズル先端部を挿入してショットブラスト等を行うことが困難である。
本発明は、加工対象物の表面に圧縮空気により硬質粒子を照射する粒子噴射ノズルであって、硬質粒子照射用の通路を有する噴射用管部材と、噴射用管部材の内周面に沿って旋回しつつ噴射用管部材の一端部側の噴出口に向けて硬質粒子が流れるように圧縮空気に旋回流を発生させる旋回流発生機構と、噴射用管部材の通路内に硬質粒子を供給する粒子供給手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、管部材の内周面に沿って旋回しつつ噴出口に向けて硬質粒子が流れるように硬質粒子照射用の圧縮空気に旋回流を発生させるようにしたので、ノズル先端部を大型化することなく、噴出口から噴出される硬質粒子の拡散を防ぐことができる。
−第1の実施の形態−
以下、図1,図2を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す断面図である。この噴射ノズルは、機械部品等の加工対象物の表面にショットブラストやショットピーニング加工をするために用いられる。すなわち噴射ノズルは、鉄鋼材料やガラス、セラミックなどの硬質粒子を噴射し、衝突させることにより、加工対象物の表面研掃や表面硬化等の処理を行うものである。
以下、図1,図2を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す断面図である。この噴射ノズルは、機械部品等の加工対象物の表面にショットブラストやショットピーニング加工をするために用いられる。すなわち噴射ノズルは、鉄鋼材料やガラス、セラミックなどの硬質粒子を噴射し、衝突させることにより、加工対象物の表面研掃や表面硬化等の処理を行うものである。
図1に示す噴射ノズルは、流路管1と、流路管1に直列かつ流路管1と同軸上に配設された吸入管2とを有する。吸入管2は流路管1の端部の隔壁3を貫通して支持されている。流路管1と吸入管2は、硬質粒子4が通過する通路PS1,PS2を形成する。なお、隔壁3は後述のチャンバ11を形成する。吸入管2の上流側(図の右側)には、硬質粒子4の供給源である粒子供給部(不図示)が設けられ、硬質粒子4は、この粒子供給部から吸入管2を介して流路管1内に供給される。
流路管1の端部において、流路管1の周囲にはチャンバ11が設けられている。チャンバ11には送入管12が接続され、送入管12を介してチャンバ11内に圧縮空気が供給される。流路管1の端部には、吸入管2の先端部よりも上流側にて、隔壁3との間に全周にわたり環状の細隙13が形成され、細隙13を介してチャンバ11と流路管1内の通路PS2とが連通している。
さらに流路管1には、細隙13から通路下流側(図の左側)にかけて通路PS2の内径が徐々に縮小する傾斜面部14が形成され、吸入管2の端部はこの傾斜面部14の内側に傾斜面部14から離間して配置されている。以上のチャンバ11と細隙13と傾斜面部14は旋回流発生機構10を構成する。
第1の実施の形態に係る噴射ノズルの動作を説明する。送入管12を介してチャンバ11内に送入された圧縮空気は、チャンバ11内に蓄えられた後、細隙13を介して全周方向から均一に通路SP2内に噴出する。通路SP2内に噴出した空気は、傾斜面部14に沿って旋回しながら流れ、旋回流(いわゆるコアンダスパイラルフロー)が形成される。この旋回流は流路管1の内周面に沿って通路PS2内を流れ、噴出口1aから噴出する。
このとき旋回流の中心部は負圧となるため、吸入管2内の硬質粒子4が負圧により吸引され、通路PS2内に導かれる。通路PS2内に導かれた硬質粒子4は、旋回流れに沿って搬送され、噴出口1aから噴出する。噴出した硬質粒子4は、加工対象物5の表面に衝突し、これにより加工面の硬化または研掃が行われる。このとき噴出口1aからは図2(a)に示すように旋回流れに沿って硬質粒子4が噴射され、硬質粒子4は旋回しつつ加工対象物5に向かって進行するため、硬質粒子4が放射状に拡散することを防止できる。その結果、ノズルの中心部に面した加工対象物表面の単位面積当たりに衝突する硬質粒子量を増加することができ、研掃や強化などの表面処理効果を高めることができる。
第1の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)流路管1と吸入管2とを同軸上に連設して硬質粒子照射用の通路PS1,PS2を形成し、流路管1の一端部に硬質粒子4の噴出口1aを、他端部に旋回流を発生させる旋回流発生機構10を設けた。これにより硬質粒子4が圧縮空気の旋回流に沿って流路管1内を旋回して流れ、流路管1の端部の噴出口1aから硬質粒子4が旋回して噴出される。このため、硬質粒子4が拡散することを抑制することができ、加工対象物表面の単位面積当たりに衝突する硬質粒子量を増加することができる。また、ノズル先端部が大型化することなく、ノズル先端部を深溝や穴内部等の狭小空間に挿入してショットブラスト等を容易に行うことができる。さらに、図2(b)に示すような硬質粒子4の管路1内壁面への直線的な衝突を避けることができ、流路管1の内壁の磨耗を抑えることができるとともに、流路管1への硬質粒子4の付着凝固や流路管1の詰まりを防止でき、硬質粒子4をスムーズに噴出口1aから噴出できる。
(1)流路管1と吸入管2とを同軸上に連設して硬質粒子照射用の通路PS1,PS2を形成し、流路管1の一端部に硬質粒子4の噴出口1aを、他端部に旋回流を発生させる旋回流発生機構10を設けた。これにより硬質粒子4が圧縮空気の旋回流に沿って流路管1内を旋回して流れ、流路管1の端部の噴出口1aから硬質粒子4が旋回して噴出される。このため、硬質粒子4が拡散することを抑制することができ、加工対象物表面の単位面積当たりに衝突する硬質粒子量を増加することができる。また、ノズル先端部が大型化することなく、ノズル先端部を深溝や穴内部等の狭小空間に挿入してショットブラスト等を容易に行うことができる。さらに、図2(b)に示すような硬質粒子4の管路1内壁面への直線的な衝突を避けることができ、流路管1の内壁の磨耗を抑えることができるとともに、流路管1への硬質粒子4の付着凝固や流路管1の詰まりを防止でき、硬質粒子4をスムーズに噴出口1aから噴出できる。
(2)硬質粒子4の拡散を抑制できるので、ノズル先端部を加工対象物の表面に必要以上に接近させる必要がなく、硬質粒子4が加工対象物から反射してノズル先端部に衝突することによりノズル先端部が損傷することを防止できる。
(3)流路管1の端部の隔壁3を貫通して吸入管2を設け、流路管1の周囲に圧縮空気用チャンバ11を形成して、チャンバ11と通路SP2とを流路管1の端部と隔壁3との間の環状の細隙13を介して連通するとともに、細隙13から通路下流側にかけて通路径が縮小するように傾斜面部14を形成した。これにより振動機構等を設けることなく、簡易な構成により旋回流の発生部において吸入管2から硬質粒子4を効率よく吸い込むことができる。
(3)流路管1の端部の隔壁3を貫通して吸入管2を設け、流路管1の周囲に圧縮空気用チャンバ11を形成して、チャンバ11と通路SP2とを流路管1の端部と隔壁3との間の環状の細隙13を介して連通するとともに、細隙13から通路下流側にかけて通路径が縮小するように傾斜面部14を形成した。これにより振動機構等を設けることなく、簡易な構成により旋回流の発生部において吸入管2から硬質粒子4を効率よく吸い込むことができる。
−第2の実施の形態−
図3を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第2の実施の形態について説明する。
図3(a)は、第2の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)のb−b線断面図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、流路管1の内部に棒部材6を延設する点である。
図3を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第2の実施の形態について説明する。
図3(a)は、第2の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す断面図であり、図3(b)は図3(a)のb−b線断面図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、流路管1の内部に棒部材6を延設する点である。
すなわち図3に示すように流路管1の内部にはその軸線に沿って棒部材6が延設され、棒部材6の一端部は、流路管1の端部の噴出口1aよりも外側に突出している。棒部材6の他端部は吸入管2内に挿入されている。図3(b)に示すように、棒部材6の周囲には例えば周方向3カ所に棒状の支持部7が設けられ、棒部材6はこれら支持部7を介して吸入管2の内周面から支持されている。
第2の実施の形態では、旋回流発生機構10により通路PS2内に旋回流が発生すると、吸入管2内の硬質粒子4が支持部7の間の隙間を通過して流路管1内に流入する。流路管1内では棒部材6に沿って棒部材6の周囲を硬質粒子4が旋回する。噴出口1aから噴出された後も、硬質粒子4は棒部材6に沿って旋回し、加工対象物5の表面に衝突する。
このように第2の実施の形態では、流路管1内に棒部材6を同軸上に延設するとともに、棒部材6の先端部を流路管端部の噴出口1aから突出するようにしたので、流路管1の外側でも安定した旋回流れが維持され、硬質粒子4の拡散を良好に防ぐことができる。また、支持部7が流路管1の内周面から離間して設けられるので、支持部7により旋回流れが妨げられることを防止でき、噴射効率を向上できる。吸入管2には圧縮空気が流れないため、支持部7に圧縮噴流が衝突することがなく、支持部7の損傷等も防止できる。流路管1と吸入管2を互いに同軸上に設け、棒部材6を吸入管2の軸中心上で支持するようにしたので、棒部材6が旋回流れの妨げとなることを防止できる。
−第3の実施の形態−
図4〜図7を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第3の実施の形態について説明する。
図4は、第3の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、流路管1内の通路PS2の形状である。
図4〜図7を参照して本発明による粒子噴射ノズルの第3の実施の形態について説明する。
図4は、第3の実施の形態に係る粒子噴射ノズルの概略構成を示す図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、流路管1内の通路PS2の形状である。
すなわち、図4に示すように流路管1の内周面には、傾斜面部14よりも下流側に、通路下流側にかけて通路PS2の内径が徐々に縮小する傾斜面部8が設けられている。このように傾斜面部8を設けることで、通路径が絞られて旋回流が加速され、硬質粒子4が加工対象物5に衝突する際の衝撃力を高めることができる。その結果、加工面の硬化および研掃の効果を高めることができる。
なお、傾斜面部8は1カ所に限らず、複数箇所に設けてもよい。図5は、傾斜面部8を2カ所設けた例である。このように傾斜面部8を複数設けることで、旋回流をより加速することができ、加工面の硬化および研掃の効果をより高めることができる。なお、傾斜面部8の絞り量を大きくしすぎると、流路管1の内壁面の磨耗が問題となるため、絞り量が大きい場合には、傾斜面部8を複数設けて絞り領域を複数に分けることが好ましい。
通路PS2に傾斜面部8を設けるだけでなく、棒部材6を延設するようにしてもよい。図6,7はその一例であり、図6では傾斜面部8が1カ所、図7では傾斜面部8が2カ所設けられている。このように通路PS2に傾斜面部8と棒部材6を設けることで、硬質粒子4の安定した旋回流れを維持しつつ、加工面での硬質粒子4の衝突力を高めることができる。
なお、上記実施の形態では、硬質粒子照射用の通路PS1,PS2を形成する管部材としての流路管1(噴射用管部材)と吸入管2(粒子供給用管部材)とを連設し、吸入管2の端部を旋回流の発生部である細隙13よりも通路下流側に配置したが、吸入管2の端部を細隙13よりも通路上流側に配置してもよい。旋回流れによる負圧によって吸入管2から流路管1に硬質粒子4が吸い込まれるようにしたが、負圧を利用して硬質粒子4を供給するのであれば、粒子供給手段はいかなるものでもよい。棒状部材としての棒部材6は片持ちで支持してもよいし、両持ちで支持してもよい。
流路管1の周囲に圧縮空気用チャンバ11を設け、このチャンバ11と通路PS2とを環状の細隙13で連通するとともに、細隙13から通路下流側にかけて通路径が徐々に縮小する傾斜面部14(通路縮径部)を設けることにより旋回流発生機構10を構成したが、流路管1の内周面に沿って旋回しつつ噴出口1aに向けて流れる圧縮空気の旋回流を発生させるのであれば、旋回流発生機構10の構成はいかなるものでもよい。旋回流を加速する旋回流れ加速部としての傾斜面部8の構成も上述したものに限らない。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の粒子噴射ノズルに限定されない。
1 流路管
2 吸入管
6 棒部材
8 傾斜面部
10 旋回流発生機構
11 チャンバ
13 環状細隙
14 傾斜面部
PS2 通路
2 吸入管
6 棒部材
8 傾斜面部
10 旋回流発生機構
11 チャンバ
13 環状細隙
14 傾斜面部
PS2 通路
Claims (4)
- 加工対象物の表面に圧縮空気により硬質粒子を照射する粒子噴射ノズルであって、
硬質粒子照射用の通路を有する噴射用管部材と、
前記噴射用管部材の内周面に沿って旋回しつつ前記噴射用管部材の一端部側の噴出口に向けて前記硬質粒子が流れるように前記圧縮空気に旋回流を発生させる旋回流発生機構と、
前記噴射用管部材の通路内に前記硬質粒子を供給する粒子供給手段とを備えることを特徴とする粒子噴射ノズル。 - 請求項1に記載の粒子噴射ノズルにおいて、
前記粒子供給手段は、前記噴射用管部材の他端部側に連設されてこの噴射用管部材内に前記硬質粒子を導く粒子供給用管部材を有し、
前記旋回流発生機構は、
前記噴射用管部材の周囲に設けられた圧縮空気用チャンバと、
前記圧縮空気用チャンバと前記噴射用管部材の内側通路とを連通する環状の細隙と、
前記環状の細隙から通路下流側にかけて前記通路の径が徐々に縮小する通路縮径部とを有することを特徴とする粒子噴射ノズル。 - 請求項1または2に記載の粒子噴射ノズルにおいて、
前記通路の中心部に延設され、先端部が前記噴出口から突出した棒状部材をさらに有することを特徴とする粒子噴射ノズル。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子噴射ノズルにおいて、
前記通路は、前記旋回流の発生部と前記噴出口との間で通路径が徐々に縮小する旋回流れ加速部を有することを特徴とする粒子噴射ノズル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008297611A JP2010120138A (ja) | 2008-11-21 | 2008-11-21 | 粒子噴射ノズル |
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2008
- 2008-11-21 JP JP2008297611A patent/JP2010120138A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130326 |