以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明にかかる画像処理装置を複合機(MFP)に適用した場合の全体構成の一例を示すブロック図である。
この画像処理装置10は、本発明の画像入力手段としての読取り部11と、第1の画像データ処理部12と、バス制御部13と、本発明の画像処理手段としての第2の画像データ処理部14と、ハードディスクドライブ(HDD)15と、CPU16と、本発明の記憶手段としてのメモリ17と、プロッタインタフェース(I/F)部18と、プロッタ部19と、本発明の設定手段、表示手段、入力手段、通知手段としての操作表示部20と、サウスブリッジ(SB)21と、ROM22と、回線インタフェース(I/F)部23と、第1の外部インタフェース(I/F)部24と、第2の外部インタフェース(I/F)部25と、を有する。
読取り部11は、CCD光電変換素子を有するラインセンサと、A/Dコンバータと、それらを駆動する駆動回路と、を含み、セットされた原稿をスキャンすることで得られる原稿の濃淡情報に基づいて、RGB各8ビットのディジタル画像データを生成して第1の画像データ処理部12に出力する。
第1の画像データ処理部12は、読取り部11から入力されるディジタル画像データに対して、予め定めた特性に統一する処理を実施して出力する。統一された特性の画像データは、画像処理装置10内部に蓄積され、その後再利用する場合に、出力先の変更に適する特性で出力される。
図2は、第1の画像データ処理部12の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、第1の画像データ処理部12は、ガンマ変換処理部40と、フィルタ処理部41と、色変換処理部42と、変倍処理部43と、を含んでいる。
ガンマ変換処理部40は、読取り部11から入力されるRGB画像データに対して、その明るさを予め定めた特性に統一してフィルタ処理部41に出力する。本実施形態では、例えば、ガンマ変換処理部40は、読取り部11から入力されるRGB画像データを明度リニアな特性に変換する。
フィルタ処理部41は、入力されるRGB画像データに対して、その鮮鋭性を予め定めた特性に統一して色変換部42に出力する。本実施形態では、例えば、フィルタ処理部41は、基準チャートをスキャンしたときに、線数毎に対して予め定めたMTF特性値になるように変換する。
色変換処理部42は、入力されるRGB画像データに対して、その色を予め定めた特性に統一して変倍処理部43に出力する。本実施形態では、例えば、色変換処理部42は、色空間がAdobe社で定義されるAdobe−RGB色空間になるように変換する。
変倍処理部43は、色変換後のRGB画像データに対して、そのサイズ(解像度)を使用者(ユーザ)が設定した解像度に変換(変更)する処理を実施する。ただし、副走査方向に関しては、変倍処理部43を使用せずに、読取り部11の読み取り速度を変更することでRGB画像データの解像度を変更するようにしても良い。また、読取り部11の読み取り速度と変倍処理部43とを組み合わせてRGB画像データの解像度を変更するようにしても良い。また、RGB画像データの再利用性を考慮して、使用者の設定値に関わらず、RGB画像データの解像度をある所定の値(例えば、600dpi等)に変換するようにしても良い。
再び図1を参照すると、バス制御部13は、画像処理装置10内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データの送受信を行うデータバスの制御回路であり、複数種のバス規格間のブリッジ機能を有している。本実施形態では、バス制御部13は、第1の画像データ処理部12、第2の画像データ処理部14、CPU16とはPCI−Expressバスで接続し、また、HDD15とはIDEを拡張して規格化されたATAバスで接続してASIC化されている。
第2の画像データ処理部14は、第1の画像データ処理部12により予め定めた特性に統一されたディジタル画像データに対し、ユーザから指定される出力先に適した画像処理を実施して出力する。
図3は、第2の画像データ処理部14の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、第2の画像データ処理部14は、地肌除去処理部50と、孤立点除去処理部51と、フィルタ処理部52と、色変換処理部53と、変倍処理部54と、階調処理部55と、圧縮処理部56と、を含んでいる。
地肌除去処理部50は、RGB画像データの地肌部をラインごとに追従しながら算出し、適切な地肌値を除去する処理を実施する。
孤立点除去処理部51は、RGB画像データ中の孤立点を検出して削除する処理を実施する。
フィルタ処理部52は、プロッタ部19に出力する場合の再現性が良くなるように、RGB画像データの鮮鋭性を補正する処理を実施する。具体的には、フィルタ処理部52は、ユーザが所望するモード情報(画質情報)に従って、鮮鋭化/平滑化処理をRGB画像データに対して実施する。例えば、文字原稿モードでは、フィルタ処理部52は、文字をハッキリ/クッキリさせるために、鮮鋭化処理をRGB画像データに対して実施する。また、写真原稿モードでは、フィルタ処理部52は、滑らかに階調性を表現するために、平滑化処理をRGB画像データに対して実施する。
色変換処理部53は、RGB各8ビットの画像データを指定される色空間に変換する処理を実施する。本実施形態においては、色変換処理部53のデフォルトの処理を、USBメモリへの画像データの配信で一般的に使用されるsRGB色空間にRGB各8ビットの画像データを変換する処理とする。
変倍処理部54は、sRGB画像データのサイズ(解像度)を、指定されたUSBメモリへの画像データの配信で送受される解像度に変換する処理を実施する。なお、第1の画像データ処理部12内の変倍処理部43(図2参照)においてRGB画像データの解像度が使用者によって設定された解像度以下に既に変換されている場合には、変倍処理部54は何もしなくても良い。
階調処理部55は、画像データの階調数を使用者によって指定された階調数に変換する処理を実施する。本実施形態においては、階調処理部55のデフォルトの処理を、画像データの階調をRGB各8ビット(約1677万色に相当)に変換する処理とする。
圧縮処理部56は、画像データに対して圧縮処理を実施する。本実施形態では、代表的な圧縮処理として、画像データが多値データの場合にはJPEG圧縮を利用し、画像データが二値データの場合にはMMR圧縮を利用するものとする。
再び図1を参照すると、HDD15は、パーソナルコンピュータ等にも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置であり、主にディジタル画像データ及びディジタル画像データの付帯情報を蓄積(記憶)するためのものである。なお、本実施形態では、HDD15としては、例えば、ATAバス接続のハードディスクを使用することができる。
CPU16は、画像処理装置10の制御全体を司るマイクロプロセッサである。なお、本実施形態では、近年普及してきたCPUコア単体に種々の機能を追加したIntegrated CPUを使用することができ、例えば、PMC社のRM11100(商標)で、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用することができる。CPU16は、USBメモリ33のリード/ライトを制御しており、USBメモリ33の残容量等を検出する。
メモリ17は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や、接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にデータを記憶したり、CPU16が画像処理装置10の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU16は、高速処理が求められるため、通常起動時にROM22に記憶されたブートプログラムを実行することによってシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ17に展開されたプログラムを実行することによって処理を行う。本実施形態では、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMを使用することができる。
プロッタインタフェース(I/F)部18は、CPU16にインテグレートされた汎用規格I/Fを経由して送出されてくるCMYKのディジタル画像データを受け取ると、プロッタ部9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施形態では、汎用規格I/Fとして、例えば、PCI−Expressバスを使用することができる。
プロッタ部19は、CMYKのディジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスを使用して、転写紙に受け取った画像データを出力する。
SB21は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつであり、汎用の電子デバイスである。SB21は、主にPCI−ExpressとISA(Industry Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、PCI−ExpressバスとROM22との間をブリッジしている。
ROM22は、CPU16が画像処理装置10の制御を行う際のプログラム(ブートプログラムを含む)が格納されるメモリである。
操作表示部20は、画像処理装置10とユーザ(使用者)のインタフェースを行う部分であり、LCD(液晶表示装置)とキースイッチを含んで構成され、画像処理装置10の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのキースイッチ入力を受け付ける。本実施形態では、操作表示部20は、PCI−Expressバスを介してCPU16に接続されている。使用者は、所望する画質に関する画質情報の設定を操作表示部20に行うことができる。
回線インタフェース(I/F)部23は、PCI−Expressバスと電話回線とを接続する回路であり、この回線インタフェース(I/F)部23により、画像処理装置10は電話回線を介して各種データの送受信を行うことが可能になる。
第1の外部インタフェース(I/F)部24は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する回路であり、この第1の外部インタフェース(I/F)部24により、画像処理装置10は外部装置と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施形態では、第1の外部インタフェース(I/F)部24の接続インタフェースとしてネットワーク(イーサネット(登録商標))を使用する。すなわち、画像処理装置10は、第1の外部インタフェース(I/F)部24を介してネットワークに接続されている。
第2の外部インタフェース(I/F)部25は、第1の外部インタフェース(I/F)部24と同様に、PCI−Expressバスと外部装置とを接続する回路である。本実施形態で、第2の外部インタフェース(I/F)部25の接続インタフェースとしてUSB(Universal Serial Bus)を使用する。
FAX31は、一般的なファクシミリ装置であり、電話回線を介して画像処理装置10と画像データの送受信を行う。
PC32は、いわゆるパーソナルコンピュータである。PC32にインストールされたアプリケーションソフトウェアやドライバソフトウェアを介して、ユーザは画像処理装置10に対して各種制御や画像データの入出力を行う。
USBメモリ33は、フラッシュメモリ及びUSBインタフェース回路を含んで構成される。USBメモリ33は、USB接続ポートを備える機器であれば利用可能であるため、利便性が大変高い可搬型記憶装置である。本実施形態では、画像処理装置10が、画像処理を実施した後の画像データを第2の外部インタフェース(I/F)部25を介してUSBメモリ33に格納する。
(コピー動作)
上記構成の画像処理装置10のコピー動作の概略を説明する。ユーザは読取り部11に原稿をセットし、所望するモード等の設定とコピー開始の入力を操作表示部20に行う。操作表示部20は、ユーザから入力された情報(コピーモード等)を、機器内部の制御コマンドデータに変換して発行する。発行された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介してCPU16に通知される。
CPU16は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を実行する。以下に動作プロセスを説明する。
まず、読取り部11で原稿をスキャンして得られるRGB各8ビットのディジタル画像データ(以下、「RGB画像データ」と称する。)は、第1の画像データ処理部12で予め定めた特性に統一され、バス制御部13に送られる。
バス制御部13は、第1の画像データ処理部12から入力されるRGB画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する。メモリ17に蓄積されたRGB画像データは、CPU16およびバス制御部13を介して、第2の画像データ処理部14に送られる。
第2の画像データ処理部14は、受け取ったRGB画像データを、プロッタ出力用のCMYK画像データに変換して、バス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力されるCMYK画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する。
次に、メモリ17に蓄積されたCMYK画像データは、CPU16およびプロッタインタフェース(I/F)部18を介して、プロッタ部19に送られる。プロッタ部19は、受け取ったCMYK画像データを転写紙に出力し、原稿のコピーが生成される。
(スキャナ配信動作)
上記構成の画像処理装置10のスキャナ配信動作の概略を説明する。まず、ユーザは原稿を読取り部11にセットし、所望するモード等の設定とスキャナ配信開始の入力を操作表示部20に行う。操作表示部20は、ユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU16に通知される。
CPU16は、スキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスのプログラムを実行し、スキャナ配信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に説明する。
読取り部11で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのディジタル画像データ(以下、「RGB画像データ」と称する。)は、第1の画像データ処理部12により予め定めた特性に統一され、バス制御部13に送られる。バス制御部13は、第1の画像データ処理部12から入力されるRGB画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する。
次に、メモリ17に蓄積されたRGB画像データは、CPU16およびバス制御部13を介して、第2の画像データ処理部14に送られる。第2の画像データ処理部14は、入力されるRGB画像データを、スキャナ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。
バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する。メモリ17に蓄積された画像データは、CPU16を介して、第1の外部インタフェース(I/F)部24に送られる。第1の外部インタフェース(I/F)部24は、入力される画像データを、ネットワークを介して接続されるPC32に送信する。
(USBメモリ配信動作)
上記構成の画像処理装置10のUSBメモリ配信動作の概略を説明する。まず、ユーザは原稿を読取り部11にセットし、所望するモード(画質情報)等の設定とUSBメモリ配信開始の入力を操作表示部20に行う。操作表示部20は、ユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU16に通知される。
CPU16は、USBメモリ配信開始の制御コマンドデータに従って、USBメモリ配信動作プロセスのプログラムを実行し、USBメモリ配信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に説明する。
図4は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信動作の手順を示すフローチャートである。
読取り部11で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのディジタル画像データ(以下、「RGB画像データ」と称する。)は、第1の画像データ処理部12によって、予め定めた特性に統一され、バス制御部13に送られる(ステップS1)。
バス制御部13は、第1の画像データ処理部12から入力されるRGB画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS2)。
次に、メモリ17に蓄積されたRGB画像データは、CPU16およびバス制御部13を介して、第2の画像データ処理部14に送られる(ステップS3)。
第2の画像データ処理部14は、入力されるRGB画像データに対して、地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データを、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS4)。
CPU16は、第2の外部インタフェース(I/F)部25を介してUSBメモリ33の空き容量を算出し、メモリ17に蓄積された画像データのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量以下である(画像データサイズ≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS5)。
そして、CPU16が、画像データのデータ量が所定値(ここでは、USBメモリ33の空き容量)以下であると判定した場合(ステップS5:Yes)、メモリ17に蓄積された画像データは、CPU16を介して第2の外部インタフェース(I/F)部25に送られる(ステップS6)。
第2の外部インタフェース(I/F)部25は、受け取った画像データを、USBで接続したUSBメモリ33に送信する(ステップS7)。
また、CPU16が、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(画像データサイズ>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS5:No)、画像データがUSBメモリ33に納まらないため、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量以下になるようにデータ変換(画像処理)を行う必要がある。そこで、CPU16は、メモリ17に蓄積されている画像データをバス制御部13を介して第2の画像データ処理部14に再び送信する(ステップS8)。
ステップS8において第2の画像データ処理部14に再び送信される画像データは、(a)第1の画像データ処理部12から出力されたステップS2終了時の画像データ、(b)第2の画像データ処理部14で一度処理を行った後のステップS4終了時の画像データ、のいずれであっても良い。ステップS8において上記(a)、(b)のいずれの画像データを第2の画像データ処理部14に再び送信することとしても、本発明を適用することができる。
ステップS8において上記(a)の画像データを第2の画像データ処理部14に再び送信することとすると、ステップS3以降においても上記(a)の画像データを保持しておく必要があるので、メモリ17に2頁分(上記(a)及び(b)の画像データ)の容量が必要になる。しかし、上記(a)の画像データは圧縮(ステップS4)前の画像データであり、再圧縮が発生しないので、上記(b)の画像データを第2の画像データ処理部14に再び送信する場合よりも画質的には有利である。そこで、本実施形態では、ステップS8において上記(a)の画像データを第2の画像データ処理部14に再び送信する場合について説明するものとする。
第2の画像データ変換部14は、再び送信された画像データに対してデータ変換処理(画像処理)を実施する(ステップS9)。しかし、本実施形態においては、データ変換処理の内容は使用者の設定(画質情報)に応じて異なってくるので、データ変換処理の内容の詳細は後述する。第2の画像データ変換部14は、後述するデータ変換処理を行い、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量以下になると、その画像データをメモリ17に蓄積する。
そして、データ変換後の画像データをCPU16又は第2の画像データ処理部14によってプレビュー画面用の画像に変換し、操作表示部20に送信することで、変換後の画像データのプレビュー画面を表示する(ステップS10)。使用者はプレビュー画面を見て、変換後の画像が許容できるかどうかを確認する。許容できるのであればステップS6(前述)の処理に進み、変換後の画像データを許容できないのであれば処理をここで中止するようにしても良い。場合によっては入力原稿と変換後の画像が大きく異なることがあるので、入力原稿と変換後の画像との差異を許容できるか否かを使用者に選択可能とさせることで、使用者の利便性の向上を図ることができる。
次に、データ変換処理(ステップS9)の内容について詳細に説明する。
先に説明したように、データ変換処理(ステップS9)の内容は、使用者の設定(画質情報)に応じて異なってくる。本実施形態においては、
(1)文字原稿モードの場合
(2)写真原稿モードの場合
(3)地図原稿モードの場合
(4)蛍光ペン原稿モードの場合
(5)ACS判定:モノクロ最大の場合
(6)高階調読み取りの場合
(7)ハイコントラスト設定の場合
の7つの場合を例に挙げて、データ変換処理の内容について説明する。なお、本発明はこれらの設定に限られるものではなく、これら以外の設定を可能とするようにしても良い。
ここで、データ変換処理の内容の説明に先立って、上記(1)〜(7)の全ての場合の説明において使用する「データA」、「データB」という言葉を定義する。
図5は、データA及びデータBの概要及び送信順序を示す図である。
データBとは、第1の画像データ処理部12で処理されメモリ17に蓄積された画像データに対して使用者に領域選択をしてもらい、その領域選択された箇所のみを抽出した画像データのことをいうものとする。また、データAとは、データBをメモリ17から第2の画像データ処理部14に送信し、第2の画像データ処理部14において処理された後の画像データのことをいうものとする。
(実施例1) 文字原稿モード
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:文字原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各8ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
図6は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の文字原稿モード時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS11)。図6に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS11:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS12)。
図7は、プレビュー画面の一例を示す図である。図7に示すプレビュー画面60においては、文書(報告書)の画像61が表示されている。また、画像61のどの程度がUSBメモリ33に送信可能であるかの目安(ここでは、約60%)を表す文字列が表示されている。使用者は、画像61の文字の無い余白部やあまり必要のない箇所を除き、画像61の必要な箇所のみを選択するようにすると良い。ここでは、使用者は、画像61内の左上方部の点61a及び右下方部の点61bを指定し、点61a、61bで定まる矩形領域61cを選択するものとする。そして、使用者が操作表示部20のプレビュー画面60内の「完了」ボタン(アイコン)62を押すと、矩形領域61cの左上座標(点61aの座標)と右下座標(点61bの座標)の数値が拡張バスを介してCPU16に通知される。なお、ここでは使用者に必要領域を選択させるようにしたが、余白部のみを検出して必要領域を選択する処理を画像処理装置(MFP)10自身が自動で行うようにしてもよい。
再び図6を参照すると、CPU16は、上記の点61a、61bの座標の数値に基づいて、使用者が選択した領域61cの画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS13)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS14)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS14:No)、処理を終了する。この場合、前述したステップS6〜S7(図4参照)においてデータAがUSBメモリ33に書き込まれることになる。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS14:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第7の7つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS15〜ステップS27)。例えば、メモリ17に蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量がほとんど同じであり、あと少しだけデータAのデータ量を削減すればUSBメモリ33に格納可能である場合と、データAのデータ量に対してUSBメモリ33の空き容量が大幅に不足しており、データAのデータ量を大幅に削減しないとなかなかUSBメモリ33に格納できない場合とでは、はじめからデータ変換処理のアプローチを切り分けることが好適である。そこで、ステップS15以降においては、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかに応じて、第1〜第7のデータ変換処理を切り換えて実施することとしている。
なお、ステップS15以降においては、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定するためにデータAのデータ量に乗じる値として98%、95%、50%等の値を使用しているが、これらの値はあくまで一例であり、本発明はこれらの値に限定されるものではない。実際には、様々な原稿をテストし、どの程度の値を使用することが妥当であるかを求め、設定すると好適である。
また、図8に、第1〜第7のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行っても良い。図8に示す第1〜第7のデータ変換処理の内の幾つかにおいて、QF(Quality Factor:JPEGの圧縮率と相関のある係数で5〜95の範囲で設定可能であり、QFの値が大きいほど圧縮率は小さく、QFの値が小さいほど圧縮率は大きい。)を新たに設定するが、その新たなQFの値は、デフォルト値(初期設定値)からのパーセンテージで算出している。たとえば、「QF=QF×0.5」という記載であれば、QFの値をデフォルト設定値の50%(例えば、QFのデフォルト設定値が「70」の場合には「35」)に設定しなおすという意味である。また、QFのデフォルト設定値は、解像度に応じて異なるようにしても良い。このQFのデフォルト設定値からのパーセンテージの値もあくまで一例である。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS14:Yes)、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS15)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.98を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の98%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS15:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS16)。
再び図8を参照すると、第1のデータ変換処理は、文字原稿で最も重要視される鮮鋭性が劣化しにくい孤立点除去処理及び地肌除去処理を含んでいる。孤立点除去処理及び地肌除去処理は文字自体の性質をそれほど変えず、それ以外の背景部に影響を与えるものであるためである。むしろ、地肌濃度や孤立点を減少(画像に関する第2の種類の情報を低減)させることでコントラストが向上し(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)、鮮鋭性が向上するという効果を奏すると考えられる。また、画像データのデータサイズ(データ量)を小さくするために、通常の処理よりも多少強く効くように設定すると好適である。孤立点除去処理及び地肌除去処理を実施することで、JPEGのQFを変更しなくても圧縮効率が高まり、データBのデータ量を低減することができる。更に、第1のデータ変換処理では、QFに0.98を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。これにより、画像データのデータ量を更に低減することができる。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS15:Yes)、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS17)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS17:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS18)。
再び図8を参照すると、第2のデータ変換処理は、第1のデータ変換処理と比較して、ハイコントラスト化処理を更に含んでいる。コントラストは、色変換処理部53(図3参照)の中で色相ごとに色空間の一次変換を行う際に、その傾きのパラメータにより調整可能である。ここでは、傾きを通常よりも大きくすることでコントラストを強めることとする。コントラストが強くなるとRGB各値で最低値、最大値に飽和する画素が増えるので、JPEG等の圧縮効率が高まる。なお、コントラストを大きくする(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)と、絵柄部に関しては階調性や色再現性の面で悪影響を及ぼすが、文字部に関しては原稿忠実ではなくなってしまうものの文字原稿で重要視される鮮鋭性が向上し判読性が向上する。コントラストをどれくらい強くするかは、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の95%なのか、96%なのか、97%なのか等の割合に応じてコントラストのパラメータを切り替えるようにしても良い。また、第2のデータ変換処理においては、QFに0.95を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。これにより、画像データのデータ量を更に低減することができる。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS17:Yes)、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS19)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.50を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の50%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS19:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS20)。
再び図8を参照すると、第3のデータ変換処理は、第2のデータ変換処理と比較して、減色処理(ビット数減少処理)及び解像度変換処理(ここでは、解像力アップ処理(解像度増加処理))を更に含んでいる。文字原稿の場合、色の再現性はあまり重要でなく、色が違うことさえ判れば良いことが多い。例えば、黒、赤、青、緑などの主要な8色のみさえ判れば良いのであれば、RGBをそれぞれ1ビットにすることができ、圧縮前の状態と単純に比較すると画像データのデータ量を8分の1に低減できるし、その中間色も入れてRGBをそれぞれ2ビットにしても画像データのデータ量を4分の1に低減できる。そこで、第2のデータ変換処理では、減色(画像に関する第2の種類の情報を低減)処理を実施することとしている。この減色処理は、第2の画像データ処理部14の階調処理変換部55(図3参照)の階調処理方式や閾値パラメータを変更することで実現可能である。このように文字原稿にあまり必要でない色情報を低減することにより、画像データのデータ量を大幅に減少させることができるので、その分、解像度増加処理を実施して、文字原稿で重要視される解像度を増加(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させることができる。これが第3のデータ変換処理の狙いである。
解像度増加処理は、第2の画像データ処理部14の変倍処理部54(図3参照)で変倍率(解像度)を大きくする方向にパラメータを設定することで実現可能である。解像度を増加することで文字の判読性が向上し、文字原稿の特徴的な情報が増加する。USBメモリ33の空き容量とデータAのデータ量との割合に応じて、解像度の増加具合を調整可能とすると、使用者により良い画像データを提供することができる。
例えば、減色処理によりRGB各8ビットからRGB各2ビット(64色相当)にビット数(色数)を低減することとすると、圧縮前の画像データ(RAWデータ)の単純計算で、USBメモリ33の空き容量がデータAの70%のときには解像度を2.8倍まで上げることができ、USBメモリ33の空き容量がデータAの60%のときには解像度を2.4倍まで上げることができ、USBメモリ33の空き容量がデータAの50%のときには解像度を2倍まで上げることができる。そのため、解像度指定200dpi×200dpiの場合、変倍処理部54において、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の70%のときは330dpi×330dpiに、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の60%のときは300dpi×300dpiに、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の50%のときは250dpi×250dpiに設定することにする。また、第3のデータ変換処理では、QFをデフォルト設定値の80%に設定しているが、解像度を増加させているため、全体の視認性の劣化も小さい。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS19:Yes)、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS21)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.20を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量×20%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS21:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS22)。
再び図8を参照すると、第4のデータ変換処理は、第3のデータ変換処理と比較して、減色処理に代えてグレースケール化処理を含んでいる。グレースケール化処理は、第2の画像データ処理部14の色変換処理部53(図3参照)においてRGB各8ビットからK8ビットに変換し、階調処理部55(図3参照)において階調数を8ビットから適切なビット数に変換することで、実現可能である。例えば、K4ビットにグレースケール化する場合は、圧縮前のRAW画像データとの比較でデータ量が25%になるため、その分、第3のデータ変換処理と同様に、解像度増加処理を実施することができる。すなわち、色情報・濃度情報を劣化させる(画像に関する第2の種類の情報を低減)ことで、文字原稿で重要視される鮮鋭性を向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させることができる。なお、階調値が大きいほど、画像の濃淡だけでなく、感色性も高くなり、色の違いを認識することが可能となる。そのため、どの程度の色の違いまで配慮する必要があるのかに応じて階調値を設定し、その設定値と、USBメモリ33の空き容量が画像データのデータ量の何%であるのかと、に応じて、第3のデータ変換処理(ステップS20)と同様に、解像度の値を決定すると良い。QFの値に関しても、第3のデータ変換処理と同様である。
また、色文字がグレースケール化(モノクロ化)されても元の色がわかるように、色文字の箇所に模様や囲いを新たに付加(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を低減した代替として第1の種類の情報以外の画像に関する第2の種類の情報を付加)させてもよい。
図9は、マーカーで装飾が施された文字原稿の原画像及びデータ変換後の画像の一例を示す図である。
図9に示す原画像70は、赤色のマーカーで装飾された領域70aと、緑色のマーカーで装飾された領域70bと、を有している。データ変換後の画像71では、領域70aに対応する領域71aが点線によって囲われて表示されており、領域70bに対応する領域にはマーク71bが付加されている。また、領域71aの近傍には、原画像70の領域70aに装飾されていた色名を表す「(赤)」という文字列71cが付加されており、領域71bの近傍には、原画像70の領域70bに装飾されていた色名を表す「(緑)」という文字列71dが付加されている。
なお、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の20%程度であれば、第3のデータ変換処理の中の減色処理によっても、データBのデータ量をUSBメモリ33の空き容量以下まで低減することが可能であることも考えられる。しかしながら、文字原稿で重要視される鮮鋭性(解像度)の向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)を重視し、色情報などのそれほど重要でないと思われる情報を低減(画像に関する第2の種類の情報を低減)させるようにデータ変換を行い、画像の特徴的な情報をなるべく劣化させず、むしろ増大させるというのが、本発明の本質的な特徴の1つである。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS21:Yes)、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS23)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS23:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS24)。
再び図8を参照すると、第5のデータ変換処理は、第4のデータ変換処理と比較して、グレースケール化処理に代えてモノクロ二値化(画像に関する第2の種類の情報を低減)を含んでいる。また、第5のデータ変換処理においては、圧縮方法が変更されている。モノクロ二値化は、第2の画像データ処理部14の色変換処理部53(図3参照)においてRGB各8ビットからK8ビットに変換し、更に階調処理部55(図3参照)において1つの閾値を用いて誤差拡散処理などを行いK8ビットからK1ビットに変換することで、実現可能である。また、圧縮方法は、前述したように、二値化の場合はMMR圧縮を利用することとする。解像度増加処理(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)に関しては、第3、第4のデータ変換処理と同様であり、画像データのデータ量とUSBメモリ33の空き容量の割合に応じて解像度の増加率を切り換えるようにすれば良い。
なお、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の8%程度であれば、第4のデータ変換処理の中のグレースケール化処理によっても、データBのデータ量をUSBメモリ33の空き容量以下まで低減することが可能であることも考えられる。しかしながら、画像の濃淡、感色性などよりも鮮鋭性(コントラスト・解像度)を重視し、第5のデータ変換処理を実施することが好適である。
再び図6を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS23:Yes)、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS25)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.02を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の2%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS25:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS25)。
再び図8を参照すると、第6のデータ変換処理は、第5のデータ変換処理と比較して、解像力アップ処理(解像度増加処理)に代えて解像力ダウン処理(解像度減少処理)を含んでいる。これは、文字原稿の画像データをUSBメモリ33に格納することが最優先であるため、文字原稿にとって重要な解像度も他の要素と同様に減少させることとしたものである。この解像度減少処理において、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との比率に応じて、解像度を下げるようにすれば良い。
再び図6を参照すると、CPU16が、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS25:Yes)、第2のデータ変換処理部14が、データBに対して、第7のデータ変換処理を実施する(ステップS27)。
再び図8を参照すると、第7のデータ変換処理は、OCRテキスト化処理を含んでいる。詳細には、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、モノクロ二値化処理を行い、圧縮処理を行わずに、再びメモリ17に蓄積する。そして、CPU16が、その画像データに対してOCR処理を行って文字データを抽出し、テキストファイルを作成する。そして、USBメモリ33には、画像データを送信せずに、このテキストファイルを送信する。
この第7のデータ変換処理では、USBメモリ33の空き容量が画像データのデータ量より非常に少ないために文字原稿の特徴的な情報を削除せざるを得ないが、その特徴を補完するテキストデータという別の情報を付加することで、文字原稿の特徴的な情報の劣化をできるだけ低減している。
なお、第N(ここでは、Nは、1〜6までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。例えば、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量以下ではない場合にはデータBに対して第1のデータ変換処理を実施することになる(ステップS15〜S16参照)。その後、CPU16が、第1のデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きいか否かを判定し、第1のデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きいと判定した場合は、ステップS18に遷移して、データBに対して第2のデータ変換処理を実施し、第2のデータ変換処理後の画像データのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを再び比較するようにしても良い。すなわち、画像データをUSBメモリ33に格納できるようになるまで第1〜第7のデータ変換処理を順次実行するようにしても良い。これをハードウェア的な観点から見ると、メモリ17に蓄積されているデータBを何度も第2の画像データ処理部14に送信し、第1〜第7のデータ変換処理が終了した画像データを再びメモリ17に蓄積して画像データのデータ量を確認するという動作が繰り返されることになる。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第7のデータ変換処理(ステップS27参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
(実施例2) 写真原稿モード
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:写真原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各8ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
図10は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の写真原稿モード時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。図10に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS31:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS32)。写真原稿であるので、使用者が対象物(人物やモノ)を選択し、それ以外の背景部を削除することなどが考えられる。
CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS33)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS34)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS34:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS34:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第6の6つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS35〜ステップS45)。
図11に、第1〜第6のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行ってもかまわない。
再び図10を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS34:Yes)、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS35)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS35:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS36)。
再び図11を参照すると、第1のデータ変換処理は、平滑度アップ処理(平滑度増加処理)を含んでいる。この平滑度増加処理により、写真原稿に有利となる平滑性(なめらかさ)をデフォルトよりも少し強く効かせ(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)、より圧縮効率が高くなるようにしている。平滑性の調整は、第2の画像データ処理部14のフィルタ処理部52(図3参照)において平滑用のフィルタの係数を調整することにより、実現可能である。また、第1のデータ変換処理においては、QFに0.9を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。これにより、画像データのデータ量を更に減少させることができる。QFの値をあまり小さくしすぎるとブロックノイズなどが目立ち写真画像に影響が出るが、QFの値をわずかに減少させる程度であれば高周波成分が減少し、なめらかさが増す方向になるので、それほど写真原稿に影響を与えることはない。
再び図10を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS35:Yes)、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS37)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.50を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の50%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS37:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS38)。
再び図11を参照すると、第2のデータ変換処理は、第1のデータ変換処理と比較して、平滑度アップ処理(平滑度増加処理)に代えて、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理)を含んでいる。解像度減少処理においては、USBメモリ33の空き容量に応じて、画像データの解像度を減少させるようにすると良い。
また、第2のデータ変換処理は、JPEG圧縮方式の変更処理を含んでいる。JPEG圧縮方式の変更においては、写真原稿に必要である色味成分(色の再現性)をなるべく劣化させないように、JPEG圧縮のサンプリングファクタを4:1:1(Y:Cr:Cb)から4:2:2(Y:Cr:Cb)に変更したり、量子化テーブルを変更したりするようにすると良い。すなわち、デフォルトの設定よりも色情報が増加(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)する方向に一部の処理を変更すると良い。また、階調性・色再現性を向上させるために、解像度減少処理に代えて階調数増加処理を実施(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)するようにしても良い。RGB各8ビットの階調数の増加を実現する一例として、あらかじめ読取り部11(図1参照)で例えばRGB各10ビットで原稿を読み取っておき、RGB各10ビットの画像データをそのまま第1の画像データ処理部12で処理し、第1の画像データ処理部12の処理結果の画像データをメモリ17に蓄積しておき、その画像データを第2の画像データ処理部14の入力データとすることで、階調数の増加を容易に実現することができる(むしろ、RGB各8ビット化が階調数を小さくしていたと考えることもできる。)。ただし、sRGB色空間はRGB各8ビットのデータに対して規定されているものであるため、RGB各10ビットを扱う際にsRGB色空間を使用することはできないので、他の色空間を使用する必要がある。また、第2のデータ変換処理においては、第1のデータ変換処理と同様に、QFに0.9を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。これにより、解像力(解像度)等は大幅に減少する(画像に関する第2の種類の情報を低減)が、写真原稿に重要な色の再現性や階調性はむしろ向上する(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)と考えられる。
再び図10を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS37:Yes)、データAのデータ量に0.33を乗じた値(データAのデータ量の33%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の33%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS39)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.33を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の33%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS39:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS40)。
再び図11を参照すると、第3のデータ変換処理は、第2のデータ変換処理と同様に、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理)を含んでいる。また、第3のデータ変換処理においては、QFに0.85を乗じて、第2のデータ変換処理よりもQFの値を減少させることで、画像データのデータ量を減少させるようにしている。すなわち、色の再現性や階調性をなるべく劣化させない方法でデータ変換処理を行う。
再び図10を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.33を乗じた値(データAのデータ量の33%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の33%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS39:Yes)、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS41)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.20を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の20%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS41:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS42)。
USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の33%より少ない場合は、解像度変換処理(解像度減少処理)だけで圧縮を行うと視認性が非常に悪化していくため、以後のステップでは写真原稿に重要である階調性・色再現性のどちらか又は両方を劣化させざるを得ないと考えられる。そこで、USBメモリ33の空き容量に応じて、解像度だけでなく、ハイコントラスト化処理と減色処理(ビット数減少処理)も強めていき、圧縮効率を高めていくこととする。
再び図11を参照すると、第4のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理)、ハイコントラスト化処理、減色処理を含んでいる。更に、第4のデータ変換処理においては、QFに0.8を乗じて、QFの値を減少させるようにしている。これは、解像度と色情報の劣化を併せて行うことが、写真原稿の特徴的な情報を残すのに最も有効であるためである。
再び図10を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS41:Yes)、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS43)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS43:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS44)。
再び図11を参照すると、第5のデータ変換処理は、第4のデータ変換処理と比較して、減色処理に代えて色情報を削除するグレースケール化処理を含んでいる。また、USBメモリ33の空き容量がデータAのデータ量の20%程度であれば、第2のデータ変換処理と同様に階調数増加処理も併せて行い、色情報・解像度を劣化させた分、写真原稿に重要である階調性を向上させる。なお、色情報はグレースケール化(モノクロ化)により完全になくなってしまう(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を低減)が、その分階調数を向上させたグレースケール(モノクロ)の感色性で何とかその情報を補うことができる(第1の種類の情報を低減した代替として第1の種類の情報以外の画像に関する第2の種類の情報を付加)と考えられる。
再び図10を参照すると、CPU16がデータAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS43:Yes)、第2のデータ変換処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS45)。
再び図11を参照すると、第6のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理)、モノクロ二値化処理、圧縮方法の変更(ここでは、MMR変換の利用に変更)を含んでおり、これらを実施することで何とかUSBメモリ33内に画像データを格納しようという処理である。このように画像データのデータ量と比較してUSBメモリ33の空き容量が非常に少ない場合は、写真原稿の特徴的な情報もほとんど劣化してしまう結果となる。
なお、実施例1と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜5までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第6のデータ変換処理(ステップS45参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
(実施例3) 地図原稿モード
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:地図原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各8ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
地図原稿は、等高線や地図記号等のように非常に細い線が多数存在する可能性があるため、解像力が重要な要素となる。
図12は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の地図原稿モード時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS51)。図12に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS51:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS52)。
地図原稿では、出発地と目的地をつなぐ経路のみわかれば、それ以外の箇所は必要ない場合が多いため、領域選択がデータ量の削減には効果的であると考えられる。
図13−1は、プレビュー画面の一例を示す図である。図13−1に示すプレビュー画面80においては、地図の画像81が表示されている。また、出発地と目的地の選択を操作者に促す文字列及び画像81の内のどの程度がUSBメモリ33に送信可能であるかの目安(ここでは、約80%)を表す文字列が表示されている。画像81において出発地81aと目的地81bを操作者に選択させ、出発地81aの座標及び目的地81bの座標を操作表示部20からCPU16が受け取り、図13−2に示すように、出発地81a及び目的地81bの座標を焦点とした楕円形81cの画像データを切り出しても良い。また、目的地81bから半径何cmの範囲が必要であるかを操作者に指定してもらい、目的地81bを中心とし指定された半径を有する円形の画像データを切り出してもよい。いずれの場合においても、切り出した後の画像データのことを実施例1と同様に「データB」と呼ぶことにする。
再び図12を参照すると、CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS53)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS54)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS54:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS54:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第7の7つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS55〜ステップS67)。
図14に、第1〜第7のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行っても良い。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS54:Yes)、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS55)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.98を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の98%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS55:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS56)。
再び図14を参照すると、第1のデータ変換処理は、孤立点除去処理を含んでいる。地図原稿では、前述の通り細い線等が多く、地肌除去処理等を実施すると細い線が薄くなって消えてしまう可能性があるので、文字原稿には実施する地肌除去処理を実施することができない。一方、第2の画像データ処理部14に入力されるデータBは原稿の地肌がほとんど除去されていないので、原稿のわずかな汚れ等がデータB中にたくさんの孤立点として存在する可能性がある。そのため、孤立点除去処理を実施することで、JPEGの圧縮効率が上がるため、地図原稿の特性をほとんど損なわずに画像のデータ量を低減することができると考えられる。むしろ、等高線等の鮮鋭性が向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)する効果が期待できる。ただし、孤立点除去処理をあまり強くしすぎると地図上の大事な点や線等を消してしまうという副作用が起こり得るため、適正な値を設定する必要がある。また、QFをデフォルト設定値より少し大きい値(1.05倍)に設定することで、地図原稿に重要である解像力を向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させている。なお、QFの数値を上げるのでなく、解像度変換処理(ここでは、解像度増加処理)を実施するようにしても良い。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS55:Yes)、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS57)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS57:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS58)。
再び図14を参照すると、第2のデータ変換処理は、第1のデータ変換処理と比較して、濃度変換処理を更に含んでいる。濃度変換処理は第2の画像データ処理部14の色変換処理部53(図3参照)の中で色相ごとに一次変換を行なう際に、シャドウ部側をより飽和させることで圧縮効率を向上させるものである。
図15は、濃度変換処理の濃度変換特性(入出力特性)の一例を示す図である。ハイライト部が消えないようにするために、図15に示すように、シャドウ部側を飽和させ、ハイライト部側を飽和させないような濃度変換を行なうようにすると良い。すなわち、地図原稿に重要な細い線等をしっかり残し、それ以外の階調性等があまり必要でない要素を低減(画像に関する第2の種類の情報を低減)することとしている。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS57:Yes)、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS59)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.50を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の50%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS59:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS60)。
再び図14を参照すると、第3のデータ変換処理は、第2のデータ変換処理と比較して、減色処理及び解像力アップ処理(解像度増加処理)を更に含んでいる。減色処理を実施することにより、地図原稿にあまり必要ではない色情報を削減(画像に関する第2の種類の情報を低減)し、USBメモリ33の空き容量よりも画像データのデータ量を大きく低減することが期待される。また、解像度増加処理(変倍処理部54(図3参照)により実施される)により、地図原稿に必要な解像力を向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させるようにしている。文字原稿の場合と同様に、USBメモリ33の空き容量と画像データのデータ量の割合に応じて、解像度の増加率を変化させるようにすると良い。更に、第3のデータ変換処理では、QFに0.9を乗じて、QFの値を減少させるようにしている。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の50%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS59:Yes)、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS61)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.20を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の20%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS61:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS62)。
再び図14を参照すると、第4のデータ変換処理は、第3のデータ変換処理と比較して、減色処理に代えてグレースケール化処理を含んでいる。色情報を削除しグレースケール化(モノクロ化)することで画像データのデータ量を大きく低減することが期待できるので、その分、第3のデータ変換処理(ステップS60参照)と同様に、解像度増加処理を実施することによって、地図原稿に必要な解像力を向上(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させている。更に、第4のデータ変換処理では、QFに0.8を乗じて、QFの値を減少させるようにしている。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の20%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS61:Yes)、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS63)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS63:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS64)。
再び図14を参照すると、第5のデータ変換処理は、第4のデータ変換処理と比較して、グレースケール化処理に代えてモノクロ二値化処理及び圧縮方法の変更(ここでは、MMR圧縮を利用するようにする。)を含んでいる。第5のデータ変換処理の基本的な考え方は、第3、第4のデータ変換処理と同様であり、色情報や階調性の情報を削除することで、解像力を向上させるようにしている。
再び図12を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量×8%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS63:Yes)、データAのデータ量に0.005を乗じた値(データAのデータ量の0.5%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の0.5%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS65)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.005を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量×0.5%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS65:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS65)。
再び図14を参照すると、第6のデータ変換処理は、第5のデータ変換処理と比較して、解像力アップ処理(解像度増加処理)に代えて解像度を下げる処理(解像度減少処理(又は間引き処理))を含んでいる。これは、地図原稿を画像データとして何とかUSBメモリ33に格納することが最優先であるため、地図原稿にとって重要な解像度情報も他の要素と同様に減少させることとしたものである。
なお、文字原稿の場合は、OCR処理を実施してテキスト化すればある程度特徴的な情報を残すことができる。しかしながら、地図原稿の場合は、画像によって位置が判るというのが最大の情報であるため、文字原稿の場合よりも最終処理(第7のデータ変換処理(後述))に遷移する閾値(USBメモリ33の空き容量と画像データのデータ量との割合(%)を非常に小さくしている。本実施形態においては、文字原稿の場合には2%としていたが(図6のステップS25参照)、地図原稿の場合には0.5%としている。
再び図12を参照すると、CPU16が、データAのデータ量に0.005を乗じた値(データAのデータ量の0.5%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量×0.5%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS65:Yes)、第2のデータ変換処理部14が、データBに対して、第7のデータ変換処理を実施する(ステップS67)。
再び図14を参照すると、第7のデータ変換処理は、抽象化処理を含んでいる。詳細には、まず文字原稿の場合と同様に、第2の画像データ処理部14が、画像データを二値化してメモリ17に格納し、CPU16が、文字データに対してはOCR処理を実施し、テキスト情報とその位置を別途メモリ17に記憶する。また、CPU16は、文字又は文字列に対する辞書データとのマッチング(OCR処理)だけでなく、地図記号に対してもマッチングを行い、地図記号を文字又は文字列データに変換し、その位置情報とともにメモリ17に記憶する。
図16は、地図画像の一例及び当該地図画像に抽象化処理を実施して得られたテキストデータの一例を示す図である。図16に示す地図画像90は、出発地90a、目的地90b、畑の地図記号90c、警察署の地図記号90d、神社の地図記号90e、保健所の地図記号90f、市役所の地図記号90g、寺院の地図記号90hを有している。CPU16は、OCR結果、地図記号マッチング結果、使用者が設定した出発地座標、目的地座標を使用して、図16に示すテキストデータ91を作成する。テキストデータ91において、出発地90aに対応する位置には「出発地」という文字列91aが、目的地90bに対応する位置には「目的地」という文字列91bが、畑の地図記号90cに対応する位置には「畑」という文字91cが、警察署の地図記号90dに対応する位置には「警察署」という文字列91dが、それぞれ配置されている。また、テキストデータ91において、神社の地図記号90eに対応する位置には「神社」という文字列91eが、保健所の地図記号90fに対応する位置には「保健所」という文字列91fが、市役所の地図記号90gに対応する位置には「市役所」という文字列91gが、寺院の地図記号90hに対応する位置には「寺院」という文字列91hが、それぞれ配置されている。
それ以外は、文字原稿モードの第7のデータ変換処理(図6のステップS27参照)と同様である。
なお、実施例1、2と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜6までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第7のデータ変換処理(ステップS67参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
(実施例4) 蛍光ペン原稿モード
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:蛍光ペン原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各8ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
本実施例において、蛍光ペン原稿とは、黒文字に様々な色の蛍光ペンで装飾(マーカー)が施されている原稿のことをいう。蛍光ペン原稿を通常の文字原稿モードでスキャンした場合、蛍光ペンで装飾されたマーカー部の明度が高すぎて、マーカー部同士の色の違いがわかりにくかったり、原稿を目視した場合と見た目が明らかに違う色になって出力されてしまったりする。そのため、蛍光ペン原稿モードの場合は、第2の画像データ処理部14のフィルタ処理部52(図3参照)の中でガンマ処理を実施し、ダイナミックレンジを切り換え、色変換処理部53(図3参照)の中の色相ごとに係数の異なる一次変換処理の中で、上記の問題点が修正するように通常の文字原稿モードの場合と係数を変更するようにしている。
図17は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の蛍光ペン原稿モード時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS71)。図17に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS71:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS72)。
CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS73)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS74)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS74:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS74:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(ここでは、第1〜第6の6つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS75〜ステップS85)。
図18に、第1〜第6のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行っても良い。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS74:Yes)、データAのデータ量に0.40を乗じた値(データAのデータ量の40%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の40%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS75)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.40を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の40%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS75:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS76)。
再び図18を参照すると、第1のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、減色処理(ビット数減少処理)、解像力アップ処理(解像度増加処理)を含んでいる。
蛍光ペン原稿では、基本的に色文字が無いこと、蛍光ペンの色の違いがある程度判れば良いこと等を考慮すると、あまり色の再現性や階調性は必要ないことが考えられる。そのため、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、減色処理(画像に関する第2の種類の情報を低減)によって、画像データのデータ量を低減することとしている。一方、色地上の文字の判読性を向上させるには、解像度を上げ、QFの値を上げることが好ましい。QFの値が小さいと、色地上ではモスキートノイズがより目立ってしまうことが考えられるためである。そのため、解像度を上げ、QFの値をデフォルト設定値よりも大きな値に設定する(ここでは、1.1倍する)ことで、蛍光ペン原稿の特徴的な情報を増大(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)させている。
また、一般に、色地上の文字のほうが白地上の文字よりも判読性が悪いため、実施例1の文字原稿モードよりも減色処理等を強くして(画像に関する第2の種類の情報を低減)、その分解像度を上げたりQFの値を上げる(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を増加)ことが好ましい。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.40を乗じた値(データAのデータ量の40%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の40%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS75:Yes)、データAのデータ量に0.15を乗じた値(データAのデータ量の15%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の15%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS77)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.15を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の15%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS77:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS78)。
再び図18を参照すると、第2のデータ変換処理は、第1のデータ変換処理と比較して、解像力アップ処理(解像度増加処理)を含んでいない。また、QFの値をデフォルト設定値より小さな値に設定している(ここでは、0.9倍している)。
蛍光ペン原稿において、色の正確な再現性はあまり重要ではないが、モノクロ化してしまうと、蛍光ペン原稿モードの目的であるマーカー部の色の識別ができなくなってしまう。そのため、最大RGB各1ビットまで減色処理を実施し、画像データのデータ量をできる限り低減して、なるべくグレースケール化(モノクロ化)のステップ(後述するステップS80)に遷移しないようにする。第2のデータ変換処理では、色情報を無くさないことが何より重要であるので、第1のデータ変換処理(ステップS76)のように解像力アップ処理(解像度増加処理)やQFの値を上げる処理は実施しない。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.15を乗じた値(データAのデータ量の15%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の15%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS77:Yes)、データAのデータ量に0.10を乗じた値(データAのデータ量の10%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の10%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS79)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.10を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の10%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS79:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS80)。
再び図18を参照すると、第3のデータ変換処理は、第2のデータ変換処理と比較して、減色処理及びQFの値を下げる処理に代えて、グレースケール化処理、解像力アップ処理(解像度増加処理)、色模様付加処理を含んでいる。
第3のデータ変換処理においては、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との差が大きいため、蛍光ペン原稿で重要な色情報を削除(画質情報によって定まる画像の特徴に関する第1の種類の情報を低減)してグレースケール化(モノクロ化)し、画像データのデータ量を大きく削減する。ただし、単純にグレースケール化(モノクロ化)するのではなく、色情報に置き換わる別の情報を付加する必要がある。本実施例では、色変換処理部53(図3参照)において色相分割処理を行う際に、色情報の代わりに色味に応じた模様や囲い線を新たに付加(第1の種類の情報を低減した代替として第1の種類の情報以外の画像に関する第2の種類の情報を付加)する色模様付加処理(図9参照)を実施することで、色情報の削除を補うこととしている。更に、図9に示すように、模様や囲い線の近傍に色名を付加するようにしても良い。また、色情報を削除することでUSBメモリ33の空き容量に多少の余裕ができることが期待されるので、その分、解像度増加処理を実施して、地図原稿に重要な解像度を向上させるようにしても良い。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.10を乗じた値(データAのデータ量の10%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の10%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS79:Yes)、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS81)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS81:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS82)。
再び図18を参照すると、第4のデータ変換処理は、色情報の削除を補うための色模様付加処理を含んでいること以外は、基本的に文字原稿モードの第5のデータ変換処理(図6のステップS24参照)と同じであり、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、モノクロ二値化処理、解像力アップ処理(解像度増加処理)、色模様付加処理、圧縮方法変更処理を含んでいる。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS81:Yes)、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS83)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.02を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の2%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS83:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS84)。
再び図18を参照すると、第5のデータ変換処理は、色情報の削除を補うための色模様付加処理を含んでいること以外は、基本的に文字原稿モードの第6のデータ変換処理(図6のステップS26参照)と同じであり、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、モノクロ二値化処理、色模様付加処理、解像力ダウン処理(解像度減少処理)、圧縮方法変更処理を含んでいる。
再び図17を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS83:Yes)、第2のデータ変換処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS85)。
再び図18を参照すると、第6のデータ変換処理は、OCRテキスト化処理及び色情報抽象化処理を含んでいる。色情報抽象化処理においてどのように色情報をテキストファイル化するかに関しては、マーカーの装飾が付加されていた文字自体を色字に変更してもよいし、マーカーの装飾が付加されていた色ごとに太字やイタリック体等にフォントを変更すること等で色の違いを表現するようにしてもよい。また、マーカーの装飾が付加されていた文字の近傍に(赤)、(青)など色名を直接記載するようにしても良い。
なお、実施例1〜3と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜5までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第6のデータ変換処理(ステップS85参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
(実施例5) ACS判定:モノクロ最大の場合
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:文字原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各8ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
・ACSカラー/モノクロ判定基準:モノクロ最大
ACS(auto color selection)のカラー/モノクロ判定基準とは、読取り部11(図1参照)で読み取った画像データがカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判定する際に、カラー寄りの判定にするかモノクロ寄りの判定にするかの基準のことを言う。本実施例では、この基準がモノクロ寄り最大(使用者が設定した設定値)である場合(できるだけモノクロ原稿と判定してほしいということを意味する。)について、デフォルトの基準値(初期設定値)の場合と適宜比較しながら、説明する。
図19は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信のACS判定:モノクロ最大の場合の手順を示すフローチャートである。また、図20は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信のACS判定:デフォルトの場合の手順を示すフローチャートである。
図19及び図20を参照すると、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合(図19)とACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合(図20)との差異は、次の通りである。
第1に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、ステップS99においてデータAのデータ量に0.65を乗じた値(データAのデータ量の65%)とUSBメモリ33の空き容量とを比較しているのに対し、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合には、ステップS119においてデータAのデータ量に0.50を乗じた値(データAのデータ量の50%)とUSBメモリ33の空き容量とを比較している点である。
第2に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、ステップS101においてデータAのデータ量に0.30を乗じた値(データAのデータ量の30%)とUSBメモリ33の空き容量とを比較しているのに対し、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合には、ステップS121においてデータAのデータ量に0.20を乗じた値(データAのデータ量の20%)とUSBメモリ33の空き容量とを比較している点である。
図19を参照すると、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS91)。図19に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS91:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS92)。
CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS93)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS94)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS94:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS94:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第7の7つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS95〜ステップS107)。
図21に、ACS判定:モノクロ最大の場合及びACS判定:デフォルトの場合の第1〜第7のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行っても良い。
図21を参照すると、ACS判定:モノクロ最大の場合とACS判定:デフォルトの場合との差異は、次の通りである。
第1に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、第3のデータ変換処理において、減色処理(ビット数減少処理)をACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合よりも強く効かせている点である。なお、第3のデータ変換処理の「減色処理(ビット数減少):2」という記載の中の「:」の後の「2」や「減色処理(ビット数減少):1」という記載の中の「:」の後の「1」は処理のレベルを表しており、この数値が大きければ大きいほど減色処理を強く効かせるということを表している。すなわち、「減色処理(ビット数減少):2」という記載は、「減色処理(ビット数減少):1」という記載よりも、RGBの各ビットを大きく減少させるということを表している。一例として、「減色処理(ビット数減少):1」という記載がRGB各8ビットからRGB各4ビットに減少させる処理を表すこととし、「減色処理(ビット数減少):2」という記載がRGB各8ビットからRGB各2ビットに減少させることを表すこととすることができる。減色処理以外の他の処理においても、同様である。
第2に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、第3のデータ変換処理において、解像力アップ処理をACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合よりも強く効かせている点である。なお、第3のデータ変換処理の「解像力アップ:2」という記載の中の「2」や「解像力アップ:1」という記載の中の「1」は処理のレベルを表しており、数値が大きければ大きいほど解像力をアップさせるということを表している。解像力アップ処理以外の他の処理においても、同様である。
第3に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、第3のデータ変換処理において、QFに1.1を乗じて、QFの値を大きくしている点である。一方、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合には、第3のデータ変換処理において、QFに0.8を乗じて、QFの値を小さくしている。
第4に、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、第4のデータ変換処理において、QFに(1.1〜0.8)を乗じている点である。一方、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合には、第4のデータ変換処理において、QFに0.8を乗じている。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS94:Yes)、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS95)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.98を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の98%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS95:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS96)。
再び図21を参照すると、第1のデータ変換処理は、文字原稿モードの第1のデータ変換処理(図6のステップS16参照)と同様に、文字原稿で最も重要視される鮮鋭性が劣化しにくい孤立点除去処理及び地肌除去処理を含んでいる。また、第1のデータ変換処理では、文字原稿モードの第1のデータ変換処理(図8参照)と同様に、QFに0.98を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。
再び図21を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS95:Yes)、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS97)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS97:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS98)。
再び図21を参照すると、第2のデータ変換処理は、第1のデータ変換処理と比較して、文字原稿モードの第2のデータ変換処理(図6のステップS18参照)と同様に、ハイコントラスト化処理を更に含んでいる。また、第2のデータ変換処理では、文字原稿モードの第2のデータ変換処理(図8参照)と同様に、QFに0.95を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS97:Yes)、データAのデータ量に0.65を乗じた値(データAのデータ量の65%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の65%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS99)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.65を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の65%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS99:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS100)。
再び図21を参照すると、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合の第3のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、減色処理(ビット数減少処理):2、解像力アップ処理(解像度増加処理):2を含んでおり、QFに1.1を乗じている。
一方、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合の第3のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、減色処理(ビット数減少処理):1、解像力アップ処理(解像度増加処理):1を含んでおり、QFに0.8を乗じている。
ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合の第3のデータ変換処理は、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合の第3のデータ変換処理と比較して、減色処理を強く効かせて画像データのデータ量を大きく減少させ、その分、解像度やQFの値を上げている。これは、使用者がACS判定:モノクロ最大に設定している場合、使用者が色にそれほどこだわりの無い人と考えることができるため、ACS判定:デフォルトの場合よりも色情報を大きく劣化させて、その分鮮鋭性を向上させることを目的としたものである。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.65を乗じた値(データAのデータ量の65%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の65%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS99:Yes)、データAのデータ量に0.30を乗じた値(データAのデータ量の30%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の30%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS101)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.30を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の30%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS101:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS102)。
再び図21を参照すると、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合の第4のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理、解像力アップ処理(解像度増加処理)を含んでいる。また、QFに(1.1〜0.8)を乗じている。
一方、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合の第4のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理、解像力アップ処理(解像度増加処理)を含んでいる。また、また、QFに0.8を乗じている。
ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合のいずれの場合にも、第4のデータ変換処理からは、色情報を削除し、グレースケールに変換してしまう。しかしながら、ACS判定:デフォルト(初期設定値)の場合には、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との割合が50%未満の場合に第4のデータ変換処理が実施されるのに対し、ACS判定:モノクロ最大(使用者が設定した設定値)の場合には、それよりも高い割合(本実施例では、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との割合が65%未満の場合)からグレースケール化処理を行ってしまうこととしている。そこで、その色情報の劣化の分、解像度やQFの値を上げることで鮮鋭性を向上させることとしている。その理由は、第3のデータ変換処理(ステップS100参照)の場合と同様である。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.30を乗じた値(データAのデータ量の30%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の30%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS101:Yes)、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS103)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS103:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS104)。
再び図21を参照すると、第5のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、モノクロ二値化処理、解像力アップ処理(解像度増加処理)、圧縮方法変更処理を含んでいる。これも第4のデータ変換処理(ステップS102参照)と同様の理由で、ACS判定:デフォルトの場合よりも早い段階(ACS判定:デフォルトの場合、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との割合が20%未満の場合(図20のステップS121参照)、ACS判定:モノクロ最大の場合、データAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量との割合が30%未満の場合(図19のステップS101参照))で二値化処理に遷移している。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.08を乗じた値(データAのデータ量の8%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の8%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS103:Yes)、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS105)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.02を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の2%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS105:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS106)。
再び図21を参照すると、第6のデータ変換処理は、孤立点除去処理、地肌除去処理、ハイコントラスト化処理、モノクロ二値化処理、解像力ダウン処理(解像度減少処理)、圧縮方法変更処理を含んでいる。
再び図19を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS105:Yes)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第7のデータ変換処理を実施する(ステップS106)。
再び図21を参照すると、第7のデータ変換処理は、OCRテキスト化処理を含んでいる。
なお、実施例1〜4と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜6までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第7のデータ変換処理(ステップS107参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
また、ここでは、ACS判定:モノクロ最大の場合について説明したが、ACS判定:カラー最大の場合には、使用者が色情報を重要にする人であると考えられるため、解像度アップ(解像度増加)を抑え、その分、色情報をできるだけ保持するようにデータ変換処理を実施するようにすると良い。例えば、ACS判定:デフォルトの場合(図20参照)のステップS119のような色情報を削除する処理は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対して40%未満の場合に実施するものとし、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対して40%以上であれば、色情報を削減しないで解像度アップやQFの数値上昇を控えることで画像データのデータ量を低減させるようにすると良い。すなわち、第4のデータ変換処理に遷移するパーセンテージを、ACS判定:デフォルトの場合の50%というパーセンテージよりも低くすると良い。また、どうしてもモノクロ化(グレースケール化)しなければならないときは、図9に示すように色文字の箇所に色の違いがわかるように模様や囲いを付加したり、色文字の箇所に(赤)や(青)等の色の説明を付加したりすることで、色情報に代わる情報を新たに付加するようにしても良い。
(実施例6) (写真)高階調読み取り
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:写真原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各10ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
高階調読み取り(RGB各10ビット)の場合は、通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)の場合よりも階調性・色再現性を重視している使用者であると考えられるので、階調性・色再現性の要素を通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)の場合よりも重視してデータ変換を行う必要がある。以下、通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)の場合と比較しながら、説明する。
図22は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の高階調読み取り時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS131)。図22に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS131:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS132)。写真原稿であるので、使用者が対象物(人物やモノ)を選択し、それ以外の背景部を削除することなどが考えられる。
CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS133)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS134)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS134:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS134:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第6の6つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS135〜ステップS145)。
図23に、通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)、高階調読み取り(本実施例6)、ハイコントラスト(後述する実施例7)の場合の第1〜第6のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行ってもかまわない。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS134:Yes)、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS135)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.98を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の98%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS135:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS136)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS35参照)。
再び図23を参照すると、第1のデータ変換処理は、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と同様に、平滑度アップ処理(平滑度増加処理)を含んでいる。あまり平滑度を強くすると階調性・色再現性が悪化する可能性があるため、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも平滑度を強く設定しない。また、第1のデータ変換処理においては、QFに0.95を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.98を乗じた値(データAのデータ量の98%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の98%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS135:Yes)、データAのデータ量に0.45を乗じた値(データAのデータ量の45%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の45%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS137)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.45を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の45%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS137:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS138)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.50を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の50%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS37参照)。
再び図23を参照すると、第2のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2〜3、JPEG圧縮方式の変更処理を含んでいる。また、階調性・色再現性を向上させるために、解像度減少処理に代えて階調数増加処理を実施するようにしても良い。また、第2のデータ変換処理においては、第1のデータ変換処理と同様に、QFに0.9を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第2のデータ変換処理は、解像度変換処理:2、JPEG圧縮方式の変更処理(又は階調数増加処理)を含んでいる。
高階調読み取り(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)場合と比較して、解像度変換を多少大きめにし、その分色情報・階調数増加処理を大きめに行う。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.45を乗じた値(データAのデータ量の45%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の45%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS137:Yes)、データAのデータ量に0.33を乗じた値(データAのデータ量の33%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の33%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS139)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.33を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の33%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS139:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS140)。
再び図23を参照すると、第3のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):4、JPEG圧縮方式の変更処理を含んでいる。また、第3のデータ変換処理においては、QFに0.85を乗じて、第2のデータ変換処理よりもQFの値を減少させることで、画像データのデータ量を減少させるようにしている。すなわち、色の再現性や階調性をなるべく劣化させない方法でデータ変換処理を行う。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第3のデータ変換処理は、解像度変換処理:3を含んでおり、QFに0.85を乗じている。
高階調読み取り(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)と同様に、解像度変換を大きめに行い、その分色再現性を重視した処理を行う。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.33を乗じた値(データAのデータ量の33%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の33%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS139:Yes)、データAのデータ量に0.10を乗じた値(データAのデータ量の10%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の10%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS141)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.10を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の10%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS141:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS142)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.20を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の20%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS41参照)。
再び図23を参照すると、第4のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):4、ハイコントラスト化処理、減色処理:1〜3を含んでいる。更に、第4のデータ変換処理においては、QFに0.85〜0.7を乗じて、QFの値を減少させるようにしている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第4のデータ変換処理は、解像度変換処理:3、ハイコントラスト化処理、減色処理:2を含んでおり、QFに0.8を乗じている。
高階調読み取り(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも解像度変換処理を強くして、USBメモリ33の空き容量がデータAの10%近い場合であっても色削除しないようにデータ変換を行う。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.10を乗じた値(データAのデータ量の10%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の10%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS141:Yes)、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS143)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.02を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の2%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS143:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS144)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS43参照)。
再び図23を参照すると、第5のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):3〜5、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理、階調数増加処理を含んでいる。更に、第5のデータ変換処理においては、QFに0.8〜0.5を乗じて、QFの値を減少させるようにしている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第5のデータ変換処理は、解像度変換処理:3、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理、階調数増加処理を含んでおり、QFに0.75を乗じている。
高階調読み取り(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも多少解像度変換処理を強くして、その分階調性を向上させる。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS143:Yes)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS145)。
再び図23を参照すると、第6のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2〜5、モノクロ二値化処理、圧縮方法変更処理を含んでいる。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第6のデータ変換処理は、解像度変換処理:2〜5、モノクロ二値化処理、圧縮方法変更処理を含んでいる。
高階調読み取り(使用者が設定した設定値)の場合にも、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と同様な考え方で処理している。
なお、実施例1〜5と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜5までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第6のデータ変換処理(ステップS145参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
(実施例7) (写真)ハイコントラスト設定
使用者が画質情報として、以下の情報を設定するものとする。なお、特に設定しない項目に関しては、デフォルト値(初期設定値)を使用することにする。
・原稿種類:写真原稿
・カラー/モノクロ:フルカラー(RGB各10ビット)
・設定解像度:200dpi(主200dpi×200dpi)
・ファイルフォーマット:PDF
・コントラスト:最大
コントラスト最大設定の場合は、明暗の差がはっきりしているのが好みであり、通常の場合よりも色再現性や階調性をそれほど重視していないと読み取れるので、通常の場合よりも多少、色再現性や階調性の要素を削減しながらデータ変換を行う。以下、通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)の場合と比較しながら、説明する。
図24は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のUSBメモリ配信の高階調読み取り時のデータ変換処理の手順を示すフローチャートである。
CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいか否かを判定する(ステップS151)。図24に示すデータ変換処理は、ステップS5(図4参照)において画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定された場合に実行されるので、画像データのデータ量はUSBメモリ33の空き容量よりも大きい。
そして、CPU16は、画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きいと判定した場合(ステップS151:Yes)、メモリ17に蓄積されている画像データ(前述したように、画像データ処理部12から出力された画像データ)のプレビュー画像を作成し、そのプレビュー画像を操作表示部20に表示し、USBメモリ33に送信する領域を使用者に選択させる(ステップS152)。写真原稿であるので、使用者が対象物(人物やモノ)を選択し、それ以外の背景部を削除することなどが考えられる。
CPU16は、使用者が選択した領域の画像データ(前述したように、データBと呼ぶ。)を画像データ処理部14に送信し、画像データ処理部14は、データBに対して、前述したステップS4と同様の処理(地肌除去処理、孤立点除去処理、フィルタ処理、色変換処理、変倍処理、階調処理、圧縮処理等)を実施し、USBメモリ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ二値等)に変換してバス制御部13に出力する。バス制御部13は、第2の画像データ処理部14から入力される画像データ(前述したように、データAと呼ぶ。)を、CPU16を介してメモリ17に蓄積する(ステップS153)。
CPU16は、新たに蓄積されたデータAのデータ量とUSBメモリ33の空き容量とを比較し、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS154)。
そして、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS154:No)、処理を終了する。
また、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS154:Yes)、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量に対してどれくらい大きいのかを判定し、その割合に応じて、複数(本実施例においては、第1〜第6の6つ)のデータ変換処理を切り換えて実施する(ステップS155〜ステップS165)。
前述した図23に、通常の写真原稿モード(先に説明した実施例2)、高階調読み取り(先に説明した実施例6)、ハイコントラスト(本実施例7)の場合の第1〜第6のデータ変換処理の内容の一覧を示す。これらの変換処理もあくまで一例であり、趣旨が同じであれば、いかなる変換処理を行ってもかまわない。
再び図24を参照すると、CPU16は、データAのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい(データAのデータ量>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS154:Yes)、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS155)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS155:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第1のデータ変換処理を実施する(ステップS156)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合にも、CPU16が、データAのデータ量に0.95を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の95%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS35参照)。
再び図23を参照すると、第1のデータ変換処理は、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と同様に、平滑度アップ処理(平滑度増加処理)を含んでいる。あまり平滑度を強くすると階調性・色再現性が悪化する可能性があるため、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも平滑度を強く設定しない。また、第1のデータ変換処理においては、QFに0.9を乗じて、QFの値をわずかに減少させるようにしている。
再び図24を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.95を乗じた値(データAのデータ量の95%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の95%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS155:Yes)、データAのデータ量に0.60を乗じた値(データAのデータ量の60%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の60%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS157)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.60を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の60%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS157:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第2のデータ変換処理を実施する(ステップS158)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.50を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の50%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS37参照)。このように、コントラスト最大の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、データAのデータ量が大きい段階で次のステップへと遷移しているのは、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも色情報、階調性を重視せずに、その分QF、解像度などにも考慮しているためである。
再び図23を参照すると、第2のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):1、ハイコントラスト化処理を含んでいる。また、第2のデータ変換処理においては、QFに1.0〜0.9を乗じている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第2のデータ変換処理は、解像度変換処理:2、JPEG圧縮方式の変更処理(又は階調数増加処理)を含んでおり、QFに0.9を乗じている。
コントラスト最大(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、色情報を重要視しない分、解像度低下の割合を小さくしたり、QFの値を増加させている。なお、QFの数値を上げているのは、ブロックノイズを小さくすることができ、全体的な視認性が向上するためである。
再び図24を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.60を乗じた値(データAのデータ量の60%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の60%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS157:Yes)、データAのデータ量に0.40を乗じた値(データAのデータ量の40%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の40%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS159)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.40を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の40%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS159:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第3のデータ変換処理を実施する(ステップS160)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.33を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の33%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS39参照)。このように、コントラスト最大の場合に、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、データAのデータ量が大きい段階で次のステップへと遷移しているのは、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも色情報、階調性を重視せずに、その分QF、解像度などにも考慮しているためである。
再び図23を参照すると、第3のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2、ハイコントラスト化処理を含んでいる。また、第3のデータ変換処理においては、QFに0.95を乗じている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第3のデータ変換処理は、解像度変換処理:3を含んでおり、QFに0.85を乗じている。
コントラスト最大(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、色情報を多少大きく劣化させることで、その分解像度変換、QFの値を通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも劣化しないようにしている。
再び図24を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.40を乗じた値(データAのデータ量の40%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の40%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS159:Yes)、データAのデータ量に0.25を乗じた値(データAのデータ量の25%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の25%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS161)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.25を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の25%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS161:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第4のデータ変換処理を実施する(ステップS162)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.20を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の20%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS41参照)。
再び図23を参照すると、第4のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2、ハイコントラスト化処理、減色処理:3を含んでいる。更に、第4のデータ変換処理においては、QFに0.8を乗じている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第4のデータ変換処理は、解像度変換処理:3、ハイコントラスト化処理、減色処理:2を含んでおり、QFに0.8を乗じている。
コントラスト最大(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、減色処理のレベルを大きく、解像度変換のレベルを小さくすることで、データAのデータ量を低減している。
再び図24を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.25を乗じた値(データAのデータ量の25%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の25%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS161:Yes)、データAのデータ量に0.10を乗じた値(データAのデータ量の10%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の10%>USBメモリ33の空き容量)か否かを判定する(ステップS163)。
そして、CPU16が、データAのデータ量に0.10を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の10%≦USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS163:No)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第5のデータ変換処理を実施する(ステップS164)。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、CPU16が、データAのデータ量に0.08を乗じた値がUSBメモリ33の空き容量より大きくない(データAのデータ量の8%≦USBメモリ33の空き容量)か否かを判定している(図10のステップS43参照)。このように、コントラスト最大の場合に、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、データAのデータ量が大きい段階で次のステップへと遷移しているのは、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも、色情報、階調情報を通常よりも重視せずに、その分解像度などを考慮しているためである。
再び図23を参照すると、第5のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理を含んでいる。更に、第5のデータ変換処理においては、QFに0.75を乗じている。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第5のデータ変換処理は、解像度変換処理:3、ハイコントラスト化処理、グレースケール化処理、階調数増加処理を含んでおり、QFに0.75を乗じている。
コントラスト最大(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも多少解像度変換処理を強くして、その分階調性を向上させる。
また、コントラスト最大(使用者が設定した設定値)の場合には、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と比較して、データAのデータ量が大きい段階で次のステップへと遷移しているので、通常の写真原稿モード(実施例2)の第5のデータ変換処理に含まれている階調数増加処理を行う必要がないし、階調数増加処理を行ったとしても通常の写真原稿モード(実施例2)の場合よりも階調数を大きく増加しない。
再び図22を参照すると、CPU16は、データAのデータ量に0.02を乗じた値(データAのデータ量の2%)がUSBメモリ33の空き容量より大きい(データAのデータ量の2%>USBメモリ33の空き容量)と判定した場合(ステップS143:Yes)、第2の画像データ処理部14が、データBに対して、第6のデータ変換処理を実施する(ステップS145)。
再び図23を参照すると、第6のデータ変換処理は、解像度変換処理(ここでは、解像度減少処理):2〜5、モノクロ二値化処理、圧縮方法変更処理を含んでいる。
なお、先に説明した通常の写真原稿モード(実施例2)の場合には、第6のデータ変換処理は、解像度変換処理:2〜5、モノクロ二値化処理、圧縮方法変更処理を含んでいる。
高階調読み取りの場合にも、通常の写真原稿モード(実施例2)の場合と同様な考え方で処理している。
なお、実施例1〜6と同様に、第N(ここでは、Nは、1〜5までの整数)のデータ変換処理を実施した場合には、第2の画像データ処理部14から第Nのデータ変換処理後の画像データを再びメモリ17に蓄積し、第Nのデータ変換処理後の画像データとUSBメモリ33の空き容量とを再び比較し、第Nのデータ変換処理後の画像データのデータ量がUSBメモリ33の空き容量よりも大きい場合は、第(N+1)のデータ変換処理をデータBに対して実施するようにしても良い。また、最終的なデータ変換処理(本実施例においては、第6のデータ変換処理(ステップS165参照))を実施した後の画像データをUSBメモリ33に格納できない場合は、操作表示部20を用いて、使用者にその旨を通知(エラー通知)するようにしても良い。
また、上述した実施例1〜7はあくまで例であり、他の原稿種類モードや画質設定値(例えば、e−文書法対応モード、高解像度(1200dpi等)読み取りモード等)に本発明を適用することもできる。
e−文書法とは、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成16年法律第150号)」の総称である。e−文書法においては、以下のような制約がある。
(1)日本工業規格X6933における4ポイント文字及びISO図面言語を認識することができる。
(2)解像度が200dpi以上である。
(3)RGBが各256階調以上である。
(4)原稿の修正痕を確認できる。
e−文書法対応モードにおいては、例えば、300dpi読み取りでUSBメモリ33の空き容量がほんの少し足りずにデータの書き込みが出来なかった場合は、解像度を200dpiまで落とし、その分地肌部をより残して修正痕を確認しやすくさせることが考えられる。また、RGB各10ビット読み取りでデータの書き込みが出来なかった場合は、RGB各8ビットまで階調を落とし、その分解像度を向上させて小さい字などをはっきりさせたりすることが考えられる。e−文書法対応モードの場合は、上記(1)〜(4)の条件を1つでも満たせない場合には、すぐに使用者にエラーを通知し、e−文書法対応モードではUSBメモリ33に格納できないことを使用者に伝える。
また、高解像度読み取りで文字原稿モードの場合は、微細字や薄い字などがあり、デフォルトの解像度の場合よりも解像度を重視しなければならないと考えられる。そのため、色再現性や階調性を通常の場合よりもさらに大きく劣化させ、その分なるべく解像度を低減させないようにデータ変換を行う。
また、本実施形態では、ある所定の容量(ここでは、USBメモリ33の空き容量)に画像データのデータ量を低減する場合について説明したが、ある所定の数値以上に画像データのデータ量を増加する場合に本発明を適用することもできる。
画像データのデータ量を増加させる例として、以下のような場合が考えられる。
(1)画像掲示板等においてアップする最低画像容量等が決まっていて、それよりも画像データが小さい場合に、画像の特徴的な情報を増大させる方向にデータ変換を行う。
(2)携帯電話装置で撮影した画像は画素数が低く細かい字などが読めないため、ある容量まで画像サイズを大きくするように画像データを増大させる。
本実施形態においては、画像データのデータ量をUSBメモリ33の空き容量以下にする場合について説明したが、これはあくまで例であり、画像データのデータ量をHDD15の空き容量以下にする場合、画像データのデータ量を電子メールに添付可能な大きさ以下にする場合、画像データのデータ量を管理者等によって設定された大きさ以下にする場合等に本発明を適用することもできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者が意図した(所望する)画像の特徴をできる限り残しながら、画像データのデータ量を低減することができる。
また、画像データのデータ量を記憶装置の空き容量以下に納めることができる。HDDやUSBメモリ、SDカード(登録商標)等の記憶装置の空き容量がMFP等に入力される画像データよりも小さい場合、前述の通り画像データを記憶装置に保存することができず、MFP等の処理が一旦停止してしまうという問題があった。本実施形態によれば、そのような問題が解消される。
また、画像データを電子メールに添付して送信することができる。電子メールに添付可能なデータ量の上限は決まっているので、MFP等に入力される画像データのデータ量が電子メールに添付可能なデータ量の上限を超えてしまっている場合には、画像データを電子メールに添付して送信することができない。本実施形態によれば、画像データのデータ量を電子メールに添付可能なデータ量の上限以下にすることにより、処理を止めることなく画像データを電子メールに添付して送信することができる。
また、管理者のリソース管理が容易になる。本実施形態によれば、画像データのデータ量を所定値以下に変換することができるので、管理者が1ファイル当たりの最大のデータ量を指定することが可能となり、HDD等のリソースの管理を容易に行うことができるようになる。
また、本発明は上述した実施形態のみに限定されたものではない。本実施形態の画像処理装置を用いて、画像の特徴に応じてフィルタ処理、色補正を行い、それらから出力された画像データに基づいて作像を行い、作像された画像を用紙上に転写することで画像出力を行うことによって、画像形成装置を提供することができる。
さらに、本発明は上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態の画像処理装置を構成する各機能をプログラム化し、予めROMなどの記録媒体に書き込んでおき、このROMを画像処理装置に搭載して、画像処理装置に搭載したマイクロプロセッサでROM内のプログラムを実行することによって、本発明の目的を達成することができる。
なお、本実施形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで提供することができ、記録媒体としては半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
また、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、上述したプログラムをサーバコンピュータのHDD等の記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続された利用者のコンピュータからダウンロードして頒布する場合、また、サーバコンピュータから配信して頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。また、本実施形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
このように、本発明の機能をプログラムして、記録媒体に記録し頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
本実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(第2の画像データ処理部(地肌除去処理部、孤立点除去処理部、フィルタ処理部、色変換処理部、変倍処理部、階調処理部、圧縮処理部))を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、第2の画像データ処理部(地肌除去処理部、孤立点除去処理部、フィルタ処理部、色変換処理部、変倍処理部、階調処理部、圧縮処理部)が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像処理装置であればいずれにも適用することができる。また、他の種々の機器に適用することもできる。