JP2010116624A - エッチング廃液の再生方法及び再生装置 - Google Patents

エッチング廃液の再生方法及び再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リン酸を含むエッチング廃液中のAl成分やMo成分を、従来よりも効率良く除去することができるエッチング廃液の再生方法及び再生装置を提供する。
【解決手段】エッチング廃液を貯留する廃液貯留槽4と、廃液貯留槽4内のエッチング廃液をメタノール液によって希釈する希釈部5と、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂が装填された吸着塔14,15と、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填された吸着塔20,21と、廃液貯留槽4内のエッチング廃液を吸着塔14,15に供給する廃液供給部8と、吸着塔14,15と吸着塔20,21とを接続する接続管16,17と、吸着塔20,21から流出する希釈エッチング廃液からメタノール成分を除去して濃縮する濃縮部22とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくともリン酸を含むエッチング廃液中のAl成分を除去して、該エッチング廃液をエッチング液として再使用可能な状態に再生する再生方法及び再生装置に関する。
一般に、TFT基板のエッチングには、リン酸や酢酸などを含む混酸液がエッチング液として使用される。このエッチング液は繰り返して使用されるが、使用時間が所定時間を越えると、エッチング作用によって、エッチング液中にAl(アルミニウム)やMo(モリブデン)といった金属成分が溶け込んで蓄積され、その酸濃度が低下するため、エッチング液としての能力(エッチング能力)が低下することになる。このため、通常は、当該エッチング液を所定時間繰り返して使用した後、これを新たなものと交換する必要がある。
ところが、エッチング廃液(所定時間繰り返して使用され、エッチング能力が低下したエッチング液)には、上記のように、金属成分が溶け込んでおり、これを単純には廃棄することができないため、また、廃棄するには相当のコストが嵩むため、従来、エッチング廃液中の金属成分を除去して、当該エッチング廃液を再生し、これを再使用する試みがなされている。
その一例として、特開平2−270973号公報に開示された再生方法を挙げることができる。この再生方法は、塩化第二鉄と少なくとも塩化ニッケルを含有する強酸性鉄液をpH1.0以上に水で希釈した後、フィルタを用いて懸濁物質を除去し、しかる後、キレート樹脂で鉄とニッケルの一部を吸着・分離し、分離後の液を濃縮するというものである。
しかしながら、この再生方法は、処理対象のエッチング液が強酸性鉄液であって、リン酸を含む混酸液ではなく、また、除去対象の金属成分も塩化第二鉄と塩化ニッケルであって、AlやMoではない。したがって、上記の再生方法をそのまま使用しても、リン酸を含む混酸液(エッチング液)からAlやMoの金属成分を除去することはできなかった。
そこで、本願出願人は、リン酸を含むエッチング廃液中からAl成分及びMo成分を除去して当該エッチング廃液を再生することができる方法を開発し、これを既に提案している(特開平2008−101247号公報参照)。
この方法は、エッチング廃液をpHが0.5〜0.9となるように水で希釈した後、希釈したエッチング廃液を、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触させ、この強酸性陽イオン交換樹脂にAl成分を吸着させて、希釈エッチング廃液からAl成分を除去するとともに、同じく希釈エッチング廃液を、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させて、この強塩基性陰イオン交換樹脂にMo成分を吸着させて、希釈エッチング廃液からMo成分を除去し、この後、Al成分及びMo成分を除去した後の希釈エッチング廃液から水分を除去して濃縮するというものである。
特開平2−270973号公報 特開2008−101247号公報
上述した官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂、及び官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂を用いた再生方法は、リン酸を含むエッチング廃液から、効率良くAl成分及びMo成分を除去することができる。
しかしながら、本発明者らは更に研究を進めるうちに、リン酸を含むエッチング廃液から、少なくともAl成分を更に効率良く除去できる方法を発明するに至った。
斯くして、本発明は、少なくともリン酸を含むエッチング廃液中のAl成分を、従来よりも効率良く除去して、当該エッチング廃液をエッチング液として再使用可能な状態に再生することができる再生方法及び再生装置の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
少なくともリン酸を含むエッチング廃液からAl成分を除去して、該エッチング廃液を再生する方法であって、
少なくともメタノールを含む溶媒で前記エッチング廃液を希釈する希釈工程と、
前記希釈エッチング廃液を、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触させ、該強酸性陽イオン交換樹脂にAl成分を吸着させて、該希釈エッチング廃液からAl成分を除去する除去工程と、
Al成分を除去した後の希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮する濃縮工程とを備えてなることを特徴とするエッチング廃液の再生方法に係る。
本発明によれば、まず、少なくともメタノールを含む溶媒によってエッチング廃液を希釈する。そして、希釈後のエッチング廃液を、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触させてAl成分を吸着,除去する。しかる後、このエッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮することにより、再使用可能なエッチング液が得られる。
尚、前記希釈後のエッチング廃液は、これを、更に、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させてMo成分を吸着,除去するようにしても良い。
本発明者等は種々の実験を重ねた結果、図4及び図5に示すように、上記各イオン交換樹脂を用いてAl成分,Mo成分をそれぞれ吸着する場合に、従来のようにエッチング廃液を水で希釈するよりも、メタノール液で希釈した方が、Al成分及びMo成分ともその除去率が高まるという知見を得た。
図4及び図5は、それぞれ、リン酸67重量%、水33重量%からなるリン酸液(エッチング液)に、Al成分700ppm及びMo成分500ppmを溶解させた液をエッチング廃液に見立て、このエッチング廃液を4倍容の水、及び同じく4倍容のメタノールで希釈した液から、それぞれAl成分とMo成分を除去したその除去率を示したものであり、図4は、エッチング廃液中に官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂を浸漬させて、この強酸性陽イオン交換樹脂により吸着,除去されたAl成分の除去率を示し、図5は、同じくエッチング廃液中に官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂を浸漬させて、この強塩基性陰イオン交換樹脂により吸着,除去されたMo成分の除去率を示している。
また、更に、本発明者等は種々の実験を重ねたところ、エッチング廃液をメタノール液によって希釈する場合、図6に示すように、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率Aが0.5以上となるように希釈すれば、水で希釈したときに比べてより効率的にAl成分を除去できることが判明した。
この実験例では、上記と同様、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂にAl成分を吸着,除去させた。また、リン酸75重量%、水25重量%からなるリン酸液(リン酸濃度が12モル/Lのリン酸液)を、リン酸濃度が1モル/L、2モル/L、3.5モル/Lとなるようにメタノール液で希釈したものを希釈エッチング廃液として実験を行った。
図6において、横軸は、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率Aを示し、縦軸は、Al除去率比を示している。ここで、メタノールの体積分率Aは、メタノール成分の体積をV1と、メタノールとリン酸以外の成分の体積(上記実験例では水の体積)をV2とすれば、A=(V1)/(V1+V2)で求められる。また、Al除去率比は、水のみで希釈したときのAl成分の除去率に対する、メタノールの体積分率Aがある値のときのAl成分の除去率の比であり、(メタノールの体積分率Aがある値のときのAl成分の除去率)/(水のみで希釈したときのAl成分の除去率)で求められる。したがって、この除去率比が1より大きければ、水のみで希釈した場合に比べて除去率が高いことを示す。そして、この図6から分かるように、特に、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の範囲でAl除去率比が1.1以上と高く、優れた除去率を得ることができる。
また、上記のように、図6では、エッチング廃液を、リン酸濃度が1モル/L、2モル/L、3.5モル/Lとなるように希釈したときのAl除去率比をそれぞれ示している。水で希釈するにしてもメタノール液で希釈するにしても、通常、リン酸濃度が低くなるように希釈するほどAl成分の除去率は高くなるが、1モル/Lに希釈することで一定レベル以上の除去率が得られ、また、リン酸濃度を1モル/Lよりも低く希釈すると、濃縮時のエネルギーコストが過大になる。一方、リン酸濃度を3.5モル/Lよりも高く希釈したのでは、十分な除去率を得ることができない。したがって、このような意味で、エッチング廃液は、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈することが好ましい。
尚、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂としては、三菱化学製のPK216、PK228(商品名)等を挙げることができる。
また、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂としては、三菱化学製のPA318(商品名)等を挙げることができる。
また、前記除去工程でAl成分とMo成分の両方を除去する場合、まず、Al成分を除去した後、Mo成分を除去しても、逆に、まず、Mo成分を除去した後、Al成分を除去しても、いずれでも良く、また、Al成分とMo成分を同時に除去しても良い。
また、金属成分除去後のエッチング廃液を濃縮する方法としては、一例として、これを加熱して前記溶媒成分を蒸発させて除去することによって、濃縮する方法を挙げることができる。
上記の再生方法は、
前記エッチング廃液を貯留する廃液貯留槽と、
少なくともメタノールを含む溶媒を前記廃液貯留槽に供給して、該廃液貯留槽内のエッチング廃液を希釈する希釈手段と、
密閉された容器体からなり、該容器体内に、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂が装填されてなる吸着塔と、
前記廃液貯留槽に貯留された希釈エッチング廃液を前記吸着塔に供給する廃液供給手段と、
前記吸着塔に接続して該吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を受容し、受容した希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮する濃縮手段とを備えた再生装置によて、これを好適に実施することができる。
尚、上記の再生装置において、Mo成分についても除去するには、前記再生装置が、密閉された容器体からなり、該容器体内に、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填されてなる吸着塔と、前記陽イオン交換樹脂が装填された吸着塔と前記陰イオン交換樹脂が装填された吸着塔とを接続する接続管とを更に備え、前記廃液供給手段が、前記廃液貯留槽内の希釈エッチング廃液を前記吸着塔の一方に供給するように構成され、前記濃縮手段は、前記吸着塔の他方に接続して該吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を受容し、受容した希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮するように構成される。この場合には、Al成分が除去された後、Mo成分が除去され、又はMo成分が除去された後、Al成分が除去される。
或いは、密閉された一つの容器体からなる吸着塔に、前記陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の双方を装填し、前記廃液供給手段により、前記廃液貯留槽に貯留された希釈エッチング廃液を前記吸着塔に供給するように構成し、前記吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を、前記濃縮手段によって濃縮するように構成しても良い。この場合には、Al成分とMo成分が同時に除去される。
以上のように、本発明によれば、従来法に比べて、更に効率良く、エッチング廃液からAl成分やMo成分を除去することができる。したがって、イオン交換樹脂を従来と同量使用する場合には、その処理時間を短縮することができ、逆に、処理時間を従来と同じ時間とする場合には、イオン交換樹脂の使用量を少なくすることができ、装置のコンパクト化を図ることができる。そして、いずれの場合にも、処理コストの低減を図ることができる。
また、エッチング廃液を、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率Aが0.5以上となるように希釈しているので、更に効率的にAl成分を除去することができる。また、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈しているので、一定レベルの除去率を得つつ濃縮時のエネルギーコストが大きくなるのを防止することができる。
また、水の蒸発潜熱が約540Kcal/Kgであるのに対して、メタノールの蒸発潜熱は約263Kcal/Kgと低い。したがって、本発明によれば、メタノール成分を蒸発させて濃縮する際に必要な熱エネルギーが従来に比べて小さくて足り、エネルギーコストの低減を図ることができる。
尚、本発明において、エッチング廃液を希釈するための溶媒としては、水と混ざり得る、水よりも沸点及び蒸発潜熱が低い溶媒(低沸点溶媒)であれば良く、上記メタノール液と同様の効果が期待できるものとして、例えば、エタノール液、プロパノール液、アセトニトリル液、ブタノール液、アセトン液などを挙げることができる。
本発明の一実施形態に係るエッチング廃液再生装置の概略構成を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るエッチング廃液再生装置の概略構成を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るエッチング廃液再生装置の概略構成を示した説明図である。 官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂を用い、エッチング廃液中から除去されるAl成分の除去率を、水希釈の場合と、メタノール希釈の場合についてそれぞれ示したグラフである。 官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂を用い、エッチング廃液中から除去されるMo成分の除去率を、水希釈の場合と、メタノール希釈の場合についてそれぞれ示したグラフである。 希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率とAl除去率比との関係を示したグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエッチング廃液再生装置(以下、「再生装置」という)の概略構成を示した説明図である。
図1に示すように、本例の再生装置1は、適宜エッチング装置(図示せず)にエッチング液を供給するエッチング液供給装置100に接続されている。
このエッチング液供給装置100は、少なくともリン酸を含む混酸液からなるエッチング液を貯留するエッチング液循環槽101と、一端が前記エッチング装置(図示せず)に接続され、他端がエッチング液循環槽101に接続された送液管102と、この送液管102の中間部に設けられた送液ポンプ103と、一端がエッチング装置(図示せず)に接続され、他端がエッチング液循環槽101に接続された回収管104とから構成される。
このエッチング液供給装置100では、エッチング液循環槽101内に貯留されたエッチング液が、送液管102及び送液ポンプ103によってエッチング装置(図示せず)に供給され、エッチングの用に供されたエッチング液が、回収管104を介してエッチング液循環槽101に回収される。
このようにして、エッチング装置(図示せず)に対してエッチング液が循環供給される。
前記再生装置1は、同図1に示すように、エッチング廃液を貯留する廃液貯留槽4と、この廃液貯留槽4にメタノール液を供給してエッチング廃液を希釈する希釈部5と、Al成分を吸着する2つの吸着塔14,15と、Mo成分を吸着する同じく2つの吸着塔20,21と、廃液貯留槽4内の希釈されたエッチング廃液を吸着塔14,15に供給する廃液供給部8と、吸着塔14と吸着塔20とを接続する接続管16と、吸着塔15と吸着塔21とを接続する接続管17と、吸着塔20,21に接続し、これらから流出するエッチング廃液を受容して濃縮する濃縮部22と、吸着塔14,15内を洗浄する洗浄部33と、吸着塔20,21内を洗浄する洗浄部48などから構成される。
廃液貯留槽4には、一端がエッチング液循環槽100に接続された送液管2の他端が接続されており、この送液管2及び送液管2の中間部に設けられた送液ポンプ3によって、前記エッチング液循環槽100からエッチング廃液が供給され、貯留される。
そして、廃液貯留槽4に貯留されたエッチング廃液は、希釈部5によってその濃度が希釈される。この希釈部5は、メタノール液供給源6aと、一端がこのメタノール液供給源6aに接続され、他端が廃液貯留槽4に接続された給液管6と、給液管6の中間部に設けられた電磁弁7とからなり、給液管6及び電磁弁7を介して、メタノール液供給源6aから廃液貯留槽4にメタノール液を供給して、廃液貯留槽4内のエッチング廃液を希釈する。
尚、希釈の態様としては、例えば、前記給液管2に流量測定器を設けて、廃液貯留槽4に流入するエッチング廃液の量をこの流量測定器によって測定するとともに、同様に給液管6に流量測定器を設けて、廃液貯留槽4に供給されるメタノール液の供給量をこの流量測定器によって測定し、測定されたメタノール液の供給量が、エッチング廃液の量に対して予め設定された供給量となったとき、当該メタノール液の供給を停止するといった態様が考えられる。
また、希釈に当たっては、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率をAと、メタノール成分の体積をV1と、メタノールとリン酸以外の成分の体積をV2としたときに、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満たすように廃液貯留槽4のエッチング廃液を希釈することが好ましく、この場合において、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈すれば、更に好ましい。
A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満たすように希釈することが好ましいのは、図6から分かるように、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満足する範囲であれば、Al除去率比が1.1以上と高く、水で希釈したときに比べてより効率的にAl成分を除去することができるためである。
また、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈することが好ましいのは次のような理由からである。即ち、通常、リン酸濃度が低くなるように希釈するほどAl成分の除去率は高くなるものの、1モル/Lに希釈することで一定レベル以上の除去率が得られ、また、リン酸濃度を1モル/Lよりも低く希釈すると、濃縮時のエネルギーコストが過大になるからである。一方、リン酸濃度を3.5モル/Lよりも高く希釈したのでは、十分な除去率を得ることができない。したがって、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈することが好ましい。
前記吸着塔14,15は、それぞれ密閉された中空の容器体から構成され、各容器体内には、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂が装填されている。また、同様に、前記吸着塔20,21は、それぞれ密閉された中空の容器体から構成され、各容器体内には、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填されている。
また、前記廃液供給部8は、一端が前記廃液貯留槽4に接続され、他端が吸着塔15の一方端部に接続された送液管9と、この送液管9に設けられた送液ポンプ11と、この送液ポンプ11,吸着塔15間の送液管9に設けられた電磁弁13と、この電磁弁13,送液ポンプ11間の送液管9に一端が接続され、他端が吸着塔14の一方端部に接続された送液管10と、この送液管10に設けられた電磁弁12とからなる。
この廃液供給部8では、廃液貯留槽4内の希釈されたエッチング廃液が、送液ポンプ11により送液管9,10を介して吸着塔14,15に供給され、電磁弁12,13の切換により、吸着塔14,15に対して選択的にエッチング廃液が供給される。
尚、前記接続管16には、電磁弁18が設けられており、その一端が前記吸着塔14の他方端部に接続され、他端が吸着塔20の一方端部に接続されて、これら吸着塔14と吸着塔20とを接続する。同様に、前記接続管17には、電磁弁19が設けられており、その一端が前記吸着塔15の他方端部に接続され、他端が吸着塔21の一方端部に接続されて、これら吸着塔15と吸着塔21とを接続する。
前記濃縮部22は、再生液貯留槽27と、濃縮機構30と、送液管23,24,28,31と、送液ポンプ29,32と、電磁弁25,26とからなる。
前記送液管23には前記電磁弁26が設けられており、その一端が前記吸着塔21の他方端部に接続され、他端が前記再生液貯留槽27に接続されている。また、送液管24には電磁弁25が設けられており、その一端が前記吸着塔20の他方端部に接続され、他端が前記再生液貯留槽27と電磁弁26との間の送液管23に接続されている。
また、送液管28には、前記送液ポンプ29が設けられており、その一端が前記再生液貯留槽27に接続され、他端が前記濃縮機構30に接続されている。更に、送液管31には、送液ポンプ32が設けられ、その一端が前記濃縮機構30に接続され、他端が前記エッチング液循環槽101に接続されている。
斯くして、送液管28及び送液ポンプ29によって、再生液貯留槽27から濃縮機構30に希釈再生液が送液され、送液管31及び送液ポンプ32によって、濃縮機構30からエッチング液循環槽101に濃縮された再生エッチング液が送液される。
尚、濃縮機構30としては、希釈再生液を加熱することによって、そのメタノール成分を蒸発させて除去し濃縮する機構のものであれば、どのようなものであっても良い。
前記洗浄部33は、第1の洗浄液供給源(図示せず)と、一端が前記吸着塔14の他方端部に接続され、他端が前記第1の洗浄液供給源(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁37,39が設けられた送液管34と、一端が電磁弁37と電磁弁39との間の送液管34に接続され、他端が純水供給源(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁40が設けられた送液管36と、一端が前記吸着塔15の他方端部に接続され、他端が電磁弁37と送液管36との間の送液管34に接続され、中間部に電磁弁38が設けられた送液管35と、一端が前記吸着塔14の一方端部に接続され、他端が第1の回収槽(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁43,45が設けられた送液管41と、一端が前記吸着塔15の一方端部に接続され、他端が電磁弁43と電磁弁45との間の送液管41に接続され、中間部に電磁弁44が設けられた送液管42とから構成される。
尚、前記第1の洗浄液供給源(図示せず)は、HClの水溶液を供給するもので、この第1の洗浄液供給源(図示せず)から、加圧されたHCl水溶液が送液管34に供給される。
また、同様に、前記洗浄部48は、第2の洗浄液供給源(図示せず)と、一端が前記吸着塔20の他方端部に接続され、他端が前記第2の洗浄液供給源(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁52,54が設けられた送液管49と、一端が電磁弁52と電磁弁54との間の送液管49に接続され、他端が前記純水供給源(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁55が設けられた送液管51と、一端が前記吸着塔21の他方端部に接続され、他端が電磁弁52と送液管51との間の送液管49に接続され、中間部に電磁弁53が設けられた送液管50と、一端が前記吸着塔20の一方端部に接続され、他端が第2の回収槽(図示せず)に接続され、中間部に電磁弁58,60が設けられた送液管56と、一端が前記吸着塔21の一方端部に接続され、他端が電磁弁58と電磁弁60との間の送液管56に接続され、中間部に電磁弁59が設けられた送液管57とから構成される。
尚、前記第2の洗浄液供給源(図示せず)は、NaOHの水溶液を供給するもので、この第2の洗浄液供給源(図示せず)から、加圧されたNaOH水溶液が送液管34に供給される。
特に図示しないが、各前記送液ポンプ3,11,29,32、及び各電磁弁7,12,13,18,19,25,26,37,38,39,40,43,44,45,52,53,54,55,58,59,60はそれぞれ適宜制御装置によってその作動が制御される。
次に、以上の構成を備えた本例の再生装置1を用いた再生処理について説明する。
A.エッチング廃液希釈工程
まず、前記制御装置(図示せず)による制御の下で送液ポンプ3が駆動され、エッチング液循環槽101から廃液貯留槽4に、送液管2を介してエッチング廃液が送液され、この廃液貯留槽4にエッチング廃液が貯留される。
前述のように、前記エッチング液供給装置100では、エッチング液循環槽101内に貯留されたエッチング液が、送液管102及び送液ポンプ103によってエッチング装置(図示せず)に供給され、エッチングの用に供されたエッチング液が、回収管104を介してエッチング液循環槽101に回収される。
繰り返しエッチングの用に供されるエッチング液は、エッチング作用によって、その液中にAl(アルミニウム)やMo(モリブデン)といった金属成分が溶け込んで蓄積され、その酸濃度が低下するため、使用時間が所定時間を越えると、エッチング液としての能力(エッチング能力)が低下することになる。
斯くして、このようにしてエッチング能力の低下したエッチング液(エッチング廃液)が、エッチング液循環槽101から廃液貯留槽4に送液され、貯留される。
尚、エッチング液のエッチング能力が低下したどうかの判断は、液中の金属成分を測定して、これが限界値に達したかどうかで判断するようにしても良く、或いは、エッチング液の使用時間を計測し、計測した使用時間が、エッチング能力が低下したと経験的に認められる使用時間に達したとき、エッチング能力が低下したと判断するようにしても良い。
廃液貯留槽4にエッチング廃液が貯留されると、次に、電磁弁7が開かれ、送液管6を介して前記メタノール液供給源6aから廃液貯留槽4にメタノール液が供給され、供給されたメタノール液によって、廃液貯留槽4内のエッチング廃液が希釈される。そして、予定した希釈が完了すると、電磁弁7を閉じてメタノール液の供給を停止する。
B.金属成分吸着工程
前述したエッチング廃液希釈工程が終了すると、次に、送液ポンプ11が駆動され、希釈したエッチング廃液(希釈廃液)が廃液貯留槽4から吸着塔14又は15に選択的に送液される。即ち、吸着塔14に希釈廃液が供給される場合には、電磁弁12,18,25が開かれ、電磁弁13,19,26は閉じられる。逆に、吸着塔15に希釈廃液が供給される場合には、電磁弁13,19,26は開かれ、電磁弁12,18,25は閉じられる。
尚、吸着塔14に希釈廃液が供給される場合、洗浄部33の電磁弁37,43、及び洗浄部48の電磁弁52,58が閉じられる。また、吸着塔15に希釈廃液が供給される場合、洗浄部33の電磁弁38,44、及び洗浄部48の電磁弁53,59が閉じられる。
斯くして、例えば、送液管10を介して吸着塔14に希釈廃液が供給されると、供給された希釈廃液は、吸着塔14内を流通して送液管16に流出し、更に、この送液管16から吸着塔20内に流入し、この吸着塔20内を流通して、送液管24に流出し、この送液管24を介して、最終的に再生液貯留槽27に流入し、貯留される。
そして、吸着塔14内を流通する際に、希釈廃液は、この吸着塔14内に収納された、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触する。この強酸性陽イオン交換樹脂は、希釈廃液中にAl成分が存在する場合には、このAl成分を吸着する。したがって、希釈廃液が吸着塔14内を流通するとき、当該希釈廃液中に含有されるAl成分が強酸性陽イオン交換樹脂に吸着されて、当該希釈廃液から除去される。
また、希釈廃液が、吸着塔20内を流通すると、この吸着塔20内に収納された、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂と接触する。この強塩基性陰イオン交換樹脂は、希釈廃液中にMo成分が存在する場合には、このMo成分を吸着する。したがって、希釈廃液が吸着塔20内を流通するとき、当該希釈廃液中に含有されるMo成分が強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されて、当該希釈廃液から除去される。
斯くして、希釈廃液が吸着塔14,20内を順次流通することで、当該希釈廃液中に含まれるAl成分及びMo成分が当該希釈廃液から順次除去され、これら金属成分が除去された希釈廃液が再生液貯留槽27に貯留される。
希釈廃液が吸着塔15に供給される場合も上記と同様であり、供給された希釈廃液は、まず、吸着塔15内を流通する際に、この吸着塔15内に収納された強酸性陽イオン交換樹脂と接触して、希釈廃液中に含まれるAl成分が当該強酸性陽イオン交換樹脂に吸着されて、当該希釈廃液から除去される。
ついで、希釈廃液は送液管17を経由して吸着塔21内を流通する際に、この吸着塔21内に収納された強塩基性陰イオン交換樹脂と接触して、希釈廃液中に含まれるMo成分が強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されて、当該希釈廃液から除去される。
そして、このようにして金属成分が除去された希釈廃液が再生液貯留槽27に貯留される。
尚、前記吸着塔14,20への希釈廃液の供給と、前記吸着塔15,21への希釈廃液の供給とは順次交番的に行われる。
C.洗浄工程
この洗浄工程は、休止状態にある吸着塔に対して行われる。即ち、吸着塔14,20に希釈廃液が供給されている場合には、吸着塔15,21に対して洗浄が実施され、吸着塔15,21に希釈廃液が供給されている場合には、吸着塔14,20に対して洗浄が実施される。
吸着塔15,21の場合を例に、洗浄の具体的な工程を説明すると、まず、全ての電磁弁37,38,39,40,43,44,45,52,53,54,55,58,59,60を閉じた状態で、洗浄部33の電磁弁38,39,44,45及び洗浄部48の電磁弁53,54,59,60を開いて、前記第1の洗浄液供給源(図示せず)から吸着塔15にHCl水溶液を供給し、前記第2の洗浄液供給源(図示せず)から吸着塔21にNaOH水溶液を供給する。
これにより、HCl水溶液が流入する吸着塔15では、HCl水溶液と強酸性陽イオン交換樹脂とが接触することで、強酸性陽イオン交換樹脂に吸着されたAl成分がHClと化学反応を起こし、強酸性陽イオン交換樹脂から離脱して、HCl水溶液中に溶出する。そして、吸着塔15内を流通し、Al成分を含んだHCl水溶液は、送液管42,41を介して、前記第1の回収槽(図示せず)に回収される。
一方、NaOH水溶液が流入する吸着塔21では、NaOH水溶液と強塩基性陰イオン交換樹脂とが接触することで、強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されたMo成分がNaOHと化学反応を起こし、強塩基性陰イオン交換樹脂から離脱して、NaOH水溶液中に溶出する。そして、吸着塔21内を流通し、Mo成分を含んだNaOH水溶液は、送液管57,56を介して、前記第2の回収槽(図示せず)に回収される。
以上のようにして、それぞれ所定時間だけHCl水溶液,NaOH水溶液を流通させて、強酸性陽イオン交換樹脂からAl成分を離脱させ、強塩基性陰イオン交換樹脂からMo成分を離脱させた後、洗浄部33の電磁弁39及び洗浄部48の電磁弁54を閉じて、HCl水溶液及びNaOH水溶液の供給を停止する。
次に、洗浄部33の電磁弁40及び洗浄部48の電磁弁55を開いて、前記純水供給源(図示せず)から吸着塔15及び吸着塔21にそれぞれ純水を供給する。これにより、吸着塔15,21内をそれぞれ純水が流通し、吸着塔15では、純水によって強酸性陽イオン交換樹脂が洗浄され、一方、吸着塔21では、純水によって強塩基性陰イオン交換樹脂が洗浄され、これらが浄化される。
そして、吸着塔15を通過した水は、送液管42,41を介して、前記第1の回収槽(図示せず)に回収され、吸着塔15を通過した水は、送液管57,56を介して、前記第2の回収槽(図示せず)に回収される。
このようにして、所定時間だけ吸着塔15及び吸着塔21を洗浄した後、洗浄部33の電磁弁40及び洗浄部48の電磁弁55を閉じて、純水の供給を停止する。
以上のことは、吸着塔14,20についても同様であり、洗浄部33,48の電磁弁を閉じた状態から、洗浄部33の電磁弁37,39,43,45及び洗浄部48の電磁弁52,54,58,60を開いて、前記第1の洗浄液供給源(図示せず)から吸着塔14にHCl水溶液を供給し、前記第2の洗浄液供給源(図示せず)から吸着塔20にNaOH水溶液を供給する。
そして、所定時間だけHCl水溶液,NaOH水溶液を流通させて、強酸性陽イオン交換樹脂からAl成分を離脱させ、強塩基性陰イオン交換樹脂からMo成分を離脱させた後、洗浄部33の電磁弁39及び洗浄部48の電磁弁54を閉じて、HCl水溶液及びNaOH水溶液の供給を停止する。
次に、洗浄部33の電磁弁40及び洗浄部48の電磁弁55を開いて、前記純水供給源(図示せず)から吸着塔14及び吸着塔20にそれぞれ純水を供給して内部を洗浄し、所定時間経過後、電磁弁40及び電磁弁55を閉じて純水の供給を停止し、処理を終了する。
D.濃縮工程
吸着塔14,20又は吸着塔15,21を流通して送出された、金属成分除去後の希釈廃液(これを、希釈再生液という)は、送液管24,23又は送液管23を介して、再生液貯留槽27に送液され、貯留される。
この再生液貯留槽27に貯留された希釈再生液は、まず、送液ポンプ29によって、濃縮機構部30に供給される。
そして、濃縮機構部30に供給された希釈再生液は、この濃縮機構部30によって加熱され、そのメタノール成分が除去されて、リン酸を含む酸の濃度が、所定の濃度となるように濃縮される。しかる後、希釈再生液を濃縮した液(再生エッチング液)が、送液ポンプ32によって、当該濃縮機構部30からエッチング液循環槽101に送液される。
以上説明したように、本例の再生装置1によれば、まず、エッチング廃液がエッチング液循環槽101から廃液貯留槽4に送液され、貯留される。
そして、送液管6を介して廃液貯留槽4にメタノール液が供給され、当該廃液貯留槽4内に貯留されたエッチング廃液が希釈される。
次に、希釈したエッチング廃液、即ち、希釈廃液は、廃液供給部8によって吸着塔14,20、又は吸着塔15,21に選択的に供給され、吸着塔14、15に装填された強酸性陽イオン交換樹脂によって、液中のAl成分が吸着,除去され、吸着塔20、21に装填された強塩基性陰イオン交換樹脂によって、液中のMo成分が吸着,除去される。
そして、このようにして金属成分の除去された希釈再生液が、濃縮機構部30によってその濃度が濃縮され、その酸濃度が、所定の濃度となるように調整された後、エッチング液循環槽101に送液(還流)される。
斯くして、本例の再生装置1によれば、エッチング廃液をメタノール液で希釈するようにしているので、水で希釈する従来法に比べて、エッチング廃液中のAl成分及びMo成分を効率的に除去することができる(図4及び図5参照)。
即ち、各イオン交換樹脂を従来と同量用いる場合には、従来法に比べて短時間でエッチング廃液を再生することができ、処理時間を従来法と同じ時間に設定する場合には、各イオン交換樹脂の使用量を低減させることができ、装置のコンパクト化を図ることができる。そして、いずれの場合にも、処理コストを低減させることができる。
また、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率をAと、メタノール成分の体積をV1と、メタノールとリン酸以外の成分の体積をV2としたときに、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満たすようにエッチング廃液を希釈しているので、エッチング廃液中のAl成分を更に効率的に除去することができる(図6参照)。また、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるようにエッチング廃液を希釈しているので、一定レベルの除去率を得つつ濃縮時のエネルギーコストが大きくなるのを防止することができる。
また、水の蒸発潜熱が約540Kcal/Kgであるのに対して、メタノールの蒸発潜熱は約263Kcal/Kgと低い。したがって、本例によれば、メタノール成分を蒸発させて希釈エッチング廃液を濃縮する際に必要な熱エネルギーが従来に比べて小さくて足り、エネルギーコストの低減を図ることができる。
また、一つの処理ラインではなく、二つの処理ライン(吸着塔14,20と、吸着塔15,21)を設けて、各処理ラインに交番的に希釈廃液を供給して、再生処理を行うようにしているので、一つの処理ラインの強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂の吸着性能が低下したとしても、処理ラインを切り替えて他の処理ラインを使用することで、連続的にエッチング廃液を再生することができる。
また、希釈廃液が供給されていない処理ライン、即ち、休止状態にある処理ラインに対して洗浄工程を実施して、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂の吸着性能を再生するようにしているので、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を効果的に使用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
例えば、上例では、強酸性陽イオン交換樹脂が装填された吸着塔14,15に対して希釈廃液を供給し、ついで、この吸着塔14,15から流出した希釈廃液を、強塩基性陰イオン交換樹脂が装填された吸着塔20,21に流入させるように構成したが、これに限るものではなく、強塩基性陰イオン交換樹脂が装填された吸着塔20,21に対して希釈廃液を供給し、ついで、この吸着塔20,21から流出した希釈廃液を、強酸性陽イオン交換樹脂が装填された吸着塔14,15に流入させるように構成しても良い。
この場合、上例の再生装置1は、図2に示すように構成される。即ち、吸着塔20の前記一方端部に送液管10が接続され、吸着塔21の前記一方端部に送液管9が接続される。また、吸着塔14の前記他方端部に送液管24が接続され、吸着塔15の前記他方端部に送液管23が接続される。更に、接続管16は吸着塔20の前記他方端部と吸着塔14の前記一方端部に接続され、接続管17は吸着塔21の前記他方端部と吸着塔15の前記一方端部に接続される。図2に示した再生装置1’によっても、図1に示した再生装置1と同様の作用効果が奏される。
また、上例では、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を別々の吸着塔に収納し、これらを送液管によって連結して、それぞれに希釈廃液を供給するようにしたが、強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂を一つの吸着塔に収容して、この吸着塔に希釈廃液を供給するように構成しても良い。
このように構成された再生装置の概略構成を図3に示す。尚、図1に示した再生装置1と同じ構成部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図3に示すように、この再生装置70は、上例の吸着塔14,20に代えて吸着塔71を、吸着塔15,21に代えて吸着塔72を設けたものである。
そして、これら各吸着塔71,72内に、それぞれ官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂、及び官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填されている。
そして、各吸着塔71,72に希釈廃液が供給されると、各吸着塔71,72に装填された強酸性陽イオン交換樹脂によって、液中のAl成分が吸着,除去されるとともに、強塩基性陰イオン交換樹脂によって、液中のMo成分が吸着,除去され、希釈廃液中から金属成分が除去される。
斯くして、この再生装置70によれば、上例の再生装置1と同様にして、エッチング廃液からAl成分及びMo成分を除去することができ、当該エッチング廃液を再使用することができる。
尚、この再生装置70では、洗浄部73が、HCl水溶液を供給する第1の洗浄液供給源(図示せず)に接続された送液管33と、NaOH水溶液を供給する第2の洗浄液供給源(図示せず)に接続された送液管49と、純水を供給する純水供給源(図示せず)に接続された送液管36とを備えている。
HCl水溶液とNaOH水溶液の内、いずれを先に供給しても良いが、HCl水溶液を供給することで吸着塔71,72内の強酸性陽イオン交換樹脂からAl成分が除去され、NaOH水溶液を供給することで、吸着塔71,72内の強塩基性陰イオン交換樹脂からMo成分が除去され、これら強酸性陽イオン交換樹脂及び強塩基性陰イオン交換樹脂が再生される。
以上説明したように、本発明は、少なくともリン酸を含むエッチング廃液中のAl成分やMo成分を除去して、該エッチング廃液をエッチング液として再使用可能な状態に再生する再生方法及び再生装置として、好適である。
1 再生装置
4 廃液貯留槽
5 希釈部
8 廃液供給部
14,15,20,21 吸着塔
16,17 接続管
22 濃縮部
33,48 洗浄部
100 エッチング液供給装置
101 エッチング液循環槽

Claims (9)

  1. 少なくともリン酸を含むエッチング廃液からAl成分を除去して、該エッチング廃液を再生する方法であって、
    少なくともメタノールを含む溶媒で前記エッチング廃液を希釈する希釈工程と、
    前記希釈エッチング廃液を、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触させ、該強酸性陽イオン交換樹脂にAl成分を吸着させて、該希釈エッチング廃液からAl成分を除去する除去工程と、
    Al成分を除去した後の希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮する濃縮工程とを備えてなることを特徴とするエッチング廃液の再生方法。
  2. 前記除去工程では、前記希釈エッチング廃液を、更に、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させ、該強塩基性陰イオン交換樹脂にMo成分を吸着させて、該希釈エッチング廃液からMo成分を除去し、
    前記濃縮工程では、Al成分及びMo成分を除去した後の希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮するようにしたことを特徴とする請求項1記載のエッチング廃液の再生方法。
  3. 前記希釈工程では、前記エッチング廃液をメタノール液で希釈するとともに、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率をAと、メタノール成分の体積をV1と、メタノールとリン酸以外の成分の体積をV2としたときに、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満たすように希釈することを特徴とする請求項1又は2記載のエッチング廃液の再生方法。
  4. 前記希釈工程では、前記エッチング廃液を、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈することを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかのエッチング廃液の再生方法。
  5. 少なくともリン酸を含むエッチング廃液からAl成分を除去して、該エッチング廃液を再生する装置であって、
    前記エッチング廃液を貯留する廃液貯留槽と、
    少なくともメタノールを含む溶媒を前記廃液貯留槽に供給して、該廃液貯留槽内のエッチング廃液を希釈する希釈手段と、
    密閉された容器体からなり、該容器体内に、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂が装填されてなる吸着塔と、
    前記廃液貯留槽に貯留された希釈エッチング廃液を前記吸着塔に供給する廃液供給手段と、
    前記吸着塔に接続して該吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を受容し、受容した希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮する濃縮手段とを備えてなることを特徴とするエッチング廃液の再生装置。
  6. 密閉された容器体からなり、該容器体内に、官能末端基がOH基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填されてなる吸着塔と、
    前記陽イオン交換樹脂が装填された吸着塔と、前記陰イオン交換樹脂が装填された吸着塔とを接続する接続管とを更に備え、
    前記廃液供給手段は、前記廃液貯留槽内の希釈エッチング廃液を前記吸着塔の一方に供給するように構成され、
    前記濃縮手段は、前記吸着塔の他方に接続して該吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を受容し、受容した希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮するように構成されてなることを特徴とする請求項5記載のエッチング廃液の再生装置。
  7. 少なくともリン酸を含むエッチング廃液からAl成分及びMo成分を除去して、該エッチング廃液を再生する装置であって、
    前記エッチング廃液を貯留する廃液貯留槽と、
    少なくともメタノールを含む溶媒を前記廃液貯留槽に供給して、該廃液貯留槽内のエッチング廃液を希釈する希釈手段と、
    密閉された容器体からなり、該容器体内に、官能末端基がH基であるポーラス型の強酸性陽イオン交換樹脂、及び官能末端基がOH型基であるポーラス型の強塩基性陰イオン交換樹脂が装填されてなる吸着塔と、
    前記廃液貯留槽に貯留された希釈エッチング廃液を前記吸着塔に供給する廃液供給手段と、
    前記吸着塔に接続して該吸着塔から流出する希釈エッチング廃液を受容し、受容した希釈エッチング廃液から前記溶媒成分を除去して濃縮する濃縮手段とを備えてなることを特徴とするエッチング廃液の再生装置。
  8. 前記希釈手段は、前記廃液貯留槽内のエッチング廃液をメタノール液で希釈するとともに、希釈エッチング廃液のメタノールの体積分率をAと、メタノール成分の体積をV1と、メタノールとリン酸以外の成分の体積をV2としたときに、A=(V1)/(V1+V2)≧0.5の関係を満たすように希釈することを特徴とする請求項5乃至7記載のいずれかのエッチング廃液の再生装置。
  9. 前記希釈手段は、前記エッチング廃液を、リン酸濃度が1〜3.5モル/Lとなるように希釈することを特徴とする請求項5乃至8記載のいずれかのエッチング廃液の再生装置。
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