JP2010115662A - アルミニウム製部材のろう付方法 - Google Patents

アルミニウム製部材のろう付方法 Download PDF

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靖憲 兵庫
Masaya Katsumata
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Abstract

【課題】粉末ろうを用いたろう付に際し、バインダ残渣によるろう付不良を防止する。
【解決手段】Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含むろう付用塗膜が表面に形成されたアルミニウム製部材を用いてろう付する際に、ろう付昇温時の200〜450℃域での雰囲気中の酸素濃度を体積比で10〜4000ppmとする。前記Si粉末が0.1〜5g/m、Zn含有フッ化物系フラックスが2〜20g/m、バインダが0.1〜10g/mで含まれているのが望ましい。バインダがモノマーとして分解し、雰囲気中のろう付に影響しない適量の酸素で確実に燃焼して残渣が生じることなく良好なろう付がなされる。
【選択図】なし

Description

この発明は、好適にはアルミニウム熱交換器を構成するアルミニウム製部材のろう付方法に関するものである。
ろう付によって製造されるアルミニウム熱交換器では、Al−Si合金ろう材をクラッドしたブレージングシートに代えて、部材にベア材を用いてろう付に必要な部位にのみ粉末状のろうやフラックスを含有したろう付用塗膜を塗布してろう付する方法が提案されている(例えば特許文献1)。このように、ろう付用塗膜を用いてろう付される熱交換器は、ろう材を表面に張り合わせたブレージングシートからなる部材を用いてろう付する熱交換器に比べ、部材の薄肉化や調達のし易さに優れている。
特開2004−330233号公報
ところで、上記ろう付用塗膜は、部材に固着するためのバインダが含有されており、このバインダは、ろう付加熱時にフラックスの活性化前に分解蒸発しなければならない。この分解蒸発が不十分な場合、塗膜中やチューブ表面に残渣となり、ろう付不良の原因となることがある。また、バインダ残渣の発生を抑制するために添加量を低減すると、塗膜強度(密着性)が低下し、熱交換器の組付け工程で塗膜が剥離しろう付不良の原因となることがある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、粉末ろうを用いてろう付する際に、ろう付不良の発生を防止して良好なろう付を可能にするアルミニウム製部材のろう付方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のアルミニウム製部材のろう付方法のうち第1の本発明は、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含むろう付用塗膜が表面に形成されたアルミニウム製部材を用いてろう付する際に、ろう付昇温時の200〜450℃域での雰囲気中の酸素濃度が体積比で10〜4000ppmであることを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム製部材のろう付方法は、前記第1の本発明において、前記塗膜に、前記Si粉末が0.1〜5g/m、Zn含有フッ化物系フラックスが2〜20g/m、バインダが0.1〜10g/mで含まれていることを特徴とする。
バインダとしてのアクリル樹脂等は、200℃以上に加熱されると樹脂(ポリマー)がモノマーに分解し、炉内雰囲気中の酸素により燃焼して炭酸ガスとなる。モノマーの燃焼が不十分な場合、残渣としてバインダが塗膜中やチューブ表面に残り、ろう付性を阻害する原因となる。そのため、ろう付時の炉内雰囲気中には、モノマーが燃焼するための酸素が必要であることが分かった。また、モノマーが燃焼することで、バインダ分解蒸発後の炉内酸素濃度は低下し、ろう付性が向上する。
バインダモノマーを燃焼させるには、モノマーが燃焼する200〜450℃の温度域において、炉内酸素濃度が体積比で10〜4000ppmであるのが適正である。10ppm未満では燃焼分解蒸発が不十分となる。一方、4000ppmを越えると炉内雰囲気の酸素がバインダ分解蒸発(モノマー燃焼)により消費しきれないため、その後のろう付性を阻害する。なお、炉内雰囲気としては、真空雰囲気や不活性ガスなどの非酸化性雰囲気が代表的である。なお、同様の理由で、下限を15ppm、上限を2000ppmとするのが望ましい。
上記体積比が定められている温度域は、バインダがモノマーに分解する温度域であり、上記温度域以外での酸素濃度は特に限定されない。ただし、上記温度域で酸素が消費されるため、上記温度域を越える温度では、上記酸素濃度の上限を超えないのが望ましい。
また、粉末ろうは、一般的にAl−Si合金が用いられるが、このような合金粉末は酸化し易いためにバインダの燃焼に使用するための酸素で酸化皮膜が増加しろう付性が低下する。そのため、粉末ろうはAl−Si合金粉末より酸化し難いSi粉末が適しており、本発明では、このSi粉末を用いている。
このSi粉末の粒径が過大になると、著しいエロージョンが生じ、チューブの強度や耐食性が低下する問題がある。このため、Si粉末の最大粒径は30μm以下とするのが望ましい。
上記Si粉末は、塗布量が少ないと十分なろう付性が得られず、一方、過剰に塗布すると未反応のSi粉末が残渣となる。このため、Si粉末の塗布量を0.1〜5g/mとするのが望ましい。
また、ろう付用塗膜が塗布されているアルミニウム製部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるために酸化し易く、バインダの燃焼に使用するための酸素で酸化皮膜が増加する。そのため、増加した酸化皮膜を破壊するために、より活性度の高いフラックスが必要となる。そのため、フラックスは一般的に使用されているフッ化物系フラックス(KAlFなど)より活性度の高いZn含有フッ化物系フラックス、特にKZnFが適している。このZn含有フッ化物系フラックスの塗布量が少ないと、Zn拡散層の形成が不十分になり、チューブなどのアルミニウム製部材の耐食性が低下する。一方、塗布量が過剰になると、フィレットのZn濃縮が顕著になり、フィレットの耐食性が低下して、フィン脱落などの問題が発生する。このため、Zn含有フッ化物系フラックスの塗布量を2〜20g/mとするのが望ましい。
さらに、前記ろう付用塗膜には、上記Si粉末やZn含有フッ化物系フラックスをアルミニウム製部材に固定するためのバインダが含まれている。本発明としてはこのバインダの種別が特に限定されるものではなく、例えば、石油樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル系樹脂などが用いられるが、特にはアクリル系樹脂が好適である。
該バインダの塗布量としては、0.1〜10g/mが望ましい。0.1g/m未満では、バインダとしての作用が十分に得られず、一方、10g/mを越えると、分解蒸発しきれず残渣となりろう付性を低下させる。
以上、説明したように、本発明のアルミニウム製部材のろう付方法によれば、Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含むろう付用塗膜が表面に形成されたアルミニウム製部材を用いてろう付する際に、ろう付昇温時の200〜450℃域での雰囲気中の酸素濃度が体積比で10〜4000ppmであるので、バインダ残渣が生じることなく良好なろう付が可能になる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
適宜組成の純アルミニウムまたはアルミニウム合金を溶製し、適宜の均質加熱処理などを施して熱間押出によってチューブ形状に成形する。なお、アルミニウム製のチューブの製法は本発明としては特に限定されるものではなく、また、得られるチューブ形状も本発明としては特に限定されるものではない。該チューブの他に、適宜組成のフィン用純アルミニウムまたはアルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程などを経て波形形状のフィンとする。なお、フィンの製造方法は、本発明としては特に限定をされるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
上記チューブの表面に、ろう付組成物を塗布してろう付用塗膜を形成する。ろう付組成物は、好適には、0.1〜5g/mのSi粉末(最大粒径30μm以下)、2〜20g/mのZn含有フッ化物系フラックスおよび0.1〜10g/mのアクリル系樹脂からなるバインダに、水、アルコールなどの適宜材料の溶剤を加えたものである。
このろう付組成物の塗布方法は特に限定されるものではなく、スプレー法、シャワー法、フローコーター法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法などの適宜の方法によって行うことができ、本発明としては塗布方法が特に限定されるものではない。また、ろう付組成物の塗布領域は、チューブの全表面としてもよく、また、チューブの一部表面とするものであってもよく、要は、少なくともろう付に必要なチューブ表面領域に塗布されるものであればよい。上記塗布によって、チューブ表面にろう付用塗膜が形成される。
上記チューブとフィンとは、必要に応じて図示しないヘッダープレートなどとともに互いに組み付けられてろう付けに供される。ろう付けに際しては、不活性雰囲気、真空雰囲気などの適当な雰囲気で酸素濃度を調整しつつ適温に加熱して、ろう付用塗膜を溶解させる。この際に、200〜450℃域のろう付昇温時には、雰囲気における酸素濃度が体積比で10〜4000ppmになるようにする。なお、チューブなどを組み付けた組み付け体の内部では、雰囲気置換が十分になされないことがあり、上記酸素濃度を満たさないものであっても良い。ただし、好適には、組み付け体内部においても上記酸素濃度を満たすのが望ましい。酸素濃度の調整は、不活性ガス雰囲気においては不活性ガスの投入量や酸素濃度を管理したガスを用いたり、真空雰囲気においては真空引きを制御するなどして行うことができる。
ろう付加熱において、雰囲気中の適度な酸素によってろう付用塗膜中のバインダは分解して徐々に蒸散する。ろう付の際の加熱温度としては580〜620℃が例示される。また、加熱保持時間としては1〜10分が挙げられる。ただし、これら温度および加熱時間は例示であり、本発明としては特定の条件に限定されるものではない。
ろう付に際しては、チューブのマトリックスの一部が上記ろう付用塗膜と反応してろうとなって、部材同士が良好にろう付される。チューブ表面ではろう付けによってフラックス中のZnが拡散してチューブ内側よりも卑になる。
上記ろう付けに際し、フラックスは、被ろう付け材の表面酸化皮膜を除去し、ろう付け加熱中の酸化を防止し、さらにろうの広がり、ぬれを促進してろう付け性を向上させる。
上記ろう付けに際しては、Si粉末やフラックス、バインダの残渣もなく、良好なろう付けがなされ、チューブとフィンとの間に十分なサイズのフィレットが形成される。また、該フィレットのサイズ増大化によって該フィレットへのZn濃縮は抑制される。
得られた熱交換器は、チューブの表面に適度なZn層が形成されて孔食が防止され、また、フィレットの腐食が抑制され、長期に亘ってチューブとフィンとが確実に接合されたままとなり、良好な熱交換性能が維持される。
なお、上記実施形態では、アルミニウム製部材をろう付して熱交換器を製造する例を好適例として説明した。ただし、本発明としては適用例が熱交換器に限定されるものではなく、他のろう付品の製造にも適用することが可能である。
以下に、本発明の実施例を説明する。
常法により製造したJIS A1050合金からなる押出チューブに、表1記載の構成でろう付用塗膜を塗布し、JIS A3003合金ベアフィンと組付け600℃×3min保持のろう付熱処理を行った。なお、Si粉末の最大粒径はいずれも30μm以下となっている。この際に、ろう付温度200〜450℃域での平均酸素濃度(体積比)をジルコニア式酸素濃度計により測定した。
また、ろう付後のフィン接合率(目標95%以上)=ろう付されたフィン長さ/フィン接合部長さ×100の方法により測定し、ろう付性の評価を行い、その結果を表1に示した。
表1から明らかなように、本発明例では、概ね良好なフィン接合率が得られた。但し、ろう付用塗膜の塗布量が適切でないものでは、フィン接合率がやや低かったり、残渣が生じる問題があった。一方、比較例では、フィン接合率が相当低い結果となった。
Figure 2010115662

Claims (2)

  1. Si粉末、Zn含有フッ化物系フラックスおよびバインダを含むろう付用塗膜が表面に形成されたアルミニウム製部材を用いてろう付する際に、ろう付昇温時の200〜450℃域での雰囲気中の酸素濃度が体積比で10〜4000ppmであることを特徴とするアルミニウム製部材のろう付方法。
  2. 前記塗膜に、前記Si粉末が0.1〜5g/m、Zn含有フッ化物系フラックスが2〜20g/m、バインダが0.1〜10g/mで含まれていることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム製部材のろう付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012112000A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器用偏平管および熱交換器

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