JP2010115612A - 浄水カートリッジおよび浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部から導入した水を下部から吐出させる場合であっても、内部を流れる水の流量変動を抑制することのできる浄水カートリッジおよびそれを備える浄水器を得る。
【解決手段】浄水カートリッジ6のケース7内に、水を浄化する浄化室S2と、水に添加する添加剤16を収容する添加剤収容室S1とを形成し、当該添加剤収容室S1の下部に設けられる隔壁14の下方に空気捕集部27を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水カートリッジおよびそれを備えた浄水器に関する。
従来、浄水器に装着可能な浄水カートリッジとして、円筒状のハウジング内に、機能性有効成分を有する添加剤(フィルター材)を収容する添加剤収容部及び当該添加剤収容部を迂回するバイパス流路を形成し、原水をハウジング下部から添加剤収容部およびバイパス流路に導入し、添加剤収容部を通過した機能性有効成分を含む水とバイパス流路を通過したバイパス水とをハウジングの上部空間で混合させてハウジング上部から吐出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、添加剤収容部およびバイパス流路に流入させる原水の流量比を一定にすることで、所定濃度の機能性有効成分を含む水を得るようにしている。
特開2006−35214号公報
しかしながら、浄水器の中には、ポット型浄水器のように、上部から原水を導入して下端から浄水を吐出させるタイプの浄水カートリッジを用いるものもあり、かかる浄水器に上記従来技術を適用した場合、上部から流入する水によって浄水カートリッジ内の空気の上方への移動が抑制され、浄水カートリッジ内の原水流入口よりも下部に空気溜まりが形成されるおそれがある。そして、このような空気溜まりが浄水カートリッジ内に形成されると、当該空気溜まりによって浄水カートリッジを流れる水流が妨害されて浄水カートリッジを通過する水の流量が不安定になってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、上部から導入した水を下部から吐出させる場合であっても、内部を流れる水の流量変動を抑制することのできる浄水カートリッジおよびそれを備える浄水器を得ることを目的とする。
請求項1の発明にあっては、上部に水を導入する導水口が設けられ底部に排水口が設けられたケースを有し、当該ケース内の下部に水を浄化する浄化室を設けるとともに、上部に水に添加する添加剤を収容する添加剤収容室を設けた浄水カートリッジであって、前記添加剤収容室の下部には、当該添加剤収容室内の水を排水する開口部を有するとともに、当該添加剤収容室を隔成する隔壁が設けられており、当該隔壁の下方には、空気捕集部が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の浄水カートリッジにおいて、前記隔壁は、前記開口部が前記空気捕集部よりも下側に位置するように構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明にあっては、請求項2に記載の浄水カートリッジにおいて、前記浄水カートリッジは、浄水器本体に着脱可能に取り付けられており、前記ケースの外周部には、前記浄水器本体との相対回転を規制する回転規制部が設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明にあっては、請求項1に記載の浄水カートリッジにおいて、前記ケースの少なくとも上部が略円筒状に形成されており、前記隔壁には、前記ケースの周縁部から中心部に向けて上昇する傾斜面が設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記ケースの天壁部にはケース内の空気を外部に排出する空気抜き孔が設けられており、当該ケースには空気の排出をガイドする空気抜き管が設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明にあっては、請求項5に記載の浄水カートリッジにおいて、前記空気抜き孔は、前記ケースの天壁部の上方で当該ケースの側方に向けて開口していることを特徴とする。
請求項7の発明にあっては、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記ケースには、前記添加剤収容室を迂回して前記浄化室に水を導入する第二導水口が形成されていることを特徴とする。
請求項8の発明にあっては、請求項7に記載の浄水カートリッジにおいて、前記導水口が前記第二導水口より上方に配置されていることを特徴とする。
請求項9の発明にあっては、導入された原水を少なくとも浄化した浄水を得る上記浄水カートリッジを、着脱可能に装着した浄水器である。
請求項1の発明によれば、隔壁の下方に空気捕集部を設けることで、隔壁の下方に形成される空気溜まりによって開口部が塞がれてしまうのを抑制することができるため、添加剤収容室内部から開口部を経て下方に流れる水の流量変動を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、開口部が空気捕集部よりも下側に位置するように隔壁を構成しているため、空気溜まりによって開口部が塞がれてしまうのをより一層抑制することができる。
請求項3の発明によれば、ケースの外周部に、浄水器本体との相対回転を規制する回転規制部を設けることで、浄水器本体を傾斜させたりした際に浄水カートリッジが浄水器本体に対して回動してしまうのが抑制されるため、空気捕集部に収容した空気が開口部側に移動してしまうのを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、隔壁にケースの周縁部から中心部に向けて上昇する傾斜面を設けることで、空気を傾斜に沿って上昇させることができ、空気が開口部を塞いでしまうのをより一層抑制することができる。
請求項5の発明によれば、ケースの天壁部にケース内の空気を外部に排出する空気抜き孔を設けるとともに、ケースに空気の排出をガイドする空気抜き管を設けることで、ケース内の空気をより確実に外部へ排出することができるようになる。
請求項6の発明によれば、空気抜き孔を、ケースの天壁部の上方で当該ケースの側方に向けて開口させたため、ケースの天壁部上方に鉛直方向下向きの水流が生じた場合においても、当該水流に邪魔されることなくケース内の空気を外部に排出することができるようになる。
請求項7の発明によれば、導水口から導入されて添加剤収容室内を流れる水と、第二導水口から導入されて添加剤収容室をバイパスする水とを分流することで、添加剤収容室内を流れる水の流量を調整しやすくなり、ひいては添加剤濃度の調整精度を高めやすくなる。
請求項8の発明によれば、導水口を第二導水口より高い位置に形成することで、水頭差や水の動圧等によって導水口での水の流量、すなわち添加剤収容室内での水の流量が必要以上に増大するのを抑制することができる。
請求項9の発明によれば、上記作用効果を奏する浄水カートリッジを装備した浄水器を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示しており、図1は、浄水器の断面図、図2は、浄水カートリッジの断面図、図3は、浄水カートリッジの分解斜視図、図4は、浄水カートリッジの斜視図であって、(a)は可動遮蔽部材によって導水口が開放された状態を示す図、(b)は導水口が半分程度遮蔽された状態を示す図である。
まずは、図1を参照して、本実施形態にかかる浄水器1の概略構成について説明する。この浄水器1は、ポット型浄水器として構成されている。略有底筒状のポットケース2の筒内には、略有底筒状の隔壁体3が収容されており、この隔壁体3によって、ポットケース2の筒内が、上側の略半分をなす原水室4と下側の略半分をなす浄水室5とに区画されている。なお、本実施形態では、ポットケース2と隔壁体3とが浄水器本体に相当する。
隔壁体3の底壁3aには、下方に向けて凹設された略円筒状の凹部3bが形成されている。この凹部3bに、略円筒状の浄水カートリッジ6が、上方から奥まで差し込まれて嵌着される。凹部3bの奥壁3cには、開口3dが形成されている。
浄水カートリッジ6が凹部3bに嵌着された状態では、浄水カートリッジ6の上部6aが原水室4内に露出し、この上部6aでケース7に形成された導水口7a,7bが原水室4に臨むようになっている。第二導水口7bは、底壁3aの近傍に設置されている。また、この状態では、浄水カートリッジ6の下端部6bが、開口3dから浄水室5内に露出し、この下端部6bでケース7に形成された排水口7cが浄水室5に臨むようになっている。原水室4内の原水は、導水口7a,7bから浄水カートリッジ6内に導入され、少なくとも浄化された後に、排水口7cから浄水室5内に排出される。
原水室4の上方には、給水口8aの形成された天壁8が配置されている。給水口8aは、天壁8に回動可能に取り付けられた上開き式の蓋9によって、開閉可能に塞がれている。原水は、蓋9を上方に開いた状態で給水口8aを介して原水室4内に供給される。
また、隔壁体3の側壁3eとポットケース2との間には、浄水室5から上方に向けて伸びる通路10が形成されており、ポットケース2または天壁8には、通路10の上端部となる位置に、注水口10aを形成してある。本実施形態では、ポットケース2を注水口10aが下方となるように傾倒させることで(図1ではポットケース2を時計回り方向に傾倒させることで)、浄水室5内に貯留された浄水を、通路10を経て注水口10aから排出させる。なお、本実施形態では、注水口10aは、ポットケース2あるいは天壁8に回動可能に支持された上開き式の蓋11によって、開閉可能に塞がれている。この場合、ポットケース2を傾けたときに、蓋11を自重や水の動圧等によって回動させ、注水口10aを開放するように構成することができる。
次に、図2〜図4を参照して、浄水カートリッジ6の構成について説明する。浄水カートリッジ6は、略円筒形状に形成されており、当該円筒形状の中心軸Ax(図1,図2参照)が上下方向に沿う姿勢で使用される。ケース7は、使用状態で上部をなすアッパケース12と、下部をなすロワケース13とを有し、アッパケース12の下縁とロワケース13の上縁とを相互に結合して略円筒状の外形状を呈している。なお、以下では、使用状態における浄水カートリッジ6の円筒形状を基準として、上下方向、軸方向、周方向、および径方向を規定する。
ケース7内は、隔壁14と、この隔壁14に対して間隔をあけて下方に配置されるシート15とによって、上下方向(軸方向)に大きく3箇所の空間に分けられており、このうち最上部が添加剤16を収容する添加剤収容室S1、最下部が水を浄化する浄化室S2、中間部が中間室S3となっている。
添加剤収容室S1は、アッパケース12と隔壁14とによって囲まれて形成されている。アッパケース12は、ケース7の周壁上部をなす周壁12aと、ケース7の天壁をなす天壁12bと、天壁12bの中央部から浄水カートリッジ6の中心軸Axに略沿って下方に伸びる内筒12cと、を有している。そして、このアッパケース12に、その筒内の下部を塞ぐように隔壁14が取り付けられている。すなわち、本実施形態では、アッパケース12の筒内に、周壁12a、天壁12b、内筒12c、および隔壁14で囲まれた断面略円環状の空間として、添加剤収容室S1が形成されている。この添加剤収容室S1には、例えば直径数ミリ程度の粒状カルシウム等の添加剤16が収容される。
周壁12aには、図3,図4等に示すように、略矩形の導水口7aが形成されている。この導水口7aにはインサート成形等することで透水性のメッシュ17が張られており、添加剤16が導水口7aから零れ出るのが抑制されている。また、内筒12cには、その下端から上方に向けて伸びるスリット状の切欠12dが形成されている。切欠12dの幅は、添加剤16の粒径より小さく設定され、これにより、添加剤16が切欠12dから零れ出るのが抑制されている。なお、本実施形態では、切欠12dの上縁12eの軸方向の位置と、導水口7aの上縁12fの軸方向の位置とを、ほぼ同じにしてある。
また、隔壁14の底壁部14aの中央部には上方に向けて略円錐状に突出する突出部14bが形成されており、この突出部14bの中央部には上方に向けて突出して内筒12cが挿通される筒部14cが形成されている。そして、隔壁14の底壁部14aの中央部に突出部14bを設けることによって、当該突出部14bの下方(隔壁14の下方)に空間部が形成され、この空間部を空気捕集部27として機能させている。さらに、底壁部14aには添加剤収容室S1からの排水口として浄水カートリッジ6の中心軸Axから放射状に伸びる複数のスリット(開口部)14dが形成されている。このスリット14dの幅も、添加剤16の粒径より小さく設定され、これにより添加剤16がスリット14dから零れ出るのが抑制されている。
以上の構成を備える添加剤収容室S1では、原水室4から導水口7aを介して添加剤収容室S1内に導入された原水に添加剤16が溶出し、添加剤の添加された水が添加剤収容室S1から隔壁14のスリット14dを介して中間室S3に流出する。
ここで、本実施形態では、添加剤収容室S1の上部に空気を閉じこめる空気溜まりAaを形成し、これにより、空気溜まりAa内、すなわち添加剤収容室S1の上部に存在する添加剤16については、水に浸漬させないようにしている。すなわち、周壁12a、天壁12b、および内筒12cで構成される凹部18は、下方に向けて開放されるのみで、上方に向けては空気の抜け道は無いため、導水口7aから添加剤収容室S1内に水が浸入し、原水室4に貯留された水に浄水カートリッジ6の上部6aが全て漬かった状態(すなわち水没した状態)となっても、この凹部18に空気が溜まり、空気溜まりAa内にある添加剤16の被水を防ぐことができるのである。本実施形態では、通常は、切欠12dおよび導水口7aの上縁12e,12fの位置が、浸水領域Awの上限Lとなり、この上限Lより下方に位置する添加剤16が水に浸かり、上限Lより上方に位置する添加剤16は水に浸からないことになる。
かかる構成では、下方に位置する添加剤16が水に浸かって溶出すると、上方に位置する添加剤16が重力で下方に降下して浸水領域Awに自動的に補給されることになる。よって、添加剤収容室S1に収容した添加剤16を下側に配置されたものから順次使用することができるようになるため、浄水カートリッジ内に収容した添加剤が全体的に浸水したり被水したりする構成に比べて、添加剤16の使用可能期間をより長くとりやすくなる上、浄水カートリッジ6の使用初期と使用後期とで添加剤の濃度差をより小さく抑えやすくなる。また、本実施形態によれば、浸水領域Awの高さによって添加剤16の浸漬高さを設定し、これにより添加剤濃度の最大値を設定することができる。すなわち、添加剤16が必要以上に水に溶け出すのを抑制することができる。
中間室S3の周壁をなすアッパケース12の周壁12aの下部には、図3,図4に示すように、周方向に略一定間隔をあけて第二導水口7bが複数形成されている。よって、中間室S3には、原水室4からこの第二導水口7bを介して原水が導入されるとともに、添加剤収容室S1からスリット14dを介して添加剤の添加された水が導入され、これらの水が中間室S3の下方に配置された浄化室S2(の吸着処理室S21)に導入される。すなわち、本実施形態では、第二導水口7bから中間室S3に導入された原水は、添加剤収容室S1を迂回することとなっている。このように、添加剤収容室S1内を流れる水と、添加剤収容室S1をバイパスする水とを分流することで、添加剤収容室S1内を流れる水の流量と、添加剤収容室S1をバイパスする水の流量とを独立して設定することができ、以て、添加剤濃度の調整精度を高めやすくすることができる。
また、本実施形態では、第二導水口7bを導水口7aより下方に配置している。このため、導水口7aと第二導水口7bとの高さの差による水頭差と、原水室4に給水された当初に隔壁体3の底壁3aに近い位置にある第二導水口7bに到達する水の動圧とによって、水は導水口7aに比べて第二導水口7bから、より入りやすくなっている。したがって、特に原水室4に給水された当初においては、導水口7aでの水の流量を比較的少なくすることができ、添加剤収容室S1内の水の流量を少なく調整しやすくなる。
また、本実施形態では、添加剤収容室S1を第二導水口7bより上方に配置したため、原水室4の水位が添加剤収容室S1の下端より低くなった後は、第二導水口7bからのみ浄水カートリッジ6内に水が流入することになり、添加剤収容室S1内を通過せず添加剤16が含まれない水によって中間室S3より下流側(中間室S3や浄化室S2内等)で添加剤16の排出を促進して添加剤16が残留するのを抑制することができる。よって、次の使用時に、残留した添加剤16によって添加剤濃度が設定値より高くなるのを抑制して、所望の添加剤濃度を得やすくなる。
中間室S3の下に配置される浄化室S2は、浄水カートリッジ6の中心軸Axに沿う位置に配置された略円筒状の筒体19によって、径方向に仕切られており、本実施形態では、筒体19の外周側を吸着剤(例えば粒状あるいは粉状の活性炭等)20が収容された吸着処理室S21とし、筒体19の筒内を濾過材(例えば逆U字状に湾曲された中空糸膜等)21が収容された濾過処理室S22としている。かかる構成では、中間室S3から導入された水は、吸着処理室S21および濾過処理室S22をこの順に経由して、下端部6bの排水口7cから排出されるようになっている。筒体19は、ケース7の底壁をなすロワケース13の底壁13aの中央部に形成された下方に凹む凹部13bに嵌入され、これにより、浄水カートリッジ6の中心軸Axに沿って上下方向に立設されている。
吸着処理室S21は、ケース7の周壁下部をなすロワケース13の周壁13c、筒体19、底壁13a、およびシート15で囲まれて、略円環状の断面を有する筒状に形成されている。シート15は、例えば不織布で構成することができる。本実施形態では、シート15は、リング状に形成されて筒体19を取り囲んでおり、その外縁部15aをアッパケース12とロワケース13との間に挟み込むようにしてケース7に固定してある。一方、内縁部15bは自由端として、水が中間室S3からこの内縁部15bと筒体19との間の隙間を経て吸着処理室S21内に導入されるようにしてある。なお、シート15を透水性素材によって構成し、水を透過させるようにしてもよい。また、本実施形態では、筒体19の上端に、キャップ22を装着し、このキャップ22から径外側に張り出すフランジ部22aによって、シート15の内縁部15bがフランジ部22aより上方には反り返らないようにしている。かかる構成により、浄水カートリッジ6を浄水器1から取り外した状態で傾けたり上下逆転させたりした場合にあっても、シート15がフランジ部22aに係止されて隙間が塞がれるため、吸着処理室S21から吸着剤20が中間室S3側に漏出するのを抑制することができる。
筒体19の下部には、連通口19aが形成されており、この連通口19aによって、吸着処理室S21と濾過処理室S22とが連通されている。吸着処理室S21内で吸着剤20に不純物を吸着させて除去した水は、連通口19aを介して濾過処理室S22内に導入される。
濾過処理室S22には、濾過材21としての細いストロー状の中空糸膜が、多数束ねられて略逆U字状に湾曲させた状態で収容されている。濾過処理室S22内から中空糸膜の膜壁を通過して膜内に透過した水は、膜内を通って濾過処理室S22の下端部に流出し、排水口7cから浄水室5に流出する。水が中空糸膜の膜壁を通過する際に、水に含まれる不純物が濾過される。濾過材21としての中空糸膜は、連通口19aより下方で接着剤(図示せず)によって隙間を埋められつつ筒体19に固定されており、この接着剤によって、濾過処理室S22内から中空糸膜を通過せずに直接流出するのが阻止されている。
上記構成の浄水カートリッジ6について発明者らが鋭意研究を重ねた結果、添加剤収容室S1内を流れる水の流量に応じて、水の添加剤濃度が変化することが判明した。一例として、添加剤16として粒状カルシウム剤を用いた場合において、添加剤収容室S1内を流れる水の流量を増大させるほど、水流による攪拌効果が増大して添加剤収容室S1内で水に混入する添加剤の量が増大し、添加剤収容室S1を通過した水と第二導水口7bから浄水カートリッジ6内に導入された水とが合流した後の水の添加剤濃度、ひいては浄水カートリッジ6から排出される水の添加剤濃度が増大することが判明している。そこで、本実施形態では、ケース7に、導水口7aの開口面積を可変設定する可動遮蔽部材23を取り付け、当該可動遮蔽部材23の位置調整によって、添加剤収容室S1内を流れる水の流量を変化させ、以て、浄水カートリッジ6を通過した水(浄水)における添加剤濃度を可変設定できるようにした。
本実施形態では、図2〜図4に示すように、アッパケース12の外周を上方から覆う略有底円筒状の可動遮蔽部材23を、アッパケース12の周方向に沿って回動可能に取り付けてある。可動遮蔽部材23の周壁23aは、アッパケース12の周壁12aを僅かな隙間をもって覆っており、当該周壁23aには、開口部として、下側の端縁23bから上方に向かう略矩形状の切欠23cを設けてある。
アッパケース12の周壁12aの外面には、周方向に沿う複数(本実施形態では3本)の凸条12gを上下に一定間隔をあけて略平行に設ける一方、可動遮蔽部材23の周壁23aの内面には突起23dを設け、可動遮蔽部材23をアッパケース12に組み付けた状態で、突起23dを凸条12gに軸方向に係合させるとともに、凸条12gによって突起23dを周方向に案内するようになっている。また、凸条12gには、突起23dの軸方向の相対移動を許容する切欠12hを設けてある。したがって、図3に示すように、突起23dと切欠12hとを位置合わせした状態でアッパケース12と可動遮蔽部材23とを相互に突き当たるまで軸方向に近接させ、その後これらを周方向に相対回動させることで、突起23dが凸条12g間に収まって、可動遮蔽部材23をアッパケース12(ケース7)に組み付けることができ、可動遮蔽部材23は、アッパケース12の周方向に沿って回動可能となる。なお、凸条12g間の溝に所定間隔で突起を設け、可動遮蔽部材23の突起23dが当該突起を乗り越えるようにすることでクリック感を生じさせ、導水口7aの開口面積設定の際の目安とするのがより好ましい。
かかる構成では、図4に示すように、可動遮蔽部材23の周方向の位置を変化させると、切欠23cと導水口7aとが重なり合う面積が変化し、導水口7aの開口幅wおよび開口面積(原水室4に臨む領域の幅および面積)を可変設定することができる。
図4の(a)は、導水口7aの全域が開放された状態である。この状態では、導水口7aから添加剤収容室S1内に流入する水の流量が比較的多いため、添加剤収容室S1から流出する水の添加剤濃度は高くなる。
図4の(b)は、導水口7aの約半分が可動遮蔽部材23の周壁23aによって塞がれ、約半分が開口した状態である。この状態では、図4の(a)の場合に比べて添加剤収容室S1内の水の流量が少なくなり、その分、添加剤収容室S1から流出する水の添加剤濃度は低くなる。
このように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ6によれば、可動遮蔽部材23のケース7に対する中心軸Ax周りの相対回動位置(横方向位置)を変化させることで、水の添加剤濃度を変化させることができる。
また、浄水カートリッジ6内の各部、特に中間室S3及びシート15と吸着剤20の間に不本意に空気が溜まると、水の重力と空気の浮力が釣り合って水の流路が空気で塞がれてしまうため、所望の流量が得られなくなって、浄水が得られるまでに時間がかかったり、所望の添加剤濃度が得られなくなったりする虞がある。そこで、本実施形態では、浄水カートリッジ6の中心軸Axに略沿って、空気抜き通路を形成してある。
具体的には、可動遮蔽部材23の天壁(ケース7の天壁部)23eの中央部に、下方に向けて伸びて内筒12cの筒内に入り込む略円筒状の中央筒部(空気抜き管)23fを形成し、この中央筒部23fの奥側(上側)に、天壁23eを貫通する貫通孔23gを形成してある。この貫通孔23gが、浄水カートリッジ6の空気抜き孔となる。
筒体19の上端に嵌着されたキャップ22は、上方に向かうにつれて細くなる円錐部22bと、円錐部22bの頂上から上方に向けて伸びる円筒部22cとを有しており、円筒部22cの先端を中央筒部23fの下端近傍まで延設してある。したがって、濾過処理室S22内の空気は、円錐部22b、円筒部22c、および中央筒部23fの筒内を経て、貫通孔23gから排出される。
吸着処理室S21および中間室S3内の空気は、隔壁14の下方に形成された空気捕集部27に集まり、隔壁14の突出部14bに沿って上昇しながら浄水カートリッジ6の中心軸Ax側に移動し、切欠12dを経て内筒12cの筒内に入り、さらに中央筒部23fの下端の開口から当該中央筒部23fの筒内に入り、貫通孔23gから排出される。
添加剤収容室S1内の空気は、空気溜まりAa内に溜まるものを除き、切欠12dから、内筒12cの筒内、および中央筒部23fの筒内を経て、貫通孔23gから排出される。
以上、説明したように、本実施形態では、隔壁14の突出部14bの下方に空気捕集部27を設けた。したがって、空気捕集部27に集められた吸着処理室S21および中間室S3内の空気を貫通孔23gから排出させることができるため、中間室S3内に空気溜まりが形成され、当該空気溜まりによって開口部が塞がれてしまうのを抑制することができ、添加剤収容室S1からスリット(開口部)14dを経て中間室S3内に流れる水の流量変動を抑制することができる。このように、本実施形態によれば、添加剤収容室S1からスリット(開口部)14dを経て中間室S3内に流れる水の流量を安定させることができ、所望の添加剤濃度の水をより安定して得ることができる。
また、本実施形態では、可動遮蔽部材23の天壁23eの中央部に、下方に向けて伸びて内筒12cの筒内に入り込む略円筒状の中央筒部(空気抜き管)23fを形成し、この中央筒部23fの奥側(上側)に、天壁23eを貫通する貫通孔23gを形成した。よって、ケース7内の空気は、中央筒部(空気抜き管)23fにガイドされながら貫通孔23gから排出され、より確実に外部へ排出することができるようになる。
また、本実施形態では、ケース7に、添加剤収容室S1を迂回して浄化室S2に水を導入させる第二導水口7bを形成した。よって、添加剤収容室S1を通過させる水と、添加剤収容室S1をバイパスする水とを分流することで、添加剤収容室S1内を流れる水の流量と、添加剤収容室S1をバイパスする水の流量とを独立して設定することができ、以て、添加剤濃度の調整精度を高めやすくすることができる。
また、本実施形態では、導水口7aを第二導水口7bより上方に配置した。このため、導水口7aと第二導水口7bとの高さの差による水頭差と、原水室4に給水された当初に隔壁体3の底壁3aに近い位置にある第二導水口7bに到達する水の動圧とによって、水は導水口7aに比べて第二導水口7bから、より入りやすくなる。したがって、特に原水室4に給水された当初においては、導水口7aでの水の流量を比較的少なくすることができ、添加剤収容室S1内の水の流量を少なく調整しやすくなる。よって、本実施形態の場合には、添加剤濃度をより低く調整しやすくなる。さらに、かかる構成によれば、導水口7aの開口面積を変化させる可動遮蔽部材23を、浄水カートリッジ6の上部に配置しやすくなる。よって、本実施形態のように、浄水器1のポットケース2内に上方から浄水カートリッジ6を挿入して装着する場合には、ポットケース2内に装着した状態のまま上方から浸漬高さ可動遮蔽部材23を操作しやすくなって便利である。
また、本実施形態では、添加剤収容室S1内の上部に空気溜まりAaを形成し、添加剤16を当該空気溜まりAaより下方となる浸水領域Awで導水口7aを介して導入された水に浸すようにし、添加剤収容室S1に、添加剤16を、浸水領域Awとなる部分から空気溜まりAaとなる部分まで収容した。かかる構成では、空気溜まりAa内にある添加剤16を浸水あるいは被水しない状態で維持できる。そして、浸水領域Aw内にある添加剤16が水に浸かって溶出すると、それより上方に位置する添加剤16が重力で下方に降下して浸水領域Awに自動的に補給されることになる。よって、添加剤収容室S1に収容した添加剤16を下側に配置されたものから順次使用することができるようになるため、浄水カートリッジ内に収容した添加剤が全体的に浸水したり被水したりする構成に比べて、添加剤16の使用可能期間をより長くとりやすくなる上、浄水カートリッジ6の使用初期と使用後期とで添加剤の濃度の変動をより小さく抑えやすくなる。
(第1実施形態の変形例)図5は、第1実施形態の変形例にかかる浄水カートリッジの断面図である。
本変形例にかかる浄水カートリッジ6Aには、添加剤16を浸水領域Awに向けて下方に押し付ける押圧機構26を設けてある。押圧機構26は、粒状の添加剤16上に載置される天板26aと、アッパケース12の凹部18内に収容されてこの天板26aを下方向へ付勢する付勢機構としてのコイルスプリング26bとを備え、コイルスプリング26bの圧縮反力によって、天板26aを介して添加剤16を下方に押し付けるようになっている。
かかる構成によれば、浸水領域Awの添加剤16の溶出に応じて、押圧機構26によって、上方にある添加剤16をより確実に下方へ移動させることができるため、重力で充填する場合に比べて浸水領域Awにおける添加剤16の充填密度を高めることができる。また、浄水カートリッジ6の使用期間における浸水領域Aw内での添加剤16の密度の変化を小さくして添加剤濃度の変動を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)図6〜図8は、本発明の第2実施形態を示しており、図6は、本実施形態にかかる浄水器の断面図、図7は、浄水カートリッジの分解斜視図、図8は、蓋を開けた状態における浄水器の平面図である。
本実施形態にかかる浄水カートリッジ6Bは、上記第1実施形態にかかる浄水カートリッジ6に替えて、浄水器1に装着して用いることができるものである。
この浄水カートリッジ6Bも、上記第1実施形態の浄水カートリッジ6と同様に、隔壁14Bの下方に空気捕集部27Bを設けて空気溜まりによってスリット(開口部)14dが塞がれてしまうのを抑制し、以て、所望の添加剤濃度の水を安定して得られるようにしたものである。
ただし、本実施形態では、隔壁14Bをスリット14dが空気捕集部27Bよりも下側に位置するように構成してある。具体的には、隔壁14Bをスリット14dが空気捕集部27Bよりも下側に位置するように傾斜させた状態でアッパケース12に取り付けている。この隔壁14Bの底壁部14aの中央部には上方に向けて突出して内筒12cが挿通される筒部14cが形成されている。そして、傾斜した底壁部14aの下部(図6において右側)には、添加剤収容室S1からの排水口としてのスリット(開口部)14dが形成されており、当該底壁部14aの上部(図6において左側)の下方に形成される空間部を空気捕集部27Bとして機能させている。
また、本実施形態では、ケース7Bの外周部に回転規制部としての嵌合突起7dを設けるとともに、隔壁体3Bの凹部3bに嵌合突起7dを嵌合させる嵌合溝3fを設けることで、ケース7Bが隔壁体3Bに対して相対回転しないようにしている。さらに、本実施形態では、嵌合突起7dがスリット14d側に設けられており、嵌合溝3fが注水口10a側に設けられており、図6に示すように、浄水カートリッジ6Bを隔壁体3Bに装着した際にスリット14dがポットケース2の注水口10a側に位置するようになっている。
以上、説明したように、本実施形態では、スリット(開口部)14dが空気捕集部27Bよりも下側に位置するように隔壁14Bを傾斜させているため、空気溜まりによってスリット14dが塞がれてしまうのをより一層抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ケース7Bの外周部に、隔壁体3Bの凹部(浄水器本体)3bとの相対回転を規制する嵌合突起(回転規制部)7dを設けることで、ポットケース2を傾斜させたりした際に浄水カートリッジ6Bが隔壁体3Bに対して回動してしまうのが抑制されるため、空気捕集部27Bに収容した空気がスリット14d側に移動してしまうのを抑制することができる。
特に、浄水カートリッジ6Bを隔壁体3Bに装着した際にスリット14dがポットケース2の注水口10a側に位置するように、嵌合突起7dおよび嵌合溝3fを設けたため、ポットケース2内の浄水を注水口10aから注ぐときに空気捕集部27Bがスリット14dよりも下方になることがなくなり、空気がスリット14d側に移動してしまうのを抑制することができるという利点がある。
(第3実施形態)図9は、本発明の第3実施形態を示しており、図9は、本実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
本実施形態にかかる浄水カートリッジ6Cは、上記第1実施形態にかかる浄水カートリッジ6に替えて、浄水器1に装着して用いることができるものである。
また、この浄水カートリッジ6Cも、上記第1実施形態の浄水カートリッジ6と同様に、隔壁14Cの下方に空気捕集部27Cを設けて空気溜まりによってスリット(開口部)14dが塞がれてしまうのを抑制し、以て、所望の添加剤濃度の水を安定して得られるようにしたものである。
ただし、本実施形態では、隔壁14Cがケース7の周縁部から中心部に向けて上昇する傾斜面を有するように形成されている。具体的には、隔壁14Cの底壁部14aは中央部が上方に突出した略傘状に形成されており、当該底壁部14aの中央部には、上方に向けて突出して内筒12cが挿通される筒部14cが形成されている。そして、底壁部14aの下方に形成される空間部を空気捕集部27Cとして機能させている。さらに、底壁部14aには添加剤収容室S1からの排水口として浄水カートリッジ6Cの中心軸Axから放射状に伸びる複数のスリット(開口部)14dが形成されている。
以上、説明したように、本実施形態では、隔壁14Cの底壁部14aを略傘状に形成し、ケース7の周縁部から中心部に向けて上昇する傾斜面を設けることで、中間室S3内に空気が偏在していたとしても、当該偏在した空気を底壁部14aの傾斜に沿って上昇させることができ、空気がスリット(開口部)14dを塞いでしまうのをより一層抑制することができる。
(第4実施形態)図10は、本発明の第4実施形態を示しており、図10は、本実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
本実施形態にかかる浄水カートリッジ6Dは、上記第1実施形態にかかる浄水カートリッジ6に替えて、浄水器1に装着して用いることができるものである。
また、この浄水カートリッジ6Dも、上記第1実施形態の浄水カートリッジ6と同様に、隔壁14Dの下方に空気捕集部27Dを設けて空気溜まりによってスリット(開口部)14dが塞がれてしまうのを抑制し、以て、所望の添加剤濃度の水を安定して得られるようにしたものである。
ただし、本実施形態では、下方に向かうにつれて縮径するテーパ状のロワケース13Dを用いており、隔壁14Dに対して間隔をあけて下方に配置されるシート15Dを透水性素材によって構成し、水を透過させるようにしている。
また、隔壁14Dの底壁部14aは、上記第3実施形態と同様に略傘状に形成されており、底壁部14aの中央部には上方に向けて突出して内筒12cが挿通される筒部14cが形成されている。本実施形態では、筒部14cの内面には、内筒12cの挿通量を規制する位置決め突起14gが設けられている。そして、隔壁14の底壁部14aの中央部に突出部14bを設けることによって、当該突出部14bの下方(隔壁14の下方)に空間部が形成され、この空間部を空気捕集部27Dとして機能させている。さらに、底壁部14aには添加剤収容室S1からの排水口として浄水カートリッジ6の中心軸Axから放射状に伸びる複数のスリット(開口部)14dが形成されている。本実施形態では、底壁部14aの下部には、キャップ22に当接するリブ14eが設けられている。このリブ14eは放射状に配置されるように底壁部14aから垂設されている。また、底壁部14aの外周部からは、側壁部14fが放射状に配置されるように垂設されている。このように、本実施形態では、隔壁14Dにリブ14e、側壁部14fを設けることで、隔壁14Dがケース7内で位置ずれしてしまうのを抑制している。
さらに、可動遮蔽部材23Dの天壁(ケース7Dの天壁部)23eの中央部には、下方に向けて伸びて内筒12cの筒内に入り込む略円筒状の中央筒部(空気抜き管)23fを形成し、この中央筒部23fの奥側(上側)に、天壁23eの上方でケース7Dの側方に向けて開口する空気抜き孔23lを形成してある。具体的には、天壁23eを貫通する貫通孔23gを形成し、この貫通孔23gの周囲に放射状に縦壁23jを設け、当該縦壁23jの上部に蓋23kを設けることでケース7Dの径方向(側方)に向けて開口する空気抜き孔23lが形成されている。
ところで、この浄水カートリッジ6Dも、上記第1実施形態の浄水カートリッジ6と同様に、ケース7Dに形成した導水口7aDの開口面積を可動遮蔽部材23Dによって変化させて添加剤収容室S1における水の流量を変化させ、以て、添加剤濃度を変化させるものであるが、本実施形態では、可動遮蔽部材23Dを、ケース7Dに、その上下方向の位置を可変設定可能に取り付け、可動遮蔽部材23Dの上下方向の位置を可変設定することで、導水口7aDの開口高さを変化させるようにしてある。
また、本実施形態では、この可動遮蔽部材23Dによって、添加剤収容室S1内における浸水領域Awの上限Lの高さを変化させることができるようにしている。本実施形態では、可動遮蔽部材23Dの周壁23aと中央筒部23fとの間の環状の凹部23iが全体的に空気溜まりとなって、中央筒部23fの下端23hの位置が浸水領域Awの上限Lとなっている。そして、可動遮蔽部材23Dの高さを可変設定することで、添加剤収容室S1内の水の流量および添加剤16が水に浸漬する量を変化させ、この水の流量および浸漬量の変化によって、添加剤濃度を変化させることができるようにしている。
かかる構成によれば、空気抜き孔23lを、可動遮蔽部材23Dの天壁(ケース7Dの天壁部)23eの上方でケース7の径方向(ケース7Dの側方)に向けて開口させたため、原水室4内に原水を注ぐときに、可動遮蔽部材23Dの天壁(ケース7Dの天壁部)23eの上方に鉛直方向下向きの水流が生じた場合においても、当該水流に邪魔されることなくケース7D内の空気を外部に排出することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、浄水カートリッジを円筒形以外の形状としてもよいし、可動遮蔽部材を有底円筒状以外の形状としてもよい。また、添加剤収容室や、浄化室、導水口、第二導水口、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。また、可動遮蔽部材を横方向と上下方向との双方について移動可能に構成してもよいし、上下方向に移動させることで遮蔽する導水口の数を変化させるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる浄水器の断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる浄水カートリッジの分解斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる浄水カートリッジの斜視図であって、(a)は可動遮蔽部材によって導水口が開放された状態を示す図、(b)は導水口が半分程度遮蔽された状態を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる浄水カートリッジの断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる浄水器の断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる浄水カートリッジの分解斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる蓋を開けた状態における浄水器の平面図である。 本発明の第3実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
符号の説明
1 浄水器
6,6A,6B,6C,6D 浄水カートリッジ
7,7B,7D ケース
7a,7aD 導水口
7b 第二導水口
7d 嵌合突部(回転規制部)
14,14B,14C,14D 隔壁
14d スリット(開口部)
16 添加剤
23,23D 可動遮蔽部材
23e 天壁(天壁部)
23f 中央筒部(空気抜き管)
23g 貫通孔(空気抜き孔)
27,27B,27C,27D 空気捕集部
Aa 空気溜まり
Aw 浸水領域
w 開口幅
S1 添加剤収容室
S2 浄化室

Claims (9)

  1. 上部に水を導入する導水口が設けられ底部に排水口が設けられたケースを有し、当該ケース内の下部に水を浄化する浄化室を設けるとともに、上部に水に添加する添加剤を収容する添加剤収容室を設けた浄水カートリッジであって、
    前記添加剤収容室の下部には、当該添加剤収容室内の水を排水する開口部を有するとともに、当該添加剤収容室を隔成する隔壁が設けられており、当該隔壁の下方には、空気捕集部が設けられていることを特徴とする浄水カートリッジ。
  2. 前記隔壁は、前記開口部が前記空気捕集部よりも下側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記浄水カートリッジは、浄水器本体に着脱可能に取り付けられており、
    前記ケースの外周部には、前記浄水器本体との相対回転を規制する回転規制部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の浄水カートリッジ。
  4. 前記ケースの少なくとも上部が略円筒状に形成されており、
    前記隔壁には、前記ケースの周縁部から中心部に向けて上昇する傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  5. 前記ケースの天壁部にはケース内の空気を外部に排出する空気抜き孔が設けられており、当該ケースには空気の排出をガイドする空気抜き管が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジ。
  6. 前記空気抜き孔は、前記ケースの天壁部の上方で当該ケースの側方に向けて開口していることを特徴とする請求項5に記載の浄水カートリッジ。
  7. 前記ケースには、前記添加剤収容室を迂回して前記浄化室に水を導入する第二導水口が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジ。
  8. 前記導水口が前記第二導水口より上方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の浄水カートリッジ。
  9. 導入された原水を少なくとも浄化した浄水を得る請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の浄水カートリッジを、着脱可能に装着した浄水器。
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