以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、前面枠4における上皿51の左側には、押しボタン式のスイッチから構成された演出要求指示手段60が設けられており、遊技者に演出態様の表示要求を指示させることを可能にしている。なお、「演出態様の表示要求」に関する詳細は後述する。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に入球装置96が配置されており、この入球装置96に遊技球が入球すると始動入賞となる。したがって、球誘導路95から放出された遊技球は、相当高い確率で始動入賞することができるものとなっている。入球装置96は左右一対の可動片97を有しており、これら可動片97を左右に拡開させて入球確率を高くすることが可能となっている。
また遊技領域37には、上記の入球装置96のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。
また、センター役物91の下縁部には、特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110と、抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111とが設けられている。四つの保留球ランプ111は、「大当り」の抽選において、保留回数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。また、これらの下方には、始動ゲート口113への遊技球7の通過による抽選結果を表示する普通図柄表示器112a、及び抽選状態を表示する状態表示器112b等が設けられている。
その他、遊技領域37には始動ゲート口113や一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左側に4つのLED110が配列されており、これらLED110の配列が特別図柄表示器として機能している。また、その右側にある4つのLED111の配列は、保留球ランプとなっている。
本実施形態において、特別図柄表示器の機能はLED110の点灯・消灯によって実現することができる。例えば、始動入賞を契機として4つのLED110をいろいろなパターンで点滅させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110の点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110の点灯・消灯によって報知される。なおLED110の点灯・消灯による特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
具体的には、個々のLED110は1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110は「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110を配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(24=16)のものを用意することができる。なお、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110の点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110の配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。
一方で、本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、特別図柄表示器332、普通図柄表示器112a等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[始動入賞処理について] 図13に基づき説明する。
図13は始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS101)。具体的には、上記の入球装置96に対応する始動口センサ318から検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS101においてYES)、次に始動保留数が最大の4より少ないか否かが判断される(ステップS102)。このとき既に始動保留数が4に達していれば(NO)、そのまま始動入賞処理のルーチンがリターンされる。一方、始動保留数が4より少なければ(YES)、次に保留格納処理が行われる(ステップS103)。この保留格納処理では、例えばRAM316内に確保されている保留数カウンタに「1」が加算され、合わせて保留球ランプ(LED)111の点灯個数が1つ増加される。
また、保留格納処理では、合わせて乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数(可変変動カウンタ)、及び演出表示パターン乱数等が含まれている。このうち大当り判定用乱数は、大当りであるか否かを決定するための乱数である。次の大当り図柄用乱数は、大当り判定用乱数によって大当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器332によって停止表示される表示パターン(四つのLED110における点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。そして可変変動用乱数(可変変動カウンタ)は、特別図柄表示器332による図柄の変動時間を可変させるための乱数である。また、演出表示パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出表示の変動表示パターンを特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納されると、保留格納処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[遊技作動処理について] 図14に基づき説明する。
図14は始動入賞に伴う遊技作動処理のルーチンを示している。
この遊技作動処理では、最初に始動保留が有るか否かが判断される(ステップS201)。具体的には、保留数カウンタの数値が0でない場合、始動保留が有ると判断され(YES)、次に特別図柄表示器332における特別図柄(点灯状態)が未変動状態か否かが判断される(ステップS202)。このとき特別図柄表示器332にて未だ変動表示が開始されていなければ(YES)、次に保留シフト処理が実行される(ステップS203)。
保留シフト処理では、保留数カウンタの値が「1」だけ減算されるとともに、RAM316の保留格納領域に記憶されている各乱数値の内容をシフトする処理が行われる。そして、これに続いて特図変動設定処理が実行され(ステップS204)、ここでは特別図柄の変動時間の設定や、変動停止時の表示パターンが設定される。なお、特図変動設定処理の内容については、さらに別のフローチャート(図15,図16)を用いて詳しく後述する。
特図変動設定処理(ステップS204)が終了すると、次に情報出力処理(ステップS205)が実行され、ここでは主制御基板131からサブ統合基板336に対して制御情報コマンドの生成・送信が行われる。サブ統合基板336は、受信した制御情報コマンドに基づいて主制御基板131の制御情報(始動入賞・保留の有無、特別図柄の変動・停止表示態様、当り判定結果、確率変動の有無、及び演出画像の変動パターン等)を解釈し、所定の演出動作を制御する。
図14の遊技作動処理では、最後に当り判定処理(ステップS206)が実行される。なお、遊技作動処理の開始時に保留数カウンタの値が0であったり(ステップS201においてNO)、保留数カウンタの値が0でなくとも特別図柄表示器332が変動中であったり(ステップS202においてNO)した場合は、いずれも保留シフト処理(ステップS203)、及び特図変動設定処理(ステップS204)を迂回して情報出力処理(ステップS205)及び当り判定処理(ステップS206)が実行される。
当り判定処理(ステップS206)では、特別図柄の変動開始時にセットされた当りフラグを参照し、当りフラグがセットされていればさらに別の処理(図17)を実行する。
[特図変動設定処理(ステップS204)の詳細について] 図15及び図16に基づき説明する。
図15は、上記の特図変動設定処理に含まれる特図変動設定処理Aの内容を示し、図16は特図変動設定処理Bの内容を示している。
この特図変動設定処理Aでは主に、抽選結果によって特別図柄表示器332による変動時間の設定や停止時の表示パターンの選択が行われる。具体的には、既に取得されている大当り判定用乱数に基づいて抽選の結果が判断され(ステップS301)、当選(大当り)であった場合(YES)は当り時変動設定処理(ステップS302)が実行される。なお、ここでいう「当選」は、上記(1)通常大当り、または(2)確変大当りのいずれかに該当していることを意味する。
これに対し、抽選の結果が外れ、つまり、(1)及び(2)のいずれの当りにも該当してないと判断された場合(NO)、既に取得されている可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値が所定値(例えば1024)と比較される(ステップS303)。可変変動用乱数は例えば0〜65535の範囲内で取得されており、この乱数値が1024未満であれば(YES)、可変変動設定処理(ステップS304)が実行される。逆に、可変変動用乱数の値が1024以上であれば(NO)、ステップS305またはステップS306の各判断を経て変動タイマがセットされる。変動タイマは、特別図柄表示器332による変動時間を設定するためのタイマであり、具体的には、現在の始動保留数が「0」〜「2」であれば(ステップS305においてYES)、所定の変動タイマが比較的長めの10秒にセットされる(ステップS307)。同様に、始動保留数が「3」であれば(ステップS306においてYES)、変動タイマが比較的中程度の8秒にセットされ(ステップS308)、そして始動保留数が「4」であれば(ステップS306においてNO)、変動タイマが比較的短めの6秒にセットされる(ステップS309)(いわゆる保留時短)。いずれにしても、変動タイマがセットされると、続いて特別図柄の停止パターンが選択される(ステップS310〜S312)。停止パターンは、四つのLED110における点灯状態の組合わせを、いずれの当り態様にも該当しないパターンの中から適宜選択する。
以上の特図変動設定処理Aをまとめると、抽選結果がいずれかの当りに該当している場合は、別の当り時変動設定処理(ステップS302)が実行された後に特別図柄の変動表示が開始される(ステップS313)。一方、抽選結果がいずれの当りにも該当しない(外れ)場合は、取得済みの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値によって64分の1の振り分け率で別の可変変動設定処理(ステップS304)が実行されるが、それ以外(64分の63)の場合は始動保留数に応じて変動タイマの時間が3段階に設定された後に特別図柄の変動表示(ステップS313)が開始されることとなる。
ここで、ステップS304の可変変動設定処理は、「外れリーチ変動」の考え方に基づくものである。すなわち、基本的に抽選で外れた場合は特別図柄の変動時間が始動保留数に応じて次第に短縮されるが(ステップS307〜S309)、外れの場合であっても、ときには始動保留数に関係なく変動時間を長短に変更したり、特別図柄の停止パターンを変更したりすることで、あからさまに外れ変動であることを遊技者に気付かせにくくするものである。なお、この「外れ」を通常の「外れ」と区別するため、「特殊外れ」と称している。この可変変動設定処理では、例えば以下の表1で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられている。
一方、ステップS302の当り時変動設定処理は、0〜65535までの可変変動用乱数(可変変動カウンタ)の値を用いて、例えば以下の表2で表されるテーブルによって変動時間が6通りに振り分けられる。なお、表1及び表2の比較から明らかなように、当り時における変動時間は、特殊外れ時における変動時間よりも長くなるように設定されている。換言すれば、変動時間が長いほど、大当りとなる期待値が高くなっている。この当り特変動設定処理が実行されると、内部的な当りフラグに「1」がセットされて、本ルーチンがリターンされる。
図16は上記の特図変動設定処理(図14中のステップS204)に含まれる特図変動実行処理Bの内容を示している。先の特図変動設定処理Aによって特別図柄の変動が開始されると、ここでは変動期間中であるか否かが判断される(ステップS401)。具体的には、変動期間中であるか否かは上記の変動タイマを参照することで判断可能であり、変動タイマが作動していると、それによって変動期間中である(YES)と判断され、逆に変動タイマが停止していれば、変動期間中でない(NO)と判断される。
ステップS401で特別図柄の変動期間中であると判断されると、次に変動表示制御処理(ステップS402)が実行される。ここでは、特別図柄表示器332を構成する4つのLED110について、例えば0〜15のカウンタ値を取得しながらこれらを8ビットの値に割り当て、この値を用いて合計4つのスイッチ(LED4個分)のON/OFFを40ms毎に切り替える処理が行われる。これにより、4つのLED110が点滅しながら特別図柄表示器332による高速変動が実現される。なお、ここではカウンタ値を参照してLED110の点灯・消灯を制御しているが、例えば所定の変動パターンテーブルを用いてLED110の点灯・消灯パターンを切り替えることもできる。
この後、変動タイマがカウントアップして変動期間が終了すると、特別図柄の変動期間中ではない(NO)と判断されて、次に停止パターン表示制御(ステップS403)が実行される。この停止パターン表示制御では、先の特図変動設定処理A(図15)等で既に選択されている停止パターンの点灯・消灯表示パターンデータが特別図柄表示器332に送信される。なお、パターンデータの送信は毎回の割込周期(例えば4ms)で行う必要はなく、適宜サンプリングすることでLED110の発光輝度を調整することが好ましい。
[大当り処理について] 図17に基づき説明する。
図17は大当り処理の内容を示している。
内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される(ステップS501)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS502)、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される(ステップS503)。そして、次のステップS504では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS505)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS506)。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS507で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS504の判断が行われる。あるいは、ステップS506で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS504の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS504またはステップS505の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために大入賞口が閉止(ステップS508)される。そして、次のステップS509でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(ステップS509においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS510)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS502)。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(ステップS509においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[演出表示装置における演出表示の詳細について] 図18〜図25に基づき説明する。 図18は、サブ統合基板336における制御処理の内容を示しており、図19は、電飾制御基板338における制御処理の内容を示している。また、図20及び図21は演出表示制御における機能的な構成を示し、図22及び図23は各種テーブルの構成を示している。また、図24は、ステップ演出における演出制御処理の内容を示し、図25はステップ演出の具体的な演出例を示している。
ところで、これまで説明してきた処理は、純粋に主制御基板131による遊技動作の制御に関するものであるが、サブ統合基板336は主制御基板131から制御情報コマンドを受け取ると、これに基づいて各種の演出処理を実行することができるようになっている。
詳細に説明すると、前述したように主制御基板131では、保留格納処理(S103)において、大当り判別用乱数、大当り図柄用乱数、可変変動用乱数、及び演出表示パターン乱数等が取得され、これらの乱数を基に、大当りの有無に関する情報(当否コマンド)、大当たりの場合に「通常大当り」または「確変大当り」のいずれであるかを示す情報(確変・非確変コマンド)、及び演出表示パターンの種類に関する情報、すなわち特別図柄の変動態様(時間)に対応する情報(変動表示パターンコマンド)が、変動開始コマンドとして設定され、主制御基板131からサブ統合基板336に送信される(S205)。
すなわち、図20に示すように、主基板310には、大当り判定用テーブル411、大当り図柄用テーブル412、当り時変動時間可変用テーブル413、及び外れ時変動時間可変用テーブル414が予め記憶されており、これらのテーブル411〜414を基に、抽選の当否、特別図柄表示器332における停止図柄、及び変動時間が決定される。詳しく説明すると、大当り判定用テーブル411は、図22(a)に示すように、大当り判定用乱数値と大当りの当否(大当りの種別を含む)との関係を示すものであり、例えば、大当り判定用乱数値のNA1〜NA2が「確変大当り」に対応し、NA3〜NA4が通常大当りに対応し、NA5〜NA6が「外れ」に対応している。また、大当り図柄用テーブル412は、図22(b)に示すように、大当り図柄用乱数値と特別図柄表示器332における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と四つのLED110の点灯状態との対応付けがなされている。なお、当り時変動時間可変用テーブル413は前述の表2に示した通りであり、また外れ時変動時間可変用テーブル414は前述の表1に示した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主基板310には、遊技状態検出手段(具体的には始動口センサ)318によって入球装置96への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(図示しない)から、大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段416と、大当り図柄用乱数を抽出する大当り図柄用乱数抽出手段417とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する変動時間用乱数抽出手段418が設けられている。また、大当り判定用乱数抽出手段416によって大当り判定用乱数が抽出されると、大当り判定用テーブル411を用いて大当りの当否を決定する当否決定手段430、及び大当り図柄用乱数抽出手段417によって大当り図柄用乱数が抽出されると、大当り図柄用テーブル412を用いて特別図柄表示器332における停止図柄を決定する停止図柄決定手段431が設けられている。さらに、変動時間用乱数抽出手段418によって変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段430によって大当りであることが決定されると、当り時変動時間可変用テーブル413を用いて特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ当否決定手段430によって外れであることが決定されると、外れ時変動時間可変用テーブル414を用いて特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段432が設けられている。
また、主基板310には、特別図柄表示器332において特別図柄の変動を開始するとともに、変動時間決定手段432によって決定された変動時間の経過後、停止図柄決定手段431によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段434と、当否決定手段430によって大当りであることが決定されると、特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な遊技状態(すなわち図17の大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段433と、特別図柄の変動開始の際に、当否決定手段430によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段435が設けられている。
これに対し、サブ統合基板336では、図18に示すように、主制御基板131から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS601においてYES)、受け取ったこれらの変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定する(ステップS602)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、当否コマンド及び確変・非確変コマンドに基づいて装飾図柄列における最終停止図柄を決定する。例えば、「確変大当り」の場合には、確変大当りに相当する複数の装飾図柄の中から一つの図柄を最終停止図柄として決定する。また、サブ統合基板336は、乱数発生手段(図示しない)を有しており、乱数を取得するとともに、取得された乱数に応じて大当り予告の演出態様(例えば出現時期や出現順序が不規則な所定のハプニング演出パターン)を付加する。さらに、サブ統合基板336では、決定されたこれらの変動態様を、電飾制御基板337、338及び波形制御基板339に対する変動開始コマンドとして設定する(ステップS603)。具体的には、変動表示パターンコマンド、最終停止図柄コマンド、及びハプニング演出パターンコマンド等を設定する。そして、設定されたこれらの変動開始コマンドを、各制御基板337,338,339に送信する(ステップS604)。これにより、これらの制御基板337,338,339では、抽選結果に応じた演出表示を行ったり、その演出表示に合せて音声等を発生させることが可能になる。
特に、電飾制御基板338では、図19に示すように、サブ統合基板336から変動開始コマンドを受け取ると(ステップS701においてYES)、その変動開始コマンドを基に、演出表示装置115における変動態様を設定(ステップS702)し、その後、演出表示装置115を制御する(ステップS703)。具体的には、変動表示パターンコマンドに対応した変動表示パターンを設定するとともに、最終停止図柄コマンドに基づいて、装飾図柄列の最終停止図柄を設定する。また、ハプニング演出パターンコマンドに対応したハプニング演出を決定するとともに、ステップ演出等、より具体的な演出態様を付加する。つまり、電飾制御基板338は、乱数発生手段(ランダムカウンタ)を有しており、演出表示装置115における夫々の変動パターンに対して、より具体的な演出態様を付加することを可能にしている。このように、本例では、変動パターンの選択処理が、主制御基板131、サブ統合基板111、及び電飾制御基板338において分担されており、これにより、主制御基板131及びサブ統合基板111における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンの複雑化、ひいては演出の興趣を向上させている。
なお、図18及び図19に示すフローチャートでは、サブ統合基板336及び電飾制御基板338におけるコマンド受信処理のうち、特に演出の制御に関する変動開始コマンドの受信処理のみを説明している。すなわち、ここでは、電源投入時のコマンドや異常時のコマンドに対する処理は省略している。
ところで、本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄、装飾図柄の変動中に複数の画像を予め定めた順序に従って段階的に発展表示させることが可能なステップ演出、及び所定のタイミングで出現可能な複数の出現体(キャラクター等)が含まれている。以下、装飾図柄及びステップ演出について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、装飾図柄として、例えば、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って上から下へと変動表示されるようになっており、左装飾図柄列→右装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に三つの装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
なお、本例では、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始時期を、特別図柄の変動開始後とし、装飾図柄列の変動停止を特別図柄の変動停止前としている。これにより、特別図柄の変動表示の開始時と停止時には、演出表示装置115での演出表示を行わないことで、特別図柄の変動表示に対して演出表示装置115での紛らわしい表示を行うことを防止するとともに、演出表示装置115の演出中に当りか否かを認識させること、すなわち演出の効果を損なうことを防止している。
(ステップ演出について)
ステップ演出では、最初のステップから最後のステップまでの間が時系列的に分割されており、各ステップに対して互いに異なる画像が定められている。つまり、予め順序付けられた複数のステップに関連する複数の画像がステップ演出455a(図21参照)として演出態様記憶手段455に記憶されており、第一ステップ〜第四ステップにおける画像を段階的に発展表示させることが可能となっている。なお、このステップ演出としては、互いに異なるキャラクタ等を順次登場させる演出を採用してもよいが、本例のステップ演出では、例えば「岩の大きさを各ステップに対応させて次第に細かくする」等、趣旨が一貫された一連の画像から構成されている。つまり、夫々の画像が言おうとする要旨が初めから終りまで一続きである画像から構成されている。また、このステップ演出は、大当りの予告表示として、演出表示装置115における装飾図柄列の変動開始から、それらがリーチ状態となるまでの間の所定期間内において導出可能なものであり、段階的に発展表示される各ステップにおいて、遊技者の操作に対し画像が早く導出されるほど大当りの信頼度が高くなるように出現率が振り分けられている。なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
次に、装飾図柄及びステップ演出の演出表示制御における機能的な構成、すなわち演出プログラムとして実現される機能的な構成ついて説明する。図21に示すように、電飾制御基板338(副制御手段に相当)には、主基板310(主制御手段に相当)からサブ統合基板336を介して送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段451によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御するための各種機能が備えられている。
ところで、従来のように、演出態様を全て演出表示装置115に導出するものでは、遊技者に対して一方的に予告が行われる形となるため、演出表示が導出されない場合には、「大当りの発生する可能性がない」と必然的に認識され、その場で期待感を消失させてしまう恐れがある。つまり、「予告のない図柄列の変動は期待することができない」と意識付けられ、装飾図柄列の変動中であっても特殊な演出が導出されないことが認識された時点で、その後の装飾図柄列の変動を楽しむことができなくなる恐れがある。特に、ステップ演出は、リーチ状態が発生する前の段階で実行されるものであるため、この段階で演出が行われないことにより期待感が消失すると、リーチの発生さえ期待することができず、演出を楽しめない期間が比較的長く継続することとなる。なお、「ボタンの押し操作で予告を促すようにした遊技機」、すなわち「装飾図柄列の変動中、ボタンが操作されると、大当りの期待値等を表示させる遊技機」が従来から知られている。つまり、ボタンが操作されると期待値を表示するが、ボタンが操作されなければ期待値を表示させないようにしたものである。ところが、これによれば、単に期待値を表示させるか否かを遊技者に決定させているに過ぎないため、期待値を表示させた場合には、期待値の低さによって期待感を消失する恐れが依然として残されている。
これに対し、本例では、当り時導出率設定テーブル452と、外れ時導出率設定テーブル453とを記憶しており、これらのテーブル452,453を基に、演出態様及び表示の有無を決定するようにしている。詳しく説明すると、当り時導出率設定テーブル452は、大当りの場合に用いられるテーブルであり、図23(a)に示すように、変動表示コマンド(変動時間)と、ステップ演出の各ステップに対する画像の導出率との関係を示すものである。また、外れ時導出率設定テーブル453は、外れの場合に用いられるテーブルであり、当り時導出率設定テーブル452と同様、図23(b)に示すように、変動表示コマンド(変動時間)と、ステップ演出の各ステップに対する画像の導出率との関係を示すものである。例えば、大当りで且つ変動時間が28500msの場合には、第一ステップの画像は、128/256の確率で導出され、第二ステップの画像は32/256の確率で導出されることを示している。なお、当り時導出率設定テーブル452における画像の導出率は、外れ時導出率設定テーブル453における導出率よりも高く設定されている。これにより、大当りとなる場合の方が外れとなる場合よりも、ステップ演出の画像が早い段階(すなわち少ない操作回数)で出現されやすくなる。
なお、当り時導出率設定テーブル452及び外れ時導出率設定テーブル453においては、変動時間が長いほど各ステップの導出率が高くなるように設定されている。また、変動時間が33000msの場合には、ステップが進むほど導出率が次第に低くなるが、第四ステップの導出率は反転して高くなっている。変動時間が28500msの場合には、第二ステップの導出率のみが低くなっている。また、変動時間が24000msの場合には、第一ステップ及び第三ステップの導出率が低く第四ステップの導出率が高くなっており、18500ms及び15000msの場合には、ステップが進むほど導出率が次第に高くなっている。つまり、第一ステップから第四ステップまでにおける導出率の変化傾向が、変動時間に応じて互いに異なるように設定されている。
また、電飾制御基板338は、演出要求指示手段60、導出表示用乱数抽出手段459、及び表示有無決定手段470を備え、遊技者によって演出を表示させることが要求され、且つ抽選の結果が特定の結果となった場合にのみ、各ステップに対応する画像を表示させるようにしている。詳しく説明すると、導出表示用乱数抽出手段459は、演出要求指示手段60の操作によって演出態様の表示要求が指示されると、導出表示用乱数をランダムカウンタ(図示しない)から抽出するものである。ここで、導出表示用乱数抽出手段459が、本発明の乱数抽出手段(表示用乱数抽出手段)に相当する。
表示有無決定手段470は、主基板310のコマンド発信手段435から発信された制御コマンドをコマンド受信手段451によって受信すると、その制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当りを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する画像の導出率を、前述した当り時導出率設定テーブル452を用いてステップ毎に決定するとともに、夫々のステップに関連付けられた画像が、決定された導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。一方、制御コマンドに含まれる当否コマンドが外れを示すものである場合には、受信した変動表示コマンドに対応する画像の導出率を、外れ時導出率設定テーブル453を用いてステップ毎に決定するとともに、各ステップに関連付けられた画像が、決定された導出率で表示されるように、導出表示用乱数抽出手段459によって抽出された導出表示用乱数を基に、表示させるか否かを決定する。
また、導出表示用乱数抽出手段459は、乱数更新手段471及び抽出期間制限手段472を有している。乱数更新手段471は、各ステップの画像が導出されるまで、所定の期間内において演出要求指示手段60が操作されたか否かを検出しその演出要求指示手段60が操作される毎に導出表示用乱数を抽出し、その乱数を更新するものである。すなわち、所定の期間内であれば各ステップの画像が表示されるまで繰り返して操作することを可能とするものである。抽出期間制限手段472は、予め定めた期間に限り演出要求指示手段60の操作を受け付けるものである。具体的に、第一ステップに対する受付は、装飾図柄列の変動開始から第一ステップが到来するまでの間(例えば900ms〜3400msまでの間)、第二ステップに対する受付は第一ステップの演出中(例えば3400ms〜5900msまでの間)、第三ステップに対する受付は第二ステップの演出中(例えば5900ms〜8400msまでの間)、また、第四ステップに対する受付は第三ステップの演出中(例えば8400ms〜10900msまでの間)において、それぞれ可能となるように、許容期間が設定されている。
なお、演出要求指示手段60の操作を基に導出表示用乱数が抽出され、さらに表示有無決定手段470によってそのステップの画像を導出させることが決定された場合には、各ステップの演出中であってもその時点で次のステップ(すなわち画像を導出することが決定されたステップ)に移行するように設定されている。これにより、遊技者の操作に対する負担を軽減するとともに、導出される図柄と操作回数(すなわち導出されるまでの時間)とを関連付けて有利性を予測することができる。
なお、各ステップにおける演出時間を一定とし、表示有無決定手段470によってそのステップの画像を導出させることが決定された場合でも、前のステップの演出が終了するまで次の演出を開始させないようにしてもよい。つまり、各ステップに対する操作受付期間の終了後にそのステップの演出を開始させるようにしてもよい。これによれば、各ステップにおいて一定の演出時間を確保することができるため、演出途中での図柄のスキップを防止でき、円滑な流れの演出を視認させることができる。また、これによれば第四ステップの終了時点とリーチ状態の開始とのタイミングを一定にすることが可能となり、ステップ演出からリーチ状態への移行が円滑となる。特に、各ステップに対する操作受付期間の間に操作を受け付けない期間(すなわち休憩期間)を設け、その休憩期間の開始から演出を開始させるようにすれば、所定の操作受付期間が終わってから、その結果が表示されることとなり、演出要求指示手段60の操作に集中させることができるとともに、その結果を、順を追ってしっかりと確認させることができる。
表示有無決定手段470は、表示要求無効手段473及び画像導出禁止手段474を有している。表示要求無効手段473は、所定のステップに対して(すなわち所定のステップに対する受付期間に対して)、演出要求指示手段60の操作が検出されない場合に、それ以降のステップに対する表示要求を無効とするものである。つまり、例えば、第一ステップに対して演出態様を表示させることが要求されない場合には、その後のステップに対して表示要求が指示された場合であっても、それを無効として扱い各ステップにおける画像を演出表示装置115に導出させないように制御するものである。また、画像導出禁止手段474は、所定のステップに対して演出要求指示手段60が複数回操作されても、そのステップの画像が導出されなかった場合、それ以降のステップにおける画像の導出を禁止するものである。つまり、例えば、第一ステップの画像が表示されない場合には、第二ステップ以降における画像の表示を禁止するものである。このように、表示要求無効手段473及び画像導出禁止手段474を備えることにより、段階的に発展表示される複数の画像のうち、途中あるいは最後のステップの画像から演出表示が開始されることを防止できる。換言すれば、画像の表示順序、すなわちステップの順序は常に一様となるため、ステップ演出における演出内容を周知化させることができ、ひいては、画像を導出させるまでの操作回数と期待値との関係だけでなく、表示される画像の内容と期待値との関係も容易に認識させることが可能になる。
表示有無決定手段470の出力は、演出表示制御手段475に送られ、演出表示制御手段475は、表示有無決定手段470によって何れかのステップにおける画像を表示させることが決定された場合に限り、その画像を演出表示装置115に導出する。
次に、ステップ演出に関する演出制御処理の流れを、図24に示すフローチャートを基に説明する。まず、演出要求指示手段60が操作されると(ステップS801においてYES)、その操作タイミングが第一ステップに対する操作許容期間内か否かを判断し、操作許容期間内の場合には(ステップS802においてYES)、導出表示用乱数を抽出するとともに、当り時導出率設定テーブル452または外れ時導出率設定テーブル453で設定された導出率になるように、導出表示用乱数に基づいて第一ステップの画像を表示させるか否かを決定する(ステップS803)。そして、表示することに決定された場合は(ステップS804においてYES)、第一ステップの画像を演出表示装置115に導出する(ステップS805)。これにより、第一ステップの画像が演出表示装置115に表示される。その後、第一ステップの画像が表示されたことを示すフラグ(S1表示フラグ)に「1」をセットし(ステップS806)、ステップS703(図19)のルーチンにリターンする。なお、ステップS804において、第一ステップにおける画像を表示させないことに決定した場合には(NO)、ステップS805,S806の処理を実行することなくリターンされる。
一方、ステップS802において、演出要求指示手段60の操作タイミングが第一ステップに対する操作許容期間内ではない場合には(NO)、その操作タイミングが第二ステップに対する操作許容期間内か否かを判断し、その許容期間内である場合には(ステップS807においてYES)、S1表示フラグに「1」がセットされているか否か、すなわち第一ステップの画像が表示されたか否かを判断する(ステップS808)。そして、「1」がセットされている場合には(YES)、導出表示用乱数を抽出し、第二ステップの画像を表示させるか否かを同様の方法で決定する(ステップS809)。なお、ステップS808においてS1表示フラグが「0」である場合(NO)、すなわち第一ステップの画像が表示されていない場合には、ステップS809の処理を行うことなくリターンされる。そして、表示することに決定した場合は(ステップS810においてYES)、第二ステップの画像を演出表示装置115に導出する(ステップS811)。これにより、第二ステップの画像が第一ステップの画像に続いて表示される。その後、第二ステップの画像が表示されたことを示すフラグ(S2表示フラグ)に「1」をセットする(ステップS812)とともに、S1表示フラグに「0」をセットし(ステップS813)、その後、ステップS703のルーチンにリターンする。なお、ステップS810において、第二ステップにおける画像を表示させないことに決定した場合には(NO)、ステップS811〜S813の処理を実行することなくリターンされる。
また、同様に、ステップS807において、演出要求指示手段60の操作タイミングが第二ステップに対する操作許容期間内でもない場合には(NO)、その操作タイミングが第三ステップに対する操作許容期間内か否かを判断し、その許容期間内である場合には(ステップS814においてYES)、S2表示フラグに「1」がセットされているか否か、すなわち第二ステップの画像が表示されたか否かを判断する(ステップS815)。そして、「1」がセットされている場合には(YES)、導出表示用乱数を抽出し、同様の方法によって第三ステップの画像を表示させるか否かを決定する(ステップS816)。なお、ステップS815においてS2表示フラグが「0」である場合には(NO)、ステップS816の処理を行うことなくリターンされる。そして、表示することに決定した場合は(ステップS817においてYES)、第三ステップの画像を演出表示装置115に導出する(ステップS818)。これにより、第三ステップの画像が第二ステップの画像に続いて表示される。その後、第三ステップの画像が表示されたことを示すフラグ(S3表示フラグ)に「1」をセットする(ステップS819)とともに、S2表示フラグに「0」をセットし(ステップS820)、その後、ステップS703のルーチンにリターンする。なお、ステップS817において第三ステップにおける画像を表示させないことに決定した場合には(NO)、ステップS818〜S820の処理を実行することなくリターンされる。
また、ステップS814において、演出要求指示手段60の操作タイミングが第三ステップに対する操作許容期間内でもない場合には(NO)、その操作タイミングが第四ステップに対する操作許容期間内か否かを判断し、その許容期間内である場合には(ステップS821においてYES)、S3表示フラグに「1」がセットされているか否か、すなわち第三ステップの画像が表示されたか否かを判断する(ステップS822)。そして、「1」がセットされている場合には(YES)、導出表示用乱数を抽出し、第四ステップの画像を表示させるか否かを決定する(ステップS823)。なお、ステップS821において第四ステップに対する操作許容期間内でもない場合(NO)、またはステップS822においてS3表示フラグが「0」である場合(NO)には、ステップS823の処理を行うことなくリターンされる。一方、表示することに決定した場合は(ステップS824においてYES)、第四ステップの画像を演出表示装置115に導出する(ステップS825)。これにより、第四ステップの画像が第三ステップの画像に続いて表示される。その後、S3表示フラグに「0」をセットし(ステップS826)、ステップS703のルーチンにリターンする。なお、ステップS824において第四ステップにおける画像を表示させないことに決定した場合には(NO)、ステップS825及びステップS826の処理を実行することなくリターンされる。また、ステップS801において演出要求指示手段60が操作されない場合には(NO)、何れの処理も実行されることなくステップS703のルーチンにリターンされる。
続いて、ステップ演出の具体例を図25に基づき説明する。図25において(a)はステップ演出を開始する前の初期演出画面、(b)及び(c)は第一ステップの画像が表示された画面、(d)は第二ステップの画像が表示された画面、(e)は第三ステップが表示された画面、(f)は第四ステップの画像が表示された画面の一例である。また、(g)は第一ステップの表示後、第二ステップが行われない場合の画面の一例である。このステップ演出は、「キャラクタCが、川を越えて対岸に渡るための手段として、ロープを架け渡そうとする」ものである。詳しくは、「ロープRの先端に岩Iを錘として縛り付け、対岸の木Kに向かって投げつけることにより、ロープRの先端を木Kに巻きつけること」を趣旨とし、そのために各ステップにおいて「岩Iを砕き、錘として適切な大きさにする」ものである。初期演出画面では、まず橋が壊れていることを発見して驚いた様子を示すキャラクタCが表示され((a)参照)、続いて、第一ステップではハンマーHを用いて山から岩Iを切り出す画像が表示される((b),(c)参照)。第二ステップでは、切り出された大きな岩IをハンマーHで砕く画像が表示され((d)参照)、第三ステップでは、岩Iをさらに細かく砕く画像が表示される((e)参照)。また、第四ステップでは、適切な大きさまで砕かれた岩IをロープRの先端に縛り付けるとともに、それを対岸の木Kに向かって投げつけ、木Kに巻きつける画像が表示される((f)参照)。なお、第一から第三ステップにおけるいずれかの画像を表示した後、それ以降のステップの画像を表示しない場合、すなわち発展表示されない場合には、「表示中のステップにおいて形成された大きさの岩Iを、対岸に向かって投げようと試みるが、大きすぎて投げることができない様子の画像」((g)参照)が、第四ステップに対する受付期間が終了するまで継続し、その後の第四ステップに相当する演出期間において、大きな岩Iを投げて失敗する画像(図示しない)が表示されるようになっている。なお、いずれの画面にも、上部に三つの装飾図柄列Sが変動表示され、ステップ演出は、装飾図柄列Sとともに演出表示装置115に表示される。このように、ステップ演出の各ステップにおける画像を、趣旨が一貫された一連の画像から構成することにより、連続したストーリー性のある演出(流れのある演出)となる。つまり、演出要求指示手段60の操作が繰り返されても、それらの操作は全て一貫された趣旨に沿うものとなるため、同じ操作を繰り返し行うという感覚が薄れ、集中して操作させることが可能になる。また、趣旨が一貫していることから、ステップ演出における演出内容を詳細に知らない遊技者であっても、ステップの進行度合を容易に把握することができ、ステップ演出における発展表示を楽しむことができる。
また、演出要求指示手段60の操作を受け付ける期間を遊技者に示唆するため、本演出例においては、制限期間に同期させてキャラクタCのハンマーHの色を反転させるようにしている。これにより、操作受付期間を遊技者に認識させるとともに、遊技者の操作がハンマーの動作演出(すなわち岩を砕こうとする演出)に対応していることを容易に把握させることができる。
なお、演出要求指示手段60の操作が全く行われない場合には、(a)に示す初期演出画面は表示されるものの、岩を砕く演出が行われることなく、初期演出画面上で装飾図柄列Sのみが変動表示される。また、本例では、各ステップの途中で演出要求指示手段60の操作が中断されると、演出は発展することはなく、キャラクタCが立ち尽くした状態の画面(図示しない)が表示され続ける。
このように、本例のパチンコ機1によれば、演出要求指示手段60が操作される毎に演出態様を導出するか否かの抽選が行われるため、大当りへの期待値が高い場合には、比較的少ない操作によって画像を導出させることが可能になり、一方、大当りへの期待値が低い場合には、画像を導出させるまでの操作回数が多くなる。したがって、画像が導出されるまでの操作回数によって期待値を推測させることができるようになり、従来にはない遊技性によって興趣を大幅に高めることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、ステップ演出における各ステップの画像が遊技者の操作によって誘発可能となるため、遊技者は、演出表示装置115に各ステップの画像が表示されない場合、あるいは表示されたステップの数が少ない場合であっても、「操作不足のため画像が誘発されないだけであり、大当りが発生する可能性が残されている」と遊技者にとって都合のよい方へ解釈させることができる。したがって、期待感の消失が低減され、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、ステップ演出の各ステップに対する画像の導出率が、テーブルとして予め設定されているため、乱数を一度抽出するだけで、夫々のステップにおける画像を表示させるか否かが決定される。すなわち、演出パターンを決定するための抽選、及び決定された演出パターンを表示させるか否かの抽選を、一回の抽選でまとめて実行することができることとなり、処理の流れを簡略化することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、ステップ毎に演出要求指示手段60の操作の有無を検出し、ステップ単位で画像の導出を可能とすることから、遊技者は、夫々のステップにおける操作回数、すなわち、夫々の画像を導出させるまでの操作回数を総合的に判断して期待値を推測することとなる。したがって、ステップ演出における期待値の推測が複雑となり、期待値の把握に集中するようになる。また、期待値が比較的低い場合でも、各ステップに対して操作を繰り返すことにより、段階的に発展する画像を視認することが可能になるため、最後のステップが終わるまで、演出要求指示手段60の操作と、その操作により導出される複数の画像を楽しませることができる。また、期待値を明確に推測することが困難になることから、期待値が低い場合でも、遊技者にとって都合のよい方へ解釈させることが可能となる。つまり、期待感を消失させることが少なくなり、抽選結果が表示されるまで抽選を楽しませることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、表示要求無効手段473及び画像導出禁止手段474を備えているため、段階的に発展表示される複数のステップのうち、途中あるいは最後のステップの画像から演出表示が開始されることを防止できる。換言すれば、画像の表示順序、すなわちステップの順序は常に一様となるため、ステップ演出における演出内容を周知化させ、表示される画像と期待値との関係を容易に認識させることが可能になる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、ステップ演出の具体例として、各ステップにおける画像が、趣旨の一貫した一連の画像から構成されたものを示したが、互いに連続性のない個々のキャラクタから構成されたものであってもよい。その具体例を図26に示す。この例では、第一ステップに対しては、図26(a)に示すように、「浴衣を着て下駄を履いた男性がホウキで掃除している図柄C1」が関連付けられ、第二ステップに対しては、図26(b)に示すように、「腹巻と鉢巻をした男性の図柄C2」が関連付けられ、第三ステップに対しては、図26(c)に示すように、「着物を着た小太りな少年の図柄C3」が関連付けられ、第四ステップに対しては、図26(d)に示すように、「エプロンをした主婦の図柄C4が関連付けられている。このように、互いに連続性を有さない個別のキャラクタから構成するようにすれば、夫々の画像を明確に区別することが可能になり、ひいては、演出表示装置115に導出された画像がいずれのステップに関連付けられたものかを容易に把握させることが可能になる。また、各ステップにおける画像が表示されるまでの時間、すなわち、その前の段階のステップが終了する時間が不規則であっても、不自然さはなく、またストーリー性のある演出(流れのある演出)が中断されるような興趣の低下を誘う演出とはならない。
また、上記実施形態では、複数の画像が段階的に発展表示されるステップ演出に関して、夫々の画像を表示させるか否かを決定するものを示したが、演出の内容は特に限定されるものではなく、ステップ演出以外の演出、例えば、単段階からなる一般的な演出に対してその演出の画像を表示させるか否かを決定するようにしてもよい。また、演出における画像は、静止画であっても動画であっても構わない。
また、それらの演出が導出される時期においても特に限定されるものではなく、例えば、リーチ状態の後に演出要求指示手段60を操作させ、画像を導出させるようにしてもよい。ただし、本例のようにリーチ状態の前、すなわち通常変動中において導出可能とすることにより、当り時または外れ時に拘わらず、同じように導出させることができるとともに、遊技者自身が誘発させる演出により遊技者の退屈感を軽減することができる。つまり、従来の遊技機では、リーチ状態の後であれば、リーチ状態によって期待感を高めその後の変動や演出に対して興趣を高めることができるが、リーチ状態の前では単に装飾図柄列の変動を見続けるという、遊技者に退屈感を与えるような状態となっていた。これに対し本例では、ステップ演出の画像を導出させる操作をリーチ状態の前に行わせることから、遊技者に退屈感を与えることなく、遊技に集中させることができる。これにより、遊技における興趣を大幅に高めることが可能になる。
また、上記実施形態では、表示させるか否かの抽選を、ステップ毎に行うものを示したが、第一ステップに対してのみ抽選を行い、第一ステップを表示することに決定された場合には、その後のステップにおける画像が必然的に表示されるようにしてもよい。これによれば、演出要求指示手段60の操作回数及び操作時間が少なくなり、手の疲れ等を抑制することができる。
さらに、上記実施形態では、ステップ演出を表示させる表示手段として、装飾図柄列が表示される演出表示装置115を利用するものを示したが、特殊な演出態様を表示するための専用の表示手段を備えるようにしてもよい。
また、電飾制御基板338に導出表示用乱数抽出手段459及び表示有無決定手段470を備え、主基板310から発信されるコマンドを基に、電飾制御基板338において、演出の態様と、その演出を表示させるか否かとを決定するものを示したが、主基板310において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように演出処理を分担するようにすれば、主基板310における処理の負担を軽減するとともに、変動パターンを一層多様化することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。