JP2010115451A - 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。 - Google Patents

除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2010115451A
JP2010115451A JP2008292856A JP2008292856A JP2010115451A JP 2010115451 A JP2010115451 A JP 2010115451A JP 2008292856 A JP2008292856 A JP 2008292856A JP 2008292856 A JP2008292856 A JP 2008292856A JP 2010115451 A JP2010115451 A JP 2010115451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decontamination
packaging container
sensor
chamber
hydrogen peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008292856A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kawasaki
康司 川崎
Minoru Miyamoto
宮本  実
Ayako Sasaki
綾子 笹木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Acous Corp
Original Assignee
Airex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Airex Co Ltd filed Critical Airex Co Ltd
Priority to JP2008292856A priority Critical patent/JP2010115451A/ja
Publication of JP2010115451A publication Critical patent/JP2010115451A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】適切な除染条件を容易に決定でき、また、該除染条件を容易に管理し得る除染装置を提供する。
【解決手段】室外から気密的に遮断された除染室2と、該除染室2に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素ガス供給装置6とを備え、少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器Dに封入された除染対象物Aを該除染室2に収納し、該除染対象物Aの表面を過酸化水素ガスで除染する除染装置1にあって、前記除染用包装容器D内の除染状態を推測するために、前記除染室2内に、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサ19を、除染用包装容器Dと同等のセンサ用包装容器D1に封入して設置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも一部が多孔性包材からなる包装容器に封入された除染対象物の表面を適切に除染するための除染装置に関する。
特許文献1には、過酸化水素ガスを用いて医薬品や食品等の表面を除染する除染工程を実行する除染装置が開示されている。ここで、「除染」とは、化学T期除染、無菌、殺菌、滅菌等を含む概念である。また、特許文献1には、過酸化水素ガスを用いて効率的に除染を行うために、除染室内で過酸化水素ガスを凝縮させて、除染対象物の表面に過酸化水素の凝縮膜を形成することが開示されている。
特許文献2には、表面にガスが凝縮する透明板と、投光装置と、受光装置とを備え、透明板上の凝縮膜の膜厚の変化を検出する凝縮センサが開示されている。また、過酸化水素ガスを用いる除染装置にあって、該凝縮センサを用いて過酸化水素ガスの凝縮を監視することも開示されている。
特許文献3には、一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物(プレフィルドシリンジ)を除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する方法が開示されている。ここで、多孔性包材は気体を透過し、液体や微生物を透過しない特性を有しており、かかる除染方法にあっては、除染室内に充満した過酸化水素ガスが多孔性包材を透過して除染用包装容器内に侵入し、除染対象物の表面が除染されることとなる。
上記のような除染用包装容器に封入された除染対象物の表面を除染する場合には、4〜6の対数減少(log reduction)を達成することが求められている(例えば、非特許文献1)。ここで対数減少とは、例えば6対数減少であれば、当該除染剤に最も耐性のある菌種を10分の1になるまで死滅させる除染の程度である。具体的には、除染剤が過酸化水素ガスの場合にはGeobacillus.Stearothermophilus胞子10個を含むバイオロジカルインジケータ(以下、「BI」と略す。)を最も除染され難い部位に設置して、該BIの胞子が全致死した場合に6対数減少が達成されたと判定する。
このため、除染装置にあっては、除染工程において所要対数減少を達成し得る除染条件を決定しなくてはならない。除染条件は、対数減少の値に影響を与える各種パラメータによって規定される。かかるパラメータとしては、過酸化水素ガス供給量や温度、湿度、風量などが挙げられる。一般的に、除染工程における対数減少を大きくするには、過酸化水素ガス供給量を増やしたり、除染対象物を過酸化水素ガスに暴露する時間を長くすればよい。しかしながら、過酸化水素ガスの供給量を増加させると、除染工程一回当たりの費用が上昇し、また、除染対象物表面に過酸化水素が残留し易くなるため、過酸化水素の除去に多大な時間がかかる。一方、暴露時間を長くすると一回の除染工程が長くなり、効率が悪化する。このため、従来の除染装置では、過酸化水素ガスの供給量・暴露時間を増加させることなく、その他のパラメータ(温度、湿度、風量等)を適宜設定することによって、効率的に除染を行い、より短時間に、より少ない過酸化水素ガス供給量で所要対数減少を達成することが求められている。
特公昭61−4543号公報 特許3809176号公報 特許第3845110号公報 U.S. Department of Health and Human Services et al.「Guidance for Industry Sterile Drug Products」 Produced by Aseptic Processing . Current Good Manufacturing Practice|(米国).Pharmaceutical CGMPs.2004年9月.p.46
しかしながら、適切な除染条件を決定するのは容易ではない。除染工程を効率的に行うためには、除染室に供給された過酸化水素ガスが、多孔性包材を円滑に透過して、除染対象物の表面で凝縮する必要があるが、過酸化水素ガスが凝縮し易い条件下では過酸化水素ガスが多孔性包材を透過し難く、一方、過酸化水素ガスが多孔性包材を透過し易い条件下では過酸化水素ガスが凝縮し難いため、過酸化水素ガスが円滑に多孔性包材を透過して、尚且つ、除染対象物の表面に凝縮する条件が狭い範囲に限定されているためである。
また、除染条件を決定するには、温度、湿度、風量等の多数のパラメータを変化させて除染工程を繰り返し、各除染工程で達成した対数減少から各パラメータの適切な範囲を決定しなくてはならない。ここで、かかる除染工程において達成した対数減少を確認するためには、BIをコールドスポット(最も除染され難い部位)に設置する必要があるが、除染工程の度にBIを設置し、除染工程後に回収、培養し、該BIに含まれる菌が全致死したか否かを判定するのは煩雑である。
このように、上記除染装置において、適切な除染条件を探索し、決定するのは極めて手間のかかる作業であったため、従来では、適切な除染条件は十分に探索されていなかった。
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであり、適切な除染条件を容易に決定でき、また、該除染条件を容易に管理し得る除染装置の提供を目的とする。また、該除染装置における適切な除染条件の決定方法及び除染条件の管理方法の提供を目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、凝縮センサを除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入して除染室に収納し、除染工程を繰り返したところ、各除染工程で達成される対数減少と該凝縮センサの出力値が密接な相関を有していることを発見し、試行錯誤の末、本発明に至った。
すなわち、本発明は、室外から気密的に遮断された除染室と、該除染室に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素ガス供給装置とを備え、少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を該除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置であって、前記除染用包装容器内の除染状態を推測するために、前記除染室内に、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサが、除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入されて設置されていることを特徴とする除染装置である。
上述のように、本発明に係る凝縮センサの出力値は、除染対象物の凝縮状態と、すなわち除染工程で達成される対数減少と密接な相関を有しているから、本発明の除染装置にあっては、予め、凝縮センサの出力値と対数減少の相関を把握すれば、BIを用いることなく、凝縮センサの出力から除染対象物の除染状態を把握することが可能となる。かかる凝縮センサは、除染室内に設置するだけで繰返し使用できるため、BIに比べて手軽に使用できる。また、凝縮センサの出力値は、除染工程中にリアルタイムで得られるという利点もある。また、凝縮センサによれば、除染対象物の除染状態を連続的な数値で把握できる。したがって、かかる除染装置にあっては、凝縮センサの出力値によって、簡便に、且つ、速やかに除染対象物の除染状態を把握できる。
本発明に係る凝縮センサは、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部を備え、該凝縮形成部に生じる凝縮膜の膜厚を検出して、該膜厚に応じた信号を出力する構成を有し、且つ、包装可能なものでさえあれば、その他の構成は特に限定されない。例えば、上記特許文献2に記載の凝縮センサのように、凝縮形成部が透明板からなり、該透明板の表面に生じる凝縮膜の膜厚を光学的に検出する構成が提案される。
本発明に係る凝縮センサを封入する、「センサ用包装容器」は、少なくとも一部が、除染用包装容器と同じ材質の多孔性包材からなることが必要であり、該多孔性包材は除染用包装容器のものと同厚であることが望ましい。また、センサ用包装容器における多孔性包材とその他の材質の面積比を、除染用包装容器における面積比と同じにすることが望ましい。さらには、センサ用包装容器の形状や大きさも除染用包装容器と同じにすることが望ましい。このように、センサ用包装容器を除染用包装容器と同等のものにすることで、センサ用包装容器内の雰囲気を、除染用包装容器内の雰囲気に近似させることができ、凝縮センサの出力値を、除染用包装容器内の凝縮状態と、ひいては除染用包装容器内の除染状態と密接に関連付けることが可能となる。
本発明に係る「除染対象物」は、少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入される物であればよいが、特に、除染対象物がプレフィルドシリンジである場合には有効である。プレフィルドシリンジの表面は複雑な形状をなしており、極めて限られた除染条件でのみでしか、その表面を適切に除染できないためある。
また、本発明は、少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を気密性の除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置における除染条件の決定方法であって、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサを前記除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入して前記除染室に収納するとともに、バイオロジカルインジケータを除染対象物とともに前記除染用包装容器に封入し、除染条件の異なる複数回の除染工程を実行する第1工程と、前記除染工程におけるバイオロジカルインジケータの判定結果から、各除染工程で達成された対数減少を決定する第2工程と、前記除染工程における前記対数減少と凝縮センサの出力値の相関から、凝縮センサの出力値の適正範囲を決定する第3工程と、凝縮センサの出力値と除染条件を規定する各種パラメータとの相関から、凝縮センサの前記適正範囲の出力値を実現し得る、前記各種パラメータの適正範囲を決定する第4工程とを含むことを特徴とする除染条件の決定方法である。
かかる除染条件の決定方法にあっては、まず、第1工程によって、様々な除染条件における凝縮センサの出力値とBIの判定結果を得る。かかる第1工程にあって、BIは除染用包装容器内のコールドスポット(最も除染され難い部位)に配置することが望ましい。
次に、第2工程によって、BIの判定結果から各除染工程で達成された対数減少を決定する。かかる対数減少の値は、例えば、除染工程において、菌数の異なるBIを除染用包装容器内に設置して、各BIに含まれる菌が死滅したか否かの判定結果に基づいて決定できる。
そして、第3工程において、凝縮センサの出力値と対数減少の相関を把握して、凝縮センサの出力値の適正範囲を決定する。凝縮センサの出力値と対数減少の相関は、統計的手法やグラフから導出できる。ここで、凝縮センサの出力値は、除染工程の一時点の出力値であってもかまわないし、所定期間の出力の平均値であってもかまわない。
そして、第4の工程において、凝縮センサの出力値と除染条件を規定する各種パラメータとの相関から、凝縮センサの前記適正範囲の出力値を実現し得る各種パラメータの適正範囲を決定し、これらのパラメータの適正範囲を満足する条件を除染条件として決定する。ここで、凝縮センサの出力値と各種パラメータとの相関は統計的手法やグラフから導出できる。なお、当該相関の基礎となるデータは、第1工程における除染工程にで測定することができるし、別途実行した除染工程で測定してもかまわない。
このように、かかる除染条件の決定方法によれば、BIの判定結果に基づいて凝縮センサの適正範囲を決定し、除染条件を規定する各種パラメータの適正範囲を凝縮センサの出力値との相関から決定する。このため、かかる除染条件の決定方法によれば、BIの判定結果から直接各パラメータの適正範囲を決定していた従来方法と比較して、少ない除染工程で適正な除染条件を決定できる。
また、本発明は、少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を気密性の除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置における除染条件の管理方法であって、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサを除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入して前記除染室に収納し、前記除染工程中に前記凝縮センサからの出力を監視して、該凝縮センサの出力値が所定の適正範囲に収まっているか否かを判定することを特徴とする除染条件の管理方法である。
すなわち、かかる管理方法は、所定の除染条件で除染工程が実行された場合に、センサ用包装容器に封入された凝縮センサが出力する出力値を適正範囲として定めておき、除染工程中に凝縮センサの出力値を監視することにより、除染工程が前記所定除染条件で正常に実行されているか否かを確認するものである。すなわち、かかる管理方法によれば、凝縮センサによって除染用包装容器内の除染状態を略リアルタイムで監視することができ、除染工程が正常に実行されているか否かを、BIを用いることなく、速やかに検証できる。
以上のように、上記本発明の除染装置にあっては、凝縮センサの出力値によって除染用包装容器に封入された除染対象物の除染状態を簡単に且つ速やかに把握できるから、該凝縮センサの出力値に基づいて、従来に比べて、適切な除染条件を簡単に決定できる。また、除染工程中に、凝縮センサの出力値を監視することで、除染工程が適切な除染条件下で正常に実行されているかを容易に検証することができる。
また、上記本発明の除染条件の決定方法によれば、従来よりも少ない除染工程で、また、BIの少ない使用回数で、適切な除染条件を決定できるため、効率的な除染を行うための除染条件を、従来に比べて短時間に且つ少ない手間で決定できる。
また、本発明の除染条件の管理方法によれば、除染工程が正常に行われているか否かを略リアルタイムで検証できるため、BIの判定結果によって除染工程の検証を行う従来の管理方法に比べて、異常を速やかに検知し、対処できるという利点がある。
まず、本発明の除染装置の実施例を、図面を参照して説明する。
実施例の除染装置1は、除染用包装容器Dに封入されたプレフィルドシリンジAを除染対象物とするものである。図1に示すように、除染装置1は、除染室2を備えている。除染室2の室内(内部空間)は、室外に対して気密的に遮断され、包装済みのプレフィルドシリンジAを収納する作業空間20を具備している。作業空間20には平網からなるトレイを積層してなる多段トレイ11が配設されており、除染用包装容器Dに封入されたプレフィルドシリンジAが該多段トレイ11に載置される。
除染室2の具体的な構成について説明する。図1に示すように、除染室2内には、室内を仕切る縦方向の仕切板3が設けられている。そして、この仕切板3と、除染室2の内壁との間に形成された隙間が、室内空気が通過可能な周回路20Aとなっている。また、該仕切板3の下端には、除染室2内の中央に配された作業空間20と前記周回路20Aとを連通する開口部3Aが設けられている。
また、除染室2内の上部には、除染室2の室内空気を清浄化するためのHEPAフィルタ4が、水平状に配設されている。さらに、該HEPAフィルタ4の直下には、室内空気の気流を整える整流板5が、水平状に配設されている。
さらに、除染室2内であって、前記HEPAフィルタ4の上方には、除染室2の室内空気を一方向に送風する送風装置15が三つ横並びに設置される。各送風装置15は、室内空気を下方へ送風するよう送風口15aを下方に向けた状態で設置されている。
作業空間20には、プレフィルドシリンジAを載置する多段トレイ11が設置される。図1では簡略化しているが、多段トレイ11の各トレイは平網状をなし、80mm間隔で20段設置される。そして、各トレイには20個のプレフィルドシリンジAを平置きするようになっている。
かかる構成にあって、送風装置15により送風された室内空気は、HEPAフィルタ4を通過し、さらに整流板5を通過し、作業空間20に到達する。そして、作業空間20に到達した室内空気は、プレフィルドシリンジAが載置される多段トレイ11を上から下に縦断し、前記仕切板3の開口部3Aから前記周回路20Aに侵入して、該周回路20Aを上昇する。そして、該室内空気は、送風装置15の設置スペースに到達し、再び送風装置15によって下方に送風され、除染室2内を循環する。すなわち、前記送風装置15により、除染室2内の室内空気が流動して循環系の一方向流が形成されている。
また、除染室2には、過酸化水素ガス供給装置6が配設されている。この過酸化水素ガス供給装置6は、30〜40%(w/w%)過酸化水素水が入った過酸化水素水タンク7と、過酸化水素水を蒸発させる蒸発器9と、過酸化水素水タンク7内の過酸化水素水を前記蒸発器9に供給する過酸化水素水供給ポンプ8とを備えている。さらに、蒸発器9で発生した過酸化水素ガスと水蒸気の混合ガスは、過酸化水素ガス供給管10によって除染室2内の送風装置15の送風口15a前方に供給される。かかる過酸化水素ガス供給装置6は公知品が好適に採用される。なお、かかる過酸化水素ガス供給装置6は、室外でガス化した過酸化水素水を除染室2に導入するものであるが、かかる構成に替えて、過酸化水素水を除染室2内に配設した蒸発器に供給して室内でガス化させるようにしてもかまわない。
また、除染室2には、給気回路用HEPAフィルタ22や給気装置23等を備えた給気回路21が接続されており、給気装置23が駆動することにより、外気が、給気回路用HEPAフィルタ22を介して除染室2内に給気される。詳述すると、給気回路21は、一端が室外に開口し、他端が除染室2内に連通しており、室外側から順に、ヒータ24、加湿器25、冷却コイル26、給気装置23、ヒータ27、調整バルブ28、給気回路用HEPAフィルタ22が配設されている。かかる給気回路21は、これらの装置が適宜作動することによって、除染室2に導入する空気の温度・湿度を調整することができる。なお、調整バルブ28は給気量を調整するのに用いられる。
また、除染室2には、触媒31、調整バルブ32、排気回路用HEPAフィルタ33、及び排気装置34を備えた排気回路30が接続されている。詳述すると、この排気回路30は、除染室2側から順に、触媒31、調整バルブ32、排気回路用HEPAフィルタ33、及び排気装置34を備えており、一端が除染室2内に連通し、他端が室外に開口している。そして、排気装置34が駆動することにより、除染室2内の室内空気が触媒31により分解され、さらに排気回路用HEPAフィルタ33によって清浄化されて室外に排気される。なお、調整バルブ32は排気量を調整するのに用いられる。
また、除染室2は、作業空間20の室温を測定する温度センサ12と、作業空間20の過酸化水素ガスの濃度を測定する濃度センサ13とを備えている。これらの各センサ12,13は公知品が好適に用いられる。また、除染室2には、後述する凝縮センサ19が設けられる。また、除染室2は、電熱線からなるヒータ16を室内に備えており、該ヒータ16の作動によって除染室2の温度を適宜上昇させ得るようになっている。また、除染装置1は、除染室2に導入する室外空気の湿度及び温度を検知する湿度センサ17と温度センサ18を備えている。これらの各センサ17,18は公知品が好適に用いられる。
また、除染装置1は、除染工程を制御する除染制御装置37を備えている。この除染制御装置37は、図2に示すように、中央処理装置CPU40、及び、中央処理装置CPU40に接続された読取専用の記憶装置ROM41、並びに読書可能な記憶装置RAM42を備えている。ここで、中央処理装置CPU40は、所定のプログラムを実行するものである。また、記憶装置ROM41は、演算処理に用いる動作プログラムやデータを格納するものである。また、記憶装置RAM42は、演算データや測定データ等を格納するものである。
この除染制御装置37には、過酸化水素水供給ポンプ8、温度センサ12,18、濃度センサ13、湿度センサ17、凝縮センサ19、ヒータ16,24,27、加湿器25、冷却コイル26、調整バルブ28,32、送風装置15、給気装置23、及び排気装置34がそれぞれ接続される。また、除染制御装置37には、除染室2外に配設された操作盤14が接続されており、オペレータは、該操作盤14を介して除染装置1を操作するとともに、該操作盤14の計器類を介して除染装置1の状態を把握する。
除染制御装置37は、操作盤14を介してスタート指示がなされると、予め定められたプログラムに従って各種機器を作動させて除染工程を実行し、除染室2に収納されたプレフィルドシリンジAの表面を除染する。例えば、除染制御装置37は、プログラムに従って過酸化水素水供給ポンプ8に制御指令信号を出力し、所定量の過酸化水素水を蒸発器9に供給し得るように駆動させて、所定量の過酸化水素ガスを除染室2内に供給する。送風装置15、給気装置23、及び排気装置34に対して送風制御指令信号をそれぞれ出力し、該信号によって各装置15,23,28内部のファンの回転数(例えば、回毎分[rpm])を適宜変化させ、各ファンの送風量を調節する。また、除染制御装置37は、プログラムに従って調整バルブ28,32へ制御信号を出力し、各バルブ28,32の開閉状態を制御する。また、温度センサ12,18、濃度センサ13、湿度センサ17、及び凝縮センサ19からは、測定データが除染制御装置37へそれぞれ送信され、記憶装置RAM42に順次記憶保持される。また、除染制御装置37は、プログラムに従って、ヒータ16に制御指令信号を出力し、除染室2内を加熱することにより、除染室2内を適当な温度まで上昇させる。また、除染制御装置37は、プログラムに従って、ヒータ24,27、加湿器25、冷却コイル26に制御指令信号を出力し、導入する空気を所定温度及び所定絶対湿度に調節する。
次に、本実施例の除染装置1で除染するプレフィルドシリンジAについて説明する。図1に示すように、プレフィルドシリンジAは除染用包装容器Dに封入された状態で多段トレイ11に載置される。図3に示すように、除染用包装容器Dは、多孔性包材(タイベック(登録商標))Eと透明フィルムFで構成されるピロー包装である。多孔性包材Eは液体や微生物を透過せず気体のみを透過し、透明フィルムFは気体、液体、微生物のいずれも透過しない。多孔性包材Eと透明フィルムFの面積比は3:7である。プレフィルドシリンジAは、シリンダBとプランジャCとからなるシリンジA1に薬剤Hを充填してなる公知品である。また、図3において、JはプランジャC先端に結合されたガスケットであり、Kは注射針である。なお、本発明に係る除染用包装容器は、ピロー包装の形態に限定されず、ブリスター包装等であってもかまわない。ここで、本実施例の除染装置1によってプレフィルドシリンジAの表面を除染する場合、シリンダBの内壁とプランジャCの間に形成されるクリアランス部Gがコールドスポットとなる。クリアランス部Gは長穴状をなしているため、奥まで過酸化水素ガスが充満し難く、また、凝縮した過酸化水素ガスがクリアランス部Gの入口を閉塞し易いためである。このため、本実施例の除染装置1では、クリアランス部Gで所要対数減少を達成する必要がある。
次に、凝縮センサ19について説明する。凝縮センサ19は、図4に示すように、ピロー包装状のセンサ用包装容器D1に封入される。このセンサ用包装容器D1は、前記除染用包装容器Dと同等の構成をしている。すなわち、センサ用包装容器D1は、除染用包装容器Dと同じ材質の多孔性包材(タイベック(登録商標))E1と透明フィルムF1とからなる。多孔性包材E1は、除染用包装容器Dの多孔性包材と同厚である。凝縮センサ19がプレフィルドシリンジAより大きいため、センサ用包装容器D1は除染用包装容器Dより大きく設計されているが、センサ用包装容器D1は、除染用包装容器Dと相似形をなしており、多孔性包材E1と透明フィルムF1の面積比は除染用包装容器Dと同じである。また、センサ用包装容器D1では、凝縮センサ19と除染制御装置37を接続する配線ケーブル53a,53bが透明フィルムF1の接合部Mを介してセンサ用包装容器D1の外側に通じているが、該接合部Mにおいて配線ケーブル53a,53bと透明フィルムF1は密着しており、接合部Mを介してガスが出入りすることはない。このように、センサ用包装容器D1を除染用包装容器Dと同等の構成とすることで、センサ用包装容器D1の内部雰囲気が除染用包装容器Dの内部雰囲気に近似したものとなる。
凝縮センサ19は、投光部50aから一方向に光(レーザー光)Lを照射する投光装置50と、受光部51aを該投光装置50の照射光Lと対向する位置に配設し、受光量に対応した信号出力を発生する受光装置51と、投光装置50の投光部50aと受光装置51の受光部51aとの間に配設される凝縮形成部52とからなる。凝縮形成部52は、周囲雰囲気に露出してガスが表面に凝縮する透明板54を間隔をおいて複数積層してなるものであり、投光装置50の照射光Lが各透明板を透過して受光部に達するように配設される。また、この投光装置50は、配線ケーブル53aを介して除染制御装置37に接続され、所定のタイミングで照射光Lを発振するように駆動制御される。一方、受光装置51は、受光部8で受光した照射光Lの受光量に対応する信号出力を発生し、配線ケーブル53bを介して除染制御装置37に出力する。具体的には、受光装置51の出力は、受光部8における受光量が減少するほど強くなるよう設定される。なお、かかる凝縮センサ19は公知の構成であるため詳細については省略する。
かかる凝縮センサ19にあっては、凝縮形成部52の透明板54に凝縮が生じると、照射光Lは透明板54を透過する際に凝縮膜に散乱・吸収され、非凝縮時に比べて受光部51aにおける受光量が減少する。この受光量の減少は透明板54の凝縮膜が厚くなるほど大きくなるから、凝縮膜の膜厚が厚くなるほど、受光装置51の出力が増大することとなる。したがって、受光装置51の出力を過酸化水素ガス供給前から監視することにより、凝縮形成部52における凝縮膜の発生タイミングや、その後の凝縮膜の態様(特に、膜厚の変化)を把握でき、センサ用包装容器D1内の凝縮状態を把握可能となる。ここで、上述のように、センサ用包装容器D1と除染用包装容器Dの内部雰囲気は近似しており、センサ用包装容器D1内の凝縮状態は除染用包装容器D内の凝縮状態に近似したものとなるから、本実施例にあっては、凝縮センサ19の出力値と除染用包装容器D内の除染状態が密接な関連を有するものとなる。
次に、上記除染装置1が実行する除染工程の概略を説明する。
上記除染装置1における除染工程は、図5に示すように、過酸化水素ガスの供給前に除染室2内部を所定の温度、湿度に調節するコンディショニング工程と、除染室2を過酸化水素ガス雰囲気として、プレフィルドシリンジAの表面を除染する除染ガス供給工程と、除染室2から過酸化水素を排出するエアレーション工程とからなる。
まず、コンディショニング工程では、図1に示すように、除染用包装容器Dに封入されたプレフィルドシリンジAを作業空間20の多段トレイ11に載置して、除染室2を密閉する。そして、除染室2内のヒータ16を適宜作動させて除染室2内を所定のコンディショニング温度に調整する。具体的には、除染制御装置37が、ヒータ16によって除染室2内を加温するとともに、送風装置15を駆動して室内空気を流動させて、除染室2内に一方向流を形成する。また、同時に、除染制御装置37は、給気装置23を駆動させて室外の空気を除染室2に導入するとともに、排気装置34を駆動させて導入した空気と略同量のガスを除染室2から排気する。かかるコンディショニング工程では、除染室2内を所定温度に20分以上維持することが望ましい。これよりも短時間であると、プレフィルドシリンジAをコンディショニング温度まで温められずコンディショニングが不十分となるためである。
コンディショニング工程を終了すると、除染制御装置37は除染ガス供給工程を実行する。かかる除染ガス供給工程では、除染室2に供給された過酸化水素ガスが除染室2を循環しながら除染用包装容器D内に侵入し、侵入した過酸化水素ガスによってプレフィルドシリンジAの表面が除染される。具体的には、除染制御装置37は、過酸化水素水供給ポンプ8を駆動して、過酸化水素ガスを除染室2内に継続的に導入するとともに、送風装置15を駆動することによって過酸化水素ガスを室内に循環させて、除染室2内を過酸化水素ガス雰囲気とする。また、除染制御装置37は、給気装置23を駆動させて室外の空気を除染室2内に導入するとともに、排気装置34を駆動させて導入した空気と略同量のガスを除染室2から排出する。かかる除染ガス供給工程では、除染制御装置37は、過酸化水素ガスの供給量、導入空気の温度・湿度、送風装置の送風量などのパラメータが予めプログラムされた範囲に収まるように制御する。
除染ガス供給工程を終了すると、除染制御装置37は、除染室2内の過酸化水素を除去するためにエアレーション工程を実行する。詳述すると、まず、除染制御装置37は、過酸化水素水供給ポンプ8の駆動を停止して、過酸化水素ガスの供給を停止する。続いて、除染制御装置37は、給気装置23及び送風装置15を駆動して、室外から除染室2内に空気を導入するとともに、排気装置34を駆動して、過酸化水素ガスを含む除染室2内の空気を清浄化して室外へ排気する。そして、除染制御装置37は、かかるエアレーション工程を所定時間実行すると、送風装置15、排気装置34及び給気装置23を停止して、一連の除染方法を終了する。なお、かかるエアレーション工程は90分間以上実行することが望ましい。エアレーション工程を90分間以上実行すれば、除染用包装容器D内に侵入した過酸化水素を無害なレベルまで除去できる。
次に、除染装置1の除染工程における好適な除染条件の決定方法について説明する。
除染条件の決定方法は、BIを除染対象物とともに前記除染用包装容器に封入し、除染条件の異なる複数回の除染工程を実行する第1工程と、前記除染工程におけるBIの判定結果から、各除染工程で達成された対数減少を決定する第2工程と、前記除染工程における前記対数減少と凝縮センサ19の出力値の相関から、凝縮センサ19の出力値の適正範囲を決定する第3工程と、凝縮センサ19の出力値と除染条件を規定する各種パラメータとの相関から、凝縮センサ19の前記適正範囲の出力値を実現し得る、前記各種パラメータの適正範囲を決定する第4工程とからなる。ここで、除染条件は以下のパラメータによって規定される。
(a)コンディショニング温度
(b)除染ガス供給工程における送風装置15の送風速度
(c)除染ガス供給工程における導入空気の導入量
(d)除染ガス供給工程における導入空気の温度
(e)除染ガス供給工程における導入空気の絶対湿度(重量絶対湿度)
したがって、本実施例の除染条件の決定方法は、これらの(a)〜(e)の各パラメータの適正範囲を決定するものである。なお、除染条件を規定するパラメータは、除染装置の構成や除染工程の内容によって変化するものであり、また、パラメータの設定の仕方によっても様々に変化するものである。このため、本発明の除染方法の決定方法は、上記(a)〜(e)のパラメータの適正範囲を決定する方法に限定されるものではない。
具体的には、第1工程では、まず、(a)〜(e)の上記パラメータを変化させて、異なる除染条件で試験的な除染工程を複数回実行する。各除染工程では、プレフィルドシリンジAのクリアランス部G(図3参照)に菌数の異なる複数のBIを設置し、除染工程後に各BIを回収、培養して結果判定を行う。本実施例では、菌数が10、103.5、10、104.5、10、105.5、10、106.5、10の9種類のBIを用意し、各除染試験で使用する。また、各除染工程においては、凝縮センサ19の出力値(以下、SDVと略す。)を除染制御装置37が記憶し、保存する。
第2工程では、上記BIの判定結果から各除染工程において達成された対数減少を決定する。具体的には、図6に示すように、試験1の除染工程にあっては、10乗から10乗のBIまで全致死(−)が確認され、106.5乗のBIでは生存(+)が確認されているため、当該試験1の除染工程における対数減少を「6」と決定する。同様にして、試験3の除染工程にあっては、10乗から10乗のBIまで全致死(−)が確認され、104.5乗のBIでは生存(+)が確認されているので、当該試験3の除染工程における対数減少を「4」と決定する。
第3工程では、各除染工程における対数減少の値とSDVをグラフ上にプロットし、図7に示す近似曲線を求める。ここで、SDVとしては、凝縮センサ19の一時点の出力値ではなく、除染ガス供給工程の開始から30分経過するまでに凝縮センサ19が出力した出力値の平均値が用いられる。これは、経験的に、かかる平均値が、対数減少との相関が最も強かったためである。そして、該近似曲線に基づいて、効率的な対数減少を達成し得るSDVを適正範囲として決定する。具体的には、図7のグラフの場合、6対数減少以上が達成される0.8〜3.1がSDVの適正範囲として決定される。ここで、図7では、対数減少とSDVの近似曲線は、0.8〜3.1の範囲でピークを形成する山形のものとなっているが、これは、BIを設置したクリアランス部Gが長孔状をなしているため、除染用包装容器D内で多量の凝縮が生じると、凝縮液によってクリアランス部Gの入口が閉塞されて、クリアランス部Gに過酸化水素ガスが行き渡らなくなり、クリアランス部Gが除染され難くなるためと考えられる。
第4工程では、SDVと、除染条件を規定する上記(a)〜(e)の各パラメータとの相関から、前記適正範囲のSDVを実現し得る、前記各種パラメータの適正範囲を決定する。具体的には、(e)導入空気の絶対湿度の場合であれば、上記第1工程の各除染工程におけるSDVと導入空気の絶対湿度の数値をグラフ上にプロットし、図8に示す近似曲線を求める。そして、該近似曲線に基づいて、SDVの適正範囲(0.8〜3.1)を実現し得る導入空気の絶対湿度を、導入空気の絶対湿度の適正範囲(図8では、6.4〜8.4 g/kg)として決定する。なお、SDVとの相関を求めるための(a)〜(e)の各パラメータのデータは、上記第1工程の除染工程の際に併せて測定できるが、別途実行した除染工程の測定データを用いてもかまわない。このようにして、(a)〜(e)の全てのパラメータに関して適正範囲が決定されると、適正範囲のSDVを実現し得る適切な除染条件が決定される。
以上のように、本実施例の除染条件の決定方法にあっては、まず、対数減少とSDVの相関からSDVの適正範囲を決定し、その後に、SDVとの相関に基づいて除染条件を規定する各種パラメータの適正範囲を決定する。このため、かかる除染条件の決定方法は、BIの判定結果から各種パラメータの適正範囲を決定していた従来方法と比較して、BIの少ない使用回数で、簡便に、適正な除染条件を決定できる。
次に、上記除染装置1における除染条件の管理方法について説明する。
本実施例の除染条件の管理方法は、除染制御装置37が除染工程中に凝縮センサ19の出力値を監視することによって除染工程が正常に行われたか否かを判定するものである。すなわち、除染工程における適正な除染条件は上記決定方法によって予め決定されており、該除染条件で除染工程が正常に実行された場合には、凝縮センサ19の出力値は上記適正範囲に収まることとなるから、除染制御装置37はかかる凝縮センサ19の出力値が適正範囲に収まっているかを判定することによって、除染工程が適正な除染条件で実行されたことを検証するのである。詳述すると、除染工程において除染ガス供給工程が開始すると、除染制御装置37は凝縮センサ19の出力値を記憶保持する。そして、除染ガス供給工程開始から30分が経過すると、除染制御装置37は、除染ガス供給工程開始から30分間の凝縮センサ19の出力値の平均値を算出する。そして、除染制御装置37は、凝縮センサ19の出力の平均値が、上記適正範囲内であるか否かを判定し、適正範囲から外れていると判定した場合には操作盤14に警告表示を表示し、オペレータに異常発生を報知する。
このように、かかる除染条件の管理方法によれば、凝縮センサ19の出力値が適正範囲に収まっているか否かを判定することによって、除染工程において所要除染条件が満足されているか否かを略リアルタイムで検証できる。したがって、温度センサや送風装置等の故障によって除染工程が正常に実行されなかった場合には、オペレータは即座に異常を把握して、対処することができる。
なお、これまでに述べた本発明の実施態様は、実施例の構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、実施例において除染制御装置37によって除染装置1を制御する構成は、作業者によって制御する構成としてもよい。また、実施例ではガス化した過酸化水素水と室外空気を別々に除染室2に導入しているが、ガス化した過酸化水素水と室外空気を除染室2の外で混合し、混合したガスを除染室2に導入するようにしてもよい。また、除染工程においては除染室2内の気圧を変化させるようにしてもよい。
除染装置1の概略縦断面図である。 除染工程を制御する回路のブロック回路図である。 プレフィルドシリンジAの概略図である。 凝縮センサ19の概略図である。 除染工程の手順を示すフローチャートである。 BIの判定結果から各除染工程で達成された対数減少を決定する方法を示す図表である。 対数減少と凝縮センサの出力値の相関を示すグラフである。 凝縮センサの出力値と、導入空気の絶対湿度の相関を示すグラフである。
符号の説明
1 除染装置
2 除染室
6 過酸化水素ガス供給装置
11 多段トレイ
12 温度センサ
13 濃度センサ
15 送風装置
19 凝縮センサ
37 除染制御装置
50 投光装置
50a 投光部
51 受光装置
51a 受光部
52 凝縮形成部
A プレフィルドシリンジ(除染対象物)
D 除染用包装容器
D1 センサ用包装容器
E,E1 多孔性包材

Claims (3)

  1. 室外から気密的に遮断された除染室と、該除染室に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素ガス供給装置とを備え、
    少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を該除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置であって、
    前記除染用包装容器内の除染状態を推測するために、前記除染室内に、周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサが、除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入されて設置されていることを特徴とする除染装置。
  2. 少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を気密性の除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置における除染条件の決定方法であって、
    周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサを前記除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入して前記除染室に収納するとともに、バイオロジカルインジケータを除染対象物とともに前記除染用包装容器に封入し、除染条件の異なる複数回の除染工程を実行する第1工程と、
    前記除染工程におけるバイオロジカルインジケータの判定結果から、各除染工程で達成された対数減少を決定する第2工程と、
    前記除染工程における前記対数減少と凝縮センサの出力値の相関から、凝縮センサの出力値の適正範囲を決定する第3工程と、
    凝縮センサの出力値と除染条件を規定する各種パラメータとの相関から、凝縮センサの前記適正範囲の出力値を実現し得る、前記各種パラメータの適正範囲を決定する第4工程とを含むことを特徴とする除染条件の決定方法。
  3. 少なくとも一部が多孔性包材からなる除染用包装容器に封入された除染対象物を気密性の除染室に収納し、該除染対象物の表面を過酸化水素ガスで除染する除染工程を実行する除染装置における除染条件の管理方法であって、
    周囲雰囲気に露出する凝縮形成部に凝縮する凝縮膜の膜厚に応じた出力を行う凝縮センサを除染用包装容器と同等のセンサ用包装容器に封入して前記除染室に収納し、
    前記除染工程中に前記凝縮センサからの出力を監視して、該凝縮センサの出力値が所定の適正範囲に収まっているか否かを判定することを特徴とする除染条件の管理方法。
JP2008292856A 2008-11-15 2008-11-15 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。 Pending JP2010115451A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008292856A JP2010115451A (ja) 2008-11-15 2008-11-15 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008292856A JP2010115451A (ja) 2008-11-15 2008-11-15 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010115451A true JP2010115451A (ja) 2010-05-27

Family

ID=42303500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008292856A Pending JP2010115451A (ja) 2008-11-15 2008-11-15 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010115451A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012200308A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Earekkusu:Kk 除染条件決定方法
JP2012532715A (ja) * 2009-07-14 2012-12-20 ノバルティス アーゲー 二次包装における事前充填容器の表面除染
JP2013215675A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Taikisha Ltd 除染方法、及び、除染システム
JP7357988B1 (ja) * 2023-07-19 2023-10-10 株式会社エアレックス 除染システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000506029A (ja) * 1996-02-16 2000-05-23 ステリス コーポレイション 積荷の滅菌およびパラメトリック解放をリアルタイムでモニタおよび制御するためのシステムおよび方法
EP1230936A1 (en) * 2001-02-07 2002-08-14 Answers, Solutions and Know-how B.V. i.o. Method and device for determining the process conditions in sterilization
WO2003095994A1 (fr) * 2002-05-14 2003-11-20 Airex Co.,Ltd. Capteur de condensation et procede permettant de controler un film de condensat dans un espace clos au moyen de ce capteur
JP2004508104A (ja) * 2000-09-07 2004-03-18 リュディガー・ハーガ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 物品を滅菌する方法
JP2007054447A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Earekkusu:Kk 除染方法、及び凝縮センサー
JP2008200422A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Earekkusu:Kk 除染方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000506029A (ja) * 1996-02-16 2000-05-23 ステリス コーポレイション 積荷の滅菌およびパラメトリック解放をリアルタイムでモニタおよび制御するためのシステムおよび方法
JP2004508104A (ja) * 2000-09-07 2004-03-18 リュディガー・ハーガ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 物品を滅菌する方法
EP1230936A1 (en) * 2001-02-07 2002-08-14 Answers, Solutions and Know-how B.V. i.o. Method and device for determining the process conditions in sterilization
WO2003095994A1 (fr) * 2002-05-14 2003-11-20 Airex Co.,Ltd. Capteur de condensation et procede permettant de controler un film de condensat dans un espace clos au moyen de ce capteur
JP2007054447A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Earekkusu:Kk 除染方法、及び凝縮センサー
JP2008200422A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Earekkusu:Kk 除染方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012532715A (ja) * 2009-07-14 2012-12-20 ノバルティス アーゲー 二次包装における事前充填容器の表面除染
JP2012200308A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Earekkusu:Kk 除染条件決定方法
JP2013215675A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Taikisha Ltd 除染方法、及び、除染システム
JP7357988B1 (ja) * 2023-07-19 2023-10-10 株式会社エアレックス 除染システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6953549B2 (en) System and method for determining concentration of sterilant
US20100196194A1 (en) Method for sterilizing objects with ozone
CA2808561C (en) Sterilization apparatus
JP6062040B2 (ja) 冷ミスト汚染除去ユニットおよびその操作方法
CN102089011B (zh) 基于子循环的气溶胶消毒系统
US20080267818A1 (en) Vaporized hydrogen peroxide decontamination system with concentration adjustment mode
CN101080242A (zh) 气相过氧化氢浓度侦测器
JP6336112B2 (ja) 低濃度で気化された過酸化水素による、大幅に強化された除染方法
KR101118519B1 (ko) 살균 챔버를 가습시키기 위한 장치 및 방법
CA2886905C (en) Biological safety cabinet with a falling-film evaporator
JP2010115451A (ja) 除染装置、該除染装置における除染条件の決定方法、及び該除染装置における除染条件の管理方法。
JP3681538B2 (ja) 滅菌方法、滅菌装置及び無菌試験装置
JP5074330B2 (ja) プレフィルドシリンジの除染方法
US20200360552A1 (en) System and method for vaporized hydrogen peroxide cleaning of contents of a chamber of a container
AU2013201197B2 (en) Sterilization apparatus
CN115814136A (zh) 一种监测环氧乙烷灭菌的指示物抗力仪及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120912

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130122