JP5074330B2 - プレフィルドシリンジの除染方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装容器に封入されたプレフィルドシリンジの表面を除染する除染方法に関する。
プレフィルドシリンジは、治療に必要な注射薬をプラスチック製のシリンジ(針付き注射器)にあらかじめ充填したものであり、例えばアンプルやバイアル容器の注射薬を投与する場合に比べて、投薬作業を安全に効率的にできるという利点がある。
プレフィルドシリンジの表面は、薬剤を充填後に、包装容器に封入された状態で除染される。ここで、「除染」とは、化学T期除染、無菌、殺菌、滅菌等を含む概念である。そして、プレフィルドシリンジの除染には、専ら過酸化水素ガスが使用される。加熱滅菌やγ線滅菌による除染では薬剤が変性するおそれがあり、また、エチレンオキサイドガスによる除染では防爆への対応が必要となり設備面で不利があるためである。
詳述すると、プレフィルドシリンジを除染する際には、包装容器に封入したプレフィルドシリンジを除染室に収容し、該除染室内を過酸化水素ガス雰囲気とする。プレフィルドシリンジの包装容器は、菌を透過せず、ガスを透過するガス滅菌用の多孔性包材で部分的に構成されており(例えば、特許文献1)、除染室内に充満した過酸化水素ガスは該多孔性包材を透過して包装容器内に侵入し、プレフィルドシリンジの表面を除染する。
特開2007−22640公報
ところで、上記プレフィルドシリンジの除染には、E-6の滅菌強度が望まれている。ここで、E-6の滅菌強度とは、当該除染剤に最も耐性のある菌種用いた場合での指数滅菌強度で、過酸化水素の場合にはGeobacillus.Stearothermophilus胞子10個を全死滅させる強度を言う。しかしながら、過酸化水素ガスを用いた除染方法では、狭い空隙(以下、クリアランス部という。)を有するプレフィルドシリンジの場合、特にクリアランス部を完全にE-6の滅菌強度で除染することができなかった。詳述すると、図5に示すように、包装容器Dに封入されたプレフィルドシリンジAには、シリンダBの内壁とプランジャCの間にクリアランス部Gが形成されているが、上記従来の除染方法では、このクリアランス部GまでE-6の滅菌強度を達成する適切な除染条件が見つかっていなかったのである。適切な除染条件が発見されていなかった理由としては、除染条件を規定する多数のパラメータの中で、いずれのパラメータがクリアランス部Gの滅菌強度に直接影響しているのかが明らかでなかったことが挙げられる。なお、図5において、Eは多孔性包材、Fはガスを透過しない透明フィルム、Hは充填された薬剤、JはプランジャC先端に結合されたガスケットである。
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであり、過酸化水素ガスを用いて、プレフィルドシリンジのクリアランス部まで適切に除染し得る除染方法の提供を目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、包装容器内における過酸化水素ガスの凝縮量に着目した。そして、過酸化水素ガスの凝縮を検知する凝縮センサをプレフィルドシリンジの包装容器に封入し、該凝縮センサとプレフィルドシリンジを除染室内に収容して様々な条件で除染方法を実行したところ、包装容器内の過酸化水素ガスの凝縮量(凝縮センサの出力値)とクリアランス部の滅菌強度との間に密な相関関係があることを発見した。ここで、凝縮センサとは、検知部に凝縮する凝縮液の量を検知して出力するものであり、PCT/JP/03/05646号公報に記載の構成などの公知品が好適に用いられる。そして、発明者は、この相関関係に基づいてさらに試行錯誤を繰り返した末に、凝縮センサの出力が非常に限定された値である時にのみ、クリアランス部でE-6の滅菌強度が達成され得ることを発見した。そして、当該凝縮センサの出力値に基づいて、クリアランス部でE-6の滅菌強度を得るための除染条件を種々検討した結果、本発明に至ったものである。
なお、包装容器内における過酸化水素ガスの凝縮量と包装容器内の滅菌強度との間に密な相関関係が存在するのは、以下の理由によるものと考えられる。一般的に、過酸化水素ガスによる除染では、高い滅菌強度を実現するために、除染対象物の表面に過酸化水素ガスを凝縮させるのが好ましいとされているが、図5に示すように、多孔性包材Eの表面や、クリアランス部Gの入口で過酸化水素ガスが多量に凝縮してしまうと、過酸化水素ガスの拡散経路が閉塞されてしまい、クリアランス部Gの奥まで過酸化水素ガスが十分に行き渡らず、所要の滅菌強度が達成できない。一方で、過酸化水素ガスの凝縮量が少ないと、クリアランス部Gに到達する過酸化水素ガスが不足して、この場合も、十分な滅菌強度を達成することができない。このため、包装容器内の過酸化水素の凝縮量が多すぎても、少なくてもクリアランス部Gを適切に除染することはできず、極めて限定された凝縮量の場合のみ、クリアランス部Gに適量の過酸化水素ガスが行き渡り、E-6の滅菌強度が達成されるものと考えられる。
すなわち、本発明は、少なくとも一部が多孔性包材からなる包装容器に封入されたプレフィルドシリンジの表面を除染する除染方法において、前記包装容器に封入されたプレフィルドシリンジを収納した除染室内の温度を28〜32℃にする除染前工程と、該除染前工程の後に、21〜23℃、相対湿度30〜50%の空気を常圧の除染室内に導入するとともに、ガス化した過酸化水素水を除染室内に導入する、若しくは、過酸化水素水を除染室内に導入してガス化させる常圧除染工程と、該除染前工程の後に、21〜23℃、相対湿度30〜50%の空気を常圧の除染室内に導入するとともに、ガス化した過酸化水素水を除染室内に導入する、若しくは、過酸化水素水を除染室内に導入してガス化させて、ガス化した過酸化水素をプレフィルドシリンジの表面で凝縮させることにより除染するものであって、過酸化水素ガスの供給量は、35%(w/w%)過酸化水素水に換算して、除染室2の容量1 m あたり200〜400gである常圧除染工程と、該常圧除染工程の後に、除染室内から過酸化水素を排出する除染後工程とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジの除染方法である。ここで、「常圧」とは、積極的に加圧又は減圧されていないことを意味し、厳密な大気圧を意味するものではない。かかる除染方法によれば、プレフィルドシリンジのクリアランス部を適切な滅菌強度で効率よく除染できる。
また、本発明の除染方法において、さらに、前記常圧除染工程後、且つ、前記除染後工程前に、除染室内を2000Pa以下に減圧する減圧工程と、減圧された除染室内に、ガス化した過酸化水素水を除染室内に導入する、若しくは、過酸化水素水を除染室内に導入してガス化させるガス供給工程とを交互に複数回実行して、ガス化した過酸化水素をプレフィルドシリンジの表面で凝縮させることにより除染する減圧除染工程を備えることが提案される。かかる構成にあっては、減圧した除染室内に過酸化水素ガスを供給することによって、より確実に、速やかにクリアランス部へ過酸化水素ガスを送り込むことが可能となる。
以上のように、上記本発明の除染方法によれば、多孔性包材を含む包装容器に封入されたプレフィルドシリンジを、そのクリアランス部まで適切な滅菌強度で除染できる。特に、本発明の除染方法にあっては、除染室内を加圧、減圧することが不要であるため、比較的強度の低い除染室からなる低廉な除染装置で実施できるという利点がある。
一方で、常圧除染工程後、且つ、除染後工程前に、減圧工程とガス供給工程を交互に複数回実行する減圧除染工程を備える場合には、確実かつ速やかにクリアランス部へ過酸化水素ガスを送り込むことが可能となる。
まず、本発明の除染方法を実施する除染装置の実施形態を、図1,2に従って説明する。
図1に示すように、除染装置1は、除染室2を備えている。除染室2の室内(内部空間)は、室外に対して気密的に遮断され、包装済みのプレフィルドシリンジAを収納する作業空間20を具備している。作業空間20には平網からなるトレイを積層してなる多段トレイ11が配設されており、該多段トレイ11にプレフィルドシリンジAを封入した包装容器Dが載置される。なお、除染方法において除染室2内を減圧したり加圧したりする場合には、除染室2は当該減圧条件や加圧条件に耐えうるものでなければならない。また、本実施例に係る除染室2の容量は30 mであり、作業空間20の容量は10 mである。
除染室2の具体的な構成について説明する。図1に示すように、除染室2内には、室内を仕切る縦方向の仕切板3が設けられている。そして、この仕切板3と、除染室2の内壁との間に形成された隙間が、室内空気が通過可能な周回路20Aとなっている。また、該仕切板3の下端には、除染室2内の中央に配された作業空間20と前記周回路20Aとを連通する開口部3Aが設けられている。
また、除染室2内の上部には、除染室2の室内空気を清浄化するためのHEPAフィルタ4が、水平状に配設されている。さらに、該HEPAフィルタ4の直下には、室内空気の気流を整える整流板5が、水平状に配設されている。
さらに、除染室2内であって、前記HEPAフィルタ4の上方には、除染室2の室内空気を一方向に送風する送風装置15が三つ横並びに設置される。各送風装置15は、室内空気を下方へ送風するよう送風口15aを下方に向けた状態で設置されている。
かかる構成にあって、送風装置15により送風された室内空気は、HEPAフィルタ4を通過し、さらに整流板5を通過し、作業空間20に到達する。そして、作業空間20に到達した室内空気は、プレフィルドシリンジAが載置される多段トレイ11を上から下に縦断し、前記仕切板3の開口部3Aから前記周回路20Aに侵入して、該周回路20Aを上昇する。そして、該室内空気は、送風装置15の設置スペースに到達し、再び送風装置15によって下方に送風され、除染室2内を循環する。すなわち、前記送風装置15により、除染室2内の室内空気が流動して循環系の一方向流が形成されている。なお、かかる除染室2は室内空気が作業空間20を上下方向に流れる構成であるが、整流板5を壁面に取り付けて、室内空気が作業空間20を水平方向に流れる構成としてもよい。
また、除染室2には、過酸化水素ガス発生供給装置6が配設されている。この過酸化水素ガス発生供給装置6は、30〜40%(w/w%)過酸化水素水が入った過酸化水素水タンク7と、過酸化水素水を蒸発させる蒸発器9と、過酸化水素水タンク7内の過酸化水素水を前記蒸発器9に供給する過酸化水素水供給ポンプ8とを備えている。さらに、蒸発器9で発生した過酸化水素ガスと水蒸気の混合ガスは、過酸化水素ガス供給管10によって除染室2内の送風装置15の送風口15a前方に供給される。かかる過酸化水素ガス発生供給装置6は公知品が好適に採用される。なお、かかる過酸化水素ガス発生供給装置6は、室外でガス化した過酸化水素水を除染室2に導入するものであるが、かかる構成に替えて、過酸化水素水を除染室2内に配設した蒸発器に供給して室内でガス化させるようにしてもかまわない。
また、除染室2には、給気回路用HEPAフィルタ22や給気装置23等を備えた給気回路21が接続されており、給気装置23が駆動することにより、外気が、給気回路用HEPAフィルタ22を介して除染室2内に給気される。詳述すると、給気回路21は、一端が室外に開口し、他端が除染室2内に連通しており、室外側から順に、ヒータ24、加湿器25、冷却コイル26、給気装置23、ヒータ27、調整バルブ28、給気回路用HEPAフィルタ22が配設されている。かかる給気回路21は、これらの装置が適宜作動することによって、除染室2に導入する空気の温度・湿度を調整することができる。なお、調整バルブ28は給気量を調整するのに用いられる。
また、除染室2には、触媒31、調整バルブ32、排気回路用HEPAフィルタ33、及び排気装置34を備えた排気回路30が接続されている。詳述すると、この排気回路30は、除染室2側から順に、触媒31、調整バルブ32、排気回路用HEPAフィルタ33、及び排気装置34を備えており、一端が除染室2内に連通し、他端が室外に開口している。そして、排気装置34が駆動することにより、除染室2内の室内空気が触媒31により分解され、さらに排気回路用HEPAフィルタ33によって清浄化されて室外に排気される。なお、調整バルブ32は排気量を調整するのに用いられる。
また、除染室2は、作業空間20の室温を測定する温度センサ12と、作業空間20の過酸化水素ガスの濃度を測定する濃度センサ13と、作業空間20の気圧を測定する圧力センサ14とを備えている。これらの各センサ12,13,14は公知品が好適に用いられる。
また、除染室2は、電熱線からなるヒータ16を室内に備えており、該ヒータ16の作動によって除染室2の温度を適宜上昇させ得るようになっている。
また、除染装置1は、除染室2に導入する室外空気の湿度及び温度を検知する湿度センサ17と温度センサ18を備えている。これらの各センサ17,18は公知品が好適に用いられる。
また、図2に示すように、除染装置1は、除染制御装置37を備えている。この除染制御装置37は、中央処理装置CPU40、及び、中央処理装置CPU40に接続された読取専用の記憶装置ROM41、並びに読書可能な記憶装置RAM42を備えている。ここで、中央処理装置CPU40は、所定のプログラムを実行するものである。また、記憶装置ROM41は、演算処理に用いる動作プログラムやデータを格納するものである。また、記憶装置RAM42は、演算データや測定データ等を格納するものである。
この除染制御装置37には、過酸化水素水供給ポンプ8、温度センサ12,18、濃度センサ13、圧力センサ14、湿度センサ17、ヒータ16,24,27、加湿器25、冷却コイル26、調整バルブ28,32、送風装置15、給気装置23、及び排気装置34がそれぞれ接続されている。
除染制御装置37は、予め定められたプログラムに従って、過酸化水素水供給ポンプ8に制御指令信号を出力し、所定量の過酸化水素水を蒸発器9に供給し得るように駆動させて、所定量の過酸化水素ガスを除染室2内に供給開始する。
また、除染制御装置37は、予め定められたプログラムに従って、送風装置15、給気装置23、及び排気装置34に対して送風制御指令信号をそれぞれ出力し、該信号によって各装置15,23,28内部のファンの回転数(例えば、回毎分[rpm])を適宜変化させる。また、除染制御装置37は、予め定められたプログラムに従って、調整バルブ28,32へ制御信号を出力し、各バルブ28,32の開閉状態を制御する。また、温度センサ12,18、濃度センサ13、圧力センサ14、及び湿度センサ17からは、測定データが除染制御装置37へそれぞれ送信され、記憶装置RAM42に順次記憶保持される。また、除染制御装置37は、予め定められたプログラムに従って、ヒータ16に制御指令信号を出力し、除染室2内を加熱することにより、除染室2内を適当な温度まで上昇させる。
次に、上記除染装置1によるプレフィルドシリンジの第一の除染方法を説明する。
第一の除染方法は、図3に示すように、除染前に除染室2のコンディショニングを行う除染前工程と、除染室2を過酸化水素ガス雰囲気として、プレフィルドシリンジAの表面を除染する常圧除染工程と、除染室2から過酸化水素を排出する除染後工程とからなる。
まず、除染前工程では、図1に示すように、一部が多孔性包材で構成された包装容器DにプレフィルドシリンジAを封入し、作業空間20の多段トレイ11に載置して、除染室2を密閉する。そして、常圧除染工程前のコンディショニングとして、除染室2内の温度を所定時間28〜32℃に維持し、プレフィルドシリンジAの表面温度を28〜32℃に温める。具体的には、除染制御装置37が、給気装置23を駆動させて室外の空気を除染室2に導入するとともに、排気装置34を駆動させて導入した空気と略同量のガスを除染室2から排気する。また、同時に、除染制御装置37は、送風装置15を駆動して室内空気を流動させて、除染室2内に一方向流を形成するとともに、除染室2内のヒータ16を適宜作動させて除染室2内の温度が28〜32℃に維持されるよう制御する。かかる除染前工程において、除染室2内の温度は20〜60分間維持する。これよりも短時間であると、プレフィルドシリンジAが周囲雰囲気によって十分に温められずコンディショニングが不十分となるおそれがあるためである。
除染前工程を終了すると、除染制御装置37は常圧除染工程を実行する。具体的には、除染制御装置37が、過酸化水素水供給ポンプ8を駆動して、過酸化水素ガスを除染室2内に継続的に導入するとともに、送風装置15を駆動することによって過酸化水素ガスを室内に循環させて、除染室2内を過酸化水素ガス雰囲気とする。除染制御装置37は、かかる常圧除染工程を60〜180分間実行する。ここで、かかる常圧除染工程において、除染室2に導入する過酸化水素ガスの量は、35%(w/w%)過酸化水素水に換算して、除染室2の容量1 m3あたり200〜400gとする。また、除染室2内の空気の循環風量、すなわち、作業空間20に流入させる空気は除染室2の容量に対して100回換気/時 以上とする。また、除染制御装置37は、給気装置23を駆動させて室外の空気を除染室2内に導入するとともに、排気装置34を駆動させて導入した空気と略同量のガスを除染室2から排出する。この時、除染制御装置37は、外部の湿度センサ17及び温度センサ18の出力に基づいて、ヒータ24,27、加湿器25及び冷却コイル26を適宜駆動させ、除染室2に導入する空気が19〜23℃、相対湿度30〜50%になるよう調整する。ここで、除染室2に導入する空気の量は除染室2の容量に対して20回換気/時 以上とする。
かかる常圧除染工程では、室内に導入された過酸化水素ガスは除染室2で循環しながら包装容器D内に侵入し、侵入した過酸化水素ガスによってプレフィルドシリンジAの表面が適切に除染されることとなる。
常圧除染工程を終了すると、除染制御装置37は、除染室2内の過酸化水素を除去するために除染後工程を実行する。詳述すると、まず、除染制御装置37は、過酸化水素水供給ポンプ8の駆動を停止して、過酸化水素ガスの供給を停止する。続いて、除染制御装置37は、給気装置23及び送風装置15を駆動して、室外から除染室2内に空気を導入するとともに、排気装置34を駆動して、過酸化水素ガスを含む除染室2内の空気を清浄化して室外へ排気する。そして、除染制御装置37は、かかる除染後工程を所定時間実行すると、送風装置15、排気装置34及び給気装置23を停止して、一連の除染方法を終了する。なお、かかる除染後工程は90分間以上実行する。除染後工程を90分間以上実行すれば、プレフィルドシリンジAの表面に供給された過酸化水素を無害なレベルまで除去できる。
次に、上記第一の除染方法とは異なる、除染装置1による第二の除染方法を説明する。かかる除染方法は、図4に示すように、前記常圧除染工程の後、除染後工程の前に、減圧除染工程を行うことを特徴とする。かかる除染方法において、除染前工程及び除染後工程は第一の除染方法と同じである。また、常圧除染工程は実行時間を120分から30分に短縮する以外は第一の除染方法と同じである。
減圧除染工程は、除染室2内を減圧する減圧工程と、減圧された除染室2内に過酸化水素ガスを導入するガス供給工程とを交互に繰り返すことにより、効率的に過酸化水素を包装容器D内に送り込み、プレフィルドシリンジ表面を除染するものである。
かかる除染方法では、常圧除染工程の実行時間(30分間)が終了すると、除染制御装置37は減圧除染工程に移行する。減圧除染工程では、図4に示すように、まず、減圧工程が実行されて除染室2が減圧され、その後、ガス供給工程と減圧工程が交互に実行される。そして、ガス供給工程を所定回数(ここでは5回)実行すると、最後に減圧工程を実行して減圧除染工程を終了し、除染後工程に移行する。
詳述すると、減圧工程では、除染制御装置37は、まず、給気回路21の調整バルブ28を閉じて室外空気の供給を停止し、排気装置34を一定時間(1分程度)駆動する。これにより、除染室2内の気圧は2000Pa以下に減圧されることとなる。
そして、ガス供給工程では、除染制御装置37は、給気回路21及び排気回路30の調整バルブ28,32を閉じ、送風装置15を駆動して室内空気を流動させて、除染室2内に一方向流を形成するとともに、過酸化水素水供給ポンプ8を継続駆動して、過酸化水素ガスを除染室2内に供給する。かかるガス供給工程にあっては、導入された過酸化水素ガスは、除染室2内が減圧されている分だけ、常圧下に比べて速やか拡散し、常圧下に比べて円滑に包装容器D内へ侵入することとなる。ガス供給工程は5〜10分間実行される。
このように、減圧除染工程では、減圧工程と、ガス供給工程とを交互に複数回繰り返すことにより、減圧された除染室2に繰返し過酸化水素ガスを導入し、プレフィルドシリンジAの表面を除染する。かかる減圧除染工程では、常圧除染工程に比べて短時間に過酸化水素ガスを拡散できるため、除染時間を比較的短縮できるという利点がある。
なお、これまでに述べた本発明の実施態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、除染制御装置37によって除染装置1を制御する構成は、作業者によって制御する構成としてもよい。また、上記除染装置1ではガス化した過酸化水素水と室外空気を別々に除染室2に導入しているが、本発明に係る常圧除染工程では、ガス化した過酸化水素水と室外空気を除染室2の外で混合し、混合したガスを除染室2に導入するようにしてもよい。
<試験1>
市販のプレフィルドシリンジのクリアランス部に、バイオロジカルインジケータ(Apex Laboratories、Inc.Biological Indicator(#HMV-091) Geobacillus.StearothermophilusACC#12980)を設置し、該プレフィルドシリンジを、一部が多孔性包材(タイベック(登録商標))で構成されたプラスチック製のピロー包装に封入して、これを評価用試料とした。
上記評価用試料を、上記除染装置1の除染室2に複数収容し、上記第一の除染方法に準じた条件で除染を行った(実施例1,2)。また、上記第一の除染方法から以下の3つの条件を変更して夫々除染を行った(比較例1〜5)。
・除染前工程終了時の除染室の温度(除染前温度)
・常圧除染工程に除染室2に導入する空気の温度(導入空気温度)
・常圧除染工程に除染室2に導入する空気の温度(導入空気温度)、
実施例1,2及び比較例1〜5における除染条件と、その結果を表1に示す。なお、実施例1,2及び比較例1〜5において、表1に示した条件以外の条件(ガス導入量、導入時間等)は、上記第一の除染方法における条件と共通させた。
Figure 0005074330
表1に示されるように、第一の除染方法を実行した評価用試料(実施例1及び実施例2)はBI判定が全て陰性であった。一方、比較例1〜5の除染方法を実行した評価用試料では、いずれの比較例においても、一部の評価用試料でBI判定が陽性であった。この結果は、上記第一の除染方法によれば、プレフィルドシリンジのクリアランス部までE-6の滅菌強度で適切に除染できることを示唆している。
<試験2>
試験1と同じ評価用試料を、上記除染装置1の除染室2に複数収容し、上記第二の除染方法を実行した。その結果、評価用試料のBI判定は全て陰性であった。この結果は、第二の除染方法によれば、プレフィルドシリンジのクリアランス部までE-6の滅菌強度を確実に達成できることを示唆している。
除染装置1の概略縦断面図である。 除染方法を制御するブロック回路図である。 第一の除染方法の手順を示すフローチャートである。 第二の除染方法の手順を示すフローチャートである。 プレフィルドシリンジAを封入した包装容器Dの断面を示す説明図である。
符号の説明
1 除染装置
2 除染室
6 過酸化水素ガス発生供給装置
12 温度センサ
15 送風装置
21 給気回路
23 給気装置
30 排気回路
34 排気装置
A プレフィルドシリンジ
B シリンダ
C プランジャ
D 包装容器
E 多孔性包材
G クリアランス部

Claims (2)

  1. 少なくとも一部が多孔性包材からなる包装容器に封入されたプレフィルドシリンジの表面を除染する除染方法において、
    前記包装容器に封入されたプレフィルドシリンジを収納した除染室内の温度を28〜32℃にする除染前工程と、
    該除染前工程の後に、21〜23℃、相対湿度30〜50%の空気を常圧の除染室内に導入するとともに、ガス化した過酸化水素水を除染室内に導入する、若しくは、過酸化水素水を除染室内に導入してガス化させて、ガス化した過酸化水素をプレフィルドシリンジの表面で凝縮させることにより除染するものであって、過酸化水素ガスの供給量は、35%(w/w%)過酸化水素水に換算して、除染室の容量1 m あたり200〜400gである常圧除染工程と、
    該常圧除染工程の後に、除染室内から過酸化水素を排出する除染後工程とを備えることを特徴とするプレフィルドシリンジの除染方法。
  2. 前記常圧除染工程後、且つ、前記除染後工程前に、
    除染室内を2000Pa以下に減圧する減圧工程と、減圧された除染室内に、ガス化した過酸化水素水を除染室内に導入する、若しくは、過酸化水素水を除染室内に導入してガス化させるガス供給工程とを交互に複数回実行して、ガス化した過酸化水素をプレフィルドシリンジの表面で凝縮させることにより除染する減圧除染工程を備えることを特徴とする請求項1記載のプレフィルドシリンジの除染方法。
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