JP2010113970A - 燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器 - Google Patents

燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の多重円筒型水蒸気改質器と同等の性能を維持しながら、部材点数、工程数をより少なくし、低コスト化を図ってなる燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を得る。
【解決手段】同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器に関し、より詳しくは(a)原燃料の多重円筒型水蒸気改質器、および(b)原燃料の多重円筒型水蒸気改質器にCO変成器とCO酸化器を一体化した燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料である水素は、原燃料を水蒸気改質法や部分酸化法により改質することで製造される。このうち水蒸気改質法は、原燃料を水蒸気により改質して水素リッチな改質ガスを生成させる方法である。水蒸気改質法では水蒸気改質器が用いられ、水蒸気改質器での触媒反応により原燃料が水素リッチな改質ガスへ変えられる。
本明細書中、改質用に水蒸気改質器に供給する燃料を“原燃料”と称している。原燃料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、都市ガス、LPガス(液化石油ガス)、天然ガス、ガソリン、灯油、その他の炭化水素(2種以上の炭化水素の混合物を含む)が使用される。それらにアルコール類やエーテル類が混合されていてもよい。
図14は、原燃料の処理からPEFCあるいはSOFCに至るまでの態様例を説明する図である。水蒸気改質器は、概略、バーナあるいは白金等の燃焼触媒を配置した燃焼部(加熱部)と改質触媒を配置した改質部により構成される。改質触媒としてはNi系、Ru系等の触媒が用いられる。改質部では原燃料を水蒸気と反応させて水素リッチな改質ガスが生成される。改質部で起こる反応は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部からの熱が必要であり、400℃程度以上、400〜680℃の温度が必要である。なお、定常運転時は例えば660℃と言うように設定される。このため燃焼部での燃料ガスの空気による燃焼により発生した燃焼熱(ΔH)が改質部に供給される。
都市ガスやLPガスには漏洩保安を目的とする付臭剤として硫黄化合物が添加され、また、ガソリンや灯油などには、原油からの精製プロセスで脱硫しきれなかった微量の硫黄化合物が含まれている。改質触媒は、それらの硫黄化合物により被毒して性能劣化を来すので、それらの硫黄化合物を除去するために脱硫器へ導入される。次いで、別途設けられた水蒸気発生器からの水蒸気を混合して水蒸気改質器へ導入され、水蒸気改質器中での原燃料の水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。
原燃料が例えばメタンである場合の改質反応は「CH4+2H2O→CO2+4H2」で示される。改質反応で生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、二酸化炭素(CO2)のほか、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(容量%、以下%について同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、副生COを二酸化炭素に変えて除去するためにCO変成器に導入される。CO変成器では銅−亜鉛系や白金触媒等の触媒が用いられるが、その触媒を機能させるには220〜300℃程度(なお、適温200〜250℃程度の触媒もある)の温度が必要である。CO変成器中での反応は「CO+H2O→CO2+H2」で示され、この反応で必要な水蒸気としては水蒸気改質器において未反応の残留水蒸気が利用される。
CO変成器から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素とからなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成器を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。PEFCに供給する燃料水素中のCO含有量は100ppm(容量ppm、以下ppmについて同じ)程度が限度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分はPEFCへ導入する前にできる限り除去する必要がある。
このため、改質ガスはCO変成器によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO酸化器にかけられる。ここで空気等の酸化剤ガスが添加され、COの酸化反応(CO+1/2O2=CO2)により、COを100ppm程度以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下というように低減させる。CO酸化器の作動温度は130〜170℃程度(なお、適温100〜150℃程度の触媒もある)である。こうして精製された水素がPEFCの燃料極に供給される。なお、CO酸化器は、CO酸化触媒により改質ガス中のCOを選択的に酸化して除去するためのもので、CO除去器とも呼ばれるが、本明細書ではCO酸化器と称している。
以上は、燃料電池がPEFCである場合の態様例であるが、燃料電池がSOFCである場合には、COも燃料となるので、CO変成器及びCO酸化器は不要であり、水蒸気改質器で生成した水素及びCOを含む改質ガス、あるいは水素、CO及び水蒸気改質器で未改質のメタン(メタンはSOFCの燃料極、支持基板のに含まれるNi等の金属により水素、COへ改質される)を含む改質ガスがSOFCの燃料極に供給される。
ところで、原燃料から水素を製造する多重円筒型水蒸気改質器や水蒸気改質器、CO変成器及びCO酸化器を一体化した多重円筒型水蒸気改質器も開発されている(特許文献1〜4、等)。
WO 98/000361 A1 特開2003−321206号公報 WO 02/098790 A1 特開2006−232611号公報
多重円筒型水蒸気改質器は、例えば図15に示すように、同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の内部にこれと同軸にして配置された輻射筒5と、輻射筒5の径方向中心部に配置されたバーナ6と、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙に改質触媒層15を備え、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を形成して構成される。
また、CO変成触媒層及びCO酸化触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器は、例えば図16に示すように、上記図15に示すような構成に加えて、第3円筒体3に続き当該第3円筒体3より径の大きい第4円筒体4を設けて、第2円筒体2と当該第4円筒体4との間に順次CO変成触媒層22及びCO酸化触媒層36を配置することで構成される。
しかし、そのような多重円筒型水蒸気改質器は、それら第1円筒体1〜第3円筒体3、輻射筒5、バーナ6、改質触媒層15など数多くの部品、部材が必要であるのに加え、原燃料と水及び/又は水との混合、その混合流の予熱機構、バーナ6からの燃焼ガスの流通機構、その他各種構造が必要であり、またそれを作製するにはステンレス鋼等の耐熱性材料でなるそれら各部品、部材が接する箇所(図15で言えば、上蓋兼バーナ取付台7と第1円筒体1〜第3円筒体3、輻射筒5との間、第1円筒体1と底板8との間、第3円筒体3と底板18との間、等)を溶接するなど数多くの工程が必要である。
また、多重円筒型水蒸気改質器は、それを実用化し、広く普及するようにするには、性能がよければそれでよいと言うものではなく、所望性能を維持した上で低コストで作製できることが必要であり、このためには部品、部材の点数、溶接点数、工程数をより少なくすることが求められる。
本発明は、燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器および、CO変成触媒層及びCO酸化触媒層を一体化した燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器について、従来のそれら多重円筒型水蒸気改質器と同等の性能を維持しながら、部品、部材の点数、溶接点数、工程数をより少なくし、コンパクト化、低コスト化を図ってなる燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第2円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(2)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(3)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(4)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第2円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(4)の多重円筒型水蒸気改質器は、本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに配置したものに相当している。
本発明(5)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の下部の径を上部の径より大きくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(5)の多重円筒型水蒸気改質器は、本発明(2)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに配置したものに相当している。
本発明(6)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の下部の径を上部の径より小さくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(6)の多重円筒型水蒸気改質器は、本発明(3)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに配置したものに相当している。
本発明(7)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第2円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(8)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(9)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(7)〜(9)は、前記本発明(1)〜(3)の各燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路に続く部位における第2円筒体の外周に、順次CO変成触媒層及びCO酸化触媒層を配置した構造の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(10)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第2円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(11)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(12)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
(d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
(f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなること、を特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(10)〜(12)は、前記本発明(4)〜(6)の各燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路に続く部位における第2円筒体の外周に、順次CO変成触媒層及びCO酸化触媒層を配置した構造の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明によれば、従来の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器と同等の性能を維持しながら、部品、部材の点数、溶接点数、工程数をより少なくし、また部品、部材を構成する材料の量をより少なくして、燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器をコンパクト化、低コスト化することができる。
〈本発明(1)〜(6)について〉
本発明(1)〜(6)は、CO変成触媒層及びCO酸化触媒層を含まない燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。CO変成器及びCO酸化器が必要な場合には、それらは本発明(1)〜(6)の各多重円筒型水蒸気改質器に連結される。〈本発明(1)の態様〉の箇所で説明している事項は、本発明(2)〜(6)に共通し、また本発明(7)〜(12)に共通する事項である。
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図1は本発明(1)の態様を説明する図で、図1(a)は縦断面図、図1(b)は図1(a)中A−A線断面図である。下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図1中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第2円筒体2の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
図1のとおり、直径を順次大きくした、第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3を中心軸を同一にして間隔を置いて配置する。図1中、一点鎖線はその中心軸を示し、矢印(↑)はその中心軸の方向、すなわち軸方向を示している。第1円筒体1の内側にバーナ6が配置されている。バーナ6は、中心軸の部位に配置され、上蓋兼バーナ取付台7を介して取り付けられている。第1円筒体1には底板8が配置されている。底板8は第1円筒体1の直径に対応した直径で円盤状の板体である。
第1円筒体1の径及び第2円筒体2の径をそれぞれ上下通して同じくする。この構成は本発明(1)において重要な構成である。前述図15のとおり、従来の多重円筒型水蒸気改質器では第2円筒体2のうち上部の円筒体の径を下部の円筒体の径より小さくしている。このため、図15中符号Xとして示すとおり、第2円筒体2のうち上部、下部の両円筒体をドーナツ状の板体を介在させて溶接等により接合する必要があったが、本発明(1)においては、第2円筒体2の径を上下通して同じくするのでその接合が不要である。
また、図1のとおり、第1円筒体1と第2円筒体2の間の間隙のうち、その下部に改質触媒層15を配置し、その上部に円筒状隔壁70を配置する。円筒状隔壁70は第1円筒体1〜第3円筒体3等と同じくステンレス鋼等の耐熱性材料で構成される。そして、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間隙にバーナ6からの燃焼ガス流路81を構成し、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間隙に予熱層13を構成する。
そのように、第1円筒体1と第2円筒体2の間の間隙のうち、改質触媒層15に続く、その上部に円筒状隔壁70を配置し、その間隙に予熱層13と燃焼ガス流路81を配置した構造は本発明において重要な構成であり、その構造をコンパクト化することができる。
また、前述図15のとおり、従来の多重円筒型水蒸気改質器においては、第2円筒体1の内側に輻射筒5を配置している。当該輻射筒5は上蓋兼バーナ取付台7から底板8の近辺まで延びており、第1円筒体1〜第3円筒体3と合わせて4重管の構造となっているため、その分構成材料の量が多くなる。これに対して、円筒状隔壁70は、第1円筒体1と第2円筒体2の間の間隙のうち、その上部だけに配置すればよいことから、その構成材料の量を少なくし、その分コストを低減することができる。
本発明(1)においては、従来の多重円筒型水蒸気改質器では配置している第1円筒体1内側の輻射筒5を配置しないので、バーナ6の先端からのバーナ炎の輻射熱を第1円筒体1を介して受けやすい構造となり、改質触媒層15の温度が所要温度より高くなる傾向になる。そのように所要温度より高くなる場合には、バーナ6の先端の位置や原燃料に混合する水及び/又は水蒸気の量などの運転条件を調整することにより、従来の多重円筒型水蒸気改質器と同様の性能を保持することができる。
改質触媒層15においては、予熱層13で予熱された原燃料と水蒸気の混合流の原燃料を水蒸気で改質することになるが、当該水蒸気の発生源(すなわち水蒸気の原料)としては(a)水、(b)水蒸気を含む水または水を含む水蒸気、あるいは(c)水蒸気の形で使用できるので、予熱層13へはそれら(a)〜(c)の何れかの形で導入する。本明細書中“水及び/又は水蒸気”とは上記(a)〜(c)の何れかの形であることを意味する。予熱層13に水蒸気の形で導入された水蒸気は予熱層13でさらに加熱される。
改質触媒層15の改質触媒は、その上端部に多孔板、網目体等の支持体16が配置され、その下端部に多孔板、網目体等の支持体17で支持されている。両支持体16、17は改質触媒層15を区画するとともに、予熱層13で予熱された原燃料と水蒸気の混合流を分配し流通させる役割をする。円筒状隔壁70の下端は、改質触媒層15の上端に配置された支持体16に対して間隔を置き、第1円筒体1の外周に固定された板体71に固定、支持されている。板体71は、第1円筒体1の直径に相当する部分は第1円筒体1で占められるのでドーナツ状の板体である。
円筒状隔壁70と第1円筒体2との間隙に形成された予熱層13は、図1の態様ではその内部に丸棒、角棒等の棒材14が螺旋状に配置され、これにより予熱層13の内部に連続した螺旋状の流路が形成されている。棒材14は一本でも複数本でもよい。予熱層13にはその上部から、原燃料に水及び/又は水蒸気を混合した混合流が供給され、螺旋状流路を流通しながら流路81を流れる燃焼ガスにより加熱される。原燃料と水及び/又は水蒸気とは予熱層13にそれぞれ別個に供給するようにしてもよい。
混合流中の水蒸気は予熱層13でさらに加熱され、混合流中の水は予熱層13で加熱され、気化して水蒸気となりさらに加熱される。予熱層13のガス流路は、図1のように螺旋状とするのが好ましいが、原燃料と水及び/又は水蒸気とを混合し、予熱できる構造であればよい。予熱層13で加熱された原燃料と水蒸気の混合流は、改質触媒層15に流れ込み、改質触媒層15中で原燃料が水蒸気により改質される。
第1円筒体1については、予熱層13と改質触媒層15との境界に位置する部位で且つ燃焼ガス流路81側となる位置を、バーナ6で発生した燃焼ガスを燃焼ガス流路81に流入させる構造とする。すなわち、第1円筒体1に対して、その燃焼ガス流路81と改質触媒層15との境界に位置する部位のうち燃焼ガス流路81の側に、バーナ6からの燃焼ガスを燃焼ガス流路81へ流入させるための燃焼ガス流入路を設ける。図1には、その燃焼ガス流入路の例として第1円筒体1におけるガス流路81側となる位置の円周方向に複数の孔80を設けた態様を示している。図1(b)には孔80を等間隔に8個設けた場合を示しているが、各孔の大きさ、その数はバーナ6からの燃焼ガスが流路81に円滑、均等に流入するよう適宜選定することができる。
燃焼ガスを燃焼ガス流路81に流入させるための構造すなわち燃焼ガス流入路としては、そのように複数の孔80を設ける態様のほか各種態様を採ることができる。その態様例として、第1円筒体1のうち、当該境界に位置する部位で且つ燃焼ガス流路81側となる位置に円弧状や円環状の隙間を設けてもよい。この場合には、例えば下記(a)〜(b)のような態様を採ることができる。
(a)第1円筒体1のうち、その上部の円筒部の下端と下部の円筒部の上端との間に、その複数箇所(少なくとも相対する位置の2箇所)に両円筒部の連結部を残し、それ以外の箇所に円弧状の隙間を形成する。この円弧状隙間は、第1円筒体1である円筒体の当該円弧状隙間形成箇所を押抜加工する等により容易に形成することができる。この態様では、下部の円筒部は、連結部で上部の円筒部と一体になっているので、上部の円筒部と円筒状隔壁70の下端の板体71とで保持されることになる。
(b)第1円筒体1を円環状の隙間を設ける部位に相当する箇所で二つに分け、上部の円筒体と下部の円筒体とを、上部の円筒体の下端と下部の円筒体の上端との間で円環状の隙間を保つように配置する。この態様では、下部の円筒体は、円筒状隔壁70の下端で板体71を介して保持されることになる。
このように、第1円筒体1において、予熱層13と改質触媒層15との境界に位置する部位の円周方向に複数の孔80を設ける構成、またこれに代えて、当該境界に位置する部位に円弧状や円環状の隙間を設ける構成は本発明において重要な構成である。
バーナ6で発生させた燃焼ガスは、第1円筒体1の内側を図1中矢印で示すように流れ、複数の孔80、上記円弧状の隙間、上記円環状の隙間、等の燃焼ガス流入構造を介して燃焼ガス流路81に流れ込み、その流路81中を上昇しながら予熱層13中を流れる原燃料と水及び/又は水蒸気の混合流を加熱し、流路81の上部から排出される。
予熱層13に原燃料と水を供給する場合、原燃料と水の混合流は、予熱層13で、加熱されて原燃料及び水蒸気の混合流となる。予熱層13を経た原燃料及び水蒸気の混合流は、改質触媒層15に流入し、改質触媒層15中を下降しながら原燃料が水蒸気により改質される。改質触媒層15での改質反応は吸熱反応であり、バーナ6で発生する燃焼熱を吸収して改質反応が進行する。すなわち、バーナ6での燃焼ガスが第1円筒体1の内側を図1中矢印(↑)のように流通するときに、燃焼ガスの熱が第1円筒体1を介して改質触媒層15に吸収され、改質反応が進行する。
第2円筒体2は、その下端が第3円筒体3の底板18との間に間隔を持つように配置されている。改質触媒層15で生成した改質ガスは、第2円筒体2の下端と第3円筒体3の底板18との間で折り返して第2円筒体2と第3円筒体3の間に形成された改質ガス流路19を流通し、流路19の上部から取り出される。
本多重円筒型水蒸気改質器をSOFC用とする場合には、改質ガスはSOFCの燃料極に供給される。本多重円筒型水蒸気改質器をPEFC用とする場合には、改質ガスはCO変成器、CO酸化器を経てPEFCの燃料極に供給される。この点は本発明(2)〜(6)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器についても同様である。
〈本発明(2)の態様〉
本発明(2)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図2は本発明(2)を説明する図で、図2(a)は縦断面図、図2(b)は図2(a)中A−A線断面図である。下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図2中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体2の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(2)は、本発明(1)に対して、上記構成(b)のとおり、第2円筒体2のうち、上部の径を下部の径より大きくした点で異なる。図2のとおり、本発明(2)においては第2円筒体2のうち、その上部の径を下部の径より大きく構成する。
すなわち、「第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2の間の間隙の二つの間隙を構成する」基本構造では本発明(1)と同じであるが、本発明(2)においては、第2円筒体2の径のうち、その上部の径を下部の径より大きく構成する。
これにより、予熱層13及び燃焼ガス流路81の幅を大きくする。また、図2では予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は同じであるが、両者の幅は異ならせてもよい。これらにより、第2円筒体2のうち上部の径を下部の径より大きくすることを基本として、多重円筒型水蒸気改質器を設計する際の自由度を大きくすることができる。
本発明(2)においては、第2円筒体2における、その上部と下部との境界部は、図2中Yとして示すとおり僅かに傾斜することになるが、その傾斜は第2円筒体2の作製時に絞り加工等により形成できるので、コスト高になることはない。
これら以外の構成、態様については図1〔=本発明(1)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図3は本発明(3)を説明する図(縦断面図)で、下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図3中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(3)は、本発明(1)に対して、上記構成(b)のとおり、第2円筒体2のうち、上部の径を下部の径より小さくした点で異なる。図3のとおり、本発明(3)においては第2円筒体2のうち、その上部の径を下部の径より小さく構成する。
すなわち、「第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2の間の間隙の二つの間隙を構成する」基本構造では本発明(1)と同じであるが、本発明(3)においては、第2円筒体2の径のうち、その上部の径を下部の径より小さく構成する。
これにより、改質触媒層15の幅に比べて予熱層13及び燃焼ガス流路81の幅を小さくする。また、予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は同じでも異なってもよい。図3(a)では予熱層13の幅が燃焼ガス流路81の幅より大きい場合を示し、図3(b)に予熱層13の幅が燃焼ガス流路81の幅より小さい場合を示している。これらにより、第2円筒体2のうち上部の径を下部の径より小さくすることを基本として、多重円筒型水蒸気改質器を設計する際の自由度を大きくすることができる。
本発明(3)においては、第2円筒体2における、その上部と下部との境界部は、図3中Yとして示すとおり僅かに傾斜することになるが、その傾斜は第2円筒体2の作製時に絞り加工等により形成できるので、コスト高になることはない。
これら以外の構成、態様については図1〔=本発明(1)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図4は本発明(4)を説明する図で、図4(a)は縦断面図、図4(b)は図4(a)中A−A線断面図である。下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図4中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第2円筒体2の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(4)は、本発明(1)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図4のとおり、図1〔=本発明(1)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
なお、図1の構造における底板8は、図1を上下逆置きにした図4の構造においては上板ということになるが、本発明(1)の当該部材のほか、他の上下逆置きにした構造〔本発明(5)〜(6)、(10)〜(12)〕における当該部材についても、本明細書においては底板8と記載している。この点、上蓋兼バーナ取付台7、底板18、等についても同様である。
これらの点以外の構成、態様については図1〔=本発明(1)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(5)の態様〉
本発明(5)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図5は本発明(5)を説明する図で、図5(a)は縦断面図、図5(b)は図5(a)中A−A線断面図である。下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図5中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の下部の径を上部の径より大きくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(5)は、本発明(2)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図5のとおり、図2〔=本発明(2)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
これらの点以外の構成、態様については図2〔=本発明(2)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(6)の態様〉
本発明(6)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図6は本発明(6)を説明する図(縦断面図)で、下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図6中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の下部の径を上部の径より小さくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(6)は、本発明(3)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図6のとおり、図3〔=本発明(3)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
また、本発明(3)の場合と同様、予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は同じでも異なってもよい。図6(a)では予熱層13の幅が燃焼ガス流路81の幅より大きい場合を示し、図6(b)には予熱層13の幅が燃焼ガス流路81の幅より小さい場合を示している。これらにより、第2円筒体2のうち下部の径を上部の径より小さくすることを基本として、多重円筒型水蒸気改質器を設計する際の自由度を大きくすることができる。
これらの点以外の構成、態様については図3〔=本発明(3)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(7)〜(12)について〉
本発明(7)〜(12)は本発明(1)〜(6)の多重円筒型水蒸気改質器に対してそれぞれCO変成触媒層及びCO酸化触媒層を一体化した燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。本発明(7)〜(12)の多重円筒型水蒸気改質器はPEFC用として適用される。以下、本発明(7)〜(12)の態様について順次説明する。本発明(7)〜(12)に共通する事項については適宜〈本発明(7)の態様〉の箇所で説明している。
〈本発明(7)の態様〉
本発明(7)は、本発明(1)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器に対してCO変成触媒層及びCO酸化触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器に相当する。本発明(7)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図7は本発明(7)を説明する図(縦断面図:後述図8〜13についても同じ)で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図7中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第2円筒体2の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
これらの構成(a)〜(g)のうち、(a)の構成、(e)の構成以外の構成は、前述本発明(1)の構成と同様である。以下では、主として(a)の構成、(e)の構成、これら構成に関連する事項について説明するが、ここで述べる事項以外の事項については、前述図1を基に説明したのと同様である。
上記(a)の構成のとおり、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4を配置する。そして、前記(e)の構成のとおり、第2円筒体2と第4円筒体4との間、すなわち第2円筒体2の外周のうち、上部の間隙が位置する部位の外周に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置する。
第3円筒体3の上部に第3円筒体3より直径を大きくした第4円筒体4が配置され、第2円筒体2と第4円筒体4の間にCO変成触媒層22が設けられている。流路19を流通した改質ガスは、支持板21に設けられた多数の孔を経てCO変成触媒層22に供給される。第3円筒体3の上端部と第4円筒体4の下端部との間には板体20が配置され、板体20の上に、間隔を置いてガス流通用の複数の孔を有する支持板21が配置されている。板体20は、第3円筒体3の直径に相当する部分は第3円筒体3で占められるのでドーナツ状の板体である。また、支持板21は、第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の支持板である。
CO変成触媒層22は、支持板21とガス流通用の複数の孔60を有する仕切板23(CO変成触媒層22の上部)との間に配置されている。仕切板23は、第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の仕切板である。支持板21、仕切板23は金属製等の網目体で構成してもよく、この場合には網目体の網目がガス流通孔となる。CO変成触媒層22では、CO変成反応により改質ガス中のCOが二酸化炭素に変成され、併せて水素が生成する。
ここで、CO変成触媒層22から出る改質ガスは、未反応の原燃料(メタン等)と余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素からなっている。このうち水素がPEFCの燃料となるが、CO変成触媒層22を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるが、尚COが含まれている。
PEFCに供給する水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化する。このため、改質ガスはCO変成触媒層22によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO酸化触媒層36に供給される。CO酸化触媒層36では空気等の酸化剤ガスによるCOの選択的酸化反応によりCOをCO2に変えてCOを除去し、CO濃度を10ppm以下、さらには5ppm以下というように低減させる。
図7に示す態様では、仕切板23の上方には間隔を置いて一つの連通孔52を有する仕切板51が設けてあり、仕切板23と仕切板51との間の空間に空気供給管30を通してCO除去用空気が供給される。連通孔52を所定の孔径で且つ一つとすることにより、CO変成済み改質ガスとCO除去用空気が連通孔52を通過する際に所定の通過速度が得られ、通過時の乱流により改質ガスとCO除去用空気を良好に混合することができる。また、仕切板51の上部に所定の間隔を置いて一個の改質ガス流通孔55を有する仕切板54を配置し、その上部に当該仕切板54との間に間隔を置いてCO酸化触媒層36が位置するように配置されている。
そして、図7に示すように、仕切板51の改質ガス流通孔52と仕切板54の改質ガス流通孔55とが周方向に相対する位置、すなわち周方向に反対側に位置するように配置する。図7には、改質ガス流通孔52と改質ガス流通孔55とを周方向に180°反対側の位置に配置した場合を示している。この周方向に相対する位置は、そのように周方向に180°の反対側の位置であるのが最もよいが、±10°を限度にずれた位置でもよい。
また、空気供給管30の空気放出開口を、仕切板51と仕切板54との間に臨ませてもよい。この場合には、改質ガス流通孔52を空気供給管30の空気放出開口側に設け、改質ガス流通孔55を空気供給管30の空気放出開口の位置とは周方向に反対側に設ける。
なお、仕切板51は、これがあった方が空気と改質ガスとの混合がより促進されるが、必須ではないので、無くてもよい。
CO酸化触媒層36は、第2円筒体2と、これより直径を大きくした円筒体37と、第2円筒体2と円筒体37の間の下部及び上部にそれぞれ間隔を置いて配置された複数個の孔35を有する支持板34と、ガス流通用の複数個の孔39を有する仕切板38との間に配置されている。支持板34及び仕切板38は第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の板体である。
空気供給管30により供給された空気は、CO変成触媒層22の上部に配置された、ガス流出用の複数の孔60を有する仕切板23から流出するCO変成済み改質ガスと混合しながら、仕切板51の改質ガス流通孔52を介して、仕切板51と仕切板54との間の隙間に流入する。改質ガス流通孔55は、改質ガス流通孔52に対して、周方向に反対側に配置されているので、空気とCO変成済み改質ガスは、仕切板51と仕切板54との間の隙間でさらに混合しながら、仕切板54の改質ガス流通孔55に至り、当該改質ガス流通孔55を介して、仕切板54とCO酸化触媒層36との間の隙間に流入する。
CO酸化触媒層36には、CO酸化触媒(Prox触媒とも称される)が充填してあり、Prox触媒によるCOの選択的酸化反応によりCOをCO2に変えることでCOを除去し、CO濃度を数ppmレベルにまで低減させる。COを除去した改質ガスは、仕切板38に設けられた複数個の孔39から排出され、仕切板38と隔壁10との間の間隙を経て改質ガス取出管40から取り出される。
符号61は、円筒状隔壁70の上端部から第4円筒体4に至る隔壁であり、CO酸化触媒層36の上部の隔壁10に対して間隔を置いて配置されている。当該隔壁61は、円筒状隔壁70の直径に相当する部分は円筒状隔壁70で占められているのでドーナツ状の板体である。また、隔壁10と隔壁61との間の間隙が予熱層13へ連なる構造となっている。改質ガス取出管40は、隔壁10、隔壁61、上蓋兼バーナ取付台7を貫通して設けられているので、改質ガスは上部から取り出される。
図7中、11は燃焼排ガス排出管、12は原燃料(脱硫済み)の供給管、26は水及び/又は水蒸気の供給管である。それらの導管は、改質ガス取出管40を含めて、図7に示す例では上部に配置されているが、例えば特許文献3、4のように第4円筒体4の横側に配置するなど適宜変更することができる。また、空気供給管30、仕切板51、改質ガス流通孔52、55、仕切板54等は、CO変成触媒層22からのCO変成済み改質ガスにCO除去用空気を供給し混合するための構造であるが、図7に示す例とは限らず各種態様を採ることができる。隔壁61等についても同様である。また、CO酸化触媒層36を(第2円筒体2と第4円筒体4との間に配置することには変りはないが)第2円筒体2から第4円筒体4までの間に配置してもよく、この場合は円筒体37は不要である。
以上の点以外の構成、態様については図1〔=本発明(1)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(8)の態様〉
本発明(8)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図8は本発明(8)を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図8中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成し、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(8)は、本発明(7)に対して、上記構成(b)のとおり、第2円筒体2のうち、上部の径を下部の径より大きくした点で異なる。図8のとおり、本発明(8)においては第2円筒体2のうち、その上部の径を下部の径より大きく構成する。
すなわち、「第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2の間の間隙の二つの間隙を構成する」との基本構造では本発明(7)と同じであるが、本発明(8)においては、第2円筒体2の径について、その上部の径を下部の径より大きく構成する。これにより、予熱層13及び燃焼ガス流路81の幅を大きくする。
また、図8では予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は同じ乃至略同じであるが、予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は異ならせてもよい。これらの変形態様により、上記基本構造及び「第2円筒体2のうち上部の径を下部の径より大きくした」構造を有することを前提として、多重円筒型水蒸気改質器を設計する際の自由度を大きくすることができる。
本発明(8)においては、第2円筒体2における、その上部と下部との境界部は、図8中Yとして示すとおり僅かに傾斜することになるが、その傾斜は第2円筒体2の作製時に絞り加工等により形成できるので、コスト高になることはない。
これら以外の構成、態様については図7〔=本発明(7)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(9)の態様〉
本発明(9)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図9は本発明(9)を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図9中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路19を構成し、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
図9のとおり、本発明(9)においては第2円筒体2のうち、その上部の径を下部の径より小さく構成する。すなわち、「第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層15を備え、上部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2の間の間隙の二つの間隙を構成する」との基本構造については本発明(7)と同じであるが、本発明(9)においては、第2円筒体2の径のうち、その上部の径を下部の径より小さく構成する。これにより、予熱層13及び燃焼ガス流路81の幅を小さくする。
また、予熱層13の幅と燃焼ガス流路81の幅は同じでも異ならせてもよい。図9では予熱層13の幅が燃焼ガス流路81の幅より大きい場合を示している。これらの変形態様により、上記基本構造及び「第2円筒体2のうち上部の径を下部の径より小さくした」構造を有することを前提として、多重円筒型水蒸気改質器を設計する際の自由度を大きくすることができる。
本発明(9)においては、第2円筒体2における、その上部と下部との境界部は、図9中Yとして示すとおり僅かに傾斜することになるが、その傾斜は第2円筒体2の作製時に絞り加工等により形成できるので、コスト高になることはない。
これら以外の構成、態様については図7〔=本発明(7)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(10)の態様〉
本発明(10)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図10は本発明(10)を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図10中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第2円筒体2の径をそれぞれ上下通して同じくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成し、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(10)は、本発明(7)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図10のとおり、図7〔=本発明(7)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
これらの点以外の構成、態様については図7〔=本発明(7)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(11)の態様〉
本発明(11)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図11は本発明(11)を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図11中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より小さくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成し、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(11)は、本発明(8)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図11のとおり、図8〔=本発明(8)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
これらの点以外の構成、態様については図8〔=本発明(8)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈本発明(12)の態様〉
本発明(12)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図12は本発明(12)を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図12中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の径方向中心部に配置されたバーナ6とを備え、
(b)第1円筒体1の径と第3円筒体3の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体2の上部の径を下部の径より大きくし、
(c)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層15を備え、
(d)第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路19を構成し、
(e)第2円筒体2と第4円筒体4との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層22とCO酸化触媒層36を配置し、
(f)第1円筒体1と第2円筒体2により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁70を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙及び円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙の二つの間隙を構成し、
(g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁70との間の間隙をバーナ6からの燃焼ガス流路81とし、円筒状隔壁70と第2円筒体2との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層13としてなること。
本発明(12)は、本発明(9)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図12のとおり、図9〔=本発明(9)〕の構造の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置する。この場合、例えば、改質触媒層15で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により半径方向に区画された間隙である改質ガス流路19中を下向きに流通させるように構成される。
これらの点以外の構成、態様については図9〔=本発明(9)〕の多重円筒型水蒸気改質器の構成、態様と同様である。
〈実験例〉
以下、実験例を基に本発明をさらに説明する。それぞれ図7の構造、図8の構造、図11の構造及び図13の構造〔比較例〕を持つ多重円筒型水蒸気改質器を作製、運転し、改質触媒層、CO変成触媒層(=シフト触媒層)、CO酸化触媒層(=Prox触媒層)の温度を計測した。ここで、図7の構造は本発明(7)の構造に相当し、図8の構造は本発明(8)の構造に相当し、図11の構造は図8を上下逆置きに配置した構造で、本発明(11)の構造に相当している。
また、図13の構造を持つ多重円筒型水蒸気改質器は、図7の構造の多重円筒型水蒸気改質器に対して、図13中符号Fとして示す円筒体を配置したものである。すなわち、第1円筒体1の内側のうち、その円周方向に穿設された複数の孔80の部位を含む下部内側に円筒体Fを配置し、第1円筒体1と円筒体Fとの間の間隙にバーナ6からの燃焼ガス流路9を構成している。
円筒体Fは第1円筒体1の外周に固定された板体91に固定、支持されている。板体91は、第1円筒体1の直径に相当する部分は第1円筒体1で占められるのでドーナツ状の板体である。このように、図13の構造は“円筒体F”を有することから、その分部材点数、溶接点数、工程数が多くコスト高となるので、本発明の課題を解決するものではないが、本発明の性能を評価する上での〔比較例〕として創作し、作製したものである。
バーナ6での燃焼ガスは、円筒体Fの下端で折り返して燃焼ガス流路9を通り、その上端で複数の孔80を介して燃焼ガス流路81に流れ込み、その流路81中を上昇しながら予熱層13中を流れる原燃料と水の混合流を加熱し、その上部から排出される。
〈実験条件〉
本実験例では、改質触媒層の改質触媒として作動温度約400〜680℃のRu系触媒を使用し、CO変成触媒層のシフト触媒として作動温度約220〜350℃の銅−亜鉛系触媒を使用し、CO酸化触媒層のProx触媒として作動温度約130〜170℃のRu系触媒を使用した。なお、シフト触媒はその上限約350℃を超えた温度て長時間運転すると劣化する可能性があるが、本実験レベルの運転時間ではその上限温度を超えてもCOは変成される。
下掲表1に本実験例における他の実験条件、その結果を示している。表1中、実験条件を(a)〜(e)として示している。このうち(a)の条件であるバーナ高さは、第1円筒体1に配置された底板8からバーナ6の下端(燃焼ガス、炎の出口)までの長さである。バーナ6の燃料ガスとして都市ガス13Aを使用し、原燃料として脱硫済み都市ガス13Aを使用し、水蒸気の発生源として水を使用した。また、表1中、各部温度(℃)は、各構造の多重円筒型水蒸気改質器について起動開始を経て定常運転時になった時点における各箇所の計測温度である。温度計測の箇所は、図7、図8、図11及び図13の各図中“●実験例における熱電対の配置箇所”として示している。
Figure 2010113970
表1のとおり、改質触媒層出口温度は、図13〔比較例〕の構造では688.1℃で作動温度よりやや高いが、図7の構造では662.6℃、図8の構造では672.3℃、図11の構造では676.5℃であり、何れも作動温度400〜680℃の範囲内であり、図13〔比較例〕に比べて良好である。なお、図13の構造での改質触媒層入口温度は446.8℃であるので、改質触媒層出口としての温度計測箇所に至るまでに改質反応が進行していることに変りはない。
シフト触媒層入口温度は、図13〔比較例〕の構造では383.6℃であるのに対して、図7の構造では353.8℃、図8の構造では366.1℃、図11の構造では366.2℃と低く、シフト触媒の作動温度220〜350℃により近く、図13〔比較例〕の構造に比べて良好であると言える。
Prox触媒層入口温度は、図13〔比較例〕の構造では147.0℃、図7の構造では152.2℃、図8の構造では140.3℃、図11の構造では151.1℃であり、何れもProx触媒の作動温度130〜170℃の範囲内である。
このように、本発明に相当する図7、図8、図11の何れの構造の多重円筒型水蒸気改質器においても、その性能は図13〔比較例〕の多重円筒型水蒸気改質器とほぼ同等であるか、やや良好であり、遜色はないことを示している。図13〔比較例〕の構造では“円筒体F”を有することから、その分部材点数、工程数が多くコスト高となるが、図7、図8、図11の構造では“円筒体F”のような部材を備えること無しで、所期の性能を発揮することができる。
本発明(1)の態様を説明する図 本発明(2)の態様を説明する図 本発明(3)の態様を説明する図 本発明(4)の態様を説明する図 本発明(5)の態様を説明する図 本発明(6)の態様を説明する図 本発明(7)の態様を説明する図 本発明(8)の態様を説明する図 本発明(9)の態様を説明する図 本発明(10)の態様を説明する図 本発明(11)の態様を説明する図 本発明(12)の態様を説明する図 本発明の性能を評価する上で比較例として創作し、作製した多重円筒型水蒸気改質器を示す図 原燃料の処理からPEFC、SOFCに至るまでの態様例を説明する図 従来の多重円筒型水蒸気改質器を示す図 従来のCO変成触媒層とCO酸化触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器を示す図
符号の説明
1〜4 第1円筒体〜第4円筒体
5 輻射筒
6 バーナ
7 上蓋兼バーナ取付台
8、18 底板
9 バーナでの燃焼ガスの排気通路
10、61 隔壁
11 燃焼排ガス排出管
12 原燃料供給管
13 原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層
19 改質ガスの流路
21、34 支持板
22 CO変成触媒層
26 水及び/又は水蒸気の供給管
36 CO酸化触媒層
30 空気供給管
40 改質ガス取出管
23、51、54 仕切板
52、55 一個の改質ガス流通孔
70 円筒状隔壁
71 第1円筒体1の外周に固定された板体
80 複数の孔
81 バーナ6からの燃焼ガス流路

Claims (15)

  1. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第2円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  2. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  3. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  4. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第2円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  5. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の下部の径を上部の径より大きくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  6. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の下部の径を上部の径より小さくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)当該円筒型水蒸気改質器における、第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (f)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  7. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第2円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる多重円筒型水蒸気改質器であって、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  8. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  9. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、下部から上部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  10. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第2円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  11. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より小さくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  12. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の径方向中心部に配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体の径と第3円筒体の径をそれぞれ上下通して同じくし、第2円筒体の上部の径を下部の径より大きくし、
    (c)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、上部の間隙に改質触媒層を備え、
    (d)第2円筒体と第3円筒体により半径方向に区画された間隙に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (e)第2円筒体と第4円筒体との間に、上部から下部に向けて順次CO変成触媒層とCO酸化触媒層を配置し、
    (f)第1円筒体と第2円筒体により半径方向に区画された間隙のうち、下部の間隙に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙の二つの間隙を構成し、
    (g)当該二つの間隙のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の間隙をバーナからの燃焼ガス流路とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の間隙を原燃料と水及び/又は水蒸気との予熱層としてなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、第1円筒体における燃焼ガス流路と改質触媒層との境界に位置する部位の燃焼ガス流路側の円周方向に、前記燃焼ガス流路への燃焼ガス流入路としてバーナからの燃焼ガス流通用の複数の孔を設けてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項において、第1円筒体における燃焼ガス流路と改質触媒層との境界に位置する部位の燃焼ガス流路側の円周方向に、前記燃焼ガス流路への燃焼ガス流入路としてバーナからの燃焼ガス流通用の円弧状の隙間を設けてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項において、第1円筒体における燃焼ガス流路と改質触媒層との境界に位置する部位の燃焼ガス流路側の円周方向に、前記燃焼ガス流路への燃焼ガス流入路としてバーナからの燃焼ガス流通用の円環状の隙間を設けてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
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