JP5301419B2 - 燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器 - Google Patents

燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器に関し、より具体的には(A)原燃料の多重円筒型水蒸気改質器、(B)原燃料の多重円筒型水蒸気改質器にCO変成触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器、および(C)原燃料の多重円筒型水蒸気改質器にCO変成触媒層とCO除去触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料水素の製造法の一つとして原燃料の水蒸気改質法が知られており、水蒸気改質法では水蒸気改質器が用いられる。水蒸気改質器においては、改質触媒による触媒反応により、原燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスへ変えられる。
本明細書中、改質用に水蒸気改質器に供給する燃料を“原燃料”と称している。原燃料としてはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、都市ガス、LPG(液化石油ガス)、天然ガス、ガソリン、灯油、その他の炭化水素(2種以上の炭化水素の混合物を含む)が使用される。それらにアルコール類やエーテル類が混合されていてもよい。
図24は、原燃料の改質からPEFCあるいはSOFCに至るまでの態様例を説明する図である。水蒸気改質器は、概略、バーナあるいは燃焼触媒を配置した燃焼部(加熱部)と改質触媒を配置した改質部により構成される。改質触媒としてはNi系、Ru系等の触媒が用いられる。改質部で起こる反応は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部からの熱が必要であり、400℃程度以上、400〜680℃程度の温度が必要である。なお、定常運転は例えば680℃と言うように設定される。このため燃焼部での燃料ガスの空気による燃焼により発生した燃焼熱(ΔH)が改質部に供給される。
都市ガスやLPガスには漏洩保安を目的とする付臭剤として硫黄化合物が添加され、また、ガソリンや灯油などには、原油からの精製プロセスで脱硫しきれなかった微量の硫黄化合物が含まれている。改質触媒は、それらの硫黄化合物により被毒して性能劣化を来すので、それらの硫黄化合物を除去するために脱硫器へ導入される。次いで、別途設けられた水蒸気発生器からの水蒸気を混合して改質部へ導入され、改質部での原燃料の水蒸気による改質反応により水素リッチな改質ガスが生成される。
原燃料がメタンである場合の改質反応は「CH4+2H2O→CO2+4H2」で示される。生成する改質ガス中には未反応のメタン、未反応の水蒸気、炭酸ガスのほか、一酸化炭素(CO)が副生して8〜15%(容量%、以下%について同じ)程度含まれている。このため改質ガスは、副生COを炭酸ガスに変えて除去するためにCO変成器に導入される。CO変成器では銅−亜鉛系や白金触媒等の触媒が用いられるが、その触媒を機能させるには220〜300℃程度(なお、適温200〜250℃程度、220〜330℃程度の触媒などもある)の温度が必要である。CO変成器中での反応は「CO+H2O→CO2+H2」で示され、この反応で必要な水蒸気としては水蒸気改質器において未反応の残留水蒸気が利用される。
CO変成器から出る改質ガスは、未反応のメタンと余剰水蒸気を除けば、水素と炭酸ガスとからなっている。このうち水素が目的とする成分であるが、CO変成器を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。PEFCに供給する燃料水素中のCO含有量は100ppm(容量ppm、以下ppmについて同じ)程度が限度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化するので、CO成分はPEFCへ導入する前にできる限り除去する必要がある。
このため、改質ガスはCO変成器によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO除去器に導入される。ここで空気等の酸化剤ガスが添加され、COの選択的酸化反応(CO+1/2O2=CO2)により、COを100ppm程度以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下というように低減させる。CO除去器の作動温度は100〜170℃程度(なお、適温100〜150℃程度の触媒などもある)である。こうして精製された水素がPEFCの燃料極に供給される。
以上は、燃料電池がPEFCである場合であるが、燃料電池がSOFCである場合には、COも燃料となるので、CO変成器及びCO除去器は不要であり、改質部で生成した水素及びCOを含む改質ガス、あるいは水素、CO及びメタン(メタンはSOFCの燃料極、支持基板に含まれるNi等の金属により水素、COへ改質される)を含む改質ガスがSOFCの燃料極に供給される。
ところで、原燃料から水素を製造する装置として多重円筒型水蒸気改質器が知られ、また、CO変成器及びCO除去器をCO変成触媒層及びCO除去触媒層として一体化した多重円筒型水蒸気改質器も開発されている(特許文献1〜6、等)。
WO 98/000361 A1 特開2003−321206号公報 特開2006−210844号公報 WO 02/098790 A1 特開2002−187705号公報 特開2006−232611号公報
多重円筒型水蒸気改質器は、例えば図25に示すように、同心状に間隔を置いて配置された順次径(直径、以下同じ)の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に配置されたバーナ7と、第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間に予熱層14と改質触媒層16を備えている。予熱層14には、その内部に横断面円形状等の棒材15が螺旋状に配置され、その内部に連続した螺旋状のガス通路が形成されている。第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に、第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路20が形成されている。
このような形式の多重円筒型水蒸気改質器には、第1円筒体1の内側に間隔を置いて輻射筒を配置した構造のものもある。図26はその態様を説明する図で、輻射筒6は、その下端が第1円筒体1の底板9に対して間隔を持つように、上蓋兼バーナ取付台8に取付けられる。バーナ7での燃焼ガスは、燃焼室F中を下降し、輻射筒6の下端で折り返し、燃焼ガス流路10を経てその上部から排出される。
図25〜26の多重円筒型水蒸気改質器は、上下逆置きにしても使用される。図27に、そのうち図26の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きにした場合を示しているが、図25の多重円筒型水蒸気改質器についても同様である。なお、このように上下逆置きにした場合は、例えば上蓋兼バーナ取付台8は下蓋兼バーナ取付台8と言うことになるが、本明細書では適宜上蓋兼バーナ取付台8との用語で説明している。
また、そのような多重円筒型水蒸気改質器は、第3円筒体3に続く第4円筒体4と第2円筒体2との間に、改質触媒層16に続きCO変成触媒層を配置して一体化することもでき、改質触媒層16に続き順次CO変成触媒層23及びCO除去触媒層31を配置して一体化することもできる。そのうち、改質触媒層16に続き順次CO変成触媒層及びCO除去触媒層を配置して一体化した多重円筒型水蒸気改質器の例を図28に示している。
図28に示すように、前述図25の構成に加えて、第3円筒体3に続く第4円筒体4と第2円筒体2との間に、改質触媒層16に続き順次、CO変成触媒層23及びCO除去触媒層31を配置することで構成される。この多重円筒型水蒸気改質器も、上下逆置きにしても使用される。
これら従来の多重円筒型水蒸気改質器において、予熱層14はこれに原燃料と水を流すことで予熱と混合を同時に行う構造となっている。予熱層14では原燃料を加熱するとともに、水を加熱して気化し、生成水蒸気を加熱する。原燃料と水蒸気の混合流は予熱層14に続く改質触媒層16に導入され、ここでの改質反応により改質ガスを生成する。改質ガスは、第2円筒体2の下端(図27では上端)で反転して流路20を経て取り出され、CO変成触媒層23及びCO除去触媒層31を一体化した多重円筒型水蒸気改質器では順次、CO変成触媒層23、CO除去触媒層31を経て取り出される。
ところで、それら多重円筒型水蒸気改質器は燃料電池用として有用であり、本発明者らはその実用化に向けて改善、開発を続けているが、多重円筒型水蒸気改質器にもさらに問題点があることがわかった。例えば後述実施例(実験例)のとおり、CO変成触媒層23中、その周方向に温度分布に差がついてしまうことが観察された。その原因としては、予熱層14に原燃料と水を同時に流すため、水の蒸発が原燃料の流れに支配されて安定せず、また螺旋状の通路に起因して水に遠心力が作用することによるものと考えられる。
その温度分布差は、多重円筒型水蒸気改質器を図27のように上下逆に配置したときには、予熱層14の下部から導入する水に対して重力も作用するのでさらに大きくなる。この点は、図28に示すようなCO変成触媒層23及びCO除去触媒層31を一体化した多重円筒型水蒸気改質器を上下逆に配置したときにも同様である。
また、原燃料と水蒸気の混合流が導入される改質触媒層16の入口や、CO変成触媒層23または、CO変成触媒層及びCO除去触媒層31を一体化した多重円筒型水蒸気改質器においては、第2円筒体2に連なる円筒体12と第4円筒体4との間の隙間のうち円筒体12の側が、これに隣接する予熱層14を流れる水によって局所的に冷やされる。そうすると、円筒体12の外周に配置されているCO変成触媒層がその作動温度より低くなって触媒機能が発揮できず、その分CO変成触媒が無駄になり、コスト高となってしまう。
本発明は、先行技術における多重円筒型水蒸気改質器における以上の諸問題点を解決し、高性能で且つ安定して水素を製造できる(A)多重円筒型水蒸気改質器、(B)CO変成触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器および、(C)CO変成触媒層及びCO除去触媒層を一体化した多重円筒型水蒸気改質器を提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、且つ、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(2)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、且つ、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(2)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、前記水又は水蒸気を含む水の予熱層に金属メッシュを配置することができる。
本発明(3)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(4)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(4)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、前記水又は水蒸気を含む水の予熱層に金属メッシュを配置することができる。
本発明(5)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の上部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、第2円筒体と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(6)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の下部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部との隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、第2円筒体と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(6)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、前記水又は水蒸気を含む水の予熱層に金属メッシュを配置することができる。
本発明(7)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の上部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、円筒状隔壁と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置し、且つ、
(g)CO変成触媒層とCO除去触媒層との間に原燃料の予熱層への原燃料導入部を構成してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(8)は、
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の下部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
(d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
(e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
(f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、円筒状隔壁と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置し、且つ、
(g)CO変成触媒層とCO除去触媒層との間に原燃料の予熱層への原燃料導入部を構成してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。
本発明(8)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、前記水又は水蒸気を含む水の予熱層に金属メッシュを配置することができる。
本発明によれば、「第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とし、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とする」ことを基本構造とすることにより、下記(1)〜(4)の効果が得られる。
(1)水及び/又は水蒸気の予熱と原燃料の予熱を十分にでき、且つ改質触媒層入口の温度分布差を低減することができる。また、この効果を低コストで達成できる。
(2)上記基本構造における原燃料の予熱層の外周にCO変成触媒層を配置することにより、CO変成触媒層の温度を均一化することができる。
(3)水及び/又は水蒸気の予熱層に金属メッシュを配置することにより、水と水蒸気の二相流の流動を安定化させ、脈動の発生、脈動幅を低減させることができる。
(4)加熱された原燃料及び水蒸気の混合部について、その混合流の流路を狭くすることにより、当該流路での流速を上げて熱交換を促進することができる。
本発明によれば、上記基本構造に続き、原燃料の予熱層並びに水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱された原燃料及び水蒸気の「混合部」を備える構造とすることにより、下記(5)〜(6)の効果が得られる。
(5)加熱された原燃料及び水蒸気の混合部について、その混合流が第1円筒体と接する構造にすることにより、バーナからの燃焼ガスと効率よく熱交換することができる。
(6)加熱された原燃料及び水蒸気の混合部について、その混合流を第2円筒体と接する構造とすることにより改質触媒層からの改質ガスと効率よく熱交換することができる。
本発明によれば、(7)原燃料の予熱層と水及び/又は水蒸気の予熱層を分けて別層とし、原燃料の予熱層をCO変成触媒層側に配置するので、CO変成触媒層に対して水及び/又は水蒸気の予熱層による局所的冷却を防ぐことができる。
本発明によれば、(8)上記(7)の局所的冷却防止の結果として、本発明の構造を採らない構造では「CO変成触媒層が局所的に冷却されることにより、作動温度より低くなることにより、その触媒機能が発揮できず、その分CO変成触媒が無駄になり、コスト高となる」ことを防止することができる。
本発明(1)の態様:混合部の構造1を説明する図である。 輻射筒を持つ多重円筒型水蒸気改質器を説明する図である。 “予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐材”の例を示す図(図面代用写真)である。 “予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐材”の例を示す図である。 水及び/又は水蒸気の予熱層、混合部にワイヤーメッシュ紐材を適用する態様を説明する図である。 混合部の構造2を説明する図である。 混合部の構造3を説明する図である。 混合部の構造4を説明する図である。 混合部の構造5を説明する図である。 本発明(2)の態様を説明する図である。 本発明(3)の態様を説明する図である。 本発明(4)の態様を説明する図である。 本発明(5)の態様を説明する図である。 本発明(6)の態様を説明する図である。 本発明(7)の態様を説明する図である。 本発明(8)の態様を説明する図である。 本発明(9)の態様を説明する図である。 本発明(10)の態様を説明する図である。 本発明(11)の態様を説明する図である。 本発明(12)の態様を説明する図である。 実験例1〜2の実験用装置の概略を示す図である。 実験例3の実験用の、水の予熱層に金属メッシュを配置した装置を示す図である。 実験例3装置に配置した金属メッシュMを示す図である。 原燃料の改質からPEFCあるいはSOFCに至るまでの態様例を説明する図である。 本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器の例を示す図である。 本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器の例を示す図である。 本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器の例を示す図である。 本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器の例を示す図である。 実験例5を説明する図である。 実験例5を説明する図である。 実験例5を説明する図である。 実験例5を説明する図である。
本発明(1)〜(8)の態様について順次説明する。以下において、本発明(1)〜(8)に共通する事項については本発明(1)〜(2)の箇所で説明している。
〈本発明(1)〜(2)について〉
本発明(1)〜(2)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器は、CO変成触媒層とCO除去触媒層を備えない多重円筒型水蒸気改質器である。本発明(1)〜(2)に共通する事項、また、それらに関連する変形態様等については適宜〈本発明(1)の態様〉の箇所で説明している。
〈本発明(1)の態様〉
本発明(1)は、下記(a)〜(e)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図1は本発明(1)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(e)において各部材や構成に付している符号は図1中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に上端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、且つ、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層50及び原燃料の予熱層60に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層50で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路20を構成してなること。
図1のとおり、直径を順次大きくした、第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3を中心軸を同一にして間隔を置いて配置する。図1中、一点鎖線はその中心軸を示し、矢印(↑)はその中心軸の方向、すなわち軸方向を示している。本明細書において、その軸方向に対して直角の方向を周方向と称している。
第1円筒体1の内側にバーナ7が配置されている。バーナ7は、中心軸の部位に配置され、上蓋兼バーナ取付台8を介して取り付けられている。すなわち、バーナ7は、第1円筒体1の上端から配置されている。41は燃焼排ガスの排出管、42は水及び/又は水蒸気の導入管、43は原燃料の導入管、45は改質ガスの導出管である。なお、第1円筒体1と上蓋兼バーナ取付台8とバーナ7と後述底板9とで燃焼室Fが構成される。
第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間のうち、その下部に改質触媒層16を配置し、その上部に円筒状隔壁50を配置し、その間に混合部70を構成する。円筒状隔壁50は第1円筒体1〜第3円筒体3、上蓋兼バーナ取付台8等と同じくステンレス鋼等の耐熱性材料で構成される。そして、円筒状隔壁50と第1円筒体1との隙間に水及び/又は水蒸気の予熱層14を構成し、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間に原燃料を予熱するための層すなわち原燃料の予熱層60を構成する。
そのように、円筒状隔壁50と第1円筒体1との間の隙間に水及び/又は水蒸気の予熱層14を構成し、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間に原燃料の予熱層60を構成した構造は本発明(1)において重要な構造である。
前述図25〜28のとおり、従来の多重円筒型水蒸気改質器においては、第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に原燃料と水の混合流の予熱層14を構成している。しかし、この構造では、予熱層14に原燃料と水を同時に流すため、水の蒸発が原燃料(原燃料である都市ガス等のガスやLPG等は低沸点の揮発性液体である)の流れに支配されて安定せず、予熱層14中、周方向に温度分布差がついて水の蒸発を阻害し、所期の蒸発効果、加熱効果が得られない。
そこで、本発明(1)においては、円筒状隔壁50と第1円筒体1との間の隙間に水及び/又は水蒸気の予熱層14を構成し、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間に原燃料の予熱層60を構成する。この基本構造により、従来の多重円筒型水蒸気改質器における上記問題点を解決したものである。
原燃料は予熱層60に導入されて加熱される。水及び/又は水蒸気は予熱層14に導入されて加熱される。予熱層14において、水及び/又は水蒸気のうち、水蒸気は加熱され、水は加熱されて水蒸気となり、生成した水蒸気はさらに加熱される。
水蒸気の発生源としては(a)水、(b)水蒸気を含む水(水の割合が多い場合)、(c)水を含む水蒸気(水蒸気の割合が多い場合)、あるいは(d)水蒸気を使用する。予熱層14へはそれら(a)〜(d)の何れかの形で導入する。本明細書中“水及び/又は水蒸気”とは、上記(a)〜(d)の何れかの形であることを意味する。
第1円筒体1〜第3円筒体3の径は、それぞれ上下通して同じくする。前述図25〜28のとおり、従来の多重円筒型水蒸気改質器では第2円筒体2に続き第2円筒体2よりも径が小さい円筒体12を配置し、図25〜28中符号Xとして示すとおり、第2円筒体2の上端と円筒体12の下端(図27では、第2円筒体2の下端と円筒体12の上端)を必要に応じてスペーサー等を介在させて溶接等により接合する必要があったが、本発明(1)においては、第1円筒体1、第3円筒体3と同じく、第2円筒体2の径を上下通して同じくするのでその接合が不要である。
第1円筒体1には底板9が配置され、底板9は第1円筒体1の直径に対応した直径で円盤状の板体である。バーナ7で発生させた燃焼ガスは、図1中矢印で示すように第1円筒体1内の底板9乃至その手前で折り返して、第1円筒体1の内側に沿って上昇しながら順次、改質触媒層16を流れる原燃料と水蒸気との混合流(なお、その混合流は、より詳しくは改質触媒層の改質触媒により改質ガスを生成しながら流れる)を加熱するとともに、予熱層14を流れる水及び/又は水蒸気と予熱層60を流れる原燃料を加熱し、燃焼排ガスの排出管41から排出される。
〈水及び/又は水蒸気の予熱層に構成する“螺旋状流路”について〉
予熱層14は、第1円筒体1の内側を流れる燃焼ガスにより水及び/又は水蒸気を予熱するためのものであるが、これに続く水蒸気改質器に配置された改質触媒の有効温度、つまり改質触媒としての機能を発揮する温度である約400℃程度以上の温度で導入するためには、予熱層14で効率よく充分に加熱する必要がある。そのため、従来、予熱層14の内部に金属製棒材15が螺旋状に配置している。
これに対して、本発明(1)においては、円筒状隔壁50と第1円筒体1との間の隙間にすなわち水及び/又は水蒸気の予熱層の隙間幅に、当該予熱層の隙間幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュ115を螺旋状に配置して螺旋状の流路を構成することができる。この構成は、本発明において重要な構成である。本明細書中、そのように「予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュ」を“紐状ワイヤーメッシュ”と称している。
〈“予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状ワイヤーメッシュ”について〉
予熱層の隙間幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュは、予熱層を構成する第1円筒体と第2円筒体との間の隙間幅より大きい直径で且つ弾性を有することが必須である。その断面形状(=紐状ワイヤーメッシュの長手方向に対して直角の方向に切断したときのその断面の形状)は円形でも多角形でもよいが、断面円形状や断面長方形状であるのが好ましい。
紐状ワイヤーメッシュは、ステンレス鋼等の金属製の極細の針金〔例えば、直径約0.06〜0.12mm(60〜120μm)〕の多数本を編んだり、撚ったり、組んだりして形成したもので、その直径方向に弾性を有することが必須である。その素材である極細の針金は、例えば鋼材等の金属を細長く延ばして作られる。そのように「直径方向に弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュ」は、多数本の金属製の極細の針金で形成した網状等の構造を持ち且つ弾性を有する紐状にした材料と言う意味で“ワイヤーメッシュ紐材”とも言える。そして、本発明においては当該ワイヤーメッシュ紐材のうち予熱層の幅より大きい直径のものを使用するものである。
図3にその数例を示し(図面代用写真)、図4は他の例で、図4(b)は図4(a)の一部を拡大して示した図である。図3に示すワイヤーメッシュ紐材は、多数の極細の針金を網紐状に編み立てて形成した網目体を円筒状等に密に巻くなどして構成した紐材であり、いずれもその直径方向に弾性を有する。また、図4に示すワイヤーメッシュ紐材は、多数(例えば数十本)の極細の針金を纏めて束とし、その束の複数個を、繊維の分野で言ういわゆる「八つ打ちロープ」状に構成した紐材であり、その直径方向に弾性を有する。
本発明においては、図3〜4のようなワイヤーメッシュ紐材とは限らず、極細の針金で編んだ網体を断面円形状に重ねて紐状にしたものなど、その直径方向に弾性を有するものであればいずれも使用できる。そして、そのように直径方向に弾性を有し、且つ、円筒状隔壁50と第1円筒体1との間の隙間にすなわち水及び/又は水蒸気の予熱層の幅より直径が大きい紐状ワイヤーメッシュを、予熱層の内部に螺旋状に配置することにより、予熱層の内部に連続した螺旋状の流路を構成する。
当該紐状ワイヤーメッシュは、予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有するので、紐材が例えば横断面円形状のものである場合、予熱層14の内部に螺旋状に配置する前には、図5(b)中、上側の図に示すように横断面円形状であった紐材が、予熱層14の内部に螺旋状に配置した後には、図5(b)中、下側の図に示すように、第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間で押しつぶされた形の紐材115として配置される。
そのように、紐材115を円筒状隔壁50と第1円筒体1との間の隙間で押しつぶした状態で配置することにより、図5(b)中、下側の図に示ように、紐材115が第1円筒体1の外面及び円筒状隔壁50の内面に対して面接触となり、これにより紐材115と第1円筒体1の外周面との間、紐材115と円筒状隔壁50の内周面との間に隙間を無くすることができる。また、紐材115を配置した後も、その弾性により第1円筒体1の外面及び円筒状隔壁50の内面に対して押圧がかかり、それらの面に密に張り付くことになるので、紐材115と円筒状隔壁50の内周面との間に隙間が生じることも無い。
図4に示す紐材の例では、その外面に僅かではあるが凹凸があるが、予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有することから、これを予熱層に配置すると押しつぶされることになり、第1円筒体1との接触面、円筒状隔壁50との接触面に隙間が生じることはない。この点は、紐状ワイヤーメッシュが横断面多角形状のものである場合にも、予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有するので、横断面円形状の紐材の場合と同様である。
当該紐材を予熱層を構成する第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間に螺旋状に嵌め込むに際しては、当該紐材は多数の金属製の極細の針金でなり且つ紐状であるため曲げ易く、第1円筒体の外周に螺旋状に巻き付けることは容易である。その際、螺旋状に巻き付け後の紐材の外周を円筒状隔壁(外管)で覆う際の位置ずれ等を防ぐため、必要箇所を点溶接等で固定するようにしてもよい。
また、当該紐材は、棒材とは異なり、直径方向(=長手方向に直交する方向)に弾力性を有することから、例えば、第1円筒体と円筒状隔壁との二重円管の隙間を2mmとした場合、直径2.5mmの紐材(紐状ワイヤーメッシュ)を適用しても、外管で覆う際に2mmに押しつぶされ、その配置後もその弾性により第1円筒体、円筒状隔壁に対して押圧がかかるため、第1円筒体との間、円筒状隔壁との間に隙間を作ることなく且つ簡単に施工でき、施工費のコスト低減を図ることができる。
紐状ワイヤーメッシュをそのように配置することにより、水及び/又は水蒸気が上から下に流れる構造において、紐状ワイヤーメッシュ115と第1円筒体1との間、紐状ワイヤーメッシュ115と円筒状隔壁との間の隙間を無くすることができる。そしてこれにより、原燃料と水及び/又は水蒸気との混合流を螺旋状流路に流す際に、隙間から水のショートカットを無くして加熱を十分に行い、また水及び/又は水蒸気の脈動や局所的な冷却を無くすことができる。
また、紐状ワイヤーメッシュ115の巻き数や傾斜は適宜選定することができる。そのように螺旋状に配置した紐状ワイヤーメッシュにより螺旋状流路を形成し、予熱層14の内部に連続した螺旋状の通路を形成して熱交換効率を上げ、水及び/又は水蒸気を良好に加熱することができる。
以上、“予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状ワイヤーメッシュ”については、本発明(1)とは限らず、当該紐状ワイヤーメッシュを水及び/又は水蒸気の予熱層に配置する他の本発明についても同様である。
また、当該ワイヤーメッシュ紐材は、図5中、符号171として示すように、以下に述べる「混合部」における、第1円筒体と第2円筒体との間に周方向に区画された隙間に螺旋状の流路を構成するのにも適用することができる。そのうち図5(a)に示す構造の混合部に当該紐材を適用する場合の例を図5(b)中括弧付きの符号で記載している。
〈混合部について〉
本発明の多重円筒型水蒸気改質器において、第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、水及び/又は水蒸気の予熱層および原燃料の予熱層の下端と改質触媒層の上端との間に混合部を設ける。すなわち、第1円筒体と第2円筒体との間に周方向に区画された隙間のうち、水及び/又は水蒸気の予熱層および原燃料の予熱層の下端と改質触媒層の上端との間に間隔を置き、その間隔を置いて設けた空間を、水及び/又は水蒸気の予熱層からの加熱水蒸気と原燃料の予熱層からの加熱原燃料との混合部とする。
そのように、混合部は、第1円筒体と第2円筒体との間に周方向に区画された隙間のうち、水及び/又は水蒸気の予熱層の下端および原燃料の予熱層の下端と改質触媒層の上端との間に構成する。混合部は、水及び/又は水蒸気の予熱層からの加熱水蒸気と原燃料の予熱層からの加熱原燃料とを混合する役割をする。混合部は、以下混合部の構造1〜8のように、各種態様の構造を採ることができる。
すなわち、加熱水蒸気と加熱原燃料の混合は、水及び/又は水蒸気の予熱層の下端および原燃料の予熱層の下端で始まり、改質触媒層の上端まで続くことになるので、混合部は第1円筒体と第2円筒体との間に周方向に区画された隙間のうち、水及び/又は水蒸気の予熱層の下端および原燃料の予熱層の下端と改質触媒層の上端との間となるが、その混合部に構造1〜8の構造を構成するものである。
〈混合部の構造1〜3:第1円筒体と第2円筒体の間隙より狭い流路〉
混合部の構造1〜3では、第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、混合部が位置する部位つまり混合部を構成する部位における第1円筒体と第2円筒体との間の間隙を、第1円筒体と第2円筒体との間の間隙より狭い流路とする。当該狭い流路の構造として、下記混合部の構造1〜3の構造を採ることができる。
〈混合部の構造1〉
図1〜2は、本発明(1)の態様(輻射筒を有しない構造及び輻射筒を有する構造)、混合部の構造1を説明する図である。図1〜2中、符号72として示すように、混合部70が位置する部位における第1円筒体1の外周に部材72を配置し、部材72と第2円筒体2との間に狭い隙間を持つ構造とし、その狭い隙間を流路73とする。この構造1は、第1円筒体1と第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が第2円筒体2に接するように構成される。
〈混合部の構造2〉
図6は、混合部の構造2を説明する図である。図6中、符号72として示すように、混合部70が位置する部位における第2円筒体2の内周に部材72を配置し、部材72と第1円筒体1との間に狭い隙間を持つ構造とし、その狭い隙間を流路73とする。この構造2は、第1円筒体1と第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が第1円筒体1に接するように構成される。
図1〜2、図6では、狭い流路とするための部材として、断面コ字状乃至断面“[”状の部材を示しているが、そのような内部が空の部材とは限らず、断面矩形状の厚めの板体を用いてもよい。それら混合部の構造1〜2において、部材72は縦方向(図1〜2、図6中、上下方向)に幅をもち且つ周方向に厚みを持つ円環状の部材である。その縦方向の長さの分が流路の長さとなるのでその長さを調整することで流路の長さを調整し、また、その厚さの分だけ流路が狭くなるので、その厚さを調整することにより狭い流路の流路幅を調整することができる。
〈混合部の構造3〉
図7中、符号91として示すように、第2円筒体2のうち、混合部90が位置する部位を周方向の内側に向けて凹状91に構成し、第1円筒体1と当該凹状部91により周方向に区画された隙間幅(=隙間の幅)を混合部90が位置しない部位の第1円筒体1と第2円筒体2との幅よりも狭くした構造とする。前記凹状91に合わせて第3円筒体3についてもその凹部に対応して凹状94に構成する。この混合部の構造3は、第2円筒体2のうち、混合部が位置する部位を周方向の内側に向けて凹状91に構成し、当該凹状部91と第1円筒体1とにより周方向に区画された狭い流路として構成される。
混合部の構造1〜3では、予熱層14からの加熱水蒸気と予熱層60からの加熱原燃料とが両予熱層の下端で合流、混合しながら、当該狭い流路を通過するときに流速を増してさらに混合し、改質触媒層にその上端から供給される。また、後述のとおり、予熱層14に螺旋状流路を構成する態様では、予熱層14の下端から螺旋状に排出される加熱水蒸気に加熱原燃料が合流することになるので、上記狭い流路によりさらに混合が進むことになる。これらの構造、作用により加熱水蒸気と加熱原燃料の混合を良好に行うことができる。
〈混合部の構造4:狭い流路+流路曲折(その1)〉
混合部の構造4は、加熱水蒸気との加熱原燃料との混合部について、第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路とし且つその流路を曲折させる構造である。図8は混合部の構造4を説明する図である。
図8のとおり、第1円筒体1及び第2円筒体2のうち、混合部100が位置する部位における第1円筒体1及び第2円筒体2により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路とし、当該流路を、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れが第1円筒体1、第2円筒体2のうちどちら側に接して流れるかの観点で、且つ、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れ方向でみて、上流側では第2円筒体2に接するように構成し、下流側では第1円筒体1に接するように構成する。
すなわち、混合部100が位置する部位の第1円筒体1と第2円筒体2について、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れ方向でみて、上流側では第1円筒体1の外周に部材101を配置して部材101と第2円筒体2の内周との間に流路を構成し、下流側では第2円筒体2の内周に部材102を配置して部材102と第1円筒体1の外周との間に流路を構成する。図8では部材101〜102として断面コ字状乃至断面“[”状の部材を示しているが、そのような内部が空の部材とは限らず、断面矩形状の厚めの板体を用いてもよい。
〈混合部の構造5:狭い流路+流路曲折(その2)〉
狭い流路で且つ流路を曲折させる混合部の構造として、図8を利用して説明すると、混合部100が位置する部位の第1円筒体1と第2円筒体2について、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れ方向でみて、上流側では上記部材101に相当する部材を第2円筒体2の内周に配置して部材101に相当する部材と第1円筒体1の外周との間に流路を構成し、下流側では上記部材102に相当する部材を第1円筒体1の外周に配置して部材102に相当する部材と第2円筒体2の内周との間に流路を構成してもよい。
混合部の構造4のように、第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が、順次、第1円筒体と第2円筒体に接するように構成するか、混合部の構造5のように、第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、第2円筒体と第1円筒体に接するように構成することにより、混合部が位置する部位の隙間をより狭くして原燃料と水蒸気の混合を促進し、且つ、水蒸気と原燃料の合流ガスの流路を曲折させ、第1円筒体1と第2円筒体2の二筒に接する構造とすることにより、第1円筒体1と第2円筒体2の壁面からの熱による水蒸気と原燃料の混合ガスの加熱を良好に行うことができる。
〈混合部の構造6:螺旋状流路(その1)〉
混合部における、第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間に螺旋状の流路を構成する。その態様として螺旋状の流路を構成する部材として第1円筒体と第2円筒体との間に螺旋状の棒材を配置してもよい。その巻き数や傾斜は適宜選定することができる。このように混合部の構造として螺旋状流路を構成することにより、その流路を長くするとともに、水蒸気と原燃料の混合流に遠心力を与え、水蒸気と原燃料の混合をより良好に行うことができる。
前述図1〜2には、混合部の構造1である「第1円筒体1の外周に部材72を配置し、部材72と第2円筒体2との間に混合部70が位置する部位の隙間をより狭くした構造」に加えて、混合部の構造6である「その狭くした隙間に螺旋状棒材71を配置した構造」を示している。この構造では、流路73が螺旋状の流路となる。
〈混合部の構造8:螺旋状流路(その2)〉
図5中、符号171として示すように、混合部の螺旋状流路を構成する部材としてワイヤーメッシュ紐材171を螺旋状に配置した構造にしてもよい。ワイヤーメッシュ紐材を螺旋状に配置した構造についての、ワイヤーメッシュ紐材の構成、配置の仕方、作用効果については前述〈“予熱層の幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状ワイヤーメッシュ”について〉の箇所で述べたとおりである。
〈混合部の構造9:狭い流路+流路曲折+螺旋状流路(その3)〉
図9は混合部の構造9を説明する図である。図9のとおり、混合部の構造4における、混合部100が位置する部位の第1円筒体1と第2円筒体2について、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れ方向でみて、上流側での部材101と第2円筒体2の内周との間に構成された流路に螺旋状の棒材104を配置して螺旋状流路を構成する。螺旋状の棒材104に代えて螺旋状のワイヤーメッシュ紐材を配置して螺旋状流路を構成してもよい。
また、前述混合部の構造5における、混合部100が位置する部位の第1円筒体1と第2円筒体2について、図9を利用して説明すると、水蒸気と原燃料の合流ガスの流れ方向でみて、上流側では上記部材101に相当する部材を第2円筒体2の内周に配置して部材101に相当する部材と第1円筒体1の外周との間に流路を構成し、当該流路に螺旋状の棒材104を配置して螺旋状流路を構成する。螺旋状の棒材104に代えて螺旋状のワイヤーメッシュ紐材を配置して螺旋状流路を構成してもよい。
混合部の構造1〜5の何れの構造においても、混合部にそのように螺旋状流路を構成することにより、その流路を長くするとともに、水蒸気と原燃料の混合流に遠心力を与え、水蒸気と原燃料の混合をより良好に行うことができる。
なお、図1〜2、10〜20では混合部の構造1と螺旋状流路である混合部の構造6の構造を持つものを例にしているが、これら各図に示す多重円筒型水蒸気改質器とも、混合部の構造は以上の何れか一つまたは複数の構造を採ることができるものである。
水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱された水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱された原燃料は、予熱層14、60の下端部で合流し、混合部70で混合されて、改質触媒層16に流入する。改質触媒層16の上端部に多孔板、網目体等の支持体17が配置され、その下端部に多孔板、網目体等の支持体18が配置され、改質触媒はそれら支持体により支持されている。両支持体17、18は改質触媒層16を区画し、支持体17は原燃料と水蒸気の混合流を分配し流通させる役割をし、支持体18は改質触媒層16で生成した改質ガスを流通させる役割をする。
第2円筒体2は、その下端が第3円筒体3の底板19との間に間隔を持つように配置される。底板19は、第3円筒体3の直径に対応した直径を有する円盤状の板体である。そして、第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に改質ガスの流路20を構成している。
原燃料は、改質触媒層16中を下降しながら水蒸気により改質される。その際、改質触媒層16では、混合部70で水蒸気と原燃料が予め混合されているので、改質反応が良好に進行して改質ガスを生成する。改質触媒層16での改質反応は吸熱反応であり、バーナ7での燃焼ガスが第1円筒体1の内側を流通するときに、その熱が第1円筒体1を介して改質触媒層16に吸収され、改質反応が進行する。改質触媒層16で生成した改質ガスは、第2円筒体2の下端と底板19の間で折り返して改質ガス流路20を流れ、その上部から導出管45を介して取り出される。燃料電池がSOFCの場合にはそのままSOFCの燃料極に供給され、燃料電池がPEFCの場合にはCO変成器、CO除去器を経てPEFCの燃料極に供給される。
〈輻射筒を有する多重円筒型水蒸気改質器について〉
本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器においては、図2に示すように、第1円筒体1の内側に間隔を置いて輻射筒6を配置し、当該輻射筒6の内側にバーナ7を配置した構造としてもよい。輻射筒6は、第1円筒体1の底板9に対して間隔を置いて、すなわちその下端が第1円筒体1の底板9との間に間隔を保つように配置される。
そのように輻射筒6を持つ構造では、バーナ7で発生させた燃焼ガスは、図2中矢印で示すように輻射筒6の下端で折り返して、当該輻射筒6と第1円筒体の隙間に形成された燃焼ガス流路10中を上昇しながら順次、改質触媒層16を流れる原燃料と水蒸気との混合流、予熱層14を流れる水及び/又は水蒸気と予熱層60を流れる原燃料を加熱し、燃焼排ガスの排出管41から排出される。
以上、本発明(1)の態様及びその一環として述べた円筒状隔壁、水及び/又は水蒸気の予熱層、原燃料の予熱層、螺旋状流路、混合部、輻射筒、等の諸事項、構造は、以下に述べる本発明にも共通する事項である。本発明(2)〜(8)の態様を説明するに際して、適宜、図2のように輻射筒6を持つ構造の図面を用いて説明しているが、それらの図面中、輻射筒6を外しても多重円筒型水蒸気改質器として同様のものである。
本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器をSOFC用とする場合には、改質ガスはSOFCの燃料極に供給され、本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器をPEFC用とする場合には、改質ガスはCO変成器、CO除去器を経てPEFCの燃料極に供給される。この点は、本発明(2)の多重円筒型水蒸気改質器についても同様である。
〈本発明(2)の態様〉
本発明(2)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図10は本発明(2)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(e)において各部材や構成に付している符号は図10中の符号である。図10には輻射筒6を持つ構造を示しているが、輻射筒6を持たない構造についても同様であり、この点、図11〜20についても同様である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2及び第3円筒体3からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に下端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、且つ、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路20を構成してなること。
本発明(2)は、本発明(1)の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当する。図10のとおり、上下逆置きに設置した点以外は、図1〔=本発明(1)〕の構造と同様である。
本発明(2)においては、例えば、改質触媒層16で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間である改質ガスの流路20中を下向きに流通させるように構成される。
本発明(2)のように上下逆置きに設置した多重円筒型水蒸気改質器においては、水又は水蒸気を含む水の予熱層に金属メッシュを配置することができる。図11はこの態様を説明する図で、図11中符号Mとして示すように金属メッシュMを配置する。
〈金属メッシュMについて〉
金属メッシュは、ステンレス鋼等の金属製の針金の多数を編み込んで構成したもので、金属製の網体乃至網目体を意味する。針金の径や編み方は適宜選定することができる。金属メッシュMにより、その表面張力の作用で針金の表面(針金の交差部分を含む)に水が捕捉され、蒸発した気体である水蒸気のみが下流に流れる(図11で言えば上方へ流れる)こととなり、金属メッシュMを配置しないと不安定な水と水蒸気との二相流の流動が、金属メッシュMにより安定化し、その脈動の発生を少なくし、またその脈動幅を低減することができる。
金属メッシュMは、予熱層14を構成する第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間に1枚ないし複数枚を巻き付ける、などして配置する。金属メッシュMは、予熱層14の下部から上部までの全域に配置してもよく、予熱層14中の下部から所定高さまで配置してもよい。図11には一例としてその下半部に配置した態様を示している。
金属メッシュMを予熱層14中どの程度の高さまで配置するかは、改質器の規模、予熱層14を構成する第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間の幅などの条件により異なるが、水と水蒸気との二相流のうち全ての水が気化し、水蒸気となる箇所を目安とすることができる。なお、金属メッシュMを予熱層14の下部から所定高さまで配置する場合、その上部に螺旋状流路を構成してもよく、この場合には水蒸気の流路が長くなることなどから、その加熱が促進される。螺旋状流路の構成については前述〈水及び/又は水蒸気の予熱層に構成する“螺旋状流路”について〉と同様に行うことができる。
本発明(2)の態様及びその一環として述べた、金属メッシュMにいての事項は、後述本発明(4)(図14)、本発明(6)(図17)、本発明(8)(図20)の態様にも共通する事項である。
以上の点以外の点については本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器と同様である。
〈本発明(3)の態様〉
本発明(3)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図12は本発明(3)を説明する図である。下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図12中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に上端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、且つ、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置してなること。
本発明(3)は、本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器に対して、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい第4円筒体4を配置し、第3円筒体3と第4円筒体4との間にCO変成器に相当するCO変成触媒層23を配置したものに相当している。
図12のとおり、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3より径を大きくした第4円筒体4を配置し、第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を設ける。第3円筒体3の上端部と第4円筒体4の下端部との間には板体21を配置する。板体21の上に間隔を置いてガス流通用の複数の孔を有する支持板22を配置し、支持板22の上にCO変成触媒層23を配置し、CO変成触媒層23の上にガス流通用の複数の孔を有する仕切板24を配置する。第4円筒体4の上端部と第2円筒体2の外周壁との間には仕切板24に対して間隔を置いて板体25を配置する。
板体21は、第3円筒体3の直径に相当する部分は第3円筒体3で占められるのでドーナツ状の板体であり、また支持板22と仕切板24と板体25とは、第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の板体である。支持板22、仕切板24は金属製等の網体で構成してもよく、この場合には網体の網目がガス流通孔となる。
改質ガス流路20を流通した改質ガスは、支持板22に設けられた多数の孔を経てCO変成触媒層23に供給される。CO変成触媒層23ではCO変成反応(CO+H2O→CO2+H2)により改質ガス中のCOが二酸化炭素に変成され、併せて水素が生成する。
CO変成触媒層23から出る改質ガスは、未反応の原燃料(メタン等)と余剰水蒸気を除けば、水素と二酸化炭素からなっている。このうち水素が燃料電池の燃料となるが、CO変成触媒層23を経て得られる改質ガスについても、COは完全には除去されず、1%程度以下ではあるが、尚COが含まれている。
PEFCに供給する水素中のCOの許容濃度は10ppm程度であり、これを超えると電池性能が著しく劣化する。このため、改質ガスはCO変成触媒層23によりCO濃度を1%程度以下まで低下させた後、CO除去器に供給される。CO除去器では空気等の酸化剤ガスが添加され、COの選択的酸化反応(CO+1/2O2→CO2)によりCOを除去し、CO濃度を10ppm以下、あるいは5ppm以下というように低減させる。
以上の点以外の点については本発明(1)の多重円筒型水蒸気改質器と同様である。
〈本発明(4)の態様〉
本発明(4)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図13は本発明(4)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図13中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3及び、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に下端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、且つ、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置してなること。
本発明(4)では、例えば、改質触媒層16で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間である改質ガス流路20中を下向きに流通させるように構成される。
本発明(4)においても、本発明(2)の多重円筒型水蒸気改質器と同じく、水及び/又は水蒸気の予熱層に金属メッシュを配置することができる。図14にこの態様を示している。図11中符号Mとして示すように金属メッシュを配置する。金属メッシュMの構成、配置の仕方等は前述〈本発明(2)の態様〉で述べたとおりである。
本発明(4)は、本発明(3)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当している。図13のとおり、本発明(4)の多重円筒型水蒸気改質器の構造は、上下逆置きに設置した点以外は、図10〔=本発明(2)〕、図12〔=本発明(3)〕の態様と同様である。
〈本発明(5)の態様〉
本発明(5)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図15は本発明(5)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図15中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4及び、第4円筒体4の上部に下記円筒状隔壁50の径より大きい径の第5円筒体5からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に上端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、且つ、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置するとともに、第2円筒体2と第5円筒体5との間にCO除去触媒層31を配置してなること。
本発明(5)は、本発明(4)の多重円筒型水蒸気改質器に対して、第4円筒体4の上部に第5円筒体5を配置し、第2円筒体2と第5円筒体5との間にCO除去触媒層31を配置したものに相当している。図15のとおり、第4円筒体4の上部に第5円筒体5を配置し、第2円筒体2と第5円筒体5との間にCO除去触媒層31を設ける。仕切板28の上に間隔を置いてガス流通用の複数の孔を有する支持板30を配置し、支持板30の上にCO除去触媒層31を配置し、CO除去触媒層31の上にガス流通用の複数の孔を有する仕切板32を配置する。
支持板30、仕切板32は金属製等の網体で構成してもよく、この場合には網体の網目がガス流通孔となる。第5円筒体5の上端部と第2円筒体2の外周壁との間には仕切板32に対して間隔を置いて板体33を配置する。板体33は、第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の板体である。
CO変成触媒層23とCO除去触媒層31との間の構造については、CO変成触媒層23の上の多孔板24の上に間隔を置いて仕切板26を配置し、当該仕切板26の上に間隔を置いて仕切板28を配置する。CO除去用空気供給管44を仕切板26と仕切板28との間の隙間にその供給口を臨ませて配置する。仕切板26と仕切板28は第2円筒体2の直径に相当する部分は第2円筒体2で占められるのでドーナツ状の仕切板である。
符号27は仕切板26に設けた一個の改質ガス流通孔であり、符号29は仕切板28に設けた一個の改質ガス流通孔である。改質ガス流通孔27と改質ガス流通孔29とが周方向に相対する位置、すなわち周方向に反対側に位置するように配置する。図15には、改質ガス流通孔27と改質ガス流通孔29とを周方向に180°反対側の位置に配置した場合を示している。この周方向に相対する位置は、周方向に180°の反対側の位置であるのが最もよいが、±10°を限度にずれた位置でもよい。
空気供給管44により供給する空気は、CO変成触媒層23の上に配置された多孔板24の孔から流出し、仕切板26の改質ガス流通孔27を介して仕切板26と仕切板28との間の隙間に流入する。改質ガス流通孔29は改質ガス流通孔27に対して周方向に反対側に配置されているので、空気とCO変成触媒層23からのCO変成済み改質ガスは、仕切板26と仕切板28との間の隙間で混合しながら仕切板28の改質ガス流通孔29に至り、流通孔29を介して仕切板28と支持板30との間の隙間に流入し、CO除去触媒層31に供給される。
なお、仕切板26は、これがあった方が空気とCO変成済み改質ガスとの混合がより促進されるが、必須ではないので、無くてもよい。また、図15のように仕切板26を配置する場合、支持板24と仕切板26との間に空気供給管44の開口を臨ませてもよい。
CO除去触媒層31には、CO除去触媒(Prox触媒とも呼ばれる)が充填してあり、CO除去触媒によるCOの選択的酸化反応によりCOをCO2に変えることでCOを除去し、CO濃度を数ppmレベルにまで低減させる。COを除去した改質ガスは、支持板32に設けられた複数個の孔から導出され、支持板32と板体33との間の隙間を経て改質ガス取出管45から取り出される。
以上の点以外の点については図1〜9〔=本発明(1)〕、図12〔=本発明(3)〕の多重円筒型水蒸気改質器と同様である。
〈本発明(6)の態様〉
本発明(6)は、下記(a)〜(f)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図16は本発明(6)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(f)において各部材や構成に付している符号は図16中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4及び、第4円筒体4の下部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体5からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、下部との隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、且つ、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置するとともに、第2円筒体2と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置してなること。
本発明(6)は、本発明(5)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに設置したものに相当している。図16のとおり、本発明(6)の多重円筒型水蒸気改質器の構造は、上下逆置きに設置した点以外は、図15〔=本発明(5)〕の構造と同様である。
本発明(6)では、例えば、改質触媒層16で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間である改質ガスの流路20中を下向きに流通させるように構成される。
本発明(6)においても、本発明(2)、(4)の多重円筒型水蒸気改質器と同じく、水及び/又は水蒸気の予熱層に金属メッシュを配置することができる。図17にこの態様を示している。図17中符号Mとして示すように金属メッシュを配置する。金属メッシュMの構成、配置の仕方等は前述〈本発明(2)の態様〉で述べたとおりである。
〈本発明(7)の態様〉
本発明(7)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図18は本発明(7)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図18中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3、第3円筒体3の上部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4及び、第4円筒体4の上部に下記円筒状隔壁50の径より大きい径の第5円筒体5からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に上端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の下端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置するとともに、円筒状隔壁50と第5円筒体5との間にCO除去触媒層31を配置し、且つ、
(g)CO変成触媒層23とCO除去触媒層31との間に原燃料の予熱層への原燃料導入部80を構成してなること。
本発明(7)は、本発明(5)の多重円筒型水蒸気改質器(図15)に対して、CO変成触媒層23上の支持板24とCO除去触媒層31の支持板30との間に原燃料導入部80を配置したものに相当している。
図18のとおり、支持板24の上部で且つ第2円筒体2と第4円筒体4との間に仕切板81を配置し、仕切板81の上部で且つ円筒状隔壁50と第4円筒体4との間に仕切板82を配置し、第4円筒体4の上端部と第5円筒体5の外周との間に仕切板83を配置する。仕切板81は第2円筒体2の径(直径)に相当する部分は第2円筒体2で占められ、仕切板82は円筒状隔壁50の径(直径)に相当する部分は円筒状隔壁50で占められ、仕切板83は第5円筒体5の径(直径)に相当する部分は第5円筒体5で占められているので、それぞれドーナツ状の板体である。
そのうち、仕切板81と仕切板82との間の隙間と、当該隙間の外周である第4円筒体4との間を原燃料導入部80とする。より詳しくは、原燃料導入部80は、円筒状隔壁50の外周のうち、仕切板82が配置された箇所の下部で原燃料の予熱層60に連通し、第4円筒体4のうち当該隙間(仕切板81と仕切板82との間の隙間)の外周に相当する箇所に原燃料導入部80への原燃料導入管43を配置する。すなわち、原燃料導入部80は、仕切板81と、仕切板82と、円筒状隔壁50の外周つまり円筒状隔壁50のうち仕切板82の配置箇所から仕切板81が位置する部位までの部分とで構成される。
また、第4円筒体4のうち、支持板24が位置する箇所と仕切板81が位置する箇所との間にCO変成触媒層23からのCO変成済み改質ガスの流通孔(流出孔)84を設け、第4円筒体4のうち、仕切板82が位置する箇所と仕切板83が位置する箇所との間に、CO除去用空気を混合したCO変成済み改質ガスの流通孔(CO除去触媒層31の下部への流入孔)86を設ける。
そして、上記流通孔84、86を囲むように第4円筒体4の外壁(外側)にCO除去用空気供給部85を構成し、当該CO酸化用空気供給部85にCO除去用空気導入管44の開口を臨ませる。CO変成触媒層23でのCO変成済み改質ガスは、流通孔84からCO酸化用空気供給部85に流入し、CO除去用空気導入管44から導入される空気と混合した後、流通孔86、支持板30の孔を経てCO除去触媒層31に供給される。
以上の点以外の点については、図15〔=本発明(5)〕の構造と同様である。
〈本発明(8)の態様〉
本発明(8)は、下記(a)〜(g)の構成を備えてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器である。図19は本発明(8)の態様を説明する図で、下記構成(a)〜(g)において各部材や構成に付している符号は図19中の符号である。
(a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体1、第2円筒体2、第3円筒体3、第3円筒体3の下部に当該第3円筒体3の径より大きい径の第4円筒体4及び、第4円筒体4の下部に下記円筒状隔壁50の径より大きい径の第5円筒体5からなる複数の円筒体と、第1円筒体1の周方向中心部に下端から配置されたバーナ7とを備え、
(b)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁50を配置して第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間及び円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間との二つの隙間を構成し、
(c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体1と円筒状隔壁50との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層14とするとともに、円筒状隔壁50と第2円筒体2との間の隙間を原燃料の予熱層60とし、
(d)第1円筒体1と第2円筒体2により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層14及び原燃料の予熱層60に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層14で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層60で加熱した原燃料との混合部70及び改質触媒層16を備え、
(e)第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間に第2円筒体2の上端で反転させた改質ガスの流路20を構成し、
(f)第2円筒体2と第4円筒体4との間にCO変成触媒層23を配置するとともに、円筒状隔壁50と第5円筒体5との間にCO除去触媒層31を配置し、且つ、
(g)CO変成触媒層23とCO除去触媒層31との間に原燃料の予熱層60への原燃料導入部70を構成してなること。
本発明(8)は、本発明(7)の多重円筒型水蒸気改質器を上下逆置きに配置したものに相当している。図19のとおり、本発明(8)の多重円筒型水蒸気改質器の構造は、上下逆置きに設置した点以外は、図18〔=本発明(7)〕の構造と同様である。
本発明(8)では、例えば、改質触媒層16で生成した改質ガスを第2円筒体2の上端で反転させ、第2円筒体2と第3円筒体3により周方向に区画された隙間である改質ガスの流路20中を下向きに流通させるように構成される。
本発明(8)においても、本発明(2)、(4)、(6)の多重円筒型水蒸気改質器と同様、水及び/又は水蒸気の予熱層に金属メッシュを配置することができる。図20にこの態様を示している。図20中符号Mとして示すように金属メッシュを配置する。金属メッシュMの構成、配置の仕方等は前述〈本発明(2)の態様〉で述べたとおりである。
実験例を基に本発明をさらに説明するが、本発明が実験例に限定されないことはもちろんである。
〈実験例1〜2〉
実験例1〜2は、第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に、水と原燃料を導入して加熱した場合と、水を導入して加熱した場合とについて、各部位における温度分布に係る実験及びその結果である。原燃料には都市ガス(13A)を用いた。
実験用として“水、原燃料の予熱器”を作製、使用して、当該予熱器における各部位における温度を計測し、各部位における温度分布の状態を観察した。図21に実験用予熱器の概略を示し、温度計測の部位等を標示している。図21(a)は縦断面図、図21(b)は図21(a)中A−A線断面図である。図21(a)〜(b)に示す符号1〜2、6〜7、41〜43、45は前述図1〜20に示す符号に相当している。
図21(a)中、25mm、50mm・・・350mmと示しているのは、それぞれ第2円筒体2の下端からの距離(高さ)である。図21(b)は、25mm、50mm・・・225mmの各部位における各部位毎に第2円筒体2の周囲の4箇所に温度計測用の熱電対を配置したことを示している。また、250mmの部位と350mmの部位では第1円筒体1と第2円筒体2との間の間隙における、それぞれ4箇所に温度計測用の熱電対を配置している。
実験は、バーナ7を作動しながら、(A)第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に水と都市ガスを導入した場合と(B)第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に水のみを導入した場合の二通りについて行なった。(A)では原燃料導入管43から都市ガスを、水導入管42から水を導入し、(B)では水導入管42から水を導入した。表1は(A)の場合の結果であり、表2は(B)の場合の結果である。
Figure 0005301419
Figure 0005301419
表1の結果と表2の結果を対比すると、(A)水と都市ガスを導入した場合、各部位の温度は相対的に低く、また各高さにおける円環上の各部位の温度は高低差が大きい。例えば、(A)での高さ200mmでの温度は90゜の箇所で240.3℃であるのに対して、270゜の箇所で93.5℃であり、その差146.8℃である。(B)での高さ200mmでの温度は270゜の箇所で250.2℃であるのに対して、90゜の箇所で201.6℃であり、その差48.6℃である。
このように、(B)第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に水のみを導入した場合は、(A)第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に水と都市ガスを導入した場合に比べて、温度分布差を格段に減少させることができる。
〈実験例3〉
実験用の水の予熱層に金属メッシュMを配置した装置を作製、使用して、水予熱層における各部位における温度を計測し、各部位における温度分布の状態を観察した。図22に実験用予熱層装置の概略、温度計測の部位等を示し、図23にここで使用した金属メッシュMを拡大して示している。図22(a)は縦断面図、図22(b)は図22(a)中A−A線断面図である。図22(a)〜(b)に示す符号1〜2、6〜7、41〜42、45は前述図1〜20に示す符号に相当している。
図22(a)中、25mm〜350mmとして示すのは、それぞれ第2円筒体2の下端からの距離(高さ)である。図22(b)のとおり、25mm〜225mmの各部位において各部位毎に第2円筒体2の周囲の4箇所に温度計測用の熱電対を配置したことを示している。また、250mmと350mmの円環上の部位では第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に、それぞれ4箇所に温度計測用の熱電対を配置している。
図22(a)に示す金属メッシュMは、図23に示すように、ステンレス鋼の金属製針金を織り込んだもので、複数の極細針金を束紐(ストランド)にし、そのストランドを用いて緯編(weft knit)状に編み込んだものである。その複数枚を重ねて第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に巻き付けることで配置した。
実験は、バーナ7を作動しながら、第1円筒体1と第2円筒体2との間の隙間に水のみを導入して行なった。表3はその結果である。
Figure 0005301419
表3のとおり、各高さにおける円環上の各部位の温度は、高低差が小さく、ほぼ同じである。例えば、
高さ50mmでの温度は、0゜の箇所で99.5℃、90゜の箇所で100.6℃、180゜の箇所で100.1℃、270゜の箇所で99.9℃であり、その差は殆どない。
高さ150mmでの温度は、0゜の箇所で104.3℃、90゜の箇所で104.0℃、180゜の箇所で104.2℃、270゜の箇所で105.8℃であり、その差は殆どない。
高さ150mmでの温度は、0゜の箇所で233.9℃、90゜の箇所で232.3℃、180゜の箇所で257.4℃、270゜の箇所で268.7℃であり、その差36.4℃で、小さい。
高さ250mmでの温度は0゜の箇所で491.8℃、90゜の箇所で492.3℃、180゜の箇所で471.8℃、270゜の箇所で485.3℃であり、その差は殆どない。
このように、水の予熱層に金属メッシュMを配置することにより、各計測箇所における温度分布差は、殆ど無いか小さく、均等化している。
また、図22における金属メッシュMを配置した部分の水の脈動の振幅と、金属メッシュを配置しない場合の対応箇所の水の脈動の振幅とを計測したところ、金属メッシュを配置した部分の水の脈動の振幅は0.6kPa、金属メッシュを配置しない場合の対応箇所の水の脈動の振幅は4.8kPaであった。このように金属メッシュMを配置することにより、水の脈動の振幅幅を格段に減少させることができる。
〈実験例4〉
実験例4は、(a)本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器である図28の円筒式水蒸気改質器と、(b)本発明の多重円筒型水蒸気改質器の例として図18〔=本発明(10)の構造〕の多重円筒型水蒸気改質器と、(c)図19〔=本発明(11)の構造〕の多重円筒型水蒸気改質器について、各部位における温度分布に係る実験を行なった。(a)は(b)〜(c)に対する比較例に相当している。
図28、図18及び図19の各構造の多重円筒型水蒸気改質器を作製し、作動して、各多重円筒型水蒸気改質器における各部位における温度を計測し、各部位における温度分布の状態を観察した。温度計測は熱電対で行い、図28、図18及び図19の各図中、温度計測箇所である熱電対を配置した位置を熱電対設置位置として示している。また、CO変成触媒層については、改質ガスの流れ方向でみて、4位置〔CO変成触媒層入口部、CO変成触媒層(中間1)、CO変成触媒層(中間2)、CO変成触媒層出口部〕について、それぞれ内側、中央部、外側の3箇所、合計12箇所で計測した。
改質触媒層の改質触媒として作動温度400〜680℃のRu系触媒を使用し、CO変成触媒層のCO変成触媒として作動温度220〜330℃の銅−亜鉛系触媒を使用し、CO除去触媒層のCO酸化触媒として作動温度130〜170℃のRu系触媒を使用した。
なお、CO変成触媒層の入口部へはその作動温度よりは高温の改質ガスが導入されるが、CO変成触媒層中を流通しながら低下し作動温度で変成される。
他の実験条件、実験結果は表4〜6のとおりである。表4は比較例(図28)である本発明適用前の多重円筒型水蒸気改質器についての実験条件、実験結果であり、表5は本発明(7)の多重円筒型水蒸気改質器である図18の円筒式水蒸気改質器についての実験条件、実験結果であり、表6は本発明(8)の多重円筒型水蒸気改質器である図19の円筒式水蒸気改質器についての実験条件、実験結果である。
Figure 0005301419
Figure 0005301419
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表4のとおり、比較例では、CO変成触媒層(中間層1)の温度については、内側で362.9℃、中央部で355.5℃、外側で315.0℃であり、CO変成触媒層(中間層2)の温度については、内側で266.4℃、中央部で293.7℃、外側で264.0℃であり、中間層1の内側、中央部でCO変成触媒の適温220〜330℃より高い。また、CO変成触媒層出口のうち内側温度は171.6℃と極端に低く、CO変成触媒の適温の下限220℃に対して格段に低い。
これに対して、表5のとおり、CO変成触媒層(中間層1)の温度については、内側で271.8℃、中央部で289.7℃、外側で263.2℃であり、CO変成触媒層(中間層2)の温度については、内側で221.4℃、中央部で240.4℃、外側で229.3℃であり、いずれの部位においても、CO変成触媒の適温220〜330℃の範囲内であり、各部位の温度について、その幅は小さく、均等化されている。また、CO変成触媒層出口のうち内側温度は200.0℃であり、比較例での同位置の温度171.6℃に対して改善されている。
このように、本発明において特徴とする構造、すなわち“第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水又は水蒸気を含む水の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、且つ原燃料の予熱層の外周にCO変成触媒層を配置した構造”により、CO変成触媒層の温度を均一化し、CO変成触媒の作動温度220〜300℃の範囲内に維持することができる。
また、表6のとおり、CO変成触媒層(中間層1)の温度については、内側で326.5℃、中央部で340.4℃、外側で300.4℃であり、中央部でCO変成触媒の作動温度220〜330℃よりやや高いが、CO変成触媒層(中間層2)の温度については、内側で265.4℃、中央部で288.2℃、外側で265.1℃であり、CO変成触媒の作動温度220〜330℃の範囲内に維持されている。また、CO変成触媒層出口のうち内側温度は236.3℃であり、比較例での同位置の温度171.6℃に対して改善されている。
〈予熱層に配置する断面長方形状の紐状ワイヤーメッシュについて〉
予熱層に水のみが導入される構造の場合には、予熱層に隣接する触媒部、特にCO除去触媒層におけるProx触媒の冷却が不足していた。その冷却不足を予熱層に断面長方形状のワイヤーメッシュを配置することにより改善することができる。断面長方形状のワイヤーメッシュは断面円形状のワイヤーメッシュと同様に紐状であり、弾力性を有するため、曲げやすく、容易に円筒管の側面に螺旋状に配置することができる。
例えば、2重円筒管の隙間を2mmとした際に、断面円形状のワイヤーメッシュであれば直径3mm程度のワイヤーメッシュを押しつぶして使用し、円筒との接触長さは4mm程度になる。これに対して、断面長方形状のワイヤーメッシュでは断面寸法3mm×6mmのワイヤーメッシュを押しつぶして使用すると、円筒との接触長さは7mm程度となる。つまり、断面長方形状のワイヤーメッシュは断面円形状のワイヤーメッシュと同様に隙間を作ることなく簡単に加工でき、加工費のコスト低減を図ることができるだけでなく、同じ巻き数であれば断面円形状のワイヤーメッシュよりも接触面積を広くとることが可能となる。
〈実験例5〉
図29〜32は実験例5を説明する図である。図29に並置して示すとおり、D、E、Fの三つの構造の水蒸気改質器を作製した。図29に示す水蒸気改質器D〜Fはそれぞれ図30〜32に拡大して示している。
図29に示すとおり、D、E、Fの三つの構造の水蒸気改質器について、同じ条件〔原料ガス(脱硫済み都市ガス13A)量、燃焼ガス量、S/C比〕で運転した際の各CO酸化触媒(Prox触媒)層の温度は表7のとおりであった。各温度は、図29中各構造の水蒸気改質器D、E、Fについて、それぞれA1、A2、B1、B2として示す部位に熱電対を配置することで作動後定常運転時の温度を計測したものである。
Figure 0005301419
表7のとおり、予熱層に横断面円形状の紐状ワイヤーメッシュを配置し、原料ガスと水と両方が流通する構造の水蒸気改質器Dは、入口(A1、A2)と出口(B1、B2)で温度差(A1−B1、A2−B2)が充分にあり、流通する水によって冷却されている。これに対して、予熱層に横断面円形状の紐状ワイヤーメッシュを配置し、水のみが流通する構造の水蒸気改質器Eでは、温度差が小さく、充分ではない。そして、予熱層に配置するワイヤーメッシュを横断面長方形状の紐状ワイヤーメッシュに変えた水蒸気改質器Fでは水蒸気改質器Dと同様に温度差がとれることを示している。
水蒸気改質器Dでは予熱層に原料ガスと水の両方が流通するため、ガスがワイヤーメッシュ同士の間を流れる勢いと共に水も一諸に流されるため、結果的に冷却面積が大きくなる。一方、水しか流れない水蒸気改質器Eや水蒸気改質器Fではガスの勢いがないため、ワイヤーメッシュに浸透して流れる水が殆どとなる。
したがって、冷却面積も紐状ワイヤーメッシュが管と接触している面積、すなわち紐状ワイヤーメッシュと予熱層を構成する円筒体とが接触している面積(例えば、図5で言えば、紐状ワイヤーメッシュ115と第1円筒体1の外周面及び円筒状隔壁50の内周面とが接触している面積)となる。そこで、水蒸気改質器Fのように紐状ワイヤーメッシュを横断面長方形状にすることによって、管との接触面積が増え、結果的に冷却効果が大きくなったと考えられる。
なお、横断面長方形状とは、紐状ワイヤーメッシュについて、その長手方向に対して直角方向に切断したときの切断面が長方形状であることを意味し、本明細書中、断面長方形状とも称している。この点、横断面円形状についても同様である。
1〜5 第1円筒体〜第5円筒体
6 輻射筒
7 バーナ
8 上蓋兼バーナ取付台
9 第1円筒体1の底板
10 燃焼ガスの流路
14 水及び/又は水蒸気の予熱層
15 螺旋状棒材
16 改質触媒層
20 水及び/又は水蒸気の予熱層
23 CO変成触媒層
31 CO除去触媒層
41 燃焼排ガス導出管
42 水導入管
43 原燃料導入管
44 空気供給管
45 改質ガス導出管
50 円筒状隔壁
60 原燃料の予熱層
70、80、90、100 混合部
F 燃焼室

Claims (22)

  1. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、且つ、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  2. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体及び第3円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、且つ、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  3. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  4. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体及び、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  5. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の上部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、第2円筒体と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  6. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の下部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部との隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、且つ、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、第2円筒体と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  7. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の上部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の上部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に上端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、上部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く下部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の下端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、円筒状隔壁と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置し、且つ、
    (g)CO変成触媒層とCO除去触媒層との間に原燃料の予熱層への原燃料導入部を構成してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  8. (a)同心状に間隔を置いて配置した順次径の大きい第1円筒体、第2円筒体、第3円筒体、第3円筒体の下部に当該第3円筒体の径より大きい径の第4円筒体及び、第4円筒体の下部に下記円筒状隔壁の径より大きい径の第5円筒体からなる複数の円筒体と、第1円筒体の周方向中心部に下端から配置されたバーナとを備え、
    (b)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、下部の隙間に円筒状隔壁を配置して第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間及び円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間との二つの隙間を構成し、
    (c)当該二つの隙間のうち、第1円筒体と円筒状隔壁との間の隙間を水及び/又は水蒸気の予熱層とするとともに、円筒状隔壁と第2円筒体との間の隙間を原燃料の予熱層とし、
    (d)第1円筒体と第2円筒体により周方向に区画された隙間のうち、前記水及び/又は水蒸気の予熱層及び原燃料の予熱層に続く上部の隙間に順次、水及び/又は水蒸気の予熱層で加熱した水蒸気と原燃料の予熱層で加熱した原燃料との混合部及び改質触媒層を備え、
    (e)第2円筒体と第3円筒体により周方向に区画された隙間に第2円筒体の上端で反転させた改質ガスの流路を構成し、
    (f)第2円筒体と第4円筒体との間にCO変成触媒層を配置するとともに、円筒状隔壁と第5円筒体との間にCO除去触媒層を配置し、且つ、
    (g)CO変成触媒層とCO除去触媒層との間に原燃料の予熱層への原燃料導入部を構成してなる
    ことを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  9. 請求項1〜8の何れか1項において、前記第1円筒体の内側に間隔を置いて輻射筒を配置し、前記第1円筒体と当該輻射筒との間隙に前記バーナの燃焼ガスを流通させるようにしてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  10. 請求項1〜8の何れか1項において、前記水及び/又は水蒸気の予熱層が螺旋状流路を有することを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  11. 請求項10において、前記螺旋状流路が前記予熱層を構成する隙間に棒材を螺旋状に配置することで構成した螺旋状流路であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  12. 請求項10において、前記螺旋状流路が、前記予熱層を構成する隙間に、当該隙間幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュを螺旋状に配置することで構成した螺旋状流路であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  13. 請求項12に記載の燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器において、前記予熱層を形成する隙間に螺旋状に配置する当該隙間幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュが、断面円形状または断面長方形状であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  14. 請求項2、4、6又は8において、前記水又は水蒸気を含む水の予熱層を構成する隙間に金属メッシュを配置してなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  15. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部が、前記第1円筒体と前記第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が前記第2円筒体に接するように構成された混合部であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  16. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部が、前記第1円筒体と前記第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が前記第1円筒体に接するように構成された混合部であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  17. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部が、前記第2円筒体のうち、当該混合部が位置する部位を周方向の内側に向けて凹状に構成し、前記第1円筒体と当該凹状部により周方向に区画された隙間幅を当該混合部が位置しない部位の幅よりも狭い流路としてなる混合部であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  18. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部が、前記第1円筒体と前記第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が順次、第1円筒体と第2円筒体に接するように構成された混合部であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  19. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部が、前記第1円筒体と前記第2円筒体により周方向に区画された隙間幅よりも狭い流路で、且つ、当該流路が順次、第2円筒体と第1円筒体に接するように構成された混合部であることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  20. 請求項15〜19の何れか1項において、前記混合部における狭い流路に棒材を螺旋状に配置することで構成した螺旋状流路を有することを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  21. 請求項15〜19の何れか1項において、前記混合部における狭い流路に当該流路幅より大きい直径で且つ弾性を有する紐状に成形したワイヤーメッシュを螺旋状に配置することで構成した螺旋状流路を有することを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
  22. 請求項1〜14の何れか1項において、前記混合部を、当該混合部が位置する部位の隙間をより狭い流路とし、且つ、当該流路を水蒸気と原燃料の合流ガスの流れを曲折させ、前記第1円筒体と前記第2円筒体の二筒に接する構造としてなることを特徴とする燃料電池用多重円筒型水蒸気改質器。
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