JP2010113937A - 高周波誘導加熱用コイル及びその製造方法と自動車用動力伝達部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理の際にコイルの連結部における破断等の不具合が生じないようにするとともに、被熱処理部の形状によらず均一に熱処理を行い得るようにする。
【解決手段】アルミニウムをマスタとして、電気鋳造により高周波誘導加熱用コイル1を成形する。このコイル1は管状部材3を被熱処理部の外形に沿うように、円弧部4、7、直胴部5、拡径部6が形成され、前記被加熱部を均一に加熱し得るようになっている。この各部は電気鋳造により一体となっているので、この管状部材3に熱応力が発生した場合でも、特定の箇所に応力集中が生じることなく、この管状部材3の破断等が生じにくい。
【選択図】図1
【解決手段】アルミニウムをマスタとして、電気鋳造により高周波誘導加熱用コイル1を成形する。このコイル1は管状部材3を被熱処理部の外形に沿うように、円弧部4、7、直胴部5、拡径部6が形成され、前記被加熱部を均一に加熱し得るようになっている。この各部は電気鋳造により一体となっているので、この管状部材3に熱応力が発生した場合でも、特定の箇所に応力集中が生じることなく、この管状部材3の破断等が生じにくい。
【選択図】図1
Description
この発明は、自動車用動力伝達部品の回転軸のように、軸方向位置において異なる外径を有する部材や、軸方向位置において外径が一定の部材に熱処理を施すための高周波誘導加熱用コイルと、その製造方法、及びこの高周波誘導加熱用コイルを用いて熱処理を施した自動車用動力伝達部品に関する。
自動車用動力伝達部品であるハブ輪、ハブ外輪、等速ジョイント等は、鉄鋼等の金属材料から構成され、その材料特性(硬度、靭性、機械強度等)を高めるために、熱処理が行われることが多い。この熱処理方法の一つとして、図5及び6に示す高周波誘導加熱用コイル1を用いた方法がある。この方法は、コイル1を前記構成部品の被熱処理部の外形に沿うように形成し、このコイル1内に、ハブ輪や等速ジョイント等の回転軸2を差込み(図7を参照)、このコイル1に高周波電流を付与してその回転軸2の被熱処理部のみを局所加熱するものである。このようにコイル1を被熱処理部の外形に沿わせることで、この被熱処理部の各部における発熱量がほぼ等しくなって、この被熱処理部の加熱が均一になされる。
このコイル1には銅等からなる金属の管が用いられる。この管内に冷媒を流通させて、高周波電流による自己発熱、及び、被熱処理部からの輻射熱によってコイルが高温になるのを防止している。
一般的に、このコイル1の作製は、図8及び9に示すように、コイル1の第1の円弧部4、直胴部5、拡径部6、第2の円弧部7となる樋状部材9(蓋の無い水路配管部材)をそれぞれ形成し、この各樋状部材9に蓋10を設けて管状とし、これらを連結することによってなされる。この樋状部材9及び蓋10の素材としては通常は銅が用いられ、その連結には銀を主成分とする銀ロウが用いられることが多い。この銀ロウは融点がそれほど高くないため(700〜800℃程度)、ロウ付け作業が簡便である反面、その機械強度が必ずしも高くない。このため、図5及び6中において破線丸印で囲んだ部分のように、樋状部材9同士が角部をもって連結され、コイル1に流れる電流が角部に集中し自己発熱が大きくなる個所においては、銀ロウ部分が破断しやすいという問題がある。
この破断問題を解決すべく、いくつかの手段が考案されている。
第1の手段は、前記銀ロウに代えて銅ロウを使用するものである。この銅ロウは融点が銀ロウに比べて高く(1100℃程度)、また、樋状部材の素材の銅と銅ロウの銅とが一体化し、破断強度を向上し得る。
第1の手段は、前記銀ロウに代えて銅ロウを使用するものである。この銅ロウは融点が銀ロウに比べて高く(1100℃程度)、また、樋状部材の素材の銅と銅ロウの銅とが一体化し、破断強度を向上し得る。
第2の手段は、特許文献1及び2に示すように、コイルの全長を延長して前記被熱処理部の同一箇所近傍を複数回沿わせるようにするものである。例えばこの全長を2倍にするとコイルのインダクタンスが大きくなり、高周波電源の電圧が同じならば電流量は半分となる。このため、コイルの単位長さあたりの発熱量が小さくなって、ロウ材の軟化を防止できる。
特開平7−226292号公報
実開平7−36395号公報
第3の手段は、特許文献3に示すように、円柱状の第1金属素材の周面に溝加工を施し、その溝加工後に、この第1金属素材の外径と同一内径の円筒状の第2金属素材を第1金属素材の表面にロウ付け(銅ロウではない低融点のロウ材によるロウ付け)して前記溝を塞ぎ、さらに、第1及び第2金属素材の周面及び第1金属素材の軸心を研削するものである。この手段で得たコイルは、蓋が被熱処理部と反対側に位置することとなって、この蓋を固定するロウ材が軟化しにくく、その破断強度を向上し得る。
特開平5−36473号公報
前記第1の手段は、銅ロウの融点が高く、ロウ付け作業が難しい。このため、この作業を行うことができる作業者が限定され、その作業コストが増大するという問題がある。
また、前記第2の手段は、コイルの経路が複雑になると、インピーダンス等の電気的整合をとる必要性が生じることがある。このため、既存の高周波電源設備ではその整合が困難なことが多く、新たに設備投資が必要となる問題がある。
さらに、前記第3の手段は、そのコイルが円柱状の第1金属部材をその軸心周りに研削しているので、その軸心の全長に亘って、第1金属部材(コイル)の内径は同一である。このため、自動車用動力伝達部品の回転軸のように、軸方向位置において異なる外径を有する部材の被熱処理部を均一に熱処理するのが難しいという問題がある。
また、前記第2の手段は、コイルの経路が複雑になると、インピーダンス等の電気的整合をとる必要性が生じることがある。このため、既存の高周波電源設備ではその整合が困難なことが多く、新たに設備投資が必要となる問題がある。
さらに、前記第3の手段は、そのコイルが円柱状の第1金属部材をその軸心周りに研削しているので、その軸心の全長に亘って、第1金属部材(コイル)の内径は同一である。このため、自動車用動力伝達部品の回転軸のように、軸方向位置において異なる外径を有する部材の被熱処理部を均一に熱処理するのが難しいという問題がある。
そこで、この発明は、熱処理の際にコイルの連結部における破断等の不具合が生じないようにするとともに、被熱処理部の形状によらず均一に熱処理を行い得るようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、高周波誘導加熱用コイルとして継ぎ目のない管状部材を採用することとした。これにより、この管状部材の特定箇所に電流集中に起因する熱応力集中が生じにくくなり、この管状部材に破断が生じる恐れが大幅に低くなる。また、この管状部材の経路を処理対象物の形状に合わせて適宜設計することによって、任意の形状の被熱処理部において均一に熱処理を行うことができる。
この発明の構成としては、処理対象物の被熱処理部に沿うように成形した管状部材で構成され、この管状部材に高周波電流を付与してその誘導加熱によって前記被熱処理部の熱処理を行う際に用いる高周波誘導加熱用コイルにおいて、前記管状部材を電気鋳造によって一体成形することとした。
この電気鋳造による手法は、マスタと呼ばれる棒状の母材に電気めっきの原理によって金属を析出させ、この析出後にマスタを溶解することにより管状部材(中空部品)を形成するものである。つまり、この管状部材の断面には継ぎ目がないため強度が高く、ロウ付け箇所がないことから熱処理中に被熱処理部からの輻射や自己発熱によって熱応力が生じた場合でも、この管状部材が破断する恐れは非常に低い。
また、前記コイルが、前記被熱処理部が自動車用動力伝達部品の回転軸で、この回転軸はその軸方向位置において異なる外径を有するものであり、そのコイルの管状部材を、この回転軸の外径同一部の周りに略90度の円弧を有する第1の円弧部と、この第1の円弧部に連続し、前記外径同一部の軸方向に沿う直胴部と、この直胴部に連続し、前記回転軸の径変更部に対応して外径方向に沿いつつ拡径する拡径部と、この拡径部に連続し、この拡径部の終端の径で前記回転軸周りに略180度の円弧を有する第2の円弧部とを有するとともに、これらの各部の連続体と左右対称形状の連続体を、前記第2の円弧部で連結した一体成形体とすることができる。
このコイルは、前記回転軸の外径の拡径に伴って、その内径が拡径するように構成されているため、被熱処理部におけるコイルによる磁場がほぼ等しくなる。このため、その被熱処理部の加熱が均一になされる。このコイルの形状は、回転軸の形状に合わせて適宜変更し得るものであって、例えば、「・・−直胴部−拡径部−直胴部−・・」のように同じ構成要素(ここでは直胴部)を複数箇所において使用することもできる。また、前記円弧部の円周角も適宜変更することができる。
あるいは、前記被熱処理部が自動車用動力伝達部品の回転軸で、この回転軸はその軸方向位置において外径が一定のものであり、前記管状部材が、この回転軸の周りに略90度の円弧を有する第1の円弧部と、この第1の円弧部に連続し、前記回転軸の軸方向に沿う直胴部と、この直胴部に連続し、前記回転軸周りに略180度の円弧を有する第2の円弧部とを有するとともに、これらの各部の連続体と左右対称形状の連続体を、前記第2の円弧部で連結した形状の一体成形体とすることもできる。
また、処理対象物の被熱処理部に沿うように成形した管状部材で構成し、この管状部材に高周波電流を付与してその誘導加熱によって前記被熱処理部の熱処理を行う際に用いる高周波誘導加熱用コイルの製造方法において、前記管状部材の全長に亘って形成する通水部の形状に対応して導電性部材を成形する第1工程と、この導電性部材をめっき溶液中に浸漬し、この導電性部材を陰極として通電しその表面に金属を析出させる第2工程と、この析出後に、前記導電性部材を溶解させる第3工程とで構成することができる。
この導電性部材は一体成形してもよいし、成形する管状部材の形状が複雑な場合は、この管状部材の各部分ごとに導電性部材を形成し、この導電性部材同士を導電性接着剤やマスタと同じ材料のネジ等で連結して、電気鋳造用のマスタとすることもできる。このように導電性部材を連結した場合であっても、この管状部材は一体に成形されるため、前記導電性部材自体の継ぎ目が管状部材の強度に悪影響を及ぼすことはない。
また、この金属としては電気鋳造が容易な銅が好ましいが、この電気鋳造を行い得る金属であれば特に制限なく採用し得る。
また、この金属としては電気鋳造が容易な銅が好ましいが、この電気鋳造を行い得る金属であれば特に制限なく採用し得る。
前記製造方法においては、前記導電性部材をアルミニウムとするのが好ましい。
このアルミニウムは酸又はアルカリ溶液のいずれにも溶解するため、電気鋳造後のマスタ溶解工程を容易に行うことができるからである。
このアルミニウムは酸又はアルカリ溶液のいずれにも溶解するため、電気鋳造後のマスタ溶解工程を容易に行うことができるからである。
あるいは、前記導電性部材をワックスの表面に導電体を形成することによって構成してもよい。
このワックスは加熱することによって軟化して成形が容易であるとともに、電気鋳造後に加熱することによって、容易に融解除去することができるからである。
このワックスは加熱することによって軟化して成形が容易であるとともに、電気鋳造後に加熱することによって、容易に融解除去することができるからである。
また、自動車用動力伝達部品においては、その被熱処理部の外形に沿うように形成した上述の高周波誘導加熱用コイルを用いて、所定の焼入れ温度に加熱・保持した後に、急冷することによって焼入れ処理を行うことができる。
このコイルの形状は、前記被熱処理部の形状に沿っているので、その被熱処理部の全体に亘って均一に加熱・保持を行い得る。また、このコイルは、その軸方向にこの自動車用動力伝達部品を自在に抜き差しし得るようになっているので、前記加熱・保持後に直ちにコイル外に取り出すことができる。このため、この自動車用動力伝達部品をコイル外に設けた水槽等の冷却設備に迅速に移すことができ、加熱後に急冷が必要な焼入れ処理を容易かつ確実に行い得る。
また、前記焼入れ処理に引き続いて、この自動車用動力伝達部品を再びコイル内に戻し、所定の焼戻し温度に加熱・保持した後に、所定の冷却速度で冷却することによって焼戻し処理を行うこともできる。
あるいは、この自動車用動力伝達部品を前記コイル内で所定温度に加熱・保持した後に、所定の冷却速度で除冷することによって焼鈍し処理を行うこともできる。
前記コイルは、種々の自動車用動力伝達部品に適用し得るが、特にハブ輪、等速ジョイント、又は、プロペラシャフトの処理に好ましい。
ここに列挙した部品は、いずれも回転軸を有するものであって、その回転軸の強度を高めるために部分的に外径を拡径したものが多い。このような回転軸の熱処理においても、その外径に対応して成形したコイルを用いることによって、被熱処理部の全体に亘って均一な熱処理を行い得る。
ここに列挙した部品は、いずれも回転軸を有するものであって、その回転軸の強度を高めるために部分的に外径を拡径したものが多い。このような回転軸の熱処理においても、その外径に対応して成形したコイルを用いることによって、被熱処理部の全体に亘って均一な熱処理を行い得る。
この発明によると、被熱処理部の外形に沿うように高周波誘導加熱用コイルの管状部材を電気鋳造により一体成形したので、この管状部材の断面位置において継ぎ目がない。このため、熱処理中に被熱処理部からの輻射等を受けて管状部材に熱応力集中が生じにくい。さらに、ロウ付けの必要がないため、ロウ付け部材による自己発熱がなく、これに起因する熱応力集中も回避し得る。このため、この管状部材が破断する恐れは非常に低く、このコイルの長寿命化を図ることができる。
この発明に係る高周波誘導加熱用コイル1を図1乃至3に示す。このコイル1は、処理対象物である自動車用動力伝達部品の回転軸2に沿うように電気鋳造によって成形した管状部材3で構成されている。
この回転軸2は、その軸方向に異なる外径を有するものや、軸方向位置において外径が一定のもの等、種々の形状のものがある。この管状部材3は、軸方向に異なる外径を有する回転軸2に沿うように形成されたものであって、回転軸2の外径同一部2aの周りに略90度の円弧を有する第1の円弧部4と、この第1の円弧部4に連続し、外径同一部2aの軸方向に沿う直胴部5と、この直胴部5に連続し、回転軸2の径変更部2bに対応して外径方向に沿いつつ拡径する拡径部6と、この拡径部6に連続し、この拡径部6の終端の径で回転軸2周りに略90度の円弧を有する第2の円弧部7とを有するとともに、これらの各部の連続体と左右対称形状の連続体を、第2の円弧部7で連結した形状の一体成形体をなす。この管状部材3は銅からなり、電気鋳造によって成形したものであって継ぎ目が存在しない。
このコイル1の製造方法について図4を用いて説明すると、まず、管状部材3の全長に亘って形成する通水部の形状に対応する鋳型を用意し、この鋳型にアルミニウムの溶湯を流し込んで電気鋳造用のマスタ(母材)8を形成する(同図(a)の第1工程)。又は、工作機械を用いたアルミニウム母材の切削加工等により、通水部の形状に合わせて、マスタを作製することもできる。
次に、硫酸銅を主成分とする電気めっき槽に、このマスタ8を陰極、銅を陽極として浸漬し、直流電流を通電して電気めっきを行う(同図(b)の第2工程)。この電気めっきにおいては、めっき槽内の電流密度が高いほどめっき速度は増大する。
例えば、このコイル1のように複雑な立体形状を有するめっき対象物にめっきを行う場合、陽極と陰極(マスタ8)の位置関係によってはめっき槽内で電流密度が不均一となることがある。具体的には、このマスタ8の内径側では電流密度が低くなり、外径側では反対に電流密度が大きくなる。このため、この内径側に比べて外径側でめっき厚が厚めとなる。そこで、電気めっき後にこの外径側のめっきを研削除去して、内径側と外径側の肉厚が均一となるようにしている(同図(c)の第3工程)。
この電気めっき後に、めっきによって形成した管状部材3及びマスタ8を酸性溶液(塩酸、希硝酸等)又はアルカリ性溶液(水酸化ナトリウム等)に浸漬する。そうすると、アルミニウムからなるマスタ8のみが溶解して、銅からなる管状部材3がそのまま残る(同図(d)の第4工程)。
このマスタ8として、室温近傍で硬化する一方で、加熱することによって容易に軟化・溶融するワックスも採用し得る。その場合、マスタ8の素材としてアルミニウムを使用する場合と同様に、管状部材3の全長に亘って形成する通水部の形状に対応する鋳型を用意し、この鋳型に加熱して軟化・溶融したワックスを流し込む。このワックスの硬化後、その表面に導電性ペーストを塗布しこれを電気めっき用のマスタ8となす。
さらに、このコイル1外には、水槽、油槽等の冷却設備(図示せず)を併設することができる。ハブ輪等の自動車用動力伝達部品をこのコイル1内で焼入れ温度に加熱・保持した後、これを直ちにコイル1外に取り出して前記冷却設備で冷却することで焼入れ処理を容易に行い得る。しかも、このコイル1は前記ハブ輪等の外形に沿うように設計されているので、このハブ輪等の被熱処理部が均一に加熱され、均一性の高い高品質な焼入れ部材を得ることができる。
これらの熱処理に用いるコイル1の形状は、当然ながら、図1乃至3に記載したものに限定されない。
この形状は、被熱処理部の形状に適宜合わせて、例えば、「第1の円弧部4−直胴部5−拡径部6−直胴部5−第2の円弧部7」のようにコイル1を構成するとともに、直胴部5の長さ、両円弧部4、7の径も適宜変更することができる。
この形状は、被熱処理部の形状に適宜合わせて、例えば、「第1の円弧部4−直胴部5−拡径部6−直胴部5−第2の円弧部7」のようにコイル1を構成するとともに、直胴部5の長さ、両円弧部4、7の径も適宜変更することができる。
1 高周波誘導加熱用コイル
2 回転軸
2a (回転軸の)外径同一部
2b (回転軸の)径変更部
3 管状部材
4 第1の円弧部
5 直胴部
6 拡径部
7 第2の円弧部
8 導電性部材(マスタ)
2 回転軸
2a (回転軸の)外径同一部
2b (回転軸の)径変更部
3 管状部材
4 第1の円弧部
5 直胴部
6 拡径部
7 第2の円弧部
8 導電性部材(マスタ)
Claims (10)
- 処理対象物の被熱処理部に沿うように成形した管状部材(3)で構成され、この管状部材(3)に高周波電流を付与してその誘導加熱によって前記被熱処理部の熱処理を行う際に用いる高周波誘導加熱用コイルにおいて、前記管状部材(3)を電気鋳造による一体成形としたことを特徴とする高周波誘導加熱用コイル。
- 前記被熱処理部が自動車用動力伝達部品の回転軸(2)で、この回転軸(2)はその軸方向位置において異なる外径を有するものであり、前記管状部材(3)が、この回転軸(2)の外径同一部(2a)の周りに略90度の円弧を有する第1の円弧部(4)と、この第1の円弧部(4)に連続し、前記外径同一部(2a)の軸方向に沿う直胴部(5)と、この直胴部(5)に連続し、前記回転軸(2)の径変更部(2b)に対応して外径方向に沿いつつ拡径する拡径部(6)と、この拡径部(6)に連続し、この拡径部(6)の終端の径で前記回転軸(2)周りに略180度の円弧を有する第2の円弧部(7)とを有するとともに、これらの各部の連続体と左右対称形状の連続体を、前記第2の円弧部(7)で連結した形状の一体成形体であることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱用コイル。
- 前記被熱処理部が自動車用動力伝達部品の回転軸(2)で、この回転軸(2)はその軸方向位置において外径が一定のものであり、前記管状部材(3)が、この回転軸(2)の周りに略90度の円弧を有する第1の円弧部(4)と、この第1の円弧部(4)に連続し、前記回転軸(2)の軸方向に沿う直胴部(5)と、この直胴部(5)に連続し、前記回転軸(2)周りに略180度の円弧を有する第2の円弧部(7)とを有するとともに、これらの各部の連続体と左右対称形状の連続体を、前記第2の円弧部(7)で連結した形状の一体成形体であることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱用コイル。
- 処理対象物の被熱処理部に沿うように成形した管状部材(3)で構成し、この管状部材(3)に高周波電流を付与してその誘導加熱によって前記被熱処理部の熱処理を行う際に用いる高周波誘導加熱用コイルの製造方法において、前記管状部材(3)の全長に亘って形成する通水部の形状に対応して導電性部材(8)を成形する第1工程と、
この導電性部材(8)をめっき溶液中に浸漬し、この導電性部材(8)を陰極として通電しその表面に金属を析出させる第2工程と、
この析出後に、前記導電性部材(8)を溶解させる第3工程とから構成されることを特徴とする高周波誘導加熱用コイルの製造方法。 - 前記導電性部材(8)が、アルミニウムで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波誘導加熱用コイルの製造方法。
- 前記導電性部材(8)が、ワックスの表面に導電体を形成することによって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波誘導加熱用コイルの製造方法。
- 焼入れ処理によって硬度を高めた鉄鋼材料からなる自動車用動力伝達部品であって、
前記自動車用動力伝達部品の被熱処理部の外形に沿うように形成した請求項1乃至3のいずれか一つに記載の高周波誘導加熱用コイル(1)を用い、所定の焼入れ温度に加熱・保持した後に、急冷することによって焼入れ処理を行ったことを特徴とする自動車用動力伝達部品。 - 焼入れ処理後に焼戻し処理を行い、靭性を付与した鉄鋼材料からなる自動車用動力伝達部品であって、前記自動車用動力伝達部品の被熱処理部の外形に沿うように形成した請求項1乃至3のいずれか一つに記載の高周波誘導加熱用コイル(1)を用い、所定の焼入れ温度に加熱・保持した後に、急冷することによって焼入れ処理を行い、引き続いて所定の焼戻し温度に加熱・保持した後に、所定の冷却速度で冷却することによって焼戻し処理を行ったことを特徴とする自動車用動力伝達部品。
- 焼鈍し処理によって加工硬化に伴う内部歪みを除去した鉄鋼材料からなる自動車用動力伝達部品であって、
前記自動車用動力伝達部品の被熱処理部の外形に沿うように形成した請求項1乃至3のいずれか一つに記載の高周波誘導加熱用コイル(1)を用い、所定温度に加熱・保持した後に、所定の冷却速度で除冷することによって焼鈍し処理を行ったことを特徴とする自動車用動力伝達部品。 - 前記自動車用動力伝達部品がハブ輪、等速ジョイント、又は、プロペラシャフトのいずれかである請求項7乃至9のいずれか一つに記載の自動車用動力伝達部品。
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