JP2010112502A - 車両用変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビジーシフトの防止と燃費の向上とを両立させることのできる車両用変速制御装置を提供する。
【解決手段】駆動力源の出力側に連結された変速機の変速比を段階的に変化させることにより駆動力源の回転数を制御し、かつ駆動力源の動作状態を示す指標として予め定めた値が変速比を低下させるアップシフト閾値を超えた場合に変速比を低下させるように構成された車両用変速制御装置において、車両が加速している場合に、アップシフト閾値を、車両が加速していない場合に比較して、変速比を低下させる変速が生じ易い値に相対的に変更する変速促進手段(ステップS3)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の駆動力源に連結された変速機の変速比を変化させて駆動力源の回転数を制御する制御装置に関するものである。
ガソリンエンジンなどの内燃機関を駆動力源とする車両では、必要とする駆動力を得るとともに駆動力源を効率の良い状態で運転するために、変速機によって駆動力源の回転数を適宜に変化させるように構成している。これは、内燃機関と併せてモータを駆動力源に使用したハイブリッド車や、モータを駆動力源とする電気モータにおいても同様である。したがって、変速機の制御すなわち変速制御は、要求されている駆動力を出力でき、かつ燃費などのエネルギ効率が良好な状態で内燃機関あるいはモータが回転するように変速比を設定することにより行われる。
例えば、特許文献1に記載された制御装置は、最少燃費変速段を計算し、その最少燃費変速段での燃料消費量と現在の変速段での燃料消費量とを比較し、その差の絶対値が予め設定してある閾値以下の場合には現在の変速段を維持するが、燃料消費量の差の絶対値が閾値より大きい場合には最少燃費変速段への変速を実行するように構成されている。また、特許文献2に記載された制御装置は、シフトポジションなどに基づいて運転指向を判定し、加速指向であることが判定された場合にはその加速指向に対応する変速線図が選択されて切り換えられるように構成されている。
特開平06−109112号公報 特開平09−242861号公報
特許文献2に記載されている変速線図は、スロットル開度と車速とによって変速段の領域を定めたいわゆるマップであって、スロットル開度と車速とで決まる走行状態がアップシフト線を横切って変化することによりアップシフト制御を実行し、またダウンシフト線を横切って変化することによりダウンシフト制御を実行するように構成されている。したがって、特許文献2に記載された制御装置は、特許文献1に記載された装置と同様に変速比を段階的に変化させるように構成されている。
変速比を段階的に変化させるための閾値、すなわち上記のアップシフト線やダウンシフト線は、要は、変速段を規定するものであるが、これらが互いに重なったり、あるいは接近していると、スロットル開度(あるいはアクセル開度)や車速などの走行状態を決めるパラメータが僅かに変化する都度、アップシフトやダウンシフトが生じ、いわゆるビジーシフトとなって違和感が生じたり、乗り心地が悪化したりする不都合がある。これを避けるために、アップシフト線とダウンシフト線とに差(ヒステリシス)を設け、アップシフトが生じる走行状態とダウンシフトが生じる走行状態とを異ならせている。ビジーシフトを回避するためには、そのヒステリシスを大きくすることになるが、そうすると、車速がある程度速くなるまでアップシフトが遅延させられ、その過程でエンジンなどの駆動力源の回転数が増大し、燃費もしくはエネルギ効率が低い状態が継続する可能性がある。これを防止もしくは抑制するために、前述したヒステリシスを小さくすると、ビジーシフトが生じやすくなり、結局、エネルギ効率の向上とビジーシフトの回避とを両立させることが困難であった。
前述した特許文献1に記載された制御装置では、燃料消費量の差の絶対値が閾値より大きくなるまで現在の変速段を維持するように構成されているが、その閾値を大きくすると、燃料消費量の多い状態が継続する時間が長くなって燃費が悪化し、これとは反対に閾値を小さくすると、燃料消費量の僅かな変化で変速が生じ、いわゆるビジーシフトになる可能性があり、結局、エネルギ効率の向上とビジーシフトの回避とを両立させることが困難である。また、特許文献2に記載された制御装置では、変速線図を運転指向に対応させて切り替えるものの、それぞれの変速線図はアップシフト線とダウンシフト線とにヒステリシスを設定したものであるから、エネルギ効率の向上とビジーシフトの回避とを両立させることが困難である。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、変速比を段階的に変化させて駆動力源の回転数を制御する変速制御装置であって、エネルギ効率の向上とビジーシフトの回避とを両立させることの可能な変速制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源の出力側に連結された変速機の変速比を段階的に変化させることにより前記駆動力源の回転数を制御し、かつ前記駆動力源の動作状態を示す指標として予め定めた値が前記変速比を低下させるアップシフト閾値を超えた場合に前記変速比を低下させるように構成された車両用変速制御装置において、前記車両が加速している場合に、前記アップシフト閾値を、前記車両が加速していない場合に比較して、前記変速比を低下させる変速が生じ易い値に相対的に変更する変速促進手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記指標として予め定めた値は、前記車両の車速であり、かつ前記アップシフト閾値は、前記変速比を低下させるべき車速であり、前記変速促進手段は、前記変速比を低下させるべき車速を、前記車両が加速している場合に相対的に低車速側に変更する手段を含むことを特徴とする車両用変速制御装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記アップシフト閾値をアップシフト線として設定し、かつ前記変速比を増大させるべき車速をダウンシフト線として設定した変速線図を備え、前記変速促進手段は、前記アップシフト線を相対的に低車速側に設定して前記ダウンシフト線との間隔であるヒステリシスを相対的に小さくした他の変速線図に置き換える手段を含むことを特徴とする車両用変速制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記指標として予め定めた値は、所定の変速比における前記駆動力源の回転数に基づいて求まるエネルギ効率と他の変速比における駆動力源の回転数に基づいて求まるエネルギ効率との差であり、かつ前記アップシフト閾値は、前記変速比を低下させるべき前記エネルギ効率の差であり、前記変速促進手段は、前記変速比を低下させるべき前記エネルギ効率の差を、前記車両が加速している場合に、加速していない場合に比較して相対的に小さい値に設定する手段を含むことを特徴とする車両用変速制御装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記駆動力源は、内燃機関を含み、前記エネルギ効率は、燃料消費率を含むことを特徴とする車両用変速制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記変速促進手段は、前記アップシフト閾値と対比される前記指標を増大もしくは減少させることにより、前記アップシフト閾値を前記変速比を低下させる変速が生じ易い値に相対的に変更する手段を含むことを特徴とする車両用変速制御装置である。
請求項1の発明によれば、アップシフトを行うべき判断の基準となる閾値が、車両が加速している状態で、アップシフトが生じ易い値に相対的に変化させられる。ここで、相対的とは、閾値自体を変化させる場合と、請求項6に記載してあるように、閾値と対比される所定の指標、言い換えれば検出された所定の値をアップシフトを生じ易い値に増減する場合とのいずれであってもよいことを意味している。したがって、加速している状態でアップシフトが生じ易くなって駆動力源の回転数が相対的に早期に低下させられるので、変速比を段階的に変化させる変速機であっても、駆動力源をエネルギ効率の低い状態で運転する時間が短くなり、車両全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。また、前記閾値が変化させられるのは車両が加速している状態であり、変速比が増減したり、駆動要求量が大小に変化したりしないので、アップシフトとダウンシフトとが繰り返すビジーシフトを防止もしくは抑制することができる。
請求項2の発明によれば、車速が増大している状態で、アップシフト閾値が低車速側に変更されるので、アップシフトが相対的に早期に生じる。すなわち、駆動力源の回転数が特には増大しない時点でアップシフトが生じて駆動力源の回転数が低下させられるので、駆動力源の回転数が高くなることによるエネルギ効率の低下を防止もしくは抑制でき、あるいはエネルギ効率が相対的に低い状態での走行時間を短くして車両全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、アップシフト閾値の変更を変速線図の置き換えによって行うことができるので、その制御が容易になる。また、その変速線図にダウンシフト線が設けられていて、置き換え後の変速線図におけるアップシフト線とダウンシフト線とのヒステリシスが狭くなっているとしても、その変速線図に置き換えるのは車両が加速している状態であって、車速や駆動要求量が大小に変化していないから、ビジーシフトが生じる可能性が低く、また駆動力源の回転数を相対的に早期に低下させることができるので、車両のエネルギ効率を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、変速比が段階的に変化するために、加速中に変速比が維持されて駆動力源の回転数が次第に増大することにより駆動力源のエネルギ効率が次第に低下するが、そのエネルギ効率とアップシフト後の変速比でのエネルギ効率との差が閾値を超えるとアップシフトが行われ、その閾値が加速中に相対的に小さい値に変更されるので、結局、エネルギ効率の差が閾値を超え易くなり、駆動力源の回転数が特に増大してエネルギ効率が低下する以前にアップシフトが実行される。すなわち、請求項4の発明においても、加速中にアップシフトが早期に実行され、エネルギ効率を向上させることができ、またビジーシフトを防止もしくは抑制することができる。
請求項5の発明によれば、内燃機関を駆動力源として含む車両の燃費を向上させ、またビジーシフトを防止もしくは抑制することができる。
つぎに、この発明を図に示す実施の形態に基づいて具体的に説明する。この発明で対象とする車両は、駆動力源の出力側に変速機が連結され、その変速機によって駆動力源の回転数を制御できるように構成された車両であり、その例を模式的に示せば図5のとおりである。図5において符号1は駆動力源を示し、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関や電気モータ、あるいはこれら内燃機関と電気モータとを組み合わせたものなど、車両に一般的に使用されている適宜の構成のものである。この駆動力源1の出力側に変速機2が連結されていて、その変速機2から出力されたトルクをデファレンシャルギヤ3を介して左右の駆動輪4に伝達するように構成されている。その変速機2は、変速比を段階的に変化させるように構成されており、具体的には遊星歯車機構や複数の変速ギヤ対とクラッチなどの係合機構とを主体として構成された有段変速機、あるいは変速比をステップ的に変化させて設定するように構成された無段変速機などによって構成されている。
その変速機2での変速比を制御するための電子制御装置(ECU)5が設けられている。この電子制御装置5には、マイクロコンピュータを主体として構成されており、変速比を制御するためのデータとして、アクセルペダル5の踏み込み量であるアクセル開度信号Accや、図示しないクルーズコントロールシステムからの要求信号、車速を表す信号Vとして変速機2の出力回転数の信号などが入力されている。そして、電子制御装置5は、入力されたデータと予め記憶している変速線図などのデータとに基づいて、設定するべき変速比を算出し、その変速比を設定するように前記変速機2に対して変速信号を出力するように構成されている。
そして、この発明に係る変速制御装置は、上述した車両を対象として、加速時とそれ以外の通常時とでは異なる変速制御を実行するように構成されている。すなわち、通常時はビジーシフトとならないように変速制御を行い、これに対して加速時にはエネルギ効率を向上させることを主眼として変速制御を行うように構成されている。その制御例を図1に示すフローチャートを参照して説明する。
図1に示す例は、駆動力源1の動作状態を示す指標としてその回転数すなわち車速を採用した例であり、先ず、車両が加速トレンド中か否かが判断される(ステップS1)。加速トレンド中とは、車速が増大している状態であり、特に運転者が継続的に加速を要求していて加速が生じている状態である。この判断は、種々可能であって、例えば車速の変化率として算出された加速度あるいはGセンサ(図示せず)によって検出された加速度が予め設定してある所定値G1以上であること、あるいはそのようにして算出もしくは検出された加速度が所定時間継続的に他の所定値G2以上であること、アクセル開度が所定値P1以上であること、アクセル開度の変化率が所定値以上であることなどによって判断することができる。したがって、ステップS1を実行する機能的手段を加速判定手段と言うことができる。
車両が加速トレンド中ではないことによりステップS1で否定的に判断された場合には、通常の変速制御のために変速線図(変速マップ)が有効とされ(採用され)(ステップS2)、その後、このルーチンを一旦、終了する。そのいわゆる通常時用の変速線図の例を図2(a)に模式的に示してある。変速線図は、前述したように、車速Vもしくはこれに相当する所定の回転部材の回転数を横軸に取り、アクセル開度Accなどの駆動要求量を縦軸に取って変速段の領域を定めたものであり、図2(a)には、アップシフト線(実線)とダウンシフト線(破線)とを1本ずつ示してあるが、複数の変速段を設定するための変速線図であれば、設定可能な変速段の数より「1」だけ少ない数のアップシフト線とダウンシフト線とを備えることになる。
図2の(a)に示す通常時用の変速線図では、アップシフト線を相対的に高車速側に設定し、かつダウンシフト線を相対的に低車速側に設定してあり、これらの変速線の間隔が相対的に大きくなっている。すなわち、通常時用の変速線図では、駆動トルクの過不足が顕著にならない範囲でアップシフト線とダウンシフト線との間のヒステリシスが大きくなっている。したがって、図2の(a)に示すように各変速線を設定してあれば、アクセル開度や車速が大小に僅かに変化して、アクセル開度Accなどの駆動要求量と車速Vなどの所定の回転部材の回転数とで決まる走行状態がアップシフト線やダウンシフト線を横切って変化することにはならないので、アップシフトやダウンシフトが頻繁に生じるビジーシフトを回避もしくは防止できる。
一方、車両が加速トレンド中にあることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、加速トレンド用変速線図に切り替えて変速制御が実行される(ステップS3)。すなわち、図2の(b)に示す変速線図(変速マップ)が採用される。この図2の(b)に示す変速線図は、図2の(a)に示す変速線図におけるアップシフト線を低車速側に移動させて設定したものであり、図2の(a)のアップシフト線の位置を鎖線で示してある。したがって車両が加速していてその動作状態の変化が単調であることにより、アップシフト線が低車速側に変更されることになり、その結果、アップシフトが生じやすくなる。そのため、変速前の低速側変速比が維持されて駆動力源1の回転数が車速の増大によって高くなるとしても、相対的に低い回転数でアップシフトが生じ、駆動力源の回転数が低く抑えられ、燃費の悪化が防止もしくは抑制される。
その状況を、アップシフト線を変更しない場合と比較して説明すると、図3において実線は加速トレンド用変速線図に従って変速制御を行った場合を示し、破線は通常時用の変速線図に従って変速制御を行った場合を示しており、この発明に係る変速制御装置によれば、低速段で加速している際にアップシフト線が低速側に変更されるので、t1時点にアップシフトの判断が成立し、その直後に変速比が低下するアップシフトが生じて駆動力源の回転数(エンジン回転数)が、高速段(高速側変速比)での回転数に低下する。また、それに伴って燃料消費量が低下する。
これに対して、アップシフト線を変更しないとすれば、すなわち通常時の変速線図に従った変速制御を行うとすれば、アップシフト線が相対的に高車速側に設定されているので、低速段で加速している場合、車速あるいはエンジン回転数がある程度増大するまでアップシフトの判断の成立が遅延し、車速あるいはエンジン回転数が増大したt2時点にアップシフトの判断が成立することになる。そして、その直後にアップシフトが生じるが、その時点にはエンジン回転数が高くなっており、また燃料消費量が多くなっている。すなわち、変速線図をアップシフトが生じ易いものに変更しないとすれば、エネルギ効率の悪い運転時間が相対的に長くなり、内燃機関を動力源とする車両は燃費が悪くなる。言い換えれば、この発明に係る変速制御装置によれば、エネルギ効率を向上させることができ、あるいは燃費を向上させることができる。
なお、図2の(b)に示すように、アップシフト線を相対的に低車速側に設定すると、ダウンシフト線との間隔として示されるヒステリシスが小さくなる。しかしながら、この変速線図を採用もしくは有効にするのは、車両が加速トレンド中であってその挙動の変化が単調な場合であるから、車両の動作状態がダウンシフト線を横切るように変化したり、その後に再度アップシフト線を横切るように変化したりすることがなく、したがってビジーシフトになることを回避もしくは防止することができる。また、加速が終了すれば、図2の(a)に示す通常時用の変速線図が採用され、アップシフト線が元の相対的に高車速側に戻されるので、加速終了後にビジーシフトが生じることはない。アップシフト線を元に戻しても、車両の動作状態がダウンシフト線を横切るように変化することにはならないので、変速が生じないことは言うまでもない。結局、上記のように構成されたこの発明に係る変速制御装置によれば、ビジーシフトの防止とエネルギ効率の向上とを両立させることができる。
ところで、この発明に係る変速制御装置は、アップシフトの判断を成立させる閾値を、加速トレンド中に、アップシフトが生じやすいように変更するように構成された発明であり、上述した具体例は、車速あるいは駆動力源の回転数の判断閾値を低速側に変更する例である。アップシフトの判断に使用できる指標は車速や駆動力源回転数以外にもあり、例えば前述した特許文献1に記載されているように変速前後の燃料消費量もしくはその差によってアップシフトを判断することができるので、この発明の変速制御装置ではその燃料消費量の差を判断する閾値を変更するように構成してもよい。その例を以下に説明する。
図4はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、加速トレンド中か否かが判断される(ステップS11)。これは、前述した図1に示すステップS1の判断と同様にして行うことができる。このステップS11で否定的に判断された場合、すなわち加速トレンド中ではなく、車両の挙動の変化が単調ではない場合、燃費閾値Kiが通常時用の所定値K1に設定される(ステップS12)。これとは反対に加速トレンド中であることによりステップS11で肯定的に判断された場合には、燃費閾値Kiが加速トレンド用所定値K2に設定される(ステップS13)。そして、この加速トレンド用所定値K2は、通常時に採用される所定値K1より小さい値である。
ここで、燃費閾値Kiについて説明すると、これは、アップシフトの判断を行うためのものである。すなわち、変速比を段階的(ステップ的)に変化させる場合、アップシフト前のいわゆる低速段で加速を行っていると、車速の増大に伴ってエンジンなどの駆動力源の回転数が次第に増大し、そのエネルギ効率あるいは燃費が次第に悪化する。これに対してアップシフトが実行されると変速比の低下に伴って駆動力源の回転数が低下するので、エネルギ効率あるいは燃費が良くなる。そこで、アップシフト前のエネルギ効率あるいは燃料消費量とアップシフト後のエネルギ効率あるいは燃料消費量との差を判断する燃費閾値を設け、燃料消費量の差がその燃費閾値を超えた場合、すなわち低速段で加速している状態での燃料消費量がある程度増大した場合に、アップシフトを行う。こうすることにより、アップシフトする走行状態とダウンシフトする走行状態とにヒステリシスを設けることができる。
この発明に係る変速制御装置では、図4に示すように、加速トレンド中ではそれ以外の場合に比較して、その燃費閾値Kiを相対的に小さい値に変更して設定する。各変速段の変速比あるいはアップシフト点は、駆動力源の動力性能が良く、エネルギ効率が高くなる値に設定してあるから、所定の変速比を維持して加速していくとエネルギ効率が次第に低下する。したがって、燃費閾値Kiを加速トレンド中に小さい値K2に変更すると、車速や動力源回転数の増大量が小さい状態でアップシフトの判断が成立する。すなわち、アップシフトが生じやすくなる。これは、前述したアップシフト線を低速側に変更する制御と同様であるから、図4に示す制御を実行するように構成した場合であっても、エネルギ効率あるいは燃費を向上させることができる。また、燃費閾値Kiを変更するのは、加速トレンド中であって、車両の走行状態もしくは挙動の変化が単調な場合に限られるので、ビジーシフトを防止もしくは回避できる。
なお、上述した各具体例では、アップシフト線を低速側に変更し、あるいは燃費閾値を小さい値に変更することとしたが、この発明はこれらの指標を用いて行うアップシフトの判断が成立し易くすればよく、言い換えれば、低速側あるいは低回転数側で生じるようにすればよいのであり、したがってアップシフト線や燃費閾値などのいわゆるアップシフト閾値を変更する替わりに、これと比較される車速や燃料消費量の差もしくは燃料消費量あるいは燃料消費率などの指標に係数を掛け、もしくは加算してアップシフトの判断に使用するように構成してもよい。すなわち、この発明は、アップシフト閾値を「相対的に」変更するものであればよい。
ここで、上述した各具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、加速のためにアクセルペダルを踏み込んだ状態での車速およびアップシフトの前後での燃料消費量の差がこの発明における指標に相当し、図1に示すステップS3の機能的手段および図4に示すステップS13の機能的手段が、この発明における変速促進手段に相当する。
この発明に係る変速制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 通常時に採用する変速線図におけるアップシフト線とダウンシフト線との例および加速トレンド用変速線図におけるアップシフト線とダウンシフト線との例を示す模式図である。 加速トレンド用変速線図に従うアップシフトと通常時用の変速線図に従うアップシフトを行った場合のエンジン回転数および変速判断時点ならびに燃料消費量の変化を示す模式的なタイムチャートである。 この発明に係る変速制御装置で実行される制御の他の例を説明するためのフローチャートである。 この発明で対象とする車両の駆動系統および制御系統を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1…エンジン 2…変速機、 5…電子制御装置(ECU)、 6…アクセルペダル。

Claims (6)

  1. 駆動力源の出力側に連結された変速機の変速比を段階的に変化させることにより前記駆動力源の回転数を制御し、かつ前記駆動力源の動作状態を示す指標として予め定めた値が前記変速比を低下させるアップシフト閾値を超えた場合に前記変速比を低下させるように構成された車両用変速制御装置において、
    前記車両が加速している場合に、前記アップシフト閾値を、前記車両が加速していない場合に比較して、前記変速比を低下させる変速が生じ易い値に相対的に変更する変速促進手段を備えていることを特徴とする車両用変速制御装置。
  2. 前記指標として予め定めた値は、前記車両の車速であり、かつ前記アップシフト閾値は、前記変速比を低下させるべき車速であり、
    前記変速促進手段は、前記変速比を低下させるべき車速を、前記車両が加速している場合に相対的に低車速側に変更する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用変速制御装置。
  3. 前記アップシフト閾値をアップシフト線として設定し、かつ前記変速比を増大させるべき車速をダウンシフト線として設定した変速線図を備え、
    前記変速促進手段は、前記アップシフト線を相対的に低車速側に設定して前記ダウンシフト線との間隔であるヒステリシスを相対的に小さくした他の変速線図に置き換える手段を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用変速制御装置。
  4. 前記指標として予め定めた値は、所定の変速比における前記駆動力源の回転数に基づいて求まるエネルギ効率と他の変速比における駆動力源の回転数に基づいて求まるエネルギ効率との差であり、かつ前記アップシフト閾値は、前記変速比を低下させるべき前記エネルギ効率の差であり、
    前記変速促進手段は、前記変速比を低下させるべき前記エネルギ効率の差を、前記車両が加速している場合に、加速していない場合に比較して相対的に小さい値に設定する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用変速制御装置。
  5. 前記駆動力源は、内燃機関を含み、
    前記エネルギ効率は、燃料消費率を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用変速制御装置。
  6. 前記変速促進手段は、前記アップシフト閾値と対比される前記指標を増大もしくは減少させることにより、前記アップシフト閾値を前記変速比を低下させる変速が生じ易い値に相対的に変更する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用変速制御装置。
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