JP2010112236A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱装置(蓄熱タンク)を備えた冷却装置において、蓄熱装置の熱放出機能及び蓄熱装置への熱回収機能を簡単な構成で達成する。
【解決手段】放熱時(温水供給時)には、蓄熱タンク8の冷却水出口8b側に設けた蓄熱サーモスタット(第2バルブ)9を開弁状態とし、ヒータ回路102に設けたデバイスリリーフバルブ7が開かないように、ウォータポンプ2の吐出流量を制御することにより、蓄熱タンク8に貯蔵されている高温の冷却水をエンジン1に供給する。また、熱回収時(温水回収時)には、蓄熱リリーフバルブ(第3バルブ)10が開弁状態となるようにウォータポンプ2の吐出流量を制御することによって、エンジン1で加熱された冷却水の一部を蓄熱タンク8内に回収する。このような制御つまり1台のウォータポンプの吐出制御のみによって温水供給及び温水回収を可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両などに搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)の冷却水を保温状態で貯蔵する蓄熱装置(蓄熱タンク)を備えた内燃機関の冷却装置に関する。
車両に搭載される水冷式エンジンでは、エンジンに冷却水通路としてウォータジャケットを設け、冷却水をウォータポンプによりウォータジャケットを経由して循環させることで、エンジン全体を均一に冷却するようにしている。ところが、エンジンを冷間始動するときには、低温の冷却水がエンジンのウォータジャケットを循環することとなり、エンジンを早期に暖機することができない。この場合、エンジンの吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなるため、燃料が霧化し難くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが発生する可能性がある。また、冷間始動時には、潤滑油の温度が低くて粘性が高いため、シリンダとピストンとの間のような摺動部分におけるフリクション損失が高くなる場合もある。
このような点を解消する技術として、エンジン運転中に暖められた冷却水(高温水)の一部を蓄熱タンクに保温した状態で貯蔵しておき、この蓄熱タンクに貯蔵した高温水を利用して、次回のエンジン始動の際にエンジンを暖める方式の冷却装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の冷却装置では、冷却水をエンジン及びヒータコアを経由して循環させる冷却回路と、エンジンにより駆動されて冷却水を循環する機械式ウォータポンプと、エンジンの冷却水出口とヒータコアの冷却水入口との間に接続された蓄熱タンクと、エンジンの冷却水出口と蓄熱タンクの冷却水入口との間に接続された制御バルブ(3方弁)とを備え、放熱(蓄熱タンクからの温水供給)及び熱回収(蓄熱タンクへの温水回収)の要求に応じて、上記制御バルブ(3方弁)を制御して冷却水回路を切り替えている。
特開平10−71838号公報 特開平10−77839号公報
ところで、特許文献1に記載の冷却装置では、ウォータポンプがエンジン回転数に依存するため、上記した冷却水回路を切り替えるための専用の制御バルブが必要である。この制御バルブ(3方弁)は、サーボモータ等のアクチュエータによって弁体を回転駆動するロータリ式のバルブであるので製品コストが高くつく。また、蓄熱タンクの冷却水下流側にバルブ制御専用の水温センサを設けて制御バルブの切替制御を行う必要がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、車両などに搭載される内燃機関にて加熱された冷却水を保温状態で貯蔵する蓄熱装置が組み込まれた冷却装置において、蓄熱装置の熱放出機能及び蓄熱装置への熱回収機能を簡単な構成で達成することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関にて加熱された冷却水の一部を保温状態で貯蔵する蓄熱装置(蓄熱タンク)が組み込まれた冷却装置であって、冷却水を前記内燃機関及び熱交換器(例えばヒータなど)を経由して循環させる第1冷却水回路と、冷却水を前記内燃機関及び前記蓄熱装置を経由して循環させる第2冷却水回路と、ウォータポンプとを備えた内燃機関の冷却装置を前提とし、このような冷却装置において、前記熱交換器の冷却水出口と前記蓄熱装置の冷却水出口とが前記内燃機関の冷却水入口に連通しており、前記第1冷却水回路と前記第2冷却水回路との冷却水循環に、内燃機関の回転数に依存せずに吐出流量が可変なウォータポンプが併用されている。さらに、前記熱交換器の冷却水入口側または冷却水出口側に設けられ、前記ウォータポンプの吐出流量(吐出圧)に応じて作動する第1バルブ(例えばデバイスリリーフバルブ)と、前記蓄熱装置の冷却水出口側または蓄熱装置の内部に設けられ、冷却水の水温に応じて作動する第2バルブ(例えば蓄熱サーモスタット)とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、制御バルブ(3方弁)などを用いることなく、1台のウォータポンプの吐出制御によって、蓄熱装置から内燃機関への熱放出(以下、温水供給ともいう)及び内燃機関から蓄熱装置への熱回収(以下、温水回収ともいう)が可能になるので、温水供給及び温水回収機能を簡単な構成で実現することができる。その具体的な構成について以下に説明する。
まず、本発明において、温水供給時には、第2バルブを開弁状態とし、第1バルブが閉弁状態となるようにウォータポンプの吐出流量を制御する。具体的には、第1バルブがリリーフバルブであって、温水供給時には、ポンプ吐出圧によってリリーフバルブが開かないようにウォータポンプを制御することで、蓄熱装置に貯蔵されている高温の冷却水(以下、高温水ともいう)を第2バルブを通じて内燃機関側に供給する。このような制御により、ウォータポンプの吐出制御のみで蓄熱装置から内燃機関に高温水を供給することができる。しかも、温水供給時(機関始動時)に第1バルブを閉弁状態にすることで、熱交換器(ヒータなど)への冷却水の流入を遮断できるので、蓄熱装置に貯蔵した高温水を内燃機関の暖機のみに有効に使用することができる。これによって、温水供給による内燃機関の暖機を促進することができ、燃費及び排気エミッションの改善を図ることができる。
本発明において、蓄熱装置の放熱後に第2バルブを閉弁状態にするとともに、ウォータポンプを停止する。このような制御により、放熱時において内燃機関に供給した高温水と蓄熱装置に回収した低温水とが混合することを抑制できる。また、この場合、第2バルブの冷却水温度に対する閉弁の応答性を考慮し、内燃機関から蓄熱装置に回収した低温水が内燃機関側に流入しないタイミング(第2バルブが完全に閉弁する前のタイミング)でウォータポンプを停止すると、内燃機関に供給した高温水に低温水が混ざることがなくなるので、内燃機関運転による暖機をより効果的に促進することができる。なお、このような温水回収後に内燃機関の暖機を開始する際には、一旦停止していたウォータポンプを機関運転に応じて作動する。
本発明において、蓄熱装置の放熱後には、第1バルブが開弁状態となるようにウォータポンプの吐出流量を制御する。このような制御により、温水供給による暖機後のヒータ性能の確保などをウォータポンプの吐出制御のみで実現することができる。
本発明の更に具体的な構成として、蓄熱装置の冷却水出口側に第2バルブ(例えばサーモスタット)を設け、蓄熱装置の放熱時(温水供給時)に、第2バルブを開弁状態とし、第1バルブが閉弁状態となるように(例えばリリーフバルブが開かないように)、前記ウォータポンプの吐出流量を制御する。また、蓄熱装置の冷却水出口側の第2冷却水回路内の冷却水温度が高温になったときに、第2バルブを閉弁状態にするとともにウォータポンプを停止するという構成を挙げることができる。
この構成においても、ウォータポンプの吐出制御のみで蓄熱装置から内燃機関に高温水を供給することができる。しかも、このような蓄熱装置の放熱時において内燃機関に供給した高温水と蓄熱装置に回収した低温水とが混合することを抑制できる。
また、他の具体的な構成として、蓄熱装置の内部に第2バルブ(例えばサーモスタット)を設け、蓄熱装置の放熱時(温水供給時)に、第2バルブを開弁状態とし、第1バルブが閉弁状態となるように(例えばリリーフバルブが開かないように)、ウォータポンプの吐出流量を制御する。また、蓄熱装置内の冷却水温度が低温になったときに、第2バルブを閉弁状態にするとともにウォータポンプを停止するという構成を挙げることができる。
この構成においても、ウォータポンプの吐出制御のみで蓄熱装置から内燃機関に高温水を供給することができる。しかも、このような蓄熱装置の放熱時において内燃機関に供給した高温水と蓄熱装置に回収した低温水とが混合することを抑制できる。
また、他の具体的な構成として、冷却水圧力によって作動する第3バルブ(例えば蓄熱リリーフバルブ)を第2バルブに対して並列に設け、蓄熱装置への熱回収時には、内燃機関の運転中に第3バルブが開弁状態となるようにウォータポンプの吐出流量を制御することにより、内燃機関で加熱された冷却水の一部を蓄熱装置内に回収するという構成を挙げることができる。
この構成によれば、蓄熱装置への高温水の回収をウォータポンプの吐出制御のみで実現することができる。また、例えば、暖機前に内燃機関が停止した場合であっても、ウォータポンプの吐出制御により内燃機関側の比較的高温の冷却水を蓄熱装置内に回収することが可能になる。
この場合、第2冷却水回路(蓄熱回路)に設ける第2バルブとして、弁体を閉じ側に押圧する圧縮コイルばねを有するサーモスタットを用い、それら弁体及び圧縮コイルばねを利用してリリーフバルブを構成すれば、当該第2バルブに前記第3バルブの機能をもたせることができるので、第3バルブを省略することが可能になる。
また、本発明において、蓄熱装置への熱回収時の冷却水の温度を記憶する水温記憶手段を設け、その水温記憶手段に記憶された冷却水温度と、内燃機関運転時の現在の冷却水温度とを比較し、現在の冷却水温度が前回記憶の冷却水温度以上であるときに前記熱回収を実行する。このような構成を採用すれば、内燃機関の運転中(イグニッションオンからイグニッションオフまでの間)において冷却水温が最も高い状態の高温水を蓄熱装置内に回収することができる。これによって、次回運転時の燃費及び排気エミッションを更に改善することができる。
また、本発明において、蓄熱装置への熱回収を複数回に分けて実行してもよい。このような回収方法を採用すると、熱回収時(温水回収時)に、第1冷却水回路(冷却水を内燃機関及びヒータなどの熱交換器を経由して循環させる回路)内の冷却水温度が低下することを抑制することができる。これによって、燃費の改善を図ることができ、ヒータ機能の低下などを抑制することができる。
なお、蓄熱装置への熱回収(温水回収)を複数回に分けて実行する場合、蓄熱装置への熱回収回数に応じて熱回収時間を可変とする。例えば、内燃機関の運転停止(イグニッションオフ)したときに、その運転停止時までに、熱回収が実行された回数に応じて、熱回収が実行された回数が多いほど、熱回収時間を短く設定する。また、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は本発明の冷却装置の一例を示す概略構成図である。
この例の冷却装置は、エンジン1が搭載された車両に適用される冷却装置であって、電動ウォータポンプ2、ラジエータ3、エンジンサーモスタット4、ヒータ5、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ6、デバイスリリーフバルブ7、蓄熱タンク8、蓄熱サーモスタット9、蓄熱リリーフバルブ10、及び、これら機器に冷却水を循環する冷却水回路100などを備えている。
冷却水回路100は、冷却水(例えばLLC:Long Life Coolant)を、エンジン1、ラジエータ3及びエンジンサーモスタット4を経由して循環させるラジエータ回路101と、冷却水を、エンジン1、ヒータ5、EGRクーラ6、デバイスリリーフバルブ7及びエンジンサーモスタット7を経由して循環させるヒータ回路102と、冷却水を、エンジン1、蓄熱タンク8及び蓄熱サーモスタット9を経由して循環させる蓄熱回路103とを備えている。そして、この例では、これらラジエータ回路101と、ヒータ回路102と、蓄熱回路103との冷却水循環に、1台の電動ウォータポンプ2を併用している。
電動ウォータポンプ2は、電動機の回転数を制御することにより吐出流量(吐出圧)を可変に設定することが可能なウォータポンプであって、吐出口がエンジン1の冷却水入口(ウォータジャケットの入口)1aに連通するように配設されている。
エンジンサーモスタット4は、例えば感熱部のサーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であって、冷却水温が比較的低い場合(冷間時)は、エンジン1とラジエータ3との間の冷却水通路を遮断してラジエータ3(ラジエータ回路101)に冷却水を流さないことで、エンジン1の暖機運転の早期完了を図るようになっている。一方、エンジン1の暖機完了後、すなわち冷却水温度が比較的高い場合には、その冷却水温に応じてエンジンサーモスタット4が作動(開弁)してラジエータ3に冷却水の一部が流れることにより、冷却水が回収した熱がラジエータ3から大気に放出される。
ヒータ回路102には、エンジン1からの冷却水をヒータ5及びEGRクーラ6に供給する冷却水供給管121と、ヒータ5及びEGRクーラ6を通過した冷却水をエンジン1側に戻す冷却水還流管122とが形成されている。冷却水供給管121はエンジン1の冷却水出口1bに接続されている。冷却水還流管122は電動ウォータポンプ2の吸込口2aに接続されており、ヒータ5及びEGRクーラ6の冷却水出口(熱交換器の冷却水出口)が、冷却水還流管122及び電動ウォータポンプ2を介してエンジン1の冷却水入口1aに接続されている。冷却水還流管122にはデバイスリリーフバルブ7及びエンジンサーモスタット4が上流側(冷却水流れの上流側)から順に配置されている。
ヒータ5は、冷却水の熱を利用して車室内を暖房するためのものであって、エアコンディショナの送風ダクトに臨んで配置されている。つまり、車室内の暖房時には送風ダクト内を流れる空調風をヒータ5に通過させて温風として車室内に供給する一方、それ以外(例えば冷房時)では空調風がヒータ5をバイパスするようになっている。
EGRクーラ6は、エンジン1の排気通路を流れる排気ガスの一部を吸気通路に還流させるEGR通路に配置され、このEGR通路を通過(還流)するEGRガスを冷却するための熱交換器である。
デバイスリリーフバルブ7は、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pw[kPa]が設定値αよりも小さい(Pw<α)ときに閉じ、ポンプ吐出圧Pwが設定値α以上(α≦Pw)であるときに開く。デバイスリリーフバルブ7が閉じているときには、EGRクーラ6とエンジンサーモスタット4との間の冷却水通路(冷却水還流管122)は遮断される。ポンプ吐出圧Pwに対して設定する設定値αは、例えば、通常走行時における電動ウォータポンプ2の吐出流量(ウォータポンプ吐出圧)の使用範囲を考慮し、ポンプ吐出圧Pwが通常走行使用範囲以下の圧力ではデバイスリリーフバルブ7が開かないような値を適合して設定する。
蓄熱タンク8は、エンジン1にて加熱された冷却水を保温状態で貯蔵する断熱構造のタンクである。蓄熱タンク8内には、タンク下部から上部近傍まで延びる内管81が設けられており、その内管81の上端開口が冷却水出口8bとなっている。また、蓄熱タンク8の底壁に冷却水入口8aが設けられている。蓄熱タンク8の冷却水入口8aには冷却水導入管131の一端が接続されている。この冷却水導入管131の他端は、ヒータ5の上流側(冷却水流れの上流側)の冷却水供給管121に接続されている。
蓄熱タンク8の内管81には冷却水導出管132の一端が接続されており、蓄熱タンク8の冷却水出口8bと冷却水導出管132とが連通している。冷却水導出管132の他端は電動ウォータポンプ2の冷却水入口2aに連通しており、この冷却水導出管132及び電動ウォータポンプ2を介して蓄熱タンク8の冷却水出口8bがエンジン1の冷却水入口1aに接続されている。また、冷却水導出管132には蓄熱サーモスタット9が設けられており、この蓄熱サーモスタット9をバイパスするバイパス管133に蓄熱リリーフバルブ10が設けられている。
蓄熱サーモスタット9は、例えば感熱部のサーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であって、冷却水温Thw[℃]が設定値Aよりも低い(Thw<A)ときには開いており、冷却水温Thwが設定値A以上[A≦Thw]であるときに閉じる。この冷却水温Twhに対して設定する設定値Aは、エンジンサーモスタット4の作動温度(設定値B:例えば82℃)よりも低い温度(A<B)であって、暖機過程において循環される冷却水が蓄熱サーモスタット9の感熱部93に接触しても、その冷却水の水温では蓄熱サーモスタット9が開かないような値を適合して設定する。
なお、蓄熱サーモスタット9は、サーモワックスの膨張・収縮によって作動する弁装置であるので応答遅れが存在する。このため、蓄熱サーモスタット9は、冷却水温Thwが設定値A以上となった時点で直ぐに全閉となるのではなく、感熱部に接触する冷却水の冷却水温Thwが設定値A以上となった時点から完全に閉じるまでに遅延時間が存在する。
蓄熱サーモスタット8と並列に配置された蓄熱リリーフバルブ10は、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが上記した設定値βよりも小さい(Pw<β)ときには閉じており、ポンプ吐出圧Pwが設定値β以上(β≦Pw)であるときに開く。蓄熱リリーフバルブ10が開いたときには、蓄熱タンク8の冷却水出口8bと電動ウォータポンプ2の吸込口2aとがバイパス管133を通じて連通する。ポンプ吐出圧Pwに対して設定する設定値βは、例えば、通常走行時における電動ウォータポンプ2の吐出流量(吐出圧)の使用範囲の上限を考慮し、通常走行時のポンプ吐出流量(吐出圧)では蓄熱リリーフバルブ10が開かず、電動ウォータポンプ2を最大吐出流量(吐出圧)で作動したときに、蓄熱リリーフバルブ10が開くような値を適合して設定する。
以上の冷却装置において、電動ウォータポンプ2の作動はECU(Electronic Control Unit)200によって制御される。このECU100により実行されるプログラムによって本発明の冷却装置の制御が実現される。
−ECU−
ECU200は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、エンジン1のウォータジャケットを流れる冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ11などのエンジン1の運転状態を検出する各種センサが接続されている。また、ECU200には、エンジン始動用のイグニッションスイッチ12が接続されている。
そして、ECU200は、エンジン運転状態を検出する各種センサの出力信号に基づいてエンジン1のスロットルバルブの開度制御、点火時期制御、燃料噴射量制御(インジェクタの開閉制御)などを含むエンジン1の各種制御を実行する。また、ECU200は、上記した冷却装置の冷却水循環制御を実行する。その制御の一例を図2のフローチャートを参照して説明する。図2の制御ルーチンはECU200において実行される。
この制御ルーチンはイグニッションスイッチ12がオン操作された時点(IG−ON)で開始される。循環水制御ルーチンが開始されると、ステップST101において、電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。
この電動ウォータポンプ2の作動時(エンジン始動時)において蓄熱サーモスタット9に接触している冷却水の温度は低い(Thw<A)ので蓄熱サーモスタット9は開いた状態となっている。この状態で電動ウォータポンプ2を微小流量で作動すると、図3(a)に示すように、エンジン1からの冷却水(低温水)が冷却水導入管131を通じて蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)が、冷却水出口8bを通じて冷却水導出管132に流出し、蓄熱サーモスタット9を通過した後にエンジン1内部のウォータジャケットに供給される。
次に、ステップST102において、電動ウォータポンプ2の作動を開始した時点から一定時間taが経過した否かを判定し、その判定結果が肯定判定になった時点で電動ウォータポンプ2を停止する(ステップST103)。
ここで、電動ウォータポンプ2を作動する時間ta(一定時間)は、エンジン1内に存在していた低温水が、蓄熱タンク8からの高温水に交換されるまでの時間であり、電動ウォータポンプ2による循環によりエンジン1に低温水が再び戻ってこないような時間とする。具体的には、蓄熱サーモスタット9が開状態から閉状態になるまでの応答時間が長いため、その応答遅れ(タイムラグ)と蓄熱タンク8の容積(蓄熱回路103の配管系の容積も含む)とを考慮し、蓄熱タンク8からの高温水が蓄熱サーモスタット9内に存在するタイミング(例えば、図3(a)のX位置まで高温水が存在し、蓄熱タンク8を通過した低温水が蓄熱サーモスタット9に到達しないタイミング)で蓄熱サーモスタット9の閉鎖が完了するように電動ウォータポンプ2の作動時間taを設定して、電動ウォータポンプ2を蓄熱サーモスタット9が完全に閉じる前のタイミングで停止する。
そして、蓄熱サーモスタット9の応答が完了し、蓄熱サーモスタット9が閉弁状態となった時点(ステップST104が肯定判定となった時点)でステップST105に進む。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。また、上記したタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と、蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
次に、以上の温水供給が完了した後、ステップST105において、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量(ポンプ吐出圧Pw≧α)となるように制御する。この電動ウォータポンプ2の制御によってデバイスリリーフバルブ7が作動(開弁)する。ここで、温水供給が完了した時点では冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット9も閉弁状態であるので、図3(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水循環回路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が加熱されて冷却水温が上昇する。
このようなエンジン運転による暖機中には、電動ウォータポンプ2の吸込口2aと蓄熱タンク8の冷却水出口8bとの間の冷却水通路(冷却水導出管132)が蓄熱サーモスタット9によって遮断されているので(バイパス管133も蓄熱リリーフバルブ10にて遮断)、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、エンジン運転による暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
そして、この暖機過程において、イグニッションスイッチ12がオフ操作(IG−OFF)されたか否かを判定し(ステップST106)、その判定結果が肯定判定である場合はステップST114に進む。ステップST106の判定結果が否定判定である場合はステップST107に進む。
ステップST107では暖機が完了した否かを判定する。具体的には、水温センサ11の出力信号から得られる冷却水温Thwが、エンジンサーモスタット4が作動(開弁)する直前の温度(例えば82℃の直前の温度)に達しているか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合は、エンジン運転による暖機が完了したと判断してステップST108に進む。ステップST107の判定結果が否定判定である場合はステップST105に戻る。
ここで、暖機が完了したと判断した後に、冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度以上(B≦Thw)になると通常走行状態に移行する。この通常走行時においては、図4(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ回路101が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。なお、通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。
次に、ステップST108において、後述する温水回収回数nが設定回数Nよりも小さい(n<N)か否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合はステップST109に進む。ステップST108の判定結果が否定判定である場合はステップST113に進む。
ステップST109では、前回の温水回収後に冷却水温Thwが安定した否かを判定する。具体的には、前回の温水回収完了時点(電動ウォータポンプ2を停止した時点)から一定の時間が経過するまで待機し、その待機時間tbが経過した時点で、冷却水温Thwが安定したと判定してステップST110に進む。
ステップST110では、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動により、蓄熱リリーフバルブ10が開弁して、図4(b)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[蓄熱タンク8]→[蓄熱リリーフバルブ10]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102に蓄熱回路103が並列接続されるので、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がエンジン1から蓄熱タンク8に供給されて蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、このような温水回収時において、冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(設定値B:例えば82℃)以上である状況のときには、図4(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
次に、ステップST111において、温水回収を開始した時点から一定時間(温水回収時間[T1/N])が経過した否かを判定し、その判定結果が肯定判定となった時点でn回目の温水回収が完了したと判定してステップST112に進む。
ここで、ステップST108の判定処理に用いる「温水回収回数」、ステップST111の判定処理に用いる「温水回収時間」、ステップST109の判定処理に用いる待機時間tb、及び、下記のステップST116の判定処理に用いる「IG−OFF時の温水回収時間」について図5を参照して説明する。
−温水回収回数及び温水回収時間−
まず、電動ウォータポンプ2を最大吐出流量で作動した状態で、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度に行うと、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が下がってしまい、エンジン運転やヒータ機能などに悪影響が及ぶ可能性がある。
これを解消するため、この例では、温水回収をN回に分けて実行する。具体的には、蓄熱タンク8内の低温水を高温水に交換するのにT1時間が必要であるとすると、1回の温水回収時間[T1/N]とし、N回で蓄熱タンク8内の冷却水の全てをエンジン1からの高温水に交換できるようにしている(図5参照)。
このように温水回収をN回に分けることにより、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止できる。これによって燃費の改善を図ることができ、ヒータ機能の低下を抑制することができる。ただし、温水回収回数がN回以上となった以降(ステップST108の判定結果が否定判定となった以降)に、温水回収を実行する場合(ステップST113が肯定判定である場合)は、ステップST111での温水回収時間をT1(図5参照)として蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行う。
−待機時間−
温水回収をN回に分けて実行する場合、前回の温水回収終了から今回の温水回収開始までの間隔が短いと、上記した冷却水温度低下の抑制効果が低くなる。この点を考慮して、n回目の温水回収が完了する毎に、そのn回目の温水回収完了時点から冷却水温Thwが安定するまでの待機時間Tbを設ける。待機時間tbは、温水回収時間[T1/N]での温水回収を実行した後に冷却水温Thwが安定するまでの時間を、予め実験・計算等によって取得し、その結果に基づいて適合した値を設定する。
−IG−OFF時の温水回収時間−
IG−OFF時の温水回収時間Toffは、エンジン1の運転を停止したときに、その運転停止時までに、温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された回数(温水回収回数n)に応じて設定する。具体的には、図5に示すように、温水回収回数が1回(n=1)、2回(n=2)・・・n回である場合、IG−OFF時の温水回収時間Toffを[(N−1)/N×T1]、[(N−2)/N×T1]・・[(N−n)/N×T1]に設定する。ただし、IG−OFF時の温水回収回数nがN回以上(N≦n)である場合は回収時間を「0」とする。なお、図5に示す温水回収時間Toffは、温水回収回数nをパラメータとしてマップ化したものをECU200のROM内に記憶しておいてもよい。
そして、ステップST112において、水温センサ11の出力信号から現在の冷却水温度を読み込み、その冷却水温(回収水温)をECU200のRAMなどに記憶する。この冷却水温度は最新の値に順次記憶・更新されていく。また、ステップST112においては、温水回収回数nをECU200のRAM等に記憶する。この温水回収回数nは、温水回収が実行される毎にインクリメント(n←n+1)される(図5参照)。なお、温水回収回数nはIG−OFF時にイニシャライズ(n←0)される。
このようにして、温水回収時間[T1/N]での温水回収を順次繰り返していき、その実施回数nがNに達した時点(n≧N)でステップST108の判定結果が否定判定となり、ステップST113に進む。
ステップST113では、水温センサ11の出力信号から現在の冷却水温Thwを読み込み、この現在の冷却水温Thwが、ステップST112での処理により前回記憶した冷却水温よりも大きいか否かを判定し、その判定結果が肯定判定である場合は、温水回収を実行する(ステップST110)。この温水回収は[N+1]回目となるので、温水回収時間T1(図5参照)で温水回収を実行する。一方、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温よりも低い場合(ステップST113の判定結果が否定判定である)はステップST107に戻って待機状態となり、この待機状態中に現在の冷却水温Thwが前回記憶の冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1での温水回収を実行する。
このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
一方、ステップST106の判定結果が肯定判定である場合(IG−OFFとなった場合)、ステップST114において温水回収回数nがN回未満であるか否かを判定する。このステップST114の判定結果が肯定判定である場合、温水回収時間[T1/N]での温水回収が完了していないので、ステップST115において温水回収を実行する。
具体的には、IG−OFF(エンジン運転停止)となったときに、そのIG−OFF時までに、温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(ステップST112において記憶した最新の温水回収回数n)に基づいて、図5に示す表(マップ)からIG−OFF時の温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffに基づいて電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動して温水回収を実行する。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0)には、温水回収時間T1で温水回収を実行してエンジン1側の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。このとき、エンジンサーモスタット4が作動(開弁)する直前(ラジエータ放熱直前)の温度で温水回収が実施されるので、完全暖機前にエンジン1の運転を停止しても、蓄熱タンク8内に比較的高温の温水を回収することができる。これによって、次回運転時の燃費及び排気エミッションの改善を図ることができる。
これに対し、ステップST114の判定結果が否定判定である場合、温水回収時間[T1/N]での温水回収がN回以上(n≧N)実行されており、蓄熱タンク8内の全ての冷却水が高温水に交換されているので、この制御ルーチンを終了する。
以上のように、この例によれば、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給及びエンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡単な構成で実現することができる。
なお、この例において、蓄熱サーモスタット9として、例えば、後述する図10の構造の蓄熱サーモスタット90を使用してもよい。この場合、蓄熱サーモスタット90の弁体91が第1圧縮コイルばね94の弾性力に抗して開く圧力(ポンプ吐出圧Pw)を、上記した温水回収時に蓄熱リリーフバルブ10が開弁するウォータポンプ吐出圧(設定値β)よりも高い値として、蓄熱リリーフバルブ10が開いても蓄熱サーモスタット9は閉じた状態が維持され、前記設定値βよりも所定値だけ大きいポンプ吐出圧Pwになったときに蓄熱サーモスタット9が開くように設定する。
また、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の冷却装置の他の例を図6を参照して説明する。
この例の冷却装置は、上記した<実施形態1>に対し、蓄熱回路103の冷却水導入管131aを、EGRクーラ6の下流側(冷却水流れの下流側)の冷却水還流管122に接続した点が相違し、その他の構成は、上記した<実施形態1>と基本的に同じである。
そして、この例においても、ECU200は、水温センサ11の出力信号、及び、イグニッションスイッチ12の操作信号(ON/OFF信号)などに基づいて、上述した<実施形態1>の処理、つまり、図2に示すステップST101〜ステップST116と同様な処理にて循環水制御を実行する。その循環水制御(温水供給時、暖機過程、通行走行時、温水回収時の各制御)ついて図6〜図8を参照して説明する。
−温水供給時−
温水供給時には、蓄熱サーモスタット9は開いた状態となっており(Thw<A)、この状態で電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。この電動ウォータポンプ2の作動により、図7(a)に示すように、エンジン1からの低温水がヒータ5、EGRクーラ6及び冷却水導入管131aを通過して蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)が、蓄熱タンク8の冷却水出口8bから冷却水導出管132に流出し、蓄熱サーモスタット9を通過した後にエンジン1内部のウォータジャケットに流入する。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。
また、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水供給時の電動ウォータポンプの作動時間taは、蓄熱サーモスタット9の応答遅れと、蓄熱タンク8の容積(蓄熱回路103の配管系の容積も含む)とを考慮し、蓄熱タンク8からの高温水が蓄熱サーモスタット9内に存在するタイミングで蓄熱サーモスタット9の閉鎖が完了するような時間を設定する。このようなタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
−暖機過程−
以上の温水供給が完了した後、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量(ポンプ吐出圧Pw≧α)となるように制御する。この電動ウォータポンプ2の制御によりデバイスリリーフバルブ7が作動(開弁)する。ここで、温水供給が完了した時点では、冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット9も閉弁状態であるので、図7(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が加熱されて冷却水温が上昇する。
このようなエンジン運転による暖機中には、電動ウォータポンプ2の吸込口2aと蓄熱タンク8の冷却水出口8bとの間の冷却水通路(冷却水導出管132)が蓄熱サーモスタット9によって遮断されているので、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、エンジン運転による暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
−通常走行時−
通常走行時には、図8(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ回路101が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。なお、通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。
−温水回収時−
温水回収時には、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動によって、蓄熱リリーフバルブ10が開弁する。これにより、図8(b)に示すように、蓄熱タンク8からの低温水が蓄熱リリーフバルブ10を通過した後にエンジン1内に流入し、これに伴ってエンジン1側の高温水がヒータ5及びEGRクーラ6を通過した後に蓄熱タンク8内に流入して、蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、この温水回収時において冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(例えば82℃)以上である状況のときには、図8(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
そして、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水回収時に、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行うのではなく、温水回収をN回に分けて実行することで、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止して、燃費及びヒータ機能などを改善する。
また、温水回収回数がN回以上となった以降で、エンジン運転継続中において、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1(図5参照)での温水回収(1度の温水回収)により、エンジン1側の高温水を蓄熱タンク8内に回収する(図2のステップST113、ST110〜ST112参照)。このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
また、温水回収中にIG−OFF(エンジン運転停止)となったときには、そのIG−OFF時までに温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(最新の温水回収回数n)を用い、その温水回収回数nに基づいて上記した温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffでの温水回収を実行する(図2のステップST114〜ST116参照)。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0)には、温水回収時間Toffで温水回収を実行してエンジン1側の比較的高温の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。
以上のように、この例においても、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給、及び、エンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡単な構成で実現することができる。
なお、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の冷却装置の他の例を図9を参照して説明する。
この例の冷却装置は、上記した<実施形態1>の冷却装置に対し、蓄熱リリーフバルブ10を省略し、その蓄熱リリーフバルブ10の機能を、蓄熱サーモスタット90の弁体91及び第1圧縮コイルばね94(図10参照)で代用した点に特徴がある。
この例の冷却装置に用いる蓄熱サーモスタット90について図10(a)〜(c)を参照しながら説明する。
この例の蓄熱サーモスタット90は、弁体91、操作ロッド92、感温部93、第1圧縮コイルばね94、ロッド保持部材95、第2圧縮コイルばね96、ばね支持プレート97、及び、円筒形状のハウジング90hなど備えている。
ハウジング90hには冷却水入口90a及び冷却水出口90bが設けられている。ハウジング90hの冷却水入口90a側の縦壁内面が弁座90cとなっており、この弁座90cに対向して弁体91が配置されている。弁体91は、ハウジング90hの軸心に沿って配置された操作ロッド92に移動自在に支持されている。
操作ロッド92の一端部(冷却水入口90a側の端部)には、弁体91の抜けを防止するためのストッパ92aが設けられている。操作ロッド92の他端は後述する感温部93のケース93aに連結されている。このケース93aの一端面(冷却水入口90a側の面)と弁体91との間に第1圧縮コイルばね94が挟み込まれており、弁体91がストッパ92aに向けて付勢されている。
感温部93のケース93aの他端(冷却水出口90b側の端部)には作動プレート93eが固着されている。作動プレート93eと弁体91との間にばね支持プレート97が配置されている。このばね支持プレート97と感温部93の作動プレート93eとの間に第2圧縮コイルばね96が挟み込まれており、この第2圧縮コイルばね96の弾性力によって感温部93の全体が冷却水出口90b側に付勢されている。また、感温部93と冷却水出口90bとの間にロッド保持部材95が設けられている。このロッド保持部材95及びばね支持プレート97はハウジング90hに固定されている。なお、ロッド保持部材95及びばね支持プレート97は、冷却水の流れを妨げない形状に加工されている。
感温部93は円筒形状のケース93a及びピストンロッド93bを備えている。ピストンロッド93bはケース93aに摺動自在に配設されている。ピストンロッド93bの先端部はロッド保持部材95の保持孔95aに挿入されている。ケース93a内には、冷却水温度の変化により膨張・収縮するサーモワックス93cが充填されており、このサーモワックス93cの膨張・収縮によりピストンロッド93bのケース93aに対する突出量が変化するようになっている。なお、サーモワックス93cはゴム等からなるシール材93d内に収容されている。
以上の構造の蓄熱サーモスタット90において、感温部93に接触する冷却水の冷却水温Thwが、上記<実施形態1>で説明した設定値Aよりも低いときには(Thw<A)、サーモワックス93cが収縮し、ケース93aからのピストンロッド93bの突き出し量が小さくなって、感温部93(操作ロッド92も含む)の全体が第2圧縮コイルばね96の弾性力によって冷却水出口90b側に移動する。これによって弁体91が弁座90cから離座して開弁状態となる(図10(a))。この状態から、感温部93に接触する冷却水の冷却水温Thwが上記した設定値A以上(A≦Thw)となると、サーモワックス93cが膨張する。このサーモワックス93cの膨張により、ケース93aからのピストンロッド93bの突き出し量が大きくなって、感温部93(操作ロッド92も含む)の全体が冷却水入口90a側に移動する。これによって弁体91が弁座90cに着座して閉弁状態となる(図10(b))。
このように、この例の蓄熱サーモスタット90は、感温部93に接触する冷却水の冷却水温Thwが設定値Aよりも低いときには開弁状態となって、図9に示す蓄熱タンク8の冷却水出口8bとエンジン1の冷却水入口1a(電動ウォータポンプ2の吸込口2a)とが連通する。一方、冷却温度Thwが設定値A以上になったときには、蓄熱サーモスタット90が閉弁状態となり、蓄熱タンク8の冷却水出口8bとエンジン1の冷却水入口1aとの間の冷却水導出管132が遮断される。
また、この例の蓄熱サーモスタット90においては、冷却温度Thwが設定値A以上(A≦Tw)で閉弁状態であっても、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが、上記<実施形態1>で説明した設定値β以上(β≦Pw)になると、第1圧縮コイルばね94の弾性力に抗して弁体91が冷却水出口90b側に移動する。これによって弁座90cから離座(開弁)して蓄熱サーモスタット90が開弁状態(図10(c))となって、図9に示す蓄熱タンク8の冷却水出口8bとエンジン1の冷却水入口1aとが連通する。
そして、この例においても、ECU200は、水温センサ11の出力信号、及び、イグニッションスイッチ12の操作信号(ON/OFF信号)などに基づいて、上述した<実施形態1>の処理、つまり、図2に示すステップST101〜ステップST116と同様な処理にて循環水制御を実行する。その循環水制御(温水供給時、暖機過程、通行走行時、温水回収時の各制御)ついて図9〜12を参照して説明する。
−温水供給時−
温水供給時には、蓄熱サーモスタット90の感温部93に接触する冷却水の温度が低くて(冷却水温Thw<A)、蓄熱サーモスタット90が開いた状態となっている(図10(a))。この状態で電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記<実施形態1>で説明した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。この電動ウォータポンプ2の作動により、図11(a)に示すように、エンジン1からの冷却水(低温水)が冷却水導入管131を通じて蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)が、蓄熱タンク8の冷却水出口8bから冷却水導出管132に流出し、蓄熱サーモスタット90を通過した後にエンジン1内部のウォータジャケットに流入する。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。
また、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水供給時の電動ウォータポンプ2の作動時間taは、蓄熱サーモスタット90の応答遅れと、蓄熱タンク8の容積(蓄熱回路103の配管系の容積も含む)とを考慮し、蓄熱タンク8からの高温水が蓄熱サーモスタット90内に存在するタイミングで蓄熱サーモスタット90の閉鎖が完了するような時間を設定する。このようなタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
−暖機過程−
以上の温水供給が完了した後、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量となるように制御する。ここで、温水供給が完了した時点では、冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット90も閉弁状態であるので、図11(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が加熱されて冷却水温が上昇する。
そして、このようなエンジン運転による暖機中には、電動ウォータポンプ2の吸込口2aと蓄熱タンク8の冷却水出口8bとの間の冷却水通路(冷却水導出管132)が蓄熱サーモスタット90によって遮断されているので、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、エンジン運転による暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
−通常走行時−
通常走行時には、図12(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ3が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。なお、通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。
−温水回収時−
温水回収時には、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動により、蓄熱サーモスタット90が開弁する(図10(c))。これにより、図12(b)に示すように、蓄熱タンク8からの低温水が蓄熱サーモスタット90を通過した後にエンジン1内に流入し、これに伴ってエンジン1側の高温水の一部が冷却水導入管131を通じて蓄熱タンク8内に流入して蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、このような温水回収時の冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(例えば82℃)以上である状況のときには、図12(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
そして、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水回収時に、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行うのではなく、温水回収をN回に分けて実行することで、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止して、燃費及びヒータ機能などを改善する。
また、温水回収回数がN回以上となった以降で、エンジン運転継続中において、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1(図5参照)での温水回収(1度の温水回収)により、エンジン1側の高温水を蓄熱タンク8内に回収する(図2のステップST113、ST110〜ST112参照)。このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
また、温水回収中にIG−OFF(エンジン運転停止)となったときには、そのIG−OFF時までに温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(最新の温水回収回数n)を用い、その温水回収回数nに基づいて上記した温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffでの温水回収を実行する(図2のステップST114〜ST116参照)。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0の場合)には、温水回収時間Toffで温水回収を実行してエンジン1側の比較的高温の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。
以上のように、この例においても、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給、及び、エンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡易な構成で実現することができる。
なお、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
<実施形態4>
次に、本発明の冷却装置の他の例を図13〜図15を参照して説明する。
この例の冷却装置は、上記した<実施形態3>に対し、蓄熱回路103の冷却水導入管131aをEGRクーラ6の下流側(冷却水流れの下流側)の冷却水還流管122に接続した点が相違し、その他の構成は、上記した<実施形態3>と基本的に同じである。
そして、この例においても、ECU200は、水温センサ11の出力信号、及び、イグニッションスイッチ12の操作信号(ON/OFF信号)などに基づいて、上述した<実施形態1>の処理、つまり、図2に示すステップST101〜ステップST116と同様な処理にて循環水制御を実行する。その循環水制御(温水供給時、暖機過程、通行走行時、温水回収時の各制御)ついて図13〜図15を参照して説明する。
−温水供給時−
温水供給時には、蓄熱サーモスタット90は開いた状態となっており、この状態で電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記<実施形態1>で説明した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。この電動ウォータポンプ2の作動により、図14(a)に示すように、エンジン1からの低温水がヒータ5、EGRクーラ6及び冷却水導入管131aを通過して蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)が、冷却水出口8bを通じて冷却水導出管132に流出し、蓄熱サーモスタット90を通過した後にエンジン1内部のウォータジャケットに供給される。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。
また、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水供給時の電動ウォータポンプ2の作動時間taは、蓄熱サーモスタット90の応答遅れと、蓄熱タンク8の容積(蓄熱回路103の配管系の容積も含む)とを考慮し、蓄熱タンク8からの高温水が蓄熱サーモスタット90内に存在するタイミングで蓄熱サーモスタット90の閉鎖が完了するような時間を設定する。このようなタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
−暖機過程−
以上の温水供給が完了した後、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量となるように制御する。ここで、温水供給が完了した時点では、冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット90も閉弁状態であるので、図14(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水循環路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が加熱されて冷却水温が上昇する。
このようなエンジン運転による暖機中には、電動ウォータポンプ2の吸込口2aと蓄熱タンク8の冷却水出口8bとの間の冷却水通路(冷却水導出管132)が蓄熱サーモスタット90によって遮断されているので、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
−通常走行時−
通常走行時には、図15(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水循環路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ回路101が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。なお、通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。
−温水回収時−
温水回収時には、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動によって、蓄熱サーモスタット90が開弁する(図10(c))。これにより、図15(b)に示すように、蓄熱タンク8からの低温水が蓄熱サーモスタット90を通過した後にエンジン1内に流入し、これに伴ってエンジン1側の高温水がヒータ5及びEGRクーラ6を通過した後に蓄熱タンク8内に流入して、蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、この温水回収時において冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(例えば82℃)以上である状況のときには、図15(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
そして、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水回収時に、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行うのではなく、温水回収をN回に分けて実行することで、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止して、燃費及びヒータ機能などを改善する。
また、温水回収回数がN回以上となった以降で、エンジン運転継続中において、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1(図5参照)での温水回収(1度の温水回収)により、エンジン1側の高温水を蓄熱タンク8内に回収する(図2のステップST113、ST110〜ST112参照)。このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
また、温水回収中にIG−OFF(エンジン運転停止)となったときには、そのIG−OFF時までに温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(最新の温水回収回数n)を用い、その温水回収回数nに基づいて上記した温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffでの温水回収を実行する(図2のステップST114〜ST116参照)。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0の場合)には、温水回収時間T1で温水回収を実行してエンジン1側の比較的高温の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。
以上のように、この例においても、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給、及び、エンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡易な構成で実現することができる。
なお、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
<実施形態5>
次に、本発明の冷却装置の他の例を図16を参照して説明する。
この例の冷却装置は、上記した<実施形態1>の冷却装置に対し、蓄熱リリーフバルブ10を省略し、その蓄熱リリーフバルブ10の機能を蓄熱サーモスタット190の弁体191及び圧縮コイルばね194(図17参照)で代用した点、及び、蓄熱サーモスタット190を蓄熱タンク8の内部に収容した点に特徴がある。
まず、この例の冷却装置に用いる蓄熱サーモスタット190について図17(a)〜(c)を参照しながら説明する。
この例の蓄熱サーモスタット190は、弁体191、弁座プレート192、感温部193、圧縮コイルばね194、ロッド保持部材195、ばね支持プレート196、及び、円筒形状のハウジング190hなど備えている。
ハウジング190hには、冷却水入口190a及び冷却水入口190bが設けられている。ハウジング190hの内部には、中央に円形の貫通穴を有する弁座プレート192と、ばね支持プレート196とが互いに対向した状態で配設されている。また、弁座プレート192の冷却水入口190a側(弁体191とは反対側)にロッド保持部材195が配設されている。これら弁座プレート192、ロッド保持部材195及びばね支持プレート196はハウジング190hに固定されている。なお、ロッド保持部材195及びばね支持プレート196は、冷却水の流れを妨げない形状に加工されている。
弁体191は、弁座プレート192とばね支持プレート196との間に配置され、弁座プレート192に対向している。弁体191と感温部193のケース193aとは一体化されている。また、弁体191とばね支持プレート196との間には圧縮コイルばね194が挟み込まれており、その圧縮コイルばね194の弾性力によって弁体91は弁座プレート192に向けて付勢されている。
感温部193は円筒形状のケース193a及びピストンロッド193bを備えている。ピストンロッド193bはケース193aに摺動自在に配設されている。ピストンロッド193bの先端部は、ロッド保持部材195の保持孔195aに摺動自在に挿入されている。ケース193a内には、冷却水温度の変化により膨張・収縮するサーモワックス193cが充填されており、このサーモワックス193cの膨張・収縮によりピストンロッド193bのケース193aに対する突出量が変化するようになっている。なお、サーモワックス193cはゴム等からなるシール材193d内に収容されている。
そして、以上の構造の蓄熱サーモスタット190において、感温部193に接触する冷却水の冷却水温Thwが、上記<実施形態1>で説明した設定値A以上(A≦Thw)であるときにはサーモワックス193cが膨張する。このサーモワックス193cの膨張により、ケース193aからのピストンロッド193bの突き出し量が大きくなって、感温部193の全体つまり弁体191が圧縮コイルばね194の弾性力に抗して弁座プレート192から離れる向きに移動して弁体191が弁座プレート192に離座(開弁)する(図17(a))。この状態から、感温部193に接触する冷却水の冷却水温Thwが、上記<実施形態1>で説明した設定値Aよりも低くなったときには(Thw<A)、サーモワックス193cが収縮し、ケース193aからのピストンロッド193bの突き出し量が小さくなって、感温部193の全体つまり弁体91が圧縮コイルばね194の弾性力によって弁座プレート192に近づく向きに移動して弁体91が着座(閉弁)する(図17(b))。
このように、この例の蓄熱サーモスタット190は、感温部193に接触する冷却水の冷却水温Thwが設定値A以上であるときには開弁状態となり、図16に示す蓄熱タンク8の冷却水出口8bと、エンジン1の冷却水入口1a(電動ウォータポンプ2の吸込口2a)とが連通する。一方、冷却温度Thwが設定値Aよりも小さくなったときには、蓄熱タンク8の冷却水出口8bとエンジン1の冷却水入口1aとの間の冷却水通路(冷却水導出管132)を遮断する。
また、この例の蓄熱サーモスタット190においては、冷却温度Thwが設定値A未満で閉弁状態であっても、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが、上記<実施形態1>で説明した設定値β以上(β≦Pw)になると、ポンプ吐出圧Pwによって弁体191が圧縮コイルばね194の弾性力に抗して、弁座プレート192から離れる向きに押されて弁体91が離座(開弁)する(図17(c))。これによって、図16に示す蓄熱タンク8の冷却水出口8bとエンジン1の冷却水入口1a(電動ウォータポンプ2の吸込口2a)とが連通する。
以上の構造の蓄熱サーモスタット190は蓄熱タンク8の内部に収容されている(図16参照)。蓄熱サーモスタット190の冷却水入口190aは内管81の下部に連通しており、蓄熱タンク8の冷却水出口8bと蓄熱サーモスタット190の冷却水入口190aとが連通している。また、蓄熱サーモスタット190の冷却水出口190bは冷却水導出管132に連通している。
そして、この例においても、ECU200は、水温センサ11の出力信号、及び、イグニッションスイッチ12の操作信号(ON/OFF信号)などに基づいて、上述した<実施形態1>の処理、つまり、図2に示すステップST101〜ステップST116と同様な処理にて循環水制御を実行する。その循環水制御(温水供給時、暖機過程、通行走行時、温水回収時の各制御)ついて図16〜19を参照して説明する。
−温水供給時−
温水供給時には蓄熱タンク8内に高温水が貯蔵されているので(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)、蓄熱サーモスタット190の感温部193に接触する冷却水の温度が高くて、蓄熱サーモスタット190が開いた状態となっている(図17(a))。なお、温水供給の開始時の水温センサ11の出力信号から得られるエンジン1側の冷却水温Twhは上記した設定値A以下(Thw<A)である。
この状態で電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記<実施形態1>で説明した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。この電動ウォータポンプ2の作動により、図18(a)に示すように、エンジン1からの冷却水(低温水)が冷却水導入管131を通じて蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水が、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190及び冷却水出口8bを通過してタンク外部に流出し、冷却水導出管132を通じてエンジン1内部のウォータジャケットに供給される。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。
また、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水供給時の電動ウォータポンプ2の作動時間taは、蓄熱サーモスタット190の応答遅れ及び蓄熱タンク8の容積などを考慮し、蓄熱タンク8内の高温水が蓄熱サーモスタット190内に存在するタイミング(エンジン1からの低温水が蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190に到達する前のタイミング)で、蓄熱サーモスタット190の閉鎖が完了するような時間を設定する。このようなタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
−暖機過程−
以上の温水供給が完了した後、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量となるように制御する。ここで、温水供給が完了した時点では、冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット190も閉弁状態であるので、図18(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水循環回路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が熱せられて冷却水温が上昇する。
そして、このようなエンジン運転による暖機中には、蓄熱タンク8の冷却水出口8bと冷却水導出管132の間が蓄熱サーモスタット190によって遮断されているので、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
−通常走行時−
通常走行時には、図19(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ回路101が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。なお、通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。
−温水回収時−
温水回収時には、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動により、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190が開弁する(図17(c))。これにより、図19(b)に示すように、蓄熱タンク8内の低温水が、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190及び冷却水出口8bを通過してタンク外部に流出し、冷却水導出管132を通じてエンジン1に流入する。これに伴ってエンジン1側の高温水が冷却水導入管131を通過した後に蓄熱タンク8に流入して、蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、このような温水回収時の冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(例えば82℃)以上である状況のときには、図19(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
そして、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水回収時に、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行うのではなく、温水回収をN回に分けて実行することで、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止して、燃費及びヒータ機能などを改善する。
また、温水回収回数がN回以上となった以降で、エンジン運転継続中において、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1(図5参照)での温水回収(1度の温水回収)により、エンジン1側の高温水を蓄熱タンク8内に回収する(図2のステップST113、ST110〜ST112参照)。このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
また、温水回収中にIG−OFF(エンジン運転停止)となったときには、そのIG−OFF時までに温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(最新の温水回収回数n)を用い、その温水回収回数nに基づいて上記した温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffでの温水回収を実行する(図2のステップST114〜ST116参照)。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0の場合)には、温水回収時間Toffで温水回収を実行してエンジン1側の比較的高温の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。
以上のように、この例においても、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給、及び、エンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡易な構成で実現することができる。
なお、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
<実施形態6>
次に、本発明の冷却装置の他の例を図20を参照して説明する。
この例の冷却装置は、上記した<実施形態5>に対し、蓄熱回路103の冷却水導入管131aをEGRクーラ6の下流側(冷却水流れの下流側)の冷却水還流管122に接続した点が相違し、その他の構成は、上記した<実施形態5>と基本的に同じである。
そして、この例においても、ECU200は、水温センサ11の出力信号、及び、イグニッションスイッチ12の操作信号(ON/OFF信号)などに基づいて、上述した<実施形態1>の処理、つまり、図2に示すステップST101〜ステップST116と同様な処理にて循環水制御を実行する。その循環水制御(温水供給時、暖機過程、通行走行時、温水回収時の各制御)ついて図20〜図22を参照して説明する。
−温水供給時−
温水供給時には蓄熱タンク8内に高温水が貯蔵されているので(蓄熱タンク8への高温水の貯蔵については後述する)、蓄熱サーモスタット190の感温部193に接触する冷却水の温度が高くて、蓄熱サーモスタット190が開いた状態となっている(図17(a))。なお、温水供給の開始時の水温センサ11の出力信号から得られる冷却水温Twhは、上記<実施形態1>で説明した設定値A以下(Thw<A)である。
この状態で電動ウォータポンプ2を、ポンプ吐出圧Pwが上記<実施形態1>で説明した設定値αよりも小さい圧力(Pw<α)となるような微小流量で作動する。この電動ウォータポンプ2の作動により、図21(a)に示すように、エンジン1からの低温水が、ヒータ5、EGRクーラ6及び冷却水導入管131aを通過して蓄熱タンク8内に流入し、これに伴って蓄熱タンク8に貯蔵されている高温水が、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190及び冷却水出口8bを通過してタンク外部に流出し、冷却水導出管132を通じてエンジン1内部のウォータジャケットに供給される。
このようにして蓄熱タンク8からエンジン1に高温水を供給して、エンジン1を暖めることにより、早期に燃料の揮発性を高めることができ、混合気の着火性を高めることができる。その結果として、冷間始動時等におけるエンジン始動性が良好となり、燃費性能や排気エミッションの向上を図ることができる。
また、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水供給時の電動ウォータポンプ2の作動時間taは、蓄熱サーモスタット190の応答遅れ及び蓄熱タンク8の容積などを考慮し、蓄熱タンク8内の高温水が蓄熱サーモスタット190内に存在するタイミング(エンジン1からの低温水が蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190に到達する前のタイミング)で、蓄熱サーモスタット190の閉鎖が完了するような時間を設定する。このようなタイミングで電動ウォータポンプ2を停止することで、温水供給時にエンジン1に供給した高温水と蓄熱装置8に回収した低温水とが混合することを回避することができる。
−暖機過程−
以上の温水供給が完了した後、電動ウォータポンプ2をエンジン1の運転状態に応じた吐出流量となるように制御する。ここで、温水供給が完了した時点では、冷却水温Thwは暖機温度に達していないのでエンジンサーモスタット4は閉じている。また、蓄熱サーモスタット190も閉弁状態であるので、図21(b)に示すように、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ヒータ5]→[EGRクーラ6]→[デバイスリリーフバルブ7]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水循環回路(ヒータ回路102)が形成され、その循環過程においてエンジン1によって冷却水が熱せられて冷却水温が上昇する。
そして、このようなエンジン運転による暖機中には、蓄熱タンク8の冷却水出口8bと冷却水導出管132の間が蓄熱サーモスタット190によって遮断されているので、上記した温水供給過程において蓄熱タンク8内に溜った低温水がヒータ回路102に流出することがない。しかも、ヒータ回路102に流れる冷却水の容量を、蓄熱タンク8内(蓄熱回路103の配管内も含む)に溜っている冷却水の分だけ少なくすることがきるので、暖機性を高めることができ、暖機を早期に完了することができる。
−通常走行時−
通常走行時には、電動ウォータポンプ2のポンプ吐出圧Pwが[α≦Pw<β]の範囲内となるように吐出流量が制御される。このような電動ウォータポンプ2の制御により、図22(a)に示すように、ヒータ回路102に加えて、[電動ウォータポンプ2]→[エンジン1]→[ラジエータ3]→[エンジンサーモスタット4]→[電動ウォータポンプ2]の冷却水回路が形成される。すなわち、ヒータ回路102にラジエータ回路101が並列接続され、ヒータ回路102を循環する冷却水(高温水)の一部がラジエータ3に流れて冷却水の熱がラジエータ3から外部に放出される。
−温水回収時−
温水回収時には、電動ウォータポンプ2を最大流量(ポンプ吐出圧Pw≧β)で作動する。このような電動ウォータポンプ2の作動により、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190が開弁する(図17(c))。これにより、図22(b)に示すように、蓄熱タンク8内の低温水が、蓄熱タンク8内の蓄熱サーモスタット190及び冷却水出口8bを通過してタンク外部に流出し、冷却水導出管132を通じてエンジン1に流入する。これに伴ってエンジン1側の高温水がヒータ5及びEGRクーラ6を通過した後に蓄熱タンク8内に流入して、蓄熱タンク8内に高温水が回収される。
なお、このような温水回収時の冷却水温Thwがエンジンサーモスタット4の作動温度(例えば82℃)以上である状況のときには、図22(b)の破線の矢印で示すように、エンジン1からの冷却水(高温水)の一部がラジエータ3にも流れる。
そして、この例においても、上記した<実施形態1>と同様に、温水回収時に、蓄熱タンク8内の低温水とエンジン1内の高温水との冷温水交換を1度で行うのではなく、温水回収をN回に分けて実行することで、エンジン1及びヒータ回路102に流れる冷却水の温度が急激に下がることを防止して、燃費及びヒータ機能などを改善する。
また、温水回収回数がN回以上となった以降で、エンジン運転継続中において、現在の冷却水温Thwが前回記憶した冷却水温以上になったときには、温水回収時間T1(図5参照)での温水回収(1度の温水回収)により、エンジン1側の高温水を蓄熱タンク8内に回収する(図2のステップST113、ST110〜ST112参照)。このような処理で温水回収を実行することにより、エンジン1の運転中(IG−ONからIG−OFFまでの間)において冷却水温Thwが最も高い状態の高温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)することができる。
また、温水回収中にIG−OFF(エンジン運転停止)となったときには、そのIG−OFF時までに温水回収時間[T1/N]での温水回収が実行された温水回収回数n(最新の温水回収回数n)を用い、その温水回収回数nに基づいて上記した温水回収時間Toffを求め、その温水回収時間Toffでの温水回収を実行する(図2のステップST114〜ST116参照)。このような温水回収を実行することにより、温水回収の途中でIG−OFF(エンジン運転停止)となっても、蓄熱タンク8内の全ての冷却水を高温水に交換することができる。
また、エンジン運転による暖機過程においてIG−OFFとなった場合(温水回収回数n=0の場合)には、温水回収時間Toffで温水回収を実行してエンジン1側の比較的高温の温水を蓄熱タンク8内に回収(貯蔵)する。
以上のように、この例においても、1台の電動ウォータポンプ2の吐出制御によって、蓄熱タンク8からエンジン1への温水供給、及び、エンジン1の蓄熱タンク8への温水回収を行うことができるので、温水供給及び温水回収機能を簡易な構成で実現することができる。
なお、以上の例では、温水回収をN回に分けて実行する際に、1回の温水回収時間[T1/N]を一定時間としているが、これに限られることなく、1回の温水回収時間を、温水回収の実施回数に応じて変化させてもよい。この場合、例えば、温水回収開始時の温水回収時間を短く設定し、温水回収の回数が進んでいくに従って、温水回収時間を長く設定するという回収方法を挙げることができる。
−他の実施形態−
以上の例では、冷却水の循環に電動ウォータポンプを用いているが、本発明はこれに限られることなく、吐出流量(吐出圧)が可変の機械式ウォータポンプを冷却水循環に用いてもよい。
以上の例では、デバイスリリーフバルブ(第1流量弁)を、ヒータ(熱交換器)の下流側(冷却水流れの下流側)に設けているが、デバイスリリーフバルブ(第1流量弁)をヒータの上流側に設けてもよい。
以上の例では、熱交換器としてヒータ及びEGRクーラが冷却水回路に組み込まれた冷却装置に本発明を適用した例を示したが、例えば、ATF(Automatic Transmission fluid)ウォーマ、ATFクーラ、排気熱回収器などの他の熱交換器が組み込まれた冷却装置にも本発明を適用できる。
本発明の冷却装置の一例(実施形態1)を示す概略構成図である。 冷却水循環制御の一例を示すフローチャートである。 図1の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図1の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 温水回収回数、温水回収時間、及び、IG−OFF時の温水回収時間を示す図である。 本発明の冷却装置の他の例(実施形態2)を示す概略構成図である。 図6の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図6の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 本発明の冷却装置の他の例(実施形態3)を示す概略構成図である。 図9の冷却装置に用いる蓄熱サーモスタットの構造を示す断面図である。 図9の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図9の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 本発明の冷却装置の他の例(実施形態4)を示す概略構成図である。 図13の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図13の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 本発明の冷却装置の他の例(実施形態5)を示す概略構成図である。 図16の冷却装置に用いる蓄熱サーモスタットの構造を示す断面図である。 図16の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図16の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 本発明の冷却装置の他の例(実施形態6)を示す概略構成図である。 図20の冷却装置において温水供給時(a)及び暖機過程(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。 図20の冷却装置において通常走行時(a)及び温水回収時(b)に冷却水回路を循環する冷却水の流れを示す図である。
符号の説明
1 エンジン
1b 冷却水出口
2 電動ウォータポンプ
3 ラジエータ
4 エンジンサーモスタット
5 ヒータコア
6 EGRクーラ
7 デバイスリリーフバルブ(第1バルブ)
8 蓄熱タンク
9 蓄熱サーモスタット(第2バルブ)
90,190 蓄熱サーモスタット(第2及び第3バルブ)
94 第1圧縮コイルばね
194 圧縮コイルばね
10 蓄熱リリーフバルブ(第3バルブ)
100 冷却水回路
101 ラジエータ回路
102 ヒータ回路(第1冷却水回路)
103 蓄熱回路(第2冷却水回路)
200 ECU

Claims (12)

  1. 内燃機関にて加熱された冷却水の一部を保温状態で貯蔵する蓄熱装置が組み込まれた冷却装置であって、冷却水を前記内燃機関及び熱交換器を経由して循環させる第1冷却水回路と、冷却水を前記内燃機関及び前記蓄熱装置を経由して循環させる第2冷却水回路と、ウォータポンプとを備えた内燃機関の冷却装置において、
    前記熱交換器の冷却水出口と前記蓄熱装置の冷却水出口とが前記内燃機関の冷却水入口に連通しており、前記第1冷却水回路と前記第2冷却水回路との冷却水循環に、前記内燃機関の回転数に依存せずに吐出流量が可変なウォータポンプが併用されているとともに、
    前記熱交換器の冷却水入口側または冷却水出口側に設けられ、前記ウォータポンプの吐出流量に応じて作動する第1バルブと、前記蓄熱装置の冷却水出口側または蓄熱装置の内部に設けられ、冷却水の水温に応じて作動する第2バルブとを備えていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置の放熱時には、前記第2バルブを開弁状態とし、前記第1バルブが閉弁状態となるように前記ウォータポンプの吐出流量を制御することにより、前記蓄熱装置に貯蔵されている高温の冷却水を前記内燃機関に供給することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置の放熱後に、前記第2バルブを閉弁状態にするとともに、前記ウォータポンプを停止することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記第2バルブの冷却水温度に対する閉弁の応答性を考慮して、前記内燃機関から前記蓄熱装置に回収した低温水が前記内燃機関側に流入しないタイミングで前記ウォータポンプを停止することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置の放熱後に、前記第1バルブが開弁状態となるように前記ウォータポンプの吐出流量を制御することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置の冷却水出口側に前記第2バルブが設けられており、前記蓄熱装置の放熱時に、前記第2バルブを開弁状態にするとともに前記第1バルブが閉弁状態となるように前記ウォータポンプの吐出流量を制御し、前記蓄熱装置の冷却水出口側の第2冷却水回路内の冷却水温度が高温になったときに、前記第2バルブを閉弁状態にするとともに前記ウォータポンプを停止することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置の内部に前記第2バルブが設けられており、前記蓄熱装置の放熱時に、前記第2バルブを開弁状態にするとともに前記第1バルブが閉弁状態となるように前記ウォータポンプの吐出流量を制御し、前記蓄熱装置内の冷却水温度が低温になったときに、前記第2バルブを閉弁状態にするとともに前記ウォータポンプを停止することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    冷却水圧力によって作動する第3バルブを前記第2バルブに対して並列に設け、前記蓄熱装置への熱回収時には、前記内燃機関の運転中に前記第3バルブが開弁状態となるように前記ウォータポンプの吐出流量を制御することによって、前記内燃機関で加熱された冷却水の一部を前記蓄熱装置内に回収することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  9. 請求項8記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記第2バルブは、弁体を閉じ側に押圧する圧縮コイルばねを有するサーモスタットであって、前記弁体及び圧縮コイルばねを利用してリリーフバルブが構成されており、当該第2バルブが前記第3バルブの機能を有することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  10. 請求項8または9記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置への熱回収時の冷却水の温度を記憶する水温記憶手段を備え、前記水温記憶手段に記憶された冷却水温度と、前記内燃機関運転時の現在の冷却水温度とを比較し、現在の冷却水温度が前回記憶の冷却水温度以上であるときに前記熱回収を実行することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置への熱回収を複数回に分けて実行することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  12. 請求項11記載の内燃機関の冷却装置において、
    前記蓄熱装置への熱回収回数に応じて熱回収時間を可変とすることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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