JP2014114753A - 内燃機関のegrクーラ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒停止の実行中における内部冷媒通路の冷媒の沸騰を抑制することができる内燃機関のEGRクーラを提供する。
【解決手段】内燃機関のEGRクーラ(100)は、EGRガスが通過する内部ガス通路(108)を複数有し、各々の内部ガス通路を区画する部材の材質がSiCを含んでいる熱交換体(106)と、熱交換体の外側に配置され、機関本体(10)を経由した冷媒が通過可能な内部冷媒通路(107)と、複数の内部ガス通路のうち熱交換体の外周縁から所定距離内側の領域である冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路の断面積が、冷媒停止が実行中の方が冷媒停止の終了後に比較して減少するように、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路の断面積を変更する断面積可変装置(120)と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のEGRクーラに関する。
従来、内燃機関の気筒から排出された排気の一部を気筒へ再循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)が知られている。また、従来、この気筒に再循環する排気を冷却する装置として、EGRクーラが知られている。EGRクーラは、気筒から排出された排気の一部を気筒へ再循環させるEGR通路に配置され、このEGR通路を通過する排気(以下、EGRガスと称する場合がある)を冷媒によって冷却している。内燃機関がEGRクーラを備えることで、EGRガスが高温になり過ぎることを抑制することができる。
特許文献1には、ガスが通過する通路である複数の内部ガス通路の全体構造がハニカム構造になっている熱交換体(特許文献1においてはハニカム構造体と称されている)を備える熱交換器が開示されている。特許文献1に係る熱交換器をEGR通路に配置して内部ガス通路にEGRガスを通過させた場合、特許文献1に係る熱交換器はEGRクーラとしての機能を発揮することができる。また特許文献1には、熱交換体の内部ガス通路を区画する部材(以下、内部ガス通路区画部材と称する場合がある)の材質として、SiCを含む材質を用いることが開示されている。
国際公開第2011/071161号公報
SiCはステンレス等の金属に比較して、熱伝導率が高く且つ排気に対する耐食性も良好である。したがって、EGRクーラとして特許文献1に係る熱交換器を用い且つ熱交換器の内部ガス通路区画部材の材質としてSiCを含む材質を用いた場合、EGRクーラの冷却性能および耐食性を向上させることができると考えられる。
ところで、内部ガス通路区画部材の材質がSiCを含んでいる熱交換体を備えるEGRクーラを内燃機関に適用するに当たり、内燃機関の機関本体を経由した冷媒をEGRクーラ用の冷媒として用いる場合がある。このような内燃機関において、機関本体を経由後の冷媒のEGRクーラへの流入を停止させる冷媒停止が実行されることがある。冷媒停止が実行された場合、EGRクーラの内部に形成された冷媒通路である内部冷媒通路の冷媒は内部ガス通路を通過するEGRガスによって加熱されて、その温度が上昇する可能性がある。内部冷媒通路の冷媒の温度が上昇した場合、内部冷媒通路の冷媒が沸騰する可能性がある。
本発明は、冷媒停止の実行中における内部冷媒通路の冷媒の沸騰を抑制することができる内燃機関のEGRクーラを提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関のEGRクーラは、内燃機関の機関本体に形成された気筒に再循環するEGRガスが通過する内部ガス通路を複数有し、各々の前記内部ガス通路を区画する部材の材質がSiCを含んでいる熱交換体と、前記熱交換体の外側に配置され、前記機関本体を経由した冷媒が通過可能な内部冷媒通路と、複数の前記内部ガス通路のうち前記熱交換体の外周縁から所定距離内側の領域である冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路の断面積が、前記機関本体を経由した前記冷媒の前記内部冷媒通路への流入を停止させる冷媒停止が実行中の方が前記冷媒停止の終了後に比較して減少するように、前記冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路の断面積を変更する断面積可変装置と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関のEGRクーラによれば、冷媒停止の実行中に、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路におけるEGRガスの流量を減少させることができる。それにより、EGRガスによる内部冷媒通路の冷媒の加熱度合いを低減させることができる。その結果、内部冷媒通路の冷媒が沸騰することを抑制することができる。
上記構成において、前記断面積可変装置は、前記冷媒停止の実行中に前記冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路を閉塞し、前記冷媒停止の終了後に前記内部ガス通路の閉塞を解除する閉塞部材を備えていてもよい。この構成によれば、冷媒停止の実行中における冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路の断面積を、冷媒停止の終了後に比較して減少させることができる。
上記構成において、前記断面積可変装置は、前記冷媒停止の実行中は溶解せず、前記冷媒停止の終了後に溶解することで体積が膨張するワックスを備え、前記ワックスは、溶解していない場合には前記閉塞部材が前記内部ガス通路を閉塞し、溶解することで前記体積が膨張した場合に前記閉塞部材が前記内部ガス通路の前記閉塞を解除するように前記閉塞部材を駆動してもよい。この構成によれば、閉塞部材を駆動させるのに電気が不要であるため、例えば閉塞部材を電動モータ等の電動アクチュエータによって駆動する場合に比較して、内燃機関の燃費を向上させることができる。
本発明によれば、冷媒停止の実行中における内部冷媒通路の冷媒の沸騰を抑制することができる内燃機関のEGRクーラを提供することができる。
図1は実施例1に係るEGRクーラが適用された内燃機関を示す模式図である。 図2(a)は実施例1に係るEGRクーラの模式的斜視図である。図2(b)はEGRクーラの模式的断面図である。図2(c)は図2(b)のAで囲んだ部分の拡大断面図である。図2(d)は熱交換体の正面図である。 図3は実施例1に係るEGRクーラの断面積可変装置近傍の拡大図である。 図4(a)および図4(b)は実施例1に係る断面積可変装置の動作を説明するための模式的断面図である。 図5(a)は内燃機関の始動時における冷媒バルブ、EGRバルブおよびシャット弁の動作を示すフローチャートである。図5(b)は内燃機関の始動時における補助ポンプの動作を示すフローチャートである。 図6(a)は内燃機関の始動時におけるEGR通路のEGRガスの流量、シャット弁の開閉状態および内部冷媒通路の冷媒流動状態のタイミングチャートである。図6(b)は内燃機関の始動時における冷媒の温度およびEGRクーラの内部温度のタイミングチャートである。 図7は、冷媒停止の実行中における実施例2に係るEGRクーラの一部を模式的に示す断面図である。 図8は、冷媒停止の終了後における実施例2に係るEGRクーラの一部を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係る内燃機関のEGRクーラ(以下、EGRクーラ100と称する)について説明する。まずEGRクーラ100が適用される内燃機関5の全体構成について説明し、次いでEGRクーラ100の詳細について説明する。図1はEGRクーラ100が適用された内燃機関5を示す模式図である。内燃機関5の種類は、特に限定されるものではなく、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の種々の内燃機関を用いることができる。本実施例においては、内燃機関5の一例としてガソリンエンジンを用いる。
内燃機関5は、機関本体10と、インテークマニホールド20と、エキゾーストマニホールド21と、吸気管22と、排気管23とを備えている。機関本体10は、気筒11が形成されたシリンダブロックと、シリンダブロックの上部に配置されたシリンダヘッドと、気筒11に配置されたピストンと、気筒11に燃料を噴射する燃料噴射弁とを備えている。本実施例において気筒11の個数は複数であり、具体的には4個である。但し気筒11の個数はこれに限定されるものではない。インテークマニホールド20の下流側は分岐して各気筒11に接続している。吸気管22はインテークマニホールド20に接続している。吸気管22およびインテークマニホールド20は吸気が通過する吸気通路としての機能を有している。エキゾーストマニホールド21の上流側は分岐して各気筒11に接続している。排気管23はエキゾーストマニホールド21に接続している。エキゾーストマニホールド21および排気管23は排気が通過する排気通路としての機能を有している。
また内燃機関5は、冷媒を供給するポンプ30および補助ポンプ31と、ラジエータ40と、ヒータ50と、冷媒が通過する通路である第1冷媒通路60、第2冷媒通路61および第3冷媒通路62と、冷媒バルブ70とを有している。さらに内燃機関5は、EGR通路80と、EGR通路80に配置されたEGRバルブ90と、EGR通路80に配置されたEGRクーラ100と、温度センサ130aおよび温度センサ130bと、制御装置140とを備えている。
第1冷媒通路60は、ポンプ30から吐出された冷媒を冷媒バルブ70、機関本体10およびラジエータ40を通過させた後にポンプ30に戻す冷媒通路である。第1冷媒通路60の冷媒は、機関本体10を通過することで機関本体10を冷却し、その後ラジエータ40によって冷却されてポンプ30に戻る。なお冷媒の種類は特に限定されるものではなく、水、不凍液等の種々の冷媒を用いることができる。本実施例においては冷媒の一例として水を用いる。第2冷媒通路61は、第1冷媒通路60の機関本体10とラジエータ40との間の部分(図1において、aで図示されている)と、ヒータ50と、EGRクーラ100と、ポンプ30とを接続している。第2冷媒通路61は機関本体10を経由後の冷媒をヒータ50およびEGRクーラ100に導いた後にポンプ30に戻す冷媒通路である。第3冷媒通路62は、上流端が第2冷媒通路61のEGRクーラ100とポンプ30との間の部分(図1において、bで図示されている)に接続し、下流端が第2冷媒通路61のヒータ50よりも上流側の通路途中(図1において、cで図示されている)に接続している。第3冷媒通路62は、補助ポンプ31から吐出された冷媒をエキゾーストマニホールド21を通過させた後に第2冷媒通路61に導入させる冷媒通路である。
ポンプ30の具体的な種類は特に限定されるものではなく、機械式ポンプ、電動ポンプ等の種々のポンプを用いることができる。本実施例においてはポンプ30の一例として、機械式ポンプを用いる。補助ポンプ31は制御装置140からの指示を受けて作動するポンプである。このようなポンプであれば、補助ポンプ31の具体的な種類は特に限定されるものではないが、本実施例においては補助ポンプ31の一例として電動ポンプを用いる。冷媒バルブ70は制御装置140からの指示を受けて開閉するバルブである。冷媒バルブ70が閉になることで、ポンプ30から機関本体10への冷媒供給は停止される。本実施例に係る冷媒バルブ70は、第1冷媒通路60のポンプ30よりも下流側且つ機関本体10よりも上流側に配置されている。但し冷媒バルブ70の具体的な配置箇所は、これに限定されるものではない。
ポンプ30が稼動し且つ冷媒バルブ70が開の場合、ポンプ30から吐出された冷媒は、第1冷媒通路60および第2冷媒通路61をそれぞれ通過してポンプ30に戻る。ここで本実施例に係る制御装置140は内燃機関5の始動時に冷媒バルブ70を閉に制御する(これ以降、この制御を冷媒停止と称する場合がある)。冷媒停止が実行された場合、ポンプ30から機関本体10への冷媒供給が停止されるため、暖機を促進させることができる。またポンプ30から機関本体10への冷媒供給が停止されることで、機関本体10を経由した冷媒のヒータ50およびEGRクーラ100への流入も停止される。すなわち、本実施例に係る冷媒停止は、機関本体10を経由した冷媒のEGRクーラ100(具体的には、後述する図2で説明するEGRクーラ100の内部冷媒通路107)への流入を停止させる制御処理でもある。
また本実施例に係る制御装置140は、冷媒停止の実行中においてさらに所定の条件が満たされた場合に、補助ポンプ31を作動させる。補助ポンプ31が作動した場合、補助ポンプ31から吐出された冷媒は第3冷媒通路62を通過する。その結果、補助ポンプ31から吐出された冷媒はエキゾーストマニホールド21を通過する際に排気の熱によって加熱される。排気の熱によって加熱された冷媒は第2冷媒通路61に流入してヒータ50に流入する。ヒータ50を経由した冷媒はEGRクーラ100に流入し、次いで、第3冷媒通路62に再び流入して補助ポンプ31に戻る。このように本実施例に係る第3冷媒通路62および第2冷媒通路61の図1においてcからbまでの部分は、冷媒停止中において補助ポンプ31から吐出された冷媒をエキゾーストマニホールド21、ヒータ50およびEGRクーラ100を通過させて補助ポンプ31に戻す冷媒通路となっている。
EGR通路80は気筒11から排出された排気の一部を気筒11に導入する通路である。これ以降、EGR通路80を通過して気筒11に再循環する排気をEGRガスと称する。本実施例に係るEGR通路80の一端はエキゾーストマニホールド21に接続し、他端はインテークマニホールド20に接続している。なおEGR通路80の吸気通路および排気通路への具体的な接続箇所は、図1に示す箇所に限定されるものではない。EGRバルブ90は制御装置140の指示を受けて開閉するバルブである。EGRバルブ90が開になった場合、EGRガスの気筒11への流入が開始され、EGRバルブ90が閉になった場合、EGRガスの気筒11への流入は停止される。また制御装置140は、機関本体10の運転状態(例えば回転数、負荷率等)に応じてEGRバルブ90の開度を調整することで、EGRガスの流量(m/s)を機関本体10の運転状態に応じて調整している。なお本実施例に係るEGRバルブ90はEGR通路80のEGRクーラ100よりも下流側に配置されている。但しEGRバルブ90のEGR通路80における配置箇所はこれに限定されるものではない。EGRクーラ100は、冷媒とEGRガスとの間で熱交換をさせることで、EGRガスを冷却する装置である。EGRクーラ100の詳細は後述する。
温度センサ130aは冷媒の温度を検出し、検出結果を制御装置140に伝える。本実施例に係る温度センサ130aは、機関本体10を経由後であってEGRクーラ100に流入する前の冷媒の温度を検出している。但し温度センサ130aの具体的な温度検出箇所はこれに限定されるものではない。温度センサ130bはEGRクーラ100の内部の温度を検出し、検出結果を制御装置140に伝える。具体的には本実施例に係る温度センサ130bは、EGRクーラ100の内部に配置されている熱交換体106(後述する図2(b)等で図示されている)の温度を検出している。但し温度センサ130bの具体的な温度検出箇所は、EGRクーラ100の内部温度を検出可能な箇所であれば、これに限定されるものではない。
制御装置140は、補助ポンプ31、冷媒バルブ70およびEGRバルブ90を制御する装置である。本実施例においては、制御装置140の一例として、CPU(Central Processing Unit)141、ROM(Read Only Memory)142およびRAM(Random Access Memory)143を備える電子制御装置(Electronic Control Unit)を用いる。制御装置140の機能のうち、補助ポンプ31、冷媒バルブ70およびEGRバルブ90を制御する制御部としての機能はCPU141によって実現される。制御装置140の制御部の動作に必要な情報を記憶する記憶部としての機能はROM142およびRAM143によって実現される。
EGRクーラ100の詳細について説明する。図2(a)はEGRクーラ100の模式的斜視図である。図2(b)はEGRクーラ100の模式的断面図である。図2(c)は図2(b)のAで囲んだ部分の拡大断面図である。図2(a)を参照して、EGRクーラ100は、フランジ101aと、フランジ101bと、コーンパイプ102aと、コーンパイプ102bと、アウターパイプ103とを備えている。図2(b)および図2(c)を参照して、EGRクーラ100は、その内部に、インナーパイプ104と、インナーパイプ104の内側に配置されたグラファイトシート105と、グラファイトシート105の内側に配置された熱交換体106とを備えている。また、図2(a)および図2(b)を参照して、EGRクーラ100は、断面積可変装置120(以下、可変装置120と略称する場合がある)を備えている。なお図2(b)において図示されている軸線200は、熱交換体106、インナーパイプ104およびアウターパイプ103の軸線である。
図2(a)および図2(b)を参照して、EGRクーラ100は固定部材12によって機関本体10に固定されている。コーンパイプ102aは下流側に行くほど内径が拡径したコーン形状部分を有している。コーンパイプ102bは下流側に行くほど内径が縮径したコーン形状部分を有している。コーンパイプ102aの上流端はフランジ101aに接続している。コーンパイプ102aのフランジ101aとは反対側の端部にアウターパイプ103が接続している。アウターパイプ103のコーンパイプ102aとは反対側の端部にコーンパイプ102bが接続し、コーンパイプ102bのアウターパイプ103とは反対側の端部にフランジ101bが接続している。EGRクーラ100はフランジ101aおよびフランジ101bを介してEGR通路80に接続している。EGR通路80のEGRクーラ100よりも上流側のEGRガスは、フランジ101aの側からEGRクーラ100の内部に流入し、フランジ101bの側から排出されてEGR通路80のEGRクーラ100よりも下流側に流入する。
図2(b)および図2(c)を参照して、アウターパイプ103およびインナーパイプ104は円筒形状を有している。アウターパイプ103の両端部はインナーパイプ104の外周面に接続している。アウターパイプ103とインナーパイプ104とによって囲まれた空間は、冷媒が通過する内部冷媒通路107になっている。内部冷媒通路107は熱交換体106の外側に配置されている。図2(a)および図2(b)を参照して、アウターパイプ103には、第2冷媒通路61を通過した冷媒が内部冷媒通路107に流入するための冷媒供給口(図示せず)と、内部冷媒通路107を通過した冷媒が第2冷媒通路61に流入するための冷媒排出口(図示せず)とが形成されている。ヒータ50を経由後の冷媒は第2冷媒通路61を経由して内部冷媒通路107に流入し、内部冷媒通路107を通過して第2冷媒通路61に戻る。なお、本実施例に係るフランジ101a、フランジ101b、コーンパイプ102a、コーンパイプ102b、アウターパイプ103およびインナーパイプ104の材質はステンレスである。但し、これらの部材の材質はステンレスに限定されるものではない。
グラファイトシート105はグラファイト(炭素)を含む材質からなる薄肉部材である。本実施例に係るグラファイトシート105は円筒形状を有しており、インナーパイプ104の内周面と熱交換体106の外周面との間に配置されている。グラファイトシート105の摩擦係数は低く、そのため表面が滑り易い構造となっている。それにより、インナーパイプ104の熱膨張量と熱交換体106の熱膨張量とに差が生じた場合であっても、熱交換体106またはインナーパイプ104は軸線方向(軸線200の方向)に容易に熱変形することができる。このようにEGRクーラ100がグラファイトシート105を備えることで、インナーパイプ104の熱膨張量と熱交換体106の熱膨張量との差に起因して生じる応力を緩和することができる。なおグラファイトシート105はEGRクーラ100に必須の構成というわけではない。例えばEGRクーラ100はグラファイトシート105を備えていなくてもよい。この場合、EGRクーラ100は、インナーパイプ104の内周面に熱交換体106の外周面が直接接触する構造となる。
熱交換体106はEGRガスの熱を内部冷媒通路107に伝導させる媒体である。図2(b)および図2(c)を参照して、本実施例に係る熱交換体106は、インナーパイプ104の内側にグラファイトシート105を介して配置されている。図2(d)は熱交換体106の正面図である。熱交換体106はEGRガスが通過する内部ガス通路108を複数有している。具体的には本実施例に係る熱交換体106は、円筒形状を有する外周壁109と、外周壁109の内部に配置された第1隔壁110および第2隔壁111とを有している。第1隔壁110は、図2(d)において横方向に延伸した隔壁であり、第2隔壁111は、第1隔壁110に対して所定角度(本実施例では一例として90度である)のなす角を有する隔壁である。外周壁109の内部は、第1隔壁110および第2隔壁111によって複数の空間に区画されており、各々の空間が内部ガス通路108となっている。すなわち、本実施例に係る第1隔壁110および第2隔壁111は内部ガス通路108を区画する部材としての機能を有している。内部ガス通路108は熱交換体106の軸線方向に延伸している。
内部ガス通路108にEGRガスが流入した場合、EGRガスの熱は、第1隔壁110および第2隔壁111をそれぞれ伝導して外周壁109に伝導し、その後、グラファイトシート105を介してインナーパイプ104に伝導する。インナーパイプ104に伝導した熱は内部冷媒通路107の冷媒に奪われる。このようにしてEGRクーラ100は、EGRガスと内部冷媒通路107の冷媒との間で熱交換を行っている。
熱交換体106の材質はSiC(炭化珪素)を含んでいる。具体的には熱交換体106の外周壁109、第1隔壁110および第2隔壁111の材質がSiCを含んでいる。熱交換体106の材質の具体例としては、SiC(つまりSiCの他に添加物が添加されていないもの)、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC等、SiCを主成分とする種々の材質を用いることができる。本実施例においては熱交換体106の材質の一例として、Si含浸SiCを用いることとする。SiCはステンレス等の金属に比較して、熱伝導率が高く且つ排気に対する耐食性も良好であるため、EGRクーラ100によれば、熱交換体106の材質がステンレス等の金属の場合に比較して、EGRクーラ100の冷却性能および耐食性を向上させることができる。
なお、少なくとも熱交換体106の内部ガス通路108を区画する部材である第1隔壁110および第2隔壁111の材質がSiCを含んでいればよく、外周壁109はSiC以外の材質によって構成されていてもよい。また熱交換体106は外周壁109を備えていなくもよい。この場合、熱交換体106は、第1隔壁110および第2隔壁111の端部がグラファイトシート105に直接接触する構造となる。このような構造であっても熱交換体106は、その機能を発揮することができる。
可変装置120は、複数の内部ガス通路108のうち熱交換体106の外周縁から所定距離内側の領域である冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を変更する装置である。なお熱交換体106の外周縁とは、熱交換体106の外周側面の表面部分をいい、本実施例においては外周壁109の外周面(外側の面)をいう。仮に熱交換体106が外周壁109を備えていない場合、外周縁は、第1隔壁110および第2隔壁111の端部を結んだ仮想輪郭線(これは図2(d)において、外周壁109の内周面に相当する)になる。可変装置120は、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積が、冷媒停止が実行中の方が冷媒停止の終了後に比較して減少するように、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を変更する。本実施例に係る可変装置120の詳細について説明すると次のようになる。
図2(a)および図2(b)を参照して、本実施例に係るEGRクーラ100は、4個の可変装置120を熱交換体106の下流側の端面近傍に備えている。図2(a)を参照して、4個の可変装置120は、隣接する可変装置120とのなす角が90°になるように配置されている(なお、図2(a)のEGRクーラ100の裏側に1個、可変装置120が隠れている)。図3はEGRクーラ100の可変装置120近傍の拡大図である。図3においては、図2(b)に図示されている2つの可変装置120のうち上側の可変装置120の近傍が拡大して模式的に図示されている。なお他の可変装置120も図3と同様の構成を有している。
本実施例に係る可変装置120は、ケース121と、ピストン122と、ワックス123と、バネ124と、シャット弁125とを備えている。ケース121はワックス123およびバネ124を内部に収容する収容体としての機能を有している。ピストン122は、相対的に径の大きい部分である大径部126と、相対的に径の小さい部分である小径部127とを有している。小径部127の一端が大径部126に接続している。その結果、ピストン122の全体形状は断面T字状になっている。大径部126によって、ケース121内は2つの室に仕切られている。ケース121内の大径部126よりも熱交換体106に近い側の室にワックス123が配置され、ケース121内の大径部126よりも熱交換体106から遠い側の室にバネ124が配置されている。バネ124は、ピストン122を熱交換体106の側に付勢する付勢部材としての機能を有している。
シャット弁125はピストン122の小径部127の端部(具体的には大径部126とは反対側の端部)に接続している。シャット弁125は、複数の内部ガス通路108のうち、冷媒近傍領域(図3においては、領域Xで図示されている)に存在する内部ガス通路108の端面を閉塞する閉塞部材としての機能を有している。なお本実施例に係るシャット弁125が閉塞する内部ガス通路108の端面は、内部ガス通路108のEGRガス流動方向下流側の端面である。またシャット弁125は、図3において紙面奥側および紙面手前側に所定の幅を有している。シャット弁125のこの幅の具体的数値は特に限定されるものではないが、この幅が広いほど冷媒近傍領域に存在する多くの内部ガス通路108を閉塞することができる点で好ましい。
ケース121は内部冷媒通路107の近傍に配置されている。具体的には本実施例に係るケース121は、内部冷媒通路107の冷媒流動方向下流側の端部(本実施例においては、これはEGRガス流動方向で下流側の端部でもある)の近傍に配置されている。より具体的にはケース121は、コーンパイプ102bの外周面のうち内部冷媒通路107近傍に存在する部分(具体的には図3において、内径が一様になっている部分)と、アウターパイプ103の外周面のうち内部冷媒通路107の冷媒流動方向下流側端部の近傍に存在する部分とに接続している。このようにケース121が内部冷媒通路107の近傍に配置されていることで、内部冷媒通路107の冷媒の熱をワックス123に効果的に伝導することができる。ワックス123は、所定の溶解温度以上になった場合に溶解するとともに、溶解した場合に体積が膨張するワックスである。このようなワックス123の具体的な組成は特に限定されるものではなく、公知のワックスを用いることができる。そのため、ワックスの組成についての詳細な説明は省略する。
ここで、冷媒停止の実行中において内部冷媒通路107の冷媒の温度は時間の経過とともに上昇していく傾向がある。したがって、内部冷媒通路107の冷媒の温度は冷媒停止の実行中よりも冷媒停止の終了後の方が高くなる傾向がある。本実施例に係るワックス123の溶解温度は、冷媒停止の実行中は内部冷媒通路107の冷媒の熱がワックス123に伝導してもワックス123は溶解せずに、冷媒停止の終了後にワックス123が溶解するような温度に設定されている。このようなワックス123の溶解温度の一例を挙げると、例えば40℃〜70℃の範囲内のものを用いることができる。本実施例においてワックス123の溶解が開始する温度は、70℃より若干低い温度になっている。また本実施例においてワックス123は70℃の場合に完全に溶解する。
図4(a)および図4(b)は可変装置120の動作を説明するための模式的断面図である。具体的には図4(a)は冷媒停止の実行中におけるEGRクーラ100の可変装置120近傍を模式的に示し、図4(b)は冷媒停止の終了後におけるEGRクーラ100の可変装置120近傍を模式的に示している。図4(a)に示すように、冷媒停止の実行中において、ワックス123は溶解していない。その結果、シャット弁125は冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108の下流側端面を閉塞している。図4(b)に示すように、冷媒停止の終了後においてワックス123は溶解しており、その結果、ワックス123の体積は図4(a)に比較して膨張している。それにより、シャット弁125は内部ガス通路108の閉塞を解除している。
図4(a)に示すようにシャット弁125が冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108を閉塞した場合、EGRガスは閉塞された冷媒近傍領域を流動しなくなる。その結果、シャット弁125によって閉塞された冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108は、内部ガス通路としての機能を発揮できなくなる。すなわち、シャット弁125によって閉塞された冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積はゼロとなる。その結果、図4(a)と図4(b)とを比較した場合、図4(a)の場合の方が図4(b)の場合よりも、冷媒近傍領域に存在するの内部ガス通路108の断面積は減少している。このようにして本実施例に係る可変装置120は、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積が、冷媒停止の実行中の方(図4(a))が冷媒停止の終了後(図4(b))に比較して減少するように、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を変更している。
続いて内燃機関5の始動時における冷媒バルブ70、EGRバルブ90、シャット弁125および補助ポンプ31の動作の全体について説明する。図5(a)は、内燃機関5の始動時における冷媒バルブ70、EGRバルブ90およびシャット弁125の動作を示すフローチャートである。図5(b)は内燃機関5の始動時における補助ポンプ31の動作を示すフローチャートである。図6(a)は、内燃機関5の始動時におけるEGR通路80のEGRガスの流量(m/s)、シャット弁125の開閉状態および内部冷媒通路107の冷媒流動状態のタイミングチャートである。図6(b)は、内燃機関5の始動時における冷媒の温度(℃)およびEGRクーラ100の内部温度(℃)のタイミングチャートである。なお図6(b)において曲線300は温度センサ130aの検出した冷媒の温度を示し、曲線301は温度センサ130bの検出したEGRクーラ100の内部温度を示している。
図5(a)のフローチャートは内燃機関5の始動時、具体的にはクランキングが開始した時にスタートする。図5(b)のフローチャートは、図5(a)のステップS10〜ステップS60までの間に実行される。図5(a)を参照して、内燃機関5が始動した場合、制御装置140の制御部は冷媒バルブ70を閉に制御する(ステップS10)。冷媒バルブ70が閉になることで、ポンプ30から機関本体10への冷媒の供給が停止される。その結果、機関本体10を経由した冷媒のEGRクーラ100の内部冷媒通路107への流入も停止される。すなわちステップS10で冷媒バルブ70を閉に制御する処理は、本実施例に係る冷媒停止に相当する。冷媒停止が実行された場合、シャット弁125は、冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108を閉塞している(図4(a)参照)。
ステップS10が実行された場合、冷媒は機関本体10の熱によって加熱されるため、冷媒温度は上昇を開始する。その結果、図6(b)の曲線300が示すように、始動時において温度T0であった冷媒温度は、時間tを経過した後に上昇を開始している。
図5(a)を参照して、ステップS10の後に制御部は、温度センサ130aの検出した冷媒温度が第1温度(T1)以上であるか否かを判定する(ステップS20)。第1温度としては、40℃〜60℃の範囲内の値を用いることが好ましい。本実施例では第1温度の一例として50℃を用いることとする。但し第1温度はこれに限定されるものではない。第1温度は予め記憶部が記憶しておく。制御部は、温度センサ130aの検出結果と記憶部に記憶されている第1温度とを比較することでステップS20を実行している。ステップS20は肯定判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS20で肯定判定された場合(Yes)、制御部はEGRバルブ90の開度を第1開度に制御する(ステップS30)。図6(b)の曲線300が示すように、冷媒温度は時間Aにおいて第1温度(T1)以上となっており、その結果、図6(a)に示すように、EGRガスの流量は時間Aにおいて第1開度に対応した量になっている。なおステップS30が実行された場合、EGRクーラ100の内部ガス通路108をEGRガスが通過することが開始される。その結果、図6(b)の曲線301が示すように、EGRクーラ100の内部温度(本実施例においては熱交換体106の温度)は時間Aにおいて急上昇している。
図5(b)を参照して、制御部は温度センサ130bの検出したEGRクーラ100の内部温度が第3温度(T3)になったか否かを判定する(ステップS100)。ステップS100で肯定判定された場合、制御部は補助ポンプ31を作動させる(ステップS110)。図1で前述したように、補助ポンプ31が作動した場合、補助ポンプ31から吐出された冷媒はエキゾーストマニホールド21、ヒータ50およびEGRクーラ100の内部冷媒通路107を通過して補助ポンプ31に戻る。ステップS110の後に制御部は、図5(b)のフローチャートの実行を終了する。ステップS100で否定判定された場合、制御部は補助ポンプ31の作動を停止させる(ステップS120)。次いで制御部は図5(b)のフローチャートの実行を終了する。なお第3温度(T3)の具体的数値は特に限定されるものではないが、例えばEGRクーラ100の内部温度がこの第3温度以上になった状態が所定時間以上続いた場合に、EGRクーラ100の内部の部材(例えば熱交換体106やグラファイトシート105等)に劣化が生じると考えられる温度を用いることができる。
図6(b)の曲線301が示すように、時間BにおいてEGRクーラ100の内部温度は第3温度(T3)になっているため、時間Bにおいて補助ポンプ31は作動を開始する。図6(a)を参照して、補助ポンプ31が作動を開始する時間Bまでの間、内部冷媒通路107における冷媒の流動は停止しているが、時間B以降は、冷媒の流動が開始している。図6(b)の曲線301を参照して、時間Bにおいて内部冷媒通路107の冷媒流動が開始したことでEGRクーラ100の内部温度は時間Bにおいて減少に転じた結果、EGRクーラ100の内部温度が第3温度(T3)よりも上昇することは抑制されている。
なお制御部は、補助ポンプ31を作動させた場合、補助ポンプ31の回転数を一定値に制御してもよく、EGRクーラ100の内部温度に応じて変動させてもよい。制御部が補助ポンプ31の回転数をEGRクーラ100の内部温度に応じて変動させる場合、制御部は、EGRクーラ100の内部温度が高いほど補助ポンプ31の回転数を高く制御する。
図5(a)を参照して、ステップS30の後に制御部は、EGR通路80のEGRガスの流量およびEGRガスの温度に基づいて熱交換体106の発熱量の積算値(熱量と称する)を算出する(ステップS40)。ステップS40の具体的な算出手法は特に限定されるものではなく、公知の熱量算出手法を適用することができるため、詳細な説明は省略する。次いで制御部は、ステップS40で算出された熱量が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS50)。ステップS50の所定値としては、例えばステップS40で算出された熱量がこの所定値以上となった場合に冷媒停止を終了した方が好ましいと考えられる値を用いることができる。ステップS50で否定判定された場合、制御部はステップS40を実行する。
ステップS50で肯定判定された場合、制御部は冷媒バルブ70を開に制御する(ステップS60)。ステップS60が実行されることで、ポンプ30から吐出された冷媒は機関本体10を通過することができるようになるともに、機関本体10を経由後の冷媒はEGRクーラ100の内部冷媒通路107にも流動することができるようになる。すなわちステップS60は、冷媒停止を終了する制御処理に相当する。その結果、ステップS10〜ステップS50までの制御処理が、本実施例に係る冷媒停止の実行中に相当する。なお、ステップS60が実行された場合、仮に補助ポンプ31が作動していても、制御部は、強制的に補助ポンプ31の作動も停止させる。
次いで制御部は、温度センサ130aの検出した冷媒温度が第2温度(T2)以上であるか否かを判定する(ステップS70)。制御部はステップS70が肯定判定されるまでステップS70を繰り返し実行する。本実施例において第2温度は70℃に設定されている。なお、この70℃は水の露点(68℃)以上の温度でもある。制御部はステップS70で肯定判定された場合、EGRバルブ90の開度を第2開度に制御する(ステップS80)。第2開度は第1開度よりも大きい値である。次いで制御部はフローチャートの実行を終了する。図6(b)の曲線300を参照して、冷媒温度は時間Dにおいて第2温度(T2)以上となっており、図6(a)を参照して、EGRガスの流量は時間Dにおいて第2開度に対応した流量になっている。
また、図5(a)を参照して、ステップS80に図示されているように、ステップS70で肯定判定された場合(すなわち、温度センサ130aの検出した冷媒温度が第2温度(T2)以上になった場合)、シャット弁125は、冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108の閉塞を解除する(図4(b)参照)。図6(a)を参照して、本実施例においてワックス123の溶解が開始する温度は、第2温度である70℃よりも若干低いため、時間Dよりも前の時間である時間Cにおいてシャット弁125の閉塞解除は開始されている。シャット弁125は、冷媒温度が第2温度になる時間Dにおいて内部ガス通路108の閉塞を完全に解除している。
EGRクーラ100の作用効果をまとめると次のようになる。まず、EGRクーラ100の可変装置120は、冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108の断面積が、冷媒停止が実行中(図4(a)、図5(a)のステップS10〜ステップS50)の方が冷媒停止の終了後(図4(b)、図5(a)のステップS80)に比較して減少するように、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を変更している。EGRクーラ100によれば、冷媒停止の実行中に、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108におけるEGRガスの流量を減少させることができる。それにより、EGRガスによる内部冷媒通路107の冷媒の加熱度合いを低減させることができる。その結果、内部冷媒通路107の冷媒が沸騰することを抑制することができる。
また上記可変装置120の具体的構成の一例として、本実施例に係る可変装置120は、冷媒停止の実行中に冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108を閉塞し、冷媒停止の終了後に内部ガス通路108の閉塞を解除するシャット弁125(すなわち閉塞部材)を備えている(図3)。この構成によれば、冷媒停止の実行中における冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を、冷媒停止の終了後に比較して減少させることができる。
また上記可変装置120の具体的構成の一例として、本実施例に係る可変装置120は、冷媒停止の実行中は溶解せず、冷媒停止の終了後に溶解することで体積が膨張するワックス123を内部冷媒通路107の近傍に備えている(図3)。そしてワックス123は、溶解していない場合には、シャット弁125が冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108を閉塞し(図4(a))、溶解することで体積が膨張した場合にシャット弁125が閉塞を解除するように(図4(b))、シャット弁125を駆動している。この構成によれば、シャット弁125を駆動させるのに電気が不要であるため、例えばシャット弁125を電動モータ等の電動アクチュエータによって駆動する場合に比較して、内燃機関5の燃費を向上させることができる。
またEGRクーラ100によれば、ワックス123が溶解する温度が水の露点(68℃)より高い温度(具体的には70℃)に設定されている。その結果、シャット弁125は、冷媒温度が水の露点以下の場合に内部冷媒通路107を閉塞している(ステップS10〜ステップS70)。それにより、冷媒停止の実行中において、内部ガス通路108を通過するEGRガスに含まれる水分がインナーパイプ104によって冷却されることで結露することを抑制することができる。
またEGRクーラ100が適用される内燃機関5によれば、冷媒停止の実行中におけるEGRバルブ90の開度である第1開度(ステップS30)は、冷媒停止の終了後におけるEGRバルブ90の開度である第2開度(ステップS80)よりも小さく設定されている。それにより、冷媒停止の実行中におけるEGR通路80のEGRガスの量を冷媒停止の終了後におけるEGRガスの量よりも低い値にすることができる。その結果、冷媒停止の実行中における結露の発生をより効果的に抑制することができる。
続いて本発明の実施例2に係る内燃機関のEGRクーラ(以下、EGRクーラ100aと称する)について説明する。図7は冷媒停止の実行中におけるEGRクーラ100aの一部を模式的に示す断面図である。EGRクーラ100aは、断面積可変装置120に代えて、断面積可変装置120a(以下、可変装置120aと略称する場合がある)を備えている。またEGRクーラ100aは、アウターパイプ103に代えてアウターパイプ103aを備え、コーンパイプ102bに代えてコーンパイプ102baを備えている。EGRクーラ100aのその他の構成は実施例1と同様である。
可変装置120aは、シャット弁125に代えてリング部材128を備えている。リング部材128は、熱交換体106の軸線方向に変位することで冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108を閉塞する閉塞部材としての機能を有している。具体的にはリング部材128は中央部に穴が形成されたリング形状の部材である。リング部材128の穴が形成されていない部分が、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の端面を閉塞する。本実施例に係る可変装置120aは、ピストン122が熱交換体106の軸線方向に変位するように、EGRクーラ100aの内部に配置されている。
アウターパイプ103aおよびコーンパイプ102baは、形状が実施例1と異なっている。具体的にはコーンパイプ102baは、内径が一様な部分(以下、円筒部分と称する)を有しているが、この円筒部分が実施例1に係るコーンパイプ102bよりも内部冷媒通路107の冷媒流動方向で上流側に延伸している。アウターパイプ103aの冷媒流動方向で下流側の端部は、コーンパイプ102baの円筒部分の冷媒流動方向で下流側の端部の外周面に接続している。コーンパイプ102baの円筒部分の内側に、可変装置120aのケース121が固定されている。なおアウターパイプ103aおよびコーンパイプ102baがこのような形状を有しているのは、可変装置120aをEGRクーラ100aの内部に配置するためである。そのため、可変装置120aをEGRクーラ100aの内部に配置できるのであれば、アウターパイプ103aおよびコーンパイプ102baの形状は図7の形状に限定されるものではない。
図8は、冷媒停止の終了後におけるEGRクーラ100aの一部を模式的に示す断面図である。図7および図8を参照して可変装置120aの動作を説明すると次のようになる。まず図7に示すように、冷媒停止の実行中において、可変装置120aのワックス123は溶解していない。この場合、リング部材128は冷媒近傍領域(領域X)に存在する内部ガス通路108の下流側端面を閉塞している。図8を参照して、冷媒停止の終了後においてワックス123は溶解しており、その結果、図7に比較してワックス123の体積は膨張している。ワックス123が膨張したことで、ピストン122は熱交換体106の端面から離れる方向(図8においては右方向)に変位し、その結果、ピストン122に接続したリング部材128も熱交換体106の端面から離れる方向に変位している。それにより、リング部材128による内部冷媒通路107の閉塞が解除されている。なお本実施例において、内燃機関5の始動時における冷媒バルブ70、EGRバルブ90、リング部材128および補助ポンプ31の全体の動作を示すフローチャートは、図5(a)および図5(b)においてシャット弁125をリング部材128に置き換えたフローチャートになる。
本実施例に係るEGRクーラ100aにおいても可変装置120aは、冷媒停止の実行中において冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の断面積を冷媒停止の終了後に比較して減少させていることから、実施例1と同様の効果を発揮することができる。具体的にはEGRクーラ100aによれば、冷媒停止の実行中において、冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108におけるEGRガスの流量を減少させることができることから、内部冷媒通路107の冷媒が沸騰することを抑制することができる。またEGRクーラ100aによれば、実施例1と同様に、冷媒停止の実行中において内部ガス通路108を通過するEGRガスに含まれる水分が結露することを抑制することもできる。
なお、実施例1および実施例2において断面積可変装置は、ワックス123によって閉塞部材(具体的にはシャット弁125またはリング部材128)を駆動するタイプの断面積可変装置であるが、断面積可変装置の構成はこれに限定されるものではない。他の例を挙げると、断面積可変装置として、電動モータ等の電動アクチュエータによって閉塞部材を駆動するタイプの断面積可変装置を用いることもできる。この場合、制御装置は、冷媒停止の実行中において閉塞部材が冷媒近傍領域に存在する内部ガス通路108の端部を閉塞し、冷媒停止の終了後において閉塞部材が内部ガス通路の閉塞を解除するように電動アクチュエータを制御する。また断面積可変装置として、空圧または油圧によって閉塞部材を駆動するタイプの断面積可変装置を用いることもできる。また実施例1および実施例2において断面積可変装置の閉塞部材は、内部ガス通路108のEGRガス流動方向で下流側端面を閉塞しているが、閉塞部材の内部ガス通路108の閉塞箇所は、これに限定されるものではない。他の例を挙げると、例えば閉塞部材は、内部ガス通路108のEGRガス流動方向で上流側の端面を閉塞してもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 内燃機関
10 機関本体
11 気筒
100 EGRクーラ
106 熱交換体
107 内部冷媒通路
108 内部ガス通路
110 第1隔壁
111 第2隔壁
120 断面積可変装置
123 ワックス
125 シャット弁
128 リング部材
140 制御装置

Claims (3)

  1. 内燃機関の機関本体に形成された気筒に再循環するEGRガスが通過する内部ガス通路を複数有し、各々の前記内部ガス通路を区画する部材の材質がSiCを含んでいる熱交換体と、
    前記熱交換体の外側に配置され、前記機関本体を経由した冷媒が通過可能な内部冷媒通路と、
    複数の前記内部ガス通路のうち前記熱交換体の外周縁から所定距離内側の領域である冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路の断面積が、前記機関本体を経由した前記冷媒の前記内部冷媒通路への流入を停止させる冷媒停止が実行中の方が前記冷媒停止の終了後に比較して減少するように、前記冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路の断面積を変更する断面積可変装置と、を備えることを特徴とする内燃機関のEGRクーラ。
  2. 前記断面積可変装置は、前記冷媒停止の実行中に前記冷媒近傍領域に存在する前記内部ガス通路を閉塞し、前記冷媒停止の終了後に前記内部ガス通路の閉塞を解除する閉塞部材を備える請求項1記載の内燃機関のEGRクーラ。
  3. 前記断面積可変装置は、前記冷媒停止の実行中は溶解せず、前記冷媒停止の終了後に溶解することで体積が膨張するワックスを備え、
    前記ワックスは、溶解していない場合には前記閉塞部材が前記内部ガス通路を閉塞し、溶解することで前記体積が膨張した場合に前記閉塞部材が前記内部ガス通路の前記閉塞を解除するように前記閉塞部材を駆動する請求項2記載の内燃機関のEGRクーラ。
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JP2019060304A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 トヨタ自動車株式会社 排熱回収器

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