JP2010110861A - 直線溝加工方法および直線溝加工装置 - Google Patents

直線溝加工方法および直線溝加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長い直線溝を繋ぎ加工するための加工装置を提供することである。
【解決手段】工具3を取り付けたスライダ1とスライダ1をガイドする直線ガイド2で構成された往復運動装置を有し、スライダ1を直線ガイド2に沿って往復運動させ、テーブル4に固定されたワークWに工具3により直線溝を加工する加工装置において、工具3をスライダ1の往復運動方向と直交する方向に切り込み駆動する工具切り込み駆動手段と、テーブル4をX軸方向に移動させる第1の駆動手段と、テーブル4をY軸方向に移動させる第2の駆動手段と、前記往復運動装置をX軸とY軸と直交するZ軸方向に移動させる第3の駆動手段と、を備え、スライダ1の往復運動方向とX軸方向とが同じ方向となるように往復運動装置とテーブル4とを位置決めし、スライダ1の往復運動とテーブル4のX軸方向の移動との組み合わせにより工具3またはテーブル4のストロークより長い直線溝をワークWに加工する直線溝加工装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、直線溝加工を行う加工装置に関し、特に、長距離の直線溝を繋ぎ加工するための加工装置に関する。
回折格子や液晶表示装置の導光板を成形する金型では何百〜何万本もの直線溝を加工する必要がある。このような多量の直線溝を加工する加工において、加工時間を短縮するためには、高速な送り軸をもつ加工機が必要である。また、回折格子や導光板用の金型では、非常に微小な加工誤差も許されないため、高速駆動時にも振動を生じない滑らかな直線移動も必須となる。このような高速および高精度の加工を実現する送り機構として、空気軸受けとリニアモータを組み合わせた構造が知られている。
特許文献1には、ガイド部材とスライド部材との間で軸受を構成し、ガイド部材とスライド部材との間で推力を発生する機構を備え、スライド部材の直線移動軸ストロークの両端において、スライド部材とガイド部材の間で軸方向に反発力が発生するように反転用の永久磁石をスライド部材とガイド部材とに配置することによって、スライド部材の移動方向反転時に、直線駆動装置が必要とする力を軽減させる往復運動装置の技術が開示されている。
また、特許文献2には、プリズム金型のような精密部品を製作する場合、同様の加工品を複数製作しそれらを並べて配置することにより、大型の加工品として扱う技術が開示されている。
特開2007−130712号公報 国際公開番号WO97/04940
液晶表示装置の導光板のようにより広い面積を有する導光板の製作には、より広い面積を持つ金型を用意する必要がある。しかし、工作機械を用いてワークに直線溝を加工する場合、基本的には工具またはワークを載置する直線軸の直線送りストローク量を超える長さの直線溝を切削することはできない。
特許文献2に示されるように、プリズム金型のような精密部品を製作する場合、同様の加工品を複数製作し、それらを並べて配置することにより、大型の加工品として扱うことができるものの、ミクロンオーダの微細ピッチ溝加工の場合、加工品同士を溝ピッチのずれ無しに繋ぎ合わせることは極めて困難である。また、そもそも、微細溝加工品の場合、分割したワークを並べた際に生じる、僅かな繋ぎ目の存在自体が精度的に許容できない場合が多い。
そこで本発明の目的は、ワークを分割したり、工作機上から外すことなく、長距離の直線溝を繋ぎ加工するための加工装置を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、直線ガイドに沿って往復運動するスライダに取り付けた工具によりテーブルに固定されたワークに複数の長い直線溝を加工する加工方法において、
前記スライダの往動時に前記工具を前記ワークに切り込み、直線溝を加工する第1のステップと、前記スライダの復動時に前記工具を前記ワークから退避させて復動する第2のステップと、前記工具が前記ワークから退避して前記スライダが次の往動ステップに移るまでの間に、前記直線溝の延在方向と直交する方向に前記テーブルまたは前記直線ガイドを移動させる第3のステップと、前記第1から第3のステップを繰り返し前記直線溝を加工した後、前記テーブルを前記直線溝方向に所定距離移動する第4のステップと、前記第4のステップの前に加工された前記直線溝と繋ぎ合わせるように前記第1から第3のステップを繰り返し直線溝を加工する第5のステップと、からなる複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法である。
請求項2に係る発明は、前記第5のステップにおいて前記直線溝のピッチ方向の繋ぎ目誤差を補正するように前記テーブルを移動させることを含む請求項1に記載の複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法である。
請求項3に係る発明は、前記第1のステップにおいて前記工具の刃先の動作軌跡を曲線形状とする請求項1または2のいずれか1つに記載の複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法である。
請求項4に係る発明は、工具を取り付けたスライダと該スライダをガイドする直線ガイドで構成された往復運動装置を有し、該スライダを該直線ガイドに沿って往復運動させ、テーブルに固定されたワークに該工具により直線溝を加工する加工装置において、前記工具を前記スライダの往復運動方向と直交する方向に切り込み駆動する工具切り込み駆動手段と、前記テーブルを第1の方向に移動させる第1の駆動手段と、前記テーブルを前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる第2の駆動手段と、前記往復運動装置を前記第1の方向および第2の方向と直交する方向に移動させる第3の駆動手段と、を備え、前記スライダの往復運動方向と前記第1の方向とが同じ方向となるように前記往復運動装置と前記テーブルとを位置決めし、前記スライダの往復運動と前記テーブルの前記第1の方向の移動との組み合わせにより前記工具または前記テーブルのストロークより長い直線溝を前記ワークに加工することを特徴とする直線溝加工装置である。
請求項5に係る発明は、前記テーブルを前記第2の方向に移動させることにより、前記第1の方向に対する前記往復運動装置の取り付け誤差によって生じる前記直線溝のピッチ方向の繋ぎ目誤差を補正することを特徴とする請求項4に記載の直線溝加工装置である。
請求項6に係る発明は、前記工具の刃先の動作軌跡を、前記ワークへの溝加工時に曲線形状としたことを特徴とする請求項4または5のいずれか1つに記載の直線溝加工装置である。
請求項7に係る発明は、前記スライダは、前記直線ガイドに空気軸受けで軸受けされたリニアモータ構造であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の直線溝加工装置である。
本発明により、ワークを分割したり工作機上から外すことなく、ワークを載置するテーブルのストロークおよび往復運動装置のストロークより長い直線溝を繋ぎ加工可能な加工装置を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態の加工装置の概略構成図である。図1(a)は加工装置を正面から見た概略図であり、図1(b)は加工装置を右側面から見た概略図である。直線溝加工装置20は、ベッド21と、ベッド21から垂直に起立するコラム22と、コラム22の上部に設けられて上下動するヘッド23と、ヘッド23に取り付けられている往復運動装置24、ベッド21上で直交する2つ水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動可能に支持され、治具などによりワークWを板面上で固定するテーブル4と、ヘッド23を上下方向(Z軸方向)と水平方向(X−Y2軸方向)にそれぞれ駆動する複数の送り軸駆動モータ(図示省略)を備えている。この構成により、スライダ1は直線ガイド2によりX軸方向に単純な往復運動を繰り返す。また、テーブル4は2組の送り機構によって、水平面内を互いに直交するX−Y軸2軸方向に移動できるようになっている。
また、直線溝加工装置20は、X軸、Y軸、およびZ軸の各送り軸を制御し、さらに、往復運動装置24を制御する制御装置30によって制御される。図2に示されるように制御装置30は、プロセッサ(CPU)、ROM、RAM、表示装置付手動入力装置(表示装置/MDIユニット)などを備えており、加工プログラムに従って直線溝加工装置20を制御し、ワークWに直線溝を加工させる。往復運動装置24は、スライダ1、直線ガイド2、スライダ1に取り付けられた工具3を備えている。スライダ1と直線ガイド2の概略構成について図3を用いて説明する。
図3は直線ガイドの軸方向に沿って切断した断面図である。直線ガイド2には、スライダ1が直線ガイド2の軸方向に移動可能に軸受けされている。軸受けとしては空気軸受け構造とすることができる。スライダ1の推力発生手段としてリニアモータが用いられる。スライダ1にはリニアモータを構成するコイル27、直線ガイド2にはリニアモータを構成する鉄心29及び駆動用永久磁石28が配置されている。コイル27は、スライダ1の中心部に直線ガイド2の対向面に対向するようスライダ1に配置される。また、スライダ1が直線ガイド2に対して往復運動するストロークの両端部に対応する直線ガイド2の位置に駆動用永久磁石28を配置し、その間に鉄心29を配置した構成のリニアモータとしている。スライダ1には、板バネ25が固着されており、板バネ25にはワークWに溝加工を行う工具3が取り付けられている(図4参照)。
スライダ1に取り付けられているコイル27に電流を流しリニアモータを駆動し、スライダ1を直線ガイド2の一方の方向に移動させる。スライダ1の往復運動のストロークエンドになるとコイル27に流す電流の向きを変えて、スライダ1の移動方向を反転させる。スライダ1のストロークの端に駆動用永久磁石28を配置した構成のリニアモータであることから、推力リップルやコギングが発生することなく、精度の高い直線運動となり、高精度の直線溝加工ができる。
図4は、本発明の加工機に備えられる往復運動装置24の工具切り込み機構を示す図である。前述したようにスライダ1には、板バネ25が固着されており、板バネ25にはワークWに溝加工を行う工具3が取り付けられている。そして、板バネ25を伸縮させるように板バネ25とスライダ1との間にピエゾ素子26が取り付けられている。
このピエゾ素子26に電圧を印加すると、図4(a)の状態からその電圧の大きさに応じて、図4(b)に示すようにピエゾ素子26が伸長し、板バネ25を押し、工具3を切り込み方向(Z軸方向)に移動させて、ワークWに切り込みを与え、スライダ1の移動によってワークWは加工されることになる。このピエゾ素子26は図示省略した制御手段によって駆動し、伸縮させることによって、板バネ25を介して工具3を出入させて、ワークWに溝加工する切り込み量を変えるようにしている。すなわち、ピエゾ素子26によって切り込み量を変える手段を構成している。
工具3は板バネ25に取り付けられ、ピエゾ素子26には直接取り付けられていないから、工具3に加わる力は、直接ピエゾ素子26に伝わらない。このため、伸縮方向に対して圧縮する方向以外の外力に弱いピエゾ素子26を板バネ25によって保護している。
以上のように、スライダ1に設けたコイル27に流す電流の向きを変えることによって、スライダ1を往復運動させて、かつ、このスライダ1の往復運動の際、ピエゾ素子26を駆動制御する制御手段により、例えば、スライダ1の往動時にはピエゾ素子26に所定の電流を流し伸張させ、工具3に所定量の切り込み量を与えてワークWに対して引き切り切削加工を行う。復動時にはピエゾ素子26を縮小させて工具3がワークWに干渉しない位置まで退避させて復帰させる。工具3によるワークWへの切り込み量はピエゾ素子26に印加する電圧の大きさで制御する。したがって、ピエゾ素子26に印加する電圧を制御することにより、図10に示されるように所定の曲率を持った切り込み溝加工を行うことができる。
以上説明した直線溝加工装置20を用いて、テーブル4のX軸方向のストロークおよび往復運動装置24のスライダ1に取り付けられた工具3のストロークより長い直線溝を、ワークWに加工することが可能な本発明の方法について説明する。
まず、図5を用いて直線溝加工装置20(図1参照)の軸構成を説明する。直線溝加工装置20は図5に示されるように、テーブル4をX軸およびY軸の2軸方向に移動し、スライダ1をZ軸方向に移動する手段を有する。図5においてワークWは、その長手方向をテーブル4のX軸方向に揃えてテーブル4に載置されている。また、往復運動装置24の直線ガイド2の軸長手方向はX軸と揃えて配置されている。なお、テーブル4を回転可能な構成とし、スライダ1の駆動方向とX軸とが平行ではないときに、お互いが平行となるようにテーブル4を回転駆動するようにしてもよい。
スライダ1は直線ガイド2の軸長手方向に移動可能であることから、テーブル4のX軸方向と往復運動装置24のスライダ1の移動方向とは同一方向である。Y軸はX軸と直交している。また、Z軸はX軸およびY軸と直交している。なお、Y軸方向の移動は、テーブル4を移動する替わりに往復運動装置24をY軸方向に移動する構成としてもよい。また、テーブル4は円形状部材として描かれているが、テーブル4として円形のテーブルに限定するものではない。
次に、テーブル4に載置されたワークWに直線溝を加工することを説明する。図6は、スライダに取り付けられた工具によってワークを加工することを説明する図である。図6に示されるように、ワークWの右端をR、左端をLで表す。直線ガイド2に軸受けされたスライダ1は、直線ガイド2に沿って往復運動する。スライダ1が直線ガイド2に沿って往復運動するのに同期して、工具3は動作軌跡tr1→tr2→tr3→tr4に示される軌跡を辿る。工具3の動作については図3および図4を用いて前述したとおりである。
工具3の動作軌跡tr3(往動)においてワークWに対して直線溝加工を実行することができる。ワークWに形成される直線溝の延在方向は、スライダ1の駆動方向と同じである。そして、図5で説明したようにテーブル4のX軸方向と往復運動装置24のスライダ1の移動方向とは同一方向であることから、ワークWに加工される直線溝の延在方向は、X軸と平行な方向である。
ところで、図6を参照すれば明らかなように、スライダ1の移動可能なストロークはワークWの長手方向の長さより短いため、結局、ワークWに対して右端Rから左端Lに渡って連続した直線溝加工をスライダ1の往復運動だけでは行えない。より正確にいえば、工具3の動作軌跡tr3のストロークがワークWの長さに足りないからである。
そこで、本発明ではワークWを載置しているテーブルの移動を利用することによりワークWに長い直線溝を形成することを説明する。先ず、図7を用いてワークWの長さ6とテーブル4のX軸方向のストローク量7とスライダ1のストローク量5の関係を説明する。図7は、X軸のストローク量とスライダに取り付けられた工具のストローク量との関係を説明する図である。図7(a)は、ワークWの長さ6に対し、テーブル4のX軸方向のストローク量7が短いことを示している。また、図7(b)は、スライダ1のストローク量5も、ワークWの長さ6より短いため、ワークWの長さ6の溝加工を一度にはできないことを示している。符号8はスライダ1に取り付けられた工具3のストローク量を表す。
図8は、X軸とスライダのストロークの組み合わせについて説明する図である。図8に示されるように、溝切削自体はスライダ1の往復駆動で行い、テーブル4をX軸方向に移動させることでワークWと直線ガイド2とのX軸方向の相対的位置をずらす。テーブル4のX軸方向の移動とスライダ1の往復駆動とを組み合わせることで、実質的なスライダ1に取り付けられている工具3のストロークを長くすることができる。
図8(a)ではテーブル4を−X軸方向に移動させてワークWの右側部分の加工を可能とすることを示しており、図8(b)ではテーブル4をX軸方向に移動させてワークWの左側部分の加工を可能とすることを示している。これによって、テーブル4のストロークとスライダ1のストロークのそれぞれのストロークだけでは加工が不可能な長さのワークWへの直線溝の繋ぎ加工を実行できる。
次に、図9により工具によるワークへの切り込み動作を説明する。図9(a)は図6で説明したように、スライダ1の直線ガイド2に沿った往復駆動することを説明している。工具3の出没方向9の往復駆動とスライダ1の往復駆動の組み合わせによって、工具3は動作軌跡tr1→tr2→tr3→tr4に示される軌跡の運動を行う。
そして、図9(b)に示されるように、工具3がワークWに対して切削可能となる位置になるように、スライダ1と直線ガイド2を−Z軸方向に移動させる。そうすると、工具3は動作軌跡tr3においてワークWを直線溝加工できる。
なお、補足して説明すると、図8においてテーブル4を−X軸方向に移動させる際には、スライダ1は往復運動を継続したまま往復運動装置24をZ軸方向に移動させ、次に、テーブル4を−X軸方向に移動させる。このようにすることにより、テーブル4を移動させているときに工具3がワークに不要な溝加工をすることがない。
直線ガイド2に沿って往復運動するスライダ1に取り付けた工具3によりテーブル4に固定されたワークWに複数本の長い直線溝を加工するには、次のように実行する。
スライダ1の往動時に工具3をワークWに切り込み、直線溝をワークWに加工する。そして、スライダ1の復動時に工具3をワークWから退避させて復動させる。工具3がワークWから退避してスライダ1が次の往動ステップに移るまでの間に、直線溝の延在方向と直交する方向(第2の方向)にテーブル4または直線ガイド2を備える往復運動装置24を移動させる。
そして、上述したように、スライダ1の往動時に工具3をワークWに切り込み、直線溝をワークWに加工する。そして、スライダ1の復動時に工具3をワークWから退避させて復動させる。工具3がワークWから退避してスライダ1が次の往動ステップに移るまでの間に、直線溝の延在方向と直交する方向にテーブル4または直線ガイド2を備える往復運動装置24を移動させる。この動作を繰り返すことにより、複数本の直線溝を加工できる。
そして、必要な本数の直線溝の加工が終わると、前記テーブル4を直線溝の延在方向(第1の方向)にテーブル4を所定距離移動させる。所定距離移動の後、上述したように直線溝の延在方向と直交する方向にテーブル4を移動させることにより、複数本の直線溝を加工する。
テーブル4を第1の方向に移動する前に加工した複数本の直線溝と、テーブル4を第1の方向に移動した後に加工した複数本の直線溝とを繋ぎ合わせることにより、複数本の長い直線溝をワークWに加工することができる。
ここで、図9(b)に示されるように、工具3を溝の深さ方向に対して直線状に切り込むとき(10R)、または、工具3を引き抜くとき(10L)、急激に工具3が上下することになる。このとき、ワークWの直線溝の繋ぎ目となる部分に大きなバリが発生することがある。ワークWにこのようなバリが発生すると、このバリが直線溝の繋ぎ目の見た目やワークWの精度に悪影響を与える。
そこで、図10に示されるように、工具3をワークWに対して曲線形状となるように切り込む。図10(a)は、工具3をワークWに直線溝加工を実行する状態を示している。破線円10R内において、工具の動作軌跡tr2とtr3とを曲線状に連結することによって、工具3をワークWに対して曲線形状に切り込むことができる。また、破線円10L内において、工具の動作軌跡tr3とtr4とを曲線状に連結することによって、工具3をワークWから曲線形状に引き抜くことができる。工具3をこのような駆動は、ピエゾ素子26に印加する電圧を制御することによって行う。
図10(b)は、ワークWに対して曲線形状で切り込んだ直線溝を繋ぎ加工する場合、直線溝の繋ぎ目(11R、11L)で凹凸が発生しないようにする必要がある。繋ぎ目に凹凸が発生しないように、繋ぎ目において重なるように溝加工を実行したり、図10(c)に示されるように、曲線形状の曲率半径を大きくし、直線溝の深さ方向の繋ぎ目誤差(突起部分)を小さくすることができる。
図10(c)に示されるように工具3をワークWに対して曲線形状に切り込んだ場合、図9(b)に示されるように工具3をワークWに対して直線状に切り込んだ場合に比較して、直線溝の繋ぎ目におけるバリの発生を少なくすることができる。これによって、直線溝の見た目およびワークWの精度を向上させることができる。
直線溝を繋ぎ合わせて一本の直線溝を加工する場合、繋ぎ合わせる直線溝の延在する方向が揃っている必要がある。図11は、ワークWとスライダ1との位置関係を上面から見た図である。スライダ1に取り付けられた工具3は直線ガイド2に沿って直線溝を切削する。図11(a)に示されるように、テーブル4のX軸の送り方向と直線ガイド2との取り付け角度とが平行でないとき、直線溝のピッチ方向16に誤差12が生じてしまう。この場合、X軸と直交するY軸方向にテーブル4を移動させることにより直線溝を繋ぎ合わせることができる。
図11(a)に示される位置関係にある場合において、図11(b)に示される部分直線溝13と部分直線溝14との繋ぎ合わせを例として説明する。まず、部分直線溝13を加工し次に部分直線溝14を加工するとする。部分直線溝13の加工の後、テーブル4を−X軸方向に移動させる。このままの状態で部分直線溝14の加工を実施すると、破線に示すような部分直線溝14’を加工してしまいピッチ方向の繋ぎ目誤差12を生じることになる。
そこで、テーブル4を−Y軸方向にピッチ方向の繋ぎ目誤差12を解消する距離(矢印15)移動させる。この−Y方向にテーブル4を移動の後、部分直線溝14の加工を行う。そうすると、図11(b)に示されるように、部分直線溝13と部分直線溝14とはピッチ方向の繋ぎ目誤差12を生じることなく接続される。なお、ピッチ方向の繋ぎ目誤差12は微小であるので、ピッチ方向の繋ぎ目誤差12を解消する距離(矢印15)は誤差の絶対値として扱ってよい。
次に、図12および図13を用いて、直線溝のピッチ方向16の補正方法を説明する。図12は溝を繋ぎ加工した際の繋ぎ目位置と加工装置の軸方向と溝ピッチ方向の関係を説明する図である。ワークWにはY軸方向にV字形状の連続する溝17が形成されている。図11を用いて説明したように、直線ガイド2の取り付け角度の誤差によって、溝の繋ぎ目18には溝ピッチ方向16ずれが生じる。
図13は図12に示される溝の繋ぎ目18を拡大して示した図である。マイクロスコープや電子顕微鏡などの測定器を用いると図12の溝の繋ぎ目18は、図13に示されるように繋ぐべき溝同士の頂点のずれ量から溝ピッチ方向の誤差量を確認することができる。確認して得られた誤差量を直線溝加工装置20の制御装置30のRAMなどメモリ(図2参照)に格納する。
以後の同一段取りの加工で同様に溝を繋ぎ加工する際、ワークWを載置するテーブルをX軸方向に移動させて溝の繋ぎ目を作るときに、前記誤差量を解消するように該テーブルをY軸方向にオフセットさせた位置に移動する。その後、溝加工を開始することにより、誤差の補正が可能である。誤差量は微小であるので、Y軸方向(あるいは−Y軸方向)に該テーブルを誤差量の絶対値の量を移動させればよい。
次に、図14を用いて溝の深さ方向における繋ぎ目誤差の補正について説明する。
図14(a)は工具の切り込み軌跡(動作軌跡)で曲率半径が小さい場合を示しており、図14(b)は工具の切り込み軌跡(動作軌跡)で曲率半径が大きい場合を示している。図14(a)での溝深さ方向の繋ぎ目誤差dep1とし、図14(b)での溝深さ方向の繋ぎ目誤差dep2とすると、dep1>dep2である。このように、工具3によるワークWへの切り込み動作の曲線の曲率半径が大きければ大きいほど、工具3の溝加工ストロークにおける溝深さ方向の繋ぎ目誤差(突起部分)を小さくすることができる。より大きな曲率半径の工具による切り込み動作とすることで、より一層深さ方向の繋ぎ目誤差が補正される。
また、図14(c)は、スライダ1のストロークよりも短い距離で、直線溝を分割して加工することを示している。このように、短い距離で溝を分割して加工することにより、溝深さ方向の繋ぎ目誤差dep3を小さくすることができる。溝を分割する回数を多くすればするほど深さ方向の誤差が補正される。
加工装置の概略構成図である。 加工装置を制御する制御装置の概略ブロック図である。 直線ガイドの軸方向に沿って切断した断面図である。 切り込み機構の説明図である。 加工装置の軸構成を説明する図である。 スライダに取り付けられた工具によってワークを加工することを説明する図である。 X軸のストローク量とスライダに取り付けられた工具のストローク量との関係を説明する図である。 X軸とスライダのストロークの組み合わせについて説明する図である。 工具によるワークへの切り込み動作を説明する図である。 繋ぎ目にバリが発生しない工具切り込み動作を説明する図である。 ワークとスライダとの位置関係を上面から見た図である。 溝を繋ぎ加工した際の繋ぎ目位置と加工装置の軸方向と溝ピッチ方向の関係を説明する図である。 図12に示される溝の繋ぎ目を拡大して示した図である。 溝の深さ方向における繋ぎ目誤差の補正について説明する図である。
符号の説明
1 スライダ
2 直線ガイド
3 工具
4 テーブル
W ワーク

Claims (7)

  1. 直線ガイドに沿って往復運動するスライダに取り付けた工具によりテーブルに固定されたワークに複数の長い直線溝を加工する加工方法において、
    前記スライダの往動時に前記工具を前記ワークに切り込み、直線溝を加工する第1のステップと、
    前記スライダの復動時に前記工具を前記ワークから退避させて復動する第2のステップと、
    前記工具が前記ワークから退避して前記スライダが次の往動ステップに移るまでの間に、
    前記直線溝の延在方向と直交する方向に前記テーブルまたは前記直線ガイドを移動させる第3のステップと、
    前記第1から第3のステップを繰り返し前記直線溝を加工した後、前記テーブルを前記直線溝方向に所定距離移動する第4のステップと、
    前記第4のステップの前に加工された前記直線溝と繋ぎ合わせるように前記第1から第3のステップを繰り返し直線溝を加工する第5のステップと、
    からなる複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法。
  2. 前記第5のステップにおいて前記直線溝のピッチ方向の繋ぎ目誤差を補正するように前記テーブルを移動させることを含む請求項1に記載の複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法。
  3. 前記第1のステップにおいて前記工具の刃先の動作軌跡を曲線形状とする請求項1または2のいずれか1つに記載の複数の長い直線溝を加工する直線溝加工方法。
  4. 工具を取り付けたスライダと該スライダをガイドする直線ガイドで構成された往復運動装置を有し、該スライダを該直線ガイドに沿って往復運動させ、テーブルに固定されたワークに該工具により直線溝を加工する加工装置において、
    前記工具を前記スライダの往復運動方向と直交する方向に切り込み駆動する工具切り込み駆動手段と、
    前記テーブルを第1の方向に移動させる第1の駆動手段と、
    前記テーブルを前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる第2の駆動手段と、
    前記往復運動装置を前記第1の方向および第2の方向と直交する方向に移動させる第3の駆動手段と、を備え、
    前記スライダの往復運動方向と前記第1の方向とが同じ方向となるように前記往復運動装置と前記テーブルとを位置決めし、前記スライダの往復運動と前記テーブルの前記第1の方向の移動との組み合わせにより前記工具または前記テーブルのストロークより長い直線溝を前記ワークに加工することを特徴とする直線溝加工装置。
  5. 前記テーブルを前記第2の方向に移動させることにより、前記第1の方向に対する前記往復運動装置の取り付け誤差によって生じる前記直線溝のピッチ方向の繋ぎ目誤差を補正することを特徴とする請求項4に記載の直線溝加工装置。
  6. 前記工具の刃先の動作軌跡を、前記ワークへの溝加工時に曲線形状としたことを特徴とする請求項4または5のいずれか1つに記載の直線溝加工装置。
  7. 前記スライダは、前記直線ガイドに空気軸受けで軸受けされたリニアモータ構造であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の直線溝加工装置。
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