JP6661823B1 - 工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の工作機械を改善してネジ切り加工の際の長い切粉の発生を防ぐことができる工作機械を提供すること。【解決手段】加工物を保持するチャック手段6と、切削工具70を保持する工具保持手段と、工具保持手段を送り方向に移動自在に支持する第1支持機構と、工具保持手段を切込み方向に移動自在に支持する第2支持機構と、工具保持手段を第1支持機構に沿って移動制御する送り制御手段と、工具保持手段を第2支持機構に沿って移動制御する切込み制御手段と、ネジ切りモードを設定するネジ切りモード設定手段とを備えた工作機械。ネジ切りモード設定手段によりネジ切りモードが設定されると、切削の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行される。【選択図】 図3

Description

本発明は、NC旋盤などの工作機械及びこれを用いたネジ切り加工に関する。
加工物の外周面(又は内周面)に雄ネジ(又は雌ネジ)を形成するのにNC旋盤などの工作機械が用いられている(例えば、特許文献1参照)。工作機械の一例としてのNC旋盤は、工場の床面などに設置される旋盤本体と、旋盤本体の主軸部に回転自在に支持された主軸と、この主軸と一体的に回動されるチャック手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、工具保持手段を送り方向(即ち、加工物の軸方向)に移動自在に支持するための送り支持機構と、工具保持手段を切込み方向(即ち、加工物の径方向)に移動自在に支持するための切込み支持機構と、を備えている。
このNC旋盤を用いてネジ切り加工をするときには、加工物がチャック手段に装着され、主軸と一体的に回転されるチャック(これに装着された加工物)が所定方向に回動され、また工具保持手段が所定の切込み量でもって送り方向に所定の送りピッチで移動され、このように切削工具を移動させることによって、加工物の外周面に雄ネジ加工を施すことができる。
しかし、このようなネジ切り加工では、切削工具を所定の切込み量でもって送り方向に移動するので、切削加工の際に長い切粉が生じ易く、この長い切粉が加工物や切削工具に巻き付いたり、この長い切粉によって加工後の表面に傷が付いたり、またこの長い切粉が周囲に飛散したりする問題がある。
このようなことから、ネジ切り加工の際の長い切粉の発生を抑えた工作機械も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この工作機械は、切削工具を送り方向に移動させる送り手段と、切削工具を加工物の径方向に往復振動させる振動手段と、切込み加工時の振動パターンを設定する振動設定手段とを備え、この振動設定手段が加工物に対する振動の位相を変更するように構成されている。
この工作機械では、切削工具を往復振動させながら加工物を切削加工し、この切削加工の際に、所定の切込み加工時の切削加工部分に他の切込み加工による切削済みの部分が部分的に含まれるように加工を行うために、この切削済み部分において切削加工の際に生じた切粉が切断され、これによって、長い切粉が発生するのをなくしている。
特開2001−38502号公報 再公表WO2016−56526号公報
しかしながら、この工作機械では、切削工具を加工物の径方向に往復振動させるための振動手段と、切込み加工時の振動パターンを設定するための振動設定手段とを必要とするために、従来の一般的な工作機械をそのまま用いてネジ切り加工することが難しいという問題がある。
本発明の目的は、従来の工作機械を改善してネジ切り加工の際の長い切粉の発生を防ぐことができる工作機械を提供することである。
本発明の他の目的は、従来の工作機械のネジ切り加工方法を改善してネジ切り加工の際の長い切粉の発生を防ぐことができるネジ切り加工方法を提供することである。
本発明の工作機械は、加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を切込み方向に移動自在に支持するための切込み支持機構と、前記切込み支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための切込み駆動手段と、前記送り駆動手段を作動制御するための送り制御手段と、前記切込み駆動手段を作動制御するための切込み制御手段と、前記加工物をネジ切り加工するネジ切りモードを設定するネジ切りモード設定手段と、を備えており、
前記ネジ切りモードにおいては、前記加工物のネジ切り加工の際に、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるとともに、前記切込み制御手段が前記切込み駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記切込み方向に往復移動され、また前記ネジ切り工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるように構成されており、
前記ネジ切りモード設定手段により前記ネジ切りモードが設定されると、前記溝形成工程と複数回の前記ネジ切り工程とが交互に遂行され、前記溝形成工程の後に前記複数回のネジ切り工程が行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする。
また、本発明の他の工作機械は、加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を切込み方向に移動自在に支持するための切込み支持機構と、前記切込み支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための切込み駆動手段と、前記送り駆動手段を作動制御するための送り制御手段と、前記切込み駆動手段を作動制御するための切込み制御手段と、前記加工物をネジ切り加工するネジ切りモードを設定するネジ切りモード設定手段と、を備えており、
前記ネジ切りモードにおいては、前記加工物のネジ切り加工の際に、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるとともに、前記切込み制御手段が前記切込み駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記切込み方向に往復移動され、また前記ネジ切り工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるように構成されており、
前記ネジ切りモード設定手段によりネジ切りモードが設定されると、ネジ切り加工の初期においては、前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が1回行われ、その後前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が複数回行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記1回のネジ切り工程における前記送り方向のピッチ及び前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記1回のネジ切り工程における前記切込み方向の切込み量及び前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする。
また、本発明の工作機械を用いたネジ切り加工方法は、加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段とを備えた工作機械を用いたネジ切り加工方法であって、
前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切りモードにおいては、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物に前記切粉分断用溝が形成され、また前記ネジ切り工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物にネジ切り加工が施され、
前記ネジ切りモードが設定されると、前記溝形成工程と複数回の前記ネジ切り工程とが交互に遂行され、前記溝形成工程の後に前記複数回のネジ切り工程が行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする工作機械を用いたネジ切り加工方法。
更に、本発明の工作機械を用いたネジ切り加工方法は、加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段とを備えた工作機械を用いたネジ切り加工方法であって、
前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切りモードにおいては、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物に前記切粉分断用溝が形成され、また前記ネジ切り工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物にネジ切り加工が施され、
前記ネジ切りモードが設定されると、ネジ切り加工の初期においては、前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が1回行われ、その後前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が複数回行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記1回のネジ切り工程における前記送り方向のピッチ及び前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記1回のネジ切り工程における前記切込み方向の切込み量及び前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする。
本発明の工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法によれば、切削加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と加工物に切削加工を施す切削加工工程とが遂行され、溝形成工程においては、加工物保持手段(又は工具保持手段)が送り方向に移動されるとともに、加工物保持手段(又は工具保持手段)が切込み方向に往復移動され、これにより、加工物に切粉分断用溝が形成される。また、切削加工工程においては、加工物保持手段(又は工具保持手段)が送り方向に移動されて加工物に切削加工が施され、この切削加工時に切削工具が切粉切断用溝を通過する際に切粉が切断され、これによって、切削加工の際に長い切粉の発生を防ぐことができる。また、溝形成工程の後に複数回のネジ切り工程が行われるので、長い切粉の発生を抑えながらネジ切りの加工効率を高めることができる。
また、本発明の他の工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法によれば、その基本的構成が上述した工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法と同様であるので、上述したと同様の作用効果が達成される。また、ネジ切り加工の初期においては、溝形成工程の後にネジ切り工程が1回行われ、その後溝形成工程の後にネジ切り工程が複数回行われるので、このように構成した場合においても、長い切粉の発生を抑えながらネジ切りの加工効率を高めることができる。
本発明に従う工作機械の一例としてのNC旋盤の一実施形態を示す正面図。 図1のNC旋盤の制御系を簡略的に示すブロック図。 図1のNC旋盤による溝切り加工を説明するための図。 図2の制御系によるネジ切り加工の流れを説明するためのフローチャート。 図4に示すフローチャートに沿ってネジ切り加工したときの加工を説明するための加工説明図。 他の実施形態のNC旋盤による溝切り加工を説明するための図。 他の実施形態のNC旋盤の制御系によるネジ切り加工の流れを説明するためのフローチャート。 図7に示すフローチャートに沿ってネジ切り加工したときの加工を説明するための加工説明図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法について説明する。まず、図1〜図5を参照して、第1の実施形態の工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法について説明する。
図1において、工作機械の一例としての図示のNC旋盤は、工作機械本体としての旋盤本体2を備え、この旋盤本体2が工場等の床面に設置される。この旋盤本体2の一端側(図1において左側)には主軸部4が設けられ、この主軸部4に主軸(図示せず)が回転自在に支持されている。この主軸には、加工物保持手段としてのチャック手段6が装着され、加工すべき加工物(図示せず)はこのチャック手段6に着脱自在に装着される。この主軸は回転駆動源としての回転駆動モータ7(図2参照)に駆動連結され、この回転駆動モータ7が作動すると、主軸(図示せず)を介してチャック手段6(これに装着された加工物)が所定方向に回転される。
この旋盤本体2の他端側には、往復テーブル12がZ軸方向(換言すると、図1において左右方向である加工の際の送り方向であって、チャック手段6に装着された加工物の軸方向)に移動自在に配設されている。この形態では、旋盤本体2には上記Z軸方向に延びる送り支持機構14が設けられており、この送り支持機構14に往復テーブル12が移動自在に支持されている。送り支持機構14に関連して送り駆動源としての送り駆動モータ16(図2参照)が設けられ、送り駆動モータが所定方向(又は所定方向と反対方向)に回動すると、往復テーブル12が矢印16(又は18)で示すチャック手段6に近接する方向(又は離隔する方向)に移動される。
この往復テーブル12には、更に、支持テーブル20がX軸方向(換言すると、図1において紙面に対して垂直な方向である加工の際の切込み方向であって、チャック手段に装着された加工物の径方向)に移動自在に装着されている。この形態では、往復テーブル12の上面に上記X軸方向に延びる切込み支持機構22が設けられており、この切込み支持機構22に支持テーブル20が移動自在に支持されている。切込み支持機構22に関連して、切込み駆動源としての切込み駆動モータ24(図2参照)が設けられ、切込み駆動モータ24が所定方向(又は所定方向と反対方向)に回動すると、支持テーブル20は旋盤本体2の手前側(又は奥側)に移動する。
この支持テーブル20には、工具保持手段としてのタレット26が取り付けられている。タレット26は、支持テーブル20に取り付けられた支持台28と、この支持台28に所定回転角度毎に回転自在に支持されたタレット本体30とを備えている。タレット本体30は多角形状(例えば、八角形状)であり、このタレット本体30の各工具取付部32(タレット本体30の各面が工具取付部として機能する)に切削工具などの加工工具(図示せず)が取り付けられる。
タレット本体30に関連して、タレット駆動源としてのタレット回転モータ34(図2参照)が設けられ、このタレット回転モータ34によって所定の設定角度位置に位置付けられる。この設定角度位置においては、タレット本体30の所定の工具取付部32に取り付けられた加工工具(例えば、切削工具)が、チャック手段6に装着された加工物に作用して所望の加工(例えば、切削加工)を施す。
このNC旋盤は、図2に示す制御系によって制御される。このNC旋盤は、回転駆動モータ7、送り駆動モータ16、切込み駆動モータ24及びタレット回転モータ34などを作動制御するためのコントローラ42を備えている。このコントローラ42は制御用コンピュータなどから構成され、切削モード設定手段44、ネジ切りモード設定手段46、送り制御手段48、切込み制御手段50、原点復帰制御手段52及びメモリ手段54を含んでいる。
切削モード設定手段44は、後述するように切削モードを設定し、この切削モードを設定したときには、加工工具(例えば、切削工具)による切削加工が行われる。また、ネジ切りモード設定手段46は、後述するようにネジ切りモードを設定し、このネジ切りモードを設定したときには、切削工具を用いてのネジ切り加工が行われ、この実施形態では、切粉分断用溝を形成する溝形成加工(溝形成工程)と加工物にネジ切りを行うネジ切り加工(ネジ切り工程)とが後述するように行われる。
また、送り制御手段48は、送り駆動モータ16を作動制御し、これによって、往復テーブル12の送り方向(Z軸方向)の移動が制御される。切込み制御手段50は、切込み駆動モータ24を制御し、これによって、支持テーブル20の切込み方向(X軸方向)の移動が制御される。原点復帰制御手段52は、ネジ切り加工の際に設定した原点位置に復帰するように送り駆動モータ16及び切込み駆動モータ24を所要の通りに制御し、これによって、タレット本体30に取り付けられた切削工具(図示せず)が原点位置に復帰される。
このコントローラ42に関連して、加工条件などを操作入力するための操作入力手段56が設けられている。この操作入力手段56は、操作パネル、操作スイッチなどから構成され、切削モードに切り換える切削モードスイッチ58及びネジ切りモードに切り換えるネジ切りモードスイッチ60などを備えている。切削モードスイッチ58を入力操作すると、その操作信号がコントローラ42に送給され、切削モード設定手段44は切削モードを設定する。また、ネジ切りモードスイッチ60を入力操作すると、その操作信号がコントローラ42に送給され、ネジ切りモード設定手段46はネジ切りモードを設定する。
このネジ切りモードを設定したときには、ネジ切り加工を行うための加工条件の設定が行われ、この操作入力手段56を入力操作して、例えばネジサイズ、送りピッチ(換言すると、ネジピッチ)、送り長さ(換言すると、往復テーブル12をZ軸方向に移動させる距離)及び切込み量(換言すると、支持テーブル20をX軸方向に移動させる距離)などが設定され、これら設定した加工条件がメモリ手段54に登録される。このメモリ手段54には、ネジ切り加工を開始するに際して設定した原点位置Q1(この原点位置をネジ切り加工の基準原点位置として説明する)が登録され、更に、ネジ切り動作のプログラムが予め登録されている。
次に、主として図2とともに図3〜図5を参照して、このNC旋盤を用いたネジ切り加工について説明する。この実施形態のNC旋盤では、このネジ切り加工はメモリ手段54に登録されたネジ切り動作プログラムに従い、図4に示すフローチャートに沿って実行される。
ネジ切り加工に際して、タレット本体30に取り付けられたネジ切り用切削工具70(ネジ切り加工に用いるネジ切り用切削工具)の原点位置Q1(送り方向の原点位置及び切込み方向の原点位置であって、第1原点位置とも称する)の設定が行われ(ステップS1)、この原点位置Q1を基準にして第1回目の溝形成加工(溝形成工程)及び第1回目のネジ切り加工(ネジ切り工程)が行われ、その後送り方向の原点位置Q1を基準にして第2回目以降の溝形成加工及び第2回目以降のネジ切り加工が繰り返し遂行される。
この原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の原点位置)の設定が行われると、第1回目の溝形成加工が行われ(ステップS2)、その後原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の原点位置)に戻って(ステップS3)第1回目のネジ切り加工が行われる(ステップS4)。
このネジ切り加工に際して、送りピッチp2(形成するねじのネジピッチ)及び送り長さL(原点位置Q1からの送り移動距離)が設定され、また第1回目のネジ切り加工に際して、このネジ切り加工における切込み量h1(切込み方向の原点位置Q1からの切込み量)が設定されるとともに、第1回目の溝形成加工において形成する切粉分断用溝72の隣接溝間の周期ピッチp1が設定される。このときの切粉分断用溝72の溝ピッチp2(形成する切粉分断用溝72の溝間隔)については、送りピッチp2(ネジピッチ)と等しく、この切粉分断用溝72に重ねてねじ切り加工が行われ、このようにして加工物74の外周面に後述するように雄ネジが形成される。
第1回目の溝形成加工(第1回目の溝形成工程)においては、送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、タレット26(図1)(即ち、このタレット26に取り付けられたネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、かかる移動の際に、切込み制御手段50が切込み駆動モータ24を制御し、タレット26を支持する支持テーブル20(即ち、タレット26に取り付けられたネジ切り用切削工具70)が切込み方向(X軸方向)に往復移動され、切込み量h1に対応する前進位置と原点位置Q1(切込み方向の原点位置)から少し径方向外側に離れた位置に対応する後退位置との間を往復移動される。そして、このネジ切り用切削工具70の送り方向(Z軸方向)の上述した移動と切込み方向(X軸方向)の上述した往復移動によって、図3(図6)に示すような切粉切断用溝72(72a)が加工物74の外周面に形成される。
この第1回目の溝形成加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を後退位置まで後退させ、その後送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を原点位置Q1(送り方向の原点位置)まで戻し、その後切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を切込み方向に原点位置Q1(切込み方向の原点位置)まで前進させ、このようにしてネジ切り用切削工具70が原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の原点位置)に復帰される。
その後、第1回目のネジ切り加工(第1回目のネジ切り工程)が行われ、この第1回目の溝ネジ切り加工においては、溝形成加工の切込み量h1と等しい切込み量が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この切込み量h1でもってタレット26(図1)(即ち、このタレット26に取り付けられたネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第1回目のネジ切り加工が施される。
このとき、加工物74の外周面には切粉切断用溝72aが形成され、この切粉切断用溝72aの深さ(この深さが切込み量h1に対応する)がネジ切り加工の切込み量h1と等しくなっているので、第1回目のネジ切り加工において、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝72aの最も深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになる(即ち、切削加工する部位が存在しなくなる)。従って、この個所まで移動すると、切削加工により発生した切粉が一旦切断され、これにより、ネジ切り加工による切粉が繋がって長くのを防止することができる。
第1回目の加工(第1回目の溝形成加工及び第1回目のネジ切り加工)が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に少し後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を原点位置Q1(送り方向の原点位置)まで戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第2原点位置Q2に位置付ける(ステップS5)。この第2原点位置Q2は、送り方向においては原点位置Q1と一致し、切込み方向においては第1回目のネジ切り加工の後の加工物74の外周面の位置と一致する。
このようにしてネジ切り用切削工具70による第1回目の加工が終了すると、第2原点位置Q2からの第2回目の加工(第2回目の溝形成加工及び第2回目のネジ切り加工)が行われる。第2回目の溝形成加工(第2回目の溝形成工程)及び第2回目のネジ切り加工(第2回目のネジ切り工程)は、上述した第1回目の溝形成工程及び第1回目のネジ切り加工と同様に行われる。
第2回目の溝形成加工を概説すると、送りピッチp2、送り長さL及び隣接溝間の周期ピッチp1は第1回目の溝形成加工と同じであり、第2回目のネジ切り加工に際して、このネジ切り加工における切込み量h2(切込み方向の第2原点位置Q2からの切込み量)が設定され、第1回目に形成された切粉分断用溝72a(換言すると、第1回目のネジ切り加工におけるねじ部)に重ねて第2回目の溝形成加工の切粉分断用溝72bが形成される。
第2回目の溝形成加工においては、送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御してタレット26(図1)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)に移動され、かかる移動の際に、切込み駆動モータ24によりタレット26が切込み方向(X軸方向)に往復移動され、切込み量h2に対応する前進位置と第2原点位置Q2(切込み方向の第2原点位置)から少し径方向外側に離れた位置に対応する後退位置との間を往復移動される。そして、このネジ切り用切削工具70の送り方向(Z軸方向)の上述した移動と切込み方向(X軸方向)の上述した往復移動によって、第1回目の切粉切断用溝72aに重ねて第2回目の切粉切断用溝72bが加工物74の外周面に形成される(ステップS6)。
この第2回目の溝形成加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を後退位置まで後退させ、その後送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第2原点位置Q2(送り方向の第2原点位置)まで戻し、その後切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を切込み方向に第2原点位置Q2(切込み方向の第2原点位置)まで前進させ、このようにしてネジ切り用切削工具70が第2原点位置Q2(送り方向及び切込み方向の第2原点位置)に復帰される(ステップS7)。
その後、第2回目のネジ切り加工(第2回目のネジ切り工程)が行われ(ステップS8)、この第2回目のネジ切り加工においては、第2回目の溝形成加工の切込み量h2と等しい切込み量が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この切込み量h2でもってタレット26(図1)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第2回目の溝形成加工において形成された切粉切断用溝72bに重ねて第2回目のネジ切り加工が施される。
このとき、加工物74の外周面には切粉切断用溝72bが形成され、この切粉切断用溝72bの深さ(この深さが切込み量h2に対応する)がネジ切り加工の切込み量h2と等しくなっているので、第2回目のネジ切り加工においても、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝72bの最も深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになり、従って、この個所において切削加工により発生した切粉が一旦切断され、この場合においてもネジ切り加工による切粉が繋がって長くのを防止することができる。
第2回目の加工(第2回目の溝形成加工及び第2回目のネジ切り加工)が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に少し後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第2原点位置Q2(送り方向の第2原点位置)で戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第3原点位置Q3に位置付ける。この第3原点位置Q3は、送り方向においては第1原点位置Q1と一致し、切込み方向においては第2回目のネジ切り加工の後の加工物74の外周面の位置と一致する。
このようにしてネジ切り用切削工具70による第2回目の加工が終了した後第3原点位置Q3に位置付けられると、ステップS10〜ステップS12が遂行され、第3原点位置Q3からの第3回目の加工(第3回目の溝形成加工及び第3回目のネジ切り加工)が行われ、この第3回目の加工では切込み量h3が設定される。また、第3回目の加工が終了した後第4原点位置Q4に位置付けられる(ステップS13)と、ステップS14〜ステップS16が遂行され、第4原点位置Q4からの第4回目の加工(第4回目の溝形成加工及び第4回目のネジ切り加工)が行われ、この第4回目の加工では切込み量h4が設定される。更に、第4回目(又は第5回目、第6回目)の加工が終了した後、ステップS17(又はステップS21、ステップS25)において第5原点位置Q5(又は第6原点位置Q6、第7原点位置Q7)に位置付けられると、ステップS18〜ステップS20(又はステップS22〜ステップS24、ステップS26〜ステップS29)が遂行され、第5原点位置Q5(又は第6原点位置Q6,第87原点位置Q7)からの第5回目の加工(又は第6回目の加工、第7回目の加工)、即ち第5回目の溝形成加工(又は第6回目の溝形成加工、第7回目の溝形成加工)及び第5回目のネジ切り加工(又は第6回目のネジ切り加工、第7回目のネジ切り加工)が行われ、この第5回目(又は第6回目、第7回目)の加工では切込み量h5(又はh6,h7)が設定される。第3〜第7回目の溝形成加工(溝形成工程)は、上述した第1及び第2回目の溝形成加工(溝形成工程)と同様に行われ、第3〜第7回目のネジ切り加工(ネジ切り工程)は、上述した第1及び第2回目のネジ切り加工(ネジ切り工程)と同様に行われる。
この第1の実施形態では、溝形成加工及びネジ切り加工を交互に7回繰り返すことによって加工物74の外周面に雄ネジ部を所要の通りに形成することができ、このネジ切り加工時に切粉が繋がって長くなることがなく、その結果、切削の際に生じる切粉が加工物74及び切削工具70に絡まることがなく、雄ネジ部をきれいに加工することができる。
第1実施形態ではネジ切りのための加工(溝形成加工及びネジ切り加工)を7回繰り返しているが、このような加工の繰返し回数は、ネジの外径などによって適宜設定され、その外径が小さいときなどにおいては6回以下でもよく、その外径が大きいときには8回以上繰り返して行うようにしてもよい。
次に、図6〜8を参照して、第2の実施形態のNC旋盤及びこれを用いたネジ切り加工方法について説明する。この第2の実施形態のNC旋盤の基本的構成は、上述した第1実施形態のものと同様でよく(従って、NC旋盤の構成については、図1及び図2に示す参照番号を用いる)、コントローラ42のメモリ手段54に登録されたネジ切り動作のプログラムが異なっており(図2参照)、上述の第1の実施形態では、溝形成加工(溝形成工程)とネジ切り加工(ネジ切り工程)とが交互に行われているが、この第2の実施形態では、溝形成加工の後に複数回のネジ切り加工が行われている。
主として図7及び図8を参照して第2の実施形態におけるネジ切り加工を説明すると、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、タレット本体30に取り付けられたネジ切り用切削工具70(図6参照)(ネジ切り加工に用いるネジ切り用切削工具)の基準原点位置としての原点位置Q1(送り方向の原点位置及び切込み方向の原点位置であって、第1原点位置とも称する)の設定が行われ(ステップS31)、この第1原点位置Q1を基準にして第1回目の溝形成加工(第1回目の溝形成工程)及び第1回目及び第2回目のネジ切り加工(第1回目及び第2回目のネジ切り工程)が行われ、その後送り方向の第1原点位置Q1を基準にして第2回目以降の溝形成加工及び第3回目以降のネジ切り加工が繰り返し遂行される。
この第1原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の基準原点位置)の設定が行われると、第1回目の溝形成加工が行われ(ステップS32)、その後に第1原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の第1原点位置)に戻って(ス テップS33)第1回目のネジ切り加工が行われ(ステップS34)、続いて第1原点位置Q1に戻って(ステップS35)第2回目のねじ切り加工が行われる(ステップS36)。
この加工に際して、図6に示すように、送りピッチp2(形成するねじのネジピッチ)及び送り長さL(第1原点位置Q1からの送り移動距離)が設定され、また第1回目のネジ切り加工に際して、第1回目のネジ切り加工における切込み量h1(切込み方向の第1原点位置Q1からの切込み量)及び第2回目のネジ切り加工における切込み量h2が設定され、第1及び第2回目のネジ切り加工の合計切込み量(h1+h2)が第1回目の溝形成加工の切込み量j1(切込み方向の第1原点位置Q1からの切込み量)となる。また、第1回目の溝形成加工において形成する切粉分断用溝72の隣接溝間の周期ピッチP1が設定される。このときの切粉分断用溝72の溝ピッチp2(形成する切粉分断用溝72の溝間隔)については、送りピッチp2(ネジピッチ)と等しく、この切粉分断用溝72に重ねてねじ切り加工が行われる。
第1回目の溝形成加工(第1回目の溝形成工程)においては、送り制御手段48が送りモータ16を制御し、タレット26(図1)(即ち、このタレット26に取り付けられたネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、かかる移動の際に、タレット26を支持する支持テーブル20(ネジ切り用切削工具70)が切込み方向(X軸方向)に往復移動され、切込み量j1に対応する第1前進位置f1(図8参照)と第1原点位置Q1(切込み方向の第1原点位置)から少し径方向外側に離れた位置に対応する第1後退位置b1との間を往復移動される。そして、このネジ切り用切削工具70の送り方向(Z軸方向)の上述した移動と切込み方向(X軸方向)の上述した往復移動によって、図6(図8)に示すような切粉切断用溝82(82a)が加工物74の外周面に形成される。
この第1回目の溝形成加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を例えば第1後退位置b1まで後退させ、その後送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、その後切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を切込み方向に第1原点位置Q1(切込み方向の第1原点位置)まで前進させ、このようにしてネジ切り用切削工具70が第1原点位置Q1(送り方向及び切込み方向の第1原点位置)に復帰される。
その後、第1回目のネジ切り加工(第1回目のネジ切り工程)が行われ、この第1回目のネジ切り加工においては、ネジ切り加工の切込み量h1が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この切込み量h1でもってタレット26(図1)(即ち、ネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第1回目のネジ切り加工が施される。
このとき、加工物74の外周面には切粉切断用溝82aが形成され、この切粉切断用溝82aの深さ(溝形成加工の切込み量j1)がネジ切り加工の切込み量h1より大きくなっているので、第1回目のネジ切り加工において、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝82aの深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになり、従って、この個所まで移動すると、切削加工により発生した切粉が一旦切断される。
このようにして第1回目のネジ切り加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、再び、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に例えば第1後退位置b1まで後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第1原点位置Q1に戻す。
その後、第2回目のネジ切り加工(第2回目のネジ切り工程)が行われ(ステップS36)、この第2回目のネジ切り加工においては、ネジ切り加工の切込み量h2、〔換言すると、第1原点位置Q1からの合計切込み量(h1+h2)〕が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この合計切込み量(h1+h2)でもってタレット26(図1)(即ち、ネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第2回目のネジ切り加工が施される。
第2回目のネジ切り加工のときにおいては、加工物74の外周面の切粉切断用溝82aの深さ(溝形成加工の切込み量j1)が第2回目のネジ切り加工の合計切込み量(h1+h2)と等しくなっているので、第2回目のネジ切り加工において、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝82aの最も深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになり、従って、この第2回目のネジ切り加工においても切削加工により発生した切粉が一旦切断されるようになる。
このようにしてネジ切り用切削工具70による第2回目のネジ切り加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に例えば第1後退位置b1まで後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第2原点位置Q2に位置付ける(ステップS37)。この第2原点位置Q2は、送り方向においては第1原点位置Q1と一致し、切込み方向においては第2回目のネジ切り加工の後の加工物74の外周面の位置と一致する。
ネジ切り用切削工具70がこのようにして第2原点位置Q2に位置付けられると、この第2原点位置Q2からの第2回目の溝形成加工が行われる(ステップS38)。第2回目の溝形成加工(第2回目の溝形成工程)及び第3回目及び第4回目のネジ切り加工(第3回目のネジ切り工程及び第4回目のネジ切り工程)は、上述した第1回目の溝形成工程並びに第1回目及び第2回目のネジ切り加工と同様に行われる。
第2回目の溝形成加工を概説すると、送りピッチp2、送り長さL及び切粉分断用溝の周期ピッチp1は第1回目の溝形成加工と等しく、第3回目及び第4回目のネジ切り加工に際して、第3回目のネジ切り加工における切込み量h3と第4回目のネジ切り加工における切込み量h4との合計切込み量(h3+h4)(切込み方向の第2原点位置Q2からの切込み量)が第2回目の溝形成加工における切込み量j2として設定され、第1回目に形成された切粉分断用溝82a(換言すると、第1回目及び第2回目のネジ切り加工におけるねじ部)に重ねて第2回目の溝形成加工の切粉分断用溝82bが形成される。
第2回目の溝形成加工においては、送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御してタレット26(図1)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)に移動され、かかる移動の際に、切込み駆動モータ24によりタレット26が切込み方向(X軸方向)に往復移動され、切込み量j2(h3+h4)に対応する第2前進位置f2と第2原点位置Q2(切込み方向の第2原点位置)から少し径方向外側に離れた位置に対応する第2後退位置b2との間を往復移動される。そして、このネジ切り用切削工具70の送り方向(Z軸方向)の上述した移動と切込み方向(X軸方向)の上述した往復移動によって、第1回目の切粉切断用溝82aに重ねて第2回目の切粉切断用溝82bが加工物74の外周面に形成される(ステップS38)。
この第2回目の溝形成加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を第1後退位置b1まで後退させ、その後送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、更に切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を切込み方向に第2原点位置Q2(切込み方向の第2原点位置)まで前進させ、このようにしてネジ切り用切削工具70が第2原点位置Q2(送り方向及び切込み方向の第2原点位置)に復帰される(ステップS39)。
その後、第3回目のネジ切り加工(第3回目のネジ切り工程)が行われ(ステップS40)、この第3回目のネジ切り加工においては、その切込み量h3が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この切込み量h3でもってタレット26(図1)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第2回目の溝形成加工において形成された切粉切断用溝82bに重ねて第3回目のネジ切り加工が施される。
このとき、加工物74の外周面には切粉切断用溝82bが形成され、この切粉切断用溝82bの深さ(溝形成加工の切込み量j2)がネジ切り加工の切込み量h3より大きくなっているので、第3回目のネジ切り加工において、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝82bの深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになり、従って、この個所まで移動すると、切削加工により発生した切粉が一旦切断される。
このようにして第3回目のネジ切り加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に例えば第1後退位置b1まで後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第2原点位置Q2に戻る(ステップS41)。
その後、第4回目のネジ切り加工(第4回目のネジ切り工程)が行われ(ステップS42)、この第4回目のネジ切り加工においては、ネジ切り加工の切込み量h4、〔換言すると、第2原点位置Q2からの合計切込み量(h3+h4)〕が設定され、また送り制御手段48が送り駆動モータ16を制御し、この合計切込み量(h3+h4)でもってタレット26(図1)(即ち、ネジ切り用切削工具70)が矢印76で示す送り方向(Z軸方向)にチャック手段6に向けて移動され、このようにして第4回目のネジ切り加工が施される。
第4回目のネジ切り加工のときにおいては、加工物74の外周面の切粉切断用溝82bの深さ(溝形成加工の切込み量j2)が第4回目のネジ切り加工の合計切込み量(h3+h4)と等しくなっているので、第4回目のネジ切り加工において、ネジ切り用切削工具70が送り方向(Z軸方向)に切粉切断用溝82bの最も深い個所まで移動すると、このネジ切り用切削工具70は空切削するようになり、従って、この第4回目のネジ切り加工においても切削加工により発生した切粉が一旦切断されるようになる。
このようにしてネジ切り用切削工具70による第4回目のネジ切り加工が終了すると、原点復帰制御手段52は、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向外側に例えば第1後退位置b1まで後退させ、次に送り駆動モータ16を作動させて往復テーブル12を第1原点位置Q1(送り方向の第1原点位置)まで戻し、その後、切込み駆動モータ24を作動させて支持テーブル20を径方向内側に移動させて第3原点位置Q3に位置付ける(ステップS43)。この第3原点位置Q3は、送り方向においては第1原点位置Q1と一致し、切込み方向においては第4回目のネジ切り加工の後の加工物74の外周面の位置と一致する。
ネジ切り用切削工具70がこのようにして第3原点位置Q3に位置付けられると、この第3原点位置Q3からの第3回目の溝形成加工が行われ(ステップS44)、その後第5回目のネジ切り加工が行われ(ステップS46)、続いて第6回目のネジ切り加工が行われ(ステップS48)、更に第7回目のネジ切り加工が行われる(ステップS50)。第3回目の溝形成加工(第3回目の溝形成工程)並びに第5回目〜第7回目のネジ切り加工(第3回目〜第7回目のネジ切り工程)は、上述した第1回目及び第2回目の溝形成工程並びに第1回目〜第4回目のネジ切り加工と同様に行われる。
第3回目の溝形成加工においては、図8に示すように、第5回目のネジ切り加工における切込み量h5と第6回目のネジ切り加工における切込み量h6と第7回目のネジ切り加工における切込み量h7との合計切込み量(h5+h6+h7)(切込み方向の第2原点位置Q3からの切込み量)が第3回目の溝形成加工における切込み量j3として設定され、第2回目に形成された切粉分断用溝82bに重ねて第3回目の溝形成加工の切粉分断用溝82cが形成される。
また、第3回目の溝形成加工においては、切込み量j3(h5+h6+h7)に対応する第3前進位置f3と第3原点位置Q3(切込み方向の第3原点位置)から少し径方向外側に離れた位置に対応する第3後退位置b3との間を往復移動され、このことに関連して、第5回目のネジ切り加工においては、第3原点位置Q3からの切込み量h5でもってネジ切り加工され、第6回目のネジ切り加工においては、第3原点位置からの合計切込み量(h5+h6)でもってネジ切り加工され、また第7回目のネジ切り加工においては、第3原点位置Q3からの合計切込み量(h5+h6+h7)でもってネジ切り加工される。
この第2の実施形態のNC旋盤でも、第1の実施形態と同様に、ネジ切り加工において発生する切粉が長くなるのを防止することができ、加えて、図8と図5とを比較することによって容易に理解される如く、この第2の実施形態のものでは、第1実施形態に比してネジ切り加工の加工時間の短縮を図ることができる。
尚、この第2の実施形態では、溝形成加工と複数回のネジ切り加工とを交互に行っているが、このような構成に限定されず、ネジ切りモードの初期においては、切込み量が大きいことも関連して、1回の溝形成加工に対して1回のネジ切り加工を行うようにし、その後は1回の溝形成加工に対して複数回のネジ切り加工を行うようにしてもよい。
以上、本発明に従う工作機械及びこれを用いたネジ切り加工方法の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、工具保持手段としてタレットを備えたNC旋盤に適用して説明したが、このようなものに限定されず、例えば工具保持手段として櫛刃型取付台を備えたNC旋盤などにも同様に適用することができる。
また、例えば、上述した実施形態では、工具保持手段としてのタレットを送り方向(Z軸方向)に移動自在に支持しているが、これとは反対に、加工物保持手段としてのチャック手段を送り方向に移動自在に支持するようにしてもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、工具保持手段としてのタレットを切込み方向(X軸方向)に移動自在に支持しているが、これとは反対に、加工物保持手段としてのチャック手段を切込み方向に移動自在に支持するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、切削工具を保持する工具保持手段を一つ備えたNC旋盤に適用して説明したが、このようなNC旋盤に限定されず、二つ工具保持手段(即ち、第1及び第2工具保持手段)を備えたものにも適用することができる。この場合、第1工具保持手段には第1切削工具が取り付けられ、第2工具取付手段には第2切削工具が取り付けられる。
この場合、第1工具保持手段は、第1送り支持機構により送り方向に移動自在に支持され、第1送り駆動手段(例えば、第1送り駆動モータ)により第1送り支持機構に沿って送り方向に往復移動される。また、第2工具保持手段は、第2送り支持機構により送り方向に移動自在に支持され、第2送り駆動手段(例えば、第2送り駆動モータ)により第2送り支持機構に沿って送り方向に往復移動される。尚、第1及び第2送り駆動手段は、コントローラの送り制御手段により上述したように制御される。
更に、第1工具保持手段は、第1切込み支持機構により切込み方向に移動自在に支持され、第1切込み駆動手段(例えば、第1切込み駆動モータ)により第1切込み支持機構に沿って切込み方向に往復移動される。また、第2工具保持手段は、第2切込み支持機構により切込み方向に移動自在に支持され、第2切込み駆動手段(例えば、第2切込み駆動モータ)により第2送り支持機構に沿って切込み方向に往復移動される。尚、第1及び第2切込み駆動手段は、コントローラの切込み制御手段により上述したように制御される。
このようなNC旋盤では、例えば、第1工具保持手段に取り付けられた第1切削工具により加工物に上述したように切粉分断用溝を形成する溝形成加工が行われ、第2工具保持手段に取り付けられた第2切削工具により加工物に上述したようにネジ切りを行うネジ切り加工が行われる。
溝形成加工においては、送り制御手段が第1送り駆動手段を制御し、第1工具保持手段(これに取り付けられた第1切削工具)が送り方向に移動されるとともに、切込み制御手段が第1切込み駆動手段を制御し、この第1工具保持手段が切込み方向にも往復移動され、このように第1工具保持手段を移動させることにより、加工物の外周面に上述したと同様にして切粉分断用溝が形成される。
また、ネジ切り加工においては、送り制御手段が第2送り駆動手段を制御し、第2工具保持手段(これに取り付けられた第2切削工具)が送り方向に移動され、このように第2工具保持手段を移動させることにより、加工物に形成された切粉分断用溝に重ねてネジ切り加工が行われる。
このようなNC旋盤では、第1工具保持手段(第1切削工具)による切粉分断用溝の溝形成加工に続いて第2工具保持手段(第2切削工具)によるネジ切り加工が行われ、従って、溝形成加工及びネジ切り加工が同時に行われ、これにより、ネジ切り加工を効率良く行うことができる。
尚、このようなNC旋盤においても、溝形成加工とネジ切り加工は、必ずしも同時に行う必要はなく、別々に行うようにしてもよく、或いは1回の溝形成加工の後に複数回のネジ切り加工を行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、棒状部材の外周面に雄ネジを形成する場合に適用して説明したが、このような場合に限定されず、中空部材の内周面に雌ネジを形成する場合についても同様に適用することができる。棒状部材の外周面に雄ネジを形成する場合、その外周面から径方向内方に複数回段階的に切り込んで雄ネジを形成するようになるが、中空部材の内周面に雌ネジを形成する場合、その中空内周面から径方向外方に複数回段階的に切り込んで雌ネジを形成するようになる。
更に、上述した実施形態では、ネジ切り加工(ネジ切り工程)に溝形成加工(溝形成工程)を組み合わせてネジ切り加工の際に生じる切粉が長くなるのを防止しているが、このような溝形成加工は、加工物の通常の切削加工(切削工程)に組み合わせて適用することもでき、この場合、切削加工の際に生じる切粉が長くなるのを防止することができる。
2 旋盤本体
6 チャック手段(加工物保持手段)
14 第1支持機構
22 第2支持機構
26 タレット
42 コントローラ
46 ネジ切りモード設定手段
48 送り制御手段
50 切込み制御手段
52 原点復帰制御手段
70 切削工具
72,72a,72b,72c,72d,72e,72f,72g,82,82a,82b,82c 切粉切断用溝
74 加工物














Claims (4)

  1. 加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を切込み方向に移動自在に支持するための切込み支持機構と、前記切込み支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための切込み駆動手段と、前記送り駆動手段を作動制御するための送り制御手段と、前記切込み駆動手段を作動制御するための切込み制御手段と、前記加工物をネジ切り加工するネジ切りモードを設定するネジ切りモード設定手段と、を備えており、
    前記ネジ切りモードにおいては、前記加工物のネジ切り加工の際に、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるとともに、前記切込み制御手段が前記切込み駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記切込み方向に往復移動され、また前記ネジ切り工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるように構成されており、
    前記ネジ切りモード設定手段により前記ネジ切りモードが設定されると、前記溝形成工程と複数回の前記ネジ切り工程とが交互に遂行され、前記溝形成工程の後に前記複数回のネジ切り工程が行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする工作機械。
  2. 加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を切込み方向に移動自在に支持するための切込み支持機構と、前記切込み支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための切込み駆動手段と、前記送り駆動手段を作動制御するための送り制御手段と、前記切込み駆動手段を作動制御するための切込み制御手段と、前記加工物をネジ切り加工するネジ切りモードを設定するネジ切りモード設定手段と、を備えており、
    前記ネジ切りモードにおいては、前記加工物のネジ切り加工の際に、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるとともに、前記切込み制御手段が前記切込み駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記切込み方向に往復移動され、また前記ネジ切り工程においては、前記送り制御手段が前記送り駆動手段を制御して前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されるように構成されており、
    前記ネジ切りモード設定手段によりネジ切りモードが設定されると、ネジ切り加工の初期においては、前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が1回行われ、その後前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が複数回行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記1回のネジ切り工程における前記送り方向のピッチ及び前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記1回のネジ切り工程における前記切込み方向の切込み量及び前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする工作機械。
  3. 加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段とを備えた工作機械を用いたネジ切り加工方法であって、
    前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切りモードにおいては、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物に前記切粉分断用溝が形成され、また前記ネジ切り工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物にネジ切り加工が施され、
    前記ネジ切りモードが設定されると、前記溝形成工程と複数回の前記ネジ切り工程とが交互に遂行され、前記溝形成工程の後に前記複数回のネジ切り工程が行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする工作機械を用いたネジ切り加工方法。
  4. 加工物を保持して所定方向に回動される加工物保持手段と、加工物を切削加工するための切削工具を保持する工具保持手段と、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を送り方向に相対的に移動自在に支持するための送り支持機構と、前記送り支持機構に沿って前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方を移動させるための送り駆動手段とを備えた工作機械を用いたネジ切り加工方法であって、
    前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切りモードにおいては、ネジ切り加工の際に生じる切粉を分断させるための切粉分断用溝を形成する溝形成工程と前記加工物にネジ切り加工を施すネジ切り工程とが遂行され、前記溝形成工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物に前記切粉分断用溝が形成され、また前記ネジ切り工程においては、前記加工物保持手段及び前記工具保持手段のいずれか一方が前記送り方向に移動されて前記加工物にネジ切り加工が施され、
    前記ネジ切りモードが設定されると、ネジ切り加工の初期においては、前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が1回行われ、その後前記溝形成工程の後に前記ネジ切り工程が複数回行われ、前記溝形成工程における前記送り方向の送りピッチと前記1回のネジ切り工程における前記送り方向のピッチ及び前記複数回のネジ切り工程における前記送り方向の送りピッチとが等しくなるように設定され、また前記溝形成工程における前記切込み方向の切込み量と前記1回のネジ切り工程における前記切込み方向の切込み量及び前記複数回のネジ切り工程における前記切込み方向における合計切込み量とが等しくなるように設定されることを特徴とする工作機械を用いたネジ切り加工方法。
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