特許文献1,2のようなガイド筒体と螺旋回転体とを備えたパチンコ遊技機の球誘導装置では、遊技球が螺旋通路を回転しながら落下し、その際、螺旋回転体(即ち螺旋通路)も回転する独特な球誘導が可能になり、その点で遊技者の興趣を高めることができる。また、特許文献1には、螺旋回転体の回転速度や回転方向を変化させることで、遊技球の落下に変化を持たせることも開示されている。
しかし、前記独特な球誘導について、画像表示器等による演出と関連なく単独で行うのであれば、その独特な球誘導も味気ないものとなり、遊技者の興趣も次第に薄れていく筈である。そこで、本願発明者は、遊技球が螺旋通路に導入されたことを契機に、画像表示器等による演出を実行させることを考え、そこで更に、前記独特な球誘導に対して遊技者の興趣を高める上で有効な演出を実行し得るべく思料した。
本発明の目的は、球誘導装置により、遊技球が螺旋通路を回転しながら落下し、その際、螺旋回転体も回転する独特な球誘導を行うとともに、画像表示器を有する演出手段、演出手段を制御する演出制御手段により、螺旋通路における遊技球の動作に応じた演出を実行させ、前記独特な球誘導に対して遊技者の興趣を高める上で有効な特有の演出を行うことができる、パチンコ遊技機を提供することである。
請求項1のパチンコ遊技機(1) は、遊技盤(4) に設けられ球入口(50a,50Aa)と球出口(50b,50Ab)とを上下両端部に有するガイド筒体(50,50A)と、このガイド筒体(50,50A)に回転自在に収容支持されてガイド筒体(50,50A)の内部に球入口(50a,50Aa)と球出口(50b,50Ab)とに連通する螺旋通路(60a) を形成する螺旋回転体(60)とを有する球誘導装置(16,16A)を備えたパチンコ遊技機(1) において、前記球誘導装置(16,16A)は、螺旋回転体(60)を回転駆動する電動モータ(71)を有する回転駆動手段(70)と、回転駆動手段(70)を制御する回転制御手段(22a) とを有し、前記遊技盤(4) に設けられた画像表示器(14)を有する演出手段(95)と、前記回転制御手段(22a) から制御情報を受けて、前記螺旋通路(60a) における遊技球(DB,B)の動作に応じた演出を演出手段(95)を介して実行させるように演出手段(95)を制御する演出制御手段(22b) とを備えたことを特徴とする。
この球誘導装置(16)では、遊技球(DB,B)が、球入口(50a,50Aa)からガイド筒体(50,50A)の内部に入ると、螺旋通路(60a) を回転しながら落下し、球出口(50b,50Ab)からガイド筒体(50,50A)の外部に出る。回転制御手段(22a) により回転駆動手段(70)が制御され、回転駆動手段(70)により螺旋回転体(60)が回転駆動され、螺旋通路(60a) も回転する。回転制御手段(22a) により、螺旋回転体(60)の回転速度や回転方向を変化させるように、回転駆動手段(70)が制御されることで、螺旋通路(60a) を通る遊技球(DB,B)の回転速度や落下速度が変化する。演出制御手段(22b) により、回転制御手段(22a) から受ける制御情報に基づいて、画像表示器(14)を有する演出手段(95)が制御され、螺旋通路(60a) における遊技球(DB,B)の動作(回転速度や落下速度や位置)に応じた演出が演出手段(95)を介して実行される。
この請求項1の発明において、前記螺旋通路(60a) に遊技球(DB,B)が導入されたことを検知する球導入検知手段(85,85A)を備え、前記演出制御手段(22b) は、球導入検知手段(85,85A)からの検知情報と回転制御手段(22a) からの制御情報とに基づいて、前記螺旋通路(60a) における遊技球(DB,B)の動作を推測する動作推測手段(22c) を有するもの(請求項2)、また、前記回転制御手段(22a) は、螺旋回転体(60)の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるように制御するもの(請求項3)とすることが好ましい。
また、前記球誘導装置(16A) は遊技盤(4) の前面側の遊技領域(5) に発射された発射球(B) を誘導するように構成されたもの(請求項4)、又は、前記球誘導装置(16)は遊技盤(4) の前面側の遊技領域(4) に発射された発射球(B) 以外の演出球(DB)を誘導するように構成されたもの(請求項5)とすることができる。
請求項5の発明においては、前記遊技盤(4) に始動入賞口(10a,10b) と大入賞口(12a) とを設け、始動入賞口(10a,10b) への遊技球(B) の入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に大入賞口(12a) を開放するように構成し、前記球誘導装置(16)は、始動入賞口(10a,10b) への遊技球(B) の入賞を契機に演出球(DB)を前記螺旋通路(60a) に導入する演出球導入手段(80)を有し、前記回転制御手段(22a) と演出制御手段(22b) は、前記大当り抽選に関する情報に基づいて制御処理を実行するもの(請求項6)、遊技者が操作可能な演出ボタン(31)を備え、前記回転制御手段(22a) は、演出ボタン(31)の操作に基づいて、螺旋回転体(60)の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるもの(請求項7)、前記回転制御手段(22a) は、演出ボタン(31)の押し回数に応じた速度で螺旋回転体(60)を回転させるもの(請求項8)としてもよい。
請求項1のパチンコ遊技機によれば、球誘導装置において、前記ガイド筒体と螺旋回転体と回転駆動手段と回転制御手段とを備えたので、遊技球が螺旋通路を回転しながら落下し、その際、螺旋回転体(即ち螺旋通路)も回転する独特な球誘導を行って、遊技者の興趣を高めることができる一方、遊技盤に設けられ画像表示器を有する演出手段と、回転制御手段から制御情報を受けて、螺旋通路における遊技球の動作(回転速度や落下速度や位置)に応じた演出を演出手段を介して実行させるように演出手段を制御する演出制御手段とを備えたので、前記独特な球誘導に対して遊技者の興趣を高める上で有効な特有の演出を行うことができ、従って、遊技性の向上を図ることが可能になる。
請求項2のパチンコ遊技機によれば、螺旋通路に遊技球が導入されたことを検知する球導入検知手段を備え、演出制御手段は、球導入検知手段からの検知情報と回転制御手段からの制御情報とに基づいて、螺旋通路における遊技球の動作を推測する動作推測手段を有するので、その遊技球の動作に応じた演出を確実に実行させることができる。
請求項3のパチンコ遊技機によれば、回転制御手段は、螺旋回転体の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるように制御するので、螺旋通路における遊技球の回転速度や落下速度を変化させることができ、それで以て、螺旋通路における遊技球の動作に応じた演出を実行させることができる。
請求項4のパチンコ遊技機によれば、球誘導装置は遊技盤の前面側の遊技領域に発射された発射球を誘導するように構成されたので、発射球が螺旋通路を回転しながら落下する際、その発射球の動作に応じた演出を実行させることができる。
請求項5のパチンコ遊技機によれば、球誘導装置は遊技盤の前面側の遊技領域に発射された発射球以外の演出球を誘導するように構成されたので、演出球が螺旋通路を回転しながら落下する際、その演出球の動作に応じた演出を実行させることができる。
請求項6のパチンコ遊技機によれば、遊技盤に始動入賞口と大入賞口とを設け、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に大入賞口を開放するように構成し、球誘導装置は、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に演出球を螺旋通路に導入する演出球導入手段を有し、回転制御手段と演出制御手段は、大当り抽選に関する情報に基づいて制御処理を実行するので、大当り抽選に関連させて、演出球を螺旋通路に導入して、螺旋通路における演出球の回転速度や落下速度を変化させ、その演出球の動作に応じた演出を実行させることができる。
請求項7のパチンコ遊技機によれば、遊技者が操作可能な演出ボタンを備え、回転制御手段は、演出ボタンの操作に基づいて、螺旋回転体の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるので、遊技者が演出ボタンを操作して、螺旋回転体の回転速度や回転方向、即ち、螺旋通路における遊技球の動作を変更させ、故に、遊技者が大当り抽選に関連する演出に参加することができ、故に、遊技性の一層の向上を図ることが可能になる。
請求項8のパチンコ遊技機によれば、回転制御手段は、演出ボタンの押し回数に応じた速度で螺旋回転体を回転させるので、遊技者が演出ボタンを操作して螺旋回転体を回転速度を変更させることができ、故に、遊技者の遊技参加感を高めることができる。
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールに取付けられる外枠に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、その遊技盤4の前面側に遊技領域5が形成されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着され、その透明板3bにより遊技領域5の前側が覆われている。
開閉扉3の窓3aの下側には、遊技球Bを貯留する貯留皿6と、遊技者が操作する発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿6から発射位置に導入された遊技球Bが発射され、ここで、貯留皿6に複数の遊技球Bが存在する場合には、例えば、複数の遊技球Bが約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球B(発射球B)は、ガイドレール8で案内されて遊技領域5の上部に投入される。
図2〜図4に示すように、遊技盤4には、遊技領域5に、多数の障害釘(図示略)の他、始動入賞口装置10、ゲート11、大入賞口装置12、普通入賞口13、画像表示器14、ステージ15、球誘導装置16、センタ役物17が装着され、遊技領域5外に遊技表示盤18が装着され、遊技盤4の裏面側に制御装置20が装着されている。
始動入賞口装置10は、センタ役物17の下側に配置され、所謂電チューを含む構成で、上始動入賞口10a、下始動入賞口10b、下始動入賞口10bを開閉する開閉部材10c、始動入賞口10a,10bに入賞した遊技球Bを検出する始動口SW10d、開閉部材10cを開閉駆動する電チューソレノイド10eを有する。開閉部材10cは、左右対称の2つの短い羽根部材が遊技盤4の盤面直角方向の軸回りに動作するように構成され、閉塞位置で下始動入賞口10bへの遊技球Bの入賞を不可能にし、開放位置で下始動入賞口10bへの遊技球Bの入賞を可能にする。
ゲート11は、センタ役物17の左側に配置され、このゲート11を通過した遊技球Bを検出するゲートSW11aが付設されている。ゲート11を遊技球Bが通過することを契機に行われる当り抽選で当選した場合に、補助遊技が発生し、始動入賞口装置10が作動して、通常は閉塞の下始動入賞口10bが開放するように開閉部材10cを開閉動作させる。
大入賞口装置12は、始動入賞口装置10の下側に配置され、大入賞口12a、大入賞口12aを開閉する開閉部材12b、大入賞口12aに入賞した遊技球Bを検出する大入賞口SW12c、開閉部材12bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド12dを有する。開閉部材12bは、1つの開閉板が遊技盤4の盤面平行方向の軸回りに動作するように構成され、閉塞位置で大入賞口12aへの遊技球Bの入賞を不可能にし、開放位置で大入賞口12aへの遊技球Bの入賞を可能にする。
始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に、大当り遊技が発生し、大入賞口装置12が作動して、通常は閉塞の大入賞口12aが開放するように開閉部材12bを開閉動作させる。普通入賞口13は複数設けられ、この普通入賞口13に入賞した遊技球Bを検出する普通入賞口SW13aが付設されている。
画像表示器14は、液晶ディスプレイからなり、センタ役物17に大きく設けられている。この画像表示器14には、始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に大当り抽選演出が表示され、その大当り抽選演出では、例えば、演出図柄を用いて図柄変動や大当り抽選の結果が表示され、また、大当り遊技中には大当り演出が表示される。
図2、図3に示すように、ステージ15はセンタ役物17の下部に設けられ、遊技球Bが転動すると共に遊技球Bを上始動入賞口10aへ案内する入賞案内部40を有し、ステージ15の下側に始動入賞口10a,10bが設けられている。ステージ15は、前面が遊技盤4の盤面(前面)と略同じ前後方向位置となるステージ前面部41と、ステージ前面部41の上端部から後方へ連なるステージ上面部42と、ステージ上面部42の後端部に形成されたステージ後端起立部43とを有し、ステージ後端起立部43が画像表示器14の下端部に近接している。
ステージ上面部42には、最も後側に左右方向に細長い第1転動面45が形成され、第1転動面45の左右方向中央部分の前側に第2転動面46と1対の山部47とが形成され、第1転動面45の前側及び第2転動面46と1対の山部47の前側に左右方向に細長い第3転動面48が形成されている。
第1転動面45は緩やかな山形に形成されるとともに、その左右両端部分は緩やかな谷形に形成されている。第2転動面46は1対の山部47の間の谷底となるように形成され、第3転動面48は緩やかな谷形に形成されている。第1,第3転動面45,48の両端部同士は連続面となるように繋がっている。第1転動面45を転動する遊技球Bは、第2転動面46又は第3転動面48へ移動可能であり、第2転動面46を転動する遊技球Bは第3転動面48へ移動する。第3転動面48を転動する遊技球Bは、第2転動面46と1対の山部47の前側における左右方向位置から落下する。
入賞案内部40は、第1転動面45の山頂部の後方位置においてステージ後端起立部43に形成された案内入口40aと、この案内入口40aよりも前方且つ下方に位置してステージ前面部41に形成された案内出口40bと、案内入口40aと案内出口40bとを繋ぐ案内通路40cとを有する。遊技球Bが、第1転動面45を左右方向へ転動し、特にその転動速度が遅いときに、第1転動面45の山頂部から案内入口40aに入り易く、そうなると、案内通路40cを通って案内出口40bから排出される。
案内出口40bの真下に上始動入賞口10aが上方開口状に配置され、故に、案内出口40bから排出された遊技球Bは上始動入賞口10aに入賞する可能性が非常に高くなる。案内出口40bから排出された遊技球Bが、上始動入賞口10aに入賞しない場合でも、開閉部材10cが開放位置のときには、下始動入賞口10bに入賞する可能性が高くなる。また、開閉部材10cが開放位置のときには、第2転動面46から第3転動面48を介して落下した遊技球Bも下始動入賞口10bに入賞する可能性が高くなる。
球誘導装置16はセンタ役物17の左部に設けられている。この球誘導装置16については後で詳しく説明する。尚、センタ役物17には、画像表示器14、ステージ15、球誘導装置16の他に、種々の電飾も設けられている。
遊技表示盤18は、遊技領域5の下部右側に前方へ向けて配置され、特別図柄表示器18a、普通図柄表示器18b、特別図柄保留ランプ18c、普通図柄保留ランプ18d(図4参照)を備えている。特別図柄表示器18aには、始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に行われる大当り抽選の結果が変動表示後に表示され、普通図柄表示器18bには、ゲート11を遊技球Bが通過することを契機に行われる抽選の結果が変動表示後に表示される。
始動入賞口10a,10bに入賞した遊技球Bの数であって、特別図柄表示器18aの変動に供しない(後で大当り抽選の結果が得られる)特別図柄の保留数が最大で4つまで保留され、特別図柄保留ランプ18cには、その特別図柄の保留数が表示される。同様に、ゲート11を通過した遊技球Bの数であって、普通図柄表示器18bの変動に供しない(後で当り抽選の結果が得られる)普通図柄の保留数が最大で4つまで保留され、普通図柄保留ランプ18dには、その普通図柄の保留数が表示される。
発射ハンドル7を回動操作することで、発射され遊技領域5の上部に投入された遊技球Bは、複数の障害釘等に当たって方向を変えながら落下して、入賞口10a,10b,12a,13の何れかに入賞した場合、そこから遊技領域5外へ排出され、入賞口10a,10b,12a,13の何れにも入賞しなかった場合には、最終的に、遊技領域5の下端部に形成されたアウト口19から遊技領域5外へ排出される。
図4に示すように、制御装置20は、メイン制御装置21とサブ制御装置25とで構成されている。メイン制御装置21は、メイン制御基板22にCPUとROMとRAMを備えて構成され、サブ制御装置25は、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29を備え、この複数の制御基板26〜29は夫々CPUとROMとRAMを備えて構成されている。
メイン制御基板22が、始動口SW10d、ゲートSW11a、大入賞口SW12c、普通入賞口SW13aからの検出信号を受けて、また、払出制御基板26から制御情報を受けて、電チューソレノイド10e、大入賞口ソレノイド12d、特別図柄表示器18a、普通図柄表示器18b、特別図柄保留ランプ18c、普通図柄保留ランプ18dを制御する。
メイン制御基板22は、始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に大当り抽選を行い、この大当り抽選で当選した場合に大当り遊技として大入賞口12aを所定の開閉パターンで開閉させるように大入賞口装置12を制御し、また、大当り抽選で当選した場合に確変抽選を行い、大当り抽選の当選確率を確変抽選で落選した場合に所定の低確率(例えば、約1/300)に設定し且つ確変抽選で当選した場合に低確率よりも高い高確率(例えば、約1/30)に設定するように構成されている。
払出制御基板26は、メイン制御基板22から制御情報を受け、払出駆動モータ30を制御し、入賞口10a,10b,12a,13への遊技球Bの入賞1個について、入賞口10a,10b,12a,13毎に設定された数の遊技球Bを貯留皿6に払い出す。
演出制御基板27は、演出ボタン31からの操作信号と球誘導装置16の球入口SW85と球出口SW86からの検出信号を受けて、また、メイン制御基板22から制御情報を受けて、球誘導装置16の電動モータ71と導入ソレノイド83と移送モータ93を制御し、また、画像制御基板28とランプ制御基板29に夫々制御情報を出力する。尚、演出ボタン31は遊技者が操作可能に貯留皿6に設けられている。
画像制御基板28は、演出制御基板27から制御情報を受け、画像表示器14とスピーカ32を制御する。ランプ制御基板29は、演出制御基板27から制御情報を受け、枠ランプ33と盤ランプ34を制御する。例えば、スピーカ32と枠ランプ33は開閉扉3に設けられ、盤ランプ34は遊技盤4に設けられている。
次に、球誘導装置16について詳しく説明する。
図2〜図8に示すように、球誘導装置16は、遊技領域5に発射された発射球B以外の演出球DBを誘導するように構成されている。
この球誘導装置16は、遊技盤4に設けられ球入口50aと球出口50bとを上下両端部に有する合成樹脂製のガイド筒体50と、ガイド筒体50に回転自在に収容支持されてガイド筒体50の内部に球入口50aと球出口50bとに連通する螺旋通路60aを形成する合成樹脂製の螺旋回転体60と、螺旋回転体60を回転駆動する回転駆動機構70(回転駆動手段)と、始動入賞口10a,10bへの遊技球B(発射球B)の入賞を契機に演出球DBを螺旋通路60aに導入する演出球導入機構80(演出球導入手段)と、螺旋通路60aに演出球DBが導入されたことを検知する球入口SW85(球導入検知手段)と、螺旋通路60aから演出球DBが導出されたことを検知する球出口SW86と、螺旋通路60aから導出された演出球DBを回収して演出球導入機構80へ移送する演出球移送機構90と、回転駆動機構70と演出球導入機構80と演出球移送機構90を制御するサブ制御装置25とを備えている。
ガイド筒体50は、筒状の周壁51と、周壁51の上端を塞ぐ上壁52と、周壁51の下端を塞ぐ底壁53とを有する。上壁52の後部に球入口50aが形成され、周壁51の下端部の後部に球出口50bが形成されている。球出口50bは、その下端が底壁53の上面に連なるように形成され、底壁53の上面は、球出口50bに向かって下方へ傾斜する傾斜面に形成されている。
ガイド筒体50は、遊技者が視認可能な位置に配置され、ガイド筒体50の少なくとも周壁51が透明又は半透明で構成されている。つまり、ガイド筒体50の内部の演出球DBの動き(回転度、落下)を遊技者が見ることができる。尚、上壁52と底壁53の一方と周壁51とを一体成形し、周壁51の内部に螺旋回転体60を収容した後、上壁52と底壁53の他方を周壁51に固着するようにしてもよい。
螺旋回転体60は、軸部61と、軸部61に固着され軸部61の外周外側(径方向外側)へ張出す連続した1つの螺旋部62とを有し、この軸部61と螺旋部62は一体成形されている。螺旋部62の上面は、外周外側へ向かって下方へ傾斜する傾斜面に形成されている。また、螺旋部62の下面は、外周外側へ向かって上方へ傾斜する傾斜面に形成されている。螺旋部62の外周外端と周壁51との間には、そこから演出球DBが落下しない適度な隙間63が形成されている。
金属製の回転軸65が軸部61に挿通状に固着され、その上下両端部分が軸部61から突出している。軸部61の上端部は上壁52に接近対向し、回転軸65の上端部分が上壁52に回転自在に係合支持されている。軸部61の下端部は底壁53に回転自在に内嵌支持され、回転軸65の下端部分が、回転駆動機構70のギヤ75に貫通状に固着されるとともに、ガイド筒体50の下側に配設されガイド筒体50と固定関係にある駆動系ベース76に回転自在に係合支持されている。
回転駆動機構70は、ステッピングモータからなる電動モータ71と、電動モータ71の駆動力を回転軸65に伝達するギヤ機構72とを有する。ギヤ機構72は3個のギヤ73〜75を有し、これらギヤ73〜75は互いに噛合した状態で、駆動系ベース76に回転自在に取付けられている。ギヤ73,75に夫々に電動モータ71の出力軸71aと回転軸65が固着されている。
図3に示すように、演出球導入機構80は、球発進部81と、この球発進部81から前方のガイド筒体50の球入口50aへ下方傾斜状に延びる合成樹脂管で形成された導入通路82と、球発進部81に設けられた導入ソレノイド83とを有する。球発進部81において、演出球DBが保持され、導入ソレノイド83が駆動されると、演出球DBが保持解除されて、導入通路82を通って球入口50aからガイド筒体50の内部に導入される。
図3に示すように、演出球移送機構90は、ガイド筒体50の球出口50bから後方へ下方傾斜状に延びる合成樹脂管で形成された導出通路91と、移送モータ93を有するコンベア92とを有する。球出口50bからガイド筒体50の外部に導出された演出球DBは、導出通路91を通ってコンベア92の下端部に導入される。移送モータ93が駆動されるとコンベア92が作動し、このコンベア92で演出球DBが上昇され球発進部80に搬送され、球発進部80で保持されることになる。尚、コンベア91として、演出球DBを上方へ移送可能な種々のコンベア(例えば、スクリューコンベア)を採用可能である。
ここで、図3に示すように、球入口SW85は球通過部を有する近接SWからなり、その球通過部で球入口50aの少なくとも一部を形成するように上壁52に取り付けられている。また、球出口SW86は球通過部を有する近接SWからなり、その球通過部で球出口50bの少なくとも一部を形成するように周壁51に取り付けられている。
センタ役物17には、画像表示器14の左側に且つガイド筒体50の後側に意匠板16a(図2参照)が設けられ、この意匠板16aの後側に球発進部80とコンベア91が配置されている。そして、ガイド筒体50の球入口50aと球出口50bに接続された球通路82,91を形成する合成樹脂管は、意匠板16aを貫通するように配設されている。
さて、図9に示すように、このパチンコ遊技機1において、サブ制御装置25は、回転駆動機構70の電動モータ71を制御する回転制御手段25a、演出手段95(画像表示器14、スピーカ83)を制御する演出制御手段25b、演出球導入機構80の導入ソレノイド83を制御する導入制御手段25c、演出球移送機構90の移送モータ93を制御する移送制御手段25dを備え、これらの制御手段25a〜25dは、メイン制御装置21からの制御情報、演出ボタン31からの操作信号、球入口SW85と球出口SW86からの検出信号を受けて制御処理を実行する。
回転制御手段25aは、螺旋回転体60を回転させる際、螺旋回転体60の回転速度と回転方向を一定とするように、或いは、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の一方を変化させるように、或いは、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の両方を変化させるように、電動モータ71を制御する。そこで、回転制御手段25aは、メイン制御装置21から受ける大当り抽選に関する情報に基づいて制御処理を実行する。そして、回転制御手段25aは、演出ボタン31の操作に基づいて、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるように制御することができ、演出ボタン31の押し回数に応じた速度で螺旋回転体60を回転させるように制御することができる。
演出制御手段25bは、回転制御手段25aからの制御情報を受けて、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作(回転速度、落下速度、位置)に応じた演出を演出手段95(画像表示器14、スピーカ31)を介して実行させるように演出手段95を制御する。そこで、演出制御手段25bは、メイン制御装置21から受ける大当り抽選に関する情報に基づいて制御処理を実行する。そして、演出制御手段25bは、螺旋通路60aに演出球DBが導入されたことを検知する球入口SW85からの検知情報と回転制御手段25aからの制御情報とに基づいて、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作を推測する動作推測手段25eを有する。
次に、制御手段25a〜25dを備えたサブ制御装置25が実行する制御処理について、図10〜図12のフローチャートに基づいて説明する。図10に示すように、この制御処理では、先ず、メイン制御装置21から変動開始コマンドが受信されたか否か判定され(S1)、S1;Yes になる迄待機する。変動開始コマンドは、特別図柄の変動時間、特別図柄の停止図柄、遊技状態の情報を含むものであり、メイン制御装置21において、前記大当り抽選の結果を受けて、また、大当り抽選で当選した場合には更に前記確変抽選の結果を受けて、変動開始コマンドが設定されてサブ制御装置25へ送信される。
変動開始コマンドが受信された場合(S1;Yes )、その変動開始コマンドが解析され(S2)、特別図柄の変動時間、特別図柄の停止図柄、遊技状態に基づいて、演出手段95で実行させる演出パターンが複数種類の演出パターンの中から択一的に選択される(S3)。次に、選択された演出パターンが、球誘導装置16と協働して行う特定の演出パターンか否か判定され(S4)、S4;Noの場合、リターンし、演出手段95のみによる演出が実行される。
特定の演出パターンの場合(S4;Yes )、導入制御手段25cによる制御により、導入ソレノイド83が駆動され、演出球導入機構80が作動して、演出球DBが発進される。次に、球入口SW85により演出球DBが検知されたか否か判定される(S6)。S6;Yes の場合、つまり、演出球DBが球入口50aからガイド筒体50の内部に導入されると、回転制御手段25aによる回転制御が実行され(S7)、続いて、動作推測手段25eにより、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作(回転速度、落下速度、位置)が推測され(S8)、演出制御手段25bによる演出制御が実行される(S9)。
次に、球出口SW86により演出球DBが検知されたか否か判定され(S10)、S10;Yes の場合、つまり、演出球DBが球出口50bからガイド筒体50の外部に導出されると、移送制御手段25dによる制御により、移送モータ93が駆動され、演出球移送機構90が作動して、ガイド筒体50の外部に導出された演出球DBが演出球導入機構80に移送され、この制御処理が終了してリターンする。S10;Noの場合、S7へリターンし、S10;Yes になるまで、S7〜S9が繰り返し実行される。
図11に示すように、S7の回転制御においては、選択された特定の演出パターンに応じた回転パターンが読込まれ(S21)、基本的にその回転パターンとなるように螺旋回転体60が回転駆動される(S22)。その後、演出ボタン31の操作有効期間か否か判定され(S23)、S23;Yes の場合、演出ボタン31が操作されたか否か判定される(S24)。S23;No、S24;Noの場合、S27へ移行する。
S24;Yes の場合、演出ボタン31の押し回数が算出され(S25)、螺旋回転体60の回転速度(指令速度)として、演出ボタン31の押し回数に応じた速度が変更設定される(S27)。次に、球出口SW86により演出球DBが検知されたか否か判定され(S26)、S27へ移行する。S27;Noの場合、S22へリターンし、S22において、S26で速度が変更設定された場合には、その変更設定された速度(指令速度)で螺旋回転体60が駆動制御される。S27;Yes の場合、つまり、演出球DBが球出口50bからガイド筒体50の外部に導出されると、この回転制御が終了してリターンする。
S8においては、例えば、螺旋回転体60の回転速度(指令速度)と、前回推定した演出球DBの動作の情報をパラメータとして、このパラメータと、球誘導装置16(ガイド筒体50、螺旋回転体60)の構成等を加味して、試験的実験的に得られた演出球動作決定用テーブルとに基づいて、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作が推測される。
図12に示すように、S9の演出制御においては、選択された特定の演出パターンが読込まれ(S31)、その演出パターンに基づいて基本演出が実行される(S32)。次に、S8で推測された螺旋通路60aにおける演出球DBの動作が読込まれ(S33)、その演出球DBの動作に応じた動作対応演出が実行される(S34)。その後、演出ボタン31の操作有効期間か否か判定され(S35)、S35;Yes の場合、画像表示器14に演出ボタン31の操作が可能な旨が表示され(S36)、次に、演出ボタン31が操作されたか否か判定される(S37)。S35;No、S37;Noの場合、S39へ移行する。
S37;Yes の場合、S7の回転制御において、螺旋回転体60の回転速度が変更されることから、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作も変更され、故に、変更された演出球DBの動作に応じた演出となるように、動作対応演出も変更され(S38)、S39へ移行する。但し、S38について省略可能である。次に、球出口SW86により演出球DBが検知されたか否か判定され(S39)、S39;Noの場合、S32へリターンし、S39;Yes の場合、つまり、演出球DBが球出口50bからガイド筒体50の外部に導出されると、この演出制御が終了してリターンする。
以上説明した球誘導装置16を備えたパチンコ遊技機1によれば次の効果を奏する。
球入口50aからガイド筒体50の内部に入った演出球DBは、螺旋部62の上面と周壁51の内周面に接触した状態で螺旋通路60aを回転しながら落下し、最終的に、球出口50bからガイド筒体50の外部に出る。その際、螺旋回転体60が回転し、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させることで、螺旋通路60aにおける演出球DBの回転速度や落下速度が変化する。
このように、球誘導装置16により、演出球DBが螺旋通路60aを回転しながら落下し、その際、螺旋回転体60(即ち螺旋通路60a)も回転する独特な球誘導を行って、遊技者の興趣を高めることができる一方、遊技盤4に設けられ画像表示器14を有する演出手段95と、回転制御手段25aから制御情報を受けて、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作(回転速度や落下速度や位置)に応じた演出を演出手段95を介して実行させるように演出手段95を制御する演出制御手段25bとを備えたので、前記独特な球誘導に対して遊技者の興趣を高める上で有効な特有の演出を行うことができ、従って、遊技性の向上を図ることが可能になる。
螺旋通路60aに演出球DBが導入されたことを検知する球入口SW85を備え、演出制御手段25bは、球入口SW85からの検知情報と回転制御手段25aからの制御情報とに基づいて、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作を推測する動作推測手段25eを有するので、その演出球DBの動作に応じた演出を確実に実行させることができる。
回転制御手段25aは、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるように制御するので、螺旋通路60aにおける演出球DBの回転速度や落下速度を変化させることができ、それで以て、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作に応じた演出を実行させることができる。
遊技盤4に始動入賞口10a,10bと大入賞口12aとを設け、始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に行われる大当り抽選で当選した場合に大入賞口12aを開放するように構成し、球誘導装置16は、始動入賞口10a,10bへの遊技球Bの入賞を契機に演出球DBを螺旋通路60aに導入する演出球導入機構80を有し、回転制御手段25aと演出制御手段25bは、大当り抽選に関する情報に基づいて制御処理を実行するので、大当り抽選に関連させて、演出球DBを螺旋通路60aに導入して、螺旋通路60aにおける演出球DBの回転速度や落下速度を変化させ、その演出球DBの動作に応じた演出を実行させることができる。
遊技者が操作可能な演出ボタン31を備え、回転制御手段25aは、演出ボタン31の操作に基づいて、螺旋回転体60の回転速度と回転方向の少なくとも一方を変化させるので、遊技者が演出ボタン31を操作して、螺旋回転体60の回転速度や回転方向、即ち、螺旋通路60aにおける演出球DBの動作を変更させ、故に、遊技者が大当り抽選に関連する演出に参加することができ、故に、遊技性の一層の向上を図ることが可能になる。
回転制御手段25aは、演出ボタン31の押し回数に応じた速度で螺旋回転体60を回転させるので、遊技者が演出ボタン31を操作して螺旋回転体60を回転速度を変更させることができ、故に、遊技者の遊技参加感を高めることができる。
次に、実施例2、3において、実施例1の図10のS7とS9が実行されることにより行われる具体的な演出等について説明する。