JP2010109079A - 発熱体冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置全体の小型化を図りつつ、良好な冷却能力を発揮することができる発熱体冷却装置を提供する。
【解決手段】発熱体2と熱伝動可能に設けられた冷却面42に沿って冷媒が流通する冷却室R3と、冷却室R3へ流入する冷媒が流通する流入室R1と、冷却室R3から流出する冷媒が流通する流出室R5と、を備えた発熱体冷却装置であって、冷媒が流通する向きが互いに対向するように、流入室R1と流出室R5とが隣り合って配置された第一層L1と、流入室R1から流入する冷媒を、冷却室R3における冷媒流通方向に対して、一方側から他方側へ流れを幅方向に拡大して冷却室へと導く中間冷媒室R2が配置された第二層L2と、他方側から一方側へ冷媒が流通する冷却室R3が配置された第三層L3と、を所定の積層方向に積層した三層構造の冷媒流通経路を備えた。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、半導体素子等の発熱体を冷却するための発熱体冷却装置に関する。
このような発熱体冷却装置は、例えば、直流と交流との間の変換を行うインバータに用いられるスイッチング素子のような、発熱量の多い半導体素子等の発熱体を冷却するために用いられる。
インバータを構成するスイッチング素子等の半導体素子は、大きい電流が流れるため発熱しやすい。半導体素子が過熱状態となると動作不良や故障の原因となってしまうため、インバータの信頼性を確保するとともにその耐用期間を長くするためには、半導体素子を所定の温度以下に保つべく、半導体素子を適切に冷却することが必要である。したがって、優れた冷却能力を有する冷却装置が求められる。
このような要求に対して、これまで、半導体素子を冷却するべく半導体素子と熱伝導可能に設けられた放熱面に沿って冷媒が流通する冷却室を備えた冷却装置が知られている(例えば、下記の特許文献1を参照)。この特許文献1に記載された冷却装置においては、冷却室内に複数のフィンを並列配置して、それぞれ隣接するフィンどうしの間に冷媒が通流するフィン間通路を形成している。各フィン間通路の一端部は、当該フィンと略同じ高さを有する第一ヘッダーで連通してあり、各フィン間通路の他端部は、第一ヘッダーと同様の第二ヘッダーで連通してある。そして、第一ヘッダーに供給された冷媒が各フィン間通路に分配されて流通し、各フィン間通路から流出した冷媒が第二ヘッダーで合流する。このような構成を採用することで、冷媒に放熱するための放熱面積を大きくして冷却能力を高めることが可能となっている。
特開2001−35981号公報
ところで、半導体素子等の発熱体を冷却するための発熱体冷却装置においては、放熱面積を大きくすれば冷却能力を高めることができることは勿論であるが、より効率的に発熱体を冷却するためには、できるだけ均一な状態で冷却室内に冷媒を流通させることが好ましい。
この点、特許文献1に記載された冷却装置においては、第一ヘッダーから各フィン間通路に冷媒を分配する際に、例えば第一ヘッダーへの冷媒供給箇所に近接したフィン間通路に冷媒が多く流通し、一方、冷媒供給箇所から離間したフィン間通路にはあまり冷媒が流通しないなど、冷媒を各フィン間通路に均一に分配することができない状況が発生してしまう。そのため、各フィン間通路を流通する冷媒の量にばらつきが生じ、冷却室内を流通する冷媒が不均一となって、良好な冷却能力を発揮し得ない場合があるという問題があった。
また、特許文献1に記載された冷却装置では、冷却室を流通する冷媒を一方向にのみ流そうとすれば、第一ヘッダー冷却装置への冷媒の流入口と冷却装置からの冷媒の流出口とが離間した位置に配置されることになってしまう。そのため、装置全体の小型化を図る上で改善の余地が残っていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、装置全体の小型化を図りつつ、良好な冷却能力を発揮することができる発熱体冷却装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するための本発明に係る、発熱体と熱伝動可能に設けられた冷却面に沿って冷媒が流通する冷却室と、前記冷却室へ流入する前記冷媒が流通する流入室と、前記冷却室から流出する前記冷媒が流通する流出室と、を備えた発熱体冷却装置の特徴構成は、前記冷媒が流通する向きが互いに対向するように、前記流入室と前記流出室とが隣り合って配置された第一層と、前記流入室から流入する前記冷媒を、前記冷却室における冷媒流通方向に対して、一方側から他方側へ流れを幅方向に拡大して前記冷却室へと導く中間冷媒室が配置された第二層と、前記他方側から前記一方側へ前記冷媒が流通する前記冷却室が配置された第三層と、を所定の積層方向に積層した三層構造の冷媒流通経路を備えた点にある。
上記の特徴構成によれば、流入室と流出室とが、冷媒が流通する向きが互いに対向するように隣り合って配置されるので、流入室への冷媒の流入口と流出室からの冷媒の流出口とを近接させて配置することができる。また、この構成では、中間冷媒室では冷媒が一方側から他方側へ流通し、冷却室では冷媒が他方側から一方側へ流通するので少なくとも冷媒の流通経路が折り返される構成となり、中間冷媒室と冷却室とを重複させて配置する構成となる。よって、冷却装置全体の小型化を図ることができる。このとき、冷媒は中間冷媒室において一方側から他方側へと流通しながら幅方向に拡大してから冷却室へと導かれるので、冷却室内を流通する冷媒を幅方向に均一化することができる。よって、発熱体を効率的に冷却することができる。以上より、装置全体の小型化を図りつつ、良好な冷却能力を発揮することができる発熱体冷却装置を提供することができる。
ここで、前記冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘って前記中間冷媒室の前記他方側の端部と前記冷却室の前記他方側の端部とを前記積層方向に連通するスリット状連通口を備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、中間冷媒室と冷却室とが、それぞれ冷却室における冷媒流通方向に対して他方側の端部で連通するので、冷却室において実際に冷媒が流通する経路長を長く確保することができる。よって、冷媒が冷却面に接触する面積を広く確保して、高い冷却能力を確保することができる。同様に、中間冷媒室において実際に冷媒が流通する経路長を長く確保することができる。よって、中間冷媒室において冷媒が幅方向に拡大するためのスペースを多く確保して、冷却室内に流入する冷媒を幅方向により均一化することができる。さらに、中間冷媒室と冷却室とが、冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘るスリット状連通口で連通するので、当該スリット状連通口が冷媒の流れを規制する絞り部として機能して冷却室に略均一に冷媒を流入させ、冷却室内を流通する冷媒を幅方向によりいっそう均一化することができる。
また、前記流入室の前記一方側の端部と前記中間冷媒室の前記一方側の端部とを前記積層方向に連通する連通口を備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、流入室と中間冷媒室とが、それぞれ冷却室における冷媒流通方向に対して一方側の端部で連通するので、中間冷媒室において実際に冷媒が流通する経路長を長く確保することができる。よって、中間冷媒室において冷媒が幅方向に拡大するためのスペースを多く確保して、冷却室内に流入する冷媒を幅方向により均一化することができる。
また、前記中間冷媒室を第一中間冷媒室とするとともに、前記冷却室から流出する前記冷媒を、前記積層方向に前記第三層から前記第一層へと導くとともに、前記冷却室における冷媒流通方向に対して流れを幅方向に縮小して前記流出室へと導く第二中間冷媒室を備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、冷却室から流出する冷媒を、第二中間冷媒室を介して適切に流出室へと導くことができる。なお、上記の構成において、さらに第二中間冷媒室と流出室との、各室内での冷媒が流通する方向に対して直交する面の断面積が略同一である構成とすると、冷媒の流通抵抗を略同一とすることができるので、より好適である。
また、前記冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘って前記冷却室の前記一方側の端部と前記第二中間冷媒室の前記一方側の端部とを前記積層方向に連通するスリット状連通口を備えた構成とすると好適である。
この構成によれば、冷却室と第二中間冷媒室とが、それぞれ冷却室における冷媒流通方向に対して一方側の端部で連通するので、冷却室において実際に冷媒が流通する経路長を長く確保することができる。よって、冷媒が冷却面に接触する面積を広く確保して、高い冷却能力を確保することができる。さらに、冷却室と第二中間冷媒室とが、冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘るスリット状連通口で連通するので、当該スリット状連通口が冷媒の流れを規制する絞り部として機能して冷却室から略均一に冷媒を流出させ、冷却室内を流通する冷媒を幅方向によりいっそう均一化することができる。
また、前記冷却面に、前記冷却室における冷媒流通方向に沿ってフィンが設けられている構成とすると好適である。
この構成によれば、フィンにより冷却面の放熱面積を大きくすることができるので、冷却能力をより一層良好なものとすることができる。また、当該フィンの設置方向を冷媒流通方向に沿った方向とすることで、冷却室内における冷媒の流通状態を良好に維持することができる。
また、前記冷媒を循環させる冷媒循環系と前記流入室とを接続する冷媒流入口と、前記冷媒循環系と前記流出室とを接続する冷媒流出口とが、共に前記冷却室における冷媒流通方向の他方側に配置されている構成とすると好適である。
この構成によれば、冷媒流入口と冷媒流出口とが冷却室における冷媒流通方向に対して同じ側に配置されるので、装置の配置スペースの小型化を図ることができる。また、冷媒循環系との接続を同じ方向から行なうことができるので、接続のための構成を簡略化でき、冷媒循環系をも含めた発熱体冷却系全体の小型化を図ることができる。
また、前記中間冷媒室を第一中間冷媒室とするとともに、前記冷却室から流出する前記冷媒を、前記積層方向に前記第三層から前記第一層へと導くとともに、前記冷却室における冷媒流通方向に対して流れを幅方向に縮小して前記流出室へと導く第二中間冷媒室を備えた構成において、前記積層方向から見たときに、前記第一中間冷媒室及び前記第二中間冷媒室が占める領域と、前記冷却室が占める領域とが、略一致している構成とすると好適である。
この構成によれば、積層方向から見た場合における冷却室が占める領域を最大限に有効利用して、装置全体を大型化することなく、冷却室に流入する冷媒の幅方向の均一化及び冷媒流量の確保を図ることができる。
このとき、前記冷却室における冷媒流通方向から見たときに、前記流入室、前記流出室及び前記第一中間冷媒室が占める領域と、前記第二中間冷媒室が占める領域とが、略一致している構成とすると更に好適である。
この構成によれば、積層方向の厚みを利用することで、平面的には小さいスペースに、冷却室から流出する冷媒を冷却室へと導く流路を適切に配置することができる。
また、これまで説明してきた構成において、矩形形状の凹部を有するとともに、当該凹部の底部に形成された仕切壁、及び前記仕切壁の上面と等しい高さの支持面を有するベース部材と、周壁に囲まれた矩形形状の凹部を有する第一中間部材と、矩形形状の凹部を有する第二中間部材と、前記第二中間部材の凹部を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、前記ベース部材、前記第一中間部材、及び前記第二中間部材のそれぞれの凹部は、開口する向きを揃えて積層され、前記仕切壁の上面及び前記支持面に前記第一中間部材の下面が当接するとともに、前記周壁の上面に前記第二中間部材の下面が当接した状態で、前記ベース部材と前記第二中間部材との間に前記第一中間部材が固定され、前記ベース部材と前記第一中間部材との間に前記第一層が形成され、前記第一中間部材と前記第二中間部材との間に前記第二層が形成され、前記第二中間部材と前記カバー部材との間に前記第三層が形成された構成とすると好適である。
この構成によれば、それぞれ比較的単純な構造を有するベース部材、第二中間部材、第二中間部材、及びカバー部材を、それぞれの凹部が開口する向きを揃えて順次積層するだけの簡単な構成で、良好な冷却能力を発揮することができる発熱体冷却装置を提供することができる。
本発明に係る発熱体冷却装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係る発熱体冷却装置を、インバータを冷却するためのインバータ用冷却装置1(以下では、単に「冷却装置1」と略称する)に適用する場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係る冷却装置1を含む発熱体冷却系の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る冷却装置1の分解斜視図である。ここで、上記インバータは、例えば、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置と、回転電機(モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び、必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む)との間に介挿され、これらの間で授受される電力の直流−交流変換を行なうもので、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOSFET等のスイッチング素子や付随の回路素子と、それらを配した回路基板からなるスイッチング素子モジュール2(図4及び図5を参照)を備える。スイッチング素子モジュール2には大電流が流れ、その際スイッチング素子モジュール2は発熱する。本実施形態においては、このスイッチング素子モジュール2が、本発明における「発熱体」に相当する。
1.概略構成
まず、本実施形態に係る冷却装置1を含む発熱体冷却系の概略構成について説明する。図1に示すように、発熱体冷却系は、冷却装置1と冷媒循環系Cとを備えている。冷却装置1は、流入側ポート51及び流出側ポート52を介して冷媒循環系Cに接続されている。冷媒循環系Cは、圧送源としてのポンプ53と、熱交換器54と、それらをつなぐ3つの流路(吐出側流路55、戻り流路56及び吸込側流路57)とを備えている。冷媒循環系Cの起点としてのポンプ53の吐出側流路55は、冷却装置1の冷媒流入口としての流入側ポート51に接続され、冷却装置1の冷媒流出口としての流出側ポート52は、戻り流路56を経て熱交換器54の入口側に接続され、熱交換器54の出口側がポンプ53の吸込側流路57に接続されている。この発熱体冷却系において、冷媒はポンプ53から送り出された後、冷却装置1においてヒートシンク41の冷却面42(図4及び図5を参照)を介して、スイッチング素子モジュール2からの熱を吸熱してスイッチング素子モジュール2を冷却する。吸熱して自らは高温となった冷媒は、戻り流路56を経由して熱交換器54に送り込まれた後、熱交換器54において空気中へ放熱されて冷却され、再度ポンプ53に戻されて一巡のサイクルを繰り返すことになる。このように、冷却装置1は、インバータのスイッチング素子モジュール2が発生した熱を冷媒に対して放熱させて、当該スイッチング素子モジュール2を熱的に保護する役割を果たしてしている。
2.冷却装置の構成
次に、冷却装置1の構成について説明する。図2に示すように、冷却装置1は、ベース部材11と、第一中間部材21と、第二中間部材31と、ヒートシンク41と、を備えている。これらは、この順に積層されて冷却装置1を構成している。なお、以下では、ベース部材11からヒートシンク41に向かう方向を積層方向とし、さらに説明を容易とするため、当該積層方向のうち、ベース部材11の側(図2における下側)を下側、ヒートシンク41の側(図2における上側)を上側として説明する。また、後述する冷却室R3において冷媒が流通する方向を冷媒流通方向とし、当該冷媒流通方向のうち、冷却室R3から冷媒が流出する側を一方側、冷却室R3に冷媒が流入する側を他方側として説明する。また、冷却面42に平行な平面に含まれ、かつ、上記冷媒流通方向に対して直交する方向を幅方向とし、当該幅方向のうち、後述する流入室R1が配置される側を一方側、流出室R5が配置される側を他方側として説明する。
ベース部材11は、第一中間部材21、第二中間部材31及びヒートシンク41を積層するためのベースとなる部材であり、銅やアルミニウム等の金属材料、ポリアミドやポリカーボネート等の樹脂材料等で形成されている。ベース部材11は、矩形形状の凹部12を有している。凹部12の底部には、仕切壁13が形成されている。仕切壁13は、ベース部材11の凹部12を二つの領域に区分するように、積層方向から見てL字型となるように形成されている。すなわち、仕切壁13は、ベース部材11の凹部12を、冷媒流通方向の他方側であってかつ幅方向の一方側の領域(以下では、「流入側領域」とする)と、それ以外の領域(以下では、「流出側領域」とする)とを区分するように形成されている。また、仕切壁13は、互いに高さが異なる二つの部位、すなわち高段部13aと低段部13bとを有している。高段部13aの高さは、外周部16の高さに等しくなっている。また、低段部13bの高さは、高段部13aと低段部13bとの間の高さの差が第一中間部材21の周壁23の高さに等しくなるように設定されている。
また、本実施形態においては、凹部12における幅方向両端に、及び、支持壁13のうち幅方向に延出する部位に沿って、支持部14がベース部材11と一体的に形成されている。幅方向両端の支持部14の冷媒流通方向の長さは、第一中間部材21の冷媒流通方向の長さと略等しくなっている。支持壁13に沿った支持部14の幅方向の長さは、支持壁13のうち幅方向に延出する部位の幅方向の長さと略等しくなっている。また、支持部14の高さは、仕切壁13の低段部13bと高さが等しくなるように形成されており、支持部14及び仕切壁13の低段部13bの上に第一中間部材21が載置される。したがって、幅方向両端側の二つの支持部14と、支持壁13に沿った支持部14と、仕切壁13の低段部13bとで、第一中間部材21を安定して支持することが可能となっている。なお、本実施形態においては、この支持部14の上面が、「支持面15」となっている。
本実施形態においては、ベース部材11の外周部16における冷媒流通方向の他方側に、流入側ポート51と流出側ポート52とが配置されている。本実施形態においては、流入側ポート51及び流出側ポート52は管状部材で構成されている。また、本実施形態においては、これらは共に冷媒流通方向の他方側に向かって突出するように固定されている。すなわち、この構成では、流入側ポート51と流出側ポート52とが比較的近い位置に集約されて配置されているので、冷却装置1の配置スペースの小型化を図ることが可能となっている。また、冷媒循環系Cとの接続を同じ方向から行なうことができるので、接続のための構成を簡略化することができ、冷媒循環系Cをも含めた発熱体冷却系全体の小型化を図ることが可能となっている。
第一中間部材21は、ベース部材11と第二中間部材31との間に挟持される、浅いバスタブ状の部材であり、銅やアルミニウム等の金属材料、ポリアミドやポリカーボネート等の樹脂材料等で形成されている。第一中間部材21は、矩形形状の凹部22を有しており、凹部22の周囲には周壁23が形成されている。また、凹部22の底部には、冷媒流通方向の一方側であってかつ幅方向の一方側の所定の領域に、連通口24が設けられている。ベース部材11の二つの支持部14と低段部13bに第一中間部材21が載置されたとき、連通口24は、凹部12の流入側領域と凹部22とを積層方向に連通する開口となる。また、ベース部材11の支持部14と低段部13bの上に第一中間部材21が載置されたとき、周壁23の上面23uとベース部材11の外周部16の上面16uとは、高さが等しくなる。
第二中間部材31は、ベース部材11の外周部16に載置されて第一中間部材21を挟持する部材であり、銅やアルミニウム等の金属材料、ポリアミドやポリカーボネート等の樹脂材料等で形成されている。第二中間部材31は、矩形形状の凹部32を有している。凹部32における冷媒流通方向両端には、凹部32の幅方向全域に亘る二つのスリット状連通口としてのスリット状流入口33、スリット状流出口34が設けられている。ベース部材11との間に第一中間部材21を挟持した状態でベース部材11に第二中間部材31が載置されたとき、スリット状流入口33は、凹部32における冷媒流通方向の他方側の端部において、凹部22と凹部32とを積層方向に連通する連通口となる。また、スリット状流出口34は、凹部32における冷媒流通方向の一方側の端部において、凹部32と凹部11の流出側領域とを積層方向に連通する連通口となる。
ヒートシンク41の上面41uには、複数のスイッチング素子モジュール2が並列配置されて一体的に固定されている(図4及び図5を参照)。また、ヒートシンク41の下面は、第二中間部材31の凹部32に面する冷却面42となっている。ヒートシンク41は、凹部32を覆うように第二中間部材31に固定される。したがって、本実施形態においては、このヒートシンク41が、本発明における「カバー部材」に相当する。後述するように、第二中間部材31とヒートシンク41との間に冷却室R3が形成される。スイッチング素子モジュール2は、ヒートシンク41の冷却面42を介して、冷却室R3内で冷却面42に沿って流通する冷媒との間で熱交換されて冷却される。このような熱交換を効率的に行なうため、ヒートシンク41は、銅やアルミニウム等の高熱伝導性材料で形成されていると好適である。
ヒートシンク41の冷却面42には、冷媒流通方向に沿ってフィン43が設けられている。このようなフィン43は、ヒートシンク41の冷却面42を切削して削り起こす等により冷却面42と一体的に形成され、冷却面42から第二中間部材31の凹部32の底面側に向けて複数立設されて並列配置されている。また、本実施形態においては、図4及び図5に示すように、フィン43の先端部が凹部32の底面に当接するように構成されている。このようにすることで、冷却室R3内において冷媒が部分的に淀んだり幅方向に拡散したりすることが抑制され、冷媒の流通状態を安定化して冷却能力を高く維持することができる。また、フィン43により、冷却面42の放熱面積を大きくすることができるので、冷却能力をより一層良好なものとすることができる。
冷却装置1は、上記で説明したベース部材11、第一中間部材21、第二中間部材31、及びヒートシンク41をこの順に積層して形成される。このとき、凹部12、22、及び32をそれぞれ有するベース部材11、第一中間部材21、及び第二中間部材31は、その開口する向きを揃えて積層される。より具体的には、これらは、その開口する向きを上側(ヒートシンク41側)に向けて積層される。その際、仕切壁13の低段部13bの上面13u及び支持部14の支持面15に第一中間部材21の下面21dが当接するとともに、外周部16の上面16u及び周壁23の上面23uに第二中間部材31の下面31dが当接した状態で、ベース部材11と第二中間部材31との間に第一中間部材21が固定される。また、冷却面42に設けられた複数のフィン43が凹部32に収容されるように、第二中間部材31の上面31uに冷却面42の外周部が当接した状態で、第二中間部材31にヒートシンク41が載置される。図示はされていないが、ベース部材11にはボルト穴が、第二中間部材31及びヒートシンク41にはボルト挿通孔が設けられ、これらは、同じく図示はされていないボルトにより一体的に固定される。なお、ベース部材11と第二中間部材31との間、及び第二中間部材31とヒートシンク41との間には、シール部材が適宜設けられ、冷却装置1の内外間が液密状態に保たれている。
このようにして組み立てられた冷却装置1は、図4及び図5に示すように、三層構造の冷媒流通経路を備えたものとなる。すなわち、ベース部材11と第一中間部材21との間に第一層L1が形成され、第一中間部材21と第二中間部材31との間に第二層L2が形成され、第二中間部材31とヒートシンク41の冷却面42との間に第三層L3が形成され、冷却装置1は、第一層L1、第二層L2及び第三層L3を積層方向に積層した三層構造の冷媒流通経路を備えたものとなる。ここで、第一層L1には、後述する流入室R1と流出室R5とが隣り合って配置されている。第二層L2には、後述する第一中間冷媒室R2が配置されている。第三層L3には、冷却室R3が配置されている。なお、後述する第二中間冷媒室R4は、第三層L3と第一層L1とを直接的に連通しており、第二中間冷媒室R4が配置された冷媒流通方向の一方側(図4における右側)だけは2層構造となっている。本発明においては、このように冷媒流通経路が部分的に三層構造以外の構造を含んでいても良いものとする。
3.冷却装置内での冷媒の流通状態
次に、冷却装置1の内部における冷媒の流通状態について説明する。本実施形態においては、冷媒流通経路は、流入室R1、第一中間冷媒室R2、冷却室R3、第二中間冷媒室R4、及び流出室R5を備えて構成されている。流入側ポート51から冷却装置1内に流入した冷媒は、流入室R1及び第一中間冷媒室R2を経由して冷却室R3に流入し、冷却室R3において上述したようにスイッチング素子モジュール2を冷却する。スイッチング素子モジュール2を冷却することにより加温された冷媒は、冷却室R3から流出した後、第二中間冷媒室R4及び流出室R5を経由して流出側ポート52から冷却装置1外へ流出する。以下では、各室R1〜R5における冷媒の流通状態について、詳細に説明する。
まず、冷媒循環系Cに接続された流入側ポート51から冷却装置1内に流入した冷媒は、流入室R1内に流入する。流入室R1は、ベース部材11の凹部12の流入側領域のうち、第一中間部材21の下面21dよりも下側の部分を占める空間により形成される冷媒室である。流入室R1に流入した冷媒は、冷媒流通方向で他方側から一方側へ向かって流通する。その際、流入室R1の幅方向長さに比べてはるかに小径の流入側ポート51から流入した冷媒は、冷媒流通方向で他方側から一方側へ向かって流通しながら、その流れを流入室R1の幅方向全体にまで拡大する。冷媒流通方向一方側の端部にまで到達した冷媒は、連通口24を介して積層方向で上向きに移動し、流入室R1から第一中間冷媒室R2へ流入する。
第一中間冷媒室R2は、第一中間部材21の凹部22により形成される冷媒室である。第一中間冷媒室R2に流入した冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通する。その際、第一中間冷媒室R2に比べて短い幅方向長さを有する連通口24から流入した冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通しながら、その流れを第一中間冷媒室R2の幅方向全体(冷却室R3の幅方向全体に等しい)にまで拡大する。冷媒流通方向他方側の端部にまで到達した冷媒は、スリット状流入口33を介して積層方向で上向きに移動し、第一中間冷媒室R2から冷却室R3へ流入する。ここで、スリット状流入口33は、上記のとおり第二中間部材31の凹部32の幅方向全域に亘って設けられているので、冷媒は幅方向全体から冷却室R3に流入することになる。このとき、スリット状流入口33は冷媒の流れを規制する絞り部として機能するので、第二中間冷媒室R2内で冷媒がやや滞留し、冷媒は幅方向により均一化した状態で冷却室R3に流入することになる。
冷却室R3は、第二中間部材31の凹部32により形成される冷媒室である。冷却室R3に流入した冷媒は、冷却面42に並列配置された複数のフィン43に沿って、冷媒流通方向で他方側から一方側へ向かって流通する。このとき冷媒は、冷却面42を介して、ヒートシンク41を伝動してきた熱を吸収してスイッチング素子モジュール2を冷却する。冷媒流通方向一方側の端部にまで到達した冷媒は、スリット状流出口34を介して積層方向で下向きに移動し、冷却室R3から第二中間冷媒室R4へ流出する。ここで、スリット状流出口34は、上記のとおり第二中間部材31の凹部32の幅方向全域に亘って設けられているので、冷媒は幅方向全体から第二中間冷媒室R4へ流出することになる。このとき、スリット状流出口34は冷媒の流れを規制する絞り部として機能するので、第二中間冷媒室R4と流出室R5との位置関係によらず、冷媒は幅方向により均一化した状態で冷却室R3から流出することになる。
第二中間冷媒室R4は、ベース部材11の凹部12の流出側領域のうち、仕切壁13よりも冷媒流通方向で一方側の部分を占める空間により形成される冷媒室である。第二中間冷媒室R4は、積層方向に第三層L3と第一層L1とを連通しており、第三層に配置された冷却室R3から流入した冷媒を、第一層に配置された流出室R5へと導く。このとき冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通しながら、その流れを流出室R5の幅方向にまで縮小する。なお、幅方向で流入室R1と重複する位置において冷却室R3から流入した冷媒は、幅方向一方側から他方側へと流通する。第二中間冷媒室R4は、ベース部材11の凹部12の流出側領域において、流出室R5と特別な仕切等を設けることなく連通している。したがって、第二中間冷媒室R4を流通した冷媒は、そのまま流出室R5へ流出する。
流出室R5は、ベース部材11の凹部12の流出側領域のうち、第一中間部材21の下面21dよりも下側の部分を占める空間により形成される冷媒室である。流出室R5に流入した冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通する。この状態では、流出室R5における冷媒の流通する向きと、流入室R1における冷媒の流通する向きとは、互いに対向する向きとなっている。そして冷媒は、流通方向他方側の端部に到達すると、冷媒循環系Cに接続された流出側ポート52から流出室R5外へ流出する。
以上説明したように、本実施形態に係る冷却装置1は、三層構造の冷媒流通経路を備えている。そして、この冷却装置1では、第一中間冷媒室R2において、流入室R1から流入する冷媒の流れを冷却室R3の幅方向全域に亘って拡大させてから冷媒を冷却室R3へと導くので、幅方向に均一化した状態で冷媒を冷却室R3内へ流入させることができる。また、本実施形態においては、流入室R1と第一中間冷媒室R2とが、冷媒流通方向で一方端側の端部で連通するとともに、第一中間冷媒室R2と冷却室R3とが、冷媒流通方向で他方端側の端部で連通している。よって、冷媒流通経路を積層方向に蛇行させてその経路長を長く確保することができるので、平面視での配置領域を広げることなく冷却室R3に流入する際における冷媒の流れを幅方向に均一化することができる構成となっている。さらに、本実施形態においては、第一中間冷媒室R2と冷却室R3とがスリット状流入口33で連通されるとともに、冷却室R3と第二中間冷媒室R4とがスリット状流出口34で連通されている。そのため、当該スリット状流入口33及びスリット状流出口34が冷媒の流れを規制する絞り部として機能することとなり、冷却室R3に流入し、冷却室R3から流出する冷媒の流れを、幅方向によりいっそう均一化することができる。したがって、本実施形態に係る冷却装置1は、冷却室R3内において冷媒を均一に流通させることができるので、非常に良好な冷却能力を発揮することができる。
4.各冷媒室の配置構成
次に、冷却装置1における各冷媒室の配置構成について説明する。図3は、本実施形態に係る冷却装置1を積層方向から見た平面図である。図4は、図3のIV−IV断面図であり、図5は、図3のV−V断面図である。
まず、積層方向から見たときの各冷媒室の配置については、冷却室R3が占める領域内に、第一中間冷媒室R2及び第二中間冷媒室R4が配置される。本実施形態においては、図3に示すように、第一中間冷媒室R2及び第二中間冷媒室R4が占める領域と、冷却室R3が占める領域とが略一致するように、これらの各冷媒室が配置されている。すなわち、積層方向から見た場合における第一中間冷媒室R2と第二中間冷媒室R4とを足し合わせた領域の外縁が、積層方向から見た場合における冷却室R3の外縁と略一致するように配置されている。これにより、積層方向から見た場合における冷却室R3が占める領域が最大限有効利用され、冷却装置1の全体を大型化することなく、冷却室R3に流入する冷媒を幅方向に均一化することが可能となっている。また、第一中間冷媒室R2及び第二中間冷媒室R4の容積を大きく確保して、冷媒の流量を確保することが可能となっている。
また、第一中間冷媒室R2が占める領域内に、流入室R1及び流出室R5が配置される。本実施形態においては、流入室R1及び流出室R5が占める領域と、第一中間冷媒室R2が占める領域とが略一致するように、これらの各冷媒室が配置されている。すなわち、積層方向から見た場合における流入室R1と流出室R5とを足し合わせた領域の外縁が、積層方向から見た場合における第一中間冷媒室R2の外縁と略一致するように配置されている。これにより、積層方向から見た場合における第一中間冷媒室R2が占める領域が最大限有効利用され、流入室R1及び流出室R5の容積を大きく確保して、冷媒の流量を確保することが可能となっている。
ところで、図3〜図5を参照すると良く理解できるように、冷却装置1内の冷媒流通経路は、冷却室R3へ流入する前と冷却室R3から流出した後とで、非対称な構造となっている。それに伴い、幅方向のそれぞれの側を流通する冷媒の挙動も、非対称なものとなっている。すなわち、冷却室R3へ流入する前には、第一中間冷媒質R2を流通する冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通しながら、その流れを第一中間冷媒室R2の幅方向全体にまで拡大する。このとき、幅方向一方側(少なくとも連通口24が設けられた範囲)を流通する冷媒は、スリット状連通口33に到達するまでに流通する経路長が短くてすむため、冷却室R3へと比較的流入しやすい。一方、幅方向他方側(少なくとも連通口24が設けられていない範囲)を流通する冷媒は、スリット状連通口33に到達するまでに流通する経路長が長くなってしまうため、冷却室R3へと比較的流入しにくい。
一方、冷却室R3から流出した後は、第二中間冷媒質R4を流通する冷媒は、冷媒流通方向で一方側から他方側へ向かって流通しながら、その流れを流出室R5の幅方向にまで縮小する。このとき、幅方向一方側(少なくとも流入室R1と重複する範囲)を流通する冷媒は、流出室R5に到達するまでに流通する経路長が長いため、流出室R5へと比較的流出しにくい。一方、幅方向他方側(少なくとも流入室R1と重複しない範囲)を流通する冷媒は、流出室R5に到達するまでに流通する経路長が短くてすむため、流出室R5へと比較的流出しやすい。
以上より、幅方向一方側では、冷媒は冷却室R3へと比較的流入しやすい一方で流出室R5へと比較的流出しにくく、幅方向他方側では、冷媒は冷却室R3へと比較的流入しにくい一方で流出室R5へと比較的流出しやすい構成となっている。したがって、この構成によれば、冷却室R3を流通する前後や幅方向において、冷却装置1内を流通する冷媒がその流通状態に関して非対称性を有していながらも、冷却装置1内の冷媒流通経路の全体を考慮した場合には、幅方向にバランスの取れた冷媒流通状態を維持することができる。よって、この点からも、本実施形態に係る冷却装置1は、良好な冷却能力を発揮することが可能となっている。
次に、冷媒流通方向から見たときの各冷媒室の配置については、第二中間冷媒室R4が占める領域内に、流入室R1、流出室R5、及び第一中間冷媒室R2が配置される。本実施形態においては、図4及び図5を参照して理解できるように、流入室R1、流出室R5及び第一中間冷媒室R2が占める領域と、第二中間冷媒室R4が占める領域とが、略一致している。すなわち、冷媒流通方向から見た場合における流入室R1と流出室R5と第一中間冷媒室R2とを足し合わせた領域の外縁が、冷媒流通方向から見た場合における第二中間冷媒室R4の外縁と略一致するように配置されている。これにより、流入室R1、流出室R5、及び第一中間冷媒室R2が配置された領域の積層方向の厚みを利用することで、積層方向から見て平面的には小さいスペースに、冷却室R3から流出する冷媒を流出室R5へと導く第二中間冷媒室R4を適切に配置することが可能となっている。
なお、本実施形態においては、幅方向から見た場合における第二中間冷媒室R4の断面積と、冷媒流通方向から見た場合における流出室R5の断面積とが、略同一となっている。すなわち、第二中間冷媒室R4においては、冷媒が流通する方向に直交する方向(冷媒流通方向)の長さが短い分、積層方向の高さを高くして、その断面積を稼ぐ構成となっている。一方、流出室R5においては、積層方向の高さが低い分、冷媒が流通する方向に直交する方向(幅方向)の長さをある程度長くして、その断面積を稼ぐ構成となっている。そして、これらの断面積が略等しくなるように構成することにより、第二中間冷媒室R4及び流出室R5を流通する冷媒の流通抵抗を略一定として、冷却装置1内を流通する冷媒の流通状態を良好に維持することが可能となっている。
以上説明したような各冷媒室の配置構成を採用することにより、本実施形態に係る冷却装置1は、スイッチング素子モジュール2の冷却能力を高く維持するべく冷却室R3に面する冷却面42の面積をできるだけ広く確保した上で、各冷媒室をコンパクトに配置して装置全体を小型化することが可能となっている。なお、上述したとおり、本実施形態に係る冷却装置1は、本発明に特有の三層構造の冷媒流通経路を備えたことにより、非常に良好な冷却能力を発揮することも可能となっている。したがって、本発明を適用することにより、コンパクト性と優れた冷却能力との両者を兼ね備えた、非常に有用性の高いインバータ用冷却装置1を提供することができるようになった。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘って第一中間冷媒室R2と冷却室R3とを連通するスリット状流入口33を備える場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば複数のスリット状連通口を所定の間隔で幅方向に連続して配置して設ける構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。或いは、当該連通口は必ずしもスリット状である必要はなく、例えば幅方向全域に亘って冷媒流通方向に所定の幅を有する連通口を設ける構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。さらに、例えば複数の丸穴等の形状を有する連通口を所定の間隔で幅方向に連続して配置して設ける構成とすること等も、本発明の好適な実施形態の一つである。なお、冷却室R3と第二中間冷媒室R4とを連通するスリット状流出口34についても同様である。
(2)上記の実施形態においては、連通口24が、流入室R1における一方側の端部と第一中間冷媒室R2における一方側の端部とを積層方向に連通する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、流入室R1と第一中間冷媒室R2とを経由した後に冷却室R3へと導かれる冷媒が、幅方向に十分に均一化されるだけの経路長を確保することができれば、連通口24が、第一中間冷媒室R2における一方側の端部以外の部位(例えば、冷媒流通方向における中央部付近等)で流入室R1と積層方向に連通する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(3)上記の実施形態においては、第二中間冷媒室R4において、冷媒が、冷媒流通方向の一方側から他方側へ向かって流通しながら、その流れを流出室R5の幅方向にまで縮小する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば第二中間冷媒室R4と流出室R5との幅方向長さを等しくして、第二中間冷媒室R4を流通する冷媒が一定の幅の流れを維持したまま流通して流出室R5へ流出する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(4)上記の実施形態においては、流入側ポート51と流出側ポート52とが、冷媒流通方向の他方側に共に配置されるとともに、これらが共に冷媒流通方向の他方側に向かって突出するように固定されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば流入側ポート51と流出側ポート52とが、冷媒流通方向の他方側に共に配置されるとともに、これらがそれぞれ幅方向の両側に向かって突出するように固定したり、或いは、一方のポートを冷媒流通方向の他方側に、他方のポートを幅方向のいずれかの側に向かって突出するように固定したりすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、装置全体の小型化が多少犠牲になる場合もあるが、流入側ポート51及び流出側ポート52の配置の自由度が高まるという利点がある。なお、このように流入側ポート51及び流出側ポート52の配置を適宜変更した場合であっても、優れた冷却能力を発揮することができることは言うまでもない。
(5)上記の実施形態においては、ベース部材11、第一中間部材21、第二中間部材31、及びヒートシンク41についてそれぞれ具体的な形状を説明した上で、これらを順次積層して冷却装置1を形成する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、これら以外の部材を追加し、又はこれらのうちいずれか一つ以上の部材を省略して冷却装置1を形成する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、冷却装置1を構成する各部材の具体的な形状についてはあくまで一例であり、適宜変更を加えることも当然に可能である。
(6)上記の実施形態においては、本発明に係る発熱体冷却装置を、インバータを構成するスイッチング素子モジュール2を冷却するためのインバータ用冷却装置1に適用する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本発明が適用される対象はスイッチング素子モジュール2に限定されず、これ以外にも、その他の半導体素子や回路部品等、冷却を必要とするあらゆる発熱体を冷却するための冷却装置に適用することができる。
本発明は、例えば、半導体素子等の発熱体を冷却するための発熱体冷却装置に好適に利用することができる。
本発明に係る発熱体冷却装置を含む発熱体冷却系の概略構成を示す図 本発明に係る発熱体冷却装置の分解斜視図 積層方向から見た平面図 図3のIV−IV断面図 図3のV−V断面図
符号の説明
1 インバータ用冷却装置(発熱体冷却装置)
2 スイッチング素子モジュール(発熱体)
11 ベース部材
12 凹部
13 仕切壁
13u 上面
15 支持面
21 第一中間部材
21d 下面
23 周壁
23u 上面
24 連通口
31 第二中間部材
31d 下面
32 凹部
33 スリット状流入口(スリット状連通口)
34 スリット状流出口(スリット状連通口)
41 ヒートシンク(カバー部材)
42 冷却面
43 フィン
51 流入側ポート(冷媒流入口)
52 吐出側ポート(冷媒流出口)
R1 流入室
R2 第一中間冷媒室
R3 冷却室
R4 第二中間冷媒室
R5 流出室
L1 第一層
L2 第二層
L3 第三層
C 冷媒循環系

Claims (10)

  1. 発熱体と熱伝動可能に設けられた冷却面に沿って冷媒が流通する冷却室と、前記冷却室へ流入する前記冷媒が流通する流入室と、前記冷却室から流出する前記冷媒が流通する流出室と、を備えた発熱体冷却装置であって、
    前記冷媒が流通する向きが互いに対向するように、前記流入室と前記流出室とが隣り合って配置された第一層と、
    前記流入室から流入する前記冷媒を、前記冷却室における冷媒流通方向に対して、一方側から他方側へ流れを幅方向に拡大して前記冷却室へと導く中間冷媒室が配置された第二層と、
    前記他方側から前記一方側へ前記冷媒が流通する前記冷却室が配置された第三層と、
    を所定の積層方向に積層した三層構造の冷媒流通経路を備えた発熱体冷却装置。
  2. 前記冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘って前記中間冷媒室の前記他方側の端部と前記冷却室の前記他方側の端部とを前記積層方向に連通するスリット状連通口を備えた請求項1に記載の発熱体冷却装置。
  3. 前記流入室の前記一方側の端部と前記中間冷媒室の前記一方側の端部とを前記積層方向に連通する連通口を備えた請求項1又は2に記載の発熱体冷却装置。
  4. 前記中間冷媒室を第一中間冷媒室とするとともに、
    前記冷却室から流出する前記冷媒を、前記積層方向に前記第三層から前記第一層へと導くとともに、前記冷却室における冷媒流通方向に対して流れを幅方向に縮小して前記流出室へと導く第二中間冷媒室を備えた請求項1から3のいずれか一項に記載の発熱体冷却装置。
  5. 前記冷却室における冷媒流通方向に対して幅方向全域に亘って前記冷却室の前記一方側の端部と前記第二中間冷媒室の前記一方側の端部とを前記積層方向に連通するスリット状連通口を備えた請求項4に記載の発熱体冷却装置。
  6. 前記冷却面に、前記冷却室における冷媒流通方向に沿ってフィンが設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載の発熱体冷却装置。
  7. 前記冷媒を循環させる冷媒循環系と前記流入室とを接続する冷媒流入口と、前記冷媒循環系と前記流出室とを接続する冷媒流出口とが、共に前記冷却室における冷媒流通方向の他方側に配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の発熱体冷却装置。
  8. 前記中間冷媒室を第一中間冷媒室とするとともに、
    前記冷却室から流出する前記冷媒を、前記積層方向に前記第三層から前記第一層へと導くとともに、前記冷却室における冷媒流通方向に対して流れを幅方向に縮小して前記流出室へと導く第二中間冷媒室を備え、
    前記積層方向から見たときに、前記第一中間冷媒室及び前記第二中間冷媒室が占める領域と、前記冷却室が占める領域とが、略一致している請求項1に記載の発熱体冷却装置。
  9. 前記冷却室における冷媒流通方向から見たときに、前記流入室、前記流出室及び前記第一中間冷媒室が占める領域と、前記第二中間冷媒室が占める領域とが、略一致している請求項8に記載の発熱体冷却装置。
  10. 矩形形状の凹部を有するとともに、当該凹部の底部に形成された仕切壁、及び前記仕切壁の上面と等しい高さの支持面を有するベース部材と、
    周壁に囲まれた矩形形状の凹部を有する第一中間部材と、
    矩形形状の凹部を有する第二中間部材と、
    前記第二中間部材の凹部を覆うように設けられたカバー部材と、を備え、
    前記ベース部材、前記第一中間部材、及び前記第二中間部材のそれぞれの凹部は、開口する向きを揃えて積層され、
    前記仕切壁の上面及び前記支持面に前記第一中間部材の下面が当接するとともに、前記周壁の上面に前記第二中間部材の下面が当接した状態で、前記ベース部材と前記第二中間部材との間に前記第一中間部材が固定され、
    前記ベース部材と前記第一中間部材との間に前記第一層が形成され、前記第一中間部材と前記第二中間部材との間に前記第二層が形成され、前記第二中間部材と前記カバー部材との間に前記第三層が形成された請求項1から9のいずれか一項に記載の発熱体冷却装置。
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