JP2010108988A - 接合構造体およびその製造方法 - Google Patents

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利哉 久保
Kazuo Murata
一男 村田
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和宏 鳥海
Takashi Maruyama
貴史 丸山
Tomoyuki Nakazawa
智之 中澤
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Abstract

【課題】基板同士を直接接合しようとしたとき、その製造工程において基板を取り扱うと、その接合面に汚れや傷を発生させてしまうことがあった。
【解決手段】複数の基板同士を直接接合にて接合した接合構造体において、基板はその主平面に直接接合するための接合面を有しており、基板の周縁部の接合面に段部が形成されている。基板の周縁部に段部を設けることにより、作業ツールや取扱手段で取り扱う領域と接合面とが分かつことができる。これにより、汚れや傷の影響が接合面に及ばず、直接接合に必要な接合面の品質を維持しながら、基板を一般的な作業ツールや取扱手段で取り扱うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェハや薄板のような平板形状の基板の接合面を活性化して直接接合する接合構造体、およびその製造方法に関するものである。
同一の性質又は異なる性質を有する材料からなる基板を接合して、1つの基板として用いる技術は、広く知られるところである。これら基板同士を接合する技術は、材質によって多くの提案を見るものである。
半導体やガラスなどからなる基板の接合方法としては、陽極接合や表面活性化接合等の様々な直接接合方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図15は、特許文献1に示した従来技術を説明する図であって、水晶基板とガラス基板とを直接接合した複合基板材料を示す図である。
特許文献1では、図15に示すような直接接合法による水晶基板51とガラス基板52との接合や、シリコン基板と砒素ガリウム基板との接合が例示されている。これら基板の鏡面に研磨された接合面を、半導体分野で用いられている精密洗浄技術を用いて、粒子や有機物が存在しないように清浄化し、クリーンルーム内の清浄な雰囲気中で、接合面の間に塵や埃が入らないように接触させて密着させることで一体化している。
このときの接合は、接合界面に存在するOH基同士の水素結合によるものであり、さらに熱処理を加えることで、接合界面に脱水反応を生じさせ、水素結合を、酸素を介した共有結合に置き換え、化学的、物理的に安定した強固な直接接合としている。
さらに、熱処理や加重による押し付けを必要としない技術も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2では、大きな接合強度を持つ直接接合方法として常温接合方法が開示されている。この常温接合方法では、まずウェハの接合面を洗浄する。洗浄、乾燥したウェハを真空炉内に設置し、減圧下でウェハの接合面を室温で不活性ガスイオンまたは不活性ガス高速原子ビームを照射してスパッタエッチングをする。照射後にウェハの接合面を重ね合わせ、接合が完了する。
特開平7−86106号公報(第2頁、第1図) 特許第2791429号公報(第2−3頁、第1図)
特許文献1および特許文献2に示した従来技術は、接合に際して接着剤等を用いないことから、さまざまな後工程に耐えることができることに加え、その基板は、高い平坦度と強い接合強度とが得られるという利点がある。
しかしながら、発明者が検討したところによると、特許文献1および特許文献2に示した従来技術を用いて基板を接合しようとしたとき、その製造工程の基板を取り扱う工程中に、接合面に汚れや傷を発生させ、これにより接合強度を低下させてしまうことがあることがわかった。
接合する基板を取り扱う工程においては、作業者は、ピンセットなどの作業ツールを用いてハンドリングしている。また、基板を搬送する搬送装置や加工装置は、基板を掴むアームやステージに固定する吸着チャックなどの取扱手段を備えている。
すなわち、この作業ツールや取扱手段が基板と接触する部分に、意図せずに汚れや傷を
発生させてしまうのである。
このような作業ツールや取扱手段を用いて基板を取り扱う工程にあっては、その作業を作業者が行っても機械が行っても、その接触部位またはその周辺に付着する汚れや傷の発生は避けられない。
接合する基板の接合面は、ゴミなどの異物がない清浄で、且つ鏡面仕上げされた平坦面であることが求められるため、このような汚れや傷の付着は、基板の平坦度を低下させ、接合強度も低下させる要因となり、大きな問題となっている。
このような問題を解決するには、作業ツールや取扱手段自体を改良することで多少の改善をみることができる。例えば、静電気による吸着力を利用した静電チャックなどを用いてハンドリングしたり、そのような機能を有する取扱手段を用いる場合である。
しかしながら、そのような作業ツールや取扱手段は高価な装置構成となっており、製造コストが上昇してしまうという弊害があるばかりか、そのような作業ツールや取扱手段を用いても、基板に対して物体が接触することには変わりがないため、汚れや傷の発生を完全に無くすことはできないのである。
そこで、基板を取り扱う工程においても、作業ツールや取扱手段の種類や構成を限定することなく取り扱える技術が強く求められている。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、基板を一般的な作業ツールや取扱手段で取り扱っても、汚れや傷の影響を受けずに直接接合に必要な接合面の品質を維持した接合体構造およびその製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明の接合構造体は、以下に示す構造を採用するものである。
複数の基板同士を、それぞれの主平面を直接接合にて接合した接合構造体において、
それら複数の基板は、それぞれの主平面に直接接合するための接合面を有し、その接合面の周縁部に段部が形成されていることを特徴とする。
第1の基板に電子部品を収納する凹部を有し、第2の基板と直接接合することでその電子部品を気密封止する接合構造体であって、
第1の基板および第2の基板は、それぞれの主平面に他の基板と直接接合するための接合面を有し、第1の基板の接合面に凹部を備え、この凹部を含み個片に切り離されて1つの構造体となる製品領域を規定したとき、その製品領域を除いた接合面の周縁部に段部が形成されていることを特徴とする。
このような構成にすれば、基板の周縁部の段部を支持領域とすることで、基板を取り扱うときに、基板の接合面の品質を維持することが可能となる。
また、このような構成にすれば、基板同士を接合するとき、段部を位置決めの基準部分として用いることが可能となる。
さらに、基板の周縁部の段部を、凹部に収容した電子部品を接続する際の、認識ポイントとして利用することが可能となる。
段部は、複数形成されていてもよい。
このような構成にすれば、多様な基板支持方法に対応することが可能となる。
第1の基板は、段部が形成されている領域の基板の厚さと、凹部が形成されている領域の基板の厚さと、が等しくてもよい。
このような構成にすれば、基板の周縁部の段部を、基板に設けた凹部に電子部品を収容する際の、搭載基準面として利用することが可能となる。
第2の基板の接合面の周縁部に段部を有してもよい。
このような構成にすれば、接合された基板の側面に隙間が形成され、作業ツールや取扱手段が基板を支持しやすくなる。
第2の基板に設ける段部は、第1の基板に設ける段部と、主平面からみて同一形状になるように設け、第1の基板と第2の基板とを直接接合したとき、接合された基板の側面にそれぞれの基板に設ける段部による1つの窪みが形成されるようにしてもよい。
このような構成にすれば、接合された基板の側面の隙間がより大きくなり、作業ツールや取扱手段がさらに基板を支持しやすくなる。
上記目的を達成するため、本発明の接合構造体は、以下に示す製造方法を採用するものである。
複数の基板同士を、それぞれの主平面を直接接合にて接合した接合構造体の製造方法において、基板の主平面に他の基板と直接接合するための接合面を形成する接合面形成工程と、接合面の周縁部に段部を形成する段部形成工程と、段部を利用して基板を取り扱う工程と、前記主平面同士を接合する貼り合せ工程と、を有することを特徴とする。
第1の基板に電子部品を収容する凹部を有し、第2の基板と直接接合することでその電子部品を気密封止する接合構造体の製造方法であって、第1の基板および第2の基板の主平面に、接合面を形成する接合面形成工程と、第1の基板の接合面に凹部を形成する凹部形成工程と、この凹部を含み個片に切り離されて1つの構造体となる製品領域を規定し、その製品領域を除いた第1の基板の周縁部に段部を形成する段部形成工程と、段部を利用して基板を取り扱う工程と、凹部に電子部品を収容する電子部品収容工程と、第1の基板と第2の基板との主面同士を直接接合することで凹部に収容された電子部品を気密封止する基板接合工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法にすれば、基板の周縁部に段部を形成することで、基板の接合面と異なる領域を、支持領域とすることができる。
また、このような製造方法にすれば、基板同士を接合する際の基準部分として、基板の周縁部に段部を形成することができる。
貼り合せ工程または基板接合工程は、段部を主平面同士の貼り合せ位置決めの基準部分としてもよい。
このような製造方法にすれば、貼り合せの精度が向上する。
電子部品収容工程は、段部を部品搭載位置決めの基準部分として用いて凹部に電子部品を位置決め収容してもよい。
凹部形成工程による第1の基板の除去深さと、段部形成工程による第1の基板の除去深さと、が同じになるように加工してもよい。
このような製造方法にすれば、凹部に収容した電子部品を接続する際の認識ポイントとして、基板の周縁部に段部を形成することができる。
本発明の接合構造体は、基板の周縁部に段部を設け、この段部を作業ツールや取扱手段で取り扱うことにより、取り扱い領域と接合面とを分かつことができる。これにより、取り扱い時に発生する汚れや傷の影響が取り扱い領域にとどまり、接合面に及ばなくなり、直接接合に必要な接合面の品質を維持しながらも、基板を一般的な作業ツールや取扱手段で取り扱うことが可能となる。
本発明の接合構造体の特徴は、基板の周縁部に段部を設け、それにより生じた部分を支持領域とする点である。また、この段部を製造途中における基準部分などとすることもできるのである。
本発明の実施形態については、基板を平板形状のウェハとし、その材料としてシリコンを用いる例として説明する。また、本発明の接合構造体を、電子部品を気密封止するための接合構造体とするときは、2つのシリコンウェハを用いて電子部品を封止するものとし、そのときの電子部品は水晶振動片とする例で説明する。なお、このように水晶振動子片を封止したものを水晶振動子と呼ぶことにする。
次に、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
[接合構造体の説明1:図1]
まず、本発明の接合構造体の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図であって、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)の切断線A−A´における断面図である。
図1において、1は平板形状のシリコンウェハ、1a,1b,1c,1dはシリコンウェハ1の側面、3は対向する2側面1a,1cに形成した段部、5は接合面である。1eはシリコンウェハ1に設ける段部3により生じた支持領域である。10は支持領域1eの部分のシリコンウェハ1の厚さである。
図1に示すように、平板形状のシリコンウェハ1は、その主平面の一面に接合面5を有している。接合面5は、図1には図示しない他の部材(例えば、シリコンウェハ)と接合する接合面である。研磨等によって接合に必要な平坦度を有する平坦面とされており、洗浄技術を用いて、粒子や有機物が存在しないように清浄化されている。
シリコンウェハ1の接合面5側の周縁部には、段部3が形成されている。図1に示す例では、段部3は第1のシリコンウェハ1の側面1a,1cの一部にそれぞれ1つずつ設けられ、側面1b,1dには設けていない例を示している。
シリコンウェハ1は、段部3を有することにより、支持領域1eを形成することができるようになる。この支持領域1eは、シリコンウェハ1に対して作業ツールや取扱手段で掴んだり挟んだりする領域となる。
すなわち、支持領域1eが形成されることにより、接合面5と領域を分かつことができるようになるから、作業ツールや取扱手段による汚れや傷が支持領域1eに生じたとしても、接合面5にその影響は及ばなくなるのである。
つまり、他の部材との直接接合に必要な接合面5の品質を維持しながらも、シリコンウ
ェハ1を容易に取り扱うことができるのである。
この支持領域1eの部分のシリコンウェハ1の厚さは、厚さ10で表しており、支持領域1eではない部分のシリコンウェハ1に比べて薄くなっている。
この厚さ10は、シリコンウェハ1の厚さ、または作業ツールや取扱手段の形状などに応じて、適宜決めることができる。
もちろん、この厚さ10が薄すぎるとシリコンウェハ1を取り扱うときに支持領域1eの部分に欠けやひびが入ってしまうことがあるため、そのような不測の事態が生じない程度の厚さにしておくことが重要である。
[接合構造体の基板の取り扱いの説明:図2,図1(b)]
次に、本実施形態の接合構造体の基板を取り扱う様子を説明する。
図2は、本発明の接合構造体の基板を取り扱う様子を模式的に示した断面図であって、本発明の接合構造体は、図1(b)と同じく、図1(a)に示す本発明の接合構造体の切断線A−A´における断面方向から見た様子を示すものである。
図2において、40は搬送装置や加工装置に備えられている取扱手段、41は取扱手段40のアーム部、42はアーム部41の窪みである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
すでに説明しているように、取扱手段40は、シリコンウェハ1を掴むアームやステージに固定する吸着チャックなどを指すが、図2を用いる説明では、搬送用のアームを例にしている。
図2に示すように、取扱手段40のアーム部41がシリコンウェハ1の段部3に向かってシリコンウェハ1を挟み込むように把持している。詳しくは、アーム部41の窪み42にシリコンウェハ1の支持領域1eが挟まるようにしている。図2に示す例では、取扱手段40は図中左右に2つ設ける例を示している。
すでに説明したように、図1(b)に示す支持領域1eのシリコンウェハ1の厚さ10は、適宜決めることができる。図2に示すアーム部41の窪み42の内径形状を予め知り得ていれば、それに合わせて厚さ10を決定することもできる。
図2に示す例では、作業ツールや取扱手段がシリコンウェハ1を取り扱う様子を説明するものである。言うまでもないが、取扱手段40を作業者がハンドリングするピンセットと置き換えてもよい。その際は、ピンセットで支持領域1eのシリコンウェハ1を掴むようにするのである。ピンセットで支持領域1eを掴んでも、ピンセットの先端は段部3により接合面5に触れることはなく、接合面5の品質を維持しながらも、シリコンウェハ1を容易に取り扱うことができるという段部3を設けることによる効果は変わらないのである。
[接合構造体の説明:図3]
次に、本実施形態の接合構造体の構成を説明する。
図3は、2枚の基板を接合した接合構造体を説明する断面図であって、図1(a)に示す切断線A−A´における断面方向と同じ方向から見た様子を示すものである。図3(a)は他のシリコンウェハを接合した様子を示すものであり、図3(b)は他のシリコンウェハにも段部を付けた様子を示すものである。
図3において、2は他のシリコンウェハ、13はシリコンウェハ2の段部、33,34は、シリコンウェハ1,2を接合したときに、段部3,13により形成される隙間である。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
シリコンウェハ1とシリコンウェハ2との接合面を合わせ、シリコンウェハ2をシリコ
ンウェハ1に直接接合する。このようにすることで、接合構造体を形成することができる。
図3(a)は、シリコンウェハ2をフラットなシリコンウェハで構成した例である。このようなシリコンウェハ2をシリコンウェハ1と直接接合すると、隙間33が形成される。作業ツールや取扱手段は、シリコンウェハ1の支持領域1eを掴むようにすることができるが、この隙間33に差し込むようにすることもできる。
また、図3(b)に示す構成では、シリコンウェハ2がフラットな形状ではなく、段部13を備えるシリコンウェハで構成した例である。段部13は、シリコンウェハ2の周縁部に設けてある。図3に示す例では、この段部13は、図1(b)の方向、つまり、側面1dの方向から見たとき、シリコンウェハ1の段部3と平面的に重なる部分があるような位置に設けている。図3(b)の例では、この段部3と段部13とが平面的に重なる部分がある位置は、図1(a)の切断線A−A´の部分ということである。
このようなシリコンウェハ2をシリコンウェハ1と接合すると、隙間34が形成される。隙間34は、隙間33より大きい部分が生じるから、作業ツールや取扱手段は、この部分に容易に差し込むことができるようになる。
なお、図示はしないが、シリコンウェハ2に設ける段部13は、主平面からみて、シリコンウェハ1の段部3と同一形状になるように設けてもかまわない。つまり、段部13は段部3と平面的に全部重なるように設けてもよいのである。
このような構成にすることによって、段部3と段部13とが平面的に重なる部分がより大きくなるから、それにより生じる隙間34による窪みは、例えば、側面1aまたは側面1cから見たとき、平面的に矩形形状をなし、接合されたシリコンウェハをより容易に作業ツールや取扱手段が掴むことができるようになる。
[段部3の応用1:貼り合せ位置決めの基準]
また、段部3,13は、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2とを直接接合するときの貼り合せ位置決めの基準部分として用いることもできる。
図3(a)に示す例では、例えば、シリコンウェハ1,2の形状やサイズが予め知りえているとき、図1で示す、段部3が形成されたシリコンウェハ1の側面1a,1cの方向から光を照射し、その反射光を検出するなどの光学的な手法を用いて段部3を検出し、その位置とシリコンウェハ1,2の形状とからシリコンウェハ1,2の合わせずれなどを検出することができる。
また図3(b)に示す例では、例えば、シリコンウェハ1,2が近赤外線を透過する性質を利用して、主平面方向から波長1100nmの光を照射して透過して見えるシリコンウェハの様子を検出することで、段部3と段部13との合わせずれを検出することもできるのである。
もちろん、段部3や段部13を位置決めの基準部分として用いるときの検出手法は、上述に限定するものではなく、可視光を利用しての目視合わせなどの簡便な手法にも用いることができる。
いずれにしても、このようにすれば、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2との張り合わせの精度を向上することができる。
なお、段部3の形状は、図1(a)に示すような矩形形状に限定されるものではない。上述のような位置決めの基準部分を兼ねるようにするときは、特に図示はしないが、段部3の形状を、例えば光学装置などで読み取りやすくするような、所定の方向に突起部を有するような形状にしてもよいのである。
また、すでに説明した例では、段部3や段部13は、シリコンウェハ1,2の主平面に対して垂直方向に切り立った形状を有しているが、もちろんその形状に限定するものではない。段部3や段部13がいわゆるテーパー形状のような傾斜面を有するようにしてもよいのである。
[接合構造体の説明2:図4]
まず、本発明の接合構造体の第2の実施形態の基板構造を説明する。
本実施形態の接合構造体は、2つのシリコンウェハを接合することにより、水晶振動片を気密封止するものである。
図4は、接合構造体を構成するシリコンウェハの図であって、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)の切断線B−B´における断面図である。
図4において、4は接合面5に形成した凹部、7は後述の製品領域、11は凹部4の底部のシリコンウェハ1の厚さ、12は支持領域1eのシリコンウェハ1の厚さである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
図4に示すように、平板形状のシリコンウェハ1は、複数の製品領域7を備えている。この製品領域7は、本発明の接合構造体の中に水晶振動片を封止してパッケージとするときに個片として切り出される領域であって、図4(a)に示す例では8個ある。
製品領域7には、図示しない水晶振動片を収容するための凹部4が形成されている。図4(a)に示すように、製品領域7は平面的に凹部4を取り囲んでおり、図4(a)に示す例では、1つの製品領域7に1つの凹部4が設けられている。
図4(b)に示す例では、凹部4は断面が四角い形状を有しているが、もちろんそれは一例である。図示はしないが、凹部4の内部にさらに凹部を有するような形状であってもかまわないのである。
本発明における凹部とは、このように接合面5から凹んだ部分をいうのであって、その凹みの中にさらに凹みがある場合も凹部と定義している。
接合面5は、図1〜図3を用いてすでに説明した本発明の接合構造体の第1の実施形態と同様に、図4には図示しない他の部材(例えば、シリコンウェハ)と接合する接合面であって、研磨等によって接合に必要な平坦度を有する平坦面とされ、洗浄技術を用いて、粒子や有機物が存在しないように清浄化されている。
上述のように、本発明の接合構造体の中に水晶振動片を封止するとき、接合面5に他の部材を接合することで、凹部4は個室となり水晶振動片を封止することができる。
シリコンウェハ1の製品領域7を除く接合面5側の周縁部には、段部3が形成されている。図4に示す例では、段部3はシリコンウェハ1の側面1a,1cの一部にそれぞれ1つずつ設けられ、側面1b,1dには設けていない例を示している。
[段部3の応用2:部品搭載位置決めの基準]
段部3は、凹部4に水晶振動片を搭載する工程では、段部3を部品搭載位置決めの基準面として利用することができる。図4(b)に示すように、厚さ11と厚さ12とを同じにしておけば、段部3による段差の底部と凹部4の底部とが同じ高さになる。これを利用して、段部3を凹部4に搭載する水晶振動片の搭載基準面とすることができるのである。
例えば、水晶振動片を凹部4に収容するとき、凹部4の底部のシリコンウェハ1の厚さ11が分からなくても、支持領域1eのシリコンウェハ1の厚さ12が分かっていれば、それを基準として、水晶振動片を凹部4に収容する収容深さを正確にすることができるのである。また、機械装置を用いて水晶振動片を凹部4に収容するときであっても、その収
容深さが厚さ12により予め知りえていれば、余計に水晶振動片を凹部4に押圧して水晶振動片またはシリコンウェハ1を傷つけたり破壊してしまうこともなくなるのである。
すでに説明したように、段部3は、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2とを直接接合するときの貼り合せ位置決めの基準部分として用いることもできるが、上述のように凹部4に搭載する電子部品の部品搭載位置決めの基準面として用いることもできるのである。このようにすることで、ウェハ単位で安定した作業を行うことが可能である。
[段部3の応用3:接着位置までの認識ポイント]
シリコンウェハ1の凹部4には水晶振動片を搭載するのであるが、このとき、図示はしないが、水晶振動片の電極とシリコンウェハ1の所定の部分に設ける電極とは導電性接着剤を介して接続される。
段部3は、上述の導電性接着剤を塗布する工程では、段部3を原点のような認識ポイントとして利用することもできる。
水晶振動片の形状や電極の位置、シリコンウェハ1に設ける電極の位置などを予め知りえておけば、シリコンウェハ1にある段部3を認識ポイントとして認識しておけば、その部分からの導電性接着剤を塗布する位置までは、移動量の制御だけとなり、導電性接着剤の塗布工程における精密な位置決めが容易に行うことができるようになるのである。
知られているように、上述の導電性接着剤を塗布する工程は、精密な位置決めが歩留まり向上に寄与するため、このような段部3を用いる制御は、より精密な塗布作業に大きな効果を奏するのである。
[接合構造体の基板の取り扱いの説明:図5,図4(b)]
次に、接合構造体の基板を取り扱う様子を説明する。
図5は、図4(a)に示す第2の実施形態の接合構造体の切断線B−B´における断面の様子を示す断面図であって、説明しやすいように模式的に示した図である。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
図5に示すように、取扱手段40のアーム部41がシリコンウェハ1の段部3に向かってシリコンウェハ1を挟み込むように把持している。詳しくは、アーム部41の窪み42にシリコンウェハ1の支持領域1eが挟まるようになっている。図5に示す例では、取扱手段40は図中左右に2つ設ける例を示している。
[接合構造体の説明:図6]
次に、第2の実施形態における接合構造体の構成を説明する。
図6は、接合構造体を説明する断面図であって、図4(a)に示す本発明の接合構造体の切断線B−B´における断面方向と同じ方向から見た様子を示すものである。図6(a)は他のシリコンウェハを接合した様子を示すものであり、図6(b)は段部付きの他のシリコンウェハを接合した様子を示すものである。図6(c)は、接合したシリコンウェハを製品領域ごとに分割した様子を示すものである。
図6において、2は他のシリコンウェハ、6は水晶振動片、8は製品領域7を切り離して個片となった接合構造体である。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
図6(a)に示すように、シリコンウェハ1の凹部4には水晶振動片6が搭載されている。すでに説明したように、段部3を搭載基準面として位置決めするなどして、それぞれの凹部4に水晶振動片6を搭載している。
すでに説明したように、シリコンウェハ1の製品領域7には、水晶振動片6を電気的に接続する接続電極や、外部回路と接続する外部電極、接続電極と外部電極とを電気的に接続する内部配線などが形成されている。それら電極と水晶振動片6の電極とを導電性接着
剤を介して接続する工程では、段部3を原点のような認識ポイントとして利用することもできる。
そして、シリコンウェハ2をシリコンウェハ1に直接接合する。このようにすることで、シリコンウェハ1,2により水晶振動片6は気密封止される。詳しくは、シリコンウェハ1の凹部4に水晶振動片6を搭載し、発振周波数調整などを行った後に、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2とを直接接合させる。
図6(a)は、シリコンウェハ2をフラットなシリコンウェハで構成した例である。このようなシリコンウェハ2をシリコンウェハ1と直接接合すると、隙間33が形成される。
また、図6(b)に示す構成では、シリコンウェハ2がフラットな形状ではなく、段部13を備えるシリコンウェハで構成した例である。段部13は、シリコンウェハ2の周縁部に設けてある。このようなシリコンウェハ2をシリコンウェハ1と直接接合すると、隙間34が形成される。隙間34は、図6(a)に示す隙間33より広くなる。もちろん、段部13は、主平面からみて、段部3と同一形状になるように設けてもかまわない。
このようにして設けた隙間33,34の効果については、図3を用いてすでに説明したとおりであるから、説明を省略する。
シリコンウェハ1にシリコンウェハ2を接合した後、製品領域7ごとに、接合された2つのシリコンウェハを分離すると、図6(c)に示すような水晶振動片6を封止した個片の接合構造体8(パッケージ)とすることができる。このような分離は、知られているダイシング技術を用いることができる。詳細は後述する。
また、仮に、作業ツールや取扱手段の接触によって、シリコンウェハの周縁部にある隙間33や隙間34の部分がダメージを受けたとしても、接合構造体8を切り離してしまえば、その部分は不用となるから、何らの問題もない。
[接合構造体の説明3:図7]
次に、本発明の接合構造体の第3の実施形態の基板構造を説明する。
図7は、接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの上面図である。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。本発明の接合構造体の第3の実施形態の基板構造の特徴は、段部3の形状である。なお、この第3の実施形態の説明にあっては、シリコンウェハ1に凹部4を設ける、図4に示した本発明の接合構造体の第2の実施形態の基板構造を例にして説明する。なお、切断線C−C´については後述する。
図7において、図7(a)は、シリコンウェハ1の対向する2側面1a,1cの全体に段部3が形成されている例である。図7(b)は、シリコンウェハ1の側面1a〜1dの全てに段部3が形成されており、すなわちシリコンウェハ1の周縁部の全てに段部3を設ける例である。なお、図7においては、製品領域7の表示は省略している。
図7(a)に示す例では、図1に示す第1の実施形態や図4に示す第2の実施形態に比べて段部3がシリコンウェハ1の側面に沿ってより広いため、シリコンウェハ1を取り扱うとき、作業ツールや取扱手段が側面1aや側面1cに沿って多少ずれてしまっても、段部3の部分を掴むことができる。そして、接合面5にそれらが接することはない。
また、シリコンウェハ1の側面1aまたは側面1cの全体に接するようなサイズの作業ツールや取扱手段を用いる場合であっても、接合面5に影響を及ぼすことはない。
図7(b)に示す例では、シリコンウェハ1の周縁部の全てに段部3を設けているため、シリコンウェハ1のどの方向からでも作業ツールや取扱手段を接触させることができるのである。
図7に示す本発明の接合構造体の第3の実施形態の基板構造では、シリコンウェハ1を取り扱う際に、作業ツールや取扱手段による支持領域1eへの接触を多少ラフにすることができるため、シリコンウェハ1を取り扱うときの取扱時間を短縮することもできるのである。特に、搬送装置や加工装置の取扱手段が到来する方向が変更できないとき、図7(b)に示すような構成であれば、シリコンウェハ1を回転するなどしてその到来方向に合わせる必要がなくなるなど、取扱時間の短縮を行うことができるのである。
[接合構造体の説明4:図8]
次に、本発明の接合構造体の第4の実施形態の基板構造を説明する。
図8は、接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図であって、図8(a)は上面図、図8(b)は図8(a)の切断線D−D´における断面図である。図8において、9は第2の段部である。1fはシリコンウェハ1に設ける段部9により生じた支持領域である。なお、この第4の実施形態の説明にあっては、シリコンウェハ1に凹部4を設ける、図4に示した本発明の接合構造体の第2の実施形態の基板構造を例にして説明することとし、図7(b)に示すような、シリコンウェハ1の周縁部の全てに段部3を設ける例を用いている。また、図8においては、製品領域7の表示は省略している。
本発明の接合構造体の第4の実施形態の基板構造の特徴は、図8に示すように、段部3の支持領域1eにさらに段部9を設ける点である。このような構成とすることにより、段部9の支持領域1f部分は2段の段差構造となる。例えば、2段の段差形状を有するピンセットなどの作業ツールを用いると、段部9の支持領域1fにピンセットの段差形状を嵌合することで、ハンドリングの際にぐらつきがなくなり、より強くシリコンウェハ1を持つことができる。
[段部9の応用]
また、すでに説明したように、凹部4に水晶振動片6を搭載するときなど、段部9を搭載基準面として利用することもできる。段部9は、段部3より深いため、例えば、段差の深さを認識するような光学装置を用いて位置決めするときなどにその2段の段差をより正しく認識させることができるようになるのである。
さらに、搬送装置や加工装置が、段部3と段部9とを別の目的で使うこともできる。段部9を、シリコンウェハ1が他のシリコンウェハと直接接合するときの位置決めの基準部分に用い、段部3の支持領域1eを取扱手段がシリコンウェハ1を把持する目的で使用するのである。例えば、搬送装置や加工装置が、常に側面1bおよび側面1dの段部9を基準部分として認識し、それらを結ぶ直線から90度角度を曲げた端面にある側面1a,1cの段部3を把持するようにプログラムすることができるのである。
このようにすれば、搬送装置や加工装置がシリコンウェハ1を回転させるときなどに、段部9の位置を認識するだけでシリコンウェハ1を把持する部分を確認しやすくなり、その回転制御が素早く行わせることができるようになるのである。
いずれにおいても、作業ツールや取扱手段の形状などに合わせて、段部9の形状などを自由に変更することができる。
[本発明の接合構造体の製造方法の説明1:図2,図9]
次に、本発明の接合構造体の第1の実施形態の製造方法を図9を用いて説明する。図9は、図1(a)に示す切断線A−A´における断面方向と同じ方向から見た様子を示すものである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
まず、接合面形成工程を説明する。
接合面形成工程は、図9(a)に示すように研磨砥粒を用いて、シリコンウェハ1を所定の厚さにポリッシングすることにより、鏡面状の接合面5を形成する。
次に、シリコンウェハ1の周縁部の接合面5に段部3を形成する段部形成工程を説明する。
図9(b)に示すように、フォトレジスト14を用いて、段部3の形状が露出されるようにフォトリソ処理を施す。
図9(c)に示すように、露出されたシリコンウェハ1を所定の厚さまでドライエッチングやウエットエッチングなどの手法を用いて除去する。
その後、フォトレジスト14を除去することで、図9(d)に示すようにシリコンウェハ1が薄くなった段部3(支持領域1e)を形成する段部形成工程が終了する。
なお、図9(a)〜(d)に示すような、シリコンウェハ1を処理する各工程に用いる装置は、それぞれ異なる。
それぞれの工程でシリコンウェハ1を取り扱うとき、搬送装置や加工装置に備えられている取扱手段は、シリコンウェハ1の周辺部を把持する。また、作業者がハンドリングする場合は、ピンセットなどの作業ツールを用いる。このとき、シリコンウェハ1の周辺部への取扱手段の接触は避けられないが、その接触部分は、図9(c)、(d)に示す工程を経ると除去される(段部3が形成される)。
段部3が形成されると、それからは図2に示すように、取扱手段は、支持領域1eの部分を把持することになり(作業ツールも支持領域1eの部分を把持し)、接合面5には取扱手段や作業ツールの影響はなくなるのである。
すなわち、支持領域1eが形成された後は、接合面5と領域を分かつことができるようになるから、作業ツールや取扱手段による汚れや傷が支持領域1eに生じたとしても、接合面5にその影響は及ばなくなるのである。
[本発明の接合構造体の製造方法の説明2:図10〜図12]
次に、本発明の接合構造体の第2の実施形態の製造方法を図10〜図12を用いて説明する。図10も、図1(a)に示す切断線A−A´における断面方向と同じ方向から見た様子を示すものである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
まず、図10を用いてシリコンウェハ1に凹部4を形成する工程を説明する。
図10(a)に示すシリコンウェハ1の主平面に接合面5を形成する接合面形成工程はすでに説明しているので省略する。
次に、シリコンウェハ1に形成された接合面5に凹部4を形成する凹部形成工程を説明する。
図10(b)に示すように、フォトレジスト14を用いて、凹部4を設ける部分の形状が露出されるようにフォトリソ処理を施す。
次に、図10(c)に示すように、露出されたシリコンウェハ1を所定の厚さまでドライエッチングやウエットエッチングなどの手法を用いて除去し薄くすることで凹部4を形成する。その後、図10(d)に示すように、フォトレジスト14を除去する。
次に、図11を用いて、シリコンウェハ1の周縁部の接合面5に段部3を形成する段部形成工程を説明する。
まず、図11(a)に示すように、フォトレジスト14を用いて、段部3の形状が露出
されるようにフォトリソ処理を施す。
図11(b)に示すように、露出されたシリコンウェハ1を所定の厚さまでドライエッチングやウエットエッチングなどの手法を用いて除去する。
その後、フォトレジスト14を除去することで、図11(c)に示すようにシリコンウェハ1が薄くなった段部3(支持領域1e)を形成する段部形成工程が終了する。
ところで、図10に示す凹部形成工程による凹部4の形成に際して用いるシリコンウェハ1のエッチング条件と、図11に示す段部形成工程による段部3の形成に際して用いるエッチング条件と、を同じにすることで、凹部4の部分のシリコンウェハ1の厚さと段部3の部分のシリコンウェハ1の厚さとを同じにすることができる。
エッチング条件を同じにするとは、例えば、ウエットエッチングの場合は、エッチング液とエッチング時間とを同じにする、ドライエッチングの場合は、エッチングガスや印加する高周波電圧を同じにする、などである。
また、凹部4の部分のシリコンウェハ1の厚さと段部3の部分のシリコンウェハ1の厚さとを同じにすることができれば、図10に示す凹部形成と図11に示す段部形成とを一度の工程で行うことができる。
その際は、フォトレジスト14を、凹部4を形成する部分と段部3を形成する部分とを露出するようなパターン形状にし、ウエットエッチングまたはドライエッチングを行えばよい。
段部3により形成される支持領域1eは、製造工程途中で取扱手段や作業ツールにより把持される部分である。シリコンウェハ1が段部3を有することでシリコンウェハ1の接合面5に影響を与えないことが本発明の特徴であるから、段部3の形成は、製造工程のうち、できるだけ初期の工程(製造工程順番が早い工程)で行ってしまえば、その後の工程で、シリコンウェハ1を取り扱う際に、接合面5に影響が及ばなくなるので好ましい。
次に、図12を用いて、図11(c)に示すシリコンウェハ1の凹部4に電子部品である水晶振動片6を収容し、シリコンウェハ2を接合する電子部品収容工程を説明する。
図12(a)に示すように、水晶振動片6は導電性接着剤(図示せず)を用いて、凹部4の底面に設けられている電極部(図示せず)に電気的、機械的に支持固定することで水晶振動片6を収容する。
上述のように、凹部4の部分のシリコンウェハ1の厚さと段部3の部分のシリコンウェハ1の厚さとを同じになるように加工しておけば、段部3を凹部4に搭載する水晶振動片6の搭載基準面として用いることもできる。
例えば、以下のような製造方法が考えられる。
まず、搬送装置が水晶振動片6を把持し、シリコンウェハ1の段部3の上部まで搬送する。次に、搬送装置から段部3までの距離を測定する。この距離の測定は、レーザー光を発射しその反射光を検出したり、接触棒などを用いることができる。
そのようにして検出した距離を記憶しておくことで、搬送装置が水晶振動片6を凹部4の底部に収容させるまでの距離を知りえることができる。
次に、搬送装置が水晶振動片6を凹部4の上部まで搬送し、先に記憶した距離に基づいて凹部4の底部まで水晶振動片6を降下させる。このときの水晶振動片6の降下量(降下距離)が分からなくても、凹部4の底部まで正確に水晶振動片6を降下させることができる。
このようにすれば、凹部4が複数あっても、基準となる位置(例えば、段部3の位置やシリコンウェハ1の角部分)から凹部4までの平面的な移動量を管理すれば、凹部4の底
部まで降下する距離を管理する必要はなくなり、素早い作業が可能になるのである。
なお、シリコンウェハ2に接合面5を形成する工程は、すでに説明したシリコンウェハ1に接合面5を形成する接合面形成工程と同様な工程によるものであるから、説明は省略する。
次に、図12(b)に示すように、凹部4に水晶振動片6が搭載されたシリコンウェハ1の凹部4を覆うようにシリコンウェハ2を重ね合わせる。
その後、高温に加熱しながら、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2とを、接合面5と垂直方向に加圧する。これにより、図12(c)に示すように、シリコンウェハ1とシリコンウェハ2とを接合させることができる。
このような表面活性化接合方法においては、シリコンウェハを加熱するため、その温度を適宜管理さえすれば、シリコンウェハ1の凹部4に収納した水晶振動片6に対する、接合工程での熱ストレスなどを回避することが可能となる。
次に、シリコンウェハ1にシリコンウェハ2を接合した後、製品領域7ごとに、接合された2つのシリコンウェハを分離する。分離した接合構造体8は、図6(c)に示したような形状となる。
この工程は、ダイシングと呼ばれ、ブレードダイサーやレーザーダイサーなどの切断装置が知られている。
ブレードダイサーとは、硬質の材質からなるダイシングブレード(回転刃)を対象物に当てて対象部分を切削して切断する装置である。レーザーダイサーとは、YAGレーザーなどのレーザービームを対象物に照射して対象部分を溶解させて切断する装置である。
レーザーダイサーは、ブレードダイサーに比べて狭い切断幅で切り離せる点や、振動が発生せず加工中に対象物が破損しないというメリットがある。
ダイシングブレードやレーザービームにより対象物を完全に切断する手法をフルカットダイシングと呼ぶ。一方、対象物に所定の深さまで切込みを入れ、その後に応力を印加して切断する手法をハーフカットダイシングと呼ぶ。本発明の接合構造体は、どちらのダイシング技術を用いてもかまわない。
[本発明の接合構造体の製造方法の説明3:図7,図13]
次に、本発明の接合構造体の第3の実施形態の製造方法を図7と図13とを用いて説明する。図13は、図7に示す切断線C−C´における断面方向と同じ方向から見た様子を示すものである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
本発明の接合構造体の第3の実施形態は、段部3の形状が第2の実施形態と異なるだけであるから、その部分の製造工程だけを説明する。つまり、シリコンウェハ1に凹部4が形成された後について説明する。
図7と図13とに示すように、シリコンウェハ1を平面でみたときに、その1辺すべての周縁部が開口するようにフォトレジスト14からなるマスクを形成する。その断面の様子は、図13(a)に示すような形状である。
図13(b)に示すように、露出されたシリコンウェハ1を所定の厚さまでドライエッチングやウエットエッチングなどの手法を用いて除去する。
その後、フォトレジスト14を除去することで、図13(c)に示すようにシリコンウェハ1が薄くなった段部3(支持領域1e)を形成する段部形成工程が終了する。
[本発明の接合構造体の製造方法の説明4:図8,図14]
次に、本発明の接合構造体の第4の実施形態の製造方法を図8と図14とを用いて説明する。図14は、図8に示す切断線D−D´における断面方向と同じ方向から見た様子を
示すものである。なお、同一の構成については同一の番号を付与している。
本発明の接合構造体の第4の実施形態は、段部3に段部9を設ける点が他の実施形態とは異なるだけであるから、その部分の製造工程だけを説明する。つまり、シリコンウェハ1に凹部4、段部3が形成された後について説明する。
図8と図14とに示すように、シリコンウェハ1の周縁部に設けた段部3に段部9を設ける部分を開口するようにフォトレジスト14からなるマスクを形成する。その断面の様子は、図14(a)に示すような形状である。
図14(b)に示すように、ドライエッチングやウエットエッチングなどの手法を用いて、開口された部分のシリコンウェハ1を所定の厚さまで除去することで段部9を形成する。
その後、フォトレジスト14を除去することで、図14(c)に示すようにシリコンウェハ1がさらに薄くなった段部9(支持領域1f)を形成する形成工程が終了する。
本発明の接合構造体の実施形態の説明にあっては、水晶振動子を例に述べたが、本発明は、水晶振動子に限定されるものではなく、受光素子などの電子部品を収納してもよいことが無論である。
さらに、基板をシリコンウェハとして説明したが、石英ガラスや水晶板などの直接接合が可能な材料を用いてもよいことは無論である。
本発明の接合構造体は、作業ツールや取扱手段で取り扱っても、汚れや傷の影響が接合面に及ばないため、品質の高い接合面を有することができる。このため、特に強力な接合が必要な小型パッケージ用の接合構造体として好適である。
本発明の第1の実施形態の接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図である。 本発明の第1の実施形態の接合構造体の基板を取り扱う様子を模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施形態を説明する、2枚のシリコンウェハを接合した様子を説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態の接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図である。 本発明の第2の実施形態の接合構造体の基板を取り扱う様子を模式的に示した断面図である。 本発明の第2の実施形態を説明する、2枚のシリコンウェハを接合した様子を説明する断面図である。 本発明の第3の実施形態の接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図である。 本発明の第4の実施形態の接合構造体の基板構造を説明するシリコンウェハの図である。 本発明の第1の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、段部形成工程を説明する図である。 本発明の第2の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、凹部形成工程を説明する図である。 本発明の第2の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、段部形成工程を説明する図である。 本発明の第2の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、電子部品収容工程を説明する図である。 本発明の第3の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、段部形成工程を説明する図である。 本発明の第4の実施形態の接合構造体の製造方法を説明する図であって、段部形成工程を説明する図である。 特許文献1に示した従来技術を説明する図であって、水晶基板とガラス基板とを直接接合した複合基板材料を示す図である。
符号の説明
1 シリコンウェハ
1a シリコンウェハの側面
1b シリコンウェハの側面
1c シリコンウェハの側面
1d シリコンウェハの側面
1e 支持領域
1f 支持領域
2 シリコンウェハ
3 段部
4 凹部
5 接合面
6 水晶振動片
7 製品領域
8 接合構造体
9 段部
10 支持領域のシリコンウェハの厚さ
11 凹部のシリコンウェハの厚さ
12 支持領域のシリコンウェハの厚さ
13 段部
14 フォトレジスト
33 隙間
34 隙間
40 取扱手段
41 アーム部
42 アーム部の窪み
51 水晶基板
52 ガラス基板

Claims (11)

  1. 複数の基板同士を、それぞれの主平面を直接接合にて接合した接合構造体において、
    前記複数の基板は、それぞれの主平面に直接接合するための接合面を有し、
    前記接合面の周縁部に段部が形成されていることを特徴とする接合構造体。
  2. 第1の基板に電子部品を収納する凹部を有し、第2の基板と直接接合することで該電子部品を気密封止する接合構造体であって、
    前記第1の基板および前記第2の基板は、それぞれの主平面に他の基板と直接接合するための接合面を有し、
    前記第1の基板の前記接合面に前記凹部を備え、前記凹部を含み個片に切り離されて1つの構造体となる製品領域を規定したとき、
    前記製品領域を除いた前記接合面の周縁部に段部が形成されていることを特徴とする接合構造体。
  3. 前記段部は、複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載の接合構造体。
  4. 前記第1の基板は、前記段部が形成されている領域の基板の厚さと、前記凹部が形成されている領域の基板の厚さと、が等しいことを特徴とする請求項2または3に記載の接合構造体。
  5. 前記第2の基板の前記接合面の周縁部に段部を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の接合構造体。
  6. 前記第2の基板に設ける段部は、前記第1の基板に設ける段部と、主平面からみて同一形状になるように設け、
    前記第1の基板と前記第2の基板とを直接接合したとき、接合された基板の側面にそれぞれの基板に設ける段部による1つの窪みが形成されることを特徴とする請求項5に記載の接合構造体。
  7. 複数の基板同士を、それぞれの主平面を直接接合にて接合した接合構造体の製造方法において、
    前記基板の主平面に他の基板と直接接合するための接合面を形成する接合面形成工程と、
    前記接合面の周縁部に段部を形成する段部形成工程と、
    前記段部を利用して前記基板を取り扱う工程と、
    前記主平面同士を接合する貼り合せ工程と、
    を有することを特徴とする接合構造体の製造方法。
  8. 第1の基板に電子部品を収容する凹部を有し、第2の基板と直接接合することで該電子部品を気密封止する接合構造体の製造方法であって、
    前記第1の基板および前記第2の基板の主平面に、接合面を形成する接合面形成工程と、
    前記第1の基板の前記接合面に前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記凹部を含み個片に切り離されて1つの構造体となる製品領域を規定し、該製品領域を除いた前記第1の基板の周縁部に段部を形成する段部形成工程と、
    前記段部を利用して前記基板を取り扱う工程と、
    前記凹部に電子部品を収容する電子部品収容工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との主面同士を直接接合することで前記凹部に収容された電子部品を気密封止する基板接合工程と、
    を有することを特徴とする接合構造体の製造方法。
  9. 前記貼り合せ工程または前記基板接合工程は、前記段部を前記主平面同士の貼り合せ位置決めの基準部分とすることを特徴とする請求項7または8に記載の接合構造体の製造方法。
  10. 前記電子部品収容工程は、前記段部を部品搭載位置決めの基準部分として用いて前記凹部に電子部品を位置決め収容することを特徴とする請求項8または9に記載の接合構造体の製造方法。
  11. 前記凹部形成工程による前記第1の基板の除去深さと、前記段部形成工程による前記第1の基板の除去深さと、が同じになるように加工することを特徴とする請求項8から10のいずれか1つに記載の接合構造体の製造方法。
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