JP2010108871A - ダミーコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ダミーコネクタの抜き取りを容易に行えるようにする。
【解決手段】ダミーコネクタ10は、相手コネクタ60に嵌合されて、この相手コネクタ60の嵌合面を閉塞するダミーキャップ20を備える。ダミーキャップ20の外面のうち、相手コネクタ60との正規嵌合状態において外部に露出される部位には、抜き取り操作用の摘み部40が突出して設けられている。摘み部40は、ダミーキャップ20の両側外面に対をなして設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダミーコネクタに関する。
特許文献1には、従来のダミーコネクタが開示されている。このものは、相手コネクタの嵌合面を防水目的等によって閉塞するものであって、相手コネクタのフード部内に嵌合可能なコネクタ本体部と、相手コネクタとの嵌合状態において外部に露出される露出部とを備えている。露出部の後面には上下一対の凹所が肉抜きにより設けられており、両凹所間には摘み壁が左右に架け渡して設けられている。ダミーコネクタの抜き取り時には、両凹所内に指を差し込んで、摘み壁を指で摘みながら相手コネクタから引き抜くようになっている。
特開2001−267005公報
ところで、ダミーコネクタが小型化すると、両凹所の開口面積も相対的に小さくなるため、両凹所内に指を差し込むことができなくなる。また、取り付け状況によっては両凹所の開口方向が作業者側に向いていない場合もあり、かかる場合にも両凹所内への指の差し込みが規制されてしまう。このため、いきおい露出部の外面を指で摘むようになるが、そうすると、露出部の外面を指が滑ってダミーコネクタの抜き取り作業に難渋するおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ダミーコネクタの抜き取りを容易に行えるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手コネクタに嵌合されて、この相手コネクタの嵌合面を閉塞するダミーキャップを備えたダミーコネクタであって、前記ダミーキャップの外面のうち、前記相手コネクタとの嵌合状態において外部に露出される部位には、抜き取り操作用の摘み部が突出して設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記摘み部は、前記ダミーキャップの両側外面に対をなして設けられているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記ダミーキャップにおける前記一対の摘み部間の領域が中実とされているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記ダミーキャップは、前記相手コネクタを受容する筒状の嵌合凹部と、前記嵌合凹部の奥壁に連なってこの嵌合凹部の開口方向とは逆向きに突出する突出部とからなるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記突出部は、ワイヤハーネスとともにテープ巻きされるハーネス固定部とされているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載のものにおいて、前記突出部には、前記ダミーキャップを取付対象に取り付けるためのクリップが装着される取付部が設けられているところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれか1項に記載のものにおいて、前記ダミーキャップには、前記嵌合凹部の外面と前記突出部の外面との間を顎状に連ねる嵌合操作用の段差部が設けられているところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記ダミーキャップは、前記相手コネクタを受容する筒状の嵌合凹部を有し、前記嵌合凹部の奥壁の内面には前記相手コネクタの嵌合面と当接可能なリブが突出して設けられているところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項8に記載のものにおいて、前記リブは、前記相手コネクタの嵌合面に被覆して配されるフロントホルダに当接可能とされているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
ダミーコネクタと相手コネクタとの嵌合状態において、ダミーキャップの外面の露出部位には抜き取り操作用の摘み部が突出して設けられているから、この摘み部を摘みながらダミーコネクタを相手コネクタから容易に抜き取ることができる。
<請求項2の発明>
摘み部がダミーキャップの両側外面に対をなして設けられているから、摘み部を両側外方から2本の指で摘みとることができ、抜き取り時の操作性に優れる。
<請求項3の発明>
ダミーキャップにおける一対の摘み部間の領域が中実とされているから、両摘み部を両側外方から内向きに大きい力で摘んでも、ダミーキャップが撓み変形したりしない。
<請求項4の発明>
ダミーキャップが嵌合凹部と突出部とからなるため、嵌合凹部のみからなる場合に比べ、突出部の利用態様を種々考案でき、汎用性を高めることができる。
<請求項5の発明>
突出部がワイヤハーネスとともにテープ巻きされるハーネス固定部とされるから、ワイヤハーネスをダミーコネクタにまとめて固定することができる。
<請求項6の発明>
突出部にはダミーキャップを取付対象に取り付けるためのクリップが装着される取付部が設けられているから、ダミーコネクタがクリップを介して取付対象に円滑に取り付けられる。
<請求項7の発明>
段差部を押圧することで、ダミーコネクタが相手コネクタに円滑に取り付けられる。
<請求項8の発明>
嵌合凹部の奥壁の内面には相手コネクタの嵌合面と当接可能なリブが突出して設けられているから、嵌合状態において奥壁の内面と嵌合面との間にはリブの側方に空間部が保有されることとなる。したがって、空間部を有することなく相手コネクタの嵌合面が奥壁の内面に直接当接している場合に比べて嵌合領域の容積が増加し、ボイルの法則により、ダミーコネクタと相手コネクタとの嵌合に伴う嵌合力が小さくなり、嵌合時における作業性が良好となる。
<請求項9の発明>
リブが相手コネクタの嵌合面に被覆して配されるフロントホルダに当接可能とされているから、仮に嵌合前にフロントホルダが正規装着状態になくても、嵌合に伴ってリブがフロントホルダを押圧することで、フロントホルダを正規装着位置に至らすことができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。本実施形態に係るダミーコネクタ10は、相手コネクタ60が対をなす雄型コネクタ(図示せず)と未嵌合状態のときに、相手コネクタ60の嵌合面に水や塵埃等が付着するのを防止するために相手コネクタ60に取り付けられるものであって、電気的な回路形成とは無関係に相手コネクタ60と嵌合可能なダミーキャップ20によって構成されている。なお、以下の説明において、前後方向についてはダミーコネクタ10及び相手コネクタ60の互いの嵌合面側を前方とし、上下方向については図2を基準とする。
相手コネクタ60は、端子金具90を収容可能な合成樹脂製のハウジング61を備え、ハウジング61は、図2に示すように、ブロック状のハウジング本体62と、ハウジング本体62の周りを覆うフード部63とからなる。ハウジング本体62とフード部63との間には前方に開口するダミーコネクタ10の組付空間が保有されている。
ハウジング本体62の内部には、後方から端子金具90を挿入可能な複数のキャビティ64が整列に設けられている。キャビティ64の内壁下面には、撓み可能なランス65が突出して設けられ、キャビティ64内に端子金具90が正規挿入されると、端子金具90はランス65に弾性的に係止されてキャビティ64から一次的に抜け止めされる。また、図3に示すように、ハウジング本体62の前面にはフロントホルダ80が被着されている。フロントホルダ80は合成樹脂製であって、ハウジング本体62の前面を覆う前壁部81と、各キャビティ64と対応する位置毎に、前壁部81の後面から後方へ突出する撓み規制部82とを有している。フロントホルダ80がハウジング本体62に正規に取り付けられると、撓み規制部82がランス65の撓み空間に進入してランス65の撓み動作を規制し、もって端子金具90が二次的に抜け止めされる。前壁部81は、ランス65の成形に伴って形成される型抜き孔を前面側で塞ぐ役割をはたし、その前面がダミーコネクタ10又は雄型コネクタに対する嵌合面とされている。
ハウジング本体62の上面には、撓み可能なロックアーム66が立ち上げて設けられている。ロックアーム66は、前後方向に延びるアーム部67を有し、アーム部67の前端部にはロック孔68が保有され、アーム部67の後端部には解除操作用の操作部69が一段高く設けられている。フード部63には、アーム部67と対応する位置を切り欠いて窓部71が設けられ、窓部71を介してロックアーム66を上方から視認可能とされている。また、ハウジング本体62の外面には、ロックアーム66の脚部72よりも前方に、シールリング75が嵌着されており、このシールリング75によってダミーコネクタ10との間が液密状にシールされるようになっている。
端子金具90は導電性の金属板を曲げ加工して一体に成形され、相手側の雄端子金具の雄タブ(図示せず)と接続可能な筒状の接続部91とその後方に位置して電線100の端末に接続されるバレル部92とを有している。また、バレル部92は電線100に嵌着された個別型のゴム栓96にもかしめ付けられる。このゴム栓96はキャビティ64の内周面に密着されてハウジング本体62内を液密状にシールする役割をはたす。
続いてダミーキャップ20について説明すると、ダミーキャップ20は、合成樹脂製であって全体としてキャップ状をなし、図4に示すように、相手コネクタ60と嵌合可能な嵌合凹部21と、嵌合凹部21の後面から後方へ突出する突出部22とからなり、端子金具90の如き導体部をもっていない。
嵌合凹部21は、図5及び図6に示すように、全体として略角筒状をなし、垂直に切り立つ奥壁23と、奥壁23の外周縁から前方へ突出する周壁24とからなり、周壁24が相手コネクタ60の組付空間に進入可能とされている。周壁24の外壁上面には、ロックアーム66と係止可能なロック部25が突出して設けられ、かつこのロック部25を挟んだ両側に、一対の嵌合リブ26が前後方向に延出して設けられている。嵌合リブ26はまた周壁24の外壁両側面にも設けられている。相手コネクタ60には各嵌合リブ26を受容可能なリブ受け溝(図示せず)が設けられている。
周壁24の内壁には、前後方向の途中位置に、後方へ向けてテーパ状に窄まる段差27が設けられている。周壁24の内壁のうち、段差27を挟んだ前方(開口側)の領域は後方(奥側)の領域よりも開口面積が大きくされ、ここにはシールリング75が密着可能とされている。また、奥壁23の内面は、相手コネクタ60との嵌合時に相手コネクタ60の嵌合面と当接可能に対向する嵌合面とされている。
突出部22は、嵌合凹部21の奥壁23の後面下半部に一体に接合されつつ後方へ突出する略角筒状の形態とされ、図1及び図7に示すように、略垂直に切り立つ奥壁28と、奥壁28の外周縁から後方へ突出する周壁29とを有する。突出部22と嵌合凹部21の両開口方向は互いに逆向きとされ、突出部22の奥壁28と嵌合凹部21の奥壁23とは互いに一体化されている。また、突出部22は、その高さ寸法が嵌合凹部21よりも小さく、その幅寸法が嵌合凹部21と同じで、かつその前後長さが嵌合凹部21よりも長くされている。
周壁29の外壁両側面は嵌合凹部21の外壁両側面と面一で連なり、周壁29の外壁上面は嵌合凹部21の奥壁23の後面との間に直角に連なり、突出部22の奥壁28の前面は嵌合凹部21の外壁下面との間に同じく直角に連なる形状とされている。このうち、周壁29の外壁上面と嵌合凹部21の奥壁23の後面とに跨る顎状部位は、図4に示すように、嵌合操作用の段差部30とされ、嵌合操作時にはここに指を宛がって相手コネクタ60側への押し込み操作が可能とされている。
また、突出部22の奥壁28の前面と嵌合凹部21の外壁下面とに跨る顎状部位は、相手コネクタ60との正規嵌合時にフード部63の先端縁と対向して配され、その高さ寸法(段差量)はフード部63の厚み寸法とほぼ同じとされている。この顎状部位は、後述するように、突出部22にクリップ120を装着する際に、クリップ120が相手コネクタ60から突出部22へと円滑にスライドされるように、突出部22の位置を一段下方へ落とす取付案内部31として構成されている。
図4及び図6に示すように、周壁29の外壁下面には、その幅方向両端側に、前後方向に延びる左右一対のレール部32が突出して設けられ、その幅方向中央部に、取付固定部33が突出して設けられ、この取付固定部33とレール部32とによってクリップ120を取り付けるための装着部34が構成されている。両レール部32には前後方向に延びる案内溝35が前面及び双方の対向面に開口して設けられ、案内溝35の後端部には、ストッパ部36が肉盛りされている。クリップ120は、案内溝35内を摺動したあとストッパ部36に当て止めされ、そこで取付固定部33に弾性的に係止される。クリップ120は、図3に示すように、パネルやプリント回路基板等の取付対象130に設けられた取付孔131に弾性的に係止可能な羽状の弾性係止部123を有し、ここではワイヤハーネス又はコネクタ用に開発された周知のクリップを用いることができる。
一方、周壁29の外壁両側面及び上面には、周方向に凹凸のないフラット面が形成され、このフラット面は、図2に示すように、突出部22とワイヤハーネス140とをまとめて巻回するテープ150の被着面37として構成され得る。
突出部22の後面には、図7に示すように、左右一対の凹所38が肉抜きにより設けられ、両凹所38間には縦壁39が区画して設けられている。両凹所38は互いに同形同大とされ、縦壁39は、高さ方向に延びて周壁29の内壁下面及び内壁上面と一体に接合され、かつ、図4に示すように、周壁29の幅方向中央部を縦断して前後方向の全長に亘って延びる形状とされている。
そして、周壁29の外壁両側面の後端縁には、一対の摘み部40が突出して設けられている。摘み部40は、指で摘みとることが可能なように左右両側に耳状に張り出し、かつその突出量が嵌合リブ26の突出量とほぼ同じであって比較的小さくされる一方、周壁29の後端縁に沿って高さ方向に長く延びるリブ状に形成されている。摘み部40の両側外面は、高さ方向の全長に亘って垂直に切り立つフラットな指当て面41とされている。また、摘み部40の後面は、周壁29の後面と面一で連なり、かつ突出部22全体の後面を構成している。
次に、本実施形態に係るダミーコネクタ10の作用効果について説明する。
相手コネクタ60にダミーキャップ20の嵌合凹部21を嵌合する。嵌合の過程では、段差部30に親指等を宛がって相手コネクタ60側へ押し込むようにすればよい。すると、相手コネクタ60の組付空間にダミーキャップ20の周壁24が進入し、さらにダミーキャップ20が正規の嵌合位置に至るに伴い、ロックアーム66がロック部25を弾性的に係止してダミーコネクタ10が相手コネクタ60に離脱規制状態に保持される。この状態では、嵌合凹部21の周壁24の内面とハウジング本体62の外面とにシールリング75が密着され、これによってダミーコネクタ10と相手コネクタ60との間のシールがとられる。また、ダミーコネクタ10が正規の嵌合位置に至ると、ダミーキャップ20と相手コネクタ60の両嵌合面同士が互いに当接又は近接して配され、相手コネクタ60の嵌合面がダミーコネクタ10の嵌合面によって実質的に閉塞される。
ところで、このダミーコネクタ10の利用態様としては、例えば、図2に示すように、装着部34の下面にワイヤハーネス140を沿わせ、その状態で突出部22とワイヤハーネス140とに外側からテープ150を巻き付けることが可能とされている。つまり、ここでは突出部22の全体がハーネス固定部として機能している。これによれば、ワイヤハーネス140がダミーコネクタ10に保持されるため、ワイヤハーネス140の取り回しの煩雑さが解消される。なお、摘み部40はテープ150の巻回領域を規定する役割をはたす。
また、別の利用態様としては、例えば、図3に示すように、装着部34に対して前方からクリップ120をスライド装着することが可能とされている。この場合、取付案内部31によってフード部63の外壁下面と突出部22の周壁29の外壁下面とがほぼ同一高さで連なるように構成されるため、クリップ120のスライド動作の円滑性が確保される。その後、ダミーコネクタ10は、クリップ120を介して取付対象130に取り付けられる。このように、ダミーコネクタ10が突出部22を有することにより、突出部22の利用態様を種々考案することができ、バリエーションの幅が広がって汎用性が高められる。
また、相手コネクタ60が対をなす雌コネクタとの嵌合を行うのに先立ち、ダミーコネクタ10を相手コネクタ60から離脱させる必要がある。かかる場合には、図1に示すように、例えば、人差し指と親指とでそれぞれ摘み部40を摘みとり、その状態でダミーコネクタ10を相手コネクタ60から引き離してやればよい。このとき、摘み部40が相手コネクタ60との正規嵌合状態において外部に突出して配されているから、従来と違って、ダミーキャップ20の大きさや配向とは無関係に、ダミーコネクタ10を相手コネクタ60から容易かつ円滑に抜き取ることができる。また、摘み部40がダミーキャップ20の両側外面に対をなして設けられているから、摘み部40を両側外方から2本の指で摘みとることができ、抜き取り時の操作性に優れる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8ないし図11によって説明する。
実施形態2に係るダミーコネクタ10は、実施形態1と同様に、電気的な回路形成とは無関係に相手コネクタ60と嵌合可能な合成樹脂製のダミーキャップ20によって構成されている。なお、実施形態1と同様の構造部位には同一符号を付し、相手コネクタ60の構造については実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
実施形態2に係るダミーキャップ20は、図9及び図10に示すように、全体として略角筒状をなす嵌合凹部21からなり、実施形態1と違って突出部22を有していない。嵌合凹部21は、垂直に切り立つ奥壁23と、奥壁23の外周縁から前方へ突出する周壁24とからなり、図8に示すように、周壁24が相手コネクタ60の組付空間に進入可能とされている。周壁24の外壁上面には、ロックアーム66と係止可能なロック部25が突出して設けられ、かつこのロック部25を挟んだ両側に、一対の嵌合リブ26が前後方向に延出して設けられている。相手コネクタ60には各嵌合リブ26を受容可能なリブ受け溝(図示せず)が設けられている。
周壁24の内壁には、前後方向の途中位置に、後方へ向けてテーパ状に窄まる段差27が設けられている。周壁24の内壁のうち、段差27を挟んだ前方(開口側)の領域は後方(奥側)の領域よりも開口面積が大きくされ、ここにはシールリング75が密着可能とされている。
そして、図10及び図11に示すように、奥壁23の内面の幅方向中央部には、前方へ突出するリブ45が設けられている。リブ45は、高さ方向に延びて周壁24の内壁上面及び内壁下面に一体に接合する形状とされ、その前端が周壁24の前後方向中央よりも後方に達している。リブ45の前端面は垂直に切り立つフラットな当接面46とされ、相手コネクタ60の嵌合面の幅方向中央部に筋状に当接可能とされている。嵌合凹部21内には、相手コネクタ60との正規嵌合状態においてリブ45を挟んだ両側に空間部47が保有される。
嵌合凹部21の両側外面の後端縁(奥壁23の幅方向両端)は、相手コネクタ60との正規嵌合状態において外側に露出される部位となり、ここには一対の摘み部40が突出して設けられている。したがって、両摘み部40間には中実の奥壁23が配されることとなる。摘み部40は、指で摘みとることが可能なように左右両側に耳状に張り出すとともに、高さ方向に延びるリブ状に形成されている。摘み部40の両側外面は、高さ方向に垂直に切り立つフラットな指当て面41とされている。また、摘み部40の後面は、奥壁23の後面と面一で連なり、かつ嵌合凹部21全体の後面を構成している。
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、摘み部40が相手コネクタ60との正規嵌合状態において外部に突出して配されているから、ダミーコネクタ10を相手コネクタ60から容易かつ円滑に抜き取ることができる。このとき、摘み部40がダミーキャップ20の両側外面に対をなして設けられているから、摘み部40を両側外方から2本の指で摘みとることができ、抜き取り時の操作性に優れる。また、一対の摘み部40間には中実の奥壁23が配されているから、両摘み部40を両側外方から内向きに大きい力で摘んでも、ダミーキャップ20が撓み変形したりしない。
さらに、嵌合凹部21の奥壁23の内面には相手コネクタ60の嵌合面と当接可能なリブ45が突出して設けられ、嵌合状態において奥壁23の内面と相手コネクタ60の嵌合面との間には空間部47が保有されているから、空間部47を有することなく相手コネクタ60の嵌合面が奥壁23の内面に直接当接している場合に比べて嵌合領域の容積が増加し、ボイルの法則によってダミーコネクタ10と相手コネクタ60との嵌合に伴う嵌合力が小さくなり、嵌合時における作業性が良好となる。
さらに、リブ45が相手コネクタ60の嵌合面に被覆して配されるフロントホルダ80に当接可能とされているから、仮に嵌合前にフロントホルダ80が正規装着状態になくても、嵌合に伴ってリブ45がフロントホルダ80を押圧することで、フロントホルダ80を正規装着位置に至らすことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)相手コネクタは、内部に雄タブを突成させた筒状のフード部を有する雄側ハウジングを備えた雄型コネクタであってもよい。この場合、ダミーキャップは、フード部内に嵌合する部分を有することが望まれる。
(2)実施形態1において、突出部が中実の柱状に形成されていてもよい。
(3)実施形態2において、嵌合凹部の後面には実施形態1の突出部が連なって設けられてもよい。
(4)実施形態2において、リブの形状・配置は特に限定されず、例えば、リブは、奥壁の内面において幅方向に水平に設けられたり、正面視十字形に設けられたりしてもよい。
(5)フロントホルダは、端子金具を抜け止めする機能を有しないものであってもよい。
本発明の実施形態1に係るダミーコネクタの底面図である。 相手コネクタとの正規嵌合状態にあるダミーコネクタにワイヤハーネスが取り付けられた状態を示す側面図である。 相手コネクタとの正規嵌合状態にあるダミーコネクタにクリップが装着された状態を示す側方から見た断面図である。 ダミーコネクタの側方から見た断面図である。 ダミーコネクタの平面図である。 ダミーコネクタの正面図である。 ダミーコネクタの背面図である。 実施形態2に係るダミーコネクタの相手コネクタとの正規嵌合状態を示す側方から見た断面図である。 ダミーコネクタの平面図である。 ダミーコネクタの側方から見た断面図である。 ダミーコネクタの正面図である。
符号の説明
10…ダミーコネクタ
20…ダミーキャップ
21…嵌合凹部
22…突出部
30…段差部
40…摘み部
45…リブ
60…相手コネクタ
80…フロントホルダ

Claims (9)

  1. 相手コネクタに嵌合されて、この相手コネクタの嵌合面を閉塞するダミーキャップを備えたダミーコネクタであって、
    前記ダミーキャップの外面のうち、前記相手コネクタとの嵌合状態において外部に露出される部位には、抜き取り操作用の摘み部が突出して設けられていることを特徴とするダミーコネクタ。
  2. 前記摘み部は、前記ダミーキャップの両側外面に対をなして設けられている請求項1記載のダミーコネクタ。
  3. 前記ダミーキャップにおける前記一対の摘み部間の領域が中実とされている請求項2記載のダミーコネクタ。
  4. 前記ダミーキャップは、前記相手コネクタを受容する筒状の嵌合凹部と、前記嵌合凹部の奥壁に連なってこの嵌合凹部の開口方向とは逆向きに突出する突出部とからなる請求項1ないし3のいずれか1項記載のダミーコネクタ。
  5. 前記突出部は、ワイヤハーネスとともにテープ巻きされるハーネス固定部とされている請求項4に記載のダミーコネクタ。
  6. 前記突出部には、前記ダミーキャップを取付対象に取り付けるためのクリップが装着される取付部が設けられている請求項4又は5に記載のダミーコネクタ。
  7. 前記ダミーキャップには、前記嵌合凹部の外面と前記突出部の外面との間を顎状に連ねる嵌合操作用の段差部が設けられている請求項4ないし6のいずれか1項記載のダミーコネクタ。
  8. 前記ダミーキャップは、前記相手コネクタを受容する筒状の嵌合凹部を有し、前記嵌合凹部の奥壁の内面には前記相手コネクタの嵌合面と当接可能なリブが突出して設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のダミーコネクタ。
  9. 前記リブは、前記相手コネクタの嵌合面に被覆して配されるフロントホルダに当接可能とされている請求項8記載のダミーコネクタ。
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