JP2010108746A - 静電気対策部品およびその製造方法 - Google Patents

静電気対策部品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010108746A
JP2010108746A JP2008279436A JP2008279436A JP2010108746A JP 2010108746 A JP2010108746 A JP 2010108746A JP 2008279436 A JP2008279436 A JP 2008279436A JP 2008279436 A JP2008279436 A JP 2008279436A JP 2010108746 A JP2010108746 A JP 2010108746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge electrode
discharge
cavity
electrode
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008279436A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenori Katsumura
英則 勝村
Hideaki Tokunaga
英晃 徳永
Masakatsu Nawate
優克 縄手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008279436A priority Critical patent/JP2010108746A/ja
Publication of JP2010108746A publication Critical patent/JP2010108746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、寄生容量値が低く、低電圧の静電気印加に対しても動作し、静電気抑制効果が高く、また高電圧の静電気を繰り返し印加してもショートの恐れがない、高性能かつ高信頼性で高速信号回路にも適した静電気対策部品を提供することを目的としている。
【解決手段】素体1の内部に設けられた放電空洞部2と、少なくとも先端部が放電空洞部2と接する面を有する第1放電電極3、第2放電電極4、第3放電電極5および第4放電電極6と、第1放電電極3および第2放電電極4と電気的に接続され素体1の外部に形成された第1端子電極7と、第3放電電極5および第4放電電極6と電気的に接続され素体1の外部に形成された第2端子電極8とを備えた構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電気対策部品、特に信号側配線に侵入する静電気を回避させるための静電気対策部品に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化の要望に応えるため、ICのさらなる微細化、高集積化が進んでいるが、一方で耐電圧が低下している。人体と電子機器の端子などが接触したときに発生する静電気放電サージのようにエネルギの小さいサージでも、ICの破壊や誤動作が発生するようになった。
対策として、静電気が侵入してくる配線とグランド間に静電気対策部品を設け、静電気をバイパスさせICに印加される高電圧を抑える方法が行われている。静電気対策部品は、通常の状態では高抵抗値で電気を流さず、静電気などの高圧信号の侵入により抵抗値が低くなり電気を流す特性を示す部品である。このような特性を有する静電気対策部品としては、ツェナーダイオード、積層チップバリスタ、ギャップ放電素子などが知られている。
従来の静電気対策部品としてのギャップ放電素子は、素体に空洞部を設け、この空洞部に配置された一対以上の放電用電極と、各々の放電用電極に接続する端子電極とが形成されている。通常はオープン状態(絶縁状態)であるが、静電気などの高電圧電流が侵入すると、空洞部内で放電し電流が流れる。
このような、ギャップ放電素子は、通常数十μmのギャップ間隔で隣接する一対の放電用電極を備え、侵入してきた静電気などの放電サージをギャップ間で放電させる方式であり、特許文献1、2などに開示されている。
特開平1−102884号公報 特開平11−154580号公報
ギャップ放電素子は、ツェナーダイオード、積層チップバリスタと比較して寄生静電容量値が根本的に小さい。寄生静電容量値が高くなると、高速信号を取り扱う回路では信号品質を劣化させるため、静電気対策部品の寄生静電容量値は低い方が望ましく、ギャップ放電素子は有利である。また、空洞部は気体であるため高電圧の静電気が印加されても空洞部は破壊されないという点で有利である。
しかし、電圧の低い静電気印加に対しては空洞部内で放電が生じにくく、静電気耐圧が低い最新のICなどのデバイスに対する静電気対策効果が現れない場合があるという課題を有していた。
また一方では、従来よりもさらに高電圧の静電気対策が求められ、さらにその印加頻度を増すことが求められる中、従来の電圧よりもさらに高い電圧の静電気が複数回連続して印加されるとショートしてしまう課題を有していた。静電気対策部品がショート状態となるのは、高電圧の静電気が連続して繰り返し印加されることにより放電用電極が溶け出し、対向する放電用電極に接触したり、放電用電極が溶け出さない場合であっても素体から剥がれて対向する放電用電極に接触したりするためである。静電気は放電時において、瞬間的に2500℃以上の高温に達することがあり、これにより放電用電極が溶け出すおそれがあった。
従来のギャップ放電型静電気対策素子としては、例えば図11に示すように、一方の端子電極105に接続された放電電極103と、他方の端子電極106に接続された放電電極104が、素子101の内部に形成された放電空洞部102を介して対向させた素子構造のものがある(特許文献1)。この構造では、放電電極103と104の対向面積が大きいため、電圧の低い静電気印加に対しても放電空洞部102内で放電が比較的生じやすいという長所があるが、高電圧の静電気が連続して繰り返し印加された場合、放電電極の一部が溶けたり、素体から剥がれたりすることによりショートが発生しやすいという短所を有していた。また寄生静電容量値が比較的大きくなってしまう。
また例えば図12に示すように、ギャップ117を隔て放電電極115と116が基板111の表面上に位置し、これらの上面に放電室カバー118により放電空洞部112を形成することにより一体化した基板111に端子電極113、114を形成した構造のものがある(特許文献2)。この構造では、寄生静電容量値が低いとともに、高電圧の静電気が連続して繰り返し印加してもショート不良に至る可能性は低い。しかし一対の放電電極の表面が基板111の同一平面上にあるため、その物理的位置関係から、電圧の低い静電気印加に対しては一方の放電電極から他方の放電電極へ電子が放出されにくく、静電気保護素子として動作しないという短所を有していた。
本発明は上記問題点を解決するもので、寄生静電容量値が低く、低電圧の静電気印加に対しても動作し静電気抑制効果に優れ、高電圧の静電気を繰り返し印加してもショートの恐れがない高性能かつ高信頼性で高速信号回路にも適した静電気対策部品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、素体と、前記素体の内部に設けられた放電空洞部と、少なくとも先端部が前記放電空洞部と接する面を有する第1放電電極、第2放電電極、第3放電電極および第4放電電極と、第1放電電極および第2放電電極と電気的に接続され前記素体の外部に形成された第1端子電極と、第3放電電極および第4放電電極と電気的に接続され前記素体の外部に形成された第2端子電極とを備え、第1放電電極が放電空洞部と接する面の少なくとも一部と、第2放電電極が放電空洞部と接する面の少なくとも一部は放電空洞部を介して互いに対向し、第3放電電極が放電空洞部と接する面の少なくとも一部と、第4放電電極が放電空洞部と接する面の少なくとも一部は放電空洞部を介して互いに対向し、第1放電電極と第3放電電極は互いにそれぞれの先端部においてギャップを隔て同一平面空間内に位置し、第2放電電極と第4放電電極は互いにそれぞれの先端部においてギャップを隔て同一平面空間内に位置させることとした構成である。
本発明によれば、第1放電電極、第2放電電極、第3放電電極、第4放電電極の放電空洞部内の物理的位置関係から、寄生静電容量値を低くできるとともに、高電圧の静電気が連続して繰り返し印加された場合、放電電極が溶融したり、素体から剥がれたりしてもショートに至る可能性は極めて低い。また静電気対策素子の極性が異なる第1放電電極と第3放電電極、および第2放電電極と第4放電電極はそれぞれ先端部においてギャップを隔てて同一平面空間に位置しているとともに、同じく極性の異なる第1放電電極の表面と第4放電電極の表面、第2放電電極の表面と第3放電電極の表面は、放電空洞部を介してお互い露出しているため、静電気の印加によって高い電界が放電空洞部に生じるとともに、放電電極表面から電子が飛び出し放電しやすい構造となっている。
このような構造であるので寄生静電容量値が低く、低電圧の静電気印加に対しても動作し静電気抑制効果に優れ、高電圧の静電気を繰り返し印加してもショートの恐れがない高性能かつ高信頼性で高速信号回路にも適した静電気対策部品を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態における静電気対策部品について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における静電気対策部品の側面からの断面図である。本発明の実施の形態1における静電気対策部品は、素体1と、素体の内部に設けられた放電空洞部2と、少なくとも先端部が放電空洞部2と接する面を有する第1放電電極3、第2放電電極4、第3放電電極5および第4放電電極6と、第1放電電極3および第2放電電極4と電気的に接続され素体1の外部に形成された第1端子電極7と、第3放電電極5および第4放電電極6と電気的に接続され素体1の外部に形成された第2端子電極8とを備えている。また第1放電電極3が放電空洞部2と接する面の少なくとも一部と、第2放電電極4が放電空洞部2と接する面の少なくとも一部は、放電空洞部2を介して互いに対向している。さらに第3放電電極5が放電空洞部2と接する面の少なくとも一部と、第4放電電極6が放電空洞部2と接する面の少なくとも一部は、放電空洞部2を介して互いに対向している。さらに第1放電電極3と第3放電電極5は互いにそれぞれの先端部においてギャップ9を隔て同一平面空間内に位置し、第2放電電極4と第4放電電極6は互いにそれぞれの先端部においてギャップ10を隔て同一平面内に位置している。
また図2は放電空洞部2を境界とした平面断面図であり、第1放電電極3と第3放電電極5がギャップ9を隔て同一平面上で位置していることを示している。
素体1は、アルミナ、フォルステライト、ステアタイト、ムライト、コージライトのうち選ばれる少なくとも一つのセラミック組成物を主成分として含有する絶縁体が望ましい。これらの絶縁体は、比誘電率が15以下と低く、寄生容量値を低減できるからである。
第1〜第4放電電極3、4、5、6は、タングステンを主成分とする金属で形成している。本発明はこれに限定されるものではないが、静電気放電時の高温に耐えるために、タングステンのような高融点の金属が望ましい。また静電気抑制効果の高い静電気対策部品を得るためには、静電気などのサージが印加されたとき、第1〜第4放電電極3〜6の表面から電子が放出性能を示す仕事関数の低い金属であることが望ましい。その観点からはアルミニウム、チタン、タングステン、金、銅などが望ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
また第1〜第4放電電極3、4、5、6と端子電極7、8は、静電気進入時の衝撃に耐えられる固着力を確保するために、同じ種類の金属、またはお互い合金を形成する金属で形成するのが望ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
また第1放電電極3と第2放電電極4、および第3放電電極5と第4放電電極6は、図1のように放電空洞部2上下の放電電極形成方向のほぼ同じ位置(5μm未満の精度)に形成され、放電空洞部2を介して対向している。
また第1放電電極3と第3放電電極5とのギャップ9の間隔は、第2放電電極4と第4放電電極6とのギャップ10と同じ間隔とした。
また素子の大きさは横1.6mm×縦0.8mm×高さ0.8mm、放電空洞部の底面の大きさは横0.6mm×縦0.3mm、全ての放電電極の幅は0.25mm、電極の厚みは約5μmとなるよう形成した。
静電気対策部品の評価方法について説明する。
図3は静電気試験方法の説明図で、静電気放電ガン12からIEC61000−4−2規格に準ずる静電気シミュレーション波形を一方の端子電極をグランドに接続した静電気対策部品11に入力し、デジタルオシロスコープ13で静電気波形を観測する。
図4は、静電気放電ガンによって静電気シミュレーション波形を入力し、静電気対策部品11内で放電が起きた場合にデジタルオシロスコープ13で観測される静電気波形の一例である。初期に高電圧のピークが観測され、その後すぐに減衰する。この高電圧ピークにより機器の故障、誤作動が引き起こされると考えられ、この電圧が低いほど静電気抑制効果の優れた静電気対策部品であると言える。この電圧を抑制ピーク電圧と呼び、入力した静電気電圧に対して測定する。一方観測される静電気波形と入力した静電気シミュレーション波形が同じ場合は、静電気対策部品11内で放電が起きておらず静電気対策部品として動作していないことを意味する。入力電圧を2kVから1kVずつ順次高電圧へ上げていき、図4に示したような波形が観測された入力電圧をトリガー開始電圧と呼ぶ。この電圧が低いほど、低電圧の静電気に対しても動作する優れた静電気対策部品であると言える。
図5、図6は本発明の静電気対策部品に対する比較例を示したものである。図5の比較例は第1放電電極3と第3放電電極5がない構成で、第2放電電極4と第4放電電極6がギャップ10を隔て位置された構成であり、本質的に特許文献2と同じである。また図6の比較例は第2放電電極4と第3放電電極5がない構成で、第1放電電極3の先端と第4放電電極6の先端が放電空洞部2を隔て位置している。特許文献1と似た構成であるが、放電空洞部2を介して対向するように投影した際、重複する部分がなく、高電圧の静電気を繰り返し印加してもショートしにくい構造としている。
(表1)に、本発明の構成で検討した静電気対策部品の第1放電電極と第2放電電極間の距離(放電空洞部の高さ)、第1放電電極と第3放電電極とのギャップ間隔と、トリガー開始電圧、8kVにおける抑制ピーク電圧を示す。また比較例として図5、図6の構成で作製した静電気対策部品の検討した結果と比較する。なお、(表1)中のA〜Iは本発明の図1に該当する構造のもので、Jは比較例としての図5、Kは比較例としての図6にそれぞれ該当するものである。
Figure 2010108746
(表1)に示した結果のように、本発明の構成で作製した静電気対策部品A〜Iは、トリガー開始電圧が4kV〜6kV、8kVにおける抑制ピーク電圧が650V〜900Vと概ね良好な結果が得られた。一方比較例であるJ、Kのトリガー開始電圧は8kVよりも高かったため、8kVの抑制ピーク電圧は測定できなかった。IEC61000−4−2規格で規定されている印加電圧は、最も印加電圧の高いレベル4でも8kVであることから(レベルXを除く)、トリガー開始電圧が8kVよりも大きくなっては、静電気対策部品として不適格である。
放電高さ、ギャップ間隔が同じで構造の異なるサンプルAとサンプルJを比較すると、ギャップ間隔は同じなので、放電電極間の電界は同じであるが、サンプルJでは電位の異なる放電電極が同一平面上にあるのに対し、サンプルAではギャップが放電空洞部の上下2カ所あり、電位の異なる放電電極の表面が放電空洞部を介して露出しているため、電極表面からの電子放出性が高まり、トリガー開始電圧、抑制ピーク電圧を低下させるものと推定される。またサンプルKでは、第1放電電極と第4放電電極の電界は、放電空洞部を介した各電極先端の距離で決まることになり、素子表面上のギャップで電界が決まるサンプルAなどと比較すると電界が不安定となり、トリガー開始電圧、および抑制ピーク電圧が高くなってしまうものと推定される。
放電空洞部の高さは低く、ギャップ間隔は狭くなるほどトリガー開始電圧および抑制ピーク電圧は低くなる傾向にある。しかし、放電空洞部の高さを10μmよりも低くしようとすると、放電空洞部がセラミック材料で埋まってしまい容易に形成できなくなるなどの不具合が生じる可能性が高い。またギャップ間隔を25μmよりも狭くしようとすると、スクリーン印刷等のコストの安い厚膜プロセスが使えないなどの不具合が生じやすい。
また逆に、放電空洞部が高く、ギャップ間隔が広くなるほど、トリガー開始電圧および抑制ピーク電圧は高くなる傾向にあるが、素子の大きさ、放電電極の幅にも関係するので、本発明は特に限定しないが、本実施の形態のように小形で優れた特性を有する静電気対策部品を低コストで容易に得るためには、(表1)に示した範囲内、すなわち第1放電電極と第2放電電極間の距離(放電空洞部の高さ)を10μm以上50μm以下、第1放電電極と前記第3放電電極とのギャップ間隔および第2放電電極と第4放電電極とのギャップ間隔が25μm以上75μm以下であることがより好ましい。なお本実施の形態では、第1放電電極と前記第3放電電極とのギャップ間隔と第2放電電極と第4放電電極とのギャップ間隔を同じ間隔としたが、本発明の範囲内であれば特に限定しない。
次に15kVの静電気電圧を250回まで繰り返し連続放電印加し、繰り返し試験後の静電気対策部品の絶縁抵抗値を測定した。本発明の構成で作製した静電気対策部品A〜Iはいずれも繰り返し試験後の絶縁抵抗値は、試験前の絶縁抵抗値5×1010Ωから2×108Ω〜5×1010Ωとほとんど変わらず、繰り返し試験によるショート不良は認められなかった。繰り返し試験後の素子内放電空洞部を、X線CT法で観察したところ、第1放電電極と前記第3放電電極とのギャップ、第2放電電極と第4放電電極とのギャップには金属物質は確認されず、またそれらの間隔は試験前よりも広がっており、本発明による放電電極構造はショート不良がきわめて発生しにくい構造であることを確認した。
次に、本発明の静電気対策部品の製造方法について図を用いて説明する。なおセラミック素体材料としてフォルステライトにホウケイ酸アルカリ土類ガラスを5wt%加えた混合材料、第1〜第4放電電極としてタングステンを用いているが、本発明の範囲内であれば特に限定するものではない。
以下に、以上のように構成された実施の形態1における静電気対策部品の製造方法について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1における静電気対策部品の製造方法の説明図である。
平均粒径約2μmのフォルステライト−ガラス混合粉にアクリル樹脂、可塑剤を加えトルエン等の溶剤で混合したスラリーからドクターブレード法などによって約100μm厚のグリーンシート21を作製する。このグリーンシート上に、直径200μmの孔22、23を金型などによってあけ、後の全ての印刷工程における基準穴とする。
平均粒径1μmのタングステン粉を用いて印刷用ペーストを作製し、上記フォルステライトグリーンシート21上に、孔22、23を基準として第1放電電極となる第1金属層24と第3放電電極となる第3金属層25をスクリーン印刷法によってパターン形成する。
次にグリーンシートを作製した同じフォルステライト−ガラス混合粉を用いて印刷用ペーストを作製し、グリーンシート21、第1金属層24と第3金属層25の上に空洞部壁層26(空洞部を抜いたパターン)をスクリーン印刷法によってパターン形成する。
直径約3μmのアクリルビーズとアクリル系樹脂を混練した樹脂ペーストを作製し、空洞部壁層26に囲まれた空洞形成部27に、スクリーン印刷法によって印刷充填する。なお樹脂ペーストとして、アクリル系樹脂を用いているのは、アクリル系樹脂が他の樹脂と比較して低温で分解しやすいため、焼成後に空洞形成部27周辺の欠陥が発生しにくいという効果があるからであり、他の樹脂であってもさらに低温で分解しやすい樹脂であればよい。またアクリルビーズは後工程のプレス工程によって空洞形成部27が変形しないようにするために混合している。
これをプレスすることによって表面を平坦化した後、その上部に第2放電電極となる第2金属層28と第4放電電極となる第4金属層29を、それぞれ第1金属層24、第3金属層25と対向するようにスクリーン印刷によってパターン形成する。
部品としての厚みをかせぐために、上下に無効層グリーンシート30を複数枚積層する。通常グリーンシート積層体内には複数個の部品が集積されているため、個片分割切断ライン31に沿ってカッターによって切断して個々の部品に分離する。
これらを300℃で熱処理して樹脂成分を飛散させた後、窒素水素混合ガス(グリーンガス)雰囲気において1250℃で一体焼成する。空洞形成部27に充填されたアクリルビーズと樹脂成分はこれらの工程で飛散し空洞部が形成される。最後に素体側面に第1〜第4放電電極24、25、28、29と接続する端子電極(図7では図示せず)を形成することにより、図1に示す本発明の静電気対策部品が得られる。
この方法によれば、第1〜第4放電電極24、25、28、29、空洞部壁層26、空洞形成部27は全てグリーンシート21上にあけた孔22、23を基準として形成しているので、放電空洞部と各放電電極をきわめて高い位置精度で形成することができる。
なお、図7における第1金属層24は最終的には図1における第1放電電極3に該当し、同様に第3金属層25は第3放電電極5に、第2金属層28は第2放電電極4に、第4金属層29は第4放電電極6に該当する。グリーンシート21、空洞部壁層26および無効層グリーンシート30は素体1に該当し、空洞形成部27は放電空洞部2に該当するものである。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における静電気対策部品について、図8を用いて説明をする。
図8は、本発明の実施の形態2における静電気対策部品の側面断面図である。図8において、図1と同じ構成要素には同じ符号を付している。
本実施の形態の静電気対策部品は、第1放電電極3と第3放電電極5、第2放電電極4と第4放電電極6の放電空洞部2に対する形成位置をずらし、第1放電電極3の先端部の一部と第4放電電極6の先端部の一部が放電空洞部2を介して対向させた場合について検討した。このとき前記第1放電電極および前記第4放電電極を互いに対向している方向へ投影した際に重複する部分の長さをdとする。
(表2)に空洞の高さ30μm、ギャップ間隔50μmで、dを5、25、35μmと変えたときのトリガー開始電圧、8kV印加における抑制ピーク電圧、および15kVの静電気電圧を250回まで繰り返し連続放電印加し、繰り返し試験後の静電気対策部品の絶縁抵抗値を示した。なおいずれのサンプルも繰り返し試験前の絶縁抵抗値は3〜5×1010Ωであった。
Figure 2010108746
(表2)の結果から明らかなようにサンプルL〜Nは、第1放電電極3と第4放電電極6の対向長さdの値を変えても、空洞の高さ30μm、ギャップ間隔50μmが同じサンプルEと比較して、トリガー開始電圧、8kV印加における抑制ピーク電圧はほとんど変わらないが、dが空洞の高さ(第1放電電極3と第2放電電極4の距離)30μmを超えると繰り返し試験後の絶縁抵抗値は、ショートには至らないものの105Ω台まで低下し、シビアなESD試験条件を求められる場合には望ましくない。図8のように第1放電電極3の先端部の一部と第4放電電極6の先端部の一部が放電空洞部2を介して対向させた場合は、第1放電電極3と第4放電電極6の対向長さdを空洞の高さ(第1放電電極3と第2放電電極4の距離)よりも短くすることが望ましい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における静電気対策部品について、図9を用いて説明をする。
図9は、本発明の実施の形態3における静電気対策部品の放電空洞部における平面断面図である。図9において、図2と同じ構成要素には同じ符号を付している。
本実施の形態の静電気対策部品は、第1放電電極3、第2放電電極4、第3放電電極5および第4放電電極6の先端部はいずれも凹部と凸部とが交互に形成された形状であり、第1放電電極3の凹部は第3放電電極5の凸部と、第1放電電極3の凸部は第3放電電極5の凹部とそれぞれギャップを隔てて対向して位置している。また第2放電電極4の凹部は第4放電電極6の凸部と第2放電電極4の凸部は第4放電電極6の凹部とそれぞれギャップを隔てて対向して位置している。
空洞の高さ30μm、ギャップ間隔50μm(凹部、凸部先端の間隔)とし放電電極3〜6の先端が直線のサンプルEと比較すると、図9の構成の静電気対策部品のトリガー開始電圧は3kV、8kVを印加したときの抑制ピーク電圧は550Vといずれも低くなった。これは、静電気電圧が入力されたとき放電電極の凹部、凸部を形成している先端部分に電界が集中しやすく、電子放出性が高まるためと推定される。なお15kVの静電気電圧を250回まで繰り返し連続放電印加し、繰り返し試験後の静電気対策部品の絶縁抵抗値は9×109Ωであり、放電電極先端が直線の場合と変わらないことを確認した。
また図10のように、第1放電電極3と第3放電電極5、第2放電電極4と第4放電電極6の放電空洞部2に対する形成位置をずらし、前記第1放電電極および前記第4放電電極を互いに対向している方向へ投影した際に重複する部分の長さをdとした場合、dの値が空洞の高さ(第1放電電極3と第2放電電極4の距離)よりも短い場合は、実施の形態2の結果と同様、繰り返し試験後の静電気対策部品の絶縁抵抗値は108Ω台以上を確保できるが、長くなると106Ω未満となる場合があり、好ましくない。
なお、実施の形態1〜3の静電気対策部品において、いずれも、素体1を一つの材料で放電空洞部2を囲む構成になっているが、複数の構成要素で素体1を構成してもよく、さらに、この複数の構成要素が互いに異なる材料からなるものであってもよい。
以上のように、本発明にかかる静電気対策部品は、寄生容量値が小さく、低電圧の静電気印加に対しても動作し、静電気抑制効果が高く、また高電圧の静電気を繰り返し印加してもショート不良の恐れがない、高性能かつ高信頼性で高速信号回路にも適した静電気対策部品であるため、静電気対策が要求される各種機器、デバイスに広く適用できる。
本発明の実施の形態1における静電気対策部品の側面断面図 本発明の実施の形態1における静電気対策部品の放電空洞部平面断面図 静電試験方法の説明図 入力静電気電圧に対する静電気抑制ピーク電圧の関係を示す特性グラフ 比較例を示す側面断面図 比較例を示す側面断面図 本発明の実施の形態1における静電気対策部品の製造方法の説明図 本発明の実施の形態2における静電気対策部品の側面断面図 本発明の実施の形態3における静電気対策部品の放電空洞部平面断面図 本発明の実施の形態3における静電気対策部品の放電空洞部平面断面図および側面断面図 先行技術に係る平面断面図 先行技術に係る平面断面図
符号の説明
1 素体
2 放電空洞部
3 第1放電電極
4 第2放電電極
5 第3放電電極
6 第4放電電極
7、8 端子電極
9、10 ギャップ間隔
11 静電気対策部品
12 静電気放電ガン
13 デジタルオシロスコープ
21 グリーンシート
22、23 印刷基準穴
24 第1放電電極
25 第3放電電極
26 空洞部壁層
27 空洞形成部
28 第2放電電極
29 第4放電電極
30 無効層グリーンシート
31 個片分割切断ライン
101 素子
102 放電空洞部
103、104 放電電極
105、106 端子電極
111 基板
112 放電空洞部
113、114 端子電極
115、116 放電電極
117 ギャップ
118 放電室カバー

Claims (6)

  1. 素体と、
    前記素体の内部に設けられた放電空洞部と、
    少なくとも先端部が前記放電空洞部と接する面を有する第1放電電極、第2放電電極、第3放電電極および第4放電電極と、
    前記第1放電電極および前記第2放電電極と電気的に接続され前記素体の外部に形成された第1端子電極と、
    前記第3放電電極および前記第4放電電極と電気的に接続され前記素体の外部に形成された第2端子電極とを備え、
    前記第1放電電極が前記放電空洞部と接する面の少なくとも一部と、前記第2放電電極が前記放電空洞部と接する面の少なくとも一部は、前記放電空洞部を介して互いに対向し、前記第3放電電極が前記放電空洞部と接する面の少なくとも一部と、前記第4放電電極が前記放電空洞部と接する面の少なくとも一部は、前記放電空洞部を介して互いに対向し、前記第1放電電極と前記第3放電電極は互いにそれぞれの先端部においてギャップを隔て同一平面空間内に位置し、
    前記第2放電電極と前記第4放電電極は互いにそれぞれの先端部においてギャップを隔て同一平面空間内に位置している静電気対策部品。
  2. 前記第1放電電極と前記第2放電電極間の距離が10μm以上50μm以下、前記第1放電電極と前記第3放電電極とのギャップ間隔および前記第2放電電極と前記第4放電電極とのギャップ間隔が25μm以上75μm以下である請求項1記載の静電気対策部品。
  3. 前記第1放電電極が前記放電空洞部と接する面の一部と前記第4放電電極が前記放電空洞部と接する面の一部が前記放電空洞部を介して互いに対向し、または前記第2放電電極が前記放電空洞部と接する面の一部と前記第3放電電極が前記放電空洞部と接する面の一部が前記放電空洞部を介して互いに対向しており、前記第1放電電極および前記第4放電電極を互いに対向している方向へ投影した際に重複する部分の長さが、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の長さよりも短い、または前記第2放電電極および前記第3放電電極を互いに対向している方向へ投影した際に重複する部分の長さが、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の長さよりも短い請求項1記載の静電気対策部品。
  4. 前記第1放電電極、前記第2放電電極、前記第3放電電極および前記第4放電電極の先端部はいずれも凹部と凸部とが交互に形成された形状であり、前記第1放電電極の凹部は前記第3放電電極の凸部と前記第1放電電極の凸部は前記第3放電電極の凹部とそれぞれギャップを隔てて対向して位置し、前記第2放電電極の凹部は前記第4放電電極の凸部と前記第2放電電極の凸部は前記第4放電電極の凹部とそれぞれギャップを隔てて対向して位置する請求項1記載の静電気対策部品。
  5. 前記素体は、アルミナ、フォルステライト、ステアタイト、ムライト、コージライトのうちから選ばれる少なくとも一つのセラミック組成物を含有する絶縁体である請求項1記載の静電気対策部品。
  6. 請求項1に記載の静電気対策部品を製造する方法であって、
    絶縁体からなる第1グリーンシート上に第1放電電極となる第1金属層および第3放電電極となる第3金属層を形成する工程と、
    前記第1金属層および前記第2金属層上に樹脂ペーストを形成する工程と、
    前記樹脂ペースト上に第2放電電極となる第2金属層および第4放電電極となる第4金属層を形成する工程と、
    前記樹脂ペーストを介在した前記第1〜第4金属層を被覆するように、前記第1グリーンシート上に絶縁体からなる第2グリーンシートを積層する工程と、
    前記樹脂ペーストを介在した前記第1〜第4金属層および前記第1、第2グリーンシートを一体焼成し、前記樹脂ペーストの樹脂成分を揮発させて放電空洞部を形成した素体を形成する工程を備えることを特徴とした静電気対策部品の製造方法。
JP2008279436A 2008-10-30 2008-10-30 静電気対策部品およびその製造方法 Pending JP2010108746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008279436A JP2010108746A (ja) 2008-10-30 2008-10-30 静電気対策部品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008279436A JP2010108746A (ja) 2008-10-30 2008-10-30 静電気対策部品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010108746A true JP2010108746A (ja) 2010-05-13

Family

ID=42297997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008279436A Pending JP2010108746A (ja) 2008-10-30 2008-10-30 静電気対策部品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010108746A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203638A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 株式会社村田製作所 Esd保護装置
JP2015135981A (ja) * 2011-07-08 2015-07-27 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 過電圧保護構成要素
WO2016080108A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 株式会社村田製作所 Esd保護素子、およびesd保護素子付きコモンモードチョークコイル
JP2018182321A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 プレシディオ・コンポーネンツ・インコーポレイテッド 内部エアギャップキャパシタンスを備える多層広帯域セラミックキャパシタ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01175190A (ja) * 1987-12-28 1989-07-11 Murata Mfg Co Ltd チップ型アレスタ
JPH08236260A (ja) * 1995-02-27 1996-09-13 Mitsubishi Materials Corp チップ型サージアブソーバ及びその製造方法
JP2000243534A (ja) * 1999-02-17 2000-09-08 Mitsubishi Materials Corp チップ型サージアブソーバ及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01175190A (ja) * 1987-12-28 1989-07-11 Murata Mfg Co Ltd チップ型アレスタ
JPH08236260A (ja) * 1995-02-27 1996-09-13 Mitsubishi Materials Corp チップ型サージアブソーバ及びその製造方法
JP2000243534A (ja) * 1999-02-17 2000-09-08 Mitsubishi Materials Corp チップ型サージアブソーバ及びその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015135981A (ja) * 2011-07-08 2015-07-27 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 過電圧保護構成要素
JP2017050557A (ja) * 2011-07-08 2017-03-09 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 過電圧保護構成要素
JP2018191002A (ja) * 2011-07-08 2018-11-29 ケメット エレクトロニクス コーポレーション 過電圧保護構成要素
WO2014203638A1 (ja) * 2013-06-21 2014-12-24 株式会社村田製作所 Esd保護装置
JP6079880B2 (ja) * 2013-06-21 2017-02-15 株式会社村田製作所 Esd保護装置
JPWO2014203638A1 (ja) * 2013-06-21 2017-02-23 株式会社村田製作所 Esd保護装置
WO2016080108A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 株式会社村田製作所 Esd保護素子、およびesd保護素子付きコモンモードチョークコイル
JP5991453B1 (ja) * 2014-11-19 2016-09-14 株式会社村田製作所 Esd保護素子、およびesd保護素子付きコモンモードチョークコイル
US10062501B2 (en) 2014-11-19 2018-08-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. ESD protection device and common mode choke coil with built-in ESD protection device
JP2018182321A (ja) * 2017-04-10 2018-11-15 プレシディオ・コンポーネンツ・インコーポレイテッド 内部エアギャップキャパシタンスを備える多層広帯域セラミックキャパシタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167967B2 (ja) 静電気対策部品の製造方法
JP4984011B2 (ja) Esd保護デバイスおよびその製造方法
JP5029698B2 (ja) 静電気対策部品の製造方法
KR101254212B1 (ko) Esd 보호 디바이스
US8345404B2 (en) Anti-static part and its manufacturing method
JP2007265713A (ja) 静電気保護材料ペーストおよびそれを用いた静電気対策部品
KR20120062821A (ko) Esd 보호 디바이스 및 그 제조 방법
JP5649391B2 (ja) Esd保護デバイス
JP5971416B2 (ja) Esd保護装置
JP2010108746A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP2010087071A (ja) 電気回路
JP2009152348A (ja) 静電気対策部品
JP2009267202A (ja) 静電気対策部品
JP6079880B2 (ja) Esd保護装置
JP5757372B2 (ja) Esd保護デバイス
JP2010027636A (ja) 静電気対策部品
JP6428938B2 (ja) Esd保護装置
JP5614563B2 (ja) Esd保護デバイスの製造方法
JP2016157896A (ja) 過電圧保護部品および過電圧保護部品用の過電圧保護材料
JP2010097791A (ja) 過電圧保護部品
JP2009212037A (ja) 静電気対策部品およびその製造方法
JP2010232246A (ja) 過電圧保護部品
JP2010086841A (ja) 過電圧保護部品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111013

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20111114

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130528