JP2010108089A - 作業時間測定システム - Google Patents

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Masanori Okano
正紀 岡野
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Abstract

【課題】作業時間測定システムにおいて、簡単な構成により、安価で小さな部品を扱う組立工程であっても作業者に負担をかけることなく容易にリアルタイムに作業時間を測定可能とする。
【解決手段】作業時間測定システム1は、部品が取り出されたことを部品棚10を識別して検知して検知情報20を出力するピッキングセンサ2と、作業者Mを識別する情報を有し作業者Mに付帯されたICタグ3と、部品棚10から部品を取り出す作業空間に配置され、ICタグ3から作業者情報30を読み取りその情報を出力するICタグ検知手段4と、検知情報20が出力された際に、その検知情報20と作業者情報30と時刻情報とを記憶する作業履歴記憶手段5と、を備え、ピッキングセンサ2の各々はICタグ検知手段4のいずれか1つに対して空間的に対応付けられており、検知情報20と作業者情報30とが前記対応付けでもって対応付けられて作業履歴記憶手段5に記憶される。
【選択図】図1

Description

本発明は、製品に部品を組み付ける作業における作業時間測定システムに関する。
従来から、製品に部品を組み付ける作業を改善するため、作業者の作業時間を測定することが重要な評価項目とされている。作業時間は、例えば、部品を取る作業者の腕を検出するピッキングセンサを部品箱の周囲に配置し、n個目の組付部品と(n+1)個目の組付部品のピッキング時刻の差として測定することができる。また、小型の情報チップであるICタグとICタグセンサを用いてICタグを付けた部品が室内のどこにあるかを把握して部品に関する作業時間を測定したり、作業の様子をビデオカメラで撮影した後にコマ送り再生して作業者の作業時間を測定したりする方法が提案されている。
また、作業者と被作業物のそれぞれにICタグを取り付け、所定の受信可能領域に滞在した時間を各ICタグの読み取りによって取得し、その読取時間から作業者と被作業物に関する作業時間を収集する作業時間測定システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−115722号公報
しかしながら、上述のいずれの方法もそれぞれ問題がある。すなわち、現実の生産工程内の作業時間測定システムに上述のピッキングセンサの技術を適用しても、複数の作業者が同じ部品箱を使用する場合、作業者の特定ができないため測定に誤差が含まれることになる。また、ICタグを部品毎に付ける方法は、ICタグを付ける手間、コスト、貼付スペースの確保などの観点から、小さくて安い部品には適用することができない。さらに、ビデオ分析の方法は、作業時間の何倍もの時間が作業時間測定にかかるため、現実的でなく、また、リアルタイムの測定ができない。また、上述した特許文献1に示されるような作業時間測定システムにおいては、小さな部品には上記同様に対応できない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、安価で小さな部品を扱う組立工程であっても作業者に負担をかけることなく容易にリアルタイムに作業時間を測定することができる作業時間測定システムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、部品毎に設けられた部品棚から部品を取り出して製品に組み付ける作業における作業時間を測定するための作業時間測定システムにおいて、各部品棚から部品が取り出されたことを部品棚を識別して検知すると共にその検知情報を出力するピッキングセンサと、作業者を識別する情報を有し作業者に付帯されて移動するICタグと、部品棚から部品を取り出すための作業空間に配置され、作業者に付帯されたICタグから作業者情報を読み取りその情報を出力するICタグ検知手段と、前記ピッキングセンサから検知情報が出力された際に、その検知情報と前記ICタグ検知手段からの作業者情報と時刻情報とを記憶する作業履歴記憶手段と、を備え、前記ピッキングセンサの各々は前記ICタグ検知手段のいずれか1つに対して空間的に対応付けられており、ピッキングセンサが出力する検知情報とICタグ検知手段が出力する作業者情報とが前記対応付けでもって対応付けられて前記作業履歴記憶手段に記憶されるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の作業時間測定システムにおいて、前記作業履歴記憶手段は、前記ピッキングセンサが検知情報を出力した後の一定時間内のみ、前記ICタグ検知手段から出力された作業者情報を記憶するものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業時間測定システムにおいて、前記ICタグ検知手段は、一定時間内に複数のICタグから作業者情報を読み取ったときに読取頻度または読取信号強度の高い方の情報を選択するタグ情報フィルタ手段を備えたものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業時間測定システムにおいて、作業者が部品を取り出すために移動する経路が予め定まっている場合に、前記経路の情報と前記各ICタグ検知手段から出力される作業者情報の時系列情報とを比較して不適切な作業者情報を破棄する情報破棄手段を備えたものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作業時間測定システムにおいて、所定の一連の作業を動画として撮像して上書き録画する一時記憶手段と、前記一連の作業について2系統の動画を記録する動画記録手段と、を備え、前記動画記録手段は、前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて前記一連の作業に要した作業時間を求めて過去のベストタイムおよびワーストタイムと比較し、その比較結果に基づいて前記2系統の動画を前記一時記憶手段における動画によって更新するものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業時間測定システムにおいて、前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、その比較結果に基づいて再生速度を変更した音響を作業者に聞かせる作業テンポ伝達手段を備えたものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業時間測定システムにおいて、前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、前記作業時間が前記標準作業時間に近いとき、遅いとき、早いときの3段階に分けて表示灯を切り替える作業速度表示手段を備えたものである。
請求項1の発明によれば、部品棚からの部品取り出しを検出するので、安価で小さな部品を扱う組立工程であっても対応できる。また、ピッキングセンサとICタグ検知手段の空間的対応付けによって、誰がどの部品を取り出したかを部品取り出し毎に特定でき、容易かつリアルタイムに作業時間を測定することができる。また、作業者にはICタグを付帯すればよいので、作業者に負担をかけることなく容易に作業時間を測定できる。
請求項2,3,4の発明によれば、ICタグ検知手段の誤検知を低減でき、誰がどの部品を取り出したかを信頼性良く対応付けて作業時間を測定できる。
請求項5の発明によれば、リアルタイムに作業者のベストタイムとワーストタイムの動作を確認することができる。また、作業者のすべての作業状態を録画する必要がないので、録画のための記憶容量が少なくてすむ。
請求項6,7の発明によれば、作業者に負担をかけることなく、リアルタイムに現在の作業の遅速を作業者に伝えることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る作業時間測定システムについて、図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係る作業時間測定システムを示す。作業時間測定システム1は、部品毎に設けられた部品棚10から部品を取り出して製品に組み付ける作業における作業時間を測定するためのシステムであり、各部品棚10から部品が取り出されたことを部品棚10を識別して検知すると共にその検知情報20を出力するピッキングセンサ2と、作業者Mを識別する情報を有し作業者Mに付帯されて移動するICタグ3と、部品棚10から部品を取り出すための作業空間に配置され、作業者Mに付帯されたICタグ3から作業者情報30を読み取りその情報を出力するICタグ検知手段4と、ピッキングセンサ2から検知情報20が出力された際に、その検知情報20とICタグ検知手段4からの作業者情報30と時刻情報とを記憶する作業履歴記憶手段5と、を備えている。ピッキングセンサ2の各々はICタグ検知手段4のいずれか1つに対して空間的に対応付けられており、ピッキングセンサ2が出力する検知情報20とICタグ検知手段4が出力する作業者情報30とが前記対応付けでもって対応付けられて作業履歴記憶手段5に記憶される。
各構成をさらに詳述する。部品棚10は、部品毎に設けられ、1つの部品棚10には1種類の部品のみが必要数収納されている。各部品棚10は、本実施形態では、水平方向に開口する箱から成り、作業者Mが立った状態で開口から手を差し入れて部品を取り出す構造になっている。各部品棚10は、部品の組み付け作業に必要な各部品を取り出しやすいように、幾つかの部品棚10毎にまとめて、部品を取り出す作業空間に配置されている。例えば、本実施形態の場合、上下3段左右3列の合計9つの部品棚10がまとめられて、領域A,B,・・に配置されている。
部品棚10の開口の左右には、縦長の発光部2aと縦長の受光部2bとが対向配置され、これらがピッキングセンサ2を構成している。ピッキングセンサ2は、作業者Mが部品棚10に手を入れたときに発光部2aからの光が遮光され受光部2bにおける受光信号が変化することにより、作業者Mによる部品のピッキングを検知する。ピッキングセンサ2が出力する検知情報20は、ピッキングセンサ2が各部品棚10毎に設けられていることにより、いずれの部品棚10から、何時、部品が取り出されたか、すなわちピッキングされたかを識別する情報となる。
ICタグ3は、本実施形態に示すように立った状態で部品取出作業をする作業者Mの脚部に付帯されて、作業者Mと共に移動する。ICタグ3は、小型の集積回路チップであって、RFID(電波による個体識別)タグの一種である。個体識別情報(作業者情報)を埋め込んだタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m)の無線通信によって情報を読み取ることができる。
ICタグ検知手段4は、作業者Mの脚部におけるICタグ3から作業者情報を読み取るために、部品を取り出す作業空間の床面に配置されている。ICタグ検知手段4は、例えば、定期的にICタグ3を読み取る動作を行い、読み取りが成功した場合に作業者情報30を出力するという動作を繰り返す。
ICタグ検知手段4をどのように配置するかは、本実施形態の作業時間測定システム1における重要事項である。ICタグ検知手段4は、上述の領域A,B,・・毎にまとめて配置された部品棚10に対応付けて、領域A,B,・・毎に配置されている。従って、ピッキングセンサ2の各々はICタグ検知手段4のいずれか1つに対して空間的に対応付けられる。このような配置により、例えば、領域Aにおけるいずれかの部品棚10から部品を取り出す作業者MのICタグ3は、領域Aの床面に配置されたICタグ検知手段4によってのみ読み取られる。従って、ピッキングセンサ2が出力する検知情報20とICタグ検知手段4が出力する作業者情報30とが上述の空間的な対応付けでもって対応付けられる。これはつまり、作業履歴記憶手段5に記憶された検知情報20と作業者情報30とによって、誰が、何時、どの部品を取り出したかについて確定できることを意味する。
作業履歴記憶手段5は、作業履歴データD5として、検知情報20と作業者情報30と時刻とを記憶する。作業履歴記憶手段5は、CPUやメモリや外部記憶装置や表示装置や入力装置などを備えた一般的な構成の電子計算機およびその上のプロセスや機能の集合によって構成することができる。検知情報20は、例えば、部品棚10、同じことだが、ピッキングセンサ2、または部品を識別する識別番号である。作業者情報30は、例えば、ICタグ3、同じことだが、作業者Mを識別する識別番号である。また、記憶される時刻は、例えば、検知情報20、または作業者情報30が出力された時刻や、作業履歴記憶手段5に入力された時刻などとすることができる。このような作業履歴データD5によって、複数の作業者Mが作業する状況においても、各作業者M毎の作業時間の測定や評価が可能となる。
ピッキングセンサ2が出力する検知情報20は、ピッキング事象を一意的に示す情報とするために、ピッキングセンサ2内で、または作業履歴記憶手段5内で、適宜、遮光信号の平均処理やピッキング時間選択決定処理などが行われる。例えば、作業者Mが部品棚10への手の出し入れを躊躇したり、やり直したりしたときの信号のチャタリングに対する処理などが適宜行われる。
作業履歴記憶手段5に記憶される作業者情報30は、ピッキングセンサ2が検知情報20を出力した後の一定時間内にICタグ検知手段4から出力された情報に限定選択されたものである。つまり、作業履歴記憶手段5は、検知情報20が入力されたとき、ICタグ検知手段4が出力する作業者情報30を一定時間内に限って選択する。もし、その一定時間内に作業者情報30の入力がない場合には、検知情報20は記憶されない。このような作業者情報30の限定選択により、ICタグ検知手段4の誤検知を低減でき、時間的かつ空間的な対応付けでもって、作業者情報30と検知情報20とが確実に対応付けられ、誰が、何時、どの部品を取り出したかについて確定できる。
本実施形態の作業時間測定システム1によれば、部品棚10からの部品取り出しを検出するので、各部品毎に識別タグを付ける必要がなく、安価で小さな部品を扱う組立工程であっても対応できる。また、ピッキングセンサ2とICタグ検知手段4の空間的対応付けによって、誰がどの部品を取り出したかを部品取り出し毎に特定でき、容易かつリアルタイムに作業時間を測定することができる。また、作業者MにはICタグ3を付帯すればよいので、作業者Mに負担をかけることなく容易に作業時間を測定することができる。
(第2の実施形態)
図2は第2の実施形態に係る作業時間測定システムを示し、図3はその変形例を示す。
本実施形態は、第1の実施形態における作業時間測定システム1にデータ機能を付加したものである。すなわち、本実施形態の作業時間測定システム1は、第1の実施形態における構成に加え、図2に示すように、ICタグ3と作業者Mとの対応関係を示すタグ登録データD1を登録するICタグ登録手段61と、各ピッキングセンサ2にICタグ検知手段4を対応付けるセンサ対応データD2を記憶するセンサ位置情報記憶手段62と、タグ登録データD1とセンサ対応データD2とに基づいて作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5を処理し、作業者M毎の作業時間データD6を作成して記憶する作業者特定手段6と、を備えている。このような作業時間測定システム1によれば、作業者M毎に整理された作業時間データが容易に得られ、リアルタイムにグラフ表示などが行える。
また、図3に示す変形例は、上述のICタグ登録手段61と、センサ位置情報記憶手段62と、作業者特定手段6とを、作業履歴記憶手段5の前段に設けたものである。この場合、検知情報20と作業者情報30とを、作業者特定手段6によって予め作業者を特定した後に、作業者特定手段6によって作業時間測定データを記憶させることができる。作業者特定手段6によって記憶されるデータは上述と同じ作業者M毎の作業時間データD6となる。
(第3の実施形態)
図4、図5は第3の実施形態に係る作業時間測定システムを示し、図6はその変形例を示す。本実施形態は、図4に示すように、第1または第2の実施形態における作業時間測定システム1に、ICタグ検知手段4によるICタグ誤検知を低減して測定データの信頼性を向上させるタグ情報フィルタ手段7を付加したものである。タグ情報フィルタ手段7は、ICタグ検知手段4に備えられ、一定時間内に複数のICタグ3から作業者情報を読み取ったときに読取頻度または読取信号強度の高い方の情報を選択するものである。例えば、図5に示すように、タグTaが定期的に検知される時間経過中に、時刻(t+2)秒において、受信強度の低い状態でタグTbが検知されている。受信強度は、受信信号の強度であり、例えば、ICタグ3から応答される電波の強度である。タグTaは、タグTbと比べて、時刻t秒から時刻(t+3)秒における読取頻度が4回と高いので、タグ情報フィルタ手段7は、作業者情報30としてタグTaを選択する。また、タグTaは、タグTbよりも受信強度が高い点からも選択される。
また、図6に示す変形例は、上述の第2の実施形態における図3に示した作業時間測定システム1にタグ情報フィルタ手段7を適用したものである。同様に、図2に示した作業時間測定システム1にタグ情報フィルタ手段7を適用することもできる。本実施形態のこのような作業時間測定システム1によれば、ICタグ検知手段4の誤検知を低減でき、誰がどの部品を取り出したかを信頼性良く対応付けて作業時間を測定することができる。なお、誤検知は、例えば、作業者Mが不自然な姿勢で部品のピッキングを行った場合(隣の領域の部品棚10から部品をとる場合)や、電気信号へのノイズの混入や、ICタグ3やICタグ検知手段4の設定調整不良などによって発生する。
(第4の実施形態)
図7、図8は第4の実施形態に係る作業時間測定システムを示し、図9はその変形例を示す。本実施形態は、図7に示すように、第1乃至第3の実施形態における作業時間測定システム1に、ICタグ検知手段4によるICタグ誤検知を低減して測定データの信頼性を向上させる情報破棄手段8を付加したものである。情報破棄手段8は、作業者Mが部品を取り出すために移動する経路が、例えば図8に示す右向きに一方通行のように、予め定まっている場合に、経路の情報と各ICタグ検知手段4から出力される作業者情報30の時系列情報とを比較して不適切な作業者情報30を破棄する。この場合、各ICタグ検知手段4が、作業者の移動経路のどこにあるかが決まっている。また、少なくとも各ICタグ検知手段4が同一人物の作業者Mを時系列的に検知する順序が決まっている。そこで、この既定の検知順序と、実際に作業者Mを検知するICタグ検知手段4の順序が異なる場合には、その異なる作業者情報30は誤検知とすることができる。
また、図9に示す変形例は、上述の第2の実施形態における図3に示した作業時間測定システム1に情報破棄手段8を適用したものである。同様に、図2、図4、図6に示した作業時間測定システム1に情報破棄手段8を適用することもできる。本実施形態のこのような作業時間測定システム1によれば、ICタグ検知手段4の誤検知を低減でき、誰がどの部品を取り出したかを信頼性良く対応付けて作業時間を測定することができる。
(第5の実施形態)
図10、図11は第5の実施形態に係る作業時間測定システムを示す。本実施形態の作業時間測定システムは、図10に示すように、第1乃至第4の実施形態における作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5を応用するシステムである。すなわち、作業時間測定システム1は、所定の一連の作業を動画として撮像して上書き録画する一時記憶手段11と、一連の作業について2系統の動画を記録する動画記録手段12とを備えている。2系統の動画は、ベストタイムを出した作業およびワーストタイムを出した作業の各動画であり、それぞれ、ベスト記録手段12aおよびワースト記録手段12bに記録される。また、動画記録手段12は、作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5の情報に基づいて前記一連の作業に要した作業時間を求めて過去のベストタイムおよびワーストタイムと比較する時間比較手段12cを備えている。時間比較手段12cは、その比較結果に基づき、一時記憶手段11における動画によって2系統の動画を更新する。
上述の一連の作業は、作業内容や作業解析の目的に応じて、任意に設定することができ、最小作業単位は各部品毎のピッキング作業であり、最大作業単位は、例えば1つの製品に対する部品組み付け完了までの作業である。また、一連の作業は、図10に示すように、作業A,B,C,Dなどのように時系列的に区分することができる。これらの作業A〜Dが周期的に繰り返され、動画記録手段12によって各作業作業A,B,C,D毎に作業時間が評価されて記録される。例えば、図11に示すように、各作業に対する最新の作業時間の測定結果が得られたとする。すると、作業Bについては、作業時間が短縮されているので、ベストタイムの動画がベスト記録手段12aによって更新されて記録される。また、作業Dについては、作業時間が伸びているので、ワーストタイムの動画がワースト記録手段12bによって更新されて記録される。なお、これらの動画記録は、作業者M毎に行うことも、複数の作業者Mを区別せずに行うこともできる。
本実施形態の作業時間測定システム1によれば、リアルタイムに作業者のベストタイムとワーストタイムの動作を確認することができる。また、作業者のすべての作業状態を録画する必要がないので、録画のための記憶容量が少なくてすむ。
(第6の実施形態)
図12は第6の実施形態に係る作業時間測定システムを示す。本実施形態の作業時間測定システムは、第1乃至第5の実施形態における作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5をリアルタイムで生産作業に応用するシステムである。すなわち、作業時間測定システム1は、作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5の情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、その比較結果に基づいて再生速度を変更した音響を作業者Mに聞かせる作業テンポ伝達手段13を備えている。
音響の伝達は、各作業者Mの全員に対して一斉にスピーカ放送によって行ってもよいが、各作業者M毎に行う方がより効果的に作業テンポを伝達することができる。それには、例えば、各作業者Mに受信器13aと受信器13aに接続されたヘッドホン13bとを付帯させ、作業テンポ伝達手段13から、無線によって受信器13aを介して各作業者M毎に再生速度を変更した音響、例えば音楽を伝達する。この場合、作業が標準作業時間よりも遅いときには遅い分だけヘッドホン13bに流す音楽を遅くし、作業が早いときには早い分だけ音楽を早くする。これにより、各作業者Mは自己の作業の遅速を認識することができる。なお、音楽を早くするか遅くするかは、前記とは逆にすることもできる。この場合、作業者Mは、作業時間の目標を与えられることになる。本実施形態の作業時間測定システム1によれば、作業者Mに負担をかけることなく、リアルタイムに現在の作業の遅速や目標作業時間を、各作業者Mに伝達することができる。
(第7の実施形態)
図13は第7の実施形態に係る作業時間測定システムを示す。本実施形態の作業時間測定システムは、第1乃至第6の実施形態における作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5をリアルタイムで生産作業に応用するシステムである。すなわち、作業時間測定システム1は、作業履歴記憶手段5に記憶された作業履歴データD5の情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、各作業領域A,B,・・毎に配置した表示灯14aの表示を切り替える作業速度表示手段14を備えている。表示灯14aは、その表示灯が配置された作業領域における作業時間が標準作業時間に近いとき、遅いとき、早いときの3段階に分けて切り替えられる。
例えば、図13において、領域Aにおける作業は標準の作業速度で作業が行われており、領域Cにおける作業は標準の作業速度よりも早い速度で作業が行われていることを表示している。ただし、これらの表示灯14aによる遅速の表示内容を逆に解釈することもできるので、予め、各作業者Mにその解釈を事前に周知させおけばよい。本実施形態の作業時間測定システム1によれば、作業者Mに負担をかけることなく、リアルタイムに現在の作業領域における作業の遅速を作業者Mに伝えることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態における構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、部品棚10の構成や配置は、上記に示したものに限定されることなく、斜め配置や水平配置とすることができる。また、ICタグ3は作業者Mの脚部に付帯させることに限らず、作業者Mの脚部以外の部分に配置させることができる。すなわち、部品棚10、従ってピッキングセンサ2とICタグ検知手段4との空間的配置が互いに対応付けられる配置とされ、どの部品を、どの作業者が、何時、ピッキングしたかを決定できる配置で有ればよい。すなわち、ICタグ検知手段4の配置は、上述したような床面に配置する構成に限られるものではない。また、本発明は、部品棚10から1回のピッキングによって複数の同一部品を取り出したり、または、複数種類の部品を複数の部品棚10から取り出すピッキングを連続して行ったりした後に、組付作業を行う場合の作業についても、1回のピッキングと1回の組み付け作業を行う場合と同様に、適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る作業時間測定システムの模式的構成図。 第2の実施形態に係る作業時間測定システムのブロック構成図。 同上システムの変形例を示すブロック構成図。 第3の実施形態に係る作業時間測定システムのブロック構成図。 同上システムの動作を説明する図。 同上システムの変形例を示すブロック構成図。 第4の実施形態に係る作業時間測定システムのブロック構成図。 同上システムの動作を説明する図。 同上システムの変形例を示すブロック構成図。 第5の実施形態に係る作業時間測定システムのブロック構成図。 同上システムの動作を説明する図。 第6の実施形態に係る作業時間測定システムの模式的構成図。 第7の実施形態に係る作業時間測定システムの模式的構成図。
符号の説明
1 作業時間測定システム
2 ピッキングセンサ
3 ICタグ
4 ICタグ検知手段
5 作業履歴記憶手段
6 作業者特定手段
7 タグ情報フィルタ手段
8 情報破棄手段
10 部品棚
11 一時記憶手段
12 動画記録手段
13 作業テンポ伝達手段
14 作業テンポ表示手段
20 検知情報
30 作業者情報
61 ICタグ登録手段
62 センサ位置情報記憶手段
M 作業者

Claims (7)

  1. 部品毎に設けられた部品棚から部品を取り出して製品に組み付ける作業における作業時間を測定するための作業時間測定システムにおいて、
    各部品棚から部品が取り出されたことを部品棚を識別して検知すると共にその検知情報を出力するピッキングセンサと、
    作業者を識別する情報を有し作業者に付帯されて移動するICタグと、
    部品棚から部品を取り出すための作業空間に配置され、作業者に付帯されたICタグから作業者情報を読み取りその情報を出力するICタグ検知手段と、
    前記ピッキングセンサから検知情報が出力された際に、その検知情報と前記ICタグ検知手段からの作業者情報と時刻情報とを記憶する作業履歴記憶手段と、を備え、
    前記ピッキングセンサの各々は前記ICタグ検知手段のいずれか1つに対して空間的に対応付けられており、ピッキングセンサが出力する検知情報とICタグ検知手段が出力する作業者情報とが前記対応付けでもって対応付けられて前記作業履歴記憶手段に記憶されることを特徴とする作業時間測定システム。
  2. 前記作業履歴記憶手段は、前記ピッキングセンサが検知情報を出力した後の一定時間内のみ、前記ICタグ検知手段から出力された作業者情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の作業時間測定システム。
  3. 前記ICタグ検知手段は、一定時間内に複数のICタグから作業者情報を読み取ったときに読取頻度または読取信号強度の高い方の情報を選択するタグ情報フィルタ手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業時間測定システム。
  4. 作業者が部品を取り出すために移動する経路が予め定まっている場合に、前記経路の情報と前記各ICタグ検知手段から出力される作業者情報の時系列情報とを比較して不適切な作業者情報を破棄する情報破棄手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業時間測定システム。
  5. 所定の一連の作業を動画として撮像して上書き録画する一時記憶手段と、
    前記一連の作業について2系統の動画を記録する動画記録手段と、を備え、
    前記動画記録手段は、前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて前記一連の作業に要した作業時間を求めて過去のベストタイムおよびワーストタイムと比較し、その比較結果に基づいて前記2系統の動画を前記一時記憶手段における動画によって更新することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の作業時間測定システム。
  6. 前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、その比較結果に基づいて再生速度を変更した音響を作業者に聞かせる作業テンポ伝達手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業時間測定システム。
  7. 前記作業履歴記憶手段に記憶された情報に基づいて得られる一連の作業に要した作業時間と予め設定された標準作業時間とを比較し、前記作業時間が前記標準作業時間に近いとき、遅いとき、早いときの3段階に分けて表示灯を切り替える作業速度表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作業時間測定システム。
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