JP2010108009A - 力覚提示装置及び自動二輪シフトシミュレーター - Google Patents
力覚提示装置及び自動二輪シフトシミュレーター Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010108009A JP2010108009A JP2008276198A JP2008276198A JP2010108009A JP 2010108009 A JP2010108009 A JP 2010108009A JP 2008276198 A JP2008276198 A JP 2008276198A JP 2008276198 A JP2008276198 A JP 2008276198A JP 2010108009 A JP2010108009 A JP 2010108009A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- torque
- force
- motor
- pattern
- operation unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Control Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】移動体の操作者の操作姿勢を保持する操作姿勢保持部10と、この操作姿勢保持部10の位置に応じて配置した前記移動体の実機部品を支持する実機部品支持部20と、前記操作姿勢で前記操作者が手又は脚で操作可能な位置に配置される操作部22と、前記操作部22の操作量34を測定するセンサー24と、当該操作量34に応じて予め定められた提示力パターン36での提示力を算出するコントローラー28と、前記提示力に応じて前記操作部22に力覚を提示するアクチュエーター30とを備えた。
【選択図】図1
Description
操作部に力覚を提示するには、ユーザの操作による力に対して、操作部の位置や角度に応じて対象物に力を与える。このため、力覚提示装置は、操作部の位置や角度や操作のトルクを測定するセンサー(群)と、このセンサーの測定値に応じて提示する力の強さ及び方向を計算するコントローラーと、このコントローラーの制御に応じて操作部に力を与える駆動部とを備える。駆動部は、駆動機構と、例えばモーター等のアクチュエーターとを有する。
このため、(1)オペレーターがどのような操作をするか、(2)オペレーターの操作に関する感覚はどうか、(3)操作の感覚と実機の部品の諸元との関係はどうか、(4)評価の高い操作の感覚を提示するためにどう設計するか、(5)一定の操作感を提示しつつ部品を合理化することが可能か、等の正確な情報に対するニーズが高まっている。
特許文献3には、ギアシフトペダルの操作感覚を実車におけるギアシフト・フィーリングに近づけるように工夫されているが、構成部品を交換しなければギアシフトの操作感のパターンを変更することはできないため、操作感を比較する測定には適さない。
1. 現に存在するパターンの提示しかできず、構成部品の様々な組み合わせによるパターンのパラメーターを設定することが困難である。
2. 構成部品の組替え作業に時間がかかるため、官能評価試験の精度が低下し、かつ、試験に時間を要する。
3. 同一条件(日時や乗車姿勢など)での官能評価試験の実施が難しい。
[課題1]このように、上記従来例では、移動体の操作部がどのように操作されるのか、実機や仮想的な操作感のパターンを提示しつつ測定することができない、という不都合があった。
[課題2]また、操作部に異なるパターンを与えて、操作の感覚(フィーリング)の比較試験(例えば、同一条件でのSD法や一対比較法)を精度良く実施することができない、という不都合があった。
[課題3]上記より、移動体の操作部に対する操作感を定量化し、設計や、パネリスト(例えばテストライダー)の評価のばらつき低減や、マーケティングに活用することができない、という不都合があった。
これにより、上記技術的課題1,2及び3を解決した。
提示力は、操作者から操作部に与えられる力に抗する力で、操作部の操作位置(や速度)に応じて変化する。この変化が提示力パターンである。そして、提示力は力[N]又はトルク[N・m]であり、提示力がトルクである場合(例えば実施例2)には、提示力パターンをトルクパターンともいう。
さらに、課題可決手段2は、前記操作トルクと、前記回転角と、予め定められたトルクパターンとに応じて前記シフトレバーへの前記トルク(制御トルクu)を算出して、当該制御トルク信号を前記モーターに伝達することで、当該シフトレバーに力覚を提示制御するコントローラーを備えた、という構成を採っている。
これにより、上記技術的課題1、2及び3を解決した。
<1.1 シート位置と操作部の配置関係>
まず、本実施形態の実施例1を開示する。
図1を参照すると、力覚提示装置は、操作姿勢保持部10と、実機部品支持部20と、操作部22と、センサー24と、コントローラー28と、アクチュエーター30とを備えている。
操作姿勢保持部10は、移動体の操作者の操作姿勢を保持する。図1に示す例では、操作姿勢保持部10は、自動二輪のシート12と、ハンドル14とを備えている。自動二輪では、シート12とハンドル14とで、操車者(ライダー)の操作姿勢を保持する。本実施形態では、操作姿勢保持部10として、実機部品を使用することができる。
上述のように、本実施例では、操作部22を、操作姿勢で前記操作者が手又は脚で操作可能な位置に配置し、操作姿勢保持部10が、移動体の操作者の操作姿勢を保持しつつ、アクチュエーター30が、操作量34に応じて予め定められた提示力パターン36に応じて当該操作部22に力覚を提示する。
従って、提示力パターン36のデータを切り替えることで、複数種類の力覚を同一の操作姿勢のまま提示することができる。これにより、乗り降りや、部品交換時間の待機を要することなく、複数種類の操作感を提示することができる。このため、操作感の評価を評価シート等へ手書記入してもらうことで、一対比較法等の統計的手法により官能評価試験をすることができる。また、提示力パターン36に応じて力覚を提示した状態での操作量34を測定するため、この操作入力データ35を記録することで、提示する力覚に応じた実際の操作量34を定量的に取り扱うことが可能となる。そして、この操作入力データ35についても、同一の操作姿勢で待機時間なく操作を行うことができるため、異なる力覚を提示した際の操作入力データ35の比較を精度良く測定することができる。
再度図2から図5を参照すると、好適な実施例では、モーターシャフト40を、操作部22の回転軸44に直結する。すなわち、この例では、前記操作部22が、前記手又は脚で回転操作される回転軸44を有する。そして、アクチュエーター30が、モーター42を備えている。さらに、モーター42の前記モーターシャフト40に、前記操作部22の前記回転軸44を直結する。
操作部22の回転軸44をモーターシャフト40に直結すると、モーター42と操作部22との間に伝達系を介在させる必要がなくなり、機構が簡易となる他、力覚の提示に際して余分な質量及び慣性モーメントの影響が発生せず、力覚提示を正確に行うことができる。
再度図1及び図4を参照すると、好適な実施例では、操作姿勢で目視可能で入力操作可能な位置に、表示操作部48を配置する。そして、この表示操作部48が、前記提示力パターン36に応じて官能評価試験の試験項目を表示すると共に、前記操作者によって入力される評価データ50を前記コントローラー28に送信する。
上述したように、表示操作部48を操作姿勢のまま入力可能な位置に配置したため、操作姿勢を変更せずに評価データ50の入力をすることができる。従って、力覚提示する操作部22への操作感を残したまま、提示力パターン36を変化させる評価の精度を高めることができる。例えば、提示中の提示力パターン36の番号等を表示操作部48に表示し、操作者の操作により任意に切り替えることができるようにすると、提示している力覚の比較をより確実に行うことができるようになり、すると、二種類の提示力パターン36を順次提示して比較させる一対比較法による官能評価試験の精度を格段に向上させ、安定させることができる。
再度図1及び図4を参照すると、好適な実施例では、前記操作部22の操作による前記移動体の音源箇所の近傍に、スピーカー54を配置し、前記コントローラー28が、前記操作量34及び前記提示力パターン36に応じて予め定められた音信号56を前記スピーカー54に出力する。
そして、コントローラー28は、ギアシフト機構が機械音を発するタイミングを提示力パターン36と関連させ、操作量34に応じて音信号56をスピーカー54に出力する。例えば、ギアシフト機構で変速が完了するデフのかみ合い音を出力する場合、提示力パターン36での変速完了時点と、操作部22(シフトレバー62)の回転角θ等の操作量34とが一致した際に、当該音信号56を出力する。音信号56は、提示力パターン36がモデル化した実機に応じて予め録音しておいても良いし、複数の録音データを合成させることで作成しても良い。
上述のように、提示力パターン36に応じた操作量34に音出力を同期させることで、実機の操作感をより高めることができる。そして、実機の音源近くにスピーカー54を配置することで、モーターシャフト40を操作部22の回転軸44に直結させ、操作部22の機構を実機とは異なる構成としても、実機操作の再現性を高めることができる。これにより、官能評価試験の条件を実機と同様とし、操作入力データ35の信頼性をより高めることができる。
本実施例は、力覚提示する操作部22の例として、脚で操作する自動二輪のシフトレバー62(図3)や、手で操作する電動車(図5)を開示した。上述のように、本実施例は、回転動作をする操作部22であれば、単一のモーター42による力覚提示を行いやすい。このため、本実施例を適用可能な実機は数多くある。
ブレーキ・ペダルについても、自動二輪と同様に、様々な開発に有用な情報を得ることができる。
マニュアル・トランスミッションのクラッチ・ペダルに力覚を提示し、操作入力データ35を得ることができれば、クラッチ・ペダルの操作感の官能評価試験を行うことができる。また、様々な局面に応じたクラッチ・ペダルの操作入力データ35は、半クラッチが作動する状況等の設計に役立てることができる。
パーキング・ブレーキの操作入力データ35は、例えば、ドライバー層の相違に応じた操作量34の相違を定量化するために、「全力で」「急いで」等の用語に応じた操作を促し、その操作入力データ35を操作者の筋力や反応速度等により定量的に分類することができる。
また、四輪で手操作するものとして、ハンドル、パーキング・ブレーキ、シフトノブなどがある。さらに、全地形対応車(ATV)や船外機のギアシフトの官能評価試験に適用することができる。
さらに、ギアシフトチェンジを機械的に行わないシフト機構(シフト・バイ・ワイヤーなど)のギアシフト操作の提示力パターン36を任意に設定できる装置として応用が可能である。
・回転動作する移動体の操作部22をモーターにより力覚提示するため、任意の操作感(提示力パターン36)を提示することができ、提示力パターン36を変更することで同一の条件で異なる操作感を提示することができる。このため、移動体の手操作又は脚操作の制御により、シフトペダルに任意のシフト操作荷重を提示できる。
・ギアチェンジ感覚を瞬時に切り替えられるため、同一条件での一対比較が可能となる。
次に、実施例2を開示する。実施例2では、自動二輪のギアシフトのフィーリング(操作感)を定量化するための自動二輪シフトシミュレーターを開示する。
自動二輪のギアシフト・フィーリングを定量化するための方策として、重さや節度感など、ギアシフトのフィーリングを表す評価語の評点を収集して、重回帰式等を作成することが考えられる。このフィーリング評価語の重回帰式を作成するためには、複数の操作者(パネリスト)が、複数の提示力パターン36のギアシフトをそれぞれ操作してフィーリング評価語に評点を与えることで官能評価試験を行い、この評点を統計的手法によりデータ処理しなければならない。
以下、実施例2では、自動二輪のシフトレバーという回転のみの操作部22を対象とするため、提示力をトルクといい、提示力パターン36をトルクパターン37という。
このように、重回帰式を作成するためにはギアシフト・フィーリング官能評価試験を行う必要がある。しかし、実際の車両を用いて官能評価試験を行う場合、以下のような不便さが課題となる。
ミッション構成部品の組み合わせによるギアシフト操作のトルクパターン37の設定は困難である。ギアシフトカムプレート、ストッパスプリング、リターンスプリング等のミッション構成部品の諸元を変更するとトルクパターン37に影響する物理パラメーターが変化するが、それらは一対一に対応していない。このため、ミッション構成部品の諸元の組み合わせによってトルクパターン37を任意の値変化に設定することは非常に困難である。
ミッション構成部品を組替えようとしても、その作業に時間がかかるため、官能評価試験に時間がかかってしまう。すなわち、官能評価試験時には多数のギアシフト操作のトルクパターン37について評価を行う必要があるが、ギアシフト操作のトルクパターン37を変更するためにはミッション構成部品の組替える必要がある。ミッション構成部品の組替え作業にはかなりの時間を要するため、結果的に官能評価試験の所要時間が長くなってしまう。
構成部品の組み替えによる場合、同一条件(日時や乗車姿勢など)でギアシフト操作のトルクパターン37を判定することができない。すなわち、一台の車両で官能評価試験を行う場合、ミッション構成部品の組替えによって判定を行う日時が異なることや、組付け誤差の影響により、同じ条件でギアシフト操作のトルクパターン37を判定することはできない。車両を二台以上用意できる場合でも、乗車姿勢が同一でないことや、ミッション構成部品以外の車両間差の影響が問題となる。また、一対比較試験の場合には、乗降を行う際に直前の操作フィーリングが薄れてしまうといった問題もある。
そして、自動二輪シフトシミュレーターは、ハウジング32内に装着され、モーターシャフト40を有し、所定の制御トルク信号39に応じたトルクを当該モーターシャフト40に与えるモーター42と、制御トルク信号39をモーター42に出力するコントローラー28とを備えている。コントローラー28は、前記操作トルクτと、前記回転角θと、予め定められたトルクパターン37とに応じて前記シフトレバー62への制御トルクを算出して、当該制御トルク信号39を前記モーター42に伝達することで、当該シフトレバー62に力覚を提示制御する。
図8を参照すると、自動二輪シフトシミュレーターは、ハウジング32内に装備されモーターシャフト40を回転させるモーター42と、モーターシャフト40に取り付けられ当該モーターシャフト40に与えられる外部からの操作トルクτを測定するトルクセンサー60とを備えている。トルクセンサー60の測定値は出力端子61を介してコントローラー28に送信される。また、シフトレバー62には、シフトレバー62の回転角θを測定するエンコーダー66を装着する(図9)。そして、シフトレバー62は、モーターシャフト40に取り付けられ前記モーターシャフト40を回転軸44として回転する。シフトレバー62の回転軸44は、モーター42及びモーターシャフト40の回転軸44である。
そして、DDモーター42はサーボドライバ74(図11)によって駆動される。サーボドライバ74はDDモーター42のステーター84に流れる電流を外部から入力される指令値(制御トルクu)に追従させることによって、DDモーター42の出力を制御する。
上述のように、シフトレバー62の回転軸44をDDモーター42で駆動することによって、シフトレバー62に任意のギアシフト操作のトルクパターン37を提示することができる。これにより、ギアシフトの機構の入れ替えをせずに、トルクパターン37を変化させることで、異なる機構による操作感を短時間で切り替えて提示することができる。すなわち、ギアシフト操作のトルクパターン37を外部から瞬時に変更できるようにすることで、同一条件化での一対比較法による官能評価試験を安定して短時間に行うことができる。
再度図6、図7を参照すると、実施例2によるギアシフト・フィーリングの官能評価試験では、次のような操作を再現することができる。
1.ギアシフト操作音を提示する場合
実車ではギアシフトチェンジ時に、ギアのドッグが噛合う音が発生する。DDモーター42ではこのような音は発生しないため、ギアシフトチェンジの角度に合わせて実車に相当する音をスピーカー54から発生させることで、操作感の力覚のみならず、聴覚への刺激を制御することができ、官能評価試験時の音による影響が軽減される。
再度図6を参照すると、スピーカー54は、モーター42の近傍に配置すると良い。コントローラー28は、操作量34(例えば回転角θ)とトルクパターン37とに応じた音信号56をスピーカー54に出力する。図6に示す例では2つのスピーカー54を配備し、図7に示す例では1つのスピーカー54を配備している。
実車ではギアシフトチェンジ時に、クラッチ板の連結に伴う車体振動が発生する。シミュレーターを振動させるための振動発生部70を取り付け、ギアシフトチェンジの角度に合わせて振動発生部70を動作させることによってギアシフトショックを模擬することができる。
この例では、自動二輪シフトシミュレーターは、所定の振動発生信号68に応じて前記シート12及びハンドル14を振動させる振動発生部70を備えている。そして、前記コントローラー28が、前記操作量34と前記トルクパターン37とに応じた振動発生信号68を前記振動発生部70に送信する。これにより、操作量34(例えばモーターシャフト40の回転角θ)に応じて実機を模した振動を提示することができる。
走行状態では、ミッション構成部品の諸元に加え、スロットル開度やクラッチの切れによっての物理パラメーターが変化する。本実施例での自動二輪シフトシミュレーターでこれらを考慮するには、スロットルグリップ98(もしくはスロットルワイヤー)およびクラッチレバー100(もしくはクラッチケーブル)にポテンショメーター96A,96B等のセンサー24を取り付けて(図11)、スロットル開度やクラッチの切れを測定し、これらの情報を制御トルクの計算に用いても良い。
上述のように、スピーカー54を配置してシフトレバー62及びモーターシャフト40の回転角θに応じた操作音を提示することで、官能評価試験にて提示する選択肢が増加し、より広範囲な評価をすることができる。また、振動発生部70を用いる例では、クラッチ板の連結に伴う車体振動などを提示することで、DDモーター42による力覚を用いつつ、より実機に近い操作感を提示することができる。
トルクパターン37は、シフトレバー62等の操作部22の操作量34の関数である。操作部22には機械的な抵抗力とバネ等による反発力が生じる。操作部22は、例えば、操作完了となる直前の抵抗感を操作者に与え、また、バネの復元力により原点への復帰する。その操作部22が操作者に提示する力の大きさを操作量34に応じて調整する設計が試みられている。操作部22のトルクパターン37は、この操作部22の位置及び状態に応じた操作部22から操作者に提示されるトルク [N・m] であり、実機のトルクパターン37を測定しても良いし、複数の実機の測定値から仮想的なトルクパターン37を人工的に定義しても良い。
q1: がた期間
q2: 変速前遊び期間
q3: 変速期間
q4: 変速後遊び期間
q5: 原点復帰期間
t1:リターンスプリング取付トルク点
t2: 変速開始点
t3: 変速完了点
t4:回転端
P0: 初期トルク
Pmax: ピークトルク
Pmin: 極小トルク
a: ピーク位相
図11に示す例では、制御ソフトウエア90が、シフトレバー62への制御トルクを算出し、D/Aボード95Aを介してサーボドライバ74に制御トルク信号39(制御トルクu)を送信し、サーボドライバ74はこの制御トルク信号39(制御トルクu)に応じてDDモーター42を駆動する。
J: ローターの慣性モーメント
D: 粘性抵抗係数
τ: 外部から加えられるトルク(操作トルクτ)
u: 制御トルク(制御トルク信号39)
Jd: 目標の慣性モーメント
Dd: 目標の粘性抵抗係数
Kd(θ): シミュレーターで提示するトルク・角度特性(トルクパターン37に対応)
目標の慣性モーメントJd、目標の粘性抵抗係数Ddは、実車の諸元を参考として予め設定する。これらは任意の値に設定することができるが、実車のギアシフト機構のシフトレバー62の回転軸44まわりの等価慣性モーメントおよび実車のシフトレバー62の回転軸44の位置からJdを計算(設定)することにより、DDモーター42の回転軸44の動特性を実車のシフトレバー62の回転軸44まわりの動特性に近づけることができます。実車のシフトレバー62の回転軸44まわりの粘性抵抗はほとんど無いため、Ddは可能な限り小さくすることが好ましい。しかし、Jd、DdがJ、Dに対して小さ過ぎると制御が不安定になりやすくなってしまう。
モーター回転軸44の慣性モーメントJ、モーターの粘性抵抗係数Dは、DDモーター42の特性により予め定まる。Jはモーターシャフト40、DDモーター42のローター82、トルクセンサー60及びシフトレバー62のモーター回転軸44まわりの慣性モーメントとの和である。DはDDモーター42のステップ応答から予め概算可能である。
Kd(θ)は、官能評価試験等の検査目的に応じて予め準備する。Jd、Ddは定数であるが、Kdはθの関数である。Kd(θ)は、通常は実車のトルク・角度特性を参考にして設定する。しかし、実際には存在しないような特性に設定することも可能である。実車のトルク・角度特性は、リターンスプリングの取付トルクおよびバネ定数、ストッパスプリングの取付トルクおよびバネ定数、ギアシフトカムプレートの形状等によって定まる。
本実施例の自動二輪シミュレーターのシフトレバー62を取り替えた場合には、モーター回転軸44の慣性モーメントJを変更する。モーター回転軸44とシフトペダルの距離が変わる場合には、Kd(θ)も変更する。ギアシフトレバーの回転軸44の位置が異なる2種類の実機を想定する場合には、Jd、Kd(θ)を変更する。
ライダーは、2つのパターンAとBとを順次切り替えて操作し、Aの操作感とBの操作感を比較する。人間の感覚は、絶対値を求めるよりも比較する方が違いに関する精度が高い。ライダーは、Aの操作感とBの操作感とを比較して、重さを評価する。すなわち、ライダーは、「同じ」、「やや」、「かなり」、「非常に」という7段階の評価から一つの評価を選択し、評価選択ボタン116を用いて入力する。例えば、トルクパターン37がAのパターンとトルクパターン37がBのパターンとの評価を比較して、Aがかなり重いという評価結果(評価スコア)であれば、当該重さの欄の「-2」と表示された評価選択ボタン116をクリックする。この評価選択ボタン116の操作結果が、評価データ50となる。
上述したように、モーター制御により、シフトレバー62に任意のシフト操作荷重を提示することができる。そして、ダイレクトドライブモーター42の使用により、減速機構によって生じる違和感を排除することが。さらに、インピーダンス制御により、ローター82の慣性によって生じる違和感が軽減される。 このように、ノイズ的な要素を除外して本質的な官能検査を行うことができる。すなわち、求めたい要因を浮き彫りにする官能評価試験を計画し、実行することができる。
そして、ギアチェンジ感覚を瞬時に切り替えられるため、同一条件での一対比較が可能となる。また、ギアシフト機構の部品を特定した段階で試作をしなくとも、想定されるトルクパターン37を設定することで、シフトレバー62の操作感を評価することができる。さらには、存在しない部品の組み合わせによる力覚提示が可能で、目的に応じた官能検査の計画を立てやすい。そして、一定条件下での安定した官能評価を低コストでかつ短期間に検査することができる。
また、精度の高い官能評価試験の蓄積により、逆に、テストライダーのトレーニングに応用可能である。例えば、実車を用いた走行試験時にはギアシフト・フィーリングの確認も行われ、テストライダーにはテスト車両の絶対的な評価が要求される。この点、本実施例によるシミュレーターを用いることで、テストライダー間のばらつきを低減し、その評価値の差を軽減することができ、また、ばらつきを統計的に取り扱うことが可能となるため、厳密な信頼区間等の算出が可能となる。
θ 回転角
Kd(θ) トルク・角度特性
8 基盤
10 操作姿勢保持部
12 シート
14 ハンドル
16 フレーム
17 リアサス穴
18 燃料タンク
20 実機部品支持部
22 操作部
23 アクセルレバー
24 センサー
28 コントローラー
29 記憶部
30 アクチュエーター
32 ハウジング
34 操作量
35 操作入力データ
36 提示力パターン
38 提示力信号
39 制御トルク信号
40 モーターシャフト
42 モーター
44 回転軸
48 表示操作部
54 スピーカー
60 トルクセンサー
62 シフトレバー
70 振動発生部
Claims (6)
- 移動体の操作者の操作姿勢を保持する操作姿勢保持部と、
この操作姿勢保持部を支持すると共に、当該操作姿勢保持部の位置に応じて配置した前記移動体の実機部品を支持する実機部品支持部と、
前記操作姿勢で前記操作者が手又は脚で操作可能な位置に配置される操作部と、
前記操作部の操作量を測定するセンサーと、
当該操作量に応じて予め定められた提示力パターンでの提示力を算出するコントローラーと、
前記提示力に応じて前記操作部に力覚を提示するアクチュエーターと、
を備えたことを特徴とする力覚提示装置。 - 前記操作部が、前記手又は脚で回転操作される回転軸を有し、
前記アクチュエータ−が、モーターシャフトを有するモーターを備え、
前記モーターシャフトに、前記操作部の前記回転軸を直結した、
ことを特徴とする請求項1記載の力覚提示装置。 - 前記操作姿勢で目視可能で入力操作可能な位置に、表示操作部を配置し、
この表示操作部が、前記提示力パターンに応じて官能評価試験の試験項目を表示すると共に、前記操作者によって入力される評価データを前記コントローラーに送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の力覚提示装置。 - 前記操作部の操作による前記移動体の音源箇所の近傍に、スピーカーを配置し、
前記コントローラーが、前記操作量及び前記提示力パターンに応じて予め定められた音信号を前記スピーカーに出力する、
ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の力覚提示装置。 - 基盤と、
二輪車用のシート及びハンドルを支持する前記基盤に装着された実機部品支持部と、
モーターを支持する前記基盤に装備されたハウジングと、
このハウジング内に装着され、モーターシャフトを有し、所定の制御トルク信号に応じたトルクを当該モーターシャフトに与えるモーターと、
前記モーターシャフトに取り付けられ当該モーターシャフトに与えられる外部からの操作トルクを測定するトルクセンサーと、
前記モーターシャフトに取り付けられ前記モーターシャフトを回転軸として回転する前記二輪車のシフトレバーと、
このシフトレバーの回転角を測定するエンコーダーと、
前記操作トルクと、前記回転角と、予め定められたトルクパターンとに応じて前記シフトレバーへの前記トルクを算出して、当該制御トルク信号を前記モーターに伝達することで、当該シフトレバーに力覚を提示制御するコントローラーと、
を備えたことを特徴とする自動二輪シフトシミュレーター。 - 所定の振動発生信号に応じて前記シート及びハンドルを振動させる振動発生部を備え、
前記コントローラーが、前記操作量と前記トルクパターンとに応じた振動発生信号を前記振動発生部に送信する、
ことを特徴とする請求項5記載の自動二輪シフトシミュレーター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276198A JP5182579B2 (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 自動二輪シフトシミュレーター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008276198A JP5182579B2 (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 自動二輪シフトシミュレーター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010108009A true JP2010108009A (ja) | 2010-05-13 |
JP5182579B2 JP5182579B2 (ja) | 2013-04-17 |
Family
ID=42297439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008276198A Expired - Fee Related JP5182579B2 (ja) | 2008-10-28 | 2008-10-28 | 自動二輪シフトシミュレーター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5182579B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014199894A1 (ja) * | 2013-06-13 | 2014-12-18 | アサヒビール株式会社 | 液体ディスペンサ、及びそれを構成するコック操作部材、電力制御装置、液体ディスペンサ制御システム、並びにプログラム及び記録媒体 |
WO2018193917A1 (ja) * | 2017-04-21 | 2018-10-25 | アルプス電気株式会社 | 回転型操作装置とその制御方法及びプログラム |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0451081A (ja) * | 1990-06-18 | 1992-02-19 | Honda Motor Co Ltd | 二輪車のライディングシミュレーション装置 |
JPH0588605A (ja) * | 1991-08-19 | 1993-04-09 | Honda Motor Co Ltd | ライデイングシミユレーシヨン装置 |
JPH10171542A (ja) * | 1996-12-09 | 1998-06-26 | Fujikura Kasei Co Ltd | 操作子制御装置 |
JP2006039825A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Alps Electric Co Ltd | 入力装置 |
JP2006347289A (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-28 | Honda Motor Co Ltd | 自動二輪車用変速装置、自動二輪車及び自動二輪車のシミュレーション装置 |
-
2008
- 2008-10-28 JP JP2008276198A patent/JP5182579B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0451081A (ja) * | 1990-06-18 | 1992-02-19 | Honda Motor Co Ltd | 二輪車のライディングシミュレーション装置 |
JPH0588605A (ja) * | 1991-08-19 | 1993-04-09 | Honda Motor Co Ltd | ライデイングシミユレーシヨン装置 |
JPH10171542A (ja) * | 1996-12-09 | 1998-06-26 | Fujikura Kasei Co Ltd | 操作子制御装置 |
JP2006039825A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Alps Electric Co Ltd | 入力装置 |
JP2006347289A (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-28 | Honda Motor Co Ltd | 自動二輪車用変速装置、自動二輪車及び自動二輪車のシミュレーション装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014199894A1 (ja) * | 2013-06-13 | 2014-12-18 | アサヒビール株式会社 | 液体ディスペンサ、及びそれを構成するコック操作部材、電力制御装置、液体ディスペンサ制御システム、並びにプログラム及び記録媒体 |
JP2015000735A (ja) * | 2013-06-13 | 2015-01-05 | アサヒビール株式会社 | 液体ディスペンサ、及びそれを構成するコック操作部材、電力制御装置、液体ディスペンサ制御システム |
WO2018193917A1 (ja) * | 2017-04-21 | 2018-10-25 | アルプス電気株式会社 | 回転型操作装置とその制御方法及びプログラム |
CN110537156A (zh) * | 2017-04-21 | 2019-12-03 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 旋转型操作装置、旋转型操作装置的控制方法、以及程序 |
JPWO2018193917A1 (ja) * | 2017-04-21 | 2020-01-23 | アルプスアルパイン株式会社 | 回転型操作装置とその制御方法及びプログラム |
US10839657B2 (en) * | 2017-04-21 | 2020-11-17 | Alps Alpine Co., Ltd. | Rotation-type manipulation device, control method for the same, and program |
CN110537156B (zh) * | 2017-04-21 | 2023-07-11 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 旋转型操作装置、旋转型操作装置的控制方法、以及程序 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5182579B2 (ja) | 2013-04-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060270522A1 (en) | Bicycle simulation system | |
JP2021118569A (ja) | 電気自動車 | |
JP6499682B2 (ja) | 情報提供システム | |
JPH10104126A (ja) | 車両運転性評価装置 | |
JP6985217B2 (ja) | 制御データ作成装置、コンポーネント制御装置、制御データ作成方法、コンポーネント制御方法、およびコンピュータプログラム | |
JP2020134891A (ja) | ペダルシミュレータ及びドライブシミュレータ | |
WO2010110670A1 (en) | 3d apparatus | |
JP5182579B2 (ja) | 自動二輪シフトシミュレーター | |
JP7103951B2 (ja) | 車両試験システム、車両試験システム用制御装置、車両試験システム制御方法、及び車両試験システム用プログラム | |
JP4891218B2 (ja) | ライディングシミュレーション装置 | |
JP2004246207A (ja) | ライディングシミュレーション装置 | |
JP4967408B2 (ja) | 車両運動設計装置及び車両運動制御装置 | |
JPH04133858A (ja) | 操舵反力付与装置 | |
JP7064424B2 (ja) | 運転教習システム | |
US11797093B2 (en) | Integrating tactile nonvirtual controls in a virtual reality (VR) training simulator | |
Haasnoot et al. | Validation of a novel bicycle simulator with realistic lateral and roll motion | |
JP2013096854A (ja) | 自動二輪車のシフトシミュレーションシステム、および自動二輪車のシフトフィーリング予測方法 | |
JP2015069080A (ja) | 車両の運転シミュレータにおける操作装置 | |
JP3243841U (ja) | トレーニング専用シミュレータ及びトレーニング専用シミュレータキット | |
JP2007172194A (ja) | 走行制御ユニットの開発支援装置 | |
JP2777972B2 (ja) | 二輪車のライディングシミュレーション装置 | |
Eskandarian et al. | Development and verification of a truck driving simulator for driver drowsiness studies | |
Powell | Hardware design for an electro-mechanical bicycle simulator in an immersive virtual reality environment | |
RU70030U1 (ru) | Тренажер для обучения водителя автомобиля | |
JP3829067B2 (ja) | ライディングシミュレーション装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120928 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130102 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5182579 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |