JP2010107867A - 光学素子及びそれを用いた光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収による発熱が小さく、かつ設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタ機能を有する光学素子及びそれを用いた光学装置を得る。
【解決手段】母材1中にフィラー2を分散させてなり、所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタ機能を有する光学素子3であって、所定の波長領域における母材1とフィラー2の屈折率の差が0.1以内であり、母材1とフィラー2のアッベ数の差が10以上であることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタ機能を有する光学素子及びそれを用いた光学装置に関するものである。
各種ディスプレイ、プロジェクタ、カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ、色覚補正眼鏡等に使用される光学フィルタには、大きくわけて2系統の技術が使用されている。1つは、色ガラス型の光学フィルタであり、特定の波長領域の光を吸収する物質を、ガラス、樹脂等の透明材料中に混入させることにより、光学フィルタの機能を実現させたものである。
もう1つは、干渉型の光学フィルタであり、透明材料の表面に波長オーダーの単層もしくは多層の誘電体薄膜を形成することにより、特定の波長以外の光を反射させることにより、光学フィルタの機能を実現させたものである。
しかしながら、色ガラス型の光学フィルタは、吸収した光エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、原理的に発熱するという問題がある。また、吸収波長の範囲は、物質の特性により決定されるため、自由に吸収波長領域を設計することができない。従って、透過波長の領域も自由に設計することができない。
干渉型の光学フィルタは、反射波長範囲及び透過波長範囲を自由に設計することができるが、膜厚が波長オーダーであるため、高い作製精度が必要となる。また、透過しない光は反射されるため、戻り光の問題も発生する。
素子の材料として、透明樹脂中にガラスフィラーを分散させた透明複合体組成物が検討されている(特許文献1〜3など)。このような透明複合体組成物における屈折率の差を利用した光学フィルタについて、従来より検討されていない。
特開2001−261367号公報 特開2004−307845号公報 特開2004−231934号公報
本発明の目的は、光吸収による発熱が小さく、かつ設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタ機能を有する光学素子及びそれを用いた光学装置を提供することにある。
本発明の光学素子は、母材中にフィラーを分散させてなり、所定の波長領域(以下、「透過波長領域」という場合がある)を選択的に透過させる光学フィルタ機能を有する光学素子であって、波長領域における母材とフィラーの屈折率の差が0.1以内であり、母材とフィラーのアッベ数の差が10以上であることを特徴としている。
本発明においては、透過波長領域における母材とフィラーの屈折率の差が0.1以内であり、母材とフィラーのアッベ数の差が10以上である。透過波長領域において、母材とフィラーの屈折率の差が0.1以内であるので、透過波長領域においては、母材とフィラーの界面における光の屈折や反射が少なくなり、光学素子に入射した透過波長領域の光を、そのまま出射することができる。
また、母材とフィラーのアッベ数の差が10以上であるので、母材とフィラーの屈折率の波長依存性が大きく異なっており、透過波長領域以外の波長領域での母材とフィラーの屈折率の差が大きくなっている。このため、透過波長領域以外の波長領域では、母材とフィラーの界面で屈折や反射が生じやすくなり、光学素子に入射した光は散乱して直進しない。
従って、本発明における光学素子においては、光学素子に入射した透過波長領域の光のみを直進させて出射することができる。このため、透過波長領域の光のみを選択的に透過させることができる。
本発明において、透過波長領域における母材とフィラーの屈折率の差は、さらに好ましくは0.01以内である。なお、本発明において、透過波長領域における母材とフィラーの屈折率差は、透過波長領域全体における母材の屈折率とフィラーの屈折率の差の最大値を意味している。また、透過波長領域は、光学素子において透過させたい波長領域であり、光学素子の設計において定められる波長領域である。
また、母材とフィラーのアッベ数の差は、さらに好ましくは15以上であり、さらに好ましくは25以上であり、特に好ましくは30以上である。母材とフィラーのアッベ数の差が大きくなれば大きくなるほど、透過波長領域以外の波長領域における屈折率の差を大きくすることができ、より選択的に透過波長領域の光を透過させることができる。
本発明における母材は、例えば、樹脂材料及びガラス材料から形成することができる。母材を樹脂材料から形成することにより、成形性及び加工性を高めることができるので、母材は樹脂材料から形成されていることが特に好ましい。
本発明において、フィラーは、例えば、ガラス材料及び樹脂材料から形成することができる。また、本発明におけるフィラーとして、一般には、粒子形状のフィラーが挙げられるが、本発明におけるフィラーは粒子形状のものに限定されるものではなく、繊維状のフィラーや、織物状のフィラーであってもよい。
本発明の光学素子は、母材とフィラーの屈折率の差及びアッベ数の差を利用したものであり、色ガラス型光学フィルタのように、光エネルギーを吸収し熱エネルギーに変換するものではないので、光吸収による発熱を小さくすることができる。また、干渉型光学フィルタのように、形成する薄膜の厚みを波長オーダーで制御するものではないので、設計及び作製が容易である。また、透過波長領域以外の波長領域の光は、光学素子によって散乱されるので、干渉型光学フィルタに比べ、戻り光を少なくすることができる。
本発明の第1の局面に従う光学装置は、光源と、光源から出射された光の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとを備える光学装置であって、光学フィルタが上記本発明の光学素子から構成されていることを特徴としている。
本発明の第1の局面に従う光学装置は、上記本発明の光学素子を光学フィルタとして用いているので、光吸収による発熱が小さく、かつ設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタを用いた光学装置とすることができる。
本発明の第2の局面に従う光学装置は、受光部と、受光部に入射する光の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとを備える光学装置であって、光学フィルタが上記本発明の光学素子から構成されていることを特徴としている。
本発明の第2の局面に従う光学装置は、光学フィルタとして上記本発明の光学素子を用いているので、光吸収による発熱が小さく、かつ設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタを用いた光学装置とすることができる。
本発明によれば、光吸収による発熱が小さく、かつ設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタ機能を有する光学素子及び該光学素子を用いた光学装置とすることができる。
図1は、本発明の基本的原理を説明するための模式的断面図である。
図1に示すように、光学素子3は、母材1中にフィラー2を分散させることにより構成されている。母材1とフィラー2の透過波長領域における屈折率の差は、0.1以内、好ましくは0.01以内であり、母材1とフィラー2のアッベ数の差は10以上である。
図1(a)は、透過波長領域の光4が入射したときの状態を示している。透過波長領域においては、母材とフィラーの屈折率の差が0.1以内、好ましくは0.01以内であるので、母材1とフィラー2の界面において、光4の反射や屈折が生じず、光4は直進する。
図1(b)は、透過波長領域以外の波長領域の光5が入射したときの状態を示している。光学素子3において、母材1とフィラー2のアッベ数の差は10以上である。屈折率は波長依存性を有しており、その依存性を表わす数値として、アッベ数が用いられている。アッベ数は、フラウンホーファーのD線である589.2nmにおける屈折率をn、フラウンホーファーのF線である486.1nmにおける屈折率をn、フラウンホーファーのC線である656.3nmにおける屈折率をnとした場合、以下の式で定義されるνである。
ν=(n−1)/(n−n
従って、アッベ数νは無次元量であり、アッベ数が大きいほど波長依存性が小さく、アッベ数が小さいほど波長依存性は大きくなる。
母材1とフィラー2のアッベ数の差は10以上であるので、透過波長領域以外の波長領域において、母材1とフィラー2の屈折率の差が大きくなるように設定されている。従って、透過波長領域以外の波長領域の光5が入射すると、図1(b)に示すように、母材1とフィラー2との屈折率に大きな差があるため、母材1とフィラー2の界面において、光の屈折や反射が生じる。このため、透過波長領域以外の波長領域の光5は、光学素子3内において散乱し、直進しない。
図2は、アッベ数の差が大きい2種類の材料の屈折率の波長依存性を示す図である。D線付近において屈折率の差が小さく、D線から離れるにつれて屈折率の差が大きくなる2種類材料の屈折率を示している。図2に示すように、アッベ数が高い材料(高アッベ数材料)は、屈折率の波長依存性が小さくなっている。また、低いアッベ数を有する材料(低アッベ数材料)は、屈折率の波長依存性が大きくなっている。低アッベ数材料は、C線に近づくにつれて、すなわち波長が大きくなるにつれて、屈折率が低くなっており、F線に近づくにつれて、すなわち波長が小さくなるにつれて屈折率が大きくなっている。
図2に示すように、D線付近の波長領域Aでは、高アッベ数材料と低アッベ数材料の屈折率の差が小さくなり、D線から遠ざかるにつれて、高アッベ数材料と低アッベ数材料の屈折率の差が大きくなっている。
従って、例えば、図2に示す高アッベ数材料からなるフィラーを、図2に示す低アッベ数材料からなる母材中に分散させた光学素子においては、D線付近の波長領域Aの光を選択的に透過し、それ以外の波長領域の光を散乱させることができる。
図3は、図2に示す高アッベ数材料からなるフィラーを、図2に示す低アッベ数材料からなる母材中に分散させた光学素子における曇度(ヘイズ)の波長依存性を示す図である。散乱の程度を示す数値として、曇度(ヘイズ)がある。曇度とは、入射光軸から2.5°以上離れた光を散乱光とし、全透過光に対する散乱光の強度の百分率である。完全に光を透過する場合は0%となり、完全に散乱する場合には100%となる。
図3に示すように、アッベ数の差が大きく、D線付近の波長領域において屈折率の差が小さくなる高アッベ数材料からなるフィラーと低アッベ数材料からなる母材から構成された光学素子においては、D線付近の波長領域のみを透過する光学フィルタの特性を示すことがわかる。
本発明における母材材料としては、たとえば、樹脂材料を挙げることができる。このような樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのエネルギー線硬化樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の場合には、加熱して溶融した状態でフィラーを混合することにより、母材樹脂中にフィラーを分散させた光学素子を作製することができる。
熱硬化性樹脂及びエネルギー線硬化性樹脂の場合には、硬化前の樹脂に、フィラーを混合し、フィラーを分散させた状態で、加熱またはエネルギー線照射により硬化させ、光学素子を作製することができる。
本発明において用いるフィラーは、透明材料から形成すればよく、例えば、ガラス材料及び樹脂材料から形成することができる。平均粒子径としては、例えば、1μm〜100μmの範囲内のものを好ましく用いることができる。
光学素子内におけるフィラーの含有率としては、特に限定されるものではないが、一般には、10〜70体積%の範囲内であることが好ましい。このような範囲内とすることにより、光学フィルタ機能をより十分に発揮することができる。
図4は、本発明の第1の局面に従う光学装置の一実施形態を示す模式図である。本実施形態の光学装置は、図4に示すように、光源6と、光源6から出射された光7の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとしての光学素子3を備えている。光学素子3は、本発明に従う光学素子であり、所定の波長領域を選択的に透過させることができる。光学素子3は、色ガラス型光学フィルタのように、吸収した光エネルギーを熱エネルギーに変換させるものではないので、光吸収による発熱が小さい。従って、光学装置における発熱を低減させることができる。
また、上述のように、設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタであるので、光学装置としても設計及び作製が容易であり、戻り光の問題を生じることがない。
図5は、本発明の第2の局面に従う光学装置の一実施形態を示す模式図である。本実施形態の光学装置は、図5に示すように、受光部9と、受光部9に入射する光8の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとして用いられる光学素子3を備えている。
光学素子3は、所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタ機能を有するので、受光部9に入射する光8の所定の波長領域を選択的に透過させることができる。上述のように、透過波長領域以外の波長領域の光を吸収するものではなく、散乱させるものであるので、光吸収による発熱が小さい。このため、光学装置としての発熱も低減させることができる。
また、干渉型光学フィルタに比べ、設計及び作製が容易であり、戻り光の少ない光学フィルタであるので、光学装置としても設計及び作製が容易であり、戻り光の問題を生じることがない。
本発明における光学素子3は、レンズ形状、プリズム形状等に形成することが可能である。従って、図4及び図5に示す光学装置において、レンズやプリズムなどの光学素子を用いる場合には、本発明の光学素子3に、このような機能を付与し、レンズ機能やプリズム機能を有する光学フィルタとして、本発明の光学素子を用いることもできる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
母材樹脂として、OKP(大阪ガス社製ポリエステル樹脂)(屈折率1.61、アッベ数27)を用い、フィラーとして、PSKガラス(平均粒子径10μm、屈折率1.61、アッベ数67)を用いて、以下のようにして光学素子を作製した。
OKP樹脂を150℃以上に加熱して軟化させた後、上記のPSKガラスからなるフィラーを50重量%となるように混入し、その後室温まで冷却して厚さ10mmの試料を作製した。なお、フィラーの含有割合は約25体積%である。
(実施例2)
母材樹脂として、OKP(大阪ガス社製ポリエステル樹脂)(屈折率1.61、アッベ数27)を用い、フィラーとして、SKガラス(平均粒子径10μm、屈折率1.61、アッベ数57)を用いて、以下のようにして光学素子を作製した。
OKP樹脂を150℃以上に加熱して軟化させた後、上記のSKガラスからなるフィラーを50重量%となるように混入し、その後室温まで冷却して厚さ10mmの試料を作製した。なお、フィラーの含有割合は約25体積%である。
(実施例3)
母材樹脂として、ポリカーボネート樹脂(屈折率1.58、アッベ数29)を用い、フィラーとして、BALFガラス(平均粒子径10μm、屈折率1.58、アッベ数54)を用いて、以下のようにして、光学素子を作製した。
ポリカーボネート樹脂を160℃以上に加熱して軟化させた後、BALFガラスからなるフィラーを50重量%となるように混入し、その後室温まで冷却して厚さ10mmの試料を作製した。なお、フィラーの含有量は、約25体積%である。
(実施例4)
母材樹脂として、MP202(クラレ社製ポリビニルアルコール)(屈折率1.54、アッベ数42)を用い、フィラーとして、BKガラス(平均粒子径10μm、屈折率1.54、アッベ数62)を用いて、以下のようにして光学素子を作製した。
MP202の市販されている原液に、BKガラスからなるフィラーを50重量%となるように混入した後、365nmの紫外光を、約300mW/cmの強度で60秒間照射することにより樹脂を硬化させて、厚さ10mmの試料を作製した。なお、フィラーの含有量は、約25体積%である。
(実施例5)
母材樹脂として、MP202(クラレ社製ポリビニルアルコール)(屈折率1.54、アッベ数42)を用い、フィラーとしてTOPAS(ポリプラスチックス社製、環状オレフィン系コポリマー樹脂)(平均粒子径10μm、屈折率1.54、アッベ数57)を用いて、以下のようにして光学素子を作製した。
MP202の市販されている原液に、TOPASからなるフィラーを25重量%となるように混入した後、365nmの紫外光を、約300mW/cmの強度で60秒間照射することにより樹脂を硬化させて、厚さ10mmの試料を作製した。なお、フィラーの含有量は、約25体積%である。
(比較例1)
母材樹脂として、オレフィンマレイミド(屈折率1.54、アッベ数50)を用い、フィラーとしてZEONEX(日本ゼオン社製、シクロオレフィンポリマー樹脂)(平均粒子径10μm、屈折率1.54、アッベ数55)を用いて、以下のようにして光学素子を作製した。
オレフィンマレイミドを160℃以上の温度に加熱して軟化させた後、ZEONEXからなるフィラーを20重量%となるように混入し、均一に分散させた後、室温まで冷却して、厚さ10mmの試料を作製した。フィラーの含有量は、約25体積%である。
(比較例2)
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)(屈折率1.49、アッベ数53)のみを用いて、厚さ10mmの光学素子の試料を作製した。なお、比較例2の試料は、母材とフィラーが同一の屈折率及びアッベ数を有する場合に相当する。
〔D線とF線における曇度の測定〕
実施例1〜5及び比較例1〜2の各試料について、D線及びF線でのそれぞれの曇度を、曇度計を用いて測定した。D線での曇度とF線での曇度の差を、表1に示す。
また、表1には、母材及びフィラーの材料名、屈折率、及びアッベ数、並びに母材とフィラーのアッベ数の差を示す。
Figure 2010107867
表1に示すように、実施例1〜5においては、母材のD線での屈折率と、フィラーのD線での屈折率の差が0.01以内である。または、実施例1〜5においては、アッベ数の差が10以上となっている。
これに対して、比較例1〜2においては、母材のD線での屈折率とフィラーのD線での屈折率の差は0.01以内であるが、母材とフィラーのアッベ数の差が10未満となっている。
実施例1〜5においては、D線とF線との曇度の差が10%以上と高くなっており、D線付近の波長領域を選択的に透過できることがわかる
または、母材とフィラーのアッベ数の差が15以上であると、D線とF線での曇度の差が22%以上となっており、さらに好ましいことがわかる。
また、母材とフィラーのアッベ数の差が25以上であれば、D線とF線での曇度の差が70%以上となっており、さらに好ましいことがわかる。
また、母材とフィラーのアッベ数の差が30以上であれば、D線とF線での曇度の差が78%以上となっており、さらに一層好ましいことがわかる。
以上のように、本発明に従い、透過波長領域における母材とフィラーの屈折率の差を0.1以内、好ましくは0.01以内とし、さらに母材とフィラーのアッベ数の差が10以上となるように母材及びフィラーを選択して、母材中にフィラーを分散させた光学素子は、透過波長領域を選択的に透過させることができ、光学フィルタとして用いることができる。
本発明における透過波長領域は、上記の実施例に限定されるものではなく、紫外線領域から赤外線領域の範囲内で必要に応じて適宜設定することができる。
または、透過波長領域を変えた複数の光学素子を積層し、パスバンド幅を制御した波長制御素子として、本発明の光学素子を用いてもよい。
または、本発明の光学素子は、上述のように、レンズ形状やプリズム形状等の形状に形成することにより、レンズやプリズムなどの他の機能と光学フィルタ機能と併せ持つ光学素子とすることができる。
また、母材とフィラーの屈折率の温度特性の違いを利用して、可変フィルタとして本発明の光学素子を用いることもできる。
本発明の光学素子の基本的原理を説明するための模式的断面図。 高アッベ数材料と低アッベ数材料の屈折率の波長依存性を示す図。 図2に示す高アッベ数材料及び低アッベ数材料をそれぞれフィラー及び母材材料として用いた場合の曇度の波長依存性を示す図。 本発明の第1の局面に従う実施形態の光学装置を示す模式図。 本発明の第2の局面に従う実施形態の光学装置を示す模式図。
符号の説明
1…母材
2…フィラー
3…光学素子
4…透過波長領域の光
5…透過波長領域以外の波長領域の光
6…光源
7…光源から出射された光
8…受光部に入射する光
9…受光部

Claims (6)

  1. 母材中にフィラーを分散させてなり、所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタ機能を有する光学素子であって、
    前記波長領域における前記母材と前記フィラーの屈折率の差が0.1以内であり、前記母材と前記フィラーのアッベ数の差が10以上であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記母材が樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記フィラーがガラス材料から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記フィラーが樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  5. 光源と、前記光源から出射された光の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとを備える光学装置であって、
    前記光学フィルタが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子から構成されていることを特徴とする光学装置。
  6. 受光部と、前記受光部に入射する光の所定の波長領域を選択的に透過させる光学フィルタとを備える光学装置であって、
    前記光学フィルタが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子から構成されていることを特徴とする光学装置。
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