JP2021162623A - 反射偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率層と低屈折率層とが交互に繰り返して積層された積層体で構成される繰り返し部を、一軸方向に沿って延伸させることで得られた反射偏光板において、過酷な条件下で使用されたとしても、優れた耐熱性を発揮することができる反射偏光板を提供すること。【解決手段】本発明の反射偏光板は、高屈折率層31と低屈折率層32とを交互に繰り返し積層した積層体を、一軸方向に延伸することで得られたものであり、高屈折率層31は、前記一軸方向における屈折率が低屈折率層32の前記一軸方向における屈折率よりも高く、この反射偏光板は、前記一軸方向と直交する直交方向における透過率が30%以上であり、かつ、前記一軸方向における反射率保持性が80%以上であること。【選択図】図2

Description

本発明は、反射偏光板に関する。
近年、液晶ディスプレイのような表示装置等が備えるカバーフィルム、サングラス、眼鏡のようなアイウエア等が備えるレンズ、バイク、車のような移動手段が備える窓部材として樹脂製をなす透光性カバー部材を用いること、さらに、この透光性カバー部材として偏光板を用いることが知られている。
この透光性カバー部材に適用された偏光板として、近年、一定の偏光成分を選択的に反射し、この偏光成分と垂直方向の偏光成分を偏光光として選択的に透過する一軸延伸多層積層フィルムすなわち反射偏光板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この反射偏光板すなわち一軸延伸多層積層フィルムでは、屈折率の高い高屈折率層と、屈折率の低い低屈折率層とが交互に繰り返して積層された積層体で構成される繰り返し部を、一軸方向に沿って延伸させることで、高屈折率層の一軸方向における屈折率が低屈折率層の前記一軸方向における屈折率よりも高く、高屈折率層の一軸方向に直交する直交方向における屈折率が低屈折率層の前記直交方向における屈折率とほぼ等しく設定され、これにより、前記直交方向に沿った、特定の偏光成分のみを偏光光として透過し、他の成分を反射する反射偏光板としての機能を発揮する。
また、この透光性カバー部材は、例えば、車載用の表示装置や、スポーツ用のアイウエアが備えるものに適用した場合には、過酷な条件下で使用されることが想定されるため、優れた耐熱性を備えることが求められる。
しかしながら、このような過酷な条件下で透光性カバー部材を使用すると、特に、一軸方向における反射率が低下することに起因して、反射偏光板としての機能が低下すると言う問題があった。
特表2013−533510号公報
本発明の目的は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に繰り返して積層された積層体で構成される繰り返し部を、一軸方向に沿って延伸させることで得られた反射偏光板において、過酷な条件下で使用されたとしても、優れた耐熱性を発揮することができる反射偏光板を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1) 高屈折率層と低屈折率層とを交互に繰り返し積層した積層体を、一軸方向に延伸することで得られた反射偏光板であって、
前記高屈折率層は、前記一軸方向における屈折率が前記低屈折率層の前記一軸方向における屈折率よりも高く、
当該反射偏光板は、下記要件Aおよび下記要件Bを満足することを特徴とする反射偏光板。
要件A:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向における、波長589nmの光の反射率をR1[%]とし、
前記一軸方向に2倍延伸した前記積層体を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、前記積層体の前記一軸方向における、波長589nmの光の反射率をR2[%]としたとき、R2/R1×100[%]で求められる反射率保持性が80%以上であること。
要件B:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向と直交する直交方向における、波長589nmの光の透過率が30%以上であること。
(2) 前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体は、前記反射率R1が85%以上である上記(1)に記載の反射偏光板。
(3) 当該反射偏光板は、さらに、下記要件Cを満足する上記(1)または(2)に記載の反射偏光板。
要件C:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向と直交する直交方向における、波長589nmの光の透過率をT1[%]とし、
前記一軸方向に2倍延伸した前記積層体を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、前記積層体の前記直交方向における、波長589nmの光の透過率をT2[%]としたとき、T2/T1×100[%]で求められる透過率保持性が80%以上であること。
(4) 前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点をTg1とし、前記低屈折率層を構成する主材料のガラス転移点をTg2としたとき、0℃≦Tg1−Tg2<60℃なる関係を満足する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の反射偏光板。
(5) 前記ガラス転移点Tg1は、110℃以上250℃以下である上記(4)に記載の反射偏光板。
(6) 前記低屈折率層は、前記積層体の前記延伸方向において、波長589nmでの屈折率が1.49以上1.67以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の反射偏光板。
(7) 前記高屈折率層は、前記積層体の前記延伸方向において、波長589nmでの屈折率が1.59以上1.85以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の反射偏光板。
本発明によれば、高屈折率層と低屈折率層とが交互に繰り返して積層された積層体で構成される繰り返し部を、一軸方向に沿って延伸させることで得られた反射偏光板が、過酷な条件下で使用されたとしても、反射偏光板の一軸方向における反射率の低下を的確に抑制または防止することができる。そのため、この反射偏光板は、優れた耐熱性を発揮する。
本発明の反射偏光板を備える透光性カバー部材の実施形態を示す縦断面図である。 図1中の一点鎖線で囲まれた領域[B]に位置する、透光性カバー部材が備える反射偏光板の一部を拡大した拡大断面図である。
以下、本発明の反射偏光板を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の反射偏光板を、透光性カバー部材に適用した場合を一例に説明する。
<透光性カバー部材>
図1は、本発明の反射偏光板を備える透光性カバー部材の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1中の一点鎖線で囲まれた領域[B]に位置する、透光性カバー部材が備える反射偏光板の一部を拡大した拡大断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図2中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図1、図2において、図中の紙面左右方向がX軸方向、紙面手前奥方向がY軸方向、紙面上下方向がZ軸方向であり、これらの方向は、互いに直交している。さらに、図1、図2中では、理解を容易にするため、透光性カバー部材を平坦な状態で図示するとともに、厚さ方向を誇張して模式的に図示している。
透光性カバー部材1は、本実施形態では、図1に示すように、一定の偏光成分を選択的に反射し、この偏光成分と垂直方向の偏光成分を選択的に透過する偏光層3と、この偏光層3の上面および下面(一方の面および他方の面)の双方に積層されたハードコート層5とを備える積層板で構成されている。
透光性カバー部材1において、このものが備える偏光層3が本発明の反射偏光板で構成されるが、以下、透光性カバー部材1を構成する各層について説明する。
偏光層3は、透光性カバー部材1の厚さ方向の中央に位置する中間層であり、一定の偏光成分を選択的に反射し、この偏光成分と垂直方向の偏光成分を選択的に透過するものである。より具体的には、本実施形態では、一軸方向であるX軸方向の偏光成分を選択的に反射し、この一軸方向に対して直交するY軸方向の偏光成分を選択的に透過するものであり、この偏光層3が本発明の反射偏光板で構成される。
偏光層3は、図2に示す通り、屈折率の高い高屈折率層31と、屈折率の低い低屈折率層32とが交互に繰り返して積層された積層体で構成される繰り返し部33を、加熱しつつ一軸方向に沿って延伸させてなる、いわゆる一軸延伸多層積層フィルムである。すなわち、偏光層3は、繰り返し部33を複数積層した積層体を一軸方向に沿って延伸させたものとすることで、1つの高屈折率層31を、2つの低屈折率層32で挟み込んだ構成を繰り返して有するものである。
この偏光層3において、高屈折率層31を、正の応力光学係数が高い樹脂材料、すなわち複屈折が生じやすい樹脂材料を含有し、低屈折率層32を、正の応力光学係数が低い樹脂材料、すなわち複屈折が生じにくい樹脂材料を含有する構成とすることで、一軸方向であるX軸方向に沿った延伸により、高屈折率層31の屈折率を複屈折化させて異方性を持たせ、層面内の延伸方向すなわちX軸方向における低屈折率層32との層間の屈折率差を大きくし、一方で層面内の延伸方向と直交方向すなわちY軸方向における低屈折率層32との層間の屈折率差を小さくすることができる。これにより、特定の偏光成分のみを偏光光として透過し、他の成分を反射する一軸延伸多層積層フィルムすなわち反射偏光板としての機能を、偏光層3に付与することができる。
換言すれば、偏光層3は、延伸方向であるX軸方向に沿って偏光された偏光光が偏光層3に入射光として入射すると、その偏光光が、最大限でブロック(反射)すなわち最小限で透過し、これに対して、Y軸方向に沿って偏光された偏光光が偏光層3に入射光として入射すると、その偏光光が最小限でブロックすなわち最大限で透過する反射偏光板としての機能を発揮する。
なお、延伸方向であるX軸方向において、最大限でブロックし、Y軸方向において、最小限でブロックする光の波長(波長領域)は、高屈折率層31および低屈折率層32にそれぞれ含まれる樹脂材料の種類、偏光層3(繰り返し部33)における高屈折率層31と低屈折率層32との繰り返し数、ならびに、偏光層3(繰り返し部33)の厚さ等を適宜設定することで、所望の大きさ(範囲内)に調整される。
したがって、この偏光層3を備える透光性カバー部材1を、例えば、車載用の表示装置が備える表示部が有するカバー部材に適用した場合には、表示装置の外部から照射される外光、すなわち、太陽光(自然光)は、透光性カバー部材1を透過する際に、所定の偏光方向の光が透光性カバー部材1で吸収され、残りの光すなわち減衰された光が表示部の内部にまで到達することとなる。これにより、太陽光の表示部内への侵入が抑制され、よって、表示部内が太陽光(特に紫外線や熱)によって経時的に劣化するのをできる限り防止することができる。また、透光性カバー部材1を、例えば、スポーツ用のアイウエアが備えるレンズに適用した場合には、アイウエアの外部から照射される外光、すなわち、太陽光の直接光や、その反射光は、透光性カバー部材1を透過する際に、所定の偏光方向の光が透光性カバー部材1で吸収され、残りの光すなわち減衰された光がアイウエアの装着者の眼にまで到達することとなる。これにより、太陽光の直接光や反射光の眼への侵入が抑制され、よって、装着者による視界における対象物の認識を比較的容易に行い得るようになる。このように透光性カバー部材1は、偏光板としての機能を発揮する。
この偏光層3(一軸延伸多層積層フィルム)は、前述の通り、高屈折率層31と低屈折率層32とが交互に繰り返して積層された繰り返し部33(積層体)を得た後に、この繰り返し部33を加熱しつつ一軸方向(X軸方向)に沿って延伸させることにより得られるが、より具体的には、例えば、以下のようにして製造し得る。
すなわち、まず、高屈折率層31および低屈折率層32を形成するための樹脂組成物として、それぞれ、正の応力光学係数が高い樹脂材料、および、正の応力光学係数が低い樹脂材料を主材料として含有するものを用意し、これらを交互に積層することで、高屈折率層31と低屈折率層32とが交互に繰り返して積層された繰り返し部33(積層体)を得る(積層工程)。
この繰り返し部33を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、数台の押出機により、原料となる前記樹脂材料を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法などの共押出Tダイ法、空冷式または水冷式共押出インフレーション法が挙げられ、なかでも、特に、共押出Tダイ法が好ましい。共押出Tダイ法は、成膜する各層の厚さ制御に優れることから好ましく用いられる。
次いで、得られた繰り返し部33(積層体)を、加熱しつつ、一軸方向(X軸方向)に沿って延伸させる(延伸工程)。
この繰り返し部33の一軸方向であるX軸方向に沿った延伸により、高屈折率層31の屈折率を複屈折化させて異方性を持たせる。これに対して、低屈折率層32では、X軸方向およびY軸方向における屈折率の大きさを維持させる。これにより、X軸方向における高屈折率層31と低屈折率層32との層間の屈折率差を大きくし、かつ、Y軸方向における高屈折率層31と低屈折率層32との層間の屈折率差を小さくさせることができる。
次いで、一軸方向(X軸方向)に沿って延伸された繰り返し部33(積層体)を、冷却させて、乾燥・固化させる(冷却工程)。これにより、Y軸方向に沿った特定の偏光成分のみを偏光光として透過し、他の成分を反射する一軸延伸多層積層フィルム(反射偏光板)として機能する偏光層3が得られる。
ここで、透光性カバー部材1を、車載用の表示装置や、スポーツ用のアイウエアが備えるものに適用した場合、過酷な条件下で使用されることが想定される。そのため、透光性カバー部材1が有する偏光層3は、優れた耐熱性を備えることが求められる。
偏光層3は、前述の通り、一軸方向(X軸方向)に沿って延伸されることで、X軸方向に沿って偏光された偏光光が最大限で反射され、これに対して、Y軸方向に沿って偏光された偏光光が最大限で透過する特性を発揮するものである。したがって、偏光層3が優れた耐熱性を発揮するとは、過酷な条件下に晒されたとしても、かかる偏光層3の特性が好適に維持されていることであると言うことができる。
そこで、本発明では、高屈折率層31を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、繰り返し部33(積層体)を一軸方向(X軸方向)に2倍延伸したときの一軸方向と直交する直交方向(Y軸方向)における繰り返し部33での波長589nmの光の透過率が30%以上であること(要件B)を満足する偏光層3において、下記要件Aを満足している。
すなわち、高屈折率層31を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、繰り返し部33(積層体)を一軸方向(X軸方向)に2倍延伸したときの一軸方向における繰り返し部33での波長589nmの光の反射率をR1[%]とし、一軸方向に2倍延伸した繰り返し部33を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、一軸方向における繰り返し部33での波長589nmの光の反射率をR2[%]としたとき、R2/R1×100[%]で求められる反射率保持性が80%以上であることを満足している。
上記の通り、105℃の温度環境下で1000hr保管するという過酷な条件下に晒されたとしても、前記反射率保持性が80%以上であることを維持している。このように、前記反射率保持性が80%以上の割合で維持されていることから、この偏光層3を、優れた耐熱性を発揮するものであると言うことができる。
なお、前述の通り、繰り返し部33(積層体)では、延伸方向であるX軸方向において、最大限でブロックし、Y軸方向において、最小限でブロックする光の波長(波長領域)は、高屈折率層31および低屈折率層32にそれぞれ含まれる樹脂材料の種類、偏光層3(繰り返し部33)における高屈折率層31と低屈折率層32との繰り返し数、ならびに、偏光層3(繰り返し部33)の厚さ等を適宜設定することで、所望の大きさ(範囲内)に調整される。
このような偏光層3(繰り返し部33)に対して、本発明では、一般的に基準波長として使用されるナトリウムD線(589nm)を代表値として用いて、波長589nmにおける前記透過率および前記反射率保持性(R2/R1×100[%])の大きさを規定することで、偏光層3(繰り返し部33)すなわち反射偏光板を優れた耐熱性を発揮するものとすることができる。
以上のように、前記要件Aおよび前記要件Bを満足することができる、高屈折率層31の主材料すなわち正の応力光学係数が高い樹脂材料、および、低屈折率層32の主材料すなわち正の応力光学係数が低い樹脂材料としては、それぞれ、非結晶性を有するポリカーボネート系樹脂およびポリスチレン系樹脂、ならびに、結晶性を有するポリエステル系樹脂およびアクリル系樹脂のうちの少なくとも1種であることが好ましく、ポリカーボネート系樹脂およびポリエステル系樹脂のうちの少なくとも1種であることがより好ましい。これらのものから高屈折率層31および低屈折率層32の主材料を適宜選択することで、高屈折率層31および低屈折率層32を備える偏光層3を、比較的容易に、前記要件Aと前記要件Bとの双方を満足するものとすることができる。
さらに、このような高屈折率層31の主材料および低屈折率層32の主材料において、高屈折率層31に含まれる正の応力光学係数が高い樹脂材料のガラス転移点をTg1とし、低屈折率層32に含まれる正の応力光学係数が低い樹脂材料のガラス転移点をTg2としたとき、Tg1≧Tg2≧105℃なる関係を満足するのが好ましく、また、0℃≦Tg1−Tg2<60℃なる関係を満足するのが好ましい。このように、Tg1とTg2との双方が105℃以上であり、さらに、双方の差が60℃未満であるものを選択することで、高屈折率層31と低屈折率層32との双方を優れた耐熱性を有するものとし得ることから、偏光層3を、前記要件Aと前記要件Bとを比較的容易に満足するものとすることができる。
以上のような点を考慮して、高屈折率層31の主材料としては、ガラス転移点Tg1が好ましくは110℃以上250℃以下、より好ましくは150℃以上200℃以下であることを満足するポリカーボネート(PC)およびポリアリレート(PAR)のうちの少なくとも1種が好適に選択される。
また、低屈折率層32の主材料としては、高屈折率層31の主材料としてガラス転移点Tg1が110℃以上250℃以下の前記樹脂材料が選択された場合、具体的には、0℃≦Tg1−Tg2<60℃なる関係を満足するポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)のようなスチレン系樹脂のうちの少なくとも1種が好適に選択される。
このような樹脂材料を用いる場合、高屈折率層31と低屈折率層32とに、それぞれ含まれる主材料の組み合わせとしては、具体的には、ポリカーボネート(PC)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)との組み合わせ、ポリカーボネート(PC)とポリエチレンテレフタレート(PET)との組み合わせ、ポリアリレート(PAR)とポリカーボネート(PC)との組み合わせ、ポリカーボネート(PC)とアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)との組み合わせ等が挙げられる。このような組み合わせによれば、前記要件Aと前記要件Bとを確実に満足するものとすることができる。
なお、高屈折率層31および低屈折率層32には、それぞれ、前記主材料の他に、充填材のような添加剤が含まれていてもよい。これにより、高屈折率層31および低屈折率層32を備える偏光層3を、前記要件Aおよび前記要件Bをより確実に満足するものとし得る。
また、この充填剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、燐酸カルシウム、カオリン、タルク、スメクタイトのような無機充填材、架橋ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のような有機充填材が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、炭酸ストロンチウムおよびスメクタイトのうちの少なくとも1種であることが好ましく、炭酸ストロンチウムであることがより好ましい。炭酸ストロンチウムは、特に優れた負の複屈折を有する充填材であると言うことができる。そのため、例えば、ポリカーボネートのような正の複屈折を持つ樹脂に添加することで、これらを含有する低屈折率層32において複屈折が発現するのを確実に低減させることができる。
また、充填剤は、球状、扁平状のような粒子状、顆粒状、ペレット状および鱗片状のいずれの形状をなしていてもよいが、粒子状をなして含まれることが好ましい。
以上のような樹脂材料の組み合わせで得られる高屈折率層31および低屈折率層32において、高屈折率層31は、前記一軸方向(X軸方向)における、波長589nmでの屈折率が1.59以上1.85以下であるのが好ましく、低屈折率層32は、前記一軸方向(X軸方向)における、波長589nmでの屈折率が1.49以上1.67以下であるのが好ましい。これにより、一軸方向であるX軸方向の偏光成分を選択的に反射させることができる。
また、偏光層3(繰り返し部33)は、その波長589nmの光の透過率(要件B)が30%以上であればよいが、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。そして、このように要件Bを満足するときに、波長589nmの光における、R2/R1×100[%]で求められる反射率保持性(要件A)は、80%以上であればよいが、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。これにより、偏光層3をより優れた耐熱性を発揮するものであると言うことができる。
さらに、要件Aにおいて、波長589nmの光の反射率R1は、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。反射率R1が前記下限値以上であることを満足することで、偏光層3を、X軸方向に沿って偏光された偏光光を優れた精度で反射し得るものであると言える。そして、反射率R1がこの大きさであるときに、R2/R1×100[%]で求められる反射率保持性が前記下限値以上であることで、X軸方向に沿って偏光された偏光光が優れた精度で反射される反射特性が、偏光層3が過酷な条件下に晒されたとしても、より確実に維持されていると言うことができる。
また、要件Bにおいて、直交方向(Y軸方向)における、波長589nmの光の透過率をT1[%]とし、一軸方向に2倍延伸した繰り返し部33(偏光層3)を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、繰り返し部33の直交方向(Y軸方向)における、波長589nmの光の透過率をT2[%]としたとき、T2/T1×100[%]で求められる透過率保持性が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。このように、105℃の温度環境下で1000hr保管するという過酷な条件下に晒されたとしても、前記透過率保持性が80%以上であることを維持しているため、この偏光層3を、より優れた耐熱性を発揮するものであると言うことができる。
さらに、高屈折率層31および低屈折率層32は、それぞれ、その平均厚さが50nm以上300nm以下であることが好ましく、その平均厚さが70nm以上200nm以下であることがより好ましい。
また、高屈折率層31と低屈折率層32とが積層された繰り返し部33は、その積層された数が10以上3000以下であることが好ましく、100以上1500以下であることがより好ましい。
高屈折率層31および低屈折率層32の平均厚さ、ならびに、高屈折率層31と低屈折率層32とが積層された繰り返し部33の数を前記範囲内に設定することにより、一軸方向であるX軸方向の偏光成分をより確実に反射させることができる。また、延伸方向であるX軸方向において、最大限でブロックし、Y軸方向において、最小限でブロックする光の波長(波長領域)を、所望の大きさ(範囲内)のものに調整することができる。
ハードコート層5は、図1に示すように、偏光層3の上面および下面の双方に形成され、紫外線硬化性樹脂で構成されるものであり、偏光層3を保護することで、透光性カバー部材1に優れた耐候性、耐久性、耐擦傷性、熱成形性を付与するために設けられる。なお、このハードコート層5を備える透光性カバー部材1は、例えば、湾曲させた湾曲状態で、収納体が備える窓部等に装着することができる。
ハードコート層5を構成する紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂、ウレタンアクリレートオリゴマーまたはポリエステルウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とする紫外線硬化性樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルフェノール系樹脂等のうちの少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。そして、これらの中でもアクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。これにより、偏光層3との密着性の向上を図ることができる。
ハードコート層5の平均厚さとしては、特に限定されず、例えば、2.0μm以上20μm以下であるのが好ましく、3.0μm以上15μm以下であるのがより好ましい。これにより、偏光層3を保護するコート層としての機能を確実に付与することができる。
ハードコート層5の屈折率としては、特に限定されず、例えば、1.40以上1.60以下であるのが好ましく、1.450以上1.595以下であるのがより好ましい。
このハードコート層5は、例えば、ワニス状の紫外線硬化性樹脂組成物を偏光層3上に塗布して液状被膜を形成し、この液状被膜に紫外線を照射することで液状被膜を硬化させることで形成される。
なお、透光性カバー部材1は、このハードコート層5の形成が省略されたものであってもよい。
以上のような構成の透光性カバー部材1は、その総厚が例えば4μm以上150μm以下であるのが好ましく、10μm以上100μm以下であるのがより好ましい。これにより、透光性カバー部材1をできる限り薄いものとすることができるとともに、透光性カバー部材1としての通常の使用に耐え得る程度の剛性を有するものとすることができる。
また、透光性カバー部材1は、その平面視で長方形をなすものであり、縦が50mm以上200mm以下であるのが好ましく、60mm以上190mm以下であるのがより好ましく、横が100mm以上400mm以下であるのが好ましく、130mm以上380mm以下であるのがより好ましい。
以上、本発明の反射偏光板について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、反射偏光板を備える透光性カバー部材1を構成する各層は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
さらに、前記実施形態では、本発明の反射偏光板を、偏光層3(偏光板)として備える透光性カバー部材1に適用する場合について説明したが、この透光性カバー部材1は、例えば、液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイのような表示装置等が備えるカバーフィルム、サングラス、眼鏡のようなアイウエア等が備えるレンズ、バイク、車のような移動手段が備える窓部材として適用することができる他、本発明の反射偏光板は、ヘッドアップディスプレイが備える光源内に設けられる輝度向上フィルムやコールドミラー、赤外線センサーのような車載センサーが備える偏光板、透明ディスプレイにおいて可視光線レーザーを反射する偏光板等に適用することができる。本発明の反射偏光板は、前述のように要件Aと要件Bとの双方を満足し、優れた耐熱性を発揮するため、このような偏光板として好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.原材料の準備
<ポリカーボネート(PC1)>
ポリカーボネート(PC1)として、ユーピロンE2000(三菱エンジニアプラスチックス社製)を用意した。
<ポリメタクリル酸メチル(耐熱PMMA1)>
ポリメタクリル酸メチル(耐熱PMMA1)として、デルペットPM120N(旭化成社製)を用意した。
<ポリメタクリル酸メチル(PMMA1)>
ポリメタクリル酸メチル(PMMA1)として、スミペックスMM(住友化学社製)を用意した。
<ポリエチレンテレフタレート(耐熱PETG1)>
耐熱非晶性ポリエチレンテレフタレート(耐熱PETG1)として、トライタンTX2001(イーストマンケミカル社製、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を用意した。
<ポリエチレンテレフタレート(PETG2)>
非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG2)として、スカイグリーンK2012(SKケミカル社製)を用意した。
<ポリアリレート(PAR1)>
ポリアリレート(PAR1)として、UポリマーP−5001(ユニチカ社製)を用意した。
<ポリアリレート(PAR2)>
ポリアリレート(PAR2)として、UポリマーU−100(ユニチカ社製)を用意した。
<ポリエチレンナフタレート(PEN1)>
ポリエチレンナフタレート(PEN1)として、テオネックスTN8065S(帝人社製)を用意した。
<ポリエチレンテレフタレート(APET1)>
ポリエチレンテレフタレート(APET1)として、ノバペックスGM700Z(三菱ケミカル社製、結晶性ポリエチレンテレフタレート)を用意した。
<炭酸ストロンチウム(SrCO)>
負の複屈折をもつ粒子として、炭酸ストロンチウム(SrCO)を用意した。
<アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS1)>
アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS1)として、デンカAS−XGS(デンカ社製)を用意した。
<スチレン−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体(IP1)>
スチレン−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体(IP1)として、デンカIP−ND(デンカ社製)を用意した。
<PCTG1>
ポリエチレンテレフタレート・シクロヘキサンジメタノール変性共重合体(PCTG1)として、スカイグリーンJ2003(SKケミカル社製)を用意した。
<ポリスチレン(耐熱PS1)>
耐熱PS共重合体(耐熱PS1)として、TF4000(東洋スチレン社製)を用意した。
2.反射偏光板の製造
(実施例1)
[1]まず、高屈折率層31を形成するための樹脂材料としてポリカーボネート(PC1)を、低屈折率層32を形成するための樹脂材料としてポリメタクリル酸メチル(耐熱PMMA1)を、それぞれ、用意した。
[2]次に、ポリカーボネート(PC1、Tg150℃)およびポリメタクリル酸メチル(耐熱PMMA1、Tg123℃)を、それぞれ、押出機(サン・エヌ・ティー社製、「SNT40−28」)で、270℃の溶融状態とし、フィードブロックおよびダイを用いて共押出しして、フィルム形成した後、このものを冷却することで、高屈折率層31と低屈折率層32とが交互に繰り返して積層された、合計1023層の積層体を作製した。ここで、積層厚み比が高屈折率層31:低屈折率層32=1:1になるように吐出量を調整した。
なお、得られた積層体において、低屈折率層32の波長589nmにおける屈折率を、アッペ屈折率計(ATAGO社製、「型番 NA−1T SOLID」)を用いて測定したところ1.510であった。また、高屈折率層31の波長589nmにおける屈折率を、アッペ屈折率計(ATAGO社製、「型番 NA−1T SOLID」)を用いて測定したところ1.585であった。さらに、積層体の平均厚さは、200μmであった。
[3]次に、積層体を、160℃で加熱しつつ、一軸方向(X軸方向)に沿って2倍延伸させることで、実施例1の反射偏光板を得た。
なお、得られた反射偏光板において、低屈折率層32の波長589nmにおける屈折率を、延伸方向(X軸方向)および非延伸方向(Y軸方向)について、Axoscan(AXOMETRICS社製)を用いて測定したところ、それぞれ、1.5099および1.5100であった。また、高屈折率層31の波長589nmにおける屈折率を、延伸方向(X軸方向)および非延伸方向(Y軸方向)について、Axoscan(AXOMETRICS社製)を用いて測定したところ、それぞれ、1.652および1.552であった。
(実施例2〜10、比較例1〜2)
前記工程[1]において、高屈折率層31および低屈折率層32を形成するための樹脂材料として、それぞれ、表1に示すものを用意し、さらに、前記工程[3]において、積層体を加熱しつつ延伸する際の延伸温度を表1に示すように変更したこと以外は前記実施例1と同様にして、実施例2〜10、比較例1〜2の反射偏光板を得た。
3.評価
各実施例および各比較例の反射偏光板を、以下の方法で評価した。
<1A>加熱前の反射偏光板のX軸方向の反射率(%)およびY軸方向の透過率(%)の測定
まず、各実施例および各比較例の反射偏光板を、それぞれ、589nmの光を発する光源と、受光部との間に、反射偏光板の上面と、光源と受光部とを結ぶ直線とのなす角度が90°となるように配置した。
次いで、反射偏光板を透過した、光源から発光された発光光(透過光)を、受光部において受光し、この透過光のX軸方向およびY軸方向における透過率(%)をそれぞれ測定することで、X軸方向(延伸方向)における初期(加熱前)の反射率R1(%)と、Y軸方向(非延伸方向)における初期(加熱前)の透過率T1(%)とを求めた。
<2A>加熱後の反射偏光板のX軸方向の反射率(%)およびY軸方向の透過率(%)の測定
まず、各実施例および各比較例の反射偏光板について、それぞれ、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管し、その後、589nmの光を発する光源と、受光部との間に、反射偏光板の上面と、光源と受光部とを結ぶ直線とのなす角度が90°となるように配置した。
次いで、反射偏光板を透過した、光源から発光された発光光(透過光)を、受光部において受光し、この透過光のX軸方向およびY軸方向における透過率(%)をそれぞれ測定することで、X軸方向(延伸方向)における加熱後の反射率R2(%)と、Y軸方向(非延伸方向)における加熱後の透過率T2(%)とを求めた。
そして、ここで得られた、X軸方向(延伸方向)における加熱後の反射率R2(%)と、Y軸方向(非延伸方向)における加熱後の透過率T2(%)と、前記<1A>で得られた、X軸方向(延伸方向)における初期(加熱前)の反射率R1(%)と、Y軸方向(非延伸方向)における初期(加熱前)の透過率T1(%)とを用いて、反射率保持性(R2/R1×100[%])と、透過率保持性(T2/T1×100[%])とを求めた。
<3A>反射偏光板の耐熱性の確認
まず、各実施例および各比較例の反射偏光板について、400〜780nmの波長でX軸方向の反射率、Y軸方向の透過率を測定した。その後、耐久試験(105℃×1000hr)を行い、試験後のサンプル(反射偏光板)についても同様に反射率、透過率を測定した。次いで、各水準において測定した反射率、透過率について、400〜780nmの平均値を算出した。
そして、算出された反射率、透過率を、それぞれ、以下に示すR3、R4、T3、T4としたとき、これらに基づいて、以下に示すようにすることで、反射率の変化率および透過率の変化率を求めた。
R3:X軸方向の400〜780nmの反射率の平均値(耐久試験前)
R4:X軸方向の400〜780nmの反射率の平均値(耐久試験後)
T3:Y軸方向の400〜780nmの透過率の平均値(耐久試験前)
T4:Y軸方向の400〜780nmの透過率の平均値(耐久試験後)
反射率の変化率:R4/R3×100(%)
透過率の変化率:T4/T3×100(%)
その後、得られた反射率の変化率および透過率の変化率について、以下に示す評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
◎: R4/R3×100かつT4/T3×100が85%以上
〇: R4/R3×100かつT4/T3×100が80%以上85%未満
×: R4/R3×100かつT4/T3×100が80%未満
以上のようにして得られた各実施例および各比較例の反射偏光板における評価結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
Figure 2021162623
表1に示したように、各実施例における反射偏光板では、589nmの光のY軸方向(非延伸方向)における初期(加熱前)の透過率T1が30%以上であり、さらに、589nmの光の反射率保持性(R2/R1×100[%])が80%以上であることを満足していることから、性能保持性を発揮している、すなわち、耐熱性を有していると言える結果を示した。
これに対して、各比較例における反射偏光板では、589nmの光のY軸方向(非延伸方向)における初期(加熱前)の透過率T1が30%以上であることを満足するものの、589nmの光の反射率保持性(R2/R1×100[%])が80%以上であることを満足しておらず、これにより、耐熱性を有しているとは言えない結果を示した。
1 透光性カバー部材
3 偏光層
5 ハードコート層
31 高屈折率層
32 低屈折率層
33 繰り返し部

Claims (7)

  1. 高屈折率層と低屈折率層とを交互に繰り返し積層した積層体を、一軸方向に延伸することで得られた反射偏光板であって、
    前記高屈折率層は、前記一軸方向における屈折率が前記低屈折率層の前記一軸方向における屈折率よりも高く、
    当該反射偏光板は、下記要件Aおよび下記要件Bを満足することを特徴とする反射偏光板。
    要件A:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向における、波長589nmの光の反射率をR1[%]とし、
    前記一軸方向に2倍延伸した前記積層体を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、前記積層体の前記一軸方向における、波長589nmの光の反射率をR2[%]としたとき、R2/R1×100[%]で求められる反射率保持性が80%以上であること。
    要件B:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向と直交する直交方向における、波長589nmの光の透過率が30%以上であること。
  2. 前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体は、前記反射率R1が85%以上である請求項1に記載の反射偏光板。
  3. 当該反射偏光板は、さらに、下記要件Cを満足する請求項1または2に記載の反射偏光板。
    要件C:前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点よりも10℃高い温度で、前記積層体を前記一軸方向に2倍延伸したときの前記積層体の前記一軸方向と直交する直交方向における、波長589nmの光の透過率をT1[%]とし、
    前記一軸方向に2倍延伸した前記積層体を、熱循環式オーブン内に105℃の温度環境下で1000hr保管した後において、前記積層体の前記直交方向における、波長589nmの光の透過率をT2[%]としたとき、T2/T1×100[%]で求められる透過率保持性が80%以上であること。
  4. 前記高屈折率層を構成する主材料のガラス転移点をTg1とし、前記低屈折率層を構成する主材料のガラス転移点をTg2としたとき、0℃≦Tg1−Tg2<60℃なる関係を満足する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の反射偏光板。
  5. 前記ガラス転移点Tg1は、110℃以上250℃以下である請求項4に記載の反射偏光板。
  6. 前記低屈折率層は、前記積層体の前記延伸方向において、波長589nmでの屈折率が1.49以上1.67以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の反射偏光板。
  7. 前記高屈折率層は、前記積層体の前記延伸方向において、波長589nmでの屈折率が1.59以上1.85以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の反射偏光板。
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