JP2010106216A - リン酸エステル・金属水酸化物含有重合性組成物、プリプレグ、及び積層体 - Google Patents

リン酸エステル・金属水酸化物含有重合性組成物、プリプレグ、及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波領域での誘電正接が極めて小さく、かつ非ハロゲン系での難燃性に優れた積層体の製造に有用な、重合性組成物及びプリプレグ、並びに該積層体を提供すること。
【解決手段】架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを含むシクロオレフィンモノマー、重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、リン酸エステル、及び金属水酸化物を含有してなる重合性組成物、前記重合性組成物を強化繊維に含浸させた後に重合してなるプリプレグ、及び前記プリプレグと、当該プリプレグ及び/又は他の材料とを積層した後、硬化してなる積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合性組成物、プリプレグ、及び積層体に関する。さらに詳しくは、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、かつ非ハロゲン系での難燃性(以下、非ハロゲン難燃性という。)に優れた積層体の製造に有用な、重合性組成物及びプリプレグ、並びに該積層体に関する。
近年、高度情報化時代を迎え、情報伝送は高速化・高周波化に動き出し、マイクロ波通信やミリ波通信が現実になってきている。これらの高周波化時代の回路基板は、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するために誘電正接が小さいことが、かつ民生用途で使用されるために、ハロゲンを含まずに難燃性を有する、いわゆる非ハロゲン難燃性に優れた材料であることが求められている。誘電正接が小さい樹脂材料としてはシクロオレフィンモノマーを重合したシクロオレフィンポリマーが注目されているが、該シクロオレフィンポリマーは極性基をほとんど含まない炭化水素のポリマーであるため非常に燃えやすく、難燃化が困難な状況にあった。
例えば、特許文献1には、ジシクロペンタジエンなどの分子内にメタセシス開環反応性部を2以上有する環状オレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、連鎖移動剤を含む反応液を140〜230℃の温度で塊状重合して熱可塑性樹脂を得、次いで該熱可塑性樹脂を加熱溶融し、架橋する架橋樹脂の製造方法が開示されている。具体的には、テトラシクロドデセンと5−エチリデン−2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンとからなるモノマー液に連鎖移動剤としてのスチレンとメタセシス重合触媒を加えて反応液を調製し、150℃に加熱して重合させるとトルエンに可溶のフィルムが得られ、次いで該トルエン可溶フィルムを200℃に加熱した面状ヒーター上に置くと、一旦溶融したフィルムがトルエン不溶の架橋フィルムになることを開示している。また、本方法に使用される反応液には、ガラス繊維、紙基材などの強化材、リン酸エステル化合物、赤リン、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤を含む難燃剤、ガラス粉末、カーボンブラック、水酸化アルミニウムなどの無機充填剤などを配合してもよいことが記載されている。
特許文献2には、芳香環を有するシクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤及び難燃剤等を含む重合性組成物を塊状重合して樹脂成形体を製造する方法が開示されいる。具体的には、芳香環含有シクロオレフィンモノマーとジシクロペンタジエン、メタセシス重合触媒、及び難燃剤として赤リン、ポリリン酸アンモニウム及び水酸化アルミニウムを組み合わせた重合性組成物を70℃の金型内に移送し重合して成形物を得、または、シクロオレフィンモノマーとして芳香環含有シクロオレフィンモノマー、テトラシクロドデセン及び2−ノルボルネン、メタセシス重合触媒、連鎖移動剤としてメタクリル酸アリル、架橋剤としてジ−t−ブチルペルオキシド、及び難燃剤として水酸化マグネシウム、ポリリン酸メラミン及び赤リンを組み合わせた重合性組成物をガラスクロスに含浸させた後に重合し加熱硬化させた積層板を得ている。本文献には、また、難燃剤を多量に添加できること、難燃剤としてハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、赤リン、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、フォスファゼンなどのリン系難燃剤、窒素系難燃剤などが使用できること、及び架橋剤、充填剤、強化材等を配合できることが記載されている。
特開2007−277572号公報 国際公開第2005/014690号パンフレット
しかしながら、前記のような、シクロオレフィンモノマーを重合して得られる、フィルムやプリプレグ、積層体は、ある程度の非ハロゲン難燃性を示し得るが、高周波伝送に伴う高機能化と民生用途拡大とにより一層高い機能性が求められるようになっており、かかる要求に対し、耐熱性や耐クラック性などの信頼性の向上を図ると、非ハロゲン難燃性と誘電特性が共に劣る場合があることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
本発明の目的は、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、かつ非ハロゲン難燃性に優れた積層体の製造に有用な、重合性組成物及びプリプレグ、並びに該積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討の結果、シクロオレフィンモノマー、重合触媒及び架橋剤を含む重合性組成物をガラスクロス等の強化繊維に含浸させた後に重合してプリプレグを作製し、次いで該プリプレグを積層した後に加熱架橋して積層体を製造する際、(1)重合性組成物に、耐クラック性や耐熱性などの信頼性を向上させる目的で、シクロオレフィンモノマーとしてジシクロペンタジエンなどの架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを配合する;架橋助剤、特にトリメチロールプロパントリメタクリレート等の特定構造の架橋助剤を加える;さらに、重合後のシクロオレフィンポリマー末端の反応活性を上げるために、連鎖移動剤としてアリルメタクリレートなどの、分子内に架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有する化合物を配合すると;積層体の硬化物性は格段に向上するが非ハロゲン難燃化が困難になること、一方、(2)このように非常に困難になった、シクロオレフィンポリマー系のプリプレグや積層体の非ハロゲン難燃化が、難燃剤として、リン酸エステルと金属水酸化物とを併用することで、優れた誘電特性を維持したまま達成され得ることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
〔1〕架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを含むシクロオレフィンモノマー、重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、リン酸エステル、及び金属水酸化物を含有してなる重合性組成物、
〔2〕連鎖移動剤が、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものである前記〔1〕記載の重合性組成物、
〔3〕架橋助剤が、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有するものである前記〔1〕又は〔2〕記載の重合性組成物、
〔4〕高誘電セラミックスをさらに含むものである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の重合性組成物、
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の重合性組成物を強化繊維に含浸させた後に重合してなるプリプレグ、並びに
〔6〕前記〔5〕に記載のプリプレグと、当該プリプレグ及び/又は他の材料とを積層した後、硬化してなる積層体、
が提供される。
本発明によれば、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、非ハロゲン難燃性にも優れた積層体、及び該積層体の製造に好適に用いられるプリプレグが提供される。本発明の積層体は、誘電特性と非ハロゲン難燃性に優れるため、通信機器用途等のマイクロ波及びミリ波等の高周波回路基板に好適に使用することができる。
本発明の重合性組成物は、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを含むシクロオレフィンモノマー、重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、リン酸エステル、及び金属水酸化物を含有してなる。本発明のプリプレグは、前記重合性組成物を強化繊維に含浸させた後に重合してなり、本発明の積層体は、前記プリプレグと、当該プリプレグ及び/又は他の材料とを積層した後、硬化してなる。
(シクロオレフィンモノマー)
本発明に使用されるシクロオレフィンモノマーは、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを含むものである。シクロオレフィンモノマーは、その全てが架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーであってもよい。
シクロオレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(開環重合)可能な炭素−炭素二重結合をいう。開環重合には、イオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、メタセス開環重合をいう。シクロオレフィンモノマーの環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環及びこれらの組み合わせ多環などが挙げられる。各環構造を構成する炭素数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
「ノルボルネン系モノマー」とは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などが挙げられる。ノルボルネン系モノマーには、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基又は酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよいが、得られる積層体を低誘電正接とする観点から、極性基を持たない、すなわち、炭素原子と水素原子のみで構成されるものが好ましい。かかる点は、ノルボルネン系モノマー以外のシクロオレフィンモノマーについても同様である。
本発明で用いるノルボルネン系モノマー中の、架橋性の炭素−炭素不飽和結合の数は1以上であれば特に限定されるものではない。本明細書において「架橋性の炭素−炭素不飽和結合」とは、開環重合には関与せず、架橋反応に関与可能な炭素−炭素不飽和結合をいう。架橋反応とは橋架け構造を形成する反応であり、縮合反応、付加反応、ラジカル反応、メタセシス反応など種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、ラジカル架橋反応又はメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合としては、芳香族炭素−炭素不飽和結合を除く炭素−炭素不飽和結合、すなわち、脂肪族炭素−炭素二重結合又は三重結合が挙げられ、本発明においては、通常、脂肪族炭素−炭素二重結合をいう。架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマー中、不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で形成される環構造内の他、該環構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーの具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどが挙げられる。
これらの架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマー以外のシクロオレフィンモノマーとしては、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーや、単環のシクロオレフィンモノマーなどが挙げられ、好ましくは架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーである。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、1−メチル−2−ノルボルネン、7−メチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、1,4−メタノ−1.4.4a.9aテトラヒドロフルオレン(MTF)、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジカルボキシル−2−ノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノ−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
単環のシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たない単環シクロオレフィンモノマー;3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有する単環シクロオレフィンモノマーなどが挙げられる。
架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマー以外のシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の所望の効果の発現を阻害しない範囲であれば、シクロオレフィンモノマーと共重合可能な任意のモノマーをさらに用いることができる。
本発明の重合性組成物に配合する全シクロオレフィンモノマー中、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーとそれ以外のシクロオレフィンモノマーとの配合割合は所望により適宜選択されるが、重量比(架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマー/それ以外のシクロオレフィンモノマー)で、通常、5/95〜100/0、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは15/85〜85/15の範囲である。架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーとそれ以外のシクロオレフィンモノマーとの配合割合がかかる範囲にあれば、得られる積層体の機械強度や耐クラック性などの信頼性が向上するので好ましい。
(重合触媒)
本発明に使用される重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーを重合できるものであれば特に限定はないが、本発明の重合性組成物は、後述のプリプレグの製造において、直接塊状重合に供して用いるのが好適であり、通常、メタセシス重合触媒を用いるのが好ましい。
メタセシス重合触媒としては、前記シクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合可能である、通常、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン、及び化合物などが結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、第5族、第6族及び第8族(長周期型周期表による。以下、同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、第5族の原子としては、例えば、タンタルが挙げられ、第6族の原子としては、例えば、モリブデンやタングステンが挙げられ、第8族の原子としては、例えば、ルテニウムやオスミウムが挙げられる。遷移金属原子としては、中でも、第8族のルテニウムやオスミウムが好ましい。すなわち、本発明に使用されるメタセシス重合触媒としては、ルテニウム又はオスミウムを中心原子とする錯体が好ましく、ルテニウムを中心原子とする錯体がより好ましい。ルテニウムを中心原子とする錯体としては、カルベン化合物がルテニウムに配位してなるルテニウムカルベン錯体が好ましい。ここで、「カルベン化合物」とは、メチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子(カルベン炭素)を持つ化合物をいう。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、本発明の重合性組成物を塊状重合に供してプリプレグを得る場合、得られるプリプレグには未反応のモノマーに由来する臭気が少なく、生産性良く良質なプリプレグが得られる。また、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも使用可能である。
前記ルテニウムカルベン錯体としては、得られるプリプレグ及び積層体の機械強度と耐衝撃性とが高度にバランスされ得ることから、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として少なくとも1つ有するものが好ましい。ヘテロ環構造を構成するヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子等が挙げられ、好ましくは窒素原子である。また、ヘテロ環構造としては、イミダゾリン環構造又はイミダゾリジン環構造が好ましい。かかるヘテロ環構造を有する化合物の具体例としては、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
本発明においてメタセシス重合触媒として使用される、好適なルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリドなどの、配位子として、ヘテロ環構造を有するカルベン化合物と、その他の中性電子供与体とを有するルテニウムカルベン錯体が挙げられる。ここで「中性電子供与体」とは、中心金属原子から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子をいう。
前記メタセシス重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。メタセシス重合触媒の使用量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)で、通常、1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は所望により、少量の不活性溶媒に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、テトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂環と芳香環とを有する炭化水素の使用が好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明に使用される連鎖移動剤は、開環重合に関与でき、本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体の末端に結合可能な脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。当該二重結合の例としては、末端ビニル基が挙げられる。連鎖移動剤は、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有していてもよい。
当該連鎖移動剤を配合することにより、本発明の重合性組成物を塊状重合反応に供して得られる重合体を粘弾性測定した場合、本発明の重合性組成物とは連鎖移動剤を含まない点で異なる重合性組成物から得られる重合体と比べて、本発明に係る重合体は、粘性項の値は実質的に変化せず、弾性項の値が低下し、損失正接が大きくなるという物性を発現し得る。すなわち、本発明の重合性組成物から得られる重合体は高粘度でありながら、流動性に優れたものとなり、当該重合体を含んでなる、後述のプリプレグは、例えば、他の材料と積層する際、溶融積層が可能となり、また、得られる積層体では層間の密着性に非常に優れる。なお、粘弾性測定において粘性項はG’’(損失剪断弾性率)、弾性項はG’(貯蔵剪断弾性率)、損失正接はG’’/G’(tanδ)と記載される。
かかる連鎖移動剤の具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、アリルアミン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、4−ビニルアニリンなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を持たない連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸ウンデセニル、アクリル酸スチリル、エチレングリコールジアクリレートなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有する連鎖移動剤;アリルトリビニルシラン、アリルメチルジビニルシランなどの、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する連鎖移動剤などが挙げられる。これらの中でも、得られる積層体において、誘電特性、耐クラック性などの信頼性と非ハロゲン難燃性とを高度にバランスさせる観点から、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものが好ましく、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1つ有するものがより好ましい。かかる連鎖移動剤の中でも、ビニル基とメタクリル基とを1つずつ有する連鎖移動剤が好ましく、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、メタクリル酸ウンデセニルなどが特に好ましい。
これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の重合性組成物への連鎖移動剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
(架橋剤)
本発明で使用される架橋剤は、本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体において架橋反応を誘起する目的で使用される。従って、該重合体は、後架橋可能な熱可塑性樹脂となる。本発明において架橋剤としては、通常、ラジカル発生剤が好適に用いられる。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、及び非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、好ましくは有機過酸化物、及び非極性ラジカル発生剤である。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンなどのジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどのペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエートなどのペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナートなどのペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシドなどのアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサンなどの環状パーオキサイド類;が挙げられる。中でも、重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、及び環状パーオキサイド類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、例えば、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノンなどが挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
ラジカル発生剤を架橋剤として使用する場合、1分間半減期温度は、硬化(本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体の架橋)の条件により適宜選択されるが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃の範囲である。ここで1分間半減期温度は、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、例えば、各ラジカル発生剤メーカー(例えば、日本油脂株式会社)のカタログやホームページを参照すればよい。
前記ラジカル発生剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の重合性組成物へのラジカル発生剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
(架橋助剤)
本発明に使用される架橋助剤は、得られる積層体の機械強度を向上する目的で使用される。架橋助剤としては、特に限定されるものではないが、通常、開環重合に関与せず、架橋剤により誘起される架橋反応に関与可能な架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有する多官能性化合物が好適に用いられる。かかる架橋性の炭素−炭素不飽和結合は、架橋助剤を構成する化合物中、例えば、末端ビニリデン基として、中でも、イソプロペニル基やメタクリル基として、特にメタクリル基として存在するのが好ましい。
架橋助剤の具体例としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどの、イソプロペニル基を2以上有する多官能性化合物;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を2以上有する多官能性化合物などを挙げることができる。中でも、架橋助剤としては、メタクリル基を2以上有する多官能性化合物が好ましい。メタクリル基を2以上有する多官能性化合物の中では、特に、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートなどの、メタクリル基を3つ有する多官能性化合物がより好適である。
前記架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の重合性組成物への架橋助剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
(難燃剤)
本発明では、リン酸エステルと金属水酸化物とを難燃剤として使用する。
前記リン酸エステルは、オルトリン酸 〔O=P(OH)〕 が持つ3個の水素原子の全て又は一部が有機基で置き換わった構造を有する化合物である。リン酸エステルとしては、1個の水素原子が有機基で置換されたリン酸モノエステル、2個の水素原子が有機基で置換されたリン酸ジエステル、3個の水素原子が有機基で置換されたリン酸トリエステルが挙げられるが、好ましくはリン酸トリエステルである。
前記リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどが挙げられる。これらの中でも、トリキシレニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジクレジル)ホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどが好適である。
これらのリン酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記金属水酸化物は、金属の陽イオンと水酸化物イオンとがイオン結合により化合してなる化合物である。本発明においては、通常、150℃よりも高温に加熱されたときに、結晶水を脱水放出するか、又は化学分解により水を放出する、金属水酸化物が好適に用いられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マンガン、水酸化スズナトリウムなどが挙げられ、中でも、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムが好ましい。
本発明に使用される金属水酸化物は、表面吸着水を含むものであってもよい。表面吸着水量は、150℃で1時間、熱風乾燥機中で金属水酸化物を乾燥することにより加熱減量として測定される。金属水酸化物中の表面吸着水量は、通常、0.01〜5重量%であり、好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
本発明に使用される金属水酸化物が粒子である場合、当該粒子の粒子径(平均粒子径)は、粒子を三次元的にみたときの長手方向と短手方向の長さの平均値で、通常、0.001〜50μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。金属水酸化物の粒子径がこの範囲にあると、得られる積層体の非ハロゲン難燃性が特に優れるので好ましい。金属水酸化物の粒子径は、揃えて使用してもよいし、揃えずに使用しても良い。例えば、大きな粒子径の粒子と小さな粒子径の粒子が混在した状態のものを用いても良い。
本発明に使用される金属水酸化物の嵩比重は、特に限定はされないが、通常、0.1〜5g/mL、好ましくは0.2〜3g/mLの範囲である。金属水酸化物の嵩比重がこの範囲にあれば、得られる積層体の非ハロゲン難燃性が特に優れ、好適である。嵩比重は、適当量の金属水酸化物をメスシリンダーに入れ、加重をかけることなく、重量と体積を測定することによりそれらの比(重量/体積)として表される。
前記金属水酸化物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの金属水酸化物は、本発明の重合性組成物を重合反応に供して得られる重合体との密着性を向上させる観点から、Si、Ti、Al、Zrなどを含むカップリング剤などで表面処理されているものが好適である。かかる表面処理された金属水酸化物は市販品として入手可能である。
本発明において難燃剤として使用される、リン酸エステルと金属水酸化物との配合割合は、所望により適宜選択すればよいが、得られる積層体の誘電特性を維持したまま非ハロゲン難燃性を向上させる観点から、重量比(リン酸エステル/金属水酸化物)で、通常、5/95〜90/10、好ましくは10/90〜70/30、より好ましくは20/80〜50/50の範囲である。
本発明に使用されるリン酸エステルと金属水酸化物との合計配合量は、所望により適宜選択すればよいが、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、より好ましくは50〜500重量部、さらに好ましくは70〜300重量部の範囲である。
難燃剤としてのリン酸エステルと金属水酸化物は、得られる積層体に優れた非ハロゲン難燃性を付与する観点から、両者の配合割合が20/80〜50/50の範囲であって、かつ両者の合計配合量が70〜300重量部の範囲となるように、本発明の重合性組成物に配合するのが特に好適である。また、リン酸エステルと金属水酸化物との組合せとしては、リン酸エステルとしてトリキシレニルホスフェート又は9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドと、金属水酸化物として水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムとの、任意の組合せが好適である。
本発明では、特に、リン酸エステルと金属水酸化物とを難燃剤として併用するが、所望により、その他の難燃剤をさらに配合することができる。その他の難燃剤としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤;メラミン誘導体類、グアニジン類、イソシアヌル類等の窒素系難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、リン酸グアニジン、フォスファゼン類等の、リンと窒素の双方を含有する難燃剤;などを挙げることができる。これらのその他の難燃剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択すればよいが、本発明の重合性組成物に配合する全難燃剤中、通常、リン酸エステルと金属水酸化物との合計含有量は90重量%以上、好ましくは95重量%以上とするのが好適である。
(重合性組成物)
本発明に使用される重合性組成物には、上記する、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、及び難燃剤を必須成分として、所望により、重合調整剤、重合反応遅延剤、充填剤、老化防止剤及びその他の配合剤を添加することができる。
重合調整剤は、重合活性を制御したり、重合反応率を向上させたりする目的で配合されるものであり、例えば、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。これらの重合調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合調整剤の配合量は、例えば、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合調整剤)で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
重合反応遅延剤は、本発明の重合性組成物の粘度増加を抑制し得るものである。従って、重合反応遅延剤を配合してなる重合性組成物は、プリプレグを作製する際、容易に強化繊維に均一に含浸させることができ、好ましい。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等を用いることができる。その配合量は、所望により適宜調整すればよい。
本発明においては、充填剤として重合性組成物に高誘電セラミックスを配合することで、得られる積層体の誘電正接を小さく維持し、かつ誘電率を大きくできるため、例えば、低損失で、デバイス設計の小さな回路基板等が得られ、好適である。本発明の重合性組成物は、従来、プリプレグや積層体の製造に用いられている、エポキシ樹脂等を溶媒に溶かしてなる重合体ワニスと比べて低粘度であるため、容易に充填剤を高配合することができる。よって、得られるプリプレグ又は積層体中には、充填剤が、従来のプリプレグ又は積層体の限界含有量を超えて含まれ得る。従って、本発明の積層体の前記特性は、従来の積層体と比べて、格別顕著に優れたものとなる。
高誘電セラミックスとしては、工業的に一般に使用されているものを用いることができる。例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸コバルト、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛などのチタン酸塩;や酸化チタン;などが挙げられ、好ましくはチタン酸塩である。
これらの高誘電セラミックスは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、好ましくは30〜750重量部、より好ましくは50〜500重量部の範囲である。
本発明においては、重合性組成物に老化防止剤として、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤及びイオウ系老化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の老化防止剤を配合することは、架橋反応を阻害しないで、得られる積層体の耐熱性を高度に向上させることができ好適である。これらの中でも、フェノール系老化防止剤とアミン系老化防止剤が好ましく、フェノール系老化防止剤がより好ましい。これらの老化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤の使用量は、所望により適宜選択されるが、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲である。
その他の配合剤としては、着色剤、光安定剤、顔料、発泡剤などを用いることができる。着色剤としては、染料、顔料などが用いられる。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。これらのその他の配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択される。
本発明の重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(触媒液)を調製し、別にシクロオレフィンモノマーや架橋剤などの必須成分、及び所望によりその他の配合剤を配合した液(モノマー液)を調製し、該モノマー液に該触媒液を添加し、攪拌することによって調製することができる。
(強化繊維)
本発明に使用される強化繊維としては、格別な制限はないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維などの無機繊維;などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス等の繊維を好適に用いることができる。
これらの強化繊維は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、所望により適宜選択されるが、プリプレグあるいは積層体中の、通常、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲である。かかる範囲にあるとき、積層体の誘電正接と機械強度とが高度にバランスされ、好適である。
(プリプレグ)
本発明のプリプレグは、前記重合性組成物を前記強化繊維に含浸させた後に重合してなるものである。
重合性組成物の強化繊維への含浸は、例えば、所定量の重合性組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法により強化繊維に塗布し、所望によりその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。本発明においては、重合性組成物を強化繊維に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱することにより、重合性組成物を塊状重合させることができ、それによってシート状又はフィルム状のプリプレグが得られる。
含浸を型内で行う場合は、型内に強化繊維を設置し、該型内に重合性組成物を注ぎ込んで行う。この方法によれば、任意の形状のプリプレグを得ることができる。その形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、多角柱状等が挙げられる。ここで用いる型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造、すなわち、コア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とするプリプレグの形状にあった空隙部を形成するように作製される。また、成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。また、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に重合性組成物を注入し、該型内で硬化を行うことにより、シート状又はフィルム状のプリプレグを得ることができる。
本発明の重合性組成物は従来のエポキシ樹脂等の重合体ワニスと比較して低粘度であり、強化繊維に対する含浸性に優れるので、重合で得られる樹脂を強化繊維基材に均一に含浸させることができる。前記樹脂を構成する重合体は、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶である。当該重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
本発明の重合性組成物は、通常、メタセシス重合触媒を含んでなるが、上記いずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、通常、50〜250℃、好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜150℃の範囲であって、かつ架橋剤、通常、ラジカル発生剤の1分間半減期温度以下、好ましくは1分間半減期温度の10℃以下、より好ましくは1分間半減期温度の20℃以下である。また、重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒間から60分間、好ましくは20分間以内である。重合性組成物をかかる条件で加熱することにより未反応モノマーの少ないプリプレグが得られるので好適である。
本発明のプリプレグの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、0.001〜10mm、好ましくは0.005〜1mm、より好ましくは0.01〜0.5mmの範囲である。この範囲にあれば、積層時の賦形性、また、硬化して得られる積層体の機械強度や靭性の特性が充分に発揮され好適である。
本発明のプリプレグの揮発成分量は、200℃で1時間加熱したときに揮発する量で、通常、30重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、もっとも好ましくは1重量%以下である。プリプレグの揮発成分量が過度に多いと、プリプレグのベタつきが発生し操作性及び保存安定性が不良化する傾向がある。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明のプリプレグと、当該プリプレグ及び/又は当該プリプレグ以外の他の材料とを積層し、所望により更に賦形した後に、硬化することで製造することができる。
積層してもよい他の材料としては、使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、熱可塑性樹脂材料、金属材料などが挙げられ、特に金属材料が好適に用いられる。金属材料としては、回路基板で一般に用いられるものを格別な制限なく用いることができ、通常、金属箔、好ましくは銅箔が用いられる。金属材料の厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは3〜20μm、最も好ましくは3〜15μmの範囲である。また、金属材料は、その表面が、シランカップリング剤、チオール系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、各種接着剤などで処理されているものが好ましい。中でもシランカップリング剤で処理されているものがより好ましい。
本発明のプリプレグと、金属材料との接着界面における、金属材料からなる層表面の粗度(Rz)は、特に限定されないが、通常、10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。一方、粗度の下限は、格別な限定はないが、通常、10nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは1nm以上である。金属材料からなる層表面の粗度が上記範囲にあれば、高周波伝送に於けるノイズ、遅延、伝送ロス等の発生が抑えられ好ましい。金属材料からなる層表面の粗度の調整は、積層する金属材料表面の粗度が所望の範囲にあるものを選択して使用することにより容易に行うことができる。かかる表面粗度を有する金属材料は市販品として入手可能である。なお、粗度(Rz)は、AFM(原子間力顕微鏡)により測定可能である。
積層及び硬化させる方法は、常法に従えばよい。例えば、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて熱プレスを行なうことができる。加熱温度は、架橋剤により架橋反応が誘起される温度以上である。例えば、架橋剤としてラジカル発生剤を使用する場合、通常、1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。典型的には、100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加熱時間は、0.1〜180分、好ましくは1〜120分、より好ましくは2〜60分の範囲である。プレス圧力としては、通常、0.1〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。また、熱プレスは、真空又は減圧雰囲気下で行ってもよい。
かくして得られる本発明の積層体は、高周波領域での伝送ロスが少なくかつ非ハロゲン難燃性に優れるため、広範囲の用途を有する高周波基板材料として好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例における各特性は、以下の方法に従い測定、評価した。
(1) 誘電正接
インピーダンスアナライザー(アジレントテクノロジー社製、型番号E4991A)を用いて20℃で周波数3GHzにおける誘電正接(tanδ)を容量法にて測定し、以下の基準で評価した。
◎:0.0025以下
△:0.0025超、0.005以下
×:0.005超
(2)非ハロゲン難燃性
125mm×15mm×0.9mmの積層体に10秒間接炎したのちの総発熱量を測定し、下記基準で評価した。
◎:3KJ/g未満
△:3KJ以上、6KJ/g未満
×:6KJ/g以上
実施例1
ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド51部と、トリフェニルホスフィン79部とを、トルエン952部に溶解させて触媒液を調製した。これとは別に、シクロオレフィンモノマーとして、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(MTF)80部とジシクロペンタジエン20部、連鎖移動剤としてアリルメタクリレート0.74部、架橋剤として3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン(1分間半減期温度205℃)2部、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート20部、難燃剤としてトリキシレニルホスフェート40部と水酸化アルミニウム(平均粒子径0.4μm、嵩比重1.1g/mL)40部、高誘電セラミックスとしてチタン酸カルシウム100部、フェノール系老化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール1部を混合してモノマー液を調製した。ここに上記触媒液をシクロオレフィンモノマー100gあたり0.12mLの割合で加えて撹拌し、重合性組成物を調製した。
ついで、得られた重合性組成物をガラスクロス(Eガラス)に含浸させ、これを120℃で5分間で重合反応を行い、厚さ0.15mmのプリプレグを得た。プリプレグの揮発成分量は0.7%であった、また、プリプレグのガラスクロス含有量は40%であった。
次に、作製したプリプレグ6枚を重ね、さらに12μmF2銅箔(シランカップリング剤処理電解銅箔、粗度Rz=1,600nm、古河サーキットホイル社製)で、積層したプリプレグシートを挟み、205℃で20分間、3MPaにて加熱プレスを行い積層体を得た。得られた積層体の誘電正接と非ハロゲン難燃性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2
難燃剤の水酸化アルミニウムの代わりに水酸化マグネシウム(平均粒子径0.4μm、嵩比重1.2g/mL)を用いた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例3
難燃剤のトリキシレニルホスフェートの代わりに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドを用いた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例4
難燃剤の配合量をトリキシレニルホスフェート20部と水酸化アルミニウム80部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例5
シクロオレフィンモノマーをテトラシクロドデセン80部とジシクロペンタジエン20部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例6
シクロオレフィンモノマーをテトラシクロドデセン60部と5−エチリデン−2−ノルボルネン40部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例1
難燃剤をポリリン酸アンモニウム50部、赤リン10部、及び水酸化アルミニウム50部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例2
難燃剤を水酸化アルミニウム100部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例3
難燃剤をトリキシレニルホスフェート70部に変えた以外は実施例1と同様にして重合性組成物を調製し、プリプレグ及び積層体を得て、各特性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2010106216
表1より、実施例1〜6の重合性組成物を用いて製造された積層体は優れた誘電正接と非ハロゲン難燃性を示すことが分かる。これに対し、難燃剤としてリン酸エステルと金属水酸化物とを併用しなかった比較例1〜3の重合性組成物を用いて製造された積層体では誘電正接と非ハロゲン難燃性が共に不充分であることが分かる。

Claims (6)

  1. 架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するノルボルネン系モノマーを含むシクロオレフィンモノマー、重合触媒、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、リン酸エステル、及び金属水酸化物を含有してなる重合性組成物。
  2. 連鎖移動剤が、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を1以上有するものである請求項1記載の重合性組成物。
  3. 架橋助剤が、架橋性の炭素−炭素不飽和結合を2以上有するものである請求項1または2記載の重合性組成物。
  4. 高誘電セラミックスをさらに含むものである請求項1〜3いずれか記載の重合性組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の重合性組成物を強化繊維に含浸させた後に重合してなるプリプレグ。
  6. 請求項5に記載のプリプレグと、当該プリプレグおよび/または他の材料とを積層した後、硬化してなる積層体。
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