JP2010102332A - 光活性化限局顕微鏡及び光活性化限局観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、光軸方向の分解能を向上させることの可能な光活性化限局顕微鏡及び光活性化限局観察方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明を例示する光活性化限局顕微鏡の一態様は、光活性化蛍光物質を含む被観察物(10A)上に活性化光を集光する集光手段(17)と、前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域を走査する走査手段(16)と、前記観察領域へ励起光を照射する励起手段(122)と、前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手段(201)とを備え、前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明を例示する光活性化限局顕微鏡の一態様は、光活性化蛍光物質を含む被観察物(10A)上に活性化光を集光する集光手段(17)と、前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域を走査する走査手段(16)と、前記観察領域へ励起光を照射する励起手段(122)と、前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手段(201)とを備え、前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光活性化限局顕微鏡及び光活性化限局観察方法に関する。なお、ここでは、PALM(Photoactivation Localization Microscopy)又はSTORM(Stochastic Optical Reconstruction Microscopy)の原理を利用した顕微鏡を「光活性化限局顕微鏡」と称し、PALM又はSTORMの原理を利用した観察方法を「光活性化限局観察方法」と称す。
近年提案された光活性化限局顕微鏡は、通常の共焦点顕微鏡よりも分解能の高い顕微鏡として知られている(非特許文献1、2等を参照。)。
光活性化限局顕微鏡の被観察物である細胞は、活性化されているときにのみ蛍光を発することが可能な蛍光分子(光活性化蛍光タンパクなど)で標識される。例えば、光活性化蛍光タンパクの一種であるDronpaは、活性化光を照射すると励起光を吸収可能となり、不活性化光を照射すると褪色する。
光活性化限局顕微鏡は、被観察物に含まれる蛍光分子を活性化光の照射により適当な活性化密度で活性化し、被観察物に含まれる蛍光分子の分布を励起光の照射により検出し、さらに活性化中の蛍光分子を不活性化光(又は高強度の励起光)の照射により不活性化(又は褪色)させる。
これらの活性化、励起、検出、不活性化(又は褪色)を繰り返すことにより取得される複数の画像には、互いに近接していた複数の蛍光分子の像が個別に反映される。よって、これら複数の画像を適切に合成すれば、被観察物上の蛍光強度分布を高い分解能(例えば10nmの分解能)で観察することができる。
Samuel T. Hess et al. "Ultra-High Resolution Imaging by Fluorescence Photoactivation Localization Microscopy", Biophysical Journal, December, 2006, Vol. 91, pp. 4258-4272
Eric Betzig et al. "Imaging Intracellular Flourescent Proteins at Nanometer Resolution" SCIENCE, Vol. 313, 15 September 2006, pp. 1642-1645
しかしながら、この光活性化限局顕微鏡にて高い分解能が得られるのは、光軸と垂直な面内(標本面内)のみに限られていた。
そこで本発明は、光軸方向の分解能を向上させることの可能な光活性化限局顕微鏡及び光活性化限局観察方法を提供することを目的とする。
本発明を例示する光活性化限局顕微鏡の一態様は、光活性化蛍光物質を含む被観察物上に活性化光を集光する集光手段と、前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域内を走査する走査手段と、前記観察領域へ励起光を照射する励起手段と、前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手段とを備え、前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される。
本発明を例示する光活性化限局観察方法の一態様は、光活性化蛍光物質を含む被観察物上に活性化光を集光する集光手順と、前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域内を走査する走査手順と、前記観察領域へ励起光を照射する励起手順と、前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手順とを含み、前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される。
本発明によれば、光軸方向の分解能を向上させることの可能な光活性化限局顕微鏡及び光活性化限局観察方法が実現する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態として光活性化限局顕微鏡システムを説明する。
以下、本発明の第1実施形態として光活性化限局顕微鏡システムを説明する。
図1は、本実施形態のシステムの構成図である。図1に示すとおり本システムにはレーザユニット12と、レンズ14と、ダイクロイックミラー15と、1対のガルバノミラーを備えたスキャナ16と、対物レンズ17と、結像レンズ18と、ピンホール絞り19と、レンズ20と、バリアフィルタ211と、光電子増倍管(PMT)201と、ステージ11と、コントロールユニット30とが備えられる。このうちピンホール絞り19は、対物レンズ17の焦点に対して光学的に共役な位置に配置されている。
ステージ11には標本10Aが支持される。標本10Aは、光活性化蛍光タンパクの一種であるDronpaによって標識された細胞試料である。図2に示すとおり、Dronpaの活性化波長(一光子励起により活性化する波長)は405nm、不活性化波長は488nm、励起波長は560nm、蛍光波長は600nmである。
図1に示したレーザユニット12には、このような特性のDronpaに適合する活性化用光源121と、励起用光源122と、不活性化用光源123とが備えられる。
活性化用光源121は、活性化光として、例えば1kHzの周波数でフェムト秒パルスレーザ光を射出するフェムト秒パルスレーザ光源であり、その活性化光の波長(中心波長)は、図3に示すとおりDronpaの活性化波長(405nm)の2倍(810nm)に設定されている。
励起用光源122は、励起光としてレーザ光を射出するレーザ光源であり、その励起光の波長は、図3に示すとおりDronpaの励起波長(560nm)と同じに設定されている。
不活性化用光源123は、不活性化光としてレーザ光を射出するレーザ光源であり、その不活性化光の波長は、図3に示すとおりDronpaの不活性化波長(488nm)と同じに設定されている。
活性化用光源121の射出光路(活性化光の光路)には、ダイクロイックミラー101と、レンズ13とが順に配置されており、このレンズ13がレーザユニット12の射出口を構成している。ダイクロイックミラー101の特性は、波長が810nmの近傍である光を透過し、他の波長の光を反射する特性に設定されている。よって、活性化用光源121から射出した活性化光(810nmの近傍)は、ダイクロイックミラー101を透過した後、レンズ13を介してレーザユニット12の外部へ射出する。
励起用光源122の射出光路(励起光の光路)には、ダイクロイックミラー102が配置されている。ダイクロイックミラー102の特性は、波長が560nmである光を反射し、他の波長の光を透過する特性に設定されている。よって、励起用光源122から射出した励起光(560nm)は、ダイクロイックミラー102を反射した後に、ダイクロイックミラー101を反射し、活性化光と同じ光路を辿ってレーザユニット12の外部へ射出する。
不活性化用光源123の射出光路(不活性化光の光路)には、全反射ミラー103が配置されている。よって、不活性化用光源123から射出した不活性化光(488nm)は、全反射ミラー103を反射し、ダイクロイックミラー102を透過し、ダイクロイックミラー101を反射し、活性化光と同じ光路を辿ってレーザユニット12の外部へ射出する。
なお、以上の活性化用光源121、励起用光源122、不活性化用光源123から射出する活性化光、励起光、不活性化光は、コントロールユニット30によって個別かつ高速にオン/オフ可能である。よって、レーザユニット12から射出するレーザ光は、活性化光(810nmの近傍)、励起光(560nm)、不活性化光(488nm)の間で高速に切り替え可能である。因みに、レーザユニット12から射出するレーザ光は、活性化光と励起光との混合光、又は不活性化光と励起光との混合光に設定されることも可能である。
レーザユニット12から射出したレーザ光は、レンズ14を介して径の太い光束となり、ダイクロイックミラー15へ入射する。ダイクロイックミラー15の特性は、波長が810nmの近傍、560nm、488nmである光を反射し、波長が600nmの近傍である光を透過する特性に設定されている。よって、レーザユニット12から射出した活性化光、励起光、不活性光は、何れもダイクロイックミラー15を反射し、スキャナ16及び対物レンズ17を順に介した後、標本10Aに向けて集光する。
レーザユニット12から射出したレーザ光が活性化光であるときには、レーザ光の照射領域(レーザスポット)に存在する未活性の蛍光分子が活性化される。また、レーザユニット12から射出したレーザ光が励起光であるときには、そのレーザスポット中に存在する活性化中の蛍光分子が励起され、蛍光が発生する。また、そのレーザユニット12から射出したレーザ光が不活性化光であるときには、そのレーザスポット中に存在する活性化中の蛍光分子が褪色する。
そして、レーザスポットで発生した蛍光(600nmの近傍)は、そのレーザスポットを形成したレーザ光の光路を逆向きに辿り、対物レンズ17及びスキャナ16を順に介した後、ダイクロイックミラー15を透過し、結像レンズ18、ピンホール絞り19、レンズ20を順に介してバリアフィルタ211へ入射する。バリアフィルタ211の特性は、波長が600nmの近傍である光を透過し、他の波長の光を除去する特性に設定されている(図3参照)。よって、その蛍光はバリアフィルタ211を透過し、PMT201にて電気信号(蛍光量を示す蛍光信号)に変換される。
ここで、スキャナ16が駆動されると、レーザスポットが標本10A上の観察領域内(対物レンズ17の視野内)を二次元状に走査する。よって、例えばコントロールユニット30は、レーザスポットが各位置にあるときに活性化光→励起光→不活性化光をこの順で点灯させてPMT201から蛍光信号を読み出し、各位置について読み出された各蛍光信号に基づけば、観察領域の蛍光画像を取得することができる(イメージング)。
また、コントロールユニット30は、このイメージングを同じ観察領域について十分な回数だけ繰り返し、それによって得られた複数の蛍光画像の各々を先鋭化(個々の輝点の輝度分布をガウス関数でフィッティング)してから積算(又は平均化)し、観察用の蛍光画像を作成する。
図4は、第1実施形態のイメージング期間における各部のタイミングチャートである。図4において符号Tで示すのはスキャナ16による1画素分の走査期間であって、PMT201の駆動周期に相当する(10−3秒程度)。PMT201は、1画素分の走査期間T中に電荷を蓄積し、1画素分の蛍光信号を生成する。
図4(A)に示すとおり、活性化光が点灯されるのは、1画素分の走査期間Tの最初の期間Taのみであり、図4(B)に示すとおり、励起光が点灯されるのは、1画素分の走査期間Tの全期間であり、図4(C)に示すとおり、不活性化光が点灯されるのは、1画素分の走査期間Tの最後の期間Tbのみである。
前述したとおり、期間Taに点灯される活性化光は、フェムト秒パルスレーザ光である。そのパルス幅は例えば10−15秒であり、そのパルス周波数は例えば1kHzであり、そのパルスのピークパワー(単位時間当たりのパルスエネルギー)は、レーザスポットに存在する未活性の蛍光分子を二光子吸収により適切な活性化密度で活性化させる値(100mW近傍の適当な値)に設定される。
二光子吸収に必要なパワーは極めて大きいので、図5に示すとおりレーザスポットAiのうち活性化される蛍光分子の分布域(活性化領域)は、光の集中する中央領域Aaのみである。この中央領域Aaの光軸方向のサイズ及び光軸と垂直な標本面内のサイズは、活性化光LBの回折限界よりも小さく、10−6m程度である(1画素分の走査期間Tにおけるレーザスポットの移動量は、そのサイズと同じに設定されている。)。
また、二光子吸収に必要なパワーは極めて大きいので、その中央領域Aaにおいて活性化される蛍光分子の配置密度はさほど高くない。その中央領域Aaにおいて活性化される蛍光分子の最小配置ピッチは、200nm程度である(前述した適切な活性化密度は、例えば、最小配置ピッチがこの値となるような活性化密度のことである。)。
よって、或る画素に関する1画素分の走査期間Tの最初に活性化光が点灯されると、図6(A)に示すとおりレーザスポットAiの中央領域Aaに所定密度で点在する複数の未活性の蛍光分子Maのみが活性化され、活性化された複数の蛍光分子Maは、図6(B)に示すとおりその時点で点灯されている励起光により励起され、蛍光を発する。なお、励起光の照射領域は、レーザスポットAiのほぼ全域であるが、蛍光を発する蛍光分子の存在域は、中央領域Aaのみに限局される。その後、1画素分の走査期間Tの最後に不活性化光が点灯されると、図6(C)に示すとおり中央領域Aaにおいて蛍光を発していた複数の蛍光分子Maの各々が褪色する。
したがって、1画素分の走査期間TにPMT201が蓄積する電荷、すなわち前記画素に関する蛍光信号の抽出元は、レーザスポットAiの全域ではなく、レーザスポットAiの中央領域Aaに限局される。
また、2回目以降のイメージングでも、同じ画素に関する蛍光信号が取得されるが、その蛍光信号の抽出元も、レーザスポットAiの中央領域Aaのみに限局される。
但し、同じ画素に関する蛍光信号であっても、2回目以降のイメージングで取得される蛍光信号に反映されるのは、図7(A)、(B)、(C)に示すとおり、先行するイメージングで活性化されなかった蛍光分子Ma’の蛍光量である。
したがって、全ての蛍光分子が褪色するまでイメージングを繰り返し、その間に取得された複数の蛍光画像を積算(又は平均化)すれば、観察領域の各位置の蛍光分子量を正確に反映した、良好な観察用の蛍光画像が得られる。
以上、本システムでは、活性化光のピークパワー及び中心波長を最適化することにより、蛍光信号の抽出元をレーザスポットAiの極めて小さい中央領域Aa(活性化光の回折限界以下)に限局するので、その分解能は、従来の光活性化限局顕微鏡のそれよりも格段に高まる。
図5に模式的に示したとおり中央領域Aaは、標本面内だけでなく光軸方向にかけても限局されている。したがって、本システムの分解能向上の効果は、標本面内だけでなく光軸方向にも現れ、標本10Aにおいて観察対象となる層の厚さは、従来の光活性化限局顕微鏡における厚さよりも格段に薄くなる。
なお、本システムではPMT201の前段にピンホール絞り19が配置されたが、本システムの分解能は、中央領域Aaのサイズによって規定される(つまり活性化光のピークパワーによって規定される)のであって、ピンホール絞り19の開口サイズによって規定される訳ではない。因みに、本システムにおいてピンホール絞り19が配置された目的は、ノイズの原因となりうる迷光がPMT201へ入射することを防止することにある。
よって、本システムにおいてPMT201に対する迷光の入射が問題とならない場合には、ピンホール絞り19を省略してもよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態のシステムの変形例である。ここでは、第1実施形態と同じ要素には同じ符号を付し、第1実施形態との相違点のみを説明する。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態のシステムの変形例である。ここでは、第1実施形態と同じ要素には同じ符号を付し、第1実施形態との相違点のみを説明する。
図8は、本実施形態のシステムの構成図である。図8に示すとおり本システムは、第1実施形態にシステムにおいて、レーザユニット12の代わりにレーザユニット12’が配置され、PMT201及びレンズ20及びピンホール絞り19の代わりにCCD等の撮像素子201’が配置され、レーザユニット12’とは別に励起用光源122が設けられ、ダイクロイックミラー23、レンズ22a、22b、22c、17a、17bを付加したものである。
このうち撮像素子201’の撮像面は、対物レンズ17の焦点面に対して光学的に共役な位置に配置されている。
また、ダイクロイックミラー15の特性は、波長が810nmの近傍、488nmである光を反射し、波長が600nmの近傍、560nmである光を透過する特性に設定されている。
図8に示したレーザユニット12’には、活性化用光源121と不活性化用光源123とが備えられ、これらの光源は何れも第1実施形態で説明したものと同じである。また、レーザユニット12’とは別に設けられた励起用光源122も、第1実施形態で説明したものと同じである。
活性化用光源121の射出光路(活性化光の光路)には、ダイクロイックミラー101と、レンズ13とが順に配置されており、このレンズ13がレーザユニット12’の射出口を構成している。活性化用光源121から射出した活性化光(810nmの近傍)は、ダイクロイックミラー101を透過した後、レンズ13を介してレーザユニット12’の外部へ射出する。
不活性化用光源123の射出光路(不活性化光の光路)には、全反射ミラー102が配置されている。よって、不活性化用光源123から射出した不活性化光(488nm)は、全反射ミラー102を反射し、ダイクロイックミラー101を反射し、活性化光と同じ光路を辿ってレーザユニット12’の外部へ射出する。
励起用光源122の射出光路(励起光の光路)には、レンズ22a、22b、22cが配置されている。レンズ22a、22bは倍率変換を行うために用いられており、レンズ22cは、ビーム径をゆるく絞るために用いられている。
なお、以上の活性化用光源121から射出する活性化光と、不活性化用光源123から射出する不活性化光とは、コントロールユニット30によって個別かつ高速にオン/オフ可能である。よって、レーザユニット12’から射出するレーザ光は、活性化光(810nmの近傍)及び不活性化光(488nm)の間で高速に切り替え可能である。また、励起用光源122から射出する励起光も、コントロールユニット30によってオン/オフ可能である。
レーザユニット12’から射出したレーザ光(活性化光及び不活性化光の少なくとも一方)は、レンズ14を介して径の太い光束となり、スキャナ16、レンズ17a、17b、ダイクロイックミラー15、及び対物レンズ17を順に介した後、標本10Aに向けて集光し、レーザスポットを形成する。
励起用光源122から射出した励起光は、レンズ22a、22b、22cを介してゆるやかに集光する光束となり、ダイクロイックミラー23へ入射する。ダイクロイックミラー23の特性は、波長が560nmである光を反射し、波長が600nmの近傍である光を透過する特性に設定されている。よって、ダイクロイックミラー23へ入射した励起光は、ダイクロイックミラー23を反射し、ダイクロイックミラー15を透過し、対物レンズ17へ入射する。ここで、対物レンズ17へ向かう励起光の集光点は、対物レンズ17の瞳面上に一致している。よって、対物レンズ17へ入射した励起光は、対物レンズ17の先端から平行光束となって射出し、標本10A上の観察領域(対物レンズ17の視野)の全域を一括に照射する。
ここで、活性化光がオンされているときには、レーザスポット内に存在する未活性の蛍光分子が活性化される。また、励起光がオンされているときには、観察領域内に存在する活性化中の蛍光分子が励起され、蛍光が発生する。また、不活性化光がオンされているときには、そのレーザスポット内に存在する活性化中の蛍光分子が褪色する。
そして、観察領域で発生した蛍光(600nmの近傍)は、対物レンズ17を介した後、ダイクロイックミラー15、23を順に透過し、結像レンズ18及びバリアフィルタ211を介して撮像素子210’の撮像面上に結像する。撮像素子210’は、その撮像面上に形成された蛍光像を撮像して蛍光画像信号を生成する。なお、撮像素子210’のシャッタ(電子シャッタ等)は、コントロールユニット30によって制御される。
ここで、スキャナ16が駆動されると、レーザスポットが標本10A上の観察領域内(対物レンズ17の視野内)を二次元状に走査する。よって、例えばコントロールユニット30は、1フレーム分の走査期間中、レーザスポットが各位置にあるときに活性化光→励起光→不活性化光をこの順で点灯させると共に、その1フレーム分の走査期間中に撮像素子201’のシャッタを開放しておけば、1フレーム分の走査期間中に撮像素子201’が生成した蛍光画像信号を、観察領域の蛍光画像として取得することができる(イメージング)。
また、コントロールユニット30は、このイメージングを同じ観察領域について十分な回数だけ繰り返し、それによって得られた複数の蛍光画像の各々を先鋭化(個々の輝点の輝度分布をガウス関数でフィッティング)してから積算(又は平均化)し、観察用の蛍光画像を作成する。
図9は、第2実施形態のイメージング期間における各部のタイミングチャートである。図9において符号Tで示すのはスキャナ16による1画素分の走査期間であって、符号T’で示すのはスキャナ16による1フレーム分の走査期間である。本実施形態では、撮像素子201’のシャッタ開放期間(=電荷読み出し周期)が、1フレーム分の走査期間T’と同じに設定される。
また、活性化光が点灯されるのは、第1実施形態と同様、1画素分の走査期間Tの最初の期間Taのみであり、励起光が点灯されるのは、第1実施形態と同様、1画素分の走査期間Tの全期間であり、不活性化光が点灯されるのは、第1実施形態と同様、1画素分の走査期間Tの最後の期間Tbのみである。また、期間Taにおける活性化光のスポットのピークパワーやパルス波形なども、第1実施形態のそれと同じである。
そして、本システムのコントロールユニット30は、全ての蛍光分子が褪色するまでこのイメージングを繰り返し、その間に取得された複数の蛍光画像を積算(又は平均化)することにより観察用の蛍光画像を取得する。
以上、本システムでは、励起光のスポットで観察領域を走査する代わりに、拡がりを持った励起光で観察領域の全域を一括に照射しているので、1フレーム分の走査期間中の各時点における励起光の照射範囲は、第1実施形態のそれよりも広くなっている。
しかし、本システムにおいても第1実施形態のシステムと同様、走査用のレーザスポットとして、適切なピークパワー及び波長を有した活性化光のスポットを使用するので、1フレーム分の走査期間中の各時点における蛍光の発生元は、第1実施形態のシステムと同様、微小な領域(図5の中央領域Aa)のみに限局される。したがって、本システムでも、第1実施形態のシステムと同等の高い分解能が期待できる。
なお、本システムでは、1フレーム分の走査期間中に撮像素子201’のシャッタを開放し続けているので、撮像素子201’の各画素にノイズ光が入射し、SN比が低下する虞がある。
よって、本システムのコントロールユニット20は、SN比の低下を防ぐために、撮像素子201’の電荷読み出し周期を、1フレーム分の走査期間と同じにする代わりに1画素分の走査期間と同じに設定してもよい。
なお、その場合、1フレーム分の走査期間内に多数枚の蛍光画像が取得されるので、コントロールユニット30は、それらの蛍光画像の各々から、各々の走査位置(スポット位置)に対応する画素又は画素ブロックの蛍光信号を参照し、それらの蛍光信号を基にして1フレーム分の蛍光画像を作成すればよい。
[各実施形態への補足]
なお、上述した何れかの実施形態のシステムは、光軸方向の分解能が高いので、標本10Aの三次元蛍光像を取得するのに適している。三次元蛍光像を取得する場合、コントロールユニット30は、ステージ11の光軸方向の高さをステップ状に変化させ、その高さが各値にあるときに観察用の蛍光画像の取得を行えばよい。このようにして取得された複数枚の観察用の蛍光画像は、標本10Aの互いに異なる層の蛍光像を示す。
なお、上述した何れかの実施形態のシステムは、光軸方向の分解能が高いので、標本10Aの三次元蛍光像を取得するのに適している。三次元蛍光像を取得する場合、コントロールユニット30は、ステージ11の光軸方向の高さをステップ状に変化させ、その高さが各値にあるときに観察用の蛍光画像の取得を行えばよい。このようにして取得された複数枚の観察用の蛍光画像は、標本10Aの互いに異なる層の蛍光像を示す。
また、上述した何れかの実施形態のシステムでは光活性化蛍光タンパクとしてDronpaが使用されたが、他の光活性化蛍光タンパク、例えば活性化される前後で蛍光波長の異なるKaedeが使用されてもよい。
何れの光活性化蛍光タンパクが使用された場合であっても、1画素分の走査期間Tにおける各光の点灯パターンは、使用された光活性化蛍光タンパクの特性に適合したものとなる。例えば、本システムではDronpaを使用したので、活性化された蛍光分子が蛍光を発した直後に不活性化光を照射したが、他の光活性化蛍光タンパクが使用された場合は、その限りではない。
[前述した一態様への補足]
なお、前記活性化光の中心波長は、前記励起光の波長より長くてもよい。
なお、前記活性化光の中心波長は、前記励起光の波長より長くてもよい。
また、前記活性化光の中心波長は、前記蛍光の波長より長くてもよい。
また、前記活性化光の光源は、フェムト秒パルスレーザ光源であってもよい。
12,12’…レーザユニット、14…レンズ、15,23…ダイクロイックミラー、16…スキャナ、17…対物レンズ、18…結像レンズ、19…ピンホール絞り、20,22a,22b,22c,17a,17b…レンズ、211…バリアフィルタ、201…光電子増倍管(PMT)、11…ステージ、30…コントロールユニット,201’…撮像素子(CCD)
Claims (5)
- 光活性化蛍光物質を含む被観察物上に活性化光を集光する集光手段と、
前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域を走査する走査手段と、
前記観察領域へ励起光を照射する励起手段と、
前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手段と、
を備え、
前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、
前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される
ことを特徴とする光活性化限局顕微鏡。 - 請求項1に記載の光活性化限局顕微鏡において、
前記活性化光の中心波長は、
前記励起光の波長より長い
ことを特徴とする光活性化限局顕微鏡。 - 請求項1又は請求項2に記載の光活性化限局顕微鏡において、
前記活性化光の中心波長は、
前記蛍光の波長より長い
ことを特徴とする光活性化限局顕微鏡。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の光活性化限局顕微鏡において、
前記活性化光の光源は、
フェムト秒パルスレーザ光源である
ことを特徴とする光活性化限局顕微鏡。 - 光活性化蛍光物質を含む被観察物上に活性化光を集光する集光手順と、
前記活性化光の集光スポットで前記被観察物上の観察領域を走査する走査手順と
前記観察領域へ励起光を照射する励起手順と、
前記観察領域の蛍光強度分布を検出する検出手順と、
を含み、
前記活性化光のピークパワー及び中心波長は、
前記集光スポットに位置する光活性化蛍光物質が多光子吸収により活性化する値に設定される
ことを特徴とする光活性化限局観察方法。
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