JP2010101287A - エンジンの始動制御装置及び始動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリを無駄に消費することなく、熱間再始動であっても確実に安定始動可能なエンジンの始動制御装置及び始動制御方法を提供する。
【解決手段】エンジン停止後の経過時間を求める停止時間検出手段(S20)と、イグニッションスイッチがキーオフされたときに、エンジン状態に基づいて燃焼不安定時間を設定する燃焼不安定時間設定手段(S16)と、イグニッションスイッチがキーオフされた後に、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超えたか否かを判定する不安定状態解消判定手段(S18)と、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超えた後にエンジンが始動されたときには燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動し、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するエンジン始動制御手段(S11)と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】エンジン停止後の経過時間を求める停止時間検出手段(S20)と、イグニッションスイッチがキーオフされたときに、エンジン状態に基づいて燃焼不安定時間を設定する燃焼不安定時間設定手段(S16)と、イグニッションスイッチがキーオフされた後に、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超えたか否かを判定する不安定状態解消判定手段(S18)と、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超えた後にエンジンが始動されたときには燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動し、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するエンジン始動制御手段(S11)と、を備える。
【選択図】図2
Description
この発明は、エンジンの始動を制御する装置及び方法に関する。
冷間状態のエンジンを始動するには、噴射した燃料が吸気ポート壁面や吸気弁に付着することをあらかじめ見越して燃料噴射量を増量補正する。暖機が進んで冷却水温度が所定値に落ち着いていくにつれて増量補正量を減らしていく。
ところで暖機の途中では、冷却水温度に先行して燃焼室温度が上昇する。両者の温度差は、はじめに徐々に拡大し暖機が進むにつれて徐々に小さくなる。
そのため暖機途中でエンジンを一旦停止してすぐに再始動した場合に、冷却水温度から求められた補正量で燃料噴射量を増量しては、燃焼室内がオーバーリッチになってしまう。このような状態では、燃焼室温度が、冷却水温度から推定される温度よりも高温であるので、吸気弁などに付着する燃料量が少ないにもかかわらず、多くの燃料を供給してしまうからである。
そこで特許文献1では、熱間再始動が懸念される期間(具体的には約10分と記載されている)は、イグニションスイッチがキーオフされてもECUを通電しておき、その期間内に再始動されたときには冷間増量補正を実行しない。
特公平7−54588号公報
しかしながら、前述した従来装置では、イグニションスイッチがキーオフされたときの通電延長時間は、エンジンの自然冷却時間などを考慮して実験から求められた一定時間である。そのため本来必要な時間よりも短時間しか延長できずオーバーリッチ状態を解消できなかったり、本来必要な時間よりも長時間延長してしまうことでバッテリを無駄に消費してしまう可能性があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、バッテリを無駄に消費することなく、熱間再始動であっても確実に安定始動可能なエンジンの始動制御装置及び始動制御方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジン停止後の経過時間を求める停止時間検出手段(ステップS20)と、イグニッションスイッチがキーオフされたときに、エンジン状態に基づいて燃焼不安定時間を設定する燃焼不安定時間設定手段(ステップS167)と、イグニッションスイッチがキーオフされた後に、前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えたか否かを判定する不安定状態解消判定手段(ステップS18)と、前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えた後にエンジンが始動されたときには燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動し、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するエンジン始動制御手段(ステップS11)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、エンジン状態に基づいて設定された燃焼不安定時間を、エンジン停止後経過時間が超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するようにしたので、バッテリを無駄に消費することなく、熱間再始動であっても確実に安定始動可能である。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるエンジン始動制御装置を使用するシステムの一例を示す図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるエンジン始動制御装置を使用するシステムの一例を示す図である。
エンジン始動制御装置1は、クランク角センサ21と、冷却水温度センサ23と、燃料インジェクタ14と、コントローラ70と、を備える。
クランク角センサ21は、エンジン回転を検出し、信号をコントローラ70へ出力する。
燃料インジェクタ14は、コントローラ70の指令に基づいてエンジン10に燃料を供給する。本実施形態では、燃料インジェクタ14は、吸気通路11の吸気ポートに設けられているが、燃焼室に直接臨む直噴タイプであってもよい。
コントローラ70は、クランク角センサ21や冷却水温度センサ23などからの信号に基づいて、燃料インジェクタ14の燃料噴射量、スタータモータ30の作動などを制御する。コントローラ70は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ70を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。コントローラ70は、基本的にはイグニッションスイッチ22がACC又はキーオンのときが通電状態であり、キーオフでは通電しない。しかしながら条件によってはキーオフされても通電が延長され、その後通電が停止される。ただし通電時間が短すぎては必要な性能を発揮できない。逆に通電時間をむやみに延長すればバッテリを無駄に消費し寿命が短くなる。そこで通電延長時間は必要最小限にとどめることが望ましい。そこで本件発明者は、通電延長時間を適切に延長することでバッテリの無駄な消費を抑えつつ再始動時であっても燃焼室内がオーバーリッチ化することなくエンジンを始動するようにしたのである。具体的な動作については後述する。
以下ではコントローラ70の具体的なエンジン始動制御ロジックについてフローチャートに沿って説明する。
図2は、本発明によるエンジン始動制御装置の動作を説明するメインフローチャートである。なおコントローラ70はこの処理を微少時間(たとえば10ミリ秒)サイクルで繰り返し実行する。
ステップS10においてコントローラ70は、イグニッションスイッチがキーオンであるか否かを判定する。キーオンであればステップS11へ処理を移行し、そうでなければステップS12へ処理を移行する。
ステップS11においてコントローラ70は、エンジンの運転を制御する。具体的な処理内容は後述する。
ステップS12においてコントローラ70は、イグニッションスイッチがACCであるか否かを判定する。ACCであればステップS13へ処理を移行し、そうでなければステップS18へ処理を移行する。
ステップS13においてコントローラ70は、イグニッションスイッチが前回キーオフであったか否かを判定する。前回キーオフであればステップS14へ処理を移行し、そうでなければステップS15へ処理を移行する。
ステップS14においてコントローラ70は、キーオフ→ACC処理を実行する。具体的な処理内容は後述する。
ステップS15においてコントローラ70は、イグニッションスイッチが前回キーオンであったか否かを判定する。前回キーオンであればステップS16へ処理を移行し、そうでなければステップS17へ処理を移行する。
ステップS16においてコントローラ70は、キーオン→ACC処理を実行する。具体的な処理内容は後述する。
ステップS17においてコントローラ70は、イグニッションスイッチがキーオン後のACCであるか否かを判定する。キーオン後のACCであればステップS20へ処理を移行し、そうでなければ処理を一旦抜ける。
ステップS18においてコントローラ70は、エンジン停止後経過時間TSOAKが燃焼不安定時間THAZARDよりも大きいか否かを判定する。大きくなるまではステップS19へ処理を移行し、大きくなればステップS21へ処理を移行する。
ステップS19においてコントローラ70は、通電を保持する。
ステップS20においてコントローラ70は、エンジン停止後経過時間TSOAKをインクリメントする。
ステップS21においてコントローラ70は、通電を停止する。これによりエンジン停止後経過時間TSOAKや燃焼不安定時間THAZARDがリセットされる。
図3は、エンジン運転制御ルーチンを説明するフローチャートである。
ステップS111においてコントローラ70は、エンジン停止後経過時間TSOAKがゼロであるか否かを判定する。エンジン停止後経過時間TSOAKがゼロであればステップS112へ処理を移行し、そうでなければステップS113へ処理を移行する。
ステップS112においてコントローラ70は、エンジンを冷間始動し、その後は通常運転する。すなわちエンジンがいわゆるポート噴射タイプであれば冷間始動時に噴射した燃料が吸気ポート壁面や吸気弁に付着してしまって筒内に吸入される混合気が希薄気味になる。またエンジンがいわゆる直噴タイプであれば冷間始動時に噴射した燃料が燃焼室壁面に付着してしまって筒内の混合気が希薄気味になる。そこでこのような付着燃料量をあらかじめ見越して燃料噴射量を増量補正して冷間始動し、その後は通常運転する。
ステップS113においてコントローラ70は、燃焼不安定時間THAZARDに対するエンジン停止後経過時間TSOAKの未達分(すなわちTHAZARD-TSOAK)に応じて燃料噴射量を補正してエンジンを始動し、その後は通常運転する。すなわち燃焼不安定時間THAZARDに対してエンジン停止後経過時間TSOAKが既達であれば燃焼不安定時間が解消され冷間状態に戻っている。しかしながら未達であればエンジンは冷間状態に戻っていない。この状態で燃料噴射量を冷間始動補正しては燃焼室内がオーバーリッチになってしまう。そこでこのときは冷間状態に復帰するまでの予想時間(すなわちTHAZARD-TSOAK)に応じて燃料噴射量を補正することで適切にエンジンを始動できるのである。
図4は、キーオフ→ACC処理ルーチンを説明するフローチャートである。
ステップS141においてコントローラ70は、冷却水温初期値TW0を検出する。
図5は、キーオン→ACC処理ルーチンを説明するフローチャートである。
ステップS161においてコントローラ70は、エンジンを停止する。
ステップS162においてコントローラ70は、バッテリ電圧VBを検出し、そのバッテリ電圧VBが電装系動作電圧Vhよりも大きいか否かを判定する。大きければステップS163へ処理を移行し、そうでなければステップS168へ処理を移行する。
ステップS163においてコントローラ70は、エンジン停止時水温TWNKOを検出する。
ステップS164においてコントローラ70は、エンジン停止時水温TWNKOが暖機判定水温Thよりも小さいか否かを判定する。小さければステップS165へ処理を移行し、そうでなければステップS168へ処理を移行する。
ステップS165においてコントローラ70は、現在、すなわちエンジン停止時の温度非平衡度DLTTVKOを求める。具体的には現在の冷却水温度TWKOの冷却水温の初期値TW0からの変化量(TWKO-TW0)をあらかじめROMに格納された図6(A)に示す特性のマップに適用することで、現在の吸気バルブ温度TVKOの冷却水温初期値TW0に対する温度非平衡度(TVKO-TW0)を求める。これより現在の吸気バルブ温度TVKOを求めることができる。ここで図6(A)のマップについて補足する。エンジンの冷間始動直後は、先に燃焼室温度(吸気バルブ温度)が上昇し、遅れて冷却水温度が上昇する。そのため始動直後は、冷却水温の初期値TW0からの変化量よりも、吸気バルブ温度の冷却水温初期値TW0に対する温度非平衡度のほうが大きい。したがってマップの傾斜も立つ。時間が十分経過し暖機が完了すれば冷却水温度も燃焼室温度(吸気バルブ温度)も所定値に落ち着く。図6(A)のマップにはこのような特性が示されている。なお図6(A)のマップはあらかじめ実験を通じて設定しておけばよい。
ステップS166においてコントローラ70は、エンジン停止時水温TWNKOに基づいて安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTを求める。具体的には、あらかじめROMに格納された図6(B)に示す特性のマップにエンジン停止時水温TWNKOを適用して安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTを求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定しておけばよい。
ここで図6(B)について説明する。図6(B)の横軸はエンジン停止時の冷却水温度であり、縦軸はエンジン停止時の吸気バルブ温度と冷却水温度との温度非平衡度であり、実線は安定再始動可能な温度非平衡度限界ラインである。
冷間状態からエンジンを始動し、時間が十分経過して暖機が完了すれば、燃焼室及び冷却水の温度が所定値に落ち着き、両者の温度差が所定値になる。しかしながら、暖機途中では、先に燃焼室の温度が上昇し、遅れて冷却水の温度が上昇する。そのため始動直後ほど両者の温度差が大きく、暖機が進むにつれて温度差が小さくなっていく。
エンジン始動時は冷却水温に基づいて燃料噴射量を増量補正するので、このように温度差が大きい状態では、本来の燃焼室温度から必要な補正量よりも、多くの燃料を増量してしまうこととなる。すると、燃焼室内は高温になっていることから、燃料の気化が大きく、本来必要な量よりも多くの燃料が燃焼室に吸入されることとなってオーバーリッチ状態になってしまい、安定した再始動ができない。安定した再始動できる限界の温度非平衡度が安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTである。すなわち温度非平衡度限界RPTJDGDTよりも大きな温度非平衡度(上側の領域)では安定した再始動ができない。温度非平衡度限界RPTJDGDTよりも小さな温度非平衡度(下側の領域)では安定した再始動が可能である。
ステップS167においてコントローラ70は、安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTを温度非平衡度DLTTVKOで除算した値に基づいて燃焼不安定時間THAZARDを求める。具体的には、あらかじめROMに格納された図6(C)に示す特性のマップにRPTJDGDT/DLTTVKOを適用して燃焼不安定時間THAZARDを求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定しておけばよい。なお燃焼不安定時間THAZARDは、温度非平衡度DLTTVKOが安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTになるまでの時間である。たとえば現在の温度非平衡度DLTTVKOが図6(B)の白丸のように再始動時燃焼不安定領域にある場合には、時間が十分経過すれば安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDTになる。この時間が燃焼不安定時間THAZARDである。燃焼不安定時間THAZARDは運転状態によって変わるが、長いときには数十分になることもある。
ステップS168においてコントローラ70は、燃焼不安定時間THAZARDとしてゼロをセットする。
続いて本発明によるエンジン始動制御装置を実際に作動したときについて説明する。なおフローチャートとの対応を分かりやすくするために、冒頭にSを付したステップ番号を併記する。
冷間状態のエンジンのイグニッションスイッチがキーオフからACCまで回されたら、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S14と処理を進めて、キーオフ→ACC処理を実行する。さらに詳しくは冷却水温度初期値TW0を検出する(ステップS141)。
イグニッションスイッチがACCにある間は、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S15→S17と処理を繰り返す。
イグニッションスイッチがACCからキーオンまで回されたら、コントローラ70は、ステップS10→S11と処理を進めて、エンジン運転制御を実行する。さらに詳しくはエンジン停止後経過時間TSOAKがゼロであるか否かを判定し(ステップS111)、ここでは冷間始動であるのでエンジン停止後経過時間TSOAKはリセットされているためステップS112へ処理を進めて、付着燃料量をあらかじめ見越して燃料噴射量を増量補正して冷間始動してから通常運転に移行する。
エンジンの暖機が完了する前にイグニッションスイッチがキーオンからACCに戻されたら、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S15→S16と処理を進めて、キーオン→ACC処理を実行する。さらに詳しくはエンジンを停止し(ステップS161)、バッテリ電圧VBが電装系動作電圧Vhよりも大きいか否か判定する(ステップS162)。ここでは大きいのでエンジン停止時水温TWNKOを検出し(ステップS162)、そのエンジン停止時水温TWNKOが暖機判定水温Thよりも小さいか否かを判定する(ステップS163)。ここでは暖機完了前であるので安定再始動可能な温度非平衡度限界RPTJDGDT及びエンジン停止時の吸気バルブ温度TVKOを求め(ステップS164,S166)、燃焼不安定時間THAZARDを求める(ステップS165)。
そしてイグニッションスイッチがACCにある間は、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S15→S17→S20と処理を繰り返してエンジン停止後経過時間TSOAKをインクリメントする。
イグニッションスイッチがACCからキーオフまで回されたら、コントローラ70は、エンジン停止後経過時間TSOAKが燃焼不安定時間THAZARDを経過するまではステップS10→S12→S18→S19→S20と処理を繰り返してエンジン停止後経過時間TSOAKをインクリメントする。
エンジン停止後経過時間TSOAKが燃焼不安定時間THAZARDを経過する前に、再びイグニッションスイッチがキーオフからACCに回されたら、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S14と処理を進める。そしてイグニッションスイッチがACCにある間は、コントローラ70は、ステップS10→S12→S13→S15→S17と処理を繰り返す。さらにイグニッションスイッチがACCからキーオンまで回されたら、コントローラ70は、ステップS10→S11と処理を進めて、エンジン運転制御を実行する。さらに詳しくはエンジン停止後経過時間TSOAKがリセットされていないのでステップS113へ処理を進めて燃焼不安定時間THAZARDとエンジン停止後経過時間TSOAKとの差(すなわちTHAZARD-TSOAK)に応じて燃料噴射量を補正してエンジンを始動し、その後は通常運転する。
このように本実施形態によれば、始動後暖機前にエンジンが停止させられ、さらにエンジンが再始動された場合に、エンジンが燃焼不安定状態であるか否かが検出される。そして燃焼不安定状態が解消された後に再始動されたときには、エンジン始動時に燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動する。しかしながら燃焼不安定状態が解消される前に再始動されたときには、エンジン始動時に燃料噴射量を冷間始動増量補正することなく、そのときのエンジン状態に応じて補正する。したがって、このような再始動時であっても燃焼室内がオーバーリッチ化することなく安定して始動できるのである。そしてエンジンが燃焼不安定状態であるか否かは、吸気バルブ温度及び冷却水温度に基づいて判定する。吸気バルブ温度から燃焼室内の温度状態を推定することができる。そして燃焼室内の温度状態と冷却水温度の乖離状態からエンジンが燃焼不安定状態になり得る状態であるのか否かを正確に推定できるのである。またキーオフ後にエンジンの燃焼不安定状態が解消されるまでは通電を保持するので燃焼不安定状態が解消されたか否かを正確に判定できる。そしてエンジンの燃焼不安定状態が解消されたら即通電を停止するのでバッテリの無駄な消費を防止できるのである。またバッテリ電圧VBが電装系動作電圧Vhよりも低いときには通電を延長保持することなく停止するようにしたので、この点においてもバッテリの無駄な消費を防止でき、またバッテリの性能劣化によって再始動不能になることを回避できるのである。
(第2実施形態)
図7は、本発明によるエンジン始動制御装置の第2実施形態の燃焼不安定時間設定マップを示す図である。
図7は、本発明によるエンジン始動制御装置の第2実施形態の燃焼不安定時間設定マップを示す図である。
なお以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
この第2実施形態は、燃焼不安定時間THAZARDを設定する方法が第1実施形態と相違する。すなわち第1実施形態では冷却水温度及び吸気バルブ温度(燃焼室温度)に基づいて燃焼不安定時間THAZARDを設定したが、この第2実施形態では、エンジン停止時に燃焼室に残留した残ガスに基づいて燃焼不安定時間THAZARDを設定する。これは燃焼室内に残ガスが多く残っているほど始動が不安定である、また残ガスは時間の経過とともに拡散する、という特性を利用したものである。具体的には、エンジンを停止する直前のエンジン回転数と、空気充填効率と、を図7(A)に示したマップに適用してエンジン停止時の残ガス率を求める。なお空気充填効率はエアーフローセンサによる空気吸入量から演算可能である。そして安定再始動可能な最大残ガス率(この値はあらかじめ実験を通じて設定しておけばよい)を、エンジン停止時の残ガス率で除した値を図7(B)に示したマップに適用して燃焼不安定時間THAZARDを求める。
本実施形態によっても、エンジンが停止してから、安定再始動可能な時間が経過したか否かを正確に判定でき、バッテリを無駄に消費することなく、熱間再始動であっても確実に安定始動可能になる。
(第3実施形態)
図8は、本発明によるエンジン始動制御装置の第3実施形態の燃焼不安定時間設定マップを示す図である。
図8は、本発明によるエンジン始動制御装置の第3実施形態の燃焼不安定時間設定マップを示す図である。
この第3実施形態は、燃焼不安定時間THAZARDを設定する方法が第1実施形態と相違する。すなわちこの第3実施形態では、エンジン停止時に燃焼室など(ポート噴射タイプであれば吸気ポートなど)に付着した壁流量に基づいて燃焼不安定時間THAZARDを設定する。これは壁流量が多いほど始動が不安定である、また壁流量は時間の経過とともに拡散する、という特性を利用したものである。具体的には、エンジン運転中の燃料噴射量と燃料消費量との差(収支)を積算することで壁流量を求める。なお燃料消費量は排ガスの空燃比から演算可能である。そして安定再始動可能な最大壁流量(この値はあらかじめ実験を通じて設定しておけばよい)を、エンジン停止時の壁流量で除した値を図8に示したマップに適用して燃焼不安定時間THAZARDを求める。
本実施形態によっても、エンジンが停止してから、安定再始動可能な時間が経過したか否かを正確に判定でき、バッテリを無駄に消費することなく、熱間再始動であっても確実に安定始動可能になる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
たとえば、第1実施形態では吸気バルブの温度及び冷却水の温度に基づいて燃焼不安定時間を設定した。第2実施形態ではエンジン停止時に残留している残ガスの残ガス率に基づいて燃焼不安定時間を設定した。第3実施形態ではエンジン停止時に付着している壁流の壁流量に基づいて燃焼不安定時間を設定した。このようにそれぞれの条件に基づいて燃焼不安定時間を設定してもよいし、組み合わせてそれらの時間のなかで最長時間を燃焼不安定時間として設定してもよい。
1 エンジン始動制御装置
14 燃料インジェクタ
21 クランク角センサ
23 冷却水温度センサ
70 コントローラ
ステップS11 エンジン始動制御手段/エンジン始動制御工程
ステップS167 燃焼不安定時間設定手段/燃焼不安定時間設定工程
ステップS18 不安定状態解消判定手段/不安定状態解消判定工程
ステップS20 停止時間検出手段/停止時間検出工程
14 燃料インジェクタ
21 クランク角センサ
23 冷却水温度センサ
70 コントローラ
ステップS11 エンジン始動制御手段/エンジン始動制御工程
ステップS167 燃焼不安定時間設定手段/燃焼不安定時間設定工程
ステップS18 不安定状態解消判定手段/不安定状態解消判定工程
ステップS20 停止時間検出手段/停止時間検出工程
Claims (7)
- エンジン停止後の経過時間を求める停止時間検出手段と、
イグニッションスイッチがキーオフされたときに、エンジン状態に基づいて燃焼不安定時間を設定する燃焼不安定時間設定手段と、
イグニッションスイッチがキーオフされた後に、前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えたか否かを判定する不安定状態解消判定手段と、
前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えた後にエンジンが始動されたときには燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動し、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するエンジン始動制御手段と、
を備えるエンジンの始動制御装置。 - 前記燃焼不安定時間設定手段は、吸気バルブの温度及び冷却水の温度に基づいて前記燃焼不安定時間を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動制御装置。 - 前記燃焼不安定時間設定手段は、エンジン停止時に残留している残ガスの残ガス率に基づいて前記燃焼不安定時間を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動制御装置。 - 前記燃焼不安定時間設定手段は、エンジン停止時に付着している壁流の壁流量に基づいて前記燃焼不安定時間を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動制御装置。 - 前記燃焼不安定時間設定手段は、吸気バルブの温度及び冷却水の温度に基づいて設定された時間、エンジン停止時の残ガス率に基づいて設定された時間及びエンジン停止時の壁流量に基づいて設定された時間のうちの最大時間を前記燃焼不安定時間として設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動制御装置。 - キーオフ時のバッテリ電圧が、電装システムが動作可能な電圧よりも低いときには、通電を延長保持することなく停止する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエンジンの始動制御装置。 - エンジン停止後の経過時間を求める停止時間検出工程と、
イグニッションスイッチがキーオフされたときに、エンジン状態に基づいて燃焼不安定時間を設定する燃焼不安定時間設定工程と、
イグニッションスイッチがキーオフされた後に、前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えたか否かを判定する不安定状態解消判定工程と、
前記エンジン停止後経過時間が前記燃焼不安定時間を超えた後にエンジンが始動されたときには燃料噴射量を冷間始動増量補正してエンジンを始動し、エンジン停止後経過時間が燃焼不安定時間を超える前にエンジンが始動されたときにはエンジン停止後経過時間に基づいて燃料噴射量を補正してエンジンを始動するエンジン始動制御工程と、
を備えるエンジンの始動制御方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016183583A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
KR101746439B1 (ko) * | 2011-07-27 | 2017-06-13 | 현대자동차주식회사 | 디젤 차량의 연료동결 방지시스템 및 연료동결 방지방법 |
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2008
- 2008-10-27 JP JP2008275654A patent/JP2010101287A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101746439B1 (ko) * | 2011-07-27 | 2017-06-13 | 현대자동차주식회사 | 디젤 차량의 연료동결 방지시스템 및 연료동결 방지방법 |
JP2016183583A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
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