JP2010100977A - 立毛パイル布帛及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】嵩高性があり「地透け」の無い、風合がソフトで立毛感のある立毛パイル布帛、さらには分割型複合糸からなる極細繊維を用いても耐摩耗性を有し、さらに、エッチング加工や、耐摩耗性のあるエンボス加工が施すことにより、意匠性の高い車両の座席シート用表皮材として使用に耐えうる立毛パイル布帛を提供する。
【解決手段】経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、前記パイル糸として捲縮率が異なる非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸からなる複合糸が用いられ、前記潜在高捲縮性加工糸の捲縮を発現させる熱処理工程を含む仕上げ加工を施し、さらにパイル糸表面に所定の加飾加工を施したことを特徴とした立毛パイル布帛。
【選択図】図1
【解決手段】経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、前記パイル糸として捲縮率が異なる非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸からなる複合糸が用いられ、前記潜在高捲縮性加工糸の捲縮を発現させる熱処理工程を含む仕上げ加工を施し、さらにパイル糸表面に所定の加飾加工を施したことを特徴とした立毛パイル布帛。
【選択図】図1
Description
この発明は車両の座席シート用表皮材として好適に用いられる立毛パイル布帛に関する。
従来、立毛パイル布帛は布帛の表面を構成する立毛パイルが、平滑で立毛感があり、高級感のある優雅な外観を呈するために、衣料分野は勿論のこと椅子張りなどのインテリア内装材、さらには自動車用シートの表皮材などに多用されてきている。このような布帛の立毛パイルには通常、特開平05−279963号公報(特許文献1)に開示されているように、非潜在捲縮性の糸が用いられるが、得られる布帛は嵩高性が乏しくパイル倒れが発生し、そのためこのような布帛を例えば屈曲させたりすると、パイルの間から地が透けて見えるいわゆる「地透け」という問題を有することが知られている。
一方、パイル糸に通常の潜在捲縮性があるポリエステル仮撚加工糸を用いて得られる立毛布帛は、非潜在捲縮性のポリエステルマルチフィラメント糸を用いたものと比べると、嵩高性があり、地透けには効果が認められるものの、表面にざらつき感、凹凸感があり毛布状の外観を呈する問題を有し、平滑な表面の高級感のある立毛布帛を得るレベルには至っていない。
また、高級感のある立毛布帛を得るために、分割型複合糸からなる極細繊維を使用した布帛も数多く提案されている。例えば特開平03−051364号公報(特許文献2)に開示されているように、人工皮革として開発された、ピーチスキン、スウェード調のものが、表面の触感が非常にソフトであるため多く使用されているが、これらの繊維として単糸繊度が0.01dtex〜0.3dtexの極細繊維が用いられている。しかしその細さのために、耐摩耗性が低く、車両の座席シート用表皮材として使用に耐えうることはできなかった。
さらに、立毛パイル布帛の多用化にともない、意匠性の向上が求められており、従来の非潜在捲縮性の糸が用いられた立毛パイル布帛に化学的エッチング加工やエンボス加工が検討されている。しかし、化学的エッチング加工では、エッチング部分と非エッチング部分との色差が不明瞭で高い意匠性は得られなかった。また、エンボス加工ではエンボス形状保持性に劣り耐摩耗性が低くなるという問題があった。
特開平05−279963号公報
特開平03−051364号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、嵩高性があり、「地透け」の無い、表面の風合がソフトな高級感のある立毛パイル布帛、また極細繊維を用いても耐摩耗性を有し、さらに、エッチング加工や、耐摩耗性のあるエンボス加工が施すことにより、意匠性の高い車両の座席シート用表皮材等としての立毛パイル布帛を提供することを目的とする。
前記課題を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、前記パイル糸は捲縮率が異なる非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸からなり、前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸の捲縮伸長差を発現させ、さらに所定の加飾加工を施された前記立毛パイル布帛表面を有するとを特徴とする立毛パイル布帛。
[2]前記潜在高捲縮性加工糸がポリエステルマルチフィラメント糸であり、該潜在高捲縮性加工糸の捲縮率が、糸に与えられる加工温度150℃未満の状態で1%〜10%、150℃以上の状態で30%〜60%であることを特徴とし、前記非潜在捲縮性加工糸がアルカリ溶性分割型ポリエステル又は水溶性分割型ポリエステル、及びポリエステルーマイクロファイバーの群から選ばれるいずれか一種の加工糸で構成され、分割後の単糸繊度または加工糸を構成する単糸繊度が1.1dtex以下であり、糸に与えられる加工温度150℃未満及び以上の状態で発現する捲縮率が1%〜10%であることを特徴とする前項1に記載の立毛パイル布帛。
[3]前記パイル糸を構成する前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸との重量比率が90/10〜50/50である前項1または2に記載の立毛パイル布帛。
[4]前項1〜3のいずれか1項に記載された立毛パイル布帛から構成され、該立毛パイル布帛表面の所定の領域において、前記非潜在捲縮性加工糸及び前記潜在高捲縮性加工糸の先端部が、所定の柄に化学的エッチング加工により部分的に除去され、該潜在高捲縮性加工糸における残留パイル繊維の先端部分が、前記所定の領域以外のパイル繊維の先端部分に比較して濃色を呈することを特徴とする立毛パイル布帛。
[5]前項1〜3のいずれか1項に記載された立毛パイル布帛から構成され、該立毛パイル布帛表面の所定の領域において、前記非潜在捲縮性加工糸及び前記潜在高捲縮性加工糸の先端部が、所定の柄にエンボス加工により押圧され、前記所定の領域内が、テーバー摩耗性試験において1000回4級 以上の耐摩耗性能を有することを特徴とする立毛パイル布帛。
[6]経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、捲縮を発現させる熱処理を施すまでは平坦なカットパイルを形成させ、150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸に捲縮伸長差を発現させ、その後に所定の加飾加工を施したことを特徴とする立毛パイル布帛の製造方法。
[1]の発明によれば、製織工程においては、従来からある製織設備及び製織方法ですべてのパイルが同じ高さを有する立毛パイル布帛として製織することが可能で、次に、熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、パイル性状が垂直方向に2層に分離され、表面のパイルが粗の状態となることにより、表面の風合がソフトで、根元部分が安定した密の状態となることにより、前記非潜在捲縮性加工糸を捲縮が発現した前記潜在高捲縮性加工糸が支えることになり毛倒れが無く、また根元部分に密の状態である記潜在高捲縮性加工糸は捲縮により糸の側面で地組織を覆うことになり、「地透け」の無い、耐摩耗性を有する立毛パイル布帛を製造することができる。さらに、化学的エッチング加工やエンボス加工等の加飾加工により高い意匠性の立毛パイル布帛となる。
[2]の発明によれば、パイル糸を構成する潜在高捲縮性加工糸として、糸に与えられる加工温度が150℃以上の状態で発現する捲縮率が30%〜60%であるポリエステルマルチフィラメント糸が用いられているため、前記潜在高捲縮性加工糸は、150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、高い潜在捲縮が発現し、捲縮が発現しない非潜在捲縮性マルチフィラメント糸のパイル根元部分及び側面を覆い、立毛パイル布帛の地透けを防ぎ、耐摩耗性等の強度性能を向上させることができる。また150℃未満の状態では非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸に発現する捲縮率が1%〜10%と低い捲縮しか発現しないため、製織工程におけるパイル糸内の捲縮伸長差によるフィラメント高さのバラツキが発生せず、良好な製織性が得られる。一方、非潜在捲縮性加工糸として、捲縮率が1%〜10%の分割後の単糸繊度が1.1dtex以下のアルカリ溶性分割型ポリエステル又は水溶性分割型ポリエステル、及び単糸繊度が1.1dtex以下のポリエステルーマイクロファイバーの群から選ばれるいずれか一種の加工糸が用いられているため、前記非潜在捲縮性加工糸が、熱処理工程を含む仕上げ加工を施されても、潜在捲縮が発現せず、パイル糸の密集度が減少した状態で、極細繊維による平滑な表面のソフトな立毛感のある立毛パイル布帛を製造することができる。
さらに、従来の複合糸では、捲縮伸長差が生じる事により、120℃〜140℃で処理される糸染が困難とされてきたが、捲縮伸長差が生じる事が無く、不可能とされてきた糸染が可能となり、深みのある色彩と明瞭な色柄差による高意匠の立毛パイル布帛を製造することができる。
[3]の発明によれば、パイル糸を構成する前記潜在高捲縮性加工糸がパイル糸中の重量比率10%〜50%であるため、全体のパイルが倒れる事無く、適度な嵩高性があり、「地透け」の無い、風合がソフトで立毛感のある立毛パイル布帛を製造することができる。
[4]の発明によれば、化学的エッチング加工により、部分的に除去された潜在高捲縮性加工糸の先端部分が捲縮を発現させ繊維の側面を多く見せることにより、他の部分に比較して濃色を呈し、さらに糸染糸を使用した場合は、異色糸、異染糸又は、カチオン可染糸を用いることにより、異色効果も強調することが可能となり、陰影及び色感が明瞭な高い意匠性の立毛パイル布帛となる。
[5]の
発明によれば、エンボス加工により立毛パイル布帛に高い意匠性が付与され、潜在高捲縮性加工糸のエンボス形状保持性によりテーバー摩耗性試験において1000回4級 以上の優れた耐摩耗性を有する立毛パイル布帛となる。
発明によれば、エンボス加工により立毛パイル布帛に高い意匠性が付与され、潜在高捲縮性加工糸のエンボス形状保持性によりテーバー摩耗性試験において1000回4級 以上の優れた耐摩耗性を有する立毛パイル布帛となる。
[6]の発明によれば、150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸によって構成されたパイル糸が加工工程時に捲縮伸長差を発現させ、従来からある製織設備及び製織方法を用いても、嵩高性があり「地透け」の無い、風合がソフトで立毛感のある立毛パイル布帛、さらには分割型複合糸やマイクロファイバーからなる極細繊維を用いても耐摩耗性を有し、化学的エッチング加工や、エンボス加工により高い意匠性が付与された、車両の座席シート用表皮材用の立毛パイル布帛の製造方法とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。本発明の立毛パイル布帛としては、モケット、別珍等のパイル織物等をいう。図1は、本実施形態の立毛パイル布帛(1)の一部を拡大して示す概略断面図である。非潜在捲縮性加工糸(2)と潜在高捲縮性加工糸(3)と地組織(4)で構成される。
本発明に使用するパイル糸として用いる複合糸の一構成要素である潜在高捲縮性加工糸(3)とは、潜在化していた捲縮が熱処理により発現するポリエステルマルチフィラメントからなる加工糸であって、150℃未満の温度に設定されたオーブンに入れ、30分間処理した後の捲縮率が1%〜10%、150℃以上の温度に設定されたオーブンに入れ、30分間処理した後の捲縮率が30%〜60%、より好ましくは35〜50%の捲縮を発現する潜在捲縮性能を有するものが良い。
本発明における捲縮率は、次の方法で測定されるものである。試料に1/30g/dtexの荷重を掛け、その長さL1(mm)を測定する。次いで、その荷重を取り除き、試料を乾燥機中に入れ乾燥温度160℃で30分間乾燥させる。乾燥後室温にて冷却し、再度1/30g/dtexの荷重を掛けて、その長さL2(mm)を測定する。上記L1、L2を下記式に代入し、160℃での捲縮率を算出する。尚、測定回数5回の平均値を以てその測定値とする。160℃条件での捲縮率(%)=〔(L1−L2)/L1〕×100135℃条件での捲縮率(%)は上記方法で乾燥温度を135℃にすることにより求められる。
このような潜在高捲縮性加工糸(3)を構成するポリエステルマルチフィラメントは、互いに相溶性がある2つの熱収縮特性の異なるポリマーをサイドバイサイド型や偏心芯鞘型に組み合わせて複合紡糸することにより得ることができる。重合度の異なる2種のポリエチレンテレフタレートを組み合わて用いたり、エチレンテレフタレート単位に対して、イソフタール酸を共重合したコポリエステル、イソフタール酸と2.2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパンを共重合したコポリエステル、スルホイソフタール酸を共重合したコポリエステル等の共重合ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとの組み合わせで複合紡糸したフィラメントを用いることができる。
前記潜在高捲縮性加工糸(3)を構成するポリエステルマルチフィラメントは立毛パイル布帛(1)の熱処理工程を含む仕上げ加工により捲縮が発現し、前記非潜在捲縮性加工糸(2)のパイル毛倒れ性を防止し、「地透け」防ぐことができる。あるいは前記非潜在捲縮性加工糸(2)を包みこむことにより強度をカバーする等の観点から、優れたカバーリング性能を示すために、繊度は60〜100dtexが好ましく、70〜90dtexがより好ましい。また、単糸繊度は1〜4dtexが好ましく、2〜3dtexがより好ましい。
更に本発明に使用するパイル糸として用いる複合糸の一部を構成する非潜在捲縮性加工糸(2)とは、立毛パイル布帛(1)の最表面に残り、パイル密度および表面タッチに影響を与えることから、1.1dtex以下の極細繊維を用いることが好ましい。また、ソフト感のある風合いを表現するために150℃未満及び150℃以上の温度設定での捲縮率は、1%〜10%が好ましく、3%〜7%がより好ましい。
また、前記非潜在捲縮性加工糸(2)として、極細繊維であるアルカリ溶性分割型ポリエステル、水溶性分割型ポリエステル、及びポリエステルーマイクロファイバーを使用できる。分割型複合繊維とは、繊維単糸断面に、難溶解成分ポリマーと易溶解成分ポリマーを配置し、複合紡糸、延伸して製糸した繊維である。後処理により単糸を分割して極細繊維となる。またマイクロファイバーとは溶融紡糸段階から極細の単糸繊度(通常0.1〜2.0dtex)で作られた繊維であるが、生産性、経済性及び環境対応の面から水溶性分割型ポリエステルが好ましい。
アルカリ溶性分割型ポリエステルはアルカリ難溶解成分とアルカリ易溶解成分らなり、アルカリ難溶解成分とは、一般ポリエステル成分のテレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2ー6のアルキレングリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグルコール成分とするポリエステル成分、あるいは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、ブタジエングリコールを主たるグルコール成分とするポリエステル成分である。また、アルカリ易溶解成分とは上記ポリエステルに第三成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、P−オキシ安息香酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、セバチン酸、1−4ブタンジオ−ル、P−Bオキシエトキン安息香酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ネオペンチルグルコール等公知の共重合成分を数モル%〜20モル%共重合したポリエステル成分である。
また水溶性分割型ポリエステルは水溶性の変性ポリビニルアルコール成分とポリエステル成分らなり、変性ポリビニルアルコール成分とは、エチレン単位を8モル%含有し、重合度が380、鹸化度が98モル%である水溶性成分である。ポリエステル成分とは非水溶性の一般ポリエステル成分であり、この両成分を多芯鞘型にて紡糸された複合糸である。
また、前記非潜在捲縮性加工糸(2)は、表面に現れることから、パイル立毛性が高く、かつ断面二次モ−メントを制御したソフトタッチな風合いを奏するために、繊度は80〜160dtexが好ましく、単糸繊度0.1〜2.0dtex、更には0.1〜0.5dtexが好ましい。
本発明に使用するパイル糸として、捲縮率が異なる前記非潜在捲縮性加工糸(2)と前記潜在高捲縮性加工糸(3)からなる複合糸を用いる。複合する方法として、高圧空気で混繊する方法、合撚する方法および引き揃え合糸する方法等で得られるが、高圧空気で混繊する方法が最も均一性が優れている。なお、混繊交絡数は30〜100個/m、更には40〜80個/mが好ましい。
上記複合する方法に加え、前記非潜在捲縮性加工糸(2)と潜前記在高捲縮性加工糸(3)との重量比率も重要な要素である。即ち、パイルの毛倒れ性が良好でボリュ−ム感を得るためには、パイルの根元部分を構成する前記潜在高捲縮性加工糸(3)のパイル糸中の重量比率を10%〜50%、更には20%〜40%にすることがより好ましい。
非潜在捲縮性加工糸(2)により構成されたパイル上部と、パイル下部を構成する捲縮が発現した潜在高捲縮性加工糸(3)とが上下2層に分離し、立毛パイル布帛(1)の地透けを防ぎ、耐摩耗性等の強度性能を向上させることができる立毛パイル布帛(1)に仕上がる。
更に、2層構造の長パイルと短パイルの上下異色効果を高め、ソフトタッチで毛倒れを防止するためには、立毛パイル布帛(1)のパイル長は1.0〜4.0mmが好ましく、更に好ましくは1.5〜3.0mmである。尚、ここでいうパイル長とは地組織(4)の根元からパイルの先端までの長さをいう。
本発明の立毛パイル布帛(1)において、用いる複合糸を製織する前に、高圧チーズ染色機を用いて糸染することができる。この高圧チーズ染色機では120〜140℃の温度を糸に与えることが必要であり、この温度では従来の捲縮性加工糸と捲縮の発現しない非潜在捲縮性加工糸との複合糸を使用した場合、通常の捲縮性加工糸のみ捲縮が発生し、糸長にバラツキが生じ、その後の製織等の工程で使用できる糸には成り得なかった。本発明の潜在高捲縮性加工糸(3)を含有する複合糸を用いた場合、高圧チーズ染色機の温度条件では捲縮が発現せずに、複合した非潜在捲縮性加工糸(2)と糸長が揃ってその後の立毛パイル布帛(1)の製織等の工程で十分使用できることになる。したがって本発明の立毛パイル布帛では製織する前に糸染が可能となり、深みのある色彩と明瞭な色柄差による高意匠の立毛パイル布帛が製造することができる。
本発明の立毛パイル布帛(1)は、従来からあるダブルパイル織機により、2枚の地組織(4)を織成しつつ、この2枚の地組織間にパイル糸を掛けわたすように係止すると共に、パイル糸をその中間で切り離して(二面分割して)得られたモケット地から作成することができる。本発明に使用するパイル糸として用いる非潜在捲縮性加工糸(2)と潜在高捲縮性加工糸(3)からなる複合糸は、この製織工程においては、捲縮伸長差が発生しておらず、良好な生産性が得られる。
本発明において、前記モケット地の地組織(4)を編成する加工糸としては、特に限定するものではなく、ポリエステル仮撚加工糸、ポリエステル/レーヨン混紡糸、潜在捲縮フィラメント糸、非潜在捲縮フィラメント糸等の加工糸のうちいずれの加工糸を用いてもよい。
本発明の立毛パイル布帛(1)は前記製織工程を経てモケット地を製造し、熱処理工程を含む仕上げ加工の後、起毛加工、シャーリング加工、所定の加飾加工を施し、立毛パイル布帛を作成する。
本発明においては、製織工程により得られた前記モケット地に、潜在高捲縮性加工糸(3)の捲縮を発現させる熱処理工程を含む仕上げ加工を施す。熱処理の方法としては、従来の乾燥機を用いればよく、熱処理温度としては、150℃以上で処理するのが好ましい。更には立毛パイル布帛(1)を立毛調に仕上げる場合は150℃〜170℃の温度で処理するのが好ましく、スウェード調に仕上げる場合は160℃以上が好ましい。
前記熱処理工程によって、糸に与えられる加工温度が150℃以上の状態では、非潜在捲縮性加工糸(2)と潜在高捲縮性加工糸(3)の捲縮伸長差は20%以上となり、パイル糸が上下2層に分離しやすくなり、あるいは潜在高捲縮性加工糸(3)が非潜在捲縮性加工糸(2)を包含しやすくなり、嵩高性があり「地透け」の無い、風合がソフトで立毛感のある立毛パイル布帛(1)、さらには極細繊維を用いても耐摩耗性を有する立毛パイル布帛を製造することができる。加工温度が150℃以下の状態では、捲縮伸長差が20%未満となり、パイル糸が上下2層に分離しにくくなり、上記に述べた種々の効果を得ることが困難となる。この様に極めて高い捲縮伸長差が要求されるのは、捲縮伸長差の発現後(熱処理加工後)の起毛処理等により潜在高捲縮性加工糸(3)、即ちパイル長が比較的短い繊維が掻き出されて、見かけ上のパイル高低差が小さくなるからであり、予め捲縮率差を大きめに設定しておく必要がある。
したがって、本発明に使用するパイル糸として用いる複合糸の構成要素である潜在高捲縮性加工糸(3)と非潜在捲縮性加工糸(2)は、150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すまでは、捲縮伸長差が発現せず、従来からある通常の製造方法を用いることができる。そして150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、20%〜59%、より好ましくは25%〜49%の捲縮伸長差が発現し、本発明の目的である立毛パイル布帛を製造することができる。
本発明の立毛パイル布帛(1)は前記熱処理工程を含む仕上げ加工を経てさらに意匠性を高めるために、所定の加飾加工を施す必要がある。加飾加工としては化学的エッチング加工、エンボス
加工等が挙げられる。
加工等が挙げられる。
例えば、本発明の立毛パイル布帛(1)に意匠性を付与する加飾加工として化学的エッチング加工が挙げられる。公知のエッチング加工である、吸水性無機物質及びアルカリ性物質を含有するエッチング捺染剤を、パイル面の所定の領域にスクリーン印捺することにより、パイル面に凹凸柄を付与することができる。
ところが、従来の加工糸を用いた立毛パイル布帛に化学的エッチング加工を施しても、付与された凹凸面の色差がほとんど無く、陰影が不明瞭で高い意匠性の立毛パイル布帛は得られなかった。
しかし、本発明の立毛パイル布帛(1)においては、潜在高捲縮性加工糸(3)が用いられているために、部分的に除去された潜在高捲縮性加工糸(3)の先端部分が、捲縮により繊維の側面を多く見せることにより、他の部分に比較して濃色を呈することになる。よって凹状にエッチングされた底面のみが濃色となり、以下に示す凹部の着色性評価において優れた着色性能を有し、陰影の明瞭な高い意匠性の立毛パイル布帛(1)となる。
(凹部の着色性評価)エッチング捺染剤に着色剤を配合したエッチング捺染剤により形成された凹部の着色状態を目視で観察し、以下の基準によって凹部の着色性を評価した。 ○:十分に濃色に着色されている。 ×:濃色に着色されていない。
本発明の立毛パイル布帛(1)に意匠性を付与するもうひとつの加飾加工としてエンボス加工が挙げられる。公知のエンボス加工機を用い、パイル面の所定の領域に加熱エンボスロールにて加圧してエンボス模様を施す。かかるエンボス模様は付与された凹凸により、陰影が発生し、高い意匠性を立毛パイル布帛(1)に与えることができる。
ところが、従来の加工糸を用いた立毛パイル布帛(1)にエンボス加工を施しても、前記加熱エンボスロールによって前記加工糸に与えられる温度が低温の場合、エンボス形状保持性に劣り、明瞭なエンボス柄を付与できず、また高温の場合は、加工糸が硬化し、エンボス加工を施した所定の領域の耐摩耗性が低くなるという問題があった。
しかし、本発明の立毛パイル布帛(1)においては、パイル糸の一部に潜在高捲縮性加工糸(3)が用いられていることにより、高温でのエンボス加工が可能となり、広い範囲の温度域にてエンボス形状保持性に優れ、前記潜在高捲縮性加工糸が硬化する事無く、エンボス加工を施した所定の領域内が、以下に示すテーバー摩耗性試験において1000回4級 以上の耐摩耗性能を有する立毛パイル布帛(1)となる。
<テーバ摩耗試験法>JIS L 1096 8.17.3項に規定される、テーバー摩耗試験機を用いて、次の条件にて試験を行い、試験片表面の摩耗程度を調べた。外観の変化を規定にしたがって評価した。5級:異常なし4級:やや損傷している3級:タテ糸またはヨコ糸が切断している。2級:タテ糸またはヨコ糸が切断し地が見えかけている。1級:タテ糸、ヨコ糸が擦り切れて地が露出している。使用摩耗輪No:CS−10、荷重:4.9N、試験回転数:1000回、回転摩擦速度:約70r/min
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>本発明におけるモケット地の地組織を編成する加工糸として、地タテ糸及び地ヨコ糸にポリエステル仮撚加工糸(1.10dtex/24/2)を使用し、パイル糸としては、分散染料を用いてグレーに染色した単糸繊度1.1dtexのポリエステル非潜在捲縮性加工糸(84dtex/72f、135℃条件下での捲縮度8.3%、160℃条件下での捲縮度8.5%)2本と単糸繊度2.3dtexのポリエステル潜在高捲縮性加工糸(84dtex/36f、135℃条件下での捲縮度4.1%、160℃条件下での捲縮度36.0%)1本とのエア交絡を行い、潜在高捲縮性加工糸がパイル糸中の重量比率33.3%であるパイル糸を使用し、パイル密度を縦方向34本/2.54cm×横方向56本/2.54cmとして、パイル長さ1.9mmのモケット規格で製織した。得られた生機を乾燥機にて160℃−4分間の乾熱処理を行ない捲縮の発現を行なった。次にアクリル樹脂30%水溶液でバッキングし乾燥した、アクリル樹脂付着量はドライで45g/m2であった。その後、加飾加工として所定の柄に化学的エッチング加工を施し、毛割、シャーリングの後、本発明の立毛パイル布帛を得た。
化学的エッチング加工の方法として、化学的エッチング加工用処理剤として、濃度269.4g/リットルの苛性ソーダ及びエッチング用糊剤を室温において水に溶かして、固形分濃度:35.5質量%、粘度:4Pa・sのエッチング用アルカリ糊を調製した。このエッチング用アルカリ糊を、スクリーンプリント枠を用いて、立毛パイル布帛の表面に所定の柄で印捺した。この印捺されたアルカリ糊を140℃で10分間乾燥し、これに170℃の飽和蒸気により15分間水蒸気処理を施した。
<実施例2>パイル糸を構成するポリエステル潜在高捲縮性加工糸の160℃条件下での捲縮度を53.2%としたこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<実施例3>パイル糸として単糸繊度1.6dtexのアルカリ易溶性ポリエステルとアルカリ難溶性ポリエステルとからなる分割型複合糸(分割後0.16dtex、135℃条件下での捲縮度3.8%、160℃条件下での捲縮度3.9%)2本と単糸繊度2.2dtexのポリエステル潜在高捲縮性加工糸(84dtex/36f、135℃条件下での捲縮度4.1%、160℃条件下での捲縮度36.0%)1本とのエア交絡糸を使用し、実施例1と同様に製織を行い、以下の条件で処理してアルカリ易溶性ポリエステルを除去し、液流染色機により分散染料を用いてグレーに染色した。その後、実施例1と同様の条件で加工を行い立毛パイル布帛を得た。
アルカリ減量の方法として、液流染色機を用いて、マレイン酸1g/Lを添加したPH2.5酸性水溶液中で130℃30分の処理した後、水洗し、苛性ソーダ6重量%含有水溶液で90℃30分間、アルカリ処理してアルカリ易溶性ポリエステルを溶解除去した。
<実施例4>パイル糸として単糸繊度1.0dtexのマイクロファイバーで構成された加工糸(135℃条件下での捲縮度3.4%、160℃条件下での捲縮度4.6%)2本と単糸繊度2.2dtexのポリエステル潜在高捲縮性加工糸(84dtex/36f、135℃条件下での捲縮度4.1%、160℃条件下での捲縮度36.0%)1本とのエア交絡糸を使用したこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<実施例5>加飾加工の方法をエンボス加工としたこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
エンボス加工の方法として、エンボス加工機を用いて、立毛パイル布帛を所定の柄(ピッチ10mm,幅1mm,熱圧着面積比率19%)をエンボスロールで押圧しエンボス加工を施した。(上ロール温度110℃,下ロール温度70℃,圧力20kg/cm2)。
<比較例1>パイル糸として分散染料を用いてグレーに染色した単糸繊度1.1dtexのポリエステル非潜在捲縮性加工糸(160dtex/144f、135℃条件下での捲縮度8.3%、160℃条件下での捲縮度8.5%)3本のエア交絡糸のみを使用したこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<比較例2>単糸繊度2.2dtexのポリエステル潜在高捲縮性加工糸(84dtex/36f、135℃条件下での捲縮度4.1%、160℃条件下での捲縮度36.0%)3本のエア交絡糸のみを使用したこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<比較例3>パイル糸として分散染料を用いてグレーに染色した単糸繊度1.6dtex(分割後0.16dtex、135℃条件下での捲縮度3.8%、160℃条件下での捲縮度3.9%)のアルカリ易溶性ポリエステルとアルカリ難溶性ポリエステルとからなる分割型複合糸(78dtex/48f、捲縮度10%)3本のエア交絡糸のみを使用したこと以外実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<比較例4>実施例1において得られた生機を乾燥機にて130℃−4分間の乾熱処理を行ない捲縮の発現を行なったこと以外、実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<比較例5>パイル糸として、分散染料を用いてグレーに染色した単糸繊度1.1dtexのポリエステル非潜在捲縮性加工糸(84dtex/72f、135℃条件下での捲縮度8.3%、160℃条件下での捲縮度8.5%)1本と単糸繊度2.3dtexのポリエステル潜在高捲縮性加工糸(84dtex/36f、135℃条件下での捲縮度4.1%、160℃条件下での捲縮度36.0%)2本とのエア交絡を行い、潜在高捲縮性加工糸がパイル糸中の重量比率66.6%であるパイル糸を使用したこと以外、実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
<比較例6>加飾加工を施さなかったこと以外、実施例1と全く同様にして、立毛パイル布帛を得た。
前記のようにして得られた各立毛パイル布帛に対して前記凹部の着色性評価、テーバ摩耗試験法に加え、「地透け」を評価する毛割れ性試験、ソフトな表面の風合を評価する平滑性の測定を行った。その結果を表1に示す。
<毛割れ性試験法>立毛パイル布帛を、タテ・ヨコ・ナナメ、それぞれの方向に沿って、約180度折り返し、その時の折り曲げ部位における外観品位を官能評価により以下の基準によって評価した。○:パイル間から地組織が見えず、外観品位が高い。△:パイル間から地組織がやや見え外観品位がやや低い。×:パイル間から地組織が見え外観品位が低い。
<平滑性試験法>布地の風合評価に使用される、カトーテック製KES−SE摩擦感テスターを用い、摩擦係数(MIU)と摩擦係数の変動(MMD)を測定し、以下の基準によって評価した。摩擦係数(MIU)は試料表面のすべりやすさを表し、値が大きくなるほど表面がすべりにくくなることを示す。○:すべりやすい(MIU、0.400以下)△ :ややすべりやすい(MIU、0.401〜0.429)×:すべりにくい(MIU、0.430以上)摩擦係数の変動(MMD)は試料表面のざらつき感、凹凸感を表し、値が大きくなるほど表面のざらつきが大きくなることを示す。○ :ざらつきがない(MMD、0.100以下)△ :ややざらつく(MMD、0.101〜0.109)×:ざらつきがある(MMD、0.1.10以上)
<凹凸感、柄感による意匠性評価>立毛パイル布帛を、凹凸感、柄感の観点から外観品位を官能評価により以下の基準によって評価した。○:十分に凹凸が確認することが可能で、色差による柄が認識できる。△:やや凹凸が確認することが可能で、やや色差による柄が認識できる。×:凹凸が確認することが出来ず、色差による柄が認識できない。
表1から明らかなように、実施例1〜5の立毛パイル布帛は、いずれも耐摩耗性に優れ、嵩高性があり「地透け」の無い、風合がソフトで立毛感があり意匠性の高い立毛パイル布帛となった。
これに対し、比較例1、3の立毛パイル布帛は嵩高性が乏しくパイル倒れが発生し、屈曲させたりすると、パイルの間から地が透けて見えるいわゆる「地透け」のある立毛パイル布帛となった。また耐摩耗性も低く、車両の座席シート用表皮材として使用に耐えうる立毛パイル布帛ではなかった。また比較例2、5の立毛パイル布帛は嵩高性はあるが、平滑な表面の高級感のある立毛布帛を得るレベルには至っていなかった。さらに比較例4の立毛パイル布帛は、ポリエステル潜在高捲縮性加工糸の捲縮が不十分で、パイル倒れが発生した。また比較例6の立毛パイル布帛は意匠性が不十分であった。
1………立毛
パイル布帛2………非潜在捲縮性加工糸3………潜在高捲縮性加工糸4………地組織
パイル布帛2………非潜在捲縮性加工糸3………潜在高捲縮性加工糸4………地組織
Claims (6)
- 経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、前記パイル糸は捲縮率が異なる非潜在捲縮性加工糸と潜在高捲縮性加工糸からなり、前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸の捲縮伸長差を発現させ、さらに所定の加飾加工を施された前記立毛パイル布帛表面を有するとを特徴とする立毛パイル布帛。
- 前記潜在高捲縮性加工糸がポリエステルマルチフィラメント糸であり、該潜在高捲縮性加工糸の捲縮率が、糸に与えられる加工温度150℃未満の状態で1%〜10%、150℃以上の状態で30%〜60%であることを特徴とし、前記非潜在捲縮性加工糸がアルカリ溶性分割型ポリエステル又は水溶性分割型ポリエステル、及びポリエステルーマイクロファイバーの群から選ばれるいずれか一種の加工糸で構成され、分割後の単糸繊度または加工糸を構成する単糸繊度が1.1dtex以下であり、糸に与えられる加工温度150℃未満及び以上の状態で発現する捲縮率が1%〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の立毛パイル布帛。
- 前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸との重量比率が90/10〜50/50である請求項1または2に記載の立毛パイル布帛。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載された立毛パイル布帛から構成され、該立毛パイル布帛表面の所定の領域において、前記非潜在捲縮性加工糸及び前記潜在高捲縮性加工糸の先端部が、所定の柄に化学的エッチング加工により部分的に除去され、該潜在高捲縮性加工糸からなる残留パイル繊維の先端部分が、前記所定の領域以外のパイル繊維の先端部分に比較して濃色を呈することを特徴とする立毛パイル布帛。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載された立毛パイル布帛から構成され、該立毛パイル布帛表面の所定の領域において、前記非潜在捲縮性加工糸及び前記潜在高捲縮性加工糸の先端部が、所定の柄にエンボス加工により押圧され、前記所定の領域内が、テーバー摩耗性試験において1000回4級 以上の耐摩耗性能を有することを特徴とする立毛パイル布帛。
- 経糸に緯糸が織り込まれてなる地組織にパイル糸が植設された立毛パイル布帛において、捲縮を発現させる熱処理を施すまでは平坦なカットパイルを形成させ、150℃以上の熱処理工程を含む仕上げ加工を施すことにより、前記非潜在捲縮性加工糸と前記潜在高捲縮性加工糸に捲縮伸長差を発現させ、その後に所定の加飾加工を施したことを特徴とする立毛パイル布帛の製造方法。
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JP2008275501A JP2010100977A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 立毛パイル布帛及びその製造方法 |
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JP2015504982A (ja) * | 2012-09-21 | 2015-02-16 | クレンボン カンパニー リミテッド | カットループ組織を有する生地、その製造方法及びそれを用いた製品 |
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CN112259100A (zh) * | 2020-09-15 | 2021-01-22 | 科大讯飞华南人工智能研究院(广州)有限公司 | 语音识别方法及相关模型的训练方法和相关设备、装置 |
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2008
- 2008-10-27 JP JP2008275501A patent/JP2010100977A/ja active Pending
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