JP2010100926A - 溶融還元方法 - Google Patents

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【課題】 炉内溶湯への着熱量、つまり鉱石の添加量を低下させることなく、ダスト発生量及び二酸化炭素発生量を少なくすることのできる溶融還元方法を提供する。
【解決手段】 鉄浴型溶融還元炉2に設置された酸化性ガス14を供給する上吹きランス3とは別に、粉粒状の鉱石15を前記炉内に装入する鉱石投入ランス4を設置し、該鉱石装入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、前記鉱石を前記バーナーにより形成される火炎16の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を前記炉内に装入する溶融還元方法であって、加熱された鉱石による炉内溶湯の温度上昇を打ち消すように、上吹きランスから吹き込む酸化性ガスの供給量を減少する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転炉などの鉄浴型溶融還元炉にて金属酸化物や酸化物系鉱石の粉体または粒体を還元して金属溶湯を得る溶融還元方法に関するものである。
高価な合金鉄の代わりに安価な鉱石(例えばクロム鉱石)を、炭材(例えばコークスなど)とともに転炉などの鉄浴型溶融還元炉に装入して、鉱石を炉内で溶融還元することによって有価金属(例えばクロムなど)を含有する溶湯を溶製する技術は、溶融還元法と呼ばれている。溶融還元法では粒径の小さい粉粒状の鉱石が使用されるが、その鉱石中の有価金属を溶湯として回収するためには、金属酸化物や酸化物系鉱石の還元反応は吸熱反応であることから大規模な還元反応を生起させるための大量の熱エネルギーを必要とする。
この溶融還元法における熱源としては、従来、炉内に酸素ガス(O2)を供給することによって炉内に装入された炭材を燃焼(所謂「一次燃焼」)させて得られる熱エネルギーと、この一次燃焼によって発生する一酸化炭素(CO)を更に燃焼(所謂「二次燃焼」)させて二酸化炭素(CO2)を生成することによって得られる熱エネルギーと、が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。有価金属を含有する溶湯の溶製コストを削減するべく安価原料である鉱石の装入量を増加すると、大量の熱エネルギーが消費されるので、一次燃焼及び二次燃焼を促進させる必要がある。一次燃焼及び二次燃焼を促進させるためには、炉内に供給する酸素ガス量及び炭材を増加させることが効果的である。
一方、一次燃焼及び二次燃焼以外の熱源を溶融還元法において利用する方法も提案されている。例えば、特許文献2には、酸化性ガスを供給する上吹きランスとは別に、粉粒状の鉱石を炉内に装入する鉱石投入ランスを設置し、該鉱石投入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、該バーナーにより火炎を発生させ、前記鉱石をこの火炎の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を添加することにより炉内の溶湯への着熱量を増加させ、それにより鉱石の装入量を増加させる技術が提案されている。
特開昭62−280314号公報 特開2007−138207号公報
溶融還元法において大量の鉱石を使用するには、大規模な還元反応のための大量の熱エネルギーが必要であることは既に説明したが、この点に関して上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、一次燃焼を促進して発熱量を増加するためには、炭材及び酸素ガスの供給量を増加することが有効である。ところが酸素ガスは酸化性ガスとして大部分が上吹きランスから炉内に供給されるので、酸素ガスの供給量を増加する、つまり上吹きする酸化性ガスの供給量を増加すると、ダストの発生量が増加する。ダストは上吹きランスから供給された酸化性ガスが溶湯と衝突する際の衝突エネルギーによって発生するからである。このダストには粉粒状の鉱石が含まれており、従って、ダストの発生量増加は、炉内に装入された鉱石が炉外に放出されること、即ち、有価金属の歩留り低下を意味する。
従って、酸素ガスの供給量を増加すると、鉱石から回収される有価金属の歩留りが低下し、しかも環境汚染の防止やダストの処理に多大な費用を要する。また、酸素ガスの供給量を増加するためには、酸化性ガスの流速を増速しなければならないので、二次燃焼熱の溶湯への着熱効率が低下し、熱エネルギーの大幅な増加は期待できない。また、一酸化炭素や二酸化炭素の発生量が増加することにより炉内の上昇気流の風量が増大するので、粉粒状の鉱石を炉内に装入することが困難となる。
また、炭材の供給量を増加させるということは、二酸化炭素発生量の増加を意味し、地球環境的には好ましくない。
二次燃焼を促進するための方法としては、上吹きランスの先端位置と溶湯湯面との距離(以下、「ランス高さ」という)を拡大させる、或いは上吹きランスの先端部から噴射される酸化性ガスの流速を低下させるなどの方法がある。しかし、二次燃焼の燃料となる一酸化炭素は比較的燃焼しにくいので、これらの方法を採用しても、二次燃焼の大幅な促進は期待できない。
一方、特許文献2の方法は、バーナーの火炎で加熱した鉱石を溶湯に供給しており、確かに溶湯の着熱効率は向上し、溶湯の熱エネルギーを高める方法としては優れるが、特許文献2の提案した方法では、上吹きランスからの酸化性ガスの供給量及び炉内への炭材装入量は変えていないので、ダストの発生量及び二酸化炭素の発生量はほとんど変らない。従って、ダスト発生に起因する、有価金属の歩留り低下などの問題は依然として解消されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、炉内溶湯への着熱量、つまり鉱石の添加量を低下させることなく、ダスト発生量及び二酸化炭素発生量を少なくすることのできる溶融還元方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、小型試験転炉を用いて種々の観点から溶融還元法の研究を重ねた。
その結果、上吹きランスとは別に、バーナー機能を有する鉱石投入ランスを設置し、バーナーの火炎で鉱石を加熱して投入することで、炉内の総発熱量や溶湯への着熱効率が変化することを見出した。つまり、バーナー火炎の中を通過するように鉱石を投入することで、バーナー用燃料の発熱量が効率的に鉱石に伝達され、そして、加熱された鉱石が溶湯へ添加されることで、バーナーの燃焼熱が効率的に溶湯に着熱し、これにより、熱源として使用する炭材の使用量を削減することができ、二酸化炭素の発生量を削減することができるとの知見を得た。また、バーナーの燃焼熱が効率的に溶湯に着熱することにより、炭材燃焼用の酸化性ガスが自ずと削減され、つまり上吹きする酸化性ガスを削減することができ、ダスト発生量を従来に比較して削減することができるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る溶融還元方法は、鉄浴型溶融還元炉に設置された酸化性ガスを供給する上吹きランスとは別に、粉粒状の鉱石を前記炉内に装入する鉱石投入ランスを設置し、該鉱石装入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、前記鉱石を前記バーナーにより形成される火炎の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を前記炉内に装入する溶融還元方法であって、加熱された鉱石による炉内溶湯の温度上昇を打ち消すように、上吹きランスから吹き込む酸化性ガスの供給量を減少することを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶融還元方法は、鉄浴型溶融還元炉に設置された酸化性ガスを供給する上吹きランスとは別に、粉粒状の鉱石を前記炉内に装入する鉱石投入ランスを設置し、該鉱石装入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、前記鉱石を前記バーナーにより形成される火炎の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を前記炉内に装入する溶融還元方法であって、加熱された鉱石による炉内溶湯の温度上昇分に相当する量の炭材の前記炉内への添加量を削減するとともに、上吹きランスから吹き込む酸化性ガスの供給量を、削減した炭材の燃焼用酸素ガスに相当する量の酸化性ガス分だけ減少することを特徴とするものである。
第3の発明に係る溶融還元方法は、第1または第2の発明において、前記燃料として、プロパンガスやコークス炉ガスなどの気体燃料、重油などの液体燃料及びプラスチックなどの固体燃料のうちの1種または2種以上を使用することを特徴とするものである。
第4の発明に係る溶融還元方法は、第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、前記粉粒状の鉱石がクロム鉱石であることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融還元法において、炉内に装入される鉱石に燃料の燃焼熱を効率良く伝達することにより、耐火物の溶損を助長することなく、溶湯への着熱効率を向上することができるので、従来に比較して熱源として使用する炭材の使用量を削減することができ、それに伴って上吹きする酸化性ガスの供給量を削減することが可能となり、二酸化炭素の発生量並びにダストの発生量を低減することが達成される。
本発明に係る溶融還元方法を行うための鉄浴型溶融還元炉設備の概略図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
鉱石を炭材とともに鉄浴型溶融還元炉に装入し、炭材の一次燃焼熱及び二次燃焼熱により鉱石を加熱・溶融するとともに、炭材で溶融した鉱石を還元する溶融還元法において、所定量の鉱石を還元するには、その還元反応に相当する分の熱エネルギーを溶湯に着熱させる必要がある。一次燃焼を高めることは、熱エネルギーを溶湯に着熱させるための有効な手段であるが、一次燃焼を高い状態で維持すると、上吹きする酸化性ガス供給量を減少させることはできず、従って、ダスト発生量は減少せず、本発明の目的を達成することはできない。本発明の目的達成のためには、逆に、従来よりも一次燃焼を減少させること、つまり上吹きの酸化性ガス供給量を削減することが必要となる。
また、二次燃焼の促進は本発明の目的達成のためには有効な手段であるが、二次燃焼は炉内の上部空間で生じるので、溶湯の内部や溶湯の表面近傍で生じる一次燃焼熱と比べて、溶湯への着熱効率(=着熱量/総発熱量)が低いという問題がある。但し、二次燃焼が促進されると、炉内の総発熱量が増加するので、溶融還元法における鉱石の装入量を一定量に維持するために二次燃焼は不可欠である。
しかしながら、二次燃焼が促進されてその発熱量が増加すると、溶湯への着熱効率が低いので、耐火物に吸収される熱量が増大し、耐火物の溶損が助長される。また、二次燃焼を促進するためには、ランス高さを上昇させる、或いは上吹きランスから噴射される酸化性ガスの流速を低下させるなどの方法があるが、いずれも十分な効果は得られないという状況は既に説明した通りである。つまり、二次燃焼の促進は本発明の目的達成のためには有効な手段であるが、二次燃焼を促進するだけでは本発明の目的を達成することはできない。
そこで本発明者らは、炉内の総発熱量を増加するとともに溶湯への着熱効率を高める技術について詳細に検討した。その結果、特許文献2に開示された、バーナーの火炎で鉱石を加熱する技術が効果的であるとの確認ができたので、図1に示す装置を用いて実験を行った。
尚、図1は、本発明の溶融還元方法を行うための溶融還元炉設備の概略図であり、図1において、符号1は鉄浴型溶融還元炉設備、2は鉄浴型溶融還元炉設備の炉本体、3は上吹きランス、4は鉱石投入ランス、5は鉄皮、6は耐火物、7は底吹き羽口、8は酸化性ガス供給管、9は鉱石搬送用管、10は燃料供給管、11は酸素ガス供給管、12は溶湯、13はスラグ、14は酸化性ガス、15は鉱石、16は火炎であり、上吹きランス3は、炉本体2の軸心上に設置されており、また、炉本体2の軸心から離れた位置に設置した鉱石投入ランス4の先端部には、搬送用ガスとともに鉱石15を炉内に吹き込むための流通孔(図示せず)が設けられ、且つ、燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔(図示せず)からなるバーナーが設けられている。即ち、鉱石投入ランス4の先端部のバーナーから吹き込まれる燃料及び酸素ガスによって形成される火炎16の中を、鉱石15が搬送用ガスとともに通過して炉内に装入されるように構成されている。
図1に示す装置を用いて実験を行った結果、鉱石15への着熱効率が高められて、溶湯12への着熱量が向上した。その結果、鉱石15の装入量を増加すること、或いは、熱源である炭材の使用量を削減することなどが可能であることが分かった。炭材を削減する場合には、炭材の使用量削減に伴って、上吹きランス3からの酸化性ガスの供給量を削減できることが分かった。炭材の使用量を削減することにより、二酸化炭素の発生量が削減され、また、上吹きランス3からの酸化性ガスの供給量を削減することにより、ダスト発生量は削減される。
この場合に、鉱石15の添加量を増加することなく所定の一定値に維持したときには、加熱された鉱石15による炉内溶湯12の温度上昇を打ち消すように、バーナー加熱による溶湯12への着熱分に相当する分の炭材の添加量を削減すること、及び、削減した炭材の燃焼用酸化性ガスに相当する分の酸化性ガスを削減することが可能となり、且つ、この炭材の燃焼用酸素ガスに相当する分の、上吹きランス3からの酸化性ガス14の供給量を削減することで、ダスト発生量をより一層低減できることが分かった。
本発明は、これらの試験結果に基づきなされたものである。つまり、加熱された鉱石15による炉内溶湯12の温度上昇を打ち消すように、上吹きランス3から吹き込む酸化性ガスの供給量を減少することを特徴とするか、または、加熱された鉱石15による炉内溶湯12の温度上昇分に相当する量の炭材の炉内への添加量を削減するとともに、上吹きランス3から吹き込む酸化性ガスの供給量を、削減した炭材の燃焼用酸素ガスに相当する量の酸化性ガス分だけ減少することを特徴とする。
本発明によれば、炉内に装入される鉱石15に燃料の燃焼熱を効率良く伝達することによって、耐火物6の溶損を助長することなく、溶湯12への着熱効率を向上することができるので、従来に比較して熱源として使用する炭材の使用量を削減することができ、それに伴って上吹きする酸化性ガスの供給量が削減され、二酸化炭素の発生量及びダストの発生量を低減することが可能となる。
特に、鉱石15の供給量を増加することなく一定値に維持したときには、バーナー加熱による溶湯12への着熱分に相当する分の炭材の添加量を削減することができ、その結果、上吹きランス3から供給する酸化性ガス14の供給量を大幅に減少することが可能となり、二酸化炭素の発生量並びにダストの発生量を大幅に削減することが実現される。換言すれば、鉱石15の使用量を一定にしたまま、炉内に供給する炭材及び酸化性ガスを減少させることができ、それにより二酸化炭素の発生量及びダストの発生量を大幅に低減することが可能となる。ダスト発生量の低減に伴って有価金属の歩留りも向上する。
図1に示す鉄浴型溶融還元炉設備(炉本体容量5トン)の炉本体に溶湯(即ち溶銑)4トンを収容して、下記の手順でクロム鉱石の溶融還元を行った。この場合、図1に示す鉄浴型溶融還元炉設備において、上吹きランスを炉本体の軸心上に設置し、更に、鉱石装入ランスを個別に設置し、鉱石装入ランスの先端部には、鉱石が炉内に装入される流通孔を設けるとともに、燃料と酸素ガスとを炉内に吹き込むバーナーを設けた。
即ち、上吹きランスから供給する酸化性ガスの流量を酸素ガス量に換算して15Nm3/分、底吹き羽口から供給する酸化性ガスの流量を酸素ガス量に換算して5Nm3/分として吹錬を開始した。その後、炭材としてコークスを適宜添加しながら、溶湯を1600℃まで昇温して、鉱石装入ランスから粉粒状のクロム鉱石の装入を開始するとともに、鉱石装入ランスの先端部に設けたバーナーから燃料(即ちコークス炉ガス)と酸素ガスとを炉内に吹き込んで溶融還元を行った。
このようにして溶融還元を行いながら溶湯の温度を測定し、溶融還元に好適な1600℃を維持するように、コークス投入速度及び上吹き酸化性ガス供給流量を調整した。所定の時間(=60分)が経過した後、鉱石、燃料及び酸素ガスの供給を停止して、鉱石装入ランスを上昇させた。その後、上吹きランス及び底吹き羽口から供給される酸化性ガスのみで吹錬を3分間継続して溶融還元を終了した。これを本発明例1とする。
一方、比較例として、クロム鉱石を加熱せずに炉内に添加して溶融還元を行った。このとき、クロム鉱石の添加量を本発明例1と同量とするためには、炉内の溶湯への着熱量を同一にする、即ち、炉内溶湯の温度を本発明例1と同一に保持する必要があり、そのために、コークス投入量及び酸化性ガスの供給流量を調整した。バーナーを使用していないことから、結果として、コークス投入量及び酸化性ガスの供給流量は本発明例1と比較して増加した。
更に、本発明例2として、本発明例1と同一条件でバーナーによりクロム鉱石を加熱し、且つ、炉内に投入するコークスの発熱量と鉱石装入ランスのバーナーに供給する(気体/液体)燃料の発熱量の総和が比較例1の場合の発熱量と同一になるように調整してコークス及び燃料を供給し、鉱石装入ランスによりクロム鉱石を加熱して添加した。そして、処理中に溶湯温度を測定し、溶湯の温度が1600℃を維持するように、クロム鉱石の投入速度を調整した。
また更に、本発明例3として、鉱石装入ランスの先端部に設けたバーナーに供給する燃料及び酸素ガスを本発明例1の条件よりも増加させ、クロム鉱石をバーナーにより加熱して添加した。そして、処理中に溶湯温度を測定し、溶湯の温度が1600℃を維持するように、コークス投入速度及び上吹き酸化性ガス供給流量を調整した。
表1に、本発明例1、比較例、本発明例2及び本発明例3における、総発熱量、溶湯への着熱効率、クロム鉱石の総装入量、炭材使用量、上吹き酸化性ガスの供給流量、クロム鉱石歩留まり、ダスト発生量及び二酸化炭素発生量を示す。尚、表1では、比較例のデータを100とする指数を用いて示している。
Figure 2010100926
表1から明らかなように、本発明例1では、比較例に比べて炭材使用量及び酸化性ガス供給流量が低位となり、その結果、ダスト発生量及び二酸化炭素発生量が低減した。
本発明例2では、供給熱量を比較例と同一としたが、本発明例1及び比較例よりも溶湯の着熱量が増加した。これは、炉内に投入したコークスの発熱量と鉱石装入ランスのバーナーに供給する燃料の発熱量の総和が比較例1の場合と同一であっても、クロム鉱石がバーナーによって加熱・添加されるので、溶湯の着熱量が向上するためである。その結果、クロム鉱石の添加量は増加し、なお且つ、炭材使用量が減少することから、比較例よりもダスト発生量及び二酸化炭素発生量は低下した。
本発明例3では、本発明例1よりも更に炭材使用量及び酸化性ガス供給流量を減少することができ、ダスト発生量及び二酸化炭素発生量も低位であった。
このように、本発明によれば、炉内の溶湯への着熱量を一定とし且つクロム鉱石の使用量を一定に保ったままで、炭材使用料及び上吹き酸化性ガス供給流量を減じることができ、クロム鉱石の歩留り向上とダスト発生量の低減が可能となる。
1 鉄浴型溶融還元炉設備
2 炉本体
3 上吹きランス
4 鉱石投入ランス
5 鉄皮
6 耐火物
7 底吹き羽口
8 酸化性ガス供給管
9 鉱石搬送用管
10 燃料供給管
11 酸素ガス供給管
12 溶湯
13 スラグ
14 酸化性ガス
15 鉱石
16 火炎

Claims (4)

  1. 鉄浴型溶融還元炉に設置された酸化性ガスを供給する上吹きランスとは別に、粉粒状の鉱石を前記炉内に装入する鉱石投入ランスを設置し、該鉱石装入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、前記鉱石を前記バーナーにより形成される火炎の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を前記炉内に装入する溶融還元方法であって、加熱された鉱石による炉内溶湯の温度上昇を打ち消すように、上吹きランスから吹き込む酸化性ガスの供給量を減少することを特徴とする溶融還元方法。
  2. 鉄浴型溶融還元炉に設置された酸化性ガスを供給する上吹きランスとは別に、粉粒状の鉱石を前記炉内に装入する鉱石投入ランスを設置し、該鉱石装入ランスの先端部に鉱石の流通孔を設けるとともに燃料及び酸素ガスを吹き込む噴射孔からなるバーナーを設け、前記鉱石を前記バーナーにより形成される火炎の中を通過させて加熱し、加熱した鉱石を前記炉内に装入する溶融還元方法であって、加熱された鉱石による炉内溶湯の温度上昇分に相当する量の炭材の前記炉内への添加量を削減するとともに、上吹きランスから吹き込む酸化性ガスの供給量を、削減した炭材の燃焼用酸素ガスに相当する量の酸化性ガス分だけ減少することを特徴とする溶融還元方法。
  3. 前記燃料として、プロパンガスやコークス炉ガスなどの気体燃料、重油などの液体燃料及びプラスチックなどの固体燃料のうちの1種または2種以上を使用することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の溶融還元方法。
  4. 前記粉粒状の鉱石がクロム鉱石であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の溶融還元方法。
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