JP2010100676A - 複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】複層ガラス用シーリング材としては、高いガスバリア性を有し、架橋可能であり、かつホットメルトで施工できるような材料が求められていた。本発明は、ガスバリア性および高温条件下における剛性に優れる複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
【解決手段】ポリマー主鎖の末端にエポキシ基を有するポリシロキサン構造を有するイソブチレン系重合体(A)と、エポキシ樹脂用硬化剤(B)を含有することを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガスバリア性および高温条件下における剛性に優れる複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
建築物や乗り物の断熱性を高める目的で、複層ガラスが欧米を中心に普及している。複層ガラスとは、2枚のガラスの間に気体層を設けたガラスであり、ガラスの間に気体層を設けることで断熱性を向上させている。また、結露防止などの効果もある。一般的な複層ガラスの構造は、ガラス板の周辺部に、ガラス板間に気体層の間隔を設けるスペーサーとシール材からなる。スペーサーとしては、従来アルミニウムなどの金属製が主流であったが(特許文献1)、近年、金属よりも熱伝導の小さい樹脂製のスペーサーも登場している(特許文献2)。
現在、複層ガラスに使用される一般的な樹脂製スペーサーは、ホットメルトブチルなどの熱可塑性樹脂からなる。ホットメルトブチルは、その高いガスバリア性から、湿気が外部から流入するのを妨げたり、封入された気体が外部に流出するのを妨げたりする役割がある。しかし、ホットメルトブチルは高温条件下で実用的な強度が不足する傾向にあり、ガラスの間隔が保てなくなるなどシーリング材やスペーサーとして機能を果たせない問題があった。
高温条件下で機械的な材料物性を改善するために、ポリマーに架橋構造を導入することが考えられる。一方、ホットメルトブチルのような高いガスバリア性を有し、かつ架橋可能なポリマー材料として、末端にアルコキシシリル基(特許文献3)を有するポリイソブチレンが挙げることができる。しかし、アルコキシシリル基は架橋反応においてスズ触媒を使用する点や縮合反応で生成するアルコールがホットメルトの条件で揮発する点などにより、その使用には限界があった。
よって、高いガスバリア性を有し、架橋可能であり、かつホットメルトで施工できるような材料が求められていた。
特開昭59−45149 特開平7−17748 特開平11−310771
本発明は、ガスバリア性および高温条件下における剛性に優れる複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
ポリマー主鎖の末端に一般式(1)あるいは(2)で表される構造を有するイソブチレン系重合体(A)と、エポキシ樹脂用硬化剤(B)を含有することを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
Figure 2010100676
(式中、R1はエポキシ基を含有する1価の有機基、R2は炭素数1〜10の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい、R3、R4はメチル基もしくはR1あるいはR2と同一のものであるか、いずれかがイソブチレン系重合体への結合部である。ここでlは平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表すが、R3、R4いずれかがイソブチレン系重合体末端への結合部の場合、l=0である。1≦m+n≦10、1≦m、0≦nであり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
Figure 2010100676
(式中、R1とR2は一般式(1)と同一である。ここでl´は平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表す。1≦m´+n´≦5、1≦m´、0≦n´であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
前記R1が一般式(3)で表されるイソブチレン系重合体(A)を含む複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
Figure 2010100676
前記イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
前記イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量分布の分散度が1.0〜2.0であることを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
前記エポキシ樹脂用硬化剤(B)が、潜在性硬化剤であることを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
前記潜在性硬化剤が、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、およびジシアンジアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
前記複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物が、更に、充填材(C)を含むことを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
前記複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物が、更に、エポキシ基含有化合物(F)を含むことを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物に関する。
本発明に係る樹脂組成物は、高温条件下においても高い弾性および機械的強度を有し、ガスバリア性に優れる。従って、複層ガラス用ホットメルトシーリング材や複層ガラス用ホットメルトスペーサーとして好適に用いることができる。
本発明は、ポリマー主鎖の末端に一般式(1)あるいは(2)で表される構造を有するイソブチレン系重合体(A)と、エポキシ樹脂用硬化剤(B)を含有することを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物である。
Figure 2010100676
(式中、R1はエポキシ基を含有する1価の有機基、R2は炭素数1〜10の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい、R3、R4はメチル基もしくはR1あるいはR2と同一のものであるか、いずれかがイソブチレン系重合体への結合部である。ここでlは平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表すが、R3、R4いずれかがイソブチレン系重合体末端への結合部の場合、l=0である。1≦m+n≦10、1≦m、0≦nであり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
Figure 2010100676
(式中、R1とR2は一般式(1)と同一である。ここでl´は平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表す。1≦m´+n´≦5、1≦m´、0≦n´であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
本発明は、上記R1が一般式(3)で表されるイソブチレン系重合体(A)を使用するのが特に好ましい。
Figure 2010100676
ポリマーの主鎖を構成するイソブチレン系重合体は、イソブチレンを主成分とする重合体を意味する。成分全体に占めるイソブチレンの重量比率は、イソブチレンを主成分とする限りにおいて特に限定されないが、ガスバリア性を保持する観点からは、重合体中にイソブチレンを構成単量体として50重量部以上有するのが好ましく、より好ましくは70重量部以上有するのがよい。
イソブチレン系重合体の重合方法は、特に制限はないが、Kennedyらにより報告されている(J. Polym. Sci., Part A; Polym. Chem. 29, 427-435(1991))リビングカチオン重合による方法が好ましく使用できる。
イソブチレン系重合体に含有されるイソブチレン以外の単量体としては、カチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されず、例えば、芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。イソブチレン以外の単量体成分の種類および量を適宜選択することにより、耐熱性等の組成物の物性を調整することが可能である。
芳香族ビニル類としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
脂肪族オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は、特に制限はないが、ガラスに対する接着性や配合物の強度の観点から、5000〜50000が好ましく、特に10000〜30000が好ましい。
数平均分子量が5000以下で低い場合、シーリング材組成物のホットメルト塗布時の強度が不足し、数平均分子量が50000以上で高い場合、官能基濃度が低くなることから接着性の面で好ましくない。
イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量分布の分散度は、シーリング材組成物の強度の点から小さいほうが好ましく、その値は1.0〜2.0が好ましい。分散度の値が2.0以上となると、強度が低下するなど好ましくない。ここでいう分散度は、数平均分子量と重量平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)のことをいう。
エポキシ樹脂硬化剤(B)は、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、触媒型硬化剤(アニオン重合型、カチオン重合型)等の顕在型硬化剤、分散型硬化剤、熱分解型硬化剤、光分解型硬化剤、湿気硬化型硬化剤、モレキュラーシーブ封入型硬化剤、マイクロカプセル化硬化剤等の潜在型硬化剤など一般に使用されるエポキシ樹脂硬化剤を用いることができる。また、硬化促進剤との併用も可能である。
アミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEPA)等の脂肪族アミン類、メンセンジアミン(MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)、N−アミノエチルピペラジン(N−AEP)等の脂環族アミン類、m−キシレンジアミン(m−XDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(m−PDA)等の芳香族アミン類、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン等の変性ポリアミン類が例示される。
酸無水物系硬化剤としては、ドデセニル無水コハク酸(DDSA)、ポリアジピン酸無水物(PADA)、ポリアゼライン酸無水物(PAPA)等の脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(Me−THPA)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)等の脂環式酸無水物類、無水フタル酸(PA)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)等の芳香族酸無水物類が例示される。
フェノール系硬化剤としては、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が例示される。
触媒型硬化剤としては、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)、2−メチルイミダゾール(2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等の熱硬化アニオン重合型硬化剤、BF3モノエチルアミン、BF3ピペラジン等の熱硬化カチオン重合型硬化剤、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等の紫外線硬化型硬化剤が例示される。
分散型硬化剤としては、BF3錯体類、イミダゾール誘導体類、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等の有機酸ヒドラジド類、ジシアンジアミドおよびその誘導体、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、メラミンおよびその誘導体、ポリアミド類等が挙げられる。
熱分解型硬化剤としては、アミンイミドが挙げられる。
光分解型硬化剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩等が挙げられる。
湿気硬化型硬化剤としては、ケチミン化合物が挙げられる。
また、硬化剤の種類により硬化促進剤を用いてもよい。エポキシ樹脂用硬化剤(B)がアミン類の場合、硬化促進剤として、クレゾール、石炭酸、イソプロピルフェノール等のフェノール類、サリチル類、p−トルエンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸等の有機酸を使用してもよい。エポキシ樹脂硬化剤(B)が酸無水物の場合、硬化促進剤として、ベンジルジメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類を使用してもよい。
これらのエポキシ樹脂用硬化剤(B)の中では、ホットメルト施工条件での反応性の観点から、潜在性硬化剤が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせてもよい。また、これらの硬化剤は、使用目的、接着基材、使用温度、混合/混練温度等によって適宜選択でき、これらの条件に適したものを使用することが好ましい。
潜在性硬化剤としては、分散型硬化剤、熱分解型硬化剤、光分解型硬化剤、湿気硬化型硬化剤、モレキュラーシーブ封入型硬化剤、マイクロカプセル化硬化剤等が挙げられる。そのうち、特に、硬化反応を制御し、ホットメルト塗布性が好ましい点で、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、およびジシアンジアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に分散型硬化剤のジシアンジアミドが好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤(B)の添加量としては、エポキシ基含有化合物(B)100重量部に対し、0.1〜20重量部の範囲で使用するのが好ましい。0.1重量部より量が少ないと、硬化性が悪化する場合があり、20重量部より量が多いと、シーリング材組成物としての強度が不足することがある。
充填材(C)は、本発明の樹脂組成物の剛性を向上させる効果があり、また、使用温度域での形状維持性が向上させ、またホットメルト時の垂れを抑制する効果を有する。無機充填材(C)としては、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、熔融シリカ、結晶シリカ、珪藻土、クレー、タルク、雲母、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。これらのうちで、少量で剛性を向上させる効果を有するカーボンブラックが特に好ましい。
充填材(C)の配合量は、特に制限はないが、イソブチレン系重合体(A)100重量部に対し、1〜300重量部とするのが好ましく、より好ましくは50〜150重量部である。
充填材(C)の配合量が少ないと、ホットメルト塗布時の強度が不足する場合があり、充填材(C)の配合量が300部より多いとシーリング材組成物としてのガスバリア性を損なう場合がある。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、更に吸湿性化合物(D)を含有していてもよい。吸湿性化合物(D)としては、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ等が例示され、これらのいずれも使用することができる。これらは2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような吸湿性化合物は、本発明に係る樹脂組成物の水蒸気透過率を減少させ、複層ガラスのガラス板に挟まれた空隙部が湿気によって曇ることを防ぐことができる。このような目的を効果的に達成するためには、吸湿性化合物(D)の配合量はイソブチレン系重合体(A)100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、更に(A)とは別のイソブチレン系重合体(E)を含有していてもよい。イソブチレン系重合体(E)の数平均分子量は、特に制限はないが、粘着性と配合物の強度の観点から、1000〜300000が好ましく、特に10000〜200000が好ましい。数平均分子量が1000より小さいと、スペーサーとして形状を保持しにくくなり、逆に300000を超えると、ホットメルト塗布が困難になる場合がある。
上記、(A)以外のイソブチレン系重合体(E)としては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、イソブチレン系ブロック共重合体が挙げられる。これらのうちで、ガスバリア性の観点から、ポリイソブチレン、ブチルゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体、イソブチレン系ブロック共重合体が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
ポリイソブチレンとしては、通常市販されている多くの商品がこれに相当し、具体的にはEXXON製ビスタネックス(LM−MS、MH、HまたはMML−80,100,120,140等)、新日本石油製テトラックス(3T、4T、5T、6T等)ポリブテン(HV)ハイモール(4H、5H、6Hなど)、およびBASF製オパノール(B10、B12、B15、B50、B80、B100、B120、B150、B220等)などが例示できる。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、更にエポキシ基含有化合物(F)を含有していてもよい。
エポキシ基含有化合物(F)は、分子中にエポキシ基を少なくとも1つ以上含有する化合物であり、分子量等に限定されない。エポキシ基含有化合物(F)としては、例えば、日刊工業新聞社発行のエポキシ樹脂ハンドブックに記載のエポキシ樹脂や、エポキシ基を含有したポリマーが使用できる。
エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添型ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ノボラック型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、テトラフェニロールエタン型等のエポキシ樹脂等を例示することができる。
前記水添とは、ベンゼン環部分をシクロへキシル環に水素還元したものをいう。
これらのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を具体的に例示すると、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシクロペンタン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン、1,1′−ビナフトール、1,1′−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等の二価フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物又はテトラブロムビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるエポキシ化合物等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデセンオキシド基、シクロペンテンオキシド基等を有する化合物が代表的であり、具体的には、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロへキシル5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとフタル酸誘導体や脂肪酸等のカルボン酸との縮合によって得られるもの等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンとアミン類の反応によって得られるもの等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリンと、シアヌル酸類やヒダントイン環化合物との反応によって得られるもの等が挙げられる。
エポキシ基を含有したポリマーとしては、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリシロキサン等のエポキシ樹脂類、ポリマー中の不飽和結合を酸化してエポキシ化された重合体類や、構成単量体としてグリシジル(メタ)アクリレート成分を構成単位として含有する重合体類等が挙げられる。
エポキシ化された重合体類としては、エポキシ化天然ゴム、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ化スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体等のエポキシ化スチレン系ブロック共重合体等が挙げられる。
グリシジル(メタ)アクリレート成分を構成単位として含有する重合体類としては、重合体中にグリシジル(メタ)アクリレートを構成単量体として含有しているものであれば、特に制限はなく、少なくとも1重量部以上含有するものが好ましい。この重合体中のグリシジル(メタ)アクリレート以外の構成単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレートと共重合可能な単量体成分であれば特に限定されず、例えば、スチレン等の芳香族ビニル類、エチレン、プロピレン等の脂肪族オレフィン類、ジエン類、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのグリシジル(メタ)アクリレート成分を構成単位として含有する重合体を具体的に例示すると、エチレン-グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−酢酸ビニル共重合体、スチレン−エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
これらのエポキシ基含有化合物(F)の中では、入手性やガラスとの接着性の点から、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化スチレン系ブロック共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート成分を含有する重合体が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせてもよい。
エポキシ基含有化合物(F)の添加量としては、(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部より少ないとガラスとの接着性が十分に得られないことがあり、100重量部を超えると組成物のガスバリア性が低下することがある。ガラスとの接着性とガスバリア性の両立という観点から、5〜50重量部の範囲とすることがより好ましい。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、耐熱変形性の改善や高い機械強度の付与を目的として、イソブチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂(G)を添加することもできる。熱可塑性樹脂(G)としては、特に限定されないが、例えば、プラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類よりなる群から選択される少なくとも1種が使用できる。
プラスチック類としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリスチレン、ABS、MBS、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。このうち、より低温で流動し、かつ、ガスバリア性の高いポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。ポリエチレン−αオレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が例示される。
ゴム類としては、例えば、ポリエーテル、ポリブタジエン、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー類としては、例えば、ポリスチレンブロックとポリブタジエンやポリイソプレンブロック等からなるブロック共重合体であるスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン等のポリオレフィン成分とエチレン−プロピレンゴム等のゴム成分からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー、結晶性及び非結晶性ポリ塩化ビニルからなる塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタンブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステルブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるポリエステル系熱可塑性エラストマー、及び、ポリアミドブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、ホットメルト加工性の点でスチレン系熱可塑性エラストマー及びウレタン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。これらは、単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)からなるジブロック共重合体、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、および(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)からなるジブロック共重合体が、工業的に入手しやすく好ましい。これらは2種以上組み合わせて使用してもよい。
共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロックとしては、例えば、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、ブタジエンとイソプレンの組み合わせからなるブロックなどが挙げられる。水添共役ジエンを構成単位とする重合体ブロックとしては、部分的に水添された共役ジエンの重合体ブロック、全部が水添された共役ジエンの重合体ブロック(例えば、エチレン−ブチレン共重合体ブロック、エチレン−プロピレン共重合体ブロック)などが挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなるものを挙げることができ、コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物であるものが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂(G)はプラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類の分類に関わらず、少なくとも1種が使用でき、その配合量は特に限定されないが、イソブチレン系重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部が好ましい。
また、本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、物性を損なわない範囲で、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤、シランカップリング剤等を適宜配合することができる。公知のブロッキング防止剤、帯電防止剤、着色剤、無機ないし有機抗菌剤、滑剤なども配合することができる。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。このときに、必要に応じて加熱してもよい。また、均一溶液とし、溶剤を留去する方法も用いることができる。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、さらに必要に応じ、熱可塑性樹脂組成物に対して一般に採用される成形方法及び成形装置を用いて成形でき、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形等によって成形することできる。
本発明に係る複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物は、優れたガスバリア性および高温条件下における剛性に優れ、ホットメルト施工性も良好であることから、複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物として有用である。
また、本発明のホットメルト型シーリング組成物は、スペーサーとしても十分な強度を示すことから金属スペーサーに変わる樹脂スペーサーとしても使用できる。その樹脂スペーサーは、2次シール材がなくとも、それ自身のみで使用することも可能である。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
(合成例1)
(エポキシ基含有環状ヒドロシランの合成)
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100g(0.42mol)とトルエン400gを1000ml三口フラスコに計量し、90℃に昇温した。続いて、アリルグリシジルエーテル142.5g(1.25mol)および白金1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のトルエン溶液)0.27gの混合物をゆっくり2時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌した。反応の進行をH−NMRにて追跡し、反応終了後、エポキシ基含有環状ヒドロシラン642gが得られた。
(合成例2)
(アリル末端ポリイソブチレンの合成)
2Lの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内に、トルエンとエチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスにより乾燥)1012ml、1,4−ビス(α‐クロロイソプロピル)ベンゼンを加えた。次にイソブチレンモノマーが入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エキネンバス中につけて冷却したあと、真空ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを空け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入することにより、容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリジン0.387g(4.15mmol)を加えた。次に、四塩化チタン4.90ml(44.7mmol)を加えて重合を開始した。反応時間70分後に、アリルトリメチルシラン9.65g(13.4mmol)を加えてポリマー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間120分後に、反応溶液を水200mlで3回洗浄した後、減圧乾燥により溶剤を除去することによりアリル末端ポリイソブチレンを得た。
こうして得られたポリマーの収量より収率を算出するとともに、MnおよびMw/MnをGPC法により、また末端構造をH−NMR分析により、各構造に帰属するプロトンの共鳴信号の強度を測定、比較することにより求めた。H−NMRは、四塩化炭素/重アセトン中で測定した。
なお、GPC測定装置は、WATERS社製を使用し、カラムはShodex−K802.5およびK804を用いた。また分子量は、ポリスチレンスタンダードに対する相対分子量で与えられる。ポリマーの分析値は、Mn=15000、Mw/Mn=1.2、Fn(v)=1.9であった。
(合成例3)
(エポキシ基含有イソブチレン系重合体の合成)
合成例2のアリル末端ポリイソブチレン1000g(0.067mol)とトルエン2000gを攪拌機の付いたフラスコに仕込み、溶解させた後、合成例1のエポキシ基含有環状ヒドロシランのトルエン溶液204g(0.133mol)を投入した。さらに、白金1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のトルエン溶液)0.43gを加え、50℃で5時間反応させた。反応の進行をH−NMRにて追跡し、反応終了後、エポキシ基含有イソブチレン系重合体が得られた。ポリマーの分析値は、Mn=23000、Mw/Mn=1.6、Fn(EP)=6であった。Fn(EP)は、一分子中のエポキシ基の数。
(実施例1、2、比較例1)
[溶融混練]
表1の配合表に従い、エポキシ基含有イソブチレン系重合体(A)、エポキシ樹脂用硬化剤(B)、充填材(C)、吸湿性化合物(D)、(A)以外のイソブチレン系重合体(E)、酸化防止剤を130℃の温度条件で、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて、回転数50rpmで溶融混練することにより、複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物を製造した。
[引張試験]
得られた組成物を180℃の条件下で加熱プレスし、2.0mm厚のシートを作製した。JIS K 6251に準拠し、試験片は2mm厚シートを、7号ダンベルで打抜いたものを使用した。引張速度は100mm/分とし、90℃の20%伸長時の引張強度を測定した。
[透湿度]
得られた組成物を180℃の条件下で加熱プレスし、0.9mm厚のシートを作製した。作製したシートをJIS Z 0208に従い、40℃、90%RHでの組成物の透湿度を測定した。
○:測定した透湿度の値が、1g/m2・day未満である。
×:測定した透湿度の値が、1g/m2・day以上である。
Figure 2010100676
エポキシ基含有ポリイソブチレン(Mn23000、一分子中のエポキシ基の数6)
ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン(株)製)
カーボンブラック(60HN、旭カーボン(株)製)
タルク(LMR、富士タルク製)
ゼオライト(PURMOL 3A、ZEOCHEM製)
ポリイソブチレン(オパノール(登録商標)B12、BASF社製)。
透湿度は、実施例1、2、比較例1のサンプルにおいて0.5g/m2・day以下の値を示し、本発明のシール材組成物はガスバリア性に優れることが分かる。
また、実施例1、2のサンプルは、90℃での20%伸び時のモジュラスが0.2〜0.35MPaを示し、比較例が0.01MPaであるのに対し、高い値となり、高温条件下において、高い弾性率を有することが分かる。
以上のことから、本発明におけるシール材組成物は、ガスバリア性および高温条件下における剛性に優れることがわかる。よって、複層ガラス用ホットメルトシーリング材や複層ガラス用ホットメルトスペーサーとして好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. ポリマー主鎖の末端に一般式(1)あるいは(2)で表される構造を有するイソブチレン系重合体(A)と、エポキシ樹脂用硬化剤(B)を含有することを特徴とする複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
    Figure 2010100676
    (式中、R1はエポキシ基を含有する1価の有機基、R2は炭素数1〜10の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよい、R3、R4はメチル基もしくはR1あるいはR2と同一のものであるか、いずれかがイソブチレン系重合体への結合部である。ここでlは平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表すが、R3、R4いずれかがイソブチレン系重合体末端への結合部の場合、l=0である。1≦m+n≦10、1≦m、0≦nであり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
    Figure 2010100676
    (式中、R1とR2は一般式(1)と同一である。ここでl´は平均1でイソブチレン系重合体末端への結合部を表す。1≦m´+n´≦5、1≦m´、0≦n´であり、各ユニットの位置は特定されたものではなく、それぞれ複数個含有される場合に交互あるいはランダムに配置されていてよい。)
  2. 前記R1が一般式(3)で表されるイソブチレン系重合体(A)を含む請求項1に記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
    Figure 2010100676
  3. 前記イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
  4. 前記イソブチレン系重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量分布の分散度が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂用硬化剤(B)が、潜在性硬化剤であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
  6. 前記潜在性硬化剤が、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、およびジシアンジアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
  7. 前記複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物が、更に、充填材(C)を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
  8. 前記複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物が、更に、エポキシ基含有化合物(F)を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の複層ガラス用ホットメルト型シーリング材組成物。
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