JP2007246816A - 光反応性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本願発明は、複層ガラスのシーリング材として好適に使用できる、ガラスとの高い接着性を有し、ガスバリア性に優れる材料を供することを課題とする。さらに、耐熱性や高い機械強度をも併せ持つような材料を供することを課題とする。
【解決手段】 上記課題は、イソブチレン系重合体(A)、エポキシ化合物(B)、光カチオン触媒からなる光反応性樹脂組成物とすることにより解決される。この光反応性組成物は、ガラスに塗布する前もしくは塗布した後に光照射を行うことにより、ガラスに対して高い接着性を示すようになる。この光反応性組成物に熱可塑性樹脂(D)や吸湿性化合物(E)、充填材(F)を添加することにより、ガスバリア性や接着性だけでなく、耐熱性や機械強度も向上させることが可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に複層ガラス用シーリング材、ホットメルトシーリング材、ホットメルト樹脂スペーサーに適した光反応性樹脂組成物に関する。
複層ガラスとは、一般的に、2枚以上のガラスパネルを有し、このガラスパネルの間隔が保たれるように、ガラスパネル間にスペーサーが挟まれた構造を有するガラスであり、スペーサーとしては金属製や樹脂製のものが用いられる。ガラスパネル間には、乾燥空気、窒素、アルゴン、六フッ化硫黄といった気体が充填されており、これにより、断熱性、遮音性、結露防止などの効果が得られることとなる。スペーサーとガラスの間等にはシーリング材が施され、ガラスパネル間に充填されたガスの漏れが防止される。
このようなシーリング材や樹脂製スペーサーの材料として、例えば、イソブチレン系重合体が使用されたホットメルトブチル系組成物があり、それを用いた複層ガラスが知られている(特許文献1)。しかし、ホットメルトブチル系組成物はガラスとの接着性に乏しく、配合によってはガラスとシーリング材の界面における剥離が問題となることがあった。
また、複層ガラスを気温の高い場所で使用した場合には、ホットメルトブチル系組成物は流動してしまう場合があり、この場合、高温での耐熱性も改善する必要がある。耐熱性を改善する方法としては、スチレン系熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂を添加する方法が知られている(特許文献2)。しかし、この方法ではガラスとの接着性と耐熱性を両立させることが困難であった。
また、ホットメルトブチル系組成物を高硬度化して、シーリング材をスペーサーとして用いる方法が提案されている。ホットメルトブチル系組成物を高硬度化する方法として、結晶性ポリオレフィンを添加する方法が知られている(特許文献3)。しかし、この方法ではガラスとの接着性と高硬度性を両立させることが困難であった。
したがって、複層ガラスに使用されるシーリング材または樹脂製スペーサーとして、ガラスとの高い接着性を有し、ガスバリア性に優れるような材料が望まれていた。さらに、耐熱性や高い機械強度を併せ持つような材料が望まれていた。
特開平7−17748号公報 米国特許出願公開第2003/0198587号明細書 特開平10−110072号公報
本発明の課題は、複層ガラスに使用されるシーリング材として、ガラスとの高い接着性を有し、ガスバリア性に優れる材料を供することにある。さらには、耐熱性や高い機械強度をも併せもつような材料を供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、イソブチレン系重合体(A)と、エポキシ化合物(B)と、光カチオン触媒(C)とからなる光反応性樹脂組成物に関する。
好ましい実施様態としては、イソブチレン系重合体(A)が、ポリイソブチレン、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である光反応性樹脂組成物がある。
好ましい実施様態としては、熱可塑性樹脂(D)を含むことを特徴とする光反応性樹脂組成物がある。熱可塑性樹脂(D)は、ポリオレフィンであることをのが好ましい。
好ましい実施様態としては、吸湿性化合物(E)を含有することを特徴とする光反応性樹脂組成物がある。
好ましい実施様態としては、充填材(F)を含有することを特徴とする光反応性樹脂組成物に関する。
また、別の実施態様としては、上記光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用シーリング材、上記光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用ホットメルトシーリング材、上記光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用ホットメルト樹脂スペーサーがある。
本発明に係る光反応性樹脂組成物は、ガラスに対し高い接着性を有し、ガスバリア性にも優れる。さらには、耐熱性、高い機械強度を有する。従って、本発明に係る光反応性樹脂組成物は、複層ガラス用シーリング材や樹脂製スペーサーとして好適に用いることができる。
本発明に係る光反応性樹脂組成物は、イソブチレン系重合体(A)と、エポキシ化合物(B)と、光カチオン触媒(C)とからなる。
イソブチレン系重合体(A)は、イソブチレンを主成分とする重合体を意味する。イソブチレン系重合体(A)は、イソブチレンを主成分とする限りにおいては特に限定されないが、ガスバリア性を保持するという観点からは、重合体中にイソブチレンを構成単量体として50重量部以上有するのが好ましく、より好ましくは70重量部以上含有する。
イソブチレンはカチオン重合性を有しており、イソブチレン系重合体(A)は、例えば、Kennedyらにより報告されている方法(J. Polym. Sci., Part A; Polym. Chem. 29, 427-435(1991))に従って製造することができる。
イソブチレン系重合体(A)に含有されるイソブチレン以外の単量体としては、カチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されず、例えば、芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。イソブチレン以外の単量体成分の種類および量を適宜選択することにより、耐熱性等の組成物の物性を調整することが可能である。
芳香族ビニル類としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
脂肪族オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
このような重合体としては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体が挙げられる。これらのうちで、ガスバリア性の観点から、ポリイソブチレン、スチレン−イソブチレン共重合体が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
ポリイソブチレンとしては、通常市販されている多くの商品がこれに相当し、具体的にはEXXON製ビスタネックス(LM−MS、MH、HまたはMML−80,100,120,140等)、新日本石油製テトラックス(3T、4T、5T、6Tなど)ポリブテン(HV)ハイモール(4H、5H、6Hなど)、およびBASF製オパノール(B10、B1に、B15、B50、B80、B100、B120、B150、B220等)などが例示できる。
スチレン−イソブチレン共重合体としては、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。このなかでは、接着性の観点から、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体が好ましい。
また、イソブチレン系重合体(A)は、架橋していてもよい。例えば、アリル末端を有するポリイソブチレンをヒドロシリル基含有化合物で架橋させたような架橋体を用いてもよい。
イソブチレン系重合体(A)の数平均分子量は、特に制限はないが、粘着性と配合物の強度の観点から、1000〜300000が好ましく、特に10000〜100000が好ましい。これは、数平均分子量が1000より小さいと、配合物の強度が弱くなり、逆に300000を超えると、接着性が低下する場合があるためである。
エポキシ化合物(B)としては、特に制限はないが、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン、エポキシ化SEBSなどが好ましい。ガラスとの接着性の観点から、脂肪族環式エポキシ樹脂がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせてもよい。
ビスフェノールA系エポキシ樹脂の具体例としては、ジャパンエポキシレジン製エピコート(828、834、1001、1004AF、1010)、東都化成製エポトート(YD128)、大日本インキ化学工業製エピクロン(840、850、855)などを挙げることができる。
水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂の具体例としては、旭電化工業製(EP4080)、東都化成製(ST3000)などを挙げることができる。
ノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、ジャパンエポキシレジン製エピコート(152、154)、大日本インキ化学工業製エピクロン(N−730、N−738、N−740、N−770、N−775)、東都化成エポトート(YDPN638)などを挙げることができる。
脂肪族環式エポキシ樹脂の具体例としては、ダイセル化学工業製セロキサイド(2021、2000、3000)、ダイセル化学工業製EHPE3150などを挙げることができる。
グリシジルエステル系化合物の具体例としては、ジャパンエポキシレジン製エピコート(191P、190P)、三井化学製(R508、R540)などを挙げることができる。
エポキシ化ポリブタジエンの具体例としては、ダイセル化学工業製エポリードPB3600などを挙げることができる。
エポキシ化SEBS(スチレン−エチレンブタジエン−スチレンブロック共重合体)の具体例としては、ダイセル化学工業製エポフレンド(CT310、CT501)などを挙げることができる。
エポキシ樹脂(B)の添加量としては、(A)成分100重量部に対し、1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。1重量部より少ないとガラスとの接着性が十分に得られないことがある。逆に100重量部を超えると、組成物のガスバリア性が低下することがある。ガラスとの接着性とガスバリア性の両立という観点から、5〜50重量部の範囲とすることがより好ましい。
光カチオン触媒(C)は、エポキシ樹脂を光反応させるための触媒であって、光カチオン触媒(C)としては、特に制限はなく、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩が挙げられる。
具体的には、DOW製CYRACURE(UVI−6992、UVI−6976等)、旭電化工業製アデカオプトマー(SP150、SP151、SP152、SP170、SP171、SP172等)、三新化学製サンエイド(SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−180L等)、GE東芝シリコーン製UV9380c、ローディアジャパン製Rhodorsil2074、チバスベシャルティーケミカルズ製IRGACURE250などを挙げることができる。上記、光カチオン触媒は単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせても良い。
光カチオン触媒(C)の添加量としては、(A)成分100重量部に対し、0.01〜1重量部の範囲にすることが好ましい。0.01重量部より少ないと、光反応性が十分に得られないことがある。逆に、1重量部を超えると、組成物のコスト面で好ましくない。光反応性と組成物のコストの面からは、0.1〜0.5重量部の範囲とすることがより好ましい。
また、本発明にかかる光反応性樹脂組成物には、光反応の促進を目的として、増感剤を添加することもできる。増感剤としては、特に制限されないが、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン等を挙げることができる。
また、本発明にかかる光反応性樹脂組成物には、耐熱性の改善や高い機械強度の付与を目的として、熱可塑性樹脂(D)を添加することもできる。熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
本発明で用いるオレフィン系樹脂とは、エチレンや、炭素数3〜20のα−オレフィンの含有量が50〜100モル%であるα−オレフィン単独重合体または共重合体であり、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、物性的に好ましくは高密度ポリエチレンが例示される。
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香族ビニル系化合物を構成単量体とするブロックとブタジエン及び/又はイソプレンブロックよりなるブロック共重合体やその水素添加物が挙げられる。例えば、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレン−エチレンブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
本発明に係る光反応性樹脂組成物は、さらに、吸着性化合物(E)を含有していてもよい。吸湿性化合物(E)としては、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ等が例示される。これらの吸湿性化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような吸湿性化合物は、本発明に係る光反応性樹脂組成物の水蒸気透過率を減少させ、複層ガラスのガラス板に挟まれた空隙部が湿気によって曇ることを防ぐことができる。このような目的を効果的に達成するためには、吸湿性化合物(E)の配合量は(A)成分100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。
さらに、本発明に係る光反応性樹脂組成物は、充填材(F)を含有していてもよい。充填材(F)は、本発明の樹脂組成物の剛性を向上させる効果を有しており、また、使用温度域での形状保持性を向上させ、またホットメルト時の垂れを抑制する効果を有する。充填材(F)としては、特に制限はなく従来公知のものを使用することができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、熔融シリカ、結晶シリカ、珪藻土、クレー、タルク、雲母、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。これらのうちで、少量で剛性を向上させる効果を有するカーボンブラックが特に好ましい。
充填材(F)の配合量は、特に制限はないが、(A)成分100重量部に対し、1〜300重量部とするのが好ましく、より好ましくは50〜150重量部である。これは、充填材(F)の配合量が1重量部より少ないと、配合物の強度が不足する場合があり、また、300重量部より多いと接着性が低下する場合がある。
また、本発明に係る光反応性樹脂組成物には、物性を損なわない範囲で、粘着付与剤、パラフィン系プロセスオイルやポリブテン等の可塑剤、増粘剤、増量剤、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤等を適宜配合することができる。公知のブロッキング防止剤、帯電防止剤、着色剤、無機ないし有機抗菌剤、滑剤なども配合することができる。
本発明に係る光反応性樹脂組成物は、ガラスへの塗布前もしくは塗布後に光を照射することで、ガラスに対して優れた接着性を示すようになる。照射する光源としては、光源の波長が300〜600nmの範囲であるものが好適に用いられる。具体的な例としては、水銀灯(低圧、中圧、高圧、超高圧)、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、蛍光灯、ケミカルランプなどを挙げることができる。
本発明に係る光反応性樹脂組成物は、ガラスとの接着性とガスバリア性に優れている。このため、複層ガラス用シーリング材、ホットメルトシーリング材として好適に使用することができる。また、充填材(F)を添加する等により耐熱性や機械強度、剛性を向上させた組成物は、複層ガラス用ホットメルト樹脂スペーサーとしても好適に使用することができる。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
[実施例等記載成分の内容]
PIB(ポリイソブチレン):BASF社製、商品名「オパノールB12」
SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体)(製造例1に記載)
脂肪族環式エポキシ樹脂:ダイセル化学工業製、商品名「セロキサイド2021P」
芳香族スルホニウム塩:旭電化製、商品名「オプトマーSP172」
HDPE(高密度ポリエチレン):三井化学社製、商品名「ハイゼックス8000F」
モレキュラーシーブス:ZEOCHEM製、商品名「PURMOL 3A」
炭酸カルシウム:白石カルシウム製、商品名「ホワイトンSB」
カーボンブラック:旭カーボン社製、商品名「旭カーボン#60HN」
[H型引張試験方法]
金型とプレス成形機(設定温度180℃、プレス圧力50kg/cm2)を用いて、光反応性樹脂組成物を幅12mm×長さ30mm×厚み14mmのバー形状の成形体とした。幅50mm×長さ30mm×厚み5mmのフロート板ガラスを2枚準備し、一枚のガラス面の中央部にバー材、その両側に幅19mm×長さ30mm×厚み12mmのスペーサーを1個ずつ置いて、もう一枚のガラスを上に載せた。2枚のガラス板に、樹脂組成物からなるバー材およびスペーサーを挟んだまま、130℃のオーブンで30分養生した。養生後、2枚のガラスの上に、1kgのおもりを載せて圧着し、室温になるまで放置した後、スペーサーを除き、以下の方法で光照射を行った。これをガラス板間に樹脂を挟んだH型形状を有する試験サンプルとした。
上記のようにして作製した試験サンプルについて、オートグラフを用いて、引張速度100mm/分で引張試験を実施した。
[光照射方法]
コンベア式光照射装置(EYE GRANDAGE ECS−301 アイグラフィックス社製、光源:メタルハライドランプ)を用いた。照射条件としては、コンベアスピードを1m/min、ランプ強度120W/cmとし、H型引張試験の試験サンプルの両面を1回ずつ照射した。
(製造例1)[SIBSの製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)300mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)432mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー153mL(1619mmol)が入った三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p− ジクミルクロライド0.50g(2.2mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド0.94g(10.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン6.6mL(61mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー43g(415mmol)、n−ヘキサン20mLおよび塩化ブチル30mLの混合溶液を重合容器内に添加した。この混合溶液を添加してから45分後に、約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のイソブチレン系トリブロック共重合体を得た。尚、スチレン添加前のイソブチレン重合体の数平均分子量は42000であり、スチレン重合後のブロック共重合体の数平均分子量は60000であった。スチレンブロック含量は30%であった。
(実施例1)
SIBS(製造例1に記載) 50重量部、PIB(オパノールB12)50重量部、脂肪族環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)20重量部、芳香族スルホニウム塩(オプトマーSP172)0.5重量部を、ラボプラストミル(東洋精機製作所社製)にて、設定温度150℃、スクリュー回転数50rpmで、配合物全量を投入後10分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。この組成物についてH型引張試験サンプルを作製し、上記試験方法に従い、H型引張試験を実施した。
(比較例1)
光照射を実施しない点を除いて実施例1と同様にしてサンプルを作製し、H型引張試験を実施した。
(実施例2〜4)
配合表に従い、SIBS(製造例1に記載)、PIB(オパノールB12)、脂肪族環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P)、芳香族スルホニウム塩(オプトマーSP172)、モレキュラーシーブス(PUREMOL 3A)、カーボンブラック(旭カーボン60HN)、炭酸カルシウム(ホワイトンSB)を、ラボプラストミル(東洋精機製作所社製)にて、設定温度150℃、スクリュー回転数50rpmで、配合物全量を投入後10分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。この組成物についてH型引張試験サンプルを作製し、上記H型引張試験を実施した。
(比較例2〜4)
光照射を実施しない点を除いて実施例2〜4と同様にしてサンプルを作製し、H型引張試験を実施した。
表1からわかるように、光照射した光反応性樹脂組成物は、光照射しないものと比較すると、H型引張試験において、20%および50%における引張強度が向上していた。また、同じ試験において、50%伸び時の状態について光照射しないものがガラスと樹脂組成物の界面で剥離するのに対し、光照射したものは剥離していなかった。
以上のように、本発明の光反応性樹脂組成物は、ガラスとの接着性に優れることが分かった。また、本発明の光反応性樹脂組成物はガスバリア性についても優れ、この樹脂組成物は複層ガラス用シーリング材またはホットメルトシーリング材、ホットメルト樹脂スペーサーとして好適に使用できることが示された。

Claims (9)

  1. イソブチレン系重合体(A)と、エポキシ化合物(B)と、光カチオン触媒(C)とからなる光反応性樹脂組成物。
  2. イソブチレン系重合体(A)が、ポリイソブチレン、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1に記載の光反応性樹脂組成物。
  3. 光反応性樹脂組成物が、更に、熱可塑性樹脂(D)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光反応性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂(D)が、ポリオレフィンであることを特徴とする請求項3に記載の光反応性樹脂組成物。
  5. 光反応性樹脂組成物が、更に、吸湿性化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光反応性樹脂組成物。
  6. 光反応性樹脂組成物が、更に、充填材(F)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光反応性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用シーリング材。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用ホットメルトシーリング材。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の光反応性樹脂組成物からなる複層ガラス用ホットメルト樹脂スペーサー。
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JP2012082261A (ja) * 2010-10-07 2012-04-26 Kaneka Corp 光硬化性組成物およびその硬化物
JP2014148649A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Bridgestone Corp 熱硬化性エラストマー組成物、ハードディスクドライブ用ガスケットおよびハードディスクドライブ

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