JP2010099354A - 波面収差測定装置及びその方法 - Google Patents

波面収差測定装置及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】眼の色収差、すなわち波長ごとの波面収差量の変化を測定可能な装置を提供する。
【解決手段】本発明による波面収差測定装置1は、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を有し、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する照明光学系10と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22と、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する受光部21を有する受光光学系20と、受光部21で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部901と、波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部902とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は波面収差測定装置及びその方法に関する。詳しくは、波長による波面収差の変化を測定する波面収差測定装置及びその方法に関する。
従来は、ドライアイの臨床等に波面収差の測定が使用され、高次の収差を得られる等、波面収差の測定に優れた眼科装置が開発されている。また、波面収差及び散乱の測定に基づいて種々の光学特性を解析する眼科装置が開発されている。人間の眼では可視光に反応するので、可視光での測定が望ましいが、被測定眼がまぶしく感じるため、従来は、眼に優しい赤外光の単色で測定していた。また、波面の色収差すなわち、波長ごとの収差量の変化の測定はなされていなかった。(例えば特許文献1〜3参照)
特開2004−275697号公報(段落0005〜0056、図1〜図14) 特開2005−230328号公報(段落0005〜0056、図1〜図18) 特開2005−279022号公報(段落0007〜0113、図1〜図17)
しかしながら、被検眼によっては、例えば、白内障の場合や、回折型の多焦点のIOLを使用している場合など、可視域での光学特性の変化が大きく、赤外域での測定から可視域での波面収差を推測できない、すなわち、色収差が無視できないという問題があった。
本発明は、眼の色収差の測定を行なえる装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様の波面収差測定装置1は、例えば図1、図3及び図4に示すように、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を有し、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する照明光学系10と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22と、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する受光部21とを有する受光光学系20と、受光部21で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部901と、波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部902とを備える。
ここにおいて、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11は、異なる波長の光を発光する複数の光源を有し、光源を切り替えるように構成しても良く、異なる波長の光を発光する単一光源を用い、発光波長を変更するように構成しても良い。本態様のように構成すると、眼の色収差、すなわち、波長ごとの収差量の変化の測定を行なえる波面収差測定装置を提供できる。
また、第2の態様の波面収差測定装置は、第1の態様の波面収差測定装置において、複数の波長は少なくとも近赤外域の波長と可視域の波長を含む。
ここにおいて、複数の波長の光は、近赤外域の波長を1以上、可視域の波長を1以上含めば良い。本態様のように構成すると、近赤外域と可視域の光での眼の色収差の測定を行なえる波面収差測定装置を提供できる。
また、第3の態様の波面収差測定装置は、第1又は第2の態様の波面収差測定装置において、例えば図3及び図4に示すように、波面収差の測定について、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部903と、再測定判定部903において、次回の測定を行なうと判定された場合には、追加又は変更する波長を選択する波長選択部904とを備え、再測定判定部903は、受光部21の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況に基づいて次回の測定を行なうべきかの判定を行ない、波長選択部904は、受光部21の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況に基づいて次回の測定で追加又は変更する単数又は複数の波長を選択する。
ここにおいて、受光光の分離又はボケは、被検眼80にIOL等が使用されている場合に生じ得、この場合には状況に応じて次回の測定が行われることとなる。また、光源に波長可変レーザーを用いる場合には、波長選択部904は、追加又は変更する波長をデジタル的に選択する。本態様のように構成すると、前回までの測定結果から、次回の測定の是非を判断でき、また、次回の波面収差測定に適した波長を選択できる。また、IOL等の使用を発見し易い。
また、第4の態様の波面収差測定装置は、第1又は第2の態様の波面収差測定装置において、例えば図3及び図4に示すように、波面収差の測定について、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部903と、再測定判定部903において、次回の測定を行なうと判定された場合には、追加又は変更する波長を選択する波長選択部904とを備え、再測定判定部903は、波面収差演算部901で求められた波面収差の波長による変化に基づいて次回の測定を行なうべきかの判定を行ない、波長選択部904は、波面収差演算部901で求められた複数の波長における波面収差の波長による変化に基づいて次回の測定で追加又は変更する単数又は複数の波長を選択する。
ここにおいて、波面収差の波長による変化が大きくなると、近赤外域での波面収差から可視域での波面収差の推測が困難になる。本態様のように構成すると、前回までの測定結果から、次回の測定の是非を判断でき、また、次回の波面収差測定に適した波長を選択できる。また、可視域での波面収差の推測の困難性を判断し易い。
また、第5の態様の波面収差測定装置は、第3又は第4の態様の波面収差測定装置において、波長選択部904は、追加又は変更する波長を選択する際に、長い波長から順次選択する。
このように構成すると、波長順にデータを蓄積でき、また眼への負担が少ない近赤外光から測定を行なうことで、可視光による眼への負担をできるだけ小さくできる。
また、第6の態様の波面収差測定装置は、第4の態様の波面収差測定装置において、波長選択部904は、前回までの測定で得られた波面収差の波長による変化が小さいところでは粗い波長間隔で、波面収差の波長による変化が大きいところでは細かい波長間隔で追加又は変更する波長を選択する。
このように構成すると、波面収差の波長による変化の様子が的確にわかる。
また、第7の態様の波面収差測定装置は、第1ないし第6の態様のいずれかの波面収差測定装置において、例えば図1に示すように、光源部11は、異なる波長の光を発光する複数の光源111,112と、入射端から入射された光を通過させ出射端に出射させる複数のファイバー121〜123と、2つのファイバーから入射された光を結合して他の1つのファイバーに出射する単数又は複数のファイバーカプラー13とを有し、複数のファイバー121〜123と単数又は複数のファイバーカプラー13はツリー型に接続され、複数の光源111,112から出射された波長の異なる光をそれぞれ異なるファイバー121,122の入力端から入射し、いずれか1つの光源が発光する1つの波長の光を選択して1つのファイバーの出力端123から出射するように構成されている。
このように構成すると、光源部11に複数の光源を使用する場合に、波長の切り替えを容易にできる。
また、第8の態様の波面収差測定装置は、第1ないし第7の態様のいずれかの波面収差測定装置において、例えば図22及び図23に示すように、被検眼80として、色収差が生じない又は予め色収差が補正されている反射光束を反射する模型眼85を用いて、各波長により波面収差の測定を行った際のデータを装置内部の波面収差として記憶しておく補正データ記憶部941を備え、色収差演算部902は、波面収差演算部901で求められた各波長の波面収差から、補正データ記憶部941に記憶されている各波長における装置内部の波面収差を除去することにより、被検眼80の波面の色収差を求める。
ここにおいて、色収差が生じないには実用上色収差を無視できる範囲も含まれるものとする。また、補正データ記憶部941は、補正データとして読み出せれば複数の記憶媒体にまたがって記憶されていても良く、また、例えば、記憶部94内に設けられても良く、演算部90内に設けられても良い。本態様のように構成すると、装置内部の波面の色収差を差し引く補正処理ができる。
また、第9の態様の波面収差測定装置は、第1ないし第8の態様のいずれかの波面収差測定装置において、例えば図12及び図13に示すように、光源部11から出射する光の波長の順序を予め定め、自動的かつ連続的に切り替える。
ここにおいて、自動的かつ連続的な切り替えは、例えば、制御部91にて波長の順序と切り替えのタイミングを設定し、プログラム等により自動制御することにより可能である。また、長い波長から短い波長に順次選択・測定されるのが好ましい。本態様のように構成すると、一連の測定を効率化できる。
また、第10の態様の波面収差測定装置は、第1ないし第9の態様のいずれかの波面収差測定装置において、例えば図1及び図24に示すように、被検眼80の視線を固視標72に安定させるために、被検眼80に可視域の波長からなる固視光束を照射する固視光学系70を備え、固視標72は、固視光学系70の光軸方向に位置を調節可能であり、波面収差演算部901は、受光部21で受光された各波長の光について球面成分を求め、色収差演算部902は、球面成分の波長に対する変化に基づき、固視標72の位置の調節状態における被検眼80からの波面の色収差を求める。
このように構成すると、被険眼の視線に合わせた色収差を求められる。また、球面収差を用いると、球面IOLは球面収差量が大きいため、球面IOLの使用を発見し易い。
また、第11の態様の波面収差測定装置は、例えば図18に示すように、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を有し、光源部11から出射された第1の照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する第1の照明光学系10と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22と、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する第1の受光部21とを有する第1の受光光学系20と、角膜82の表面に第2の照明光束を照射する第2の照明光学系30と、角膜82の表面からの反射光束を受光する第2の受光部41を有する第2の受光光学系40と、第1の受光部21で受光された各波長の光について演算して求めた波面収差を第1の波面収差とし、第2の受光部41で受光された各波長の光について演算して求めた波面収差を第2の波面収差とし、第1の波面収差から第2の波面収差を除去することにより眼内部の波面収差を求める波面収差演算部901と、各波長の眼内部の波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部902とを備える。
このように構成すると、角膜の曲率の影響を除いた眼の内部の色収差の測定ができる。
また、第12の態様の波面収差測定方法は、例えば図4に示すように、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を用い、光源部11から出射する波長を設定する設定工程(S130)と、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底に照射する照明工程(S141)と、眼底80からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22を用い、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する受光工程(S142)と、受光工程(S142)で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算工程(S142)と、所定数の波長で測定が行われたかを判定する再測定判定工程(S150)と、再測定判定工程(S150)で所定数の波長で測定が行われなかったと判定された場合には、設定工程(S130)、照明工程(S141)、受光工程(S142)、波面収差演算工程(S143)及び再測定判定工程(S150)を再度行なう再測定工程と、再測定判定工程(S150)で所定数の波長で測定が行われたと判定された場合には、波面収差演算工程(S143)で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算工程(S144)とを備える。
ここにおいて、所定数とは測定に使用される波長の数をいう。本態様のように構成すると、眼の色収差、すなわち波長ごとの収差量の変化の測定を行なえる波面収差測定方法を提供できる。
上記課題を解決するために、第13の態様の波面収差測定装置1は、例えば図1、図25及び図26に示すように、少なくとも近赤外域の波長と可視域の波長を含む複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を有し、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する照明光学系10と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22と、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する受光部21とを有する受光光学系20と、受光部21で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部901と、近赤外域の波長における、受光部21の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況、波面収差演算部901で求められた波面収差、又は前記波面収差演算部901で求められた波面収差の波長による変化の少なくともいずれか1つに基づき、近赤外域の波長における測定で充分であるか、不充分であり可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部903と、再測定判定部903において、近赤外域の波長における測定で充分であると判定された場合には、近赤外域の波長における波面収差を測定結果として取得し、可視域の波長で測定を行なうと判定された場合には、可視域の波長における波面収差を測定結果として取得する測定結果選択部906とを備える。
ここにおいて、複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11は、異なる波長の光を発光する複数の光源を有し、光源を切り替えるように構成しても良く、異なる波長の光を発光する単一光源を用い、発光波長を変更するように構成しても良い。また、複数の波長の光は、近赤外域の波長を1以上、可視域の波長を1以上含めば良い。本態様のように構成すると、波面収差の測定を近赤外域での測定で充分か否かを判定し、不充分な場合に可視域での測定を行なえる波面収差測定装置を提供できる。
また、第14の態様の波面収差測定装置は、第13の態様の波面収差測定装置において、波面収差演算部901で求められた波面収差のうち球面収差が所定値よりも大きいときに、再測定判定部903は可視域の波長で測定を行なうと判定する。
ここにおいて、球面収差は、被検眼80に球面IOL等が使用されている場合に生じ得、この場合には球面収差の大きさに応じて可視域の波長での測定が行われることとなる。本態様のように構成すると、球面IOLの使用を発見し易い。
また、第15の態様の波面収差測定装置は、第13の態様の波面収差測定装置において、受光面での受光光が複数点に分離しているときに、再測定判定部903は可視域の波長で測定を行なうと判定する。
ここにおいて、受光光の分離は、被検眼80に回折型多焦点のIOL等が使用されている場合に生じ得る。本態様のように構成すると、回折型多焦点のIOLの使用を発見し易い。
また、第16の態様の波面収差測定装置は、第13ないし第15のいずれかの態様の波面収差測定装置において、例えば図1及び図24に示すように、被検眼80の視線を固視標72に安定させるために、被検眼80に可視域の波長からなる固視光束を照射する固視光学系70を備え、固視光束には、光源部11が発光する測定用の可視域の波長とは異なる領域の波長が選択されている。
このように構成すると、固視光学系70の波長が測定波長と重ならないようにできる。
また、第17の態様の波面収差測定装置は、第16の態様の波面収差測定装置において、図2に示すように、眼底81からの反射光束を反射し、固視光束を透過することにより、眼底81からの反射光束と固視光束を分離する波長選択性ミラー105を備える。
このように構成すると、固視光学系70の波長と測定に使用する照明光学系10及び受光光学系20等の波長を良好に分離できる。
また、第18の態様の波面収差測定装置は、第13ないし第17の態様のいずれかの波面収差測定装置において、例えば図13に示すように、光源部11は出射する光の波長の順序を予め定め、自動的に切り替える。
ここにおいて、自動的切り替えは、例えば、制御部91にて波長の順序と切り替えのタイミングを設定し、プログラム等により自動制御することにより可能である。本態様のように構成すると、一連の測定を効率化できる。
また、第19の態様の眼光学特性測定装置は、少なくとも近赤外域の波長と可視域の波長を含む複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を有し、光源部11から出射された照明光束をスポット光として被検眼80の眼底81に照射する照明光学系10と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22と、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する受光部21とを有する受光光学系20と、受光部21で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部901と、波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき、被検眼80の光学特性を解析する光学特性解析部905とを備える。
ここにおいて、光学特性には波面収差、屈折率、点像分布係数(PSF)、被検眼の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)、視力、瞳径、コントラスト感度等が含まれる。また、眼光学特性測定装置には波面収差測定装置が含まれる。本態様のように構成すると、測定に相応しい波長を選択して、光学特性の測定ができる。
また、第20の態様の波面収差測定方法は、例えば図26に示すように、少なくとも近赤外域の波長と可視域の波長を含む複数の波長の光を切り替えて出射する光源部11を用い、光源部11から出射する近赤外域の波長を設定する設定工程(S330)と、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する照明工程(S341)と、眼底81からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板22を用い、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光部21で受光する受光工程(S342)と、受光工程(S342)で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算工程(S343)と、近赤外域の波長における、受光部21の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況、波面収差演算工程(S343)で求められた波面収差、又は波面収差演算工程(S343)で求められた波面収差の波長による変化の少なくともいずれか1つに基づき、近赤外域の波長における測定で充分であるか、不充分であり可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかを判定する再測定判定工程(S400)と、再測定判定工程(S400)において、近赤外域の波長における測定で充分であると判定された場合には、近赤外域の波長における波面収差を測定結果として取得し、可視域の波長で測定を行なうと判定された場合には、可視域の波長の光について、設定工程(S430)と、照明工程(S431)と、受光工程(S432)と波面収差演算工程(S433)とを行ない、可視域の波長における波面収差を測定結果として取得する測定結果選択工程(S480)とを備える。
このように構成すると、波面収差の測定を近赤外域での測定で充分か否かを判定し、不充分な場合に可視域での測定を行なえる波面収差測定方法を提供できる。
本発明によれば、眼の色収差を測定できる装置及び方法を提供することができる。
以下に図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態は、近赤外域の光を発光する光源と可視域の光を発光する光源の2光源を切り替えて測定する例を説明する。
[光学系構成]
図1に、第1の実施の形態における波面収差測定装置1の光学系の構成例を示す。波面収差測定装置1は、照明光学系10と、受光光学系20と、前眼部照明系30と、前眼部観察系40と、第1の調整光学系50と、第2の調整光学系60と、固視光学系70を備える。また、受光光学系20は受光部21を含む。なお、被検眼80については、網膜(眼底)81、角膜(前眼部)82、水晶体83が示されている。
以下、各部について詳細に説明する。
照明光学系10は、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射するためのものである。照明光学系10は、例えば、光源部11、集光レンズ101、絞り102、集光レンズ103、ビームスプリッタ104〜106、集光レンズ107、ロータリープリズム108を有する。集光レンズ101は照明光束を絞り102の近傍に集光する。集光レンズ103と集光レンズ107の間にビームスプリッタ104〜106が配置される。ビームスプリッタ104は照明光束を反射し、眼底81からの反射光束を透過するダイクロイックミラーで構成される。ビームスプリッタ105は照明光束及び反射光束を反射し、固視光学系70で使用される固視光束を透過する波長選択性ミラーで構成される。ビームスプリッタ106は照明光束、反射光束及び固視光束を反射し、前眼部観察系40及び第2の調整光学系60で使用される観察光束を透過するダイクロイックミラーで構成される。また、ロータリープリズム108は眼底81からの反射むら等による光を均一化するために配置される。また、絞り102を偏心させることで、光源部11から被検眼80への照明光束の入射位置を光軸に直交する方向に変更し、レンズや角膜82の頂点反射を防いでノイズを押さえられる。また、絞り102は、受光側だけに眼の収差が影響する、いわゆるシングルパスの収差計測が成り立つことができる様になっている。このように、被検眼80からビームスプリッタ106までは照明光学系10、受光光学系20、固視光学系70、前眼部観察系40及び第2の調整光学系60の共通光学系、ビームスプリッタ106からビームスプリッタ105までは照明光学系10、受光光学系20及び固視光学系70の共通光学系、ビームスプリッタ105からビームスプリッタ104までは照明光学系10及び受光光学系20の共通光学系となっている。
図2に、照明光束及び反射光束を反射し、固視光束を透過するビームスプリッタ(波長選択性ミラー)105のフィルター特性の例を示す。横軸に波長、縦軸に光の透過率を示す。照明光学系10の光源111,112の波長として、560nm,840nm等の透過率が約0%(反射率約100%)の波長を選択し、固視光学系70の光源71の波長として、400〜530nmの透過率約100%の波長を使用すれば、照明光束及び反射光束を反射し、固視光束を透過する良好な特性のフィルターとして用いることができる。これにより、固視光学系70の波長と測定に使用する照明光学系10及び受光光学系20等の波長を良好に分離できる。
光源部11は、複数の波長の光を発光し、複数の波長の光を切り替えて出射する。例えば波長の異なる光を発光する複数の光源111,112からの光を、それぞれファイバー121,122に入射し、ツリー型のファイバーカプラー13を使用して光路を切り替え、1本のファイバー123の出射端から出射させる。波長の切り替え、すなわち光路の切り替えは光源111,112の電源のオンオフにより行なう。なお、光源111,112の前に設けられた機械式のシャッターの開閉、又は音響光学式光変調器(Acousto−Optic Modulator:AOM)によるシャッターの開閉により行なっても良い。波長の切り替えは波長選択信号(○内に1、○内に2)で制御される。ここでは、複数の波長として、近赤外域の840nmと可視域の560nmを選択した。光源111として、近赤外域では、空間コヒーレンスが高く、時間コヒーレンスは高くないもので、輝度が高いものが望ましいことから、SLD(スーパールミネセンスダイオード)を用いた。また、光源112として、可視域では、光量が充分とれ取扱い易いことから、LED(発光ダイオード)を用いた。なお、レーザーの様に空間、時間ともコヒーレンスが高いものでも、回転拡散板や偏角プリズムなどを挿入することにより、適度に時間コヒーレンスを下げて利用できる。なお、光源及びファイバーカプラーの分岐を増やせば、可視域の複数の波長で選択や、より多くの波長での測定が可能である。
受光光学系20は、被検眼80の眼底81からの反射光束を受光し受光部21に導くためのものである。受光光学系20は、例えば、受光部21、ハルトマン板22、集光レンズ201、絞り202、集光レンズ203、反射板204、集光レンズ205を有する。また、被検眼80からビームスプリッタ104までは照明光学系10と共通光学系となっている。被測定眼80の球面成分、3次の非点収差、その他の高次収差までも測定するには、ハルトマン板22は、反射光束を少なくとも17本の複数の分割光束に分割するためのマイクロレンズアレイを有する。マイクロレンズアレイとして、例えば光軸と直交する面内に配置された複数のマイクロフレネルレンズが用いられる。マイクロレンズアレイには、長焦点又は高感度のレンズを用いても良く、短焦点又は高密度のレンズを用いても良い。眼底81からの反射光束は、ハルトマン板22により複数の分割光束に分割され、各分割光束は受光部21の受光面上に集光する。受光部21は、ハルトマン板22で分割された複数の分割光束を受光する。受光部21で受光された受光信号(○内に4)による撮影画像を解析することにより、波面収差が求められ、波面収差の波長による変化から波面の色収差が求められる。受光信号(○内に4)は演算部90に送信される。また、集光レンズ201は絞り202を通過した反射光束を平行光束にしてハルトマン板22に導く。反射板204は受光部21に向かう反射光束の光軸の方向を光源部11からの照明光束の光軸の方向と一致させるためのものである。
被検眼80からの反射光束はビームスプリッタ104まで近軸的には照明光束と同じ光路を辿る。但し、シングルパス測定のときは、それぞれの光束径は違い、照明光束のビーム径は、反射光束に比べかなり細く設定される。照明光束のビーム径は、例えば、被検眼80の瞳位置で1mm程度、反射光束のビーム径は7mm程度になることもある。なお、光学系を適宜配置することで、ダブルパス測定を行なうこともできる。
光学系移動手段15は、照明光学系10、受光光学系20及び後述する固視光学系70を含む図1の点線で囲まれた部分を一体的に移動させる。例えば、光源部11からの照明光束が眼底81で反射されたとして、その反射光束による受光部21での信号ピークが最大となる関係を維持して、受光部21での信号ピークが強くなる方向に移動し、強度が最大となる位置で停止するように調整する。一体的に移動させるには、照明光学系10、受光光学系20及び固視光学系70を1つのステージ上に構成すれば良い。この場合、各光学系の調整距離が微妙に異なる場合には別々に微調整できるようにするのが良い。なお、照明光学系10、受光光学系20、固視光学系70を別々に移動させるようにしても良い。光学系移動手段15は移動制御信号(○内に3)で制御される。
前眼部照明系30は、例えば、プラチドリング(PLACIDO’S DISC)若しくはケラトリング等のリング状光源31又は点状光源を用いて前眼部82を所定パターンで照射するものである。プラチドリングは、複数の同心輪帯からなるパターンの指標を投影するためのものである。ケラトリングを用いた場合、ケラト像により角膜の曲率中心付近だけのパターンを得ることができる。なお、リング状光源31から発せられる光束の波長は、照明光学系10における照明光束の波長(ここでは560nm,840nm)と異なる領域の波長(例えば、940nm)を選択できる。リング状光源31は制御信号(○内に6)で制御される。
前眼部観察系40は、前眼部照明系30で照射され、被検眼80の前眼部82から反射する反射光束を観察するためのものである。前眼部観察系40は、例えば、受光部41、テレセントリック絞り42、集光レンズ401〜403、ビームスプリッタ404を有する。また、被検眼80からビームスプリッタ106までは照明光学系10等と共通光学系となっている。受光部41は例えばCCDで構成され、プラチドリング、ケラトリング等のパターンが受光される。テレセントリック絞り42は、前眼部像がぼけないようにするための絞りである。また、集光レンズ401は反射光束を集光する光束にして受光部41に導く。受光部41は受光信号(○内に7)を演算部90に送信する。集光レンズ402と集光レンズ403の間に配設されたビームスプリッタ404は前眼部観察系40の反射光束を透過し、後述する第2の調整光学系60の出射光束を反射させるダイクロイックミラーで構成される。
第1の調整光学系50は、作動距離調整、すなわち被検眼80の位置(照明光学系10及び受光光学系20の光軸方向の位置)の調整を主に行なうものであって、光源部51、受光部52、集光レンズ501,502を有する。ここで、作動距離調整は、例えば、光源部51から出射された光束を集光レンズ501により平行光束とし被検眼80に向けて照射すると共に、この被検眼80からの反射光束を集光レンズ502を介して受光部52で受光することにより行われる。被検眼80が適正な作動距離にある場合、受光部52の光軸上に、光源部51からのスポット像が形成される。他方、被検眼80が適正な作動距離から前後に外れた場合、光源部51からのスポット像は、受光部52の光軸より上又は下に形成される。受光部52は、光源部51、光軸、受光部52を含む面内での光束位置の変化を検出できればいいので、例えば、この面内に配された1次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を使用できる。光源部51は制御信号(○内に9)で制御され、受光部52は受光信号(○内に10)を演算部90に送信する。受光信号(○内に10)は演算部90で作動距離調整に使用される。
第2の調整光学系60は、例えば、被検眼80のXY方向(被検眼80近傍の照明光学系10及び受光光学系20の光軸と垂直な面内)のアライメント調整を行なうものであって、アライメント用光源部61と集光レンズ601を有する。また、被検眼80からビームスプリッタ404までは前眼部観察系40と共通光学系となっている。
固視光学系70は、例えば、被検眼80に、固視や雲霧をさせる為の視標を投影するためのものであって、光源部(例えば、ランプ)71、固視標72、集光レンズ701、反射板702を有する。光源部71からの光束で固視標72を眼底82に照射することにより、被検眼80にその像を観察させ、視線を固視標72に安定させる。また、被検眼80からビームスプリッタ105までは照明光学系10等と共通光学系となっている。反射板702は固視光学系70における光源部71からの出射光束の光軸の方向を、照明光学系10における光源部11からの照明光束の光軸の方向、及び受光光学系20における受光部21に向かう反射光束の光軸の方向と一致させるためのものである。光源部71は制御信号(○内に11)によって制御される。
上述の光学系は、主に、入射光線が細いシングルパスとして説明したが、本実施の形態は、入射光線が太いダブルパスとしての波面収差測定に適用することも可能である。その際、光学系がダブルパス用構成で配置されるが、演算部90による測定・計算処理は同様である。
この光学系全体において、被検眼80の眼底、固視光学系70の固視標72、光源部11、受光部21が共役である。また、被検眼80の眼の瞳(虹彩)、ロータリープリズム108、受光光学系20のハルトマン板22、照明光学系10の絞り102が共役である。
[電気系構成]
図3に、波面収差測定装置1の電気系の構成例を示す。
波面収差測定装置1は、演算部90と、制御部91と、入力部92と、表示部93と、記憶部94と、第1の駆動部95と、第2の駆動部96とを備える。
演算部90は、受光部21で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部901、波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部902、求めるべき波面の色収差が、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部903、再測定判定部903において、次回の測定を行なうと判定された場合には、追加又は変更する波長を選択する波長選択部904、受光部21又は受光部41で受光された各波長の光に基づいて測定された波面収差及びその他の測定データから被検眼に関する種々の光学特性を解析する光学特性解析部905を備える。光学特性解析部905では、例えば、点像分布係数(PSF)、被検眼の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)、視力、瞳径、コントラスト感度等を解析する。
演算部90には、受光光学系20の受光部21からの受光信号(○内に4)と、前眼部観察系40の受光部41からの受光信号(○内に7)と、第1の調整光学系50の受光部52からの受光信号(○内に10)とが入力される。演算部90は、受光光学系20からの受光信号(○内に4)、前眼部観察系40からの受光信号(○内に7)に基づいて被検眼80の光学特性(例えば、波面収差、波面の色収差)を求める。また、第1の調整光学系50からの受光信号(○内に10)に基づいて被検眼80の作動距離を演算する。演算部90は、これら演算結果に応じた信号又は他の信号・データを、光学系及び電気系の制御を行なう制御部91と、表示部93と、記憶部94とにそれぞれ適宜出力する。
制御部91は、演算部90からの信号に基づいて、照明光学系10の光源111,112の点灯、消灯を制御したり、光学系移動手段15を制御したり、第1の調整光学系50の光源部51、第2の調整光学系60の光源部61、前眼部照明系30の光源31、固視光学系70の光源部71、第1の駆動部95及び第2駆動部96を制御したりするためのものである。制御部91は、演算部90での演算結果に応じた信号に基づいて制御を行なう。すなわち、照明光学系10の光源111,112に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信し、波長の切り替えを制御したり、第1の調整光学系50の光源部51、第2の調整光学系60の光源部61、前眼部照明系30の光源31、固視光学系70の光源部71に制御信号(それぞれ○内に9、○内に5、○内に6、○内に11)を送信して制御したり、第1の駆動部95を駆動してロータリープリズム108の回動を制御する回動制御信号(○内に8)を送信させたり、第2の駆動部96を駆動して光学系移動手段15に移動制御信号(○内に3)を送信させたりする。また、制御部91は波面収差測定装置1の機能を発揮させるための諸制御を行なう。さらに、制御用プログラムを用いて光源部11から出射される光の波長の切り替え等に関して自動制御を行なっても良い。
入力部92は、操作者が、各種データを入力するためのキーボード、表示部93に表示されたボタン、アイコン、位置、領域等を指示するためのポインティングデバイスを有する。表示部93は測定結果、演算結果、解析結果や操作者がデータを入力、指示するためのウインドウ等を表示する。記憶部94は被検眼80に関するデータ、波面収差の演算や補正に用いるデータ、測定における設定データ等を記憶する。また、測定を自動的に行なう場合等の制御用プログラムを記憶することもできる。
第1の駆動部95は、ロータリープリズム108を回動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して回動制御信号(○内に8)を出力してレンズ移動手段を駆動する。第2の駆動部96は、例えば、演算部90に入力された受光部21からの受光信号(○内に4)に基づいて、照明光学系10、受光光学系20及び固視光学系70の主要部を一体的に光軸方向に移動させる光学系移動手段15を駆動するものであり、光学系移動手段15に対して移動制御信号(○内に3)を出力して駆動する。受光光学系20等を光軸方向に移動させることにより、球面成分の補償を行なうことができる。
[測定フローチャート]
図4に、波面収差測定のフローチャートの例を示す。
被検者が測定位置に来て測定が開始されると、被検眼80を測定できる位置に波面収差測定装置1をアライメントする(S110)。このアライメントは、第1の調整光学系50及び第2の調整光学系60により行なわれ、手動でも自動でもよい。次に、測定開始のためトリガーがなされる(S120)。トリガーとしては、例えば、操作者による入力部92からの測定開始ボタンの操作により行なわれる。なお、演算部90でアライメントの終了信号を受けて行っても良い。トリガーに従い、照明光学系10、受光光学系20、前眼部照明系30、前眼部観察系40、固視光学系70等が測定可能な状態で待機する。次に、演算部90の波長選択部904により、照明光学系10の光源部11からの照明光束の波長が設定される(S130)。波長選択部904は測定に使用する単数又は複数の波長と測定を行なう波長の順序を設定し(これにより所定数、すなわち、測定に使用する波長数も設定される)、かつその都度の測定に用いる波長を選択する。ここでは、光源111は近赤外域の光源(波長840nm)、光源112は可視域の光源(波長560nm)とし、測定に使用する波長をこれらの光源の波長とし、所定数を2とする。通常の測定では、可視域の光での測定はまぶしいので、眼に優しい近赤外域の波長で測定される。近赤外域の光の測定で充分な結果が得られれば、近赤外域の光の測定だけで済ませることが望ましく、近赤外域の光の測定で充分な結果が得られない場合に、可視域の光での測定を行なうことが望ましい。また、選択すべき波長が複数ある場合には、長い波長から短い波長の順に測定が行われることが、眼への負担をできるだけ小さくでき望ましい。そこで、最初は光源111で測定を行なうこととする。制御部91は照明光学系10の光源111,112に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信し、光源111を点灯し、光源112を消灯する。次に、近赤外域の波長で波面収差の測定が行われる(S140)。波面収差測定(S140)は次のようである。まず、照明光学系10では、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に集光するように照射する(S141)。次に、受光光学系20では、眼底81からの反射光束をハルトマン板で複数の分割光束に分割し、複数の分割光束を受光部21で受光する(S142)。受光部21では演算部90に受光信号(○内に4)を送信する。次に、演算部90では、波面収差演算部901において、受光部21で受光された近赤外域における波長の光について波面収差を演算して求める(S143)。
波面収差の測定(S140)の後に、演算部90は、再測定判定部903において、所定数の波長で測定されたか否かを判定する(S150)。ここでは所定数は2である。再測定判定部903は波長数が所定数に達していない、すなわち未だ可視域における波長の光について測定がされていないと判定された場合には、波長選択部904において再度、光源部11からの照明光束の波長が設定(ここでは選択)される(S130)。この場合、先の設定工程(S130)で設定された測定に用いる波長の順序に従い波長が選択される。ここでは、光源112で測定を行なうものとし、制御部91は照明光学系10の光源111,112に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信し、光源111を消灯し、光源112を点灯する。次に、可視域の波長で波面収差の測定が行われる(S140)。波面収差測定(S140)内容は近赤外域の波長での波面収差の測定と同様(S141〜S143)である。波面収差の測定(S140)の後に、再測定判定部903により波長数が所定数に達したか否かを判定する(S150)。波長数が所定数に達したと判定されるまで波面収差の測定が繰り返される(S130〜S150)。ここでは所定数が2なので、波長数が所定数に達したと判定される。再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、色収差演算部902にて波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差の解析が行なわれる(S160)。ここでは、基準波長(例えばd線587.56nmに近い測定波長560nm)での波面収差からの波長変化による差異を色収差として求めることとする。基準波長での波面収差は記憶部94に記憶しておき、色収差は各波長(ここでは、840nm及び560nm)で測定された波面収差から基準波長での波面収差を差し引いて求められる。例えばd線(587.56nm)に近い測定波長560nmを基準として、軸上色収差と波面での色収差を求める。各波長での色収差が求められれば、波面収差測定を終了する。なお、図4では、色収差の解析(S160)で終了するが、波面収差の測定結果、その他の測定結果に基づいて光学特性の解析を行なうこともできる。光学特性解析部905では、例えば、PSF、MTF、視力、瞳径、コントラスト感度等を解析する。これらの解析結果は、例えば、第5の実施の形態や第10の実施の形態における再測定判定に用いられる。
[ゼルニケ解析とRMS]
波面収差W(X,Y)の測定では、ゼルニケ解析を用いる。ハルトマン板22を介して受光部21で得られた光束の傾き角に基づいて被検眼80の光学特性を把握するための重要なパラメータであるゼルニケ係数c 2j−iを算出する。演算部90は、波面収差演算部901において、ゼルニケ係数c 2j−iを算出し、これを用いて球面収差、コマ収差、非点収差等の眼光学特性を求める。
図5に波長560nm及び波長840nmにおける波面収差の測定値をゼルニケ係数表示した一覧表、図6に波長560nm及び波長840nmにおける波面収差の測定例のゼルニケ係数をグラフ化したものを示す。図5及び図6において、c 2j−iをCik(k=2j−1)又はcik(k=2j−1)と表現している(なお、iは正整数であるが、kは正又は負の整数である)。この測定例では、波長560nmと波長840nmのゼルニケ係数c 2j−i、すなわち、波面収差W(X,Y)に差異が生じていることがわかる。
つぎに、ゼルニケ解析について説明する。一般に知られているゼルニケ多項式からゼルニケ係数c 2j−iを算出する方法について説明する。ゼルニケ係数c 2j−iは、例えば、ハルトマン板22を介して受光部21で得られた光束の傾き角に基づいて被検眼80の光学特性を把握するための重要なパラメータである。
被検眼80の波面収差W(X,Y)は、ゼルニケ係数c 2j−i、ゼルニケ多項式Z 2j−iを用いて次式で表される。
ただし、(X,Y)はハルトマン板22の縦横の座標である。
また、波面収差W(X,Y)は、受光部21の縦横の座標を(x,y)、ハルトマン板22と受光部21の距離をf、受光部21で受光される点像の移動距離を(△x,△y)とすると、次式の関係が成り立つ。
ここで、ゼルニケ多項式Z 2j−iは、以下の数式で表される。
なお、ゼルニケ係数c 2j−iは、以下の数式で表される自乗誤差を最小にすることにより具体的な値を得ることができる。
ただし、W(X,Y):波面収差、(X,Y):ハルトマン板座標、(△x,△y):受光部21で受光される点像の移動距離、f:ハルトマン板22と受光部21との距離。
また、演算部90は、ゼルニケ係数c 2j−iを用いて次式により収差量RMS 2j−iを算出する。
[光学特性解析]
光学特性解析部905では、例えば、点像分布係数(PSF)、被検眼80の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)、視力、瞳径、コントラスト感度等を解析する。PSF、MTFは受光部21の出力からハルトマン板による点光源像に基づき求められる。PSFを記憶部94に記憶しておき、これを参照して視力シミュレーションを行なう。波面収差から得られた網膜像にPSFを重ね合わせる(例えば畳み込み積分する)ことにより、視力シミュレーション像を得ることができる。これらの光学特性は、被検眼80の状況を表わすものであり、IOLの使用などの発見を容易にし、また、再測定を行なうべきか否かの判定に使用される。
光学特性解析部905は、波面収差W(X,Y)に基づき瞳関数f(x,y)を次式により計算する。ここにkは波数ベクトルである。
光学特性解析部905は、ランドルト環(又は任意の像)の輝度分布関数Land(x,y)を計算する。Land(x,y)を2次元フーリエ変換して空間周波数分布FR(u,v)を求める。瞳関数f(x,y)に基づき、眼球の空間周波数分布OTFを算出し、ランドルト環(又は任意の像)の空間周波数分布FR(u,v)と眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を次式のように掛け合わせることで、眼の光学系通過後の周波数分布OR(u,v)を求める。
FR(u,v)×OTF(u,v)→OR(u,v)
光学特性解析部905は、つぎに、OR(u,v)を2次元逆フーリエ変換してランドルト環(又は、任意の像)の輝度分布画像LandImage(X、Y)を求める。
つぎに、光学特性解析部905は先に求めたPSFを記憶部94を参照して求め、求めたPSFとLandImage(X,Y)とをコンボリュ−ションすることで新たな網膜像のシミュレーション像を得る。
光学特性解析部905はランドルト環原画像に対応して、テンプレートマッチングを行なう。テンプレート画像を設定し、記憶部94にランドルト環の大きさを示す識別子に対応してこのようなテンプレート画像を記憶する。光学特性解析部905は、設定されたランドルト環の大きさに従いテンプレート画像を記憶部94から読み取り、その空間周波数分布Temp(x,y)を求める。つぎに、Temp(x,y)の2次元フーリエ変換FT(u,v)を求める。網膜像のシミュレーションによる視標画像データの空間周波数分布の2次元フーリエ変換OR(u,v)を求め、OR(u,v)とテンプレートの空間周波数分布FT(u,v)とを次式のように掛け合わせ、OTmp(u,v)を求める。
OR(u,v)×FT(u,v)→OTmp(u,v)
光学特性解析部905は、OTmp(u,v)を2次元逆フーリエ変換を行ない、TmpIm(X,Y)(4a×4aの複素数行列)を求める。TmpIm(X,Y)の絶対値の最大値を取得して点数nとする。このような相関をとることにより、シミュレーション視標画像が原画像に近ければ点数が高く、ぼやけた場合はそれに応じて点数が低くなる。
光学特性解析部905は、視力シミュレーションとしてコントラスト感度を算出することができる。波面収差に基づき眼球光学系のMTFであるMopt(r,s)を求め、求めたMTFに基づきコントラスト感度を算出する。また、算出したコントラスト感度を表示部93に表示する又は記憶部94に記憶する。
次に、MTF(Modulation transfer function)の算出について説明する。MTFは、空間周波数の伝達特性を示す指標であって、光学系の性能を表現するために広く使われている。このMTFは、例えば、1度当たり、0〜100本の正弦波状の濃淡格子に対しての伝達特性を求めることで見え方を予測することが可能である。以下に説明するように、単色MTFを用いてもよいし、白色MTFを用いてもよい。
まず、単色MTFを波面収差W(x,y)から算出する。なお、W(x,y)は、入力値(測定値)であって、角膜収差に関しては、角膜形状から求めた角膜波面収差を用いることもできる。単色MTFを求めるに際し、光学特性解析部905は、瞳関数f(x,y)を波面収差から以下のように求める。
f(x,y)=eikW(x,y)
(i:虚数、k:波数ベクトル(2π/λ)、λ:波長)
このとき、スタイルス・クロフォード効果を考慮して(e−arp(aは、例えば0.05程度)をかけても良い。ここで、rは瞳半径である。
光学特性解析部905は、この瞳関数f(x,y)をフーリエ変換することにより点像の振幅分布U(u,v)を次式のように求める。
(λ:波長
R:瞳から像点(網膜)までの距離
(u,v):像点Oを原点とし,光軸に直行する面内での座標値
(x,y):瞳面内の座標値 )
演算部210は、U(u,v)とその複素共役を掛けて、次式により点像強度分布(PSF)であるI(u,v)を求める。
I(u,v)=U(u,v)U(u,v)
つぎに、光学特性解析部905は、次式のように、PSFをフーリエ変換(又は自己相関)して規格化することによりOTFを求める。
また、OTFの大きさがMTFであるため、
MTF(r,s)=|OTF(u,v)|
が成り立つ。
つぎに、上述のように求められた単色MTFに基づいて、白色光MTFを算出する。白色光MTFを求めるには、まず、各波長でのMTFに重み付けをし、足し合わせる。ここで、上述のMTFは、波長ごとに値が異なるため、波長λでのMTFをMTFλと表わすと、
ここでは、可視光に多く重み付けをし、計算を行なう。
具体的には、色の3原色(RGB)である赤、緑、青が、例えば、656.27nm:1、587.56nm:2、及び486.13nm:1であるとすると、
MTF(r,s)=(1×MTF656.27+2×MTF587.56+1×MTF486.13)/(1+2+1)
となる。
また、白色光MTFは、一波長(840nm)のみで測定されるので、この測定結果に基づいて他の波長について校正を行ない、白色に補正することにより求めてもよい。具体的には、各波長でのMTFは、眼の収差の場合、測定波長が、例えば、840nmであるとき、模型眼により各波長840nmでの波面収差W840(x,y)からのずれ量に相当する色収差WΔ(x,y)を測定し、この色収差WΔ(x,y)にW840(x,y)を足し合わせ、この波面収差によりMTFを算出することにより求められる。すなわち、
λ(x,y)=W840(x,y)+WΔ(x,y)
となる。
また、上述のように求められたPSF=I(u,v)に基づいて、白色光PSFを算出できる。白色光PSFを求めるには、まず、白色光MTFを求めたと同様に、各波長でのPSFに重み付けをし、足し合わせれば良い。重み付けは、例えば、波長ごとの視感度特性を利用する、もしくは、高齢者の場合は水晶体が黄ばんでいる場合があるため、黄ばんでいる眼に対する視感度特性を利用して重み付けをすることで、個々の被検眼に合わせた見えの客観的評価に使用できる。
図7に白色PSFの例を示す。輪は白色PSFの等高線である。
図8に視力シミュレーション像の例を示す。図8(a)に原画像を、図8(b)にミュレーション像を示す。記憶部94に記憶したPSFを参照し、波面収差から得られた網膜像にPSFを重ね合わせる(例えば畳み込み積分する)ことにより、視力シミュレーション像を得られる。ミュレーション像は原画像に比してコントラスト感度が落ちている。
次に、コントラスト感度について説明する。コントラスト感度は、次式で表される。
(例えばPeter G. Barten:Contrast Sensitivity of the Human Eye and Its Effects on Image Quality. SPIE, Dec 1999参照)
ここで、各パラメータは以下の通りである。Mopt(r、s):眼球光学系のMTF、k:S/N比:3、T:神経系の加重時間:0.1sec、X:物体の視角:3.8deg、Xmax:空間加重の最大視角:12deg、Nmax:加重したときの最大周波数:15cycles、η:眼の光受容器の量子効率:0.3、p:光源の光子換算係数(CRT):1.24(液晶でも可)、E:網膜照度(Troland):50(cdm)×rπ(mm)=50rπ(td)(r:瞳半径)100以下、Φ:神経系ノイズのスペクトル密度:3×108sec・deg、u:側方抑制の空間周波数:7cycles/deg。この式を用いることにより眼球光学系によるコントラスト感度ではなく、他の要素(例えば、神経系)も加味した視覚系全体のコントラスト感度が予測できる。
空間周波数に対応する視覚系全体のコントラスト感度を求めることで、例えば、縞視標の見え具合を予測することができる。また、眼科医等は、例えば、表示部に表示されたコントラスト感度と自覚測定による感度とを比較することができる。
以上により、本実施の形態によれば、近赤外域と可視域の光での眼の色収差、すなわち波長ごとの収差量の変化の測定を行なえる装置及び方法を提供できる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態は、照明光学系10の光源部11に、近赤外域の光を発光する1光源と可視域の光を発光する1光源の、合計2光源を使用する例を説明したが、第2の実施の形態は、照明光学系10の光源部11に、近赤外域の光を発光する1光源と可視域のそれぞれ異なる波長の光を発光する3光源の、合計4光源を使用し、これらを順次切り替えて測定を行なう例を説明する。第1の実施の形態と同じ部位については同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する(以下の実施の形態についても同様とする)。主として第1の実施の形態と異なる点について説明する。光学系の構成(図1参照)については、可視域の光を発光する3光源として赤、緑、青の光を発光するLED、又はF線(486.13nm)、d線(587.56nm)、e線(546.07nm)、C線(656.27nm)(このうち3波長を用いる)等を発光するレーザー若しくはSLD等を使用できる。4つの光源からの光を、それぞれ4つのファイバーに入射し、ツリー型のファイバーカプラーとして4分岐カプラーを使用して光路を切り替え、1本のファイバーの出射端から出射させる。また、波面収差測定のフローチャート(図4参照)については、波長の設定工程(S130)において、波長選択部904は測定に用いる4つの波長と測定を行なう順序を設定し(所定数も4に設定される)、設定された順序で測定に用いる波長を選択する。また、再測定判定部903では4つの波長での測定の後に所定数の波長で測定されたと判定され、その後に色収差演算部902で色収差の解析が行なわれる。このときの色収差は、測定光の中の1波長を選択する、又は波長ごとの測定結果をゼルニケ係数ごとに多項式フィッティングなどを行ない、d線(587.56nm)を基準にするなどで算出する。その他の構成及び処理フローは第1の実施の形態と同様であり、近赤外域と可視域の光での眼の色収差、すなわち波長ごとの収差量の変化の測定を行なえる装置及び方法を提供できる。なお、さらに多数の光源と多分岐カプラーを使用することにより、多数の波長での色収差を求めることも可能である。また、光源部11に複数の光源を使用する場合に、波長の切り替えを容易にできる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、照明光学系10の光源部11として波長可変レーザーを使用し、近赤外域の1波長と可視域のそれぞれ異なる3波長の光を選択し、これらの波長を切り替えて測定する例を説明する。第2の実施の形態と異なる点は、ツリー型のファイバーカプラーを使用せず、波長可変レーザーが出射する光の波長を切り替えて測定を行なう点である。光源部11からの出射波長の切り替えは、例えば測定すべき波長のみ透過するフィルターを取り替えて用いることにより、又は波長可変フィルターを用いることにより行なうその他の構成及び処理は第2の実施の形態と同様であり、同様の効果を奏する。なお、2つの波長可変レーザーと2分岐型のファイバーカプラーを組み合わせる等、適当に組み合わせて使用することも可能である。さらに多数のフィルターを使用することにより、多数の波長での色収差を求めることも可能である。
図9に波長可変フィルターとして、液晶波長可変フィルター(特開2006−158547号公報参照)のバンドパス特性の例を示す。横軸に波長(nm)を、縦軸に透過率(%)を示す。液晶波長可変フィルターは、液晶への印加電圧を変化させることにより、透過波長を400〜720nmの範囲で選択可能である。図には、透過中心波長を10nmずつ変化させたときの透過光の変化の様子を示す。透過光の波長幅は約20nmであり、透過光量のピーク値は波長の増加に伴い、ほぼ単調に増加している。このフィルターは可視域をカバーできるので、近赤外域と可視域の2レーザーと2分岐カプラーとこのフィルターで光源部11を構成できる。
図10に液晶波長可変フィルターの構成例を示す。液晶波長可変フィルターは液晶チューナブルフィルター(LCTF :Liquid Crystal Tunable Filter)を数段組み合わせることにより波長を選択する。1つのLCTFは偏光板で固定波長板と液晶可変波長板を挟んで構成され、この固定波長板と液晶可変波長板の偏光板となす角度は、発生する常光線と異常光線の光路長差が液晶可変波長板によりコントロールできるように45度に固定されている。
1枚の波長板について、その厚みをdとすると常光線と異常光線の光路長差Rは次式のよに表される。
R=d×(n(e)−n(o))
ここに、n(e)は通常光線についての屈折率、n(o)は異常光線についての屈折率である。固定波長板と液晶可変波長板を組み合わせ、液晶可変波長板への印加電圧を変化させることによって光路長差Rが変化する。光路長差Rの光を偏光板により45度方向で取り出して干渉フィルター化している。
全体の透過率Tは波長をλとして次式のようになり、光路長差Rにより変化する。
T=(1/2)cos(πR/λ)
図11に液晶波長可変フィルターの波長選択方法の例を示す。出力される波長幅を狭める為に厚さの異なる波長板の組み合わせを数段(図の例では6段)重ねて、20nmの波長幅を実現している。図11(a)に6段の各LCTFのフィルター特性を重ねて示す。図11(b)に6段のLCTFを重ねた液晶波長可変フィルターのフィルター特性を示す。各LCTFの液晶可変波長板への印加電圧を変化することにより透過中心波長を任意に高速で変更でき、任意の波長成分の光を取り出すことができる。液晶波長可変フィルターは、入射光の偏光方向に影響されるので偏光した光を使用するときは、入射光の偏光角に対応したアライメントが必要である。この場合でも、液晶波長可変フィルターからの射出光は、入射光と同じ偏光方向に維持される。
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態では、測定する単数又は複数の波長を選択した後は、これらの波長について1回ずつ測定する例を説明したが、第4の実施の形態では、繰り返して連続的に測定を行なう例を説明する。例えば、制御部91でタイミングパルスを生成し、タイミングパルスに基づいて光源部11に切り替え信号を送信し、波面収差演算部901へ受光信号を送信するようにプログラミングすることにより、繰り返して連続的に測定を行なうことが可能になる。また、そのプログラムを記憶部94に記憶し、制御部91で読み出して使用する。その他の装置構成については第1の実施の形態と同様である。
図12に、本実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。主として第1の実施の形態(図4参照)と異なる点について説明する。波面収差測定装置1のアライメント(S110)の次に、測定時間について初期設定を行なう(S115)。例えば、入力部92からキーボード等で測定時間を40秒と設定する。設定された測定時間は記憶部94に記憶される。測定開始トリガー(S120)及び波長選択部904での光源の波長設定(S130)から再測定判定部903での波長数の判定(S150)までの波面収差測定のループまでは第1の実施の形態と同様である。再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、次に、再測定判定部903により測定時間が終了したか否かが判定される(S152)。再測定判定部903は測定に要した時間を記憶部94に記憶した測定時間と比較して、測定に要した時間が記憶部94に記憶した測定時間に満たないと判定された場合には、波長選択部904での光源の波長設定(S130)から再測定判定部903での波長数の判定(S150)までの波面収差測定のループが繰り返えされる。測定に要した時間が記憶部94に記憶した測定時間以上と判定された場合に波面収差の測定が終了する(S154)。次の色収差の解析(S160)は第1の実施の形態と同様であるが、各波長での測定が繰り返して連続して行なわれることにより、各波長につき複数のデータを利用して、経時変化の測定や統計処理ができる。また、光源部11から出射する光の波長の順序を予め定め、プログラム等で自動制御することにより、一連の測定を効率化できる。
図13に繰り返して連続的に測定を行なう場合の制御信号のタイミングの例を示す。制御部91はCCDを用いてタイミング信号パルスを生成する。(a)にタイミング信号パルスを示す。パルス間隔は例えば30msecとする。制御部91はタイミング信号パルス毎に光源111及び光源112に交互に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信して、光源111及び光源112の点灯と消灯を制御する。(b)に光源111への波長選択信号(○内に1)を、(c)に光源112への波長選択信号(○内に2)を示す。光源111及び光源112は波長選択信号(○内に1、○内に2)が送信されている間に発光し、照明光学系10にて被検眼80を照射し、その反射光束が受光部21に受光され、受光信号(○内に4)が演算部90に送信される。演算部90では、受光信号を受けて、波面収差演算部901が波面収差を演算して求める。(d)に受光信号(○内に4)を示す。受光信号(○内に4)は異なる波長での信号をプラス信号とマイナス信号により区別して送信する。そして、これらの信号は繰り返して連続的に送信され、2つの波長で繰り返して連続的に測定が行なわれる。なお、光源数を3以上に増やして繰り返して連続的に測定を行なうようにすることも可能である。この場合、受光信号は例えば3以上のレベルに分けるようにする。
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態では、照明光学系10の波長の設定(S130)において、波長選択部904は測定に使用する波長と測定を行なう順序を設定する際に、設定を1度だけ行ない、2つの波長で1回ずつ測定する例を説明したが、本実施の形態では、設定を2度以上行ない、しかも、使用する波長が追加又は変更される例を説明する。例えば、再測定判定部903において、求めるべき波面収差が、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する。このため、照明光学系10の光源部11に、異なる波長の光を発光する複数の光源を使用し、ツリー型のファイバーカプラーを使用し、異なる波長の光を順次切り替えて測定を行なう。その他の装置(光学系及び電気系)構成については、第1の実施の形態と同様である。
図14に、第5の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。第1の実施の形態(図4参照)と異なる点を主に説明する。まず、最初に近赤外域の波長(840nm)を設定し、次に可視域の波長(560nm)に設定する例を説明する。波面収差測定装置1のアライメント(S110)及び測定開始トリガー(S120)は第1の実施の形態と同様である。次に、波長選択部904での光源の波長設定(S130)では、最初に近赤外域の波長(840nm)に設定し、所定数を1とする。通常の測定では、可視域の光での測定はまぶしいので、眼に優しい近赤外域の波長で測定がなされる。近赤外域の光の測定で充分な結果が得られれば、近赤外域の光の測定だけで済ませることが望ましく、近赤外域の光の測定で充分な結果が得られない場合に、可視域の光での測定を行なうことが望ましい。そこで、最初は近赤外域の波長に設定し、光源111で測定を行なうこととする。制御部91は照明光学系10の光源111,112に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信し、光源111を点灯し、光源112を消灯する。次に、近赤外域の波長で波面収差の測定が行われる(S140)。波面収差測定(S140)では、眼底81に照明光束が照射され(S141)、反射光束が受光部21で受光され(S142)、波面収差演算部901により波面収差が求められる(S143)。次に、演算部90は、再測定判定部903において、所定数の波長で測定されたか否かを判定する(S150)。所定数の波長で測定されていないと判定された場合には光源の波長設定(S130)に戻り、所定数の波長で測定されたと判定されるまでループを辿る。ここでは所定数は1なので、再測定判定部903では所定数の波長で測定されたと判定される。次に、再測定判定部903は、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する(S155)。
再測定判定部903において、次回の測定を行なうと判定された場合には、光源の波長設定(S130)に戻り、波長選択部904において追加又は変更する波長を設定する。ここでは、可視域の波長(560nm)に設定し、所定数を1とすることとする。光源112で測定を行なうものとし、制御部91は照明光学系10の光源111,112に波長選択信号(○内に1、○内に2)を送信し、光源111を消灯し、光源112を点灯する。次に、可視域の波長で波面収差の測定が行われる(S140)。波面収差測定(S140)では、眼底81に照明光束が照射され(S141)、反射光束が受光部21で受光され(S142)、波面収差演算部901により波面収差が求められる(S143)。次に、演算部90は、再測定判定部903において、所定数の波長で測定されたか否かを判定する(S150)。所定数の波長で測定されていないと判定された場合には光源の波長設定(S130)に戻り、所定数の波長で測定されたと判定されるまでループを辿る。ここでは所定数は1なので、再測定判定部903では所定数の波長で測定されたと判定される。この場合は、次に、再測定判定部903は、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する(S155)。再測定判定部903において、次回の測定を行なうと判定された場合には、光源の波長設定(S130)に戻り、波長選択部904において追加又は変更する波長を選択する。再測定判定部903において前回までの測定の波長における測定で充分であると判定された場合には、色収差演算部902にて波面収差演算部901で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差の解析が行なわれる(S160)。色収差の解析については、例えば、F線(486.13nm)、d線(587.56nm)、e線(546.07nm)、C線(656.27nm)又はこれらに近い波長で波面収差を測定した場合には、d線又はこれに近い波長(560nm)を基準として、軸上色収差と波面での色収差を求める。
図15に色収差が発生している例として、光軸を含む面内でy軸(眼の上下方向)上での、瞳上の各入射位置の光での光軸との交点の近軸焦点位置からのずれ量(球面収差)を波長ごとにグラフ化した例を示す。横軸に近軸焦点位置からのずれ量(mm)、縦軸に光線が入射する瞳上でのy軸上の相対位置(解析瞳孔半径を1とする)の値を示す。これは7波長(500nm〜850nm)の例である。波長ごとに異なる色収差が得られている。これにより波長ごとの球面収差の特徴の差、色収差の程度がわかる。
再測定判定部903において、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきか否かの判定(S155)の判断基準として、例えば、受光光学系20の受光部21の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況に基づいて判定できる。すなわち、受光光のスポットが分離されている場合、ボケの程度が大きい場合に、再測定するように判定する。また、例えば、波面収差演算部901で求められた複数の波長における波面収差の波長による変化に基づいて判定できる。すなわち、波長による変化が大きい場合に再度測定するように判定する。例えば、波長による変化から可視域での波面収差を予測できない場合に再度測定するように判定する。これにより、前回までの測定結果から、次回の測定の是非を判断でき、また、次回の波面収差測定に適した波長を選択できる。
図16はボケの程度の判定を説明するための図である。図16(a)に、受光部21の受光面での受光光のボケ状況の例を示す。ボケ状況の程度は、例えば、図16(b)に示すように、点像強度分布(PSF)における半値部分の面積で評価でき、半値部分の面積を閾値と比較して、再度測定するか否かを判定できる。受光光の分離又はボケは、被検眼80に回折型IOL等が使用されている場合に生じ得る。したがって、受光光の分離又はボケの状況から回折型IOL等の使用を発見し易い。
[第6の実施の形態]
第5の実施の形態では、照明光学系10の波長の設定(S130)において、波長選択部904は設定を2度以上行ない、最初に近赤外域の波長(840nm)を設定し、次に可視域の波長(560nm)に設定する例を説明したが、第6の実施の形態では、最初に近赤外域の波長を設定し、次に可視域の3つの波長に設定する例を説明する。主として第5の実施の形態と異なる点について説明する。可視域の光を発光する3光源として赤、緑、青の光を発光するLED、又はF線(486.13nm)、d線(587.56nm)、e線(546.07nm)、C線(656.27nm)等を発光する(このうち3波長を用いる)レーザー若しくはSLDなどを使用できる。4つの光源からの光を、それぞれ4つのファイバーに入射し、ツリー型のファイバーカプラーとして、4分岐カプラー使用して光路を切り替え、1本のファイバーの出射端から出射させる。また、8つの光源と8分岐カプラー使用することも、16の光源と16分岐カプラー使用することも可能である。また、波面収差測定の再測定判定部903において、次回の測定を行なうべきか否かの判定(S155)で、次回の測定を行なうべきと判定された場合には、波長の設定工程(S130)において、波長選択部904は追加又は変更する波長を選択する。ここでは、波長選択部904は測定に用いる3つの波長と測定を行なう順序を設定し(所定数も3に設定される)、設定された順序で測定に用いる波長を選択する。また、再測定判定部903での第2回目以後の、次回の測定を行なうべきか否かの判定(S155)において、再度次回の測定を行なうべきと判定することもできる。この場合、第3回目以後の波長の設定(S130)において、さらに多くの波長を設定することも可能である。また、先の波長の設定と後の波長の設定で同じ波長を重複して設定することも可能である。なお、波長選択部904は、前回までの測定で得られた波面収差の波長による変化が小さいところでは粗い波長間隔で、波面収差の波長による変化が大きいところでは細かい波長間隔で追加又は変更する波長を選択すると、波面収差の波長による変化の様子が的確にわかる。
図17に、多波長で測定を行なった場合の各ゼルニケ係数の色収差グラフの例を示す。図17(a)にゼルニケ係数c −2の例、図17(b)にゼルニケ係数c の例を示す。この色収差はd線(587.56nm)での波面収差を基準にして、各波長での測定値からd線(587.56nm)での波面収差を差し引いて求めたものである。波長500nm〜1000nmの間でゼルニケ係数が変化している。グラフは、波長ごとの各ゼルニケ係数の結果を多項式フィッティングなどを行って表示している。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態では、眼内部の色収差測定を行なう例を説明する。本実施の形態では、照明光学系(第1の照明光学系)10の照明光束(第1の照明光束)を眼底81に照射し、受光光学系(第1の受光光学系)20で眼底81からの反射光束を受光部21(第1の受光部)で受光することに加えて、前眼部照明系(第2の照明光学系)30の照明光束(第2の照明光束)を角膜82に照射し、前眼部観察系(第2の受光光学系)40で角膜82からの反射光束を受光部(第2の受光部)41で受光する。これにより、眼底81からの波面収差(第1の波面収差)と角膜82からの角膜収差(第2の波面収差)を共に測定し、眼底81からの波面収差(第1の波面収差)から角膜82からの角膜収差(第2の波面収差)を差し引くことにより眼内部の波面収差を求められる。これを各波長について求めることにより眼内部の色収差を求められる。
図18に第7の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。主として第1の実施の形態(図4参照)と異なる点を説明する。波面収差測定装置1のアライメント(S110)及び測定開始のトリガー(S120)は第1の実施の形態と同様である。測定開始のトリガー(S120)の後に角膜収差(第2の波面収差)の測定を行なう(S125)。角膜収差の測定(S125)は、前眼部照明系(第2の照明光学系)30の照明光束(第2の照明光束)を角膜82に照射し、前眼部観察系(第2の受光光学系)40で角膜82からの反射光束を受光部(第2の受光部)41で受光し、受光信号(○内に7)を演算部90に送信し、演算部90の波面収差演算部901で波面収差を演算することにより行なわれる。例えば光源31は近赤外の波長950nmを用い、角膜からの反射光を受光部41で受光し、波面収差演算部901で受光信号から角膜形状を算出し、その後各波長の波面収差に変換する。角膜収差の測定において、例えば、角膜の屈折率、アッベ数は一般的な値(屈折率1.3375、アッベ数57.1)を使用する。次に、波面収差の測定のループ(S130〜S150)に入る。このループ(S130〜S150)の処理内容は第1の実施の形態と同様である。波面収差測定(S140)では、照明光学系(第1の照明光学系)10の照明光束(第1の照明光束)を眼底81に照射し(S141)、受光光学系(第1の受光光学系)20で眼底81からの反射光束を受光部21(第1の受光部)で受光し(S142)、波面収差演算部901で波面収差を演算して求める。波面収差の測定のループ(S130〜S150)での、再測定判定部903による波長数が所定数に達したか否かの判定(S150)で、波長数が所定数に達したと判定されると、各波長での内部収差の算出が行なわれる(S162)。すなわち、色収差演算部902にて、各波長において眼底81からの波面収差(第1の波面収差)から角膜からの角膜収差(第2の波面収差)を差し引くことにより眼内部の波面収差が求められる。そして、眼内部の波面収差の波長による変化から眼内部の色収差が求められる(S164)。これにより、角膜の曲率の影響を除いた眼の内部の色収差の測定ができる。なお、ここでは、照明光源系10の光源部11が2光源を用いる例を説明したが、多数の光源や波長可変レーザーを使用して、多数の波長における眼内部の色収差を求めることも可能である。
[角膜収差測定]
次に、角膜収差測定について説明する。演算部90は、前眼部画像(プラチドリング31入り)を取得し、記憶部94に記憶する。演算部90は、波面収差演算部901にて、前眼部画像に対して画像処理を実行して、プラチドリングと瞳エッジを検出する。次に、検出したデータに基づき、角膜形状を計算する。次に、計算された角膜形状から角膜収差(第2の波面収差)を演算する。ここで、演算結果はゼルニケ係数で得られる。
以下に角膜収差測定の詳細について説明する。まず、前眼部画像が取得される。
図19は、角膜形状の時間変化を説明する図である。図19(a)は測定開始直後であり、解析すると角膜波面収差は比較的小さい。他方、図19(b)は測定開始から30秒経過したものである。プラチドリング像がぼやけており、解析すると角膜波面収差は比較的大きい。
図20は、プラチドリング像のボケの時間変化を説明する図である。図20(a)は、測定開始直後であり、矢印で示すように、反射像がはっきりしており、プラチドリングの反射像の幅が狭い。他方、図20(b)は、測定開始から所定時間経過したものであり、矢印で示すように、反射像がぼけており、プラチドリングの反射像の幅が広い。
次に、波面収差演算部901では画像処理を行なう。取得した前眼部画像に基づき、図19における角膜の頂点の輝点を通る直線を選び、図20に示されるような直線上の強度プロファイルを得る。プロファイルに基づき、角膜頂点から、両方の方向のピーク(プラチドリング像に対応)を検知する。また、ピークの周りの強度の広がり方として、ピークの属する山の半値幅を求める。さらに、エッジに向かって次のピークを検知する。次に、角膜頂点を通る直線の角度を順次変化させて直線を選択し(例えば、最初の直線を0度、10度おきに170度まで)、一周終わるまでピークの検知を繰り返す。その後、波面収差演算部901は、各評価点でのデータを時系列比較のために記憶部94に保存する。こうして求められた角膜形状のデータは、例えば、リング及び角度毎にピーク値若しくは重心の座標値(リング位置)及び強度及び/又は半値幅等が時系列的に記憶される。
次に、角膜形状の計算法について説明する。一例として、角膜形状の測定法を、Rand RH,Howland HC,Applegate RA “Mathematical model of a placido disk karatometer and its implications for recovery of corneal topography”,Optometry and Vision Science 74(1997)p926−930に沿って説明する。
角膜形状を次の関数で表わされるとする。
=f(x,y)
ここで、x,yは角膜上の座標とする。
あるプラチドリング31からの光線が撮像素子のある点に像を形成する。プラチドリング31の位置を(x,y)、受光部41の撮像素子上の対応する点と共役の角膜82上の点を(x,y)とする(図1参照)。プラチドリング31から角膜82の関数の基準面(ゼロ位置)までの距離をZとすると、これらの関係は次の2つの組の式で表される。
ここで、Zは作動距離調整部50により、制御または正確な距離値を求めることができる。なお、fは、関数fのxについての偏微分で、fは、yについての偏微分を表わす。
ここで、プラチドリング31は円形のものを採用しているので、前眼部照明系30の中心軸に回転対称で
であり、このConstant(一定値)をr(これは装置の値であるから既知であることに注意する)で表わすとする。そうすると、測定される撮像素子上の点の位置がどのリングに属するかは、演算部90による画像処理の段階でわかるので、(画像素子上の点の座標の組)対(リングの半径)の関係が、たとえばリング11本、それぞれのリング上で360点デジタイズすれば、これに対応するだけの関係のデータ対ができる。
ここで、関数としてゼルニケの多項式での展開を採用する。通常の角膜82では、とても高次の形状変化は無いと見なしてよいので、6mm程度の解析径であれば6次程度で展開を打ち切り、
で、表わすことが可能である。ここで、rは解析する半径で、規格化のために使われている。
このゼルニケ展開を、先の2つの関係式にいれ、プラチドリングが回転対称であることを利用すると、非線形の最小二乗法を利用することにより、係数c を決めることが可能である。これによって決まった係数を再度ゼルニケ展開に代入すれば、関数f(x,y)が決まったことになり、角膜形状が求まる。
次に、角膜収差(角膜波面収差、第2の波面収差)を計算する。角膜形状が得られたので、光学設計の知られるところの非球面の光線追跡から、幾何光学的に厳密な角膜波面収差をもとめることが可能であることはよく知られている。ここでは、一例として、ごく簡単に角膜波面収差を求める方法を紹介する。例えば、角膜上6mm直径の角膜波面収差であれば、角膜形状を球面度近似し(参照球面と呼ぶ)、この実際の角膜形状から参照球面の形状の差をとり、これに、空気と角膜の屈折率(n−1)をかけることで、角膜形状から角膜波面収差を求めることができる。ただし、もともとの参照球面からも、球面収差が発生するので、これを足しておく。これにより、近似精度5%以内で、受光部41の撮像素子上の対応する点を求めることが可能である。
[第8の実施の形態]
第8の実施の形態では、模型眼を使用して、波面収差の補正を行なう例を説明する。色収差が生じない反射光束を反射する模型眼、又は予め色収差が補正されている屈折型模型眼を用いて、装置内部の波面収差を求め、被検眼で測定された波面収差から装置内部の波面収差を差し引いて、波面収差の補正を行なう。ここで、色収差が生じないとは実用上色収差を無視できる範囲も含まれるものとする。
図21に、第8の実施の形態における電気系の構成例を示す。記憶部94内に、模型眼85を用いて波面収差の測定を行った際のデータを、装置内部の波面収差として記憶しておく補正データ記憶部941を備える。また、色収差演算部902において、補正データ記憶部941に記憶された装置内部の波面収差を用いて波面収差の補正演算を行なう。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図22に模型眼85の構成例を示す。模型眼85は、開口部851、第1のミラー852、第2のミラー853、拡散板854を有する。開口部851は、照明光学系10からの照明光束(スポット光)を入射し、受光光学系20に反射光束を出射するためのものである。照明光束は、第1のミラー852及び第2のミラー853で反射されて拡散板854に入射される。また、拡散板854で反射された拡散光束は第2のミラー853及び第1のミラー852で反射され、開口部851から出射される。模型眼は複数個あり、出射される光束は、各模型眼の球面成分に応じて平行光であったり(0ディオプター)、収束光(負のディオプター)であったり、発散光(正のディオプター)であったりする。第1のミラー852及び第2のミラー853は反射光束が収差のない又は収差の少ない光束となるように、球面形状、トーリック面等に成形されている。また、第1のミラー852には反射光束が所定の直径内の光線になるように、周辺に絞り855が設けられている。模型眼85をこのように構成することにより、色収差が生じない又は色収差の少ない反射光束を出射できる。色収差の少ない屈折型模型眼の場合には補正データを作成し、補正データ記憶部941に記憶しておき、予め色収差を補正できるようにしておく。
図23に第8の実施の形態における補正データ作成のフローチャートの例を示す。第1の実施の形態における波面収差測定のフロー(図4参照)の前に、補正データ作成フローを行なっておく。この処理フローは1つの模型眼につき1度行なっておけば良い。まず、模型眼を固定する(S210)。波面収差測定装置1の光軸に模型眼85の光軸を合わせるように、金物等で固定する。次に、演算部90の波長選択部904により、照明光学系10の光源部11からの照明光束の波長が設定される(S230)。照明光束の波長の設定(S230)、波面収差の測定(S240)、波長数が所定数に達したか否かの判定(S250)の処理ループは第1の実施の形態における波面収差測定のフロー(図4参照)における照明光束の波長の設定(S130)、波面収差の測定(S140)、波長数が所定数に達したか否かの判定(S150)の処理ループと同様である。ただし、補正データ作成フローにおいては、多くの波長での波面収差の測定に適用できるように、多数の波長を細かく設定することが好ましい。再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、補正データの作成を行なう(S260)。すなわち、模型眼85を用いて波面収差の測定を行った際のデータを、補正データ記憶部941に装置内部の波面収差として記憶しておく。その後の波面収差測定の処理フローは第1の実施の形態とほぼ同様である(図4参照)。ただし、色収差解析160において、被検眼80で測定された波面収差から補正データ記憶部941に記憶された装置内部の波面収差を差し引いて波面収差の補正を行なう点が異なっている。これにより、装置内部の波面の色収差を差し引く補正処理ができる。
[第9の実施の形態]
第9の実施の形態では、固視標72の位置を調節しながら連続測定を行なう例を説明する。固視光学系70で固視標72を使用することにより、被検眼80の視線を安定化させる。また、固視標72の位置を調節することにより、固視標72を見つめる被検眼80の焦点の位置を変化させられる。したがって、固視標72の位置を変化させることにより、被検眼の焦点の位置の変化による色収差の変化を測定することができる。
図24に第9の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。主として第1の実施の形態と異なる点について説明する。波面収差測定装置1のアライメント(S110)、測定開始のトリガー(S120)、照明光束の波長の設定(S130)から波長数が所定数に達したか否かの判定(S150)までの波面収差の測定のループは第1の実施の形態と同様である。波面収差測定装置1のアライメント(S110)の次に固視標72をどのように調節するかの設定を行なう。例えば、調節量5D(固視標72の光軸方向の位置を変化させる範囲)、変化量1D(固視標72の光軸方向の位置を変化させる幅)を設定する(S112)。これらの調節量5D及び変化量1Dは記憶部94に記憶される。ここでは、調節量5Dは変化量1Dの5倍に設定されるものとする。次に、設定範囲から固視標72の光軸方向の位置を選択し、固視標72を最初の位置に設置する(S114)。次に、測定開始のためトリガーがなされる(S120)。波面収差の測定のループ(S130〜S150)において、再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、演算部90は固視標位置設定部(図示しない)において、固視標72の光軸方向の位置の変化が調節量に達したか否かを判定する(S155)。固視標位置設定部が固視標72の光軸方向の位置の変化が調節量に達していないと判断した場合は、例えば1秒の待機時間を取り(S156)、固視標72の位置を変化量1Dずつ変化させ(S157)、波面収差の測定のループの照明光束の波長の設定(S130)に戻る。すなわち、固視標72の位置を変えて各波長につき波面収差の測定が行なわれる。固視標位置設定部が固視標72の光軸方向の位置の変化が調節量に達した、すなわち固視標72の位置を変えて6回の測定が行なわれたと判断した場合は、色収差演算部902にて波面の色収差の解析が行なわれる(S160)。色収差の解析は、第1の実施の形態と同様であるが、固視標72の位置を調節した場合の色収差が求められる。また、固視標72の位置の変更、照明光学系10の光源の波長の変更はプログラム処理により実行することもでき、この場合は連続的な測定が可能となる。これにより、被険眼の視線に合わせた色収差を求められる。
[第10の実施の形態]
第5の実施の形態では、設定を2度以上行ない、しかも、使用する波長が追加又は変更される例を説明したが、第10の実施の形態では、初回の設定では近赤外域の波長に設定して測定を行ない、次に、近赤外域の波長における測定で充分であるか、不充分であり可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかを判定して、可視域の波長で測定を行なうと判定された場合に、次回の設定では可視域の波長に設定して測定を行なう例について説明する。すなわち、本実施の形態では初回の設定は近赤外域の波長に限られ、2回目の設定は可視域の波長に限られる。また、2回目の設定を行なわない場合もあり得る。また、第5の実施の形態では、色収差の測定を行なう例を説明したが、第10の実施の形態では、色収差の測定を行なわない例を説明する。主として第5の実施の形態(又は第5の実施の形態を介して第1の実施の形態)と異なる点について説明する。
従来は、波面収差の測定は、可視光での測定が望ましかったが、被測定眼がまぶしく感じるため、赤外光の単色で測定していた。また、波面の色収差すなわち、波長ごとの収差量の変化の測定はなされていなかった。しかしながら、白内障の場合、可視域での波面収差が赤外光の測定から推測できない場合がある。また、近年IOL(Intraocular Lens:眼内レンズ)やコンタクトレンズが普及し、近見遠見両用等の多焦点IOLも使用され、これら多焦点IOLでは肉眼とは波面収差や色収差が大きく異なり、可視域での波面収差が赤外光の測定から推測できない。特に、回折型のIOLでは、他覚屈折測定による赤外光による測定では正確な回折効果を測定できない。このため、可視域での波面収差の測定が必要になってきている。
図25に第10の実施の形態における電気系の構成例を示す。光学系の構成は第5の実施の形態(すなわち第1の実施の形態、図1参照)と同様である。電気系の構成では第5の実施の形態(すなわち第1の実施の形態、図3参照)に比して演算部90において、測定結果選択部906が追加され、色収差演算部902が削除されている。また、再測定判定部903では、第5の実施の形態では、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定するのに対して、本実施の形態では、近赤外域の波長における測定で充分であるか、不充分であり可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかについて判定する。また、測定結果選択部906は、再測定判定部903において、近赤外域の波長における測定で充分であると判定された場合には、近赤外域の波長における波面収差を測定結果として取得し、可視域の波長で測定を行なうと判定された場合には、可視域の波長における波面収差を測定結果として取得するものである。その他の構成は第5の実施の形態(すなわち第1の実施の形態)と同様である。
図26に第10の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。波面収差測定装置1のアライメント(S110)、測定開始のトリガー(S120)は第1の実施の形態と同様である。照明光束の波長の設定(S330)から波長数が所定数に達したか否かの判定(S350)までの近赤外域での波面収差の測定のループは、設定される波長が近赤外域の波長(ここでは840nmとする)に限定される点を除けば、第1の実施の形態と同様である。近赤外域での波面収差の測定のループ(S330〜S350)において、波面収差測定(S340)は次のようである。まず、照明光学系10では、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する(S341)。次に、受光光学系20では、眼底81からの反射光束をハルトマン板で複数の分割光束に分割し、複数の分割光束を受光部21で受光する(S342)。受光部21では演算部90に受光信号(○内に4)を送信する。次に、演算部90では、波面収差演算部901において、受光部21で受光された近赤外域における波長の光について波面収差を演算して求める(S343)。再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、再測定判定部903は次に、近赤外域の波長における測定で充分であるか、不充分であり可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかについて判定する(S400)。
可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきかの判断基準として、例えば、受光光のスポットが複数に分離されている場合、すなわち、スポット光のピーク値が局所的な領域に2点存在する場合、又はスポットにボケを生じている場合に、再測定するように判定する。また、球面収差が所定値(例えば解析する瞳孔の直径6mmで0.5)より大きい場合に再測定するように判定する。近赤外域の波長における測定で充分であると判定された場合には、測定結果選択部906は近赤外域での波面収差の解析結果を取得して表示部93に表示する(S480)。また、可視域の波長で波面収差の測定を行なうと判定された場合には、可視域での波面収差の測定のループ(S430〜S450)に入る。照明光束の波長の設定(S430)から波長数が所定数に達したか否かの判定(S450)までの波面収差の測定のループは、設定される波長が可視域の波長(ここでは560nmとする)に限定される点を除けば、第1の実施の形態と同様である。可視域での波面収差の測定のループ(S430〜S450)において、波面収差測定(S440)は次のようである。まず、照明光学系10では、光源部11から出射された照明光束をスポット光にして被検眼80の眼底81に照射する(S441)。次に、受光光学系20では、眼底81からの反射光束をハルトマン板で複数の分割光束に分割し、複数の分割光束を受光部21で受光する(S442)。受光部21では演算部90に受光信号(○内に4)を送信する。次に、演算部90では、波面収差演算部901において、受光部21で受光された近赤外域における波長の光について波面収差を演算して求める(S443)。ただし、可視域の波長で波面収差の測定を行なうべきの判定(S400)において、スポット光のピーク値が局所的な領域に2点存在すると判定された場合には、ピークが高い方のみのピークを使用して波面収差解析を行なうか、又はピークが高い方のみと低い方のみの2グループでそれぞれ波面収差解析を行なう。再測定判定部903により波長数が所定数に達したと判定された場合には、測定結果選択部906は可視域での波面収差の解析結果を取得して表示部93に表示する(S480)。
図27に受光光学系20の受光部21の受光面での撮像例を示す。図27(a)は無収差に近い眼の例で、近赤外(波長840nm)の測定で、広範囲でスポット光が格子状かつ均一に観測され、球面収差はゼルニケ係数c が0.015と微小である。図27(b)は屈折型IOLを使用している模型眼の例で、近赤外(波長840nm)の測定で、波面収差によりスポット光の様子が同心円状に変化しており、ゼルニケ係数c が0.75と比較的大きくなっている。図27(c)は回折型IOLを使用している眼の例で、可視光(波長690nm)の測定で、スポット光に分離が生じている。なお、近赤外(波長840nm)の測定では分離が観測されず、ボケを生じていた。
以上により、本実施の形態によれば、波面収差の測定を近赤外域での測定で充分か否かを判定し、不充分な場合に可視域での測定を行なえる装置及び方法を提供することができる。
[第11の実施の形態]
第10の実施の形態は、照明光学系10の光源部11に、近赤外域の光を発光する1光源と可視域の光を発光する1光源の、合計2光源を使用する例を説明したが、第11の実施の形態は、照明光学系10の光源部11に、近赤外域の光を発光する1光源と可視域のそれぞれ異なる波長の光を発光する3光源の、合計4光源を使用し、これらを切り替えて測定を行なう例を説明する。主として第10の実施の形態と異なる点について説明する。光学系の構成(図1参照)については、可視域の光を発光する3光源として赤、緑、青の光を発光するLEDを使用できる。4つの光源からの光を、それぞれ4つのファイバーに入射し、ツリー型のファイバーカプラーとして4分岐カプラー使用して光路を切り替え、1本のファイバーの出射端から出射させる。また、波面収差測定のフローチャート(図26参照)については、可視域の波長の設定工程(S330)において、波長選択部904は測定に用いる3つの波長と測定を行なう順序を設定し(所定数も3に設定される)、設定された順序で測定に用いる波長を選択する。その他の構成及び処理フローは第10の実施の形態と同様であり、波面収差の測定を近赤外域での測定で充分か否かを判定し、不充分な場合に可視域での測定を行なえる装置及び方法を提供することができる。。
[第12の実施の形態]
第12の実施の形態では、第10の実施の形態に色収差解析と光学特性解析の1例としてハルトマン像をフーリエ変換する例を説明する。
図28に第12の実施の形態における電気系の構成例を示す。第10の実施の形態(図25参照)に比して、色収差演算部902と光学特性解析部905が追加されている。色収差演算部902と光学特性解析部905は第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、光学特性解析として、ハルトマン像をフーリエ変換が行われる。
図29に第12の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す。収差測定装置1のアライメント(S110)から可視域での波面収差の測定のループ(S430〜S450)までは第10の実施の形態と同様である。次に、色収差演算部902で色収差の解析がなされる(S460)。例えば、被検眼80で回折型IOLを使用している場合には、色収差が正常眼データと比較して、大きく異なる又は符号が逆に現われるので、回折型IOLを発見し易い。次に、光学特性解析部905において、ハルトマン像のフーリエ変換が行われる(S470)。ハルトマン像のフーリエ変換の後に、測定結果選択部905は可視域での波面収差の解析結果を取得して表示部93に表示する(S480)。なお、ハルトマン像のフーリエ変換以外の光学特性解析も可能である。
図30にハルトマン像のフーリエ変換の例を示す。図30(a)にスポット光が1点になっている場合、図30(b)スポット光が2点に分離している場合を示す。横軸は周波数、縦軸は光強度であり、等価球面度に対応している。そのため、等価球面度を算出することが可能である。図30(a)では、スポット光が1点になっている。図30(b)では、近方視と遠方視に対応して2点に分離している。このため、近方視と遠方視両方の等価球面度を1度に算出することが可能である。
[第13の実施の形態]
以上の実施の形態では、波面収差測定装置について説明したが、本実施の形態では波面収差測定装置の上位概念にあたる眼光学特性測定装置について説明する。すなわち、第12の実施の形態における波面収差測定装置について、波面収差演算部で求められた各波長での波面収差に基づき、被検眼の光学特性(波面収差、屈折率、PSF、MTF、視力、コントラスト感度等)を演算する光学特性解析部905を備えるように構成すれば、眼光学特性測定装置といえる。すなわち、少なくとも可視域と近赤外域を含む複数の波長の光を発光し複数の波長の光を切り替えて出射する光源部を有し、光源部から出射された照明光束をスポット光として被検眼の眼底に照射する照明光学系と、眼底からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板と、ハルトマン板で分割された複数の分割光束を受光する受光部とを有する受光光学系と、受光部で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部と、波面収差演算部で求められた各波長での波面収差に基づき、被検眼の光学特性を演算する光学特性演算部とを備える眼光学特性測定装置として機能できる。これにより、測定に相応しい波長を選択して、被検眼の光学特性の測定ができる。
また、本発明は、以上の実施の形態のフローチャート等に記載の波面収差測定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとしても実現可能である。プログラムはコンピュータの内蔵記憶部に蓄積して使用してもよく、外付けの記憶装置に蓄積して使用してもよく、インターネットからダウンロードして使用しても良い。また、当該プログラムを記録した記録媒体としても実現可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は以上の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、以上の実施の形態で説明した態様を相互に組み合わせることが可能である。例えば、第2〜第6の実施の形態又は第10〜第12の実施の形態に第7の実施の形態の眼内部の色収差測定、第8の実施の形態の波面収差の補正、第9の実施の形態の固視標を用いた視線の調整等を組み合わせても良い。また、複数(2以上、3以上)の実施の形態の態様を組み合わせても良い。また、第10及び第11の実施の形態に色収差演算部902、光学特性解析部905を追加しても良い。また、光学系及び電気系の構成についても、例えば照明光学系10と受光光学系20の位置を取り替える等、変更可能である。また、波面収差測定の幾つかのフローチャート(図4、図14等)について、波面収差測定の直後に色収差の解析を行なう等、工程の順序を適宜変更しても良い。また、第4の実施の形態(図12参照)、第5の実施の形態(図14参照)、第9の実施の形態(図24参照)において、再測定判定部903はそれじれ2種類の判定を行なうが、第1の再測定判定部、第2の再測定判定部で役割を分担しても良い。また、以上の実施の形態では色収差の基準波長としてd線に近い波長(560nm)等を使用したが、d線、e線、F線、C線を使用しても良い。また、ビームスプリッタとしてダイクロイクミラーと波長選択性ミラーを取り替えて使用しても良く、複屈折を利用したビームスプリッタを用いても良い。また、ハルトマン板による分割光束の数、測定波長や測定に使用する波長数(所定数)等は任意に設定でき、光学機器の配置、特性等は変更可能である。
本発明は、眼からの反射光の波面収差の測定に利用される。
第1の実施の形態における波面収差測定装置の光学系の構成例を示す図である。 ビームスプリッタ(波長選択性ミラー)のフィルター特性の例を示す図である。 第1の実施の形態における波面収差測定装置の電気系の構成例を示す図である。 第1の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 波長560nm及び波長840nmにおける(x,y)座標のゼルニケ係数を示す一覧表である。 波長560nm及び波長840nmにおける波面収差の測定例を示す図である。 白色PSFの例を示す図である 視力シミュレーション像の例を示す図である 液晶波長可変フィルターのバンドパス特性の例を示す図である。 液晶波長可変フィルターの構成例を示す図である。 液晶波長可変フィルターの波長選択方法の例を示す図である。 第4の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 繰り返して連続的に測定を行なう場合の制御信号のタイミングの例を示す図である。 第5の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 瞳上の各入射位置での球面収差を波長ごとにグラフ化した例を示す図である。 ボケの程度の判定を説明するための図である。 多波長で測定を行なった場合の各ゼルニケ係数の色収差グラフの例を示す図である。 第7の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 角膜形状の時間変化を説明する図である。 プラチドリング像のボケの時間変化を説明する図である。 第8の実施の形態における電気系の構成例を示す図である。 模型眼の構成例を示す図である。 補正データ作成のフローチャートの例を示す図である。 第9の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 第10の実施の形態における波面収差測定装置の電気系の構成例を示す図である。 第10の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 受光光学系20の受光部21の受光面での撮像例を示す図である。 第12の実施の形態における電気系の構成例を示す図である。 第12の実施の形態における波面収差測定のフローチャートの例を示す図である。 ハルトマン像のフーリエ変換の例を示す図である。
符号の説明
1 波面収差測定装置
10 照明光学系
11 光源部
13 ファイバーカプラー
15 光学系移動手段
20 受光光学系
21 受光部
22 ハルトマン板
30 前眼部照明系
31 リング状光源
40 前眼部観察系
41 受光部
42 テレセントリック絞り
50 第1の調整光学系
51 光源部
52 受光部
60 第2の調整光学系
61 アライメント用光源部
70 固視光学系
71 光源部
72 固視標
80 被検眼
81 網膜(眼底)
82 角膜(前眼部)
83 水晶体
85 模型眼
90 演算部
91 制御部
92 入力部
93 表示部
94 記憶部
95 第1の駆動部
96 第2の駆動部
101,103,107 集光レンズ
102 絞り
104,106 ビームスプリッタ
105 ビームスプリッタ(波長選択性ミラー)
108 ロータリープリズム
111,112 光源
121〜123 ファイバー
201,203,205 集光レンズ
202 絞り
204 反射板
401〜403 集光レンズ
404 ビームスプリッタ
501,502 集光レンズ
601 集光レンズ
701 集光レンズ
702 反射板
851 開口部
852 第1のミラー
853 第2のミラー
854 拡散板
855 絞り
901 波面収差演算部
902 色収差演算部
903 再測定判定部
904 波長選択部
905 光学特性解析部
906 測定結果選択部
941 補正データ記憶部
○内に1,2 波長選択信号
○内に3 移動制御信号
○内に4,7,10 受光信号
○内に5,6,9,11 制御信号
○内に8 回動制御信号
2j−i ゼルニケ係数
(x,y) 角膜上の座標
(x,y) プラチドリングの位置
プラチドリングから角膜の関数の基準面までの距離

Claims (12)

  1. 複数の波長の光を切り替えて出射する光源部を有し、前記光源部から出射された照明光束をスポット光にして被検眼の眼底に照射する照明光学系と;
    前記眼底からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板と、前記ハルトマン板で分割された複数の分割光束を受光する受光部とを有する受光光学系と;
    前記受光部で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算部と;
    前記波面収差演算部で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部とを備える;
    波面収差測定装置。
  2. 前記複数の波長は少なくとも近赤外域の波長と可視域の波長を含む;
    請求項1に記載の波面収差測定装置。
  3. 波面収差の測定について、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部と;
    前記再測定判定部において、次回の測定を行なうと判定された場合には、前記追加又は変更する波長を選択する波長選択部とを備え;
    前記再測定判定部は、前記受光部の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況に基づいて前記次回の測定を行なうべきかの判定を行ない、前記波長選択部は、前記受光部の受光面での受光光の分離状況又はボケ状況に基づいて前記次回の測定で追加又は変更する単数又は複数の波長を選択する;
    請求項1又は2に記載の波面収差測定装置。
  4. 波面収差の測定について、前回までの測定の波長における測定で充分であるか、不充分であり波長を追加又は変更して次回の測定を行なうべきかを判定する再測定判定部と;
    前記再測定判定部において、次回の測定を行なうと判定された場合には、前記追加又は変更する波長を選択する波長選択部とを備え;
    前記再測定判定部は、前記波面収差演算部で求められた波面収差の波長による変化に基づいて前記次回の測定を行なうべきかの判定を行ない;
    前記波長選択部は、前記波面収差演算部で求められた波面収差の波長による変化に基づいて前記次回の測定で追加又は変更する単数又は複数の波長を選択する;
    請求項1又は2に記載の波面収差測定装置。
  5. 前記波長選択部は、前記追加又は変更する波長を選択する際に、長い波長から順次選択する;
    請求項3又は4に記載の波面収差測定装置。
  6. 前記波長選択部は、前回までの測定で得られた波面収差の波長による変化が小さいところでは粗い波長間隔で、波面収差の波長による変化が大きいところでは細かい波長間隔で前記追加又は変更する波長を選択する;
    請求項4に記載の波面収差測定装置。
  7. 前記光源部は、異なる波長の光を発光する複数の光源と、入射端から入射された光を通過させ出射端に出射させる複数のファイバーと、2つのファイバーから入射された光を結合して他の1つのファイバーに出射する単数又は複数のファイバーカプラーとを有し、前記複数のファイバーと前記単数又は複数のファイバーカプラーはツリー型に接続され、前記複数の光源から出射された波長の異なる光をそれぞれ異なるファイバーの入力端から入射し、いずれか1つの光源が発光する1つの波長の光を選択して1つのファイバーの出力端から出射するように構成されている;
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  8. 前記被検眼として、色収差が生じない又は予め色収差が補正されている反射光束を反射する模型眼を用いて、各波長により波面収差の測定を行った際のデータを装置内部の波面収差として記憶しておく補正データ記憶部を備え;
    前記色収差演算部は、前記波面収差演算部で求められた各波長の波面収差から、前記補正データ記憶部に記憶されている各波長における前記装置内部の波面収差を除去することにより、被検眼の波面の色収差を求める;
    請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  9. 前記光源部から出射する光の波長の順序を予め定め、自動的かつ連続的に切り替える;
    請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  10. 前記被検眼の視線を固視標に安定させるために、前記被検眼に可視域の波長からなる固視光束を照射する固視光学系を備え;
    前記固視標は、前記固視光学系の光軸方向に位置を調節可能であり;
    前記波面収差演算部は、前記受光部で受光された各波長の光について球面成分を求め;
    前記色収差演算部は、前記球面成分の波長に対する変化に基づき、前記固視標の位置の調節状態における前記被検眼からの波面の色収差を求める;
    請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
  11. 複数の波長の光を切り替えて出射する光源部を有し、前記光源部から出射された第1の照明光束をスポット光にして被検眼の眼底に照射する第1の照明光学系と;
    前記眼底からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板と、前記ハルトマン板で分割された複数の分割光束を受光する第1の受光部とを有する第1の受光光学系と;
    角膜の表面に第2の照明光束を照射する第2の照明光学系と;
    前記角膜の表面からの反射光束を受光する第2の受光部を有する第2の受光光学系と;
    前記第1の受光部で受光された各波長の光について演算して求めた波面収差を第1の波面収差とし、前記第2の受光部で受光された各波長の光について演算して求めた波面収差を第2の波面収差とし、前記第1の波面収差から前記第2の波面収差を除去することにより眼内部の波面収差を求める波面収差演算部と;
    各波長の前記眼内部の波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算部とを備える;
    波面収差測定装置
  12. 複数の波長の光を切り替えて出射する光源部を用い、前記光源部から出射する波長を設定する設定工程と;
    前記光源部から出射された照明光束をスポット光にして被検眼の眼底に照射する照明工程と;
    前記眼底からの反射光束を複数の分割光束に分割するハルトマン板を用い、前記ハルトマン板で分割された複数の分割光束を受光する受光工程と;
    前記受光工程で受光された各波長の光について波面収差を演算して求める波面収差演算工程と;
    所定数の波長で測定が行われたかを判定する再測定判定工程と;
    前記再測定判定工程で所定数の波長で測定が行われなかったと判定された場合には、前記設定工程、前記照明工程、前記受光工程、前記波面収差演算工程及び前記再測定判定工程を再度行なう再測定工程と;
    前記再測定判定工程で所定数の波長で測定が行われたと判定された場合には、前記波面収差演算工程で求められた各波長での波面収差に基づき波面の色収差を求める色収差演算工程とを備える;
    波面収差測定方法。
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