JP2010098905A - プレーナ型アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】トーションバー上のアルミニウム配線の物性変化に起因するアクチュエータの駆動特性の変化を抑制することによりプレーナ型アクチュエータの経時的安定性を向上させる。
【解決手段】トーションバー3に不純物拡散による拡散導通部9を形成し、拡散導通部9上にトーションバー3の軸方向で複数に分断した配線パターンのアルミニウム配線6を配置する。これにより、アルミニウム配線の捩れ剛性がトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響を小さくでき、アルミニウム配線の捩れ剛性が変化してもアクチュエータの駆動特性の変化を抑制できるようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体製造技術を利用して製造するプレーナ型アクチュエータに関し、特に、トーションバー軸回りに可動部を駆動するアクチュエータの可動部駆動特性の安定化を図る技術に関する。
従来、この種のプレーナ型アクチュエータとして、例えば特許文献1に記載された電磁駆動式のプレーナ型アクチュエータがある。このアクチュエータは、半導体基板を異方性エッチングして、枠状の固定部と、可動部と、固定部に可動部を揺動可能に軸支するトーションバーとを一体形成し、可動部に駆動コイルを設け、トーションバーの軸方向と平行な可動部両端縁部の駆動コイル部分に静磁界を作用させる静磁界発生手段(例えば永久磁石)を設けて構成される。そして、外部の駆動回路から駆動コイルに電流を供給し、駆動コイルを流れる電流と永久磁石の静磁界との相互作用により発生する駆動力(ローレンツ力)により可動部をトーションバーの軸回りに駆動する。可動部に反射ミラーを設ければ、可動部を揺動駆動することで反射ミラーに照射した光ビームの反射光を走査できるので、光スキャナやレーザプロジェクタ等の光デバイスにおける光走査用アクチュエータとして好適である。
特開2007−295780号公報
ところで、可動部に駆動コイル等の電気要素があるこの種のアクチュエータでは、外部回路から可動部の電気要素に電力を供給するために、トーションバー上に導電性を有する配線として例えば金属配線を形成する。この場合、可動部の駆動特性(共振周波数等)は、金属配線を含めたトーションバー全体(トーションバーを形成する半導体基板材料と金属配線)の捩れ剛性で決まり、金属配線の捩れ剛性の影響を受ける。前記金属配線には、一般にアルミニウム配線を用いているが、アルミニウム配線は、可動部駆動時のトーションバーの捩れ運動の繰返しにより発生する剪断応力によりストレスマイグレーションが生じてボイドが発生し、アルミニウム配線の物性変化により捩れ剛性が変化する。このアルミニウム配線の剛性変化の影響によりアクチュエータの可動部駆動特性が経時的に変化する虞れがある。
従来、トーションバー上のアルミニウム配線は、均質に連続させた単一の配線パターンが一般的である。かかる従来の配線パターンの場合、トーションバーの捩れ運動に伴ってアルミニウム配線に発生する剪断応力が大きい。言い換えれば、従来の配線パターンではアルミニウム配線の捩れ剛性が大きく、前述したアルミニウム配線の剛性変化がトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響が大きい。このため、アルミニウム配線の剛性変化によるアクチュエータの可動部駆動特性(共振周波数等)の経時的な変化も大きくなるという問題がある。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、トーションバー上の導電性を有する配線の配線パターンを工夫することにより、導電性を有する配線の捩れ剛性変化がトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響を低減し、以って、アクチュエータの可動部駆動特性の経時的安定性を向上させたプレーナ型アクチュエータを提供することを目的とする。
このため、本発明は、固定部と、可動部と、前記固定部に前記可動部を揺動可能に軸支するトーションバーとを、半導体基板で形成し、前記可動部に設けた電気要素に電気的に接続する導電性を有する配線を、前記トーションバー上に形成する構成としたプレーナ型アクチュエータにおいて、前記トーションバー上の前記導電性を有する配線の配線パターンを、導電性を有する配線の捩れ剛性が当該導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響が小さくなるような配線パターンとしたことを特徴とするプレーナ型アクチュエータ。
かかる構成では、導電性を有する配線の捩れ剛性が当該導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響が小さくなるような配線パターンとすることにより、トーションバーの捩れ運動の繰返しにより導電性を有する配線の捩れ剛性が変化しても、導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の剛性変化を抑制できるようになり、可動部の駆動特性(共振周波数等)の経時的な変化を抑制できるようになる。
具体的には、請求項2のように、前記導電性を有する配線の配線パターンが、前記トーションバーの捩れ運動に伴って前記導電性を有する配線に発生する剪断応力が、均質に連続する単一配線の配線パターンより小さくなるような配線パターンとするとよい。この場合、例えば、請求項3のように、前記導電性を有する配線の配線パターンは、当該導電性を有する配線をトーションバーの軸方向で複数に分断する配線パターンであり、前記分断部分を補助導通部を設けて電気的に導通させる構成とするとよい。また、請求項8のように、前記配線パターンは、導電性を有する配線をトーションバーの幅方向で複数に分割する配線パターンとしてもよい。
請求項3の構成において、請求項4のように、前記補助導通部は、前記トーションバーの半導体材料に不純物を拡散させて形成した拡散導通部及び前記導電性を有する配線より捩れ剛性の高い金属のいずれか一方で形成するとよい。また、請求項5のように、前記補助導通部が、前記導電性を有する配線より捩れ剛性の高い金属としてもよい。請求項4又は請求項5の構成において、請求項6のように、前記補助導通部を、前記導電性を有する配線の少なくとも前記分断部分が位置するトーションバー部分に形成する構成とすればよい。更に、好ましくは、請求項7のように、前記補助導通部を、トーションバーの軸方向に沿って前記可動部から前記固定部にかけて形成し、前記補助導通部上に前記導電性を有する配線を配置する構成とするとよい。
請求項8の構成において、請求項9のように、前記複数に分割した導電性を有する配線の互いに隣接する配線間を電気的に接続する構成とするとよい。
請求項1又は2の構成において、請求項10のように、前記導電性を有する配線の配線パターンが、当該導電性を有する配線を略千鳥格子状に形成する配線パターンであり、前記トーションバーの軸方向に沿って前記可動部から前記固定部にかけて不純物拡散により形成した導通領域上に、前記略千鳥格子状の前記導電性を有する配線を配置し、該略千鳥格子状の前記導電性を有する配線間を前記導通領域を補助導通部として電気的に接続する構成としてもよい。
請求項11のように、アクチュエータは、前記電気要素が、駆動コイルであり、該駆動コイルに前記導電性を有する配線を介して電流を供給することにより発生する駆動力で、前記可動部を前記トーションバーの軸回りに駆動する構成である。
また、請求項12のように、前記導電性を有する配線を金属配線とするとよい。
かかる本発明のプレーナ型アクチュエータによれば、導電性を有する配線の配線パターンを、導電性を有する配線の捩れ剛性が当該導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響が小さい配線パターンとすることで、トーションバーの捩れ運動の繰返しにより導電性を有する配線の捩れ剛性が変化しても、導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性の変化を抑制できる。従って、アクチュエータの可動部駆動特性(共振周波数等)の経時的変化を抑制でき、アクチュエータの可動部駆動特性安定性を高めることができ、この種のアクチュエータの信頼性を向上できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に係るプレーナ型アクチュエータの一実施形態の概略構成を示す。
図1に示すアクチュエータ1は、半導体製造技術を利用して製造した電磁駆動式のプレーナ型アクチュエータである。
図1において、このアクチュエータ1は、枠状の固定部2に一対のトーションバー3,3を介して揺動可能に可動部4を軸支する。固定部2、トーションバー3,3及び可動部4は、半導体基板を用いて一体に形成される。可動部4には、可動部4周縁部に通電により磁界を発生する電気要素としての駆動コイル5を形成する。駆動コイル5は、トーションバー3,3上に形成した導電性を有する配線として例えばアルミニウム配線6,6を介して固定部2に形成した一対の電極端子7,7に電気的に接続する。電極端子7,7は図示しない外部の駆動回路に例えばワイヤーボンディング等により電気的に接続される。また、例えば、トーションバー3,3の軸方向と平行な可動部対辺部と対面する固定部2の外方には、トーションバー3,3の軸方向と平行な可動部対辺部の駆動コイル5部分に静磁界を作用する静磁界発生手段である一対の例えば永久磁石8,8が、互いに反対磁極を対向して配置されている。尚、永久磁石8,8に代えて電磁石を用いてもよい。
前記トーションバー3,3上のアルミニウム配線6,6の配線パターンは、アルミニウム配線6,6の捩れ剛性がアルミニウム配線6,6も含めたトーションバー全体(アルミニウム配線とトーションバーを形成する半導体基板材料)の捩れ剛性に及ぼす影響が小さくなるような配線パターンとしてある。具体的には、トーションバーの捩れ運動に伴ってアルミニウム配線6,6に発生する剪断応力が、均質に連続する単一のアルミニウム配線を配線した従来の配線パターンの場合より小さくなるような配線パターンである。
図2に、本実施形態のアクチュエータ1のトーションバー部分の拡大図を示す。尚、図2は、図1の右側のトーションバー部分を示してある。
本実施形態は、トーションバーの捩れ運動に伴ってアルミニウム配線6,6に発生する剪断応力が、均質に連続する単一のアルミニウム配線を配線した従来の配線パターンの場合より小さくなるような配線パターンとして、図2に示すように、アルミニウム配線6をトーションバー3の軸方向で複数に分断した配線パターンとした。この場合、アルミニウム配線6の分断部分は電気的に非導通状態となるので、かかる分断部分を補助導通部を設けて導通させている。本実施形態では、トーションバー3の軸方向に沿って可動部4から固定部2にかけて、半導体基板材料に不純物を拡散させて形成した拡散導通部9を前記補助導通部として形成し、この拡散導通部9上にアルミニウム配線6を図2のように配置する構成とした。トーションバー3側のアルミニウム配線6の可動部側端部は、前記拡散導通部9を介して駆動コイル5のコンタクト部5A(図1に示す)に電気的に接続している。尚、図1の左側のトーションバー3のアルミニウム配線6の可動部側端部は、図1に示すように駆動コイル5と直接電気的に接続している。また、トーションバー3の軸方向における分断箇所は、少なくとも1箇所以上あればよい。
図2のアルミニウム配線パターンの形成工程を図3及び図4に基づいて簡単に説明する。尚、図3は、図1のX−X矢視断面図である。
工程(a)では、例えば半導体基板としてSOI基板100を準備し、このSOI基板100の両面に、例えば酸化炉によって酸化膜(SiO2膜)101a,101bを形成する。尚、SOI基板100は、例えばシリコン活性層100aと、埋め込み酸化膜100bと、シリコン支持基板層100cを積層した構造である。
次に、工程(b)において、拡散導通部9を形成する。酸化膜101aの拡散導通部形成領域に相当する部分を除去し、不純物イオンの注入或いは熱拡散によって拡散導通部9を形成する。
次に、工程(c)において、工程(b)で形成した拡散導通部9上に、工程(a)と同様にして酸化膜(SiO2膜)を形成する。
次に、工程(d)において、SOI基板100裏面の酸化膜101bを除去した後、酸化膜101aのアルミニウム配線と拡散導通部9の接触部以外の部分をマスクし、酸化膜をエッチング除去する。
次に、工程(e)において、SOI基板100の略全面にアルミニウムの薄膜を例えばスパッタリング等により形成し、駆動コイル5、アルミニウム配線6、電極端子7及びコンタクト部5Aにそれぞれ相当する部分を、ポジ型レジストでマスクしてアルミニウム薄膜をエッチングし、ポジ型レジストを除去する。これにより、駆動コイル5、電極端子7、図2に示す配線パターンのアルミニウム配線6、コンタクト部5Aを形成する。
次に、工程(f)において、電極端子7部分を除いて、駆動コイル5及びアルミニウム配線6上に例えば感光性ポリイミド等の絶縁物質による保護膜102を形成する。
その後、図示しないが、従来と同様にしてSOI基板100の所定領域をエッチング除去し、固定部2、可動部4及びトーションバー3,3を形成し、アクチュエータ1が形成される。
かかる構成のアクチュエータ1によれば、トーションバー3,3上のアルミニウム配線6,6の捩れ剛性が低下し、アルミニウム配線6,6がアルミニウム配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響を従来の配線パターンより小さくできる。従って、トーションバー3,3の捩れ運動の繰返しによるストレスマイグレーションに起因したアルミニウム配線6,6の捩れ剛性が変化したとしても、アルミニウム配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性の変化を抑制できる。このため、可動部4の駆動特性(共振周波数等)の経時的な変化が少なく、アクチュエータ1の駆動特性の経時的安定性を高めることができ、アクチュエータ1の性能信頼性を向上できる。
また、駆動コイル5の内側端部とアルミニウム配線6とを接続するために従来では駆動コイルを2層構造にする必要があったが、本実施形態のように拡散導通部9によって駆動コイル5のコンタクト部5Aとアルミニウム配線6とを接続する構成とすれば、駆動コイル5を1層構造で形成することができる利点がある。更に、可動部4から固定部2にかけてトーションバー3,3の全域に不純物を拡散させて拡散導通部9を形成し、拡散導通部9上にアルミニウム配線6,6を配置する構成としたので、例えば可動部4の駆動中にアルミニウム配線部分が万が一断線したとしても、拡散導通部9を介して駆動コイル5と外部回路との導通を維持でき、可動部4の駆動を継続できるので、アクチュエータ1の信頼性を高めることができる。
上記実施形態は、配線パターンを、1本のアルミニウム配線6,6をトーションバー3,3の軸方向で複数に分断する構成としたが、図5に示すように、トーションバー3,3の軸方向で複数に分断したアルミニウム配線を、更にトーションバー3,3の幅方向で複数に分割して複数本の分断アルミニウム配線を並設した配線パターンとしてもよい。ここで、トーションバーの幅方向とは、トーションバーの軸方向に対して直角方向であり、従って、トーションバーの幅方向で複数に分割するとは、トーションバー上のアルミニウム配線をトーションバーの軸方向に沿って複数に分割することと対応している。
図6に、トーションバー3,3上のアルミニウム配線パターンについて、アルミニウム配線のトーションバー軸方向の分断数及びアルミニウム配線のトーションバー幅方向の分割数(図中、ラインとしてある)とアルミニウム配線に発生する剪断応力(図中、実線で示す)及び可動部4の共振周波数(図中、一点鎖線で示す)との関係についてのシミュレート結果を示す。
図6中の従来パターンとは、均質に連続させた1本のアルミニウム配線をトーションバー上に配線した場合である。また、配線なしとは、トーションバー上にアルミニウム配線をしない場合である。図中の実線で示す剪断応力は、アルミニウム配線自体に発生する剪断応力を示したもので、図中の一点鎖線で示す可動部4の共振周波数は、対応する配線パターンのアルミニウム配線をトーションバー上に形成した場合の共振周波数を示している。
図6から、従来の配線パターンに比べてアルミニウム配線を分割及び/又は分断した配線パターンとした場合の方が、アルミニウム配線に発生する剪断応力が小さいなることが分かる。また、分断数及び分割数(ライン数)が多い方が剪断応力が小さくなる傾向にあることが分かる。また、発生する剪断応力が小さい配線パターンの時の可動部4の共振周波数は、アルミニウム配線のない場合のトーションバー(半導体基板材料)の共振周波数に近づくようになることが分かる。以上から、発生する剪断応力が小さい配線パターンとすることにより、アルミニウム配線の捩れ剛性が変化してもその変化幅は小さく、アクチュエータ1の可動部駆動特性の経時的変化が抑制できることがわかる。
図7に、アルミニウム配線をトーションバー3,3の軸方向で複数に分断し、分断部分の導通を補助導通部9で補う必要のある配線パターンのいくつかの変形例を示す。
図7の(a)の配線パターンは、拡散導通部9上にアルミニウム配線6を千鳥格子状に配置したものである。
(b)は、拡散導通部9上にアルミニウム配線6を格子状に配置したものである。
(c)は、拡散導通部9上にアルミニウム配線6を多角形形状にして所定間隔を設けて配置したものである。
(d)は、拡散導通部9上にアルミニウム配線6を三角形形状にして所定間隔を設けて配置したものである。
(e)も、拡散導通部9上にアルミニウム配線6を円形形状にして所定間隔を設けて配置したものである。
尚、図2、図5及び図7に示す各配線パターンでは、可動部4から固定部2にかけてトーションバー3,3の全域に不純物を拡散させて拡散導通部9を形成する構成を示したが、拡散導通部9は、電気的に非導通であるアルミニウム配線の分断部分に少なくとも設け、分断部分を互いに電気的に導通状態とするようにすればよいことは言うまでもない。
また、補助導通部をアルミニウムより捩れ剛性の高い金属、例えばチタン等で形成してもよい。この場合、チタン等は、アルミニウムのようにトーションバーの捩れ運動の繰返しによる物性変化がほとんどないので、その捩れ剛性の経時的変化が少ない。このため、可動部の駆動特性の経時的変化も少なく、この種のプレーナ型アクチュエータにおける可動部の駆動特性の経時的安定性を得ることができる。
上記実施形態では、トーションバー3,3の捩れ運動に伴ってアルミニウム配線6,6に発生する剪断応力が従来の配線パターンより小さくなる配線パターンとして、アルミニウム配線6,6をトーションバー3,3の軸方向で複数(少なくとも2本)に分断する構成としたが、アルミニウム配線6,6に発生する剪断応力が従来の配線パターンより小さくなる配線パターンとして、トーションバー3,3の幅方向で複数に分割する配線パターンとしてもよい。この配線パターンによれば、駆動コイル5側から電極端子7側までアルミニウム配線が連続形成されるので、前述の実施形態のような分断部分が存在せず補助導通部は不要である。
図8に、アルミニウム配線をトーションバー3,3の幅方向で複数に分割する配線パターン、言い換えれば、トーションバー3,3の軸方向に沿って複数に分割する配線パターンの例を示す。
図8の(a)は、アルミニウム配線をトーションバー3,3の幅方向で単純に複数に分割した配線パターンである。尚、図では5分割した配線パターンを示したが、2分割以上であればよい。
(b)は、複数に分割したアルミニウム配線の互いに隣接するアルミニウム配線間を直線的に格子に接続した配線パターンである。
(c)は、複数に分割したアルミニウム配線の互いに隣接するアルミニウム配線間の接続配線を交互にずらした配線パターンである。
(d)は、複数に分割したアルミニウム配線の互いに隣接するアルミニウム配線間の接続配線を斜めに設けた配線パターンである。
(e)は、複数に分割したアルミニウム配線の互いに隣接するアルミニウム配線間の接続配線を斜めに設け、且つ、接続配線の斜めの向きを交互に逆にした配線パターンである。
また、トーションバー3,3の捩れ運動に伴ってアルミニウム配線6,6に発生する剪断応力が従来の配線パターンより小さくなる配線パターンのその他の例として、図9に示すような配線パターンが考えられる。
図9の(a)は、ダイヤ形状の配線パターンである。
(b)は、トーションバー3上に形成したアルミニウム薄膜を部分的に多角形形状に抜いた配線パターンである。
(c)は、アルミニウム薄膜を部分的に三角形形状に抜いた配線パターンである。
(d)は、アルミニウム薄膜を部分的に円形形状に抜いた配線パターンである。
(e)は、(b)の配線パターンの逆で、多角形形状のアルミニウム薄膜を互いに接続配線で接続した配線パターンである。
(f)は、(c)の配線パターンの逆で、三角形形状のアルミニウム薄膜を互いに接続配線で接続した配線パターンである。
(g)は、(d)の配線パターンの逆で、円形形状のアルミニウム薄膜を互いに接続配線で接続した配線パターンである。
上記実施形態では、トーションバー上に配線する導電性を有する配線としてアルミニウム配線の例を示したが、金、銀や銅等の金属で、かつ、トーションバーの捩れ運動の繰返しにより物性変化する配線に本発明を適用しても同様の効果を有することは言うまでもない。
また、上記実施形態では、電磁駆動式のアクチュエータに適用した例を示したが、本発明の適応が可能なアクチュエータは、これに限らず、可動部に電気要素を備えてトーションバー上にアルミニウム配線を設けるアクチュエータであれば、静電駆動式、圧電駆動式等、いかなる駆動方式のアクチュエータでも適用できる。
また、外側トーションバーで軸支した外側可動部と、外側トーションバーと軸方向が互いに直交する内側トーションバーで前記外側可動部に軸支した内側可動部を備え、内側可動部を2次元的に駆動可能なアクチュエータにも適用できる。
本発明に係るプレーナ型アクチュエータの一実施形態を示す平面図 同上実施形態のトーションバー部分の拡大図 アルミニウム配線の形成工程の説明図 図3に続くアルミニウム配線の形成工程の説明図 トーションバー軸方向で分断するアルミニウム配線パターンの別の例を示す図 アルミニウム配線パターンとアルミニウム配線の剪断応力とアクチュエータの共振周波数との関係を示すグラフ トーションバー軸方向で複数に分断し補助導通部を必要とする配線パターンの更に別の例を示す図 アルミニウム配線をトーションバーの幅方向で複数に分割する配線パターンの例を示す図 アルミニウム配線に発生する剪断応力を従来の配線パターンより小さくする配線パターンの他の例を示す図
符号の説明
1 アクチュエータ
2 固定部
3,3 トーションバー
4 可動部
5 駆動コイル
6,6 アルミニウム配線
7 電極端子
8,8 永久磁石
9 拡散導通部

Claims (12)

  1. 固定部と、可動部と、前記固定部に前記可動部を揺動可能に軸支するトーションバーとを、半導体基板で形成し、前記可動部に設けた電気要素に電気的に接続する導電性を有する配線を、前記トーションバー上に形成する構成としたプレーナ型アクチュエータにおいて、
    前記トーションバー上の前記導電性を有する配線の配線パターンを、前記導電性を有する配線の捩れ剛性が当該導電性を有する配線も含めたトーションバー全体の捩れ剛性に及ぼす影響が小さくなるような配線パターンとしたことを特徴とするプレーナ型アクチュエータ。
  2. 前記導電性を有する配線の配線パターンが、前記トーションバーの捩れ運動に伴って前記導電性を有する配線に発生する剪断応力が、均質に連続する単一配線の配線パターンより小さくなるような配線パターンとした請求項1に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  3. 前記導電性を有する配線の配線パターンは、当該導電性を有する配線をトーションバーの軸方向で複数に分断する配線パターンであり、前記分断部分を補助導通部を設けて電気的に導通させる構成である請求項1又は2に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  4. 前記補助導通部が、前記トーションバーの半導体材料に不純物を拡散させて形成した拡散導通部である請求項3に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  5. 前記補助導通部が、前記導電性を有する配線より捩れ剛性の高い金属である請求項3に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  6. 前記補助導通部を、前記導電性を有する配線の少なくとも前記分断部分が位置するトーションバー部分に形成する構成とした請求項4又は5に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  7. 前記補助導通部を、トーションバーの軸方向に沿って前記可動部から前記固定部にかけて形成し、前記補助導通部上に前記導電性を有する配線を配置する構成とした請求項6に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  8. 前記配線パターンは、前記導電性を有する配線をトーションバーの幅方向で複数に分割する配線パターンである請求項1又は2に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  9. 前記複数に分割した導電性を有する配線の互いに隣接する配線間を電気的に接続する構成である請求項8に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  10. 前記導電性を有する配線の配線パターンが、当該導電性を有する配線を略千鳥格子状に形成する配線パターンであり、前記トーションバーの軸方向に沿って前記可動部から前記固定部にかけて不純物拡散により形成した導通領域上に、前記略千鳥格子状の前記導電性を有する配線を配置し、該略千鳥格子状の前記導電性を有する配線間を前記導通領域を補助導通部として電気的に接続する構成とした請求項1又は2に記載のプレーナ型アクチュエータ。
  11. 前記電気要素が、駆動コイルであり、該駆動コイルに前記導電性を有する配線を介して電流を供給することにより発生する駆動力で、前記可動部を前記トーションバーの軸回りに駆動する構成である請求項1〜10のいずれか1つに記載のプレーナ型アクチュエータ。
  12. 前記導電性を有する配線は、金属配線である請求項1〜11のいずれか1つに記載のプレーナ型アクチュエータ。
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