JP2010098708A - 同軸線通信装置とその調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる同軸線通信装置とその調整方法を提供する。
【解決手段】本発明の通信装置に係る同軸線通信装置1は、同軸線25を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する放送信号判定部5と、放送信号判定部5による判定結果に基づいて、通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整する制御部1と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋内に配設された同軸線を用いた同軸線通信装置とその調整方法に関するものである。
パソコンやデジタル家電製品の普及に伴って、住宅内にLAN(ローカルエリアネットワーク)を構築することがある。住宅内にLANを構築する場合、無線LANや電力線通信装置(PLCモデム)が用いられることが多いが、近年、屋内に配設されテレビ等の放送信号を伝送する同軸線を用いてより高速なデータ通信が可能な同軸線通信装置が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
NTTネオメイト−NEOSTYLESHOP−c.LINKサービス、[2008年8月21日検索]、インターネット<URL:HTTP://neostyle.ntt−neo.com/clink/clink.html>
上記同軸線通信装置は、住宅等の各部屋に配設された放送信号を伝送するための同軸線に接続される。この同軸線は、放送電波を受信するためのアンテナが接続された分配器を介して各部屋に配設されており、同軸線通信装置は、分配器を介して接続された各部屋ごとの同軸線を信号伝送路として用いる。
しかし、同軸線通信装置が出力する通信信号を同軸線に伝送させると、その通信信号が分配器を通過してアンテナに到達し、アンテナから当該通信信号が電磁波として放射される、いわゆる不要輻射を発生させてしまうおそれがある。
上記アンテナからの不要輻射を抑制するには、通信信号がアンテナ側に到達するのを遮断するためのフィルタをアンテナと分配器との間に設けたり、同軸線通信装置同士による通信が確立できる範囲で、通信信号の通信信号レベルを極力抑えるといったことが考えられる。
しかし、上記フィルタをアンテナと分配器との間に設けるには、専門的な知識を要するので、同軸線通信装置を購入したユーザが容易に設置できないという問題がある。
また、通信が確立できる範囲で通信信号レベルを抑えれば、不要輻射は抑制されるが、通信品質が劣化するという問題が生じる。加えて、住宅等におけるTV放送の受信態様によっては、不要輻射が抑制される場合があり、このような場合にまで、通信信号レベルを抑えた設定とすると、得ることができる最大限の通信品質で通信を行うことができないという結果を招く。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる同軸線通信装置とその調整方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置であって、前記同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整する制御手段と、を備えていることを特徴としている。
CATVによってテレビ等の放送信号を受信する場合、放送信号を受信するためのアンテナは不要であり、同軸線にはアンテナが接続されていないと判断できる。この場合、アンテナが接続されていないので、同軸線通信装置が出力する通信信号が外部に放射される不要輻射が生じることはない。
つまり、本発明の同軸線通信装置によれば、同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かの判定結果に基づいて、制御手段が通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整するので、以下のような措置を講ずることができる。すなわち、CATVによる放送信号が受信されていると判定され不要輻射の発生のおそれがないと判断できる場合には、不要輻射が生じる環境では使用することが困難な周波数帯域を使用し、より広い帯域を用いて通信するように周波数帯域を調整したり、CATVによる放送信号が受信されていないと判定される場合よりも、通信信号レベルを大きく調整することができ、不要輻射を抑制しつつより高い通信品質を得ることができる。一方、CATVによる放送信号が受信されていないときは、不要輻射が生じ難い周波数帯域で通信するように調整したり、通信信号レベルを通信可能な範囲で相対的に小さく調整することができ、アンテナからの不要輻射を抑制することができる。
このように、本発明の同軸線通信装置によれば、CATVによる放送信号の受信の有無に応じて適宜通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整することができ、その結果、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる。
なお、CATVは、一般に、Common Antenna TeleVision、又は、Community Antenna TeleVisionの略称であるが、本願明細書中では、CATVとは、ケーブルを用いてテレビ等の放送信号を送信することで行われる有線放送を示す。
例えば、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域で通信信号を出力した場合においても、アンテナからの不要輻射が生じるおそれはあるが、地上波の周波数帯域から外れているので、通信信号のアンテナからの放射レベルは、そのアンテナの特性上、地上波の放送信号の周波数帯域における通信信号の放射レベルよりも抑制される。このため、前記制御手段は、前記判定手段がCATVの放送信号が前記受信信号に含まれていないと判定した場合、前記通信信号の周波数帯域を、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域に調整するものであることが好ましい。
この場合、CATVの放送信号が受信信号に含まれておらず地上波のアンテナが同軸線に接続されていると判断できるときには、低周波数帯域が用いられるので、アンテナからの放射レベルが抑制され不要輻射を抑制することができる。
また、上記理由より、通信信号の周波数が、地上波の放送信号の周波数帯域に近づくにしたがってアンテナによる通信信号の放射レベルが高くなるので、前記制御手段は、前記低周波数帯域を用いて通信信号を送信する場合、前記通信信号の信号レベルを、当該通信信号の周波数が地上波の放送信号の周波数帯域に近づくにしたがって漸次小さくなるように調整するものであってもよい。
この場合、不要輻射の発生し易い地上波の放送信号の周波数帯域の近傍における信号レベルが比較的小さくなるように調整されるので、より効果的に不要輻射を抑制することができる。
前記制御手段は、前記判定手段がCATVの放送信号が前記受信信号に含まれていると判定した場合、前記通信信号の周波数帯域を、地上波の放送信号よりも高い高周波数帯域に調整するものであることが好ましい。
地上波の放送信号よりも高い周波数帯域側は、地上波の放送信号よりも低い周波数帯域側よりも、同軸線通信に割当可能な帯域幅の許容範囲が相対的に広い。このため、高周波数帯域は、低周波数帯域の場合よりも、より広い帯域幅とすることができるので、より高い通信品質で通信を行うことができる。
また、住宅等におけるTVの受信態様は随時変化するものではないので、一度、判定手段の判定結果に基づいて通信信号の信号レベルや周波数帯域を調整すれば、その調整後も、当該受信態様に応じた通信信号レベルを維持できる。このため、前記判定手段は、予め定められたタイミングで前記受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定するように構成してもよい。これにより、必要以上に判定が行われるのを防止できる。
上記同軸線通信装置において、前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整するための調整情報を前記同軸線に接続された他の同軸線通信装置に通知する通知手段をさらに有していることが好ましい。この場合、信号レベルや周波数帯域の調整を行った同軸線通信装置が、他の同軸線通信装置に対して信号レベルや周波数帯域を調整するための調整情報を通知することができるので、当該他の同軸線通信装置は、前記判定手段を備えずとも、自己の信号レベルや周波数帯域を調整することができる。
上記同軸線通信装置において望ましくは、前記判定手段は、CATVの放送信号独自の周波数帯域の信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、VHFの周波数帯域の信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、所定数以上の放送番組を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、CATV独自の変調方式の信号を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、地上波アナログ放送の変調方式の信号を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、前記受信信号に含まれる所定の識別子が、CATV経由の信号であることを示していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する。あるいは前記判定手段は、携帯電話、アマチュア無線、短波ラジオ、及びAMラジオのうちの少なくとも一つの信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていないと判定する。これにより、判定手段は、同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを高精度に判定することができる。
また、本発明は、同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置に対する信号レベル又は/及び周波数帯域を調整する方法であって、前記同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整する調整ステップと、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された同軸線通信装置の通信信号レベル調整方法によれば、CATV
の放送信号の受信の有無に応じて適宜通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整することができ、その結果、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる。
以上のように、本発明の同軸線通信装置とその調整方法によれば、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる。
本発明の第一の実施形態に係る同軸線通信装置の構成を示すブロック図である。 住宅に設置されたアンテナ、及び住宅内に配設されアンテナとTV端子とを繋ぐ同軸線の接続構成の一例を示す模式図であり、(a)は、地上波放送(UHF)受信用のアンテナを備えた構成を示す図であり、(b)は、CATVによってテレビの放送信号を受信する構成を示す図である。 各放送信号に割り当てられている周波数帯域を示す図である。 (a)は、送信部が有する送信信号の周波数帯域を調整する機能部分を示したブロック図であり、(b)は、送信部の他の態様を示したブロック図である。 モデムが行う、通信信号の周波数帯域調整の手順を示すフローチャートである。 (a)は、地上波用アンテナのアンテナ出力特性の一例を示すグラフであり、(b)は、低周波数帯域を用いて送信される通信信号を上記のように調整したときの信号レベル分布を模式的に示したグラフである。 本発明の第二の実施形態に係るモデムが宅内に設置される際に行う通信信号の調整手順を示すフローチャートである。 モデムが行う、通信信号の信号レベル調整の手順を示すフローチャートである。 90〜770MHzの使用周波数帯域の一例を具体的に示す図である。 放送信号判定部の第1の構成例を示すブロック図である。 第1の構成例に関する第1の変形例を示すブロック図である。 放送信号判定部の第2の構成例を示すブロック図である。 第2の構成例に関する第3の変形例を示すブロック図である。 放送信号判定部の第3の構成例を示すブロック図である。 放送信号判定部の第4の構成例を示すブロック図である。 放送信号判定部の第5の構成例を示すブロック図である。
<第一の実施形態>
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る同軸線通信装置の構成を示すブロック図である。図において、同軸線通信装置M1(以下、単にモデムM1ともいう)は、直交周波数分割多重(OFDM)方式による通信方式が採用されており、モデム間の通信に係るメディアアクセス制御を行う制御部1と、制御部1に接続されモデム間の通信に係るデータの変復調及び通信信号の送受信を行う送受信部2(送信部2s及び受信部2r)と、送受信部2に接続され送受信タイミングの切替を行う切替部3と、外部の通信信号の伝送路に接続するためのコネクタ(F型)10と、制御部1に接続され外部に設けられるパソコン等の情報機器とのインターフェースとなる外部インターフェース4(例えばイーサネット(登録商標)のインターフェース)と、当該モデムM1が受信する受信信号に所定の放送信号が含まれているか否かを判定する放送信号判定部5とを備えている。
コネクタ(F型)10には、同軸線11の一端に設けられたアンテナプラグ12が接続される。同軸線11の他端のアンテナプラグ12は、例えば宅内に設置される放送信号を受信するアンテナに繋がる後述するTV端子に接続される。本実施形態のモデムM1は、TV端子から延びる放送信号の伝送経路を用い、他のモデムとの間で通信信号の送受信を行う。
図2は、住宅に設置されたアンテナ、及び住宅内に配設されアンテナとTV端子とを繋ぐ同軸線の接続構成の一例を示す模式図であり、(a)は、地上波放送(UHF)受信用のアンテナを備えた構成を示す図であり、(b)は、CATVによってテレビの放送信号を受信する構成を示す図である。
図2(a)のように、地上波放送受信用のアンテナ20(以下、地上波用アンテナ20ともいう)のみが設置される場合、地上波用アンテナ20は、同軸線24を介して住宅H内に設置された分配器23に接続される。分配器23は、住宅H内の各部屋に設置された複数のTV端子13それぞれとの間で、当該複数のTV端子13ごとに配設された同軸線25を介して接続されており、地上波用アンテナ20が受信する放送信号を各TV端子13に接続される機器に分配する。
なお、図2(a)では、地上波用アンテナ20をUHF用アンテナとした場合を示したが、この地上波用アンテナ20は、VHF用アンテナであっても、その接続の態様は同様である。また、地上波用アンテナ20と分配器23との間に混合器を接続し、この混合器に衛星放送用のパラボラアンテナを接続した場合であっても同様である。
また、図2(b)のように、CATVによってテレビの放送信号を受信する場合、分配器23には、屋外から延びるCATV送信用の同軸線26が接続される。CATVの放送信号は、同軸線26を介して送信されて分配器23に伝達する。分配器23は、CATVの放送信号を各TV端子13に接続される機器に分配する。
本実施形態のモデムM1は、同軸線11を介してTV端子13に接続される。そして、同様に他のTV端子13に接続された他のモデムM2との間で通信信号の送受信を行う。つまり、両モデムM1、M2は、分配器23及びこの分配器23に接続される複数の同軸線25を介して有線で繋がっており、これら分配器23及び同軸線25を通信信号の信号伝送路として通信を行う。これにより、モデムM1に接続されるパソコンは、他のモデムM2に接続されるパソコンとの間で通信を確立することができる。
図1に戻って、モデムM1は、上述のようにアンテナ20からの放送信号やCATVの放送信号が分配されるTV端子13に接続されるので、受信部2rが受信する受信信号には、他のモデムM2からの通信信号の他、アンテナ20からの放送信号又はCATVの放送信号も含まれる。
受信部2rは、受信信号についての増幅機能や、受信信号の中から通信信号を取り出すフィルタ機能、A/D変換機能、通信信号を復調する復調機能を有しており、復調して得られた受信データを制御部1に対して出力する。
制御部1は、受信部2rから出力される受信データを外部インターフェース4を介してパソコンに出力する。また、制御部1は、当該モデムM1に接続されたパソコンから出力される送信データを送信部2sに出力する。
送信部2sは、制御部1から与えられる送信データを変調する変調機能や、D/A変換機能、周波数調整機能、増幅機能を有しており、通信信号を出力する。これにより、送信
部2sは、信号伝送路である同軸線25や分配器23を通じて、他のモデムM2に通信信号を送信する。
また、制御部1は、切替部3を制御することによって、通信信号を送信する時間帯と受信する時間帯を交互に切り替える。つまり、モデムM1は、時分割通信方式により他のモデムM2との間で通信を行うように構成されている。
さらに、制御部1は、放送信号判定部5から出力される後述の判定結果に関する通知に基づいて、送信部2sから出力される通信信号の周波数帯域を予め定めた低周波数帯域に調整する低周波数モードと、前記低周波数帯域よりも高い周波数帯域に調整する高周波数モードの二つのモードのいずれかを選択し切り替える機能も有している。
ここで、上記低周波数帯域及び高周波数帯域について説明する。
図3は、各放送信号に割り当てられている周波数帯域を示す図である。なお、図において、衛星放送の放送信号については、IFレベルの周波数帯域を示している。
図に示すように、地上波であるVHF波の放送信号は、約90〜222MHzの帯域が割り当てられており、同じく地上波であるUHF波の放送信号は、約470〜770MHzの帯域が割り当てられている。
衛星放送(BS放送又はCS放送)の放送信号は、約1030〜2050MHzの帯域が割り当てられている。
CATVの放送信号は、約90〜770MHzの帯域が割り当てられており、その内、222〜470MHzの間の帯域については、CATVの放送信号のみが割り当てられている帯域がある。
本実施形態のモデムM1は、上記低周波数モードにおいては、図中、地上波(VHF波)の放送信号よりも低い周波数帯域である低周波数帯域R1を用いて通信信号を出力し、高周波数モードにおいては、地上波(UHF波)の放送信号よりも高い周波数帯域である高周波数帯域R2を用いて通信信号を出力するように構成されている。
具体的に、低周波数帯域R1は、2〜30MHzに設定され、高周波数帯域R2は、地上波の帯域と衛星放送波の帯域との間である800〜1000MHzに設定されている。
なお、地上波(VHF波)の放送信号は90MHzより高い範囲に設定されているので、低周波数帯域R1は、2〜90MHzに設定することもできる。また、高周波数帯域R2としては、図中、衛星放送(BS、CS)の帯域よりも高い周波数領域である、2.1GHz以上、より好ましくは2.2〜2.4GHzの帯域に設定することもできる。
モデムM1が接続されるTV端子13には、他のモデムM2からの通信信号の他に、図3に示すような放送信号が、住宅Hにおけるテレビ放送の受信態様に応じて伝達する。このため、モデムM1は、通信信号と放送信号とを含んだ受信信号をTV端子13を介して受信することとなる。
次に、モデムM1の制御部1が、上記両モードに応じて通信信号の周波数帯域の調整を行う際の具体的態様について説明する。
制御部1は、低周波数モード又は高周波数モードのいずれかを選択すると、送信部2s
を制御することによって、通信信号の周波数帯域を調整する。
図4(a)は、送信部2sが有する送信信号の周波数帯域を調整する機能部分を示したブロック図である。送信部2sは、低周波数帯域R1に応じた信号処理を行う第一信号処理部31と、高周波数帯域R2に応じた信号処理を行う第二信号処理部32と、第二信号処理部32に接続されたアップコンバータ33とを有している。
第一信号処理部31は、送信データについての変調、D/A変換を行うことで、低周波数帯域R1に応じた通信信号を生成する。第二信号処理部32も、第一信号処理部31と同様、送信データについての変調、D/A変換を行う。アップコンバータ33は、第二信号処理部32が出力する変調信号に所定周波数の信号を混合することで、信号の周波数帯域を調整し、高周波数帯域R2に応じた通信信号を生成する。なお、低周波数帯域R1と、高周波数帯域R2とは、上述のように帯域幅が異なっており、高周波数帯域R2の方がより広い帯域幅に設定される。従って、両処理部31,32は、それぞれの帯域幅に応じた変調を行うように構成されている。
制御部1は、低周波数モードを選択した場合、第一信号処理部31によって送信データを処理するように、送信部2sを制御する。送信部2sは、第一信号処理部31によって低周波数帯域R1に応じた通信信号を生成し、出力する。
一方、制御部1は、高周波数モードを選択した場合、第二信号処理部32によって送信データを処理するように、送信部2sを制御する。送信部2sは、第二信号処理部32及びアップコンバータ33によって高周波数帯域R2に応じた通信信号を生成し、出力する。
以上のように、制御部1は、上記両モードに応じて、通信信号の周波数帯域を調整することができる。
また、両周波数モードそれぞれにおける通信信号の信号レベルは、当該両モードにおいて同軸線通信が十分に行える程度の値に設定される。
なお、送信部2sは、例えば、図4(b)に示す構成とすることで、通信信号の周波数帯域を調整するようにすることもできる。図4(b)に示す送信部2sは、変調処理及びD/A変換を行う信号処理部34と、この信号処理部34に接続された切替スイッチ35と、切替スイッチ35が有する一対の出力部の一方側に接続されたアップコンバータ36とを有している。送信部2sは、信号処理部34が出力する信号の経路を切替スイッチ35によって切り替え、アップコンバータ36によって高周波数帯域R2に応じた通信信号とするか、信号処理部34が出力する信号をそのまま出力することで、低周波数帯域R1に応じた通信信号として出力するかを選択することができる。
上記図4(b)に示す送信部2sでは、図4(a)で示したものと比較して、変調処理及びD/A変換を一つの機能部で行うことができるため、回路構成を簡易なものにできる。
図1に戻って、放送信号判定部5は、切替部3の受信部2r側経路と制御部1との間に接続されており、前記受信信号が与えられる。放送信号判定部5は、受信部2rが受信する受信信号中に、CATVの放送信号が含まれているか否かを判定する機能を有しており、CATVの放送信号のみが用いている周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ5aと、バンドパスフィルタ5aを通過した信号の信号レベルを検出するレベル検出部5bと、前記信号レベルが後述する予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定
部5cとを備えている。
上記バンドパスフィルタ5aは、図3中に示す、CATVの放送信号のみが割り当てられている帯域(222〜470MHz)内に設定された帯域R3における信号を通過させ、レベル検出部5bに与える。
レベル検出部5bは、バンドパスフィルタ5aを通過した信号の信号レベルを検出し、その信号レベル値を判定部5cに出力する。
判定部5cは、予め定められた閾値を記憶しており、レベル検出部5bが検出した信号レベル値がこの閾値以上であるか否かを判定する。前記閾値は、例えば、受信部2rの入力レベルにおいて各種映像機器が放送信号を受信するのに必要なレベル値に設定される。したがって、判定部5cにより、レベル検出部5bが出力する信号レベル値が前記閾値以上であると判定された場合、受信信号中の放送信号にCATVの放送信号が含まれていると判定することができ、前記閾値より小さいと判定された場合、CATVの放送信号が含まれていないと判定することができる。
また、判定部5cは、上記判定結果を制御部1に対して通知する。
上記構成のモデムM1は、以下に示すように、通信信号の周波数帯域の調整を行う。
図5は、モデムM1が行う、通信信号の周波数帯域調整の手順を示すフローチャートである。
まず、モデムM1は、受信した受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを放送信号判定部5に判定させる(ステップS101)。
放送信号判定部5の判定部5cは、レベル検出部5bが検出した信号レベル値が前記閾値以上である場合、受信信号中の放送信号にCATVの放送信号が含まれていると判定し、その旨の判定結果を制御部1に対して通知する。
放送信号にCATVの放送信号が含まれている旨の判定結果を受けた制御部1は、上述の高周波数モードを選択し(ステップS102)、通信信号の周波数帯域を高周波数帯域R2(図3)に調整して処理を終える。
一方、前記信号レベル値が閾値よりも小さい場合、放送信号判定部5の判定部5cは、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていないと判定し、その旨の判定結果を制御部1に対して通知する。
CATVの放送信号が含まれていない旨の判定結果を受けた制御部1は、上述の低周波数モードを選択し(ステップS103)、送信部2sから送信される通信信号の周波数帯域を低周波数帯域R1(図3)に調整して処理を終える。
次に、上記モデムM1を設置する際における、当該モデムM1の具体的な動作の態様について説明する。なお、ここでは、放送信号の受信態様として、図2で示したCATVによってテレビ放送の放送信号を受信する住宅に設置する場合と、地上波用アンテナ等によって放送信号を受信する住宅に設置する場合の二つのパターンについて説明する。
まず、図2(a)に示す、地上波用アンテナ20のみが設置された住宅Hの宅内に、モデムM1を設置する場合について説明する。なお、地上波用アンテナ20は、地上波の放
送信号(UHF波)をテレビ等の受像器が十分に受像可能な程度の電力で受信しているものとする。
モデムM1をTV端子13に接続して起動すると、まず、モデムM1は、TV端子13を介して受信する受信信号中の放送信号についての判定を、放送信号判定部5に行わせる。なお、本実施形態のモデムM1は、当該モデムM1を初めて起動したタイミングで、放送信号判定部5に判定を行わせ、その後は、所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過するまで判定を行わないように制御する。
住宅Hには、地上波用アンテナ20のみが設置されているので、モデムM1が受信する受信信号にはCATVの放送信号が含まれていない。よって、放送信号判定部5は、受信信号にCATVの放送信号が含まれていない旨の判定結果を制御部1に対して通知することとなる。
この結果、制御部1は、上述の低周波数モードを選択し、通信信号の周波数帯域を低周波数帯域R1に調整し、通信信号を送信する。
ここで、地上波用アンテナ20のみが設置されている場合、モデムM1から地上波用アンテナ20までの間には、分配器23が介在しているが、上記従来例にて述べたように、モデムM1が通信信号を出力すると、その通信信号が分配器23を通過して地上波用アンテナ20に到達し、当該アンテナ20から不要輻射を発生させてしまうおそれがある。
上記のように、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域R1で通信信号を出力した場合においても、地上波用アンテナ20からの不要輻射が生じるおそれはある。しかし、地上波の周波数帯域から外れているので、通信信号の地上波用アンテナ20からの放射レベルは、そのアンテナの特性上、地上波の放送信号の周波数帯域における通信信号の放射レベルよりも抑制される。
図6(a)は、地上波用アンテナのアンテナ出力特性の一例を示すグラフである。
図中、横軸は信号周波数、縦軸はアンテナの受信出力を示している。また、図中の破線Tは、地上波の放送信号の帯域境界を示しており、破線Tより右側は、地上波の放送信号の周波数帯域を示している。
図中グラフは、周波数軸に対して一定出力の信号波を受信したときの周波数に対する地上波用アンテナの出力変化を示している。図に示すように、地上波用アンテナは、地上波の放送信号の周波数帯域の信号を受信する場合には、比較的高い受信出力を示すが、地上波の放送信号の周波数帯域外の信号を受信する場合には、急激にその受信出力が低下するという特性を有している。
上記のようなアンテナの出力特性は、アンテナからの放射レベルにおいても反映されるので、地上波の放送信号の周波数帯域よりも小さい周波数の信号におけるアンテナからの放射レベルは抑制される。つまり、本実施形態のように、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域R1を用いて通信信号を出力した場合、地上波用アンテナ20は上記のような出力特性であることから、当該地上波用アンテナ20からの放射レベルが抑制される。
このように、本実施形態のモデムM1では、CATVの放送信号が受信信号に含まれておらず、地上波のアンテナが同軸線に接続されていると判断できるときには、低周波数帯域R1が用いられるので、地上波用アンテナ20からの放射レベルが抑制され不要輻射を抑制することができる。
また、低周波数モードにおける通信信号の信号レベルは、上記の地上波用アンテナ20の特性によって不要輻射が抑制でき、かつ同軸線通信が十分行える程度の値で、周波数に対してほぼ一定となるように設定される。
その一方、地上波用アンテナ20は、図6(a)に示すような出力特性を有していることから、通信信号の周波数が、地上波の放送信号の周波数帯域に近づくにしたがってアンテナによる通信信号の放射レベルが高くなる。このため、制御部1は、低周波数帯域R1を用いて通信信号を送信する場合、通信信号の信号レベルを、当該通信信号の周波数が地上波の放送信号の周波数帯域に近づくにしたがって漸次小さくなるように調整して送信してもよい。
図6(b)は、低周波数帯域R1を用いて送信される通信信号を上記のように調整したときの信号レベル分布を模式的に示したグラフである。
図中、横軸は信号周波数で、図6(a)と対応している。縦軸は信号レベルを示している。また、ここでは、低周波数帯域R1を2〜90MHzの帯域幅で設定している。
図に示すように、通信信号の信号レベルは、地上波の放送信号の帯域境界である破線Tに近づくにしたがって漸次小さくなるように設定されている。この信号レベルが漸次小さくなる部分の傾きは、破線Tから低周波数側に向かって受信出力が低下する地上波アンテナ20の特性に応じて、不要輻射が生じないように設定されている。
上記のように通信信号の信号レベルを調整すれば、地上波用アンテナ20からの不要輻射が生じやすい地上波の放送信号の帯域境界である破線Tの近傍では、通信信号の信号レベルが比較的小さくなるように調整されるので、より効果的に不要輻射を抑制できる。
さらに、不要輻射を抑制しつつ、地上波の放送信号の帯域境界である破線T近傍まで低周波数帯域R1の帯域幅を拡大することができるので、より多くのデータの送信が可能となり、より同軸線通信の通信品質を向上させることができる。
次に、図2(b)に示す、CATVによってテレビ放送の放送信号を受信する住宅Hの宅内に、モデムM1を設置する場合について説明する。なお、同軸線26を介して送信されるCATVの放送信号は、テレビ等の受像器が十分に受像可能な程度の電力で送信されているものとする。
上記同様、モデムM1をTV端子13に接続して起動すると、まず、モデムM1は、TV端子13を介して受信する受信信号中の放送信号についての判定を、放送信号判定部5に行わせる。
住宅Hには、地上波用アンテナは接続されておらず、屋外から延びる同軸線26によってCATVの放送信号が送信されるので、モデムM1が受信する受信信号にはCATVの放送信号が含まれている。よって、放送信号判定部5は、受信信号にCATVの放送信号が含まれている旨の判定結果を制御部1に対して通知することとなる。
この結果、制御部1は、上述の高周波数モードを選択し、通信信号の周波数帯域を高周波数帯域R2に調整し、通信信号を送信する。
この場合、住宅Hには地上波用アンテナ等は分配器23や同軸線25には接続されていないので、モデムM1が出力する通信信号が外部に放射されることはなく、不要輻射が生
じることはない。
従って、高周波数帯域R2を用いて通信信号を出力する場合には、通信信号レベルを同軸線通信に必要十分なレベルに設定することができ、高い通信品質を得ることができる。
また、地上波の放送信号よりも高い周波数帯域側は、地上波の放送信号よりも低い周波数帯域側よりも、同軸線通信に割当可能な帯域幅の許容範囲が相対的に広い(図3参照)。このため、高周波数帯域R2を用いて通信信号を出力する場合、低周波数帯域R1を用いた場合と比較して、より広い帯域幅で通信信号を送信できる。この結果、より多くのデータの送信が可能となり、より高い通信品質で同軸線通信を行うことができる。
放送信号判定部5は、受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定することで、図2で示した二つのパターンの内のどちらであるか、すなわち、分配器23や同軸線25に地上波用アンテナ等が接続されているか否かを判定することができる。
一般に、住宅等において、CATVによってテレビ等の放送信号を受信する場合、放送信号を受信するためのアンテナは不要であり、同軸線にはアンテナが接続されていないと判断できる。このため、放送信号判定部5は、受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定することで、分配器23や同軸線25に地上波用アンテナ等が接続されているか否かを判断することができる。
つまり、本実施形態のモデムM1によれば、同軸線25を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かの判定結果に基づいて、制御部1が通信信号の周波数帯域を調整するので、以下のような措置を講ずることができる。すなわち、CATVによる放送信号が受信されていると判定され不要輻射の発生のおそれがないと判断できる場合には、不要輻射が生じる環境では使用することが困難な周波数帯域を使用したり、より広い帯域を用いて通信するように周波数帯域を調整することができ、不要輻射を抑制しつつより高い通信品質を得ることができる。一方、CATVによる放送信号が受信されていないときは、不要輻射が生じ難い周波数帯域で通信するように調整することができ、アンテナからの不要輻射を抑制することができる。
このように、本発明のモデムM1によれば、CATVによる放送信号の受信の有無に応じて適宜通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整することができ、その結果、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる。
住宅に設置されたアンテナの構成は随時変化するものではないので、一度、放送信号判定部5の判定結果に基づいて通信信号の周波数帯域を調整すれば、その調整後も、当該アンテナの構成に応じた通信信号レベルを維持できる。このため、本実施形態のモデムM1は、当該モデムM1を初めて起動したタイミングで、放送信号判定部5に判定を行わせ、その後は、所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過するまで判定を行わないように制御する。
このように、放送信号判定部5に、予め定められたタイミングで判定させるように構成することで、必要以上に判定が行われるのを防止できる。
また、上記のようにモデムM1をTV端子13に接続し、通信信号の周波数帯域の調整を終えると、モデムM1の制御部1は、他のモデムM2が同一の信号伝送路内に接続されているか否かを確認するための通信信号を生成し、送信部2sから出力する。この通信信号には、他のモデムM2が通信信号の周波数帯域を調整するための調整情報である、制御部1が調整した周波数帯域を示す情報が含まれている。
他のモデムM2が接続されている場合、この通信信号を受信した他のモデムM2は、モデムM1の制御部1が設定した通信信号の周波数帯域の情報を取得することができ、その情報に基づいて、自己の通信信号の周波数帯域を調整する。
以上のように、制御部1及び送信部2sは、通信信号の周波数帯域を調整するための調整情報を他のモデムM2に通知するための通知手段を構成しており、これによって、他のモデムM2は、上述の放送信号判定部5等を備えずとも、自己の通信信号の周波数帯域を調整することができる。
<第二の実施形態>
図7は、本発明の第二の実施形態に係るモデムM1が宅内に設置される際に行う通信信号の調整手順を示すフローチャートである。本実施形態と第一の実施形態との相違点は、制御部1が、放送信号判定部5の判定結果に基づいて、通信信号の周波数帯域の調整に加えて、信号レベルも調整する機能を有している点である。その他の点については、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
具体的には、制御部1は、放送信号判定部5の判定結果に基づいて、低周波数モード、高周波数低レベルモード、及び高周波数高レベルモードの三つのモードのいずれかを選択し切り替える機能を有している。これら三つのモードの切り替えによって、制御部1は、通信信号の周波数帯域、及び信号レベルの調整を行う。
低周波数モードにおける通信信号は、低周波数帯域R1を用いて送信されるとともに、上記第一の実施形態における低周波数モードと同様の信号レベルに調整される。
高周波数低レベルモードにおける通信信号は、高周波数帯域R2を用いて送信されるとともに、その信号レベルが、地上波用アンテナが同軸線25に接続されていたとしても不要輻射が問題ない程度に抑えられる程度でかつ通信が確立できる値に設定されている。
高周波数高レベルモードにおける通信信号は、高周波数帯域R2を用いて送信されるとともに、上記第一の実施形態における高周波数モードと同様の信号レベルに調整される。つまり、第一の実施形態における高周波数モードは、不要輻射を考慮することなく通信品質を高めるべく同軸線通信に必要十分な信号レベルに調整されており、不要輻射を考慮した高周波数低レベルモードにおける信号レベルと比較してより大きい値となる。従って、高周波数高レベルモードにおける通信信号の信号レベルは、高周波数低レベルモードのそれと比較して大きく設定されている。
本実施形態のモデムM1が通信信号の周波数帯域及び信号レベルを調整する際、まず、受信した受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを放送信号判定部5に判定させる(ステップS201)。
放送信号にCATVの放送信号が含まれていると判定されると、制御部1は、上述の高周波数高レベルモードを選択し(ステップS202)、それに応じた通信信号の調整を行い、処理を終える。
この場合、CATVの放送信号が含まれていると判定され、地上波用アンテナ等は接続されていないと判断できることから、不要輻射の発生を考慮する必要がない。よって、通信信号レベルを同軸線通信に必要十分なレベルに設定することができ、高い通信品質を得ることができる。
一方、放送信号にCATVの放送信号が含まれていないと判定されると、制御部1は、上述の高周波数低レベルモードを選択し(ステップS203)、高周波数高レベルモードよりも通信信号の信号レベルを小さくする調整を行う。
この場合、地上波用アンテナ等は接続されていると判断できることから、不要輻射を考慮する必要がある。高周波数低レベルモードでは、通信信号の信号レベルが、上述のように、地上波用アンテナが同軸線25に接続されていたとしても不要輻射が問題ない程度に抑えられる程度でかつ通信が確立できる値に設定されている。
このため、モデムM1が通信信号を出力したとしても、地上波用アンテナ等からの不要輻射は抑制される。
このように、本実施形態のモデムM1によれば、同軸線25を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かの判定結果に基づいて、制御部1が通信信号の信号レベルを調整するので、上述のようにCATVによる放送信号が受信されていると判定され不要輻射の発生のおそれがないと判断できる場合には、CATVによる放送信号が受信されていないと判定される場合よりも、通信信号レベルを大きく調整することができ、不要輻射を抑制しつつより高い通信品質を得ることができる。一方、不要輻射の発生のおそれがあると判断できる場合には、通信信号レベルを通信可能な範囲で相対的に小さく調整することができ、アンテナからの不要輻射を抑制することができる。
次に、制御部1は、ステップS203で選択した高周波数低レベルモードにおける通信が、所定の通信品質を満たしているか否かを判定する(ステップS204)。
ここで、通信品質の判定については、他のモデムM2との間のデータの伝送速度や誤り率等を制御部1が観測し、これらの値が予め定められた閾値を判断基準として判定する。
また、所定の通信品質は、例えば、後のステップS205において選択される低周波数モードに設定された場合よりも低い通信品質と評価される程度に設定される。
ステップS204において、所定の通信品質が得られると判定される場合には、制御部1は、処理を終え、高周波数低レベルモードに設定する。
一方、所定の通信品質が得られないと判定される場合には、制御部1は、ステップS205に進み、低周波数モードを選択し(ステップS205)、処理を終える。
高周波数低レベルモードでは高周波数帯域R2を用いて通信信号を送信するので、低周波数帯域R1を用いる低周波数モードよりは、より広い帯域幅とすることができる点で有利であるが、信号レベルをより低い値に設定する点では不利になる。この点、本実施形態では、通信信号の周波数帯域及び信号レベルを好適に調整することができ、可能な限り高い通信品質を確保することができる。
以上のように、本実施形態のモデムM1によれば、CATVによる放送信号の受信の有無に応じて適宜通信信号の周波数帯域及び信号レベルを調整することができ、その結果、不要輻射を抑制しつつも、可能な限り通信品質を確保することができる。
なお、本実施形態のモデムM1の場合も、制御部1は、他のモデムM2に対して、上述の調整情報を送信することができる。この場合、調整情報には、調整に係る周波数帯域の情報に加えて、信号レベルの情報も含まれる。
本発明は、上記各実施形態に限定されることはない。上記第二の実施形態では、放送信号判定部5の判定結果に基づいて、通信信号の周波数帯域及び信号レベルを調整する場合を例示したが、例えば、図8に示すように、放送信号判定部5の判定結果に基づいて、通信信号の信号レベルのみを調整するように構成してもよい。
この場合、制御部1は、放送信号判定部5の判定結果に基づいて、低レベルモード、及び高レベルモードの二つのモードのいずれかを選択し切り替える機能を有している。これら二つのモードの切り替えによって、制御部1は、通信信号の信号レベルの調整を行う。
上記低レベルモードにおける通信信号の信号レベルは、上記第二の実施形態で示した高周波数低レベルモードにおける信号レベルと同様であり、高レベルモードにおける信号レベルは、上記第二の実施形態で示した高周波数高レベルモードにおける信号レベルと同様である。
なお、この場合の通信信号の周波数帯域は、例えば、高周波数帯域R2に固定される。
モデムM1は、まず、受信した受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを放送信号判定部5に判定させ(ステップS301)、放送信号にCATVの放送信号が含まれていると判定されると、制御部1は、高レベルモードを選択し(ステップS302)、それに応じた通信信号の調整を行い、処理を終える。
一方、放送信号にCATVの放送信号が含まれていないと判定されると、制御部1は、低レベルモードを選択し(ステップS303)、高レベルモードよりも通信信号の信号レベルを小さくする調整を行い、処理を終える。
この場合においても、CATVによる放送信号の受信の有無に応じて適宜通信信号の周波数帯域及び信号レベルを調整することができ、不要輻射を抑制しつつ、可能な限り通信品質を確保することができる。
<第三の実施形態>
第三の実施形態では、受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを放送信号判定部5が判定する手法の詳細について説明する。
図9は、90〜770MHzの使用周波数帯域の一例を具体的に示す図である。90〜108MHzの帯域は、低域側のVHFの放送信号(VHFL)、及びCATVの放送信号に割り当てられている。108〜170MHzの帯域は、CATVの放送信号に割り当てられている。170〜222MHzの帯域は、高域側のVHFの放送信号(VHFH)、及びCATVの放送信号に割り当てられている。222〜468MHzの帯域は、CATVの放送信号に割り当てられている。470〜770MHzの帯域は、UHFの放送信号、及びCATVの放送信号に割り当てられている。従って、108〜170MHz及び222〜468MHzの帯域は、CATVの放送信号独自の周波数帯域となっている。なお、各チャンネルには6MHzの周波数帯域幅が割り当てられている。従って、例えばCATVに関しては、90〜108MHzの帯域には最大3周波数チャンネルが含まれ、108〜170MHzの帯域には最大10チャンネルが含まれ、170〜222MHzの帯域には最大9チャンネルが含まれ(特定の2MHzの帯域は二つのチャンネルで共有されている)、222〜468MHzの帯域には最大41チャンネルが含まれ、470〜770MHzの帯域には最大50チャンネルが含まれる。
図10は、放送信号判定部5の第1の構成例を示すブロック図である。図10の接続関係で示すように、放送信号判定部5は、バンドパスフィルタ50、低雑音増幅器51、ミ
キサ52、バンドパスフィルタ53、電力検出部54、判定部55、局部発振器56、及び制御部57を備えて構成されている。
バンドパスフィルタ50には、図1に示した切替部3から受信信号が入力される。バンドパスフィルタ50は、受信信号の全帯域の中から、CATV独自の周波数帯域である108〜170MHz及び222〜468MHzを含む、108〜468MHzの帯域の信号を通過させる。
バンドパスフィルタ50を通過した信号は、低雑音増幅器51によって増幅された後、ミキサ52に入力される。ミキサ52は、108〜170MHz及び222〜468MHzの帯域の信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域(以下の例では84〜90MHzとする)にダウンコンバートして出力する。
バンドパスフィルタ53は、84〜90MHzの帯域の信号を通過させる。電力検出部54は、図10に示すようにダイオード、コンデンサ、及び抵抗を含んで構成されている。電力検出部54は、バンドパスフィルタ53を通過した信号の電力値(6MHzの帯域幅の総電力値)を包絡線検波によって検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、そのチャンネルの放送信号を受信していると判定し、一方、電力値が閾値未満である場合には、そのチャンネルの放送信号を受信していないと判定する。
局部発振器56からミキサ52に入力されるローカル信号の周波数を制御部57によって可変に制御することにより、CATVの各チャンネルの放送信号を受信しているか否かを、順にサーチすることができる。具体的には、まず、108〜114MHzの帯域の信号をミキサ52によって84〜90MHzの帯域の信号にダウンコンバートすることにより、その108〜114MHzの帯域に対応するチャンネルの放送信号を受信しているか否かを、判定部55によって判定する。次に、制御部57によってローカル信号の周波数を変更し、114〜120MHzの帯域の信号をミキサ52によって84〜90MHzの帯域の信号にダウンコンバートすることにより、その114〜120MHzの帯域に対応するチャンネルの放送信号を受信しているか否かを、判定部55によって判定する。ローカル信号の周波数を変更しながら同様の処理を繰り返すことにより、CATV独自の周波数帯域(108〜170MHz及び222〜468MHz)に含まれる合計51個のチャンネルの放送信号を順にサーチすることができる。
CATV独自の周波数帯域に含まれる合計51個のチャンネルの放送信号のうち、少なくとも一つのチャンネルの放送信号が検出されることにより、放送信号判定部5は、受信信号中にCATVの放送信号が含まれている(つまり同軸線11はCATV網に接続されている)と判定する。なお、合計51個のチャンネルの放送信号のうち、いずれか一つのチャンネルの放送信号を検出した時点でサーチを停止しても良いし、ノイズに起因する誤検出を考慮して、複数のチャンネル(例えば3個のチャンネル)の放送信号を検出した時点でサーチを停止しても良い。また、低域側から順にサーチを行うのではなく、高域側から順に遡ってサーチを行っても良い。
図11は、第1の構成例に関する第1の変形例を示すブロック図である。図10に示したバンドパスフィルタ53の代わりに、スイッチ58及びバンドパスフィルタ53A〜53Dが設けられている。バンドパスフィルタ53Aは例えば84〜90MHzの帯域の信号を通過させ、バンドパスフィルタ53Bは例えば198〜204MHzの帯域の信号を通過させ、バンドパスフィルタ53Cは例えば276〜282MHzの帯域の信号を通過させ、バンドパスフィルタ53Dは例えば360〜366MHzの帯域の信号を通過させ
る。
当該変形例において、ミキサ52は、バンドパスフィルタ50を通過した108〜170MHzの信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に84〜90MHzの帯域にダウンコンバートする。つまり、108〜170MHzの帯域に対応する10個のチャンネルをサーチする場合には、スイッチ58によってバンドパスフィルタ53Aが選択され、局部発振器56により発生する周波数を24MHz,30MHz,・・・と変化させることにより、各チャンネルの信号が84〜90MHzの帯域にダウンコンバートされて電力検出部54に入力され、判定部55によって各チャンネルの放送信号の有無が判定される。この場合、ミキサ52は、最大で80MHz(<84MHz)分のダウンコンバートを行えば足りる。
また、ミキサ52は、バンドパスフィルタ50を通過した222〜300MHzの信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に198〜204MHzの帯域にダウンコンバートする。つまり、222〜300MHzの帯域に対応する13個のチャンネルをサーチする場合には、スイッチ58によってバンドパスフィルタ53Bが選択され、局部発振器56により発生する周波数を24MHz,30MHz,・・・と変化させることにより、各チャンネルの信号が198〜204MHzの帯域にダウンコンバートされて電力検出部54に入力され、判定部55によって各チャンネルの放送信号の有無が判定される。この場合、ミキサ52は、最大で96MHz(<198MHz)分のダウンコンバートを行えば足りる。
同様に、ミキサ52は、バンドパスフィルタ50を通過した300〜384MHzの信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に276〜282MHzの帯域にダウンコンバートする。つまり、300〜384MHzの帯域に対応する14個のチャンネルをサーチする場合には、スイッチ58によってバンドパスフィルタ53Cが選択され、局部発振器56により発生する周波数を24MHz,30MHz,・・・と変化させることにより、各チャンネルの信号が276〜282MHzの帯域にダウンコンバートされて電力検出部54に入力され、判定部55によって各チャンネルの放送信号の有無が判定される。この場合、ミキサ52は、最大で102MHz(<276MHz)分のダウンコンバートを行えば足りる。
同様に、ミキサ52は、バンドパスフィルタ50を通過した384〜468MHzの信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に360〜366MHzの帯域にダウンコンバートする。つまり、384〜468MHzの帯域に対応する14個のチャンネルをサーチする場合には、スイッチ58によってバンドパスフィルタ53Dが選択され、局部発振器56により発生する周波数を24MHz,30MHz,・・・と変化させることにより、各チャンネルの信号が360〜366MHzの帯域にダウンコンバートされて電力検出部54に入力され、判定部55によって各チャンネルの放送信号の有無が判定される。この場合、ミキサ52は、最大で102MHz(<360MHz)分のダウンコンバートを行えば足りる。
このように、複数個のバンドパスフィルタ53A〜53Dを並列に接続し、サーチするチャンネルの周波数に応じて一つのバンドパスフィルタをスイッチ58によって選択する構成とすることにより、ミキサ52に求められるダウンコンバートの幅が小さくなる。具体的には、ダウンコンバートの幅の最大値を、ダウンコンバート後の周波数帯域の最小値よりも小さくすることができる。その結果、ダウンコンバートの幅が大きくなり過ぎることに起因して生じ得る電力検出部54における誤検出、ひいては判定部55における誤判定を、予め回避することができる。
放送信号判定部5の第1の構成例に関する第2の変形例として、低域側のVHFの放送信号の周波数帯域(90〜108MHz)及び高域側のVHFの放送信号の周波数帯域(170〜222MHz)を含む、90〜222MHzの周波数帯域を通過帯域とするバンドパスフィルタ50を用いる。そして、ミキサ52は、90〜108MHz及び170〜222MHzの帯域の信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。これにより、VHFの合計12チャンネルの放送信号を順にサーチすることができる。地上波アナログ放送のサービス終了後は、アンテナ20によってはVHFの放送信号は受信されない。そのため、地上波アナログ放送のサービス終了後においてもVHFの放送信号を受信している場合には、判定部55は、CATV網を経由してVHFの放送信号を受信している(つまり同軸線11はCATV網に接続されている)と判定することができる。地上波アナログ放送のサービス終了にあわせて、スイッチ等によりバンドパスフィルタやその通過帯域を切り替えるように構成してもよい。
第1の構成例に関する第3の変形例として、バンドパスフィルタ50の通過帯域を例えば、CATV独自の周波数帯域である108〜170MHz及び222〜468MHzを含む、90〜770MHzにする。そして、ミキサ52は、90〜770MHzの帯域の信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。判定部55は、電力値が所定の閾値以上であるチャンネル数をカウントし、そのカウントしたチャンネル数が所定数以上である場合には、受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定し、所定数未満である場合には、受信信号にCATVの放送信号は含まれていないと判定する。CATVの放送信号を受信している場合には、それを受信していない環境に比べて受信チャンネル数が多くなるため、受信チャンネル数の大小に基づいて、同軸線11がCATV網に接続されているか否かを判定することができる。
第1の構成例に関する第4の変形例として、バンドパスフィルタ50の通過帯域を例えば、アマチュア無線で多用されている430MHz帯(430〜440MHz)にする。そして、ミキサ52は、430〜440MHzの帯域の信号の周波数を、例えば6kHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。これにより、430〜440MHzの周波数帯域を、6kHzの帯域幅によって順にサーチすることができる。判定部55は、サーチの結果を参照して、波形がピーク状の信号が含まれている場合には、その信号はアマチュア無線の信号であると判定する。アマチュア無線の信号を受信しているということは、その住宅にはアンテナ20が設置されている可能性が高いため、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていないと判定することができる。なお、430MHz帯以外のアマチュア無線で使用されている周波数帯域を、430MHz帯に代えて(又は430MHz帯に追加して)使用することもできる。
図12は、放送信号判定部5の第2の構成例を示すブロック図である。図10に示した構成から、ミキサ52、バンドパスフィルタ53、局所発振器56、及び制御部57が省略されている。また、図10に示したバンドパスフィルタ50に代えて、バンドパスフィルタ50A,50Bが設けられている。
バンドパスフィルタ50Aは、受信信号の全帯域の中から、CATV独自の周波数帯域である108〜170MHzの帯域の信号を通過させる。また、バンドパスフィルタ50Bは、受信信号の全帯域の中から、CATV独自の周波数帯域である222〜468MHzの帯域の信号を通過させる。バンドパスフィルタ50A,50Bを通過した信号は、低雑音増幅器51によって増幅された後、電力検出部54に入力される。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50A,50Bを通過した信号の電力値(108〜170MHz及び222〜468MHzの帯域の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入
力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、CATVの放送信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、CATVの放送信号を受信していないと判定する。
第2の構成例に関する第2の変形例として、バンドパスフィルタ50Aの通過帯域を、低域側のVHFの放送信号の周波数帯域(90〜108MHz)にし、バンドパスフィルタ50Bの通過帯域を、高域側のVHFの放送信号の周波数帯域(170〜222MHz)にする。上記と同様に、バンドパスフィルタ50A,50Bを通過した信号は、低雑音増幅器51によって増幅された後、電力検出部54に入力される。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50A,50Bを通過した信号の電力値(90〜108MHz及び170〜222MHzの帯域の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、VHFの放送信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、VHFの放送信号を受信していないと判定する。地上波アナログ放送のサービス終了後においてもVHFの放送信号を受信している場合には、判定部55は、CATV網を経由してVHFの放送信号を受信している(つまり同軸線11はCATV網に接続されている)と判定することができる。地上波アナログ放送のサービス終了にあわせて、スイッチ等によりバンドパスフィルタやその通過帯域を切り替えるように構成してもよい。
図13は、第2の構成例に関する第3の変形例を示すブロック図である。図12に示したバンドパスフィルタ50A,50Bに代えて、バンドパスフィルタ50が設けられている。バンドパスフィルタ50の通過帯域は、例えば、CATV独自の周波数帯域である108〜170MHz及び222〜468MHzを含む、90〜770MHzになっている。上記と同様に、バンドパスフィルタ50を通過した信号は、低雑音増幅器51によって増幅された後、電力検出部54に入力される。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50を通過した信号の電力値(90〜770MHzの帯域の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、CATVの放送信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、CATVの放送信号を受信していないと判定する。CATVの放送信号を受信している場合には、それを受信していない環境に比べて受信チャンネル数が多くなるため、電力検出部54によって検出される総電力値も大きくなる。従って、その総電力値の大小に基づいて、同軸線11がCATV網に接続されているか否かを判定することができる。
なお、当該変形例において、バンドパスフィルタ50の通過帯域を、携帯電話に使用されている800MHz帯(又は2GHz帯)にすることもできる。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50を通過した信号の電力値(800MHz帯の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、携帯電話の信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、携帯電話の信号を受信していないと判定する。携帯電話の信号を受信しているということは、その住宅にはアンテナ20が設置されている可能性が高いため、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていないと判定することができる。
また、当該変形例において、バンドパスフィルタ50の通過帯域を、アマチュア無線に
使用されている50MHz帯(50〜54MHz)にすることもできる。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50を通過した信号の電力値(50〜54MHzの帯域の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、アマチュア無線の信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、アマチュア無線の信号を受信していないと判定する。アマチュア無線の信号を受信しているということは、その住宅にはアンテナ20が設置されている可能性が高いため、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていないと判定することができる。
また、当該変形例において、バンドパスフィルタ50の通過帯域を、短波ラジオに使用されている周波数帯域(9.595〜9.760MHz、3.925〜3.945MHz、又は6.055〜6.115MHz)にすることもできる。電力検出部54は、バンドパスフィルタ50を通過した信号の電力値(9.595〜9.760MHz、3.925〜3.945MHz、又は6.055〜6.115MHzの帯域の総電力値)を検出して、その検出結果を判定部55に入力する。判定部55は、電力検出部54によって検出された電力値と、予め設定された所定の閾値とを比較する。そして、判定部55は、検出された電力値がその閾値以上である場合には、短波ラジオの信号を受信していると判定し、一方、検出された電力値がその閾値未満である場合には、短波ラジオの信号を受信していないと判定する。短波ラジオの信号を受信しているということは、その住宅にはアンテナ20が設置されている可能性が高いため、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていないと判定することができる。
図14は、放送信号判定部5の第3の構成例を示すブロック図である。図10に示した電力検出部54に代えて、64QAM復調器60が設けられている。バンドパスフィルタ50の通過帯域は、例えば、CATV独自の周波数帯域である108〜170MHz及び222〜468MHzを含む、90〜770MHzにされている。ミキサ52は、90〜770MHzの帯域の信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。バンドパスフィルタ53は、その所定の周波数帯域の信号を通過して、64QAM復調器60に入力する。64QAM復調器60は、バンドパスフィルタ53から入力された信号を復調できた場合には、その旨を判定部55に通知する。上記と同様に、制御部57によってローカル信号の周波数を変更しながら同様の処理を繰り返すことにより、90〜770MHzの帯域に含まれる全てのチャンネルの放送信号を順にサーチすることができる。64QAM変調方式はCATV独自の変調方式であるため、64QAM復調器60が復調に成功したことにより、判定部55は、受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定することができる。
第3の構成例に関する変形例として、64QAM復調器60の代わりに、AM波復調器を設けることもできる。ローカル信号の周波数を変更することによってAMラジオの周波数帯域(地域によって異なる)を順にサーチし、電力値が所定の閾値以上のAM波をAM波復調器が検出できた場合(つまりAM波を復調できた場合)には、AM波復調器から判定部55にその旨を通知する。通常はCATVでは送信されないAM波を受信しているということは、その住宅にはアンテナ20が設置されている可能性が高いため、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていないと判定することができる。
図15は、放送信号判定部5の第4の構成例を示すブロック図である。図10に示した電力検出部54に代えて、VSB復調器61が設けられている。バンドパスフィルタ50の通過帯域は、例えば、低域側のVHFの放送信号の周波数帯域(90〜108MHz)及び高域側のVHFの放送信号の周波数帯域(170〜222MHz)を含む、90〜770MHzにされている。ミキサ52は、90〜770MHzの帯域の信号の周波数を、
各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。バンドパスフィルタ53は、その所定の周波数帯域の信号を通過して、VSB復調器61に入力する。VSB復調器61は、バンドパスフィルタ53から入力された信号を復調できた場合には、その旨を判定部55に通知する。上記と同様に、制御部57によってローカル信号の周波数を変更しながら同様の処理を繰り返すことにより、90〜770MHzの帯域に含まれる全てのチャンネルの放送信号を順にサーチすることができる。VSB変調方式は、アナログ放送独自の変調方式である。地上波アナログ放送のサービス終了後においてもVSB復調器61が復調に成功している場合には、判定部55は、CATV網を経由してアナログ放送の放送信号を受信している(つまり同軸線11はCATV網に接続されている)と判定することができる。なお、VSB復調器61を設ける代わりに、VSBの搬送波を検出する検出器を設けることによっても、上記と同様の効果を得ることができる。
図16は、放送信号判定部5の第5の構成例を示すブロック図である。図10に示した電力検出部54に代えて、OFDM復調器62が設けられている。バンドパスフィルタ50の通過帯域は、例えば、UHFの周波数帯域である470〜770MHzを含む、90〜770MHzに設定されている。ミキサ52は、90〜770MHzの帯域の信号の周波数を、各チャンネルに対応して6MHzの帯域幅毎に所定の周波数帯域にダウンコンバートして出力する。バンドパスフィルタ53は、その所定の周波数帯域の信号を通過して、OFDM復調器62に入力する。OFDM復調器62は、バンドパスフィルタ53から入力された信号を復調し、ストリームに含まれているNIT(Network Information Table)又はPAT(Program Association Table)等の識別子を抽出して判定部55に入力する。判定部55は、抽出した識別子に記述されている経路情報を参照することにより、そのストリームの送信経路がCATV経由であるか否かを判定する。送信経路がCATV経由である場合には、判定部55は、同軸線11はCATV網に接続されていると判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 制御部(制御手段、通知手段)
2s 送信部(通知手段)
5 放送信号判定部(判定手段)
20 地上波用アンテナ
25 同軸線
M1 モデム(同軸線通信装置)

Claims (15)

  1. 同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置であって、
    前記同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整する制御手段と、を備えていることを特徴とする同軸線通信装置。
  2. 前記制御手段は、前記判定手段がCATVの放送信号が前記受信信号に含まれていないと判定した場合、前記通信信号の周波数帯域を、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域に調整する請求項1に記載の同軸線通信装置。
  3. 前記制御手段は、前記低周波数帯域を用いて通信信号を送信する場合、前記通信信号の信号レベルを、当該通信信号の周波数が地上波の放送信号の周波数帯域に近づくにしたがって漸次小さくなるように調整する請求項2に記載の同軸線通信装置。
  4. 前記制御手段は、前記判定手段がCATVの放送信号が前記受信信号に含まれていると判定した場合、前記通信信号の周波数帯域を、地上波の放送信号よりも高い高周波数帯域に調整する請求項1に記載の同軸線通信装置。
  5. 前記制御手段は、前記判定手段がCATVの放送信号が前記受信信号に含まれていると判定した場合、CATVの放送信号が含まれていないと判定される場合よりも、前記通信信号の信号レベルを大きく設定する請求項1に記載の同軸線通信装置。
  6. 前記判定手段は、予め定められたタイミングで前記受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  7. 前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整するための調整情報を前記同軸線に接続された他の同軸線通信装置に通知する通知手段をさらに備えている請求項1〜6のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  8. 前記判定手段は、CATVの放送信号独自の周波数帯域の信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  9. 前記判定手段は、VHFの周波数帯域の信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  10. 前記判定手段は、所定数以上の放送番組を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  11. 前記判定手段は、CATV独自の変調方式の信号を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  12. 前記判定手段は、地上波アナログ放送の変調方式の信号を受信していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  13. 前記判定手段は、前記受信信号に含まれる所定の識別子が、CATV経由の信号であることを示していることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていると判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  14. 前記判定手段は、携帯電話、アマチュア無線、短波ラジオ、及びAMラジオのうちの少なくとも一つの信号が前記受信信号に含まれていることにより、前記受信信号にCATVの放送信号が含まれていないと判定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸線通信装置。
  15. 同軸線を通信信号の伝送路として通信を行う同軸線通信装置に対する信号レベル又は/及び周波数帯域を調整する方法であって、
    前記同軸線を通じて受信する受信信号にCATVの放送信号が含まれているか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記通信信号の周波数帯域又は/及び信号レベルを調整する調整ステップと、を備えていることを特徴とする同軸線通信装置の調整方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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