JP2010074799A - 複合通信装置とそのスイッチング方法 - Google Patents

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芳久 浅尾
Masahiro Kuwabara
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Abstract

【課題】 不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる複合通信装置とそのスイッチング方法を提供する。
【解決手段】 本発明の通信装置に係る複合通信装置M1は、電力線通信機能と同軸線通信機能を併有しており、同軸線を伝送路とした比較的高速の通信が可能な同軸線送受信部2と、電力線を伝送路とした比較的低速の通信が可能な電力線送受信部3と、前記同軸線に対する地上波用アンテナの接続の有無を判定する放送信号判定部7と、電力線送受信部3の前記電力線に対する接続を維持しつつ、前記地上波用アンテナの接続が無いと判定された場合は同軸線送受信部2を前記同軸線に接続し、前記地上波用アンテナの接続が有ると判定された場合は同軸線送受信部2を前記同軸線から遮断する第一スイッチ8とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屋内に配設された同軸線及び電力線を用いて通信を行う複合通信装置とそのスイッチング方法に関するものである。
パソコンやデジタル家電製品の普及に伴って、住宅内にLAN(ローカルエリアネットワーク)を構築することがある。住宅内にLANを構築する場合、無線LANや電力線通信装置(PLCモデム)が用いられることが多いが、近年、屋内に配設されテレビ等の放送信号を伝送する同軸線を用いてより高速なデータ通信が可能な同軸線通信装置が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
NTTネオメイト−NEOSTYLESHOP−c.LINKサービス、[2008年8月21日検索]、インターネット<URL:HTTP://neostyle.ntt−neo.com/clink/clink.html>
上記同軸線通信装置は、住宅等の各部屋に配設された放送信号を伝送するための同軸線に接続される。この同軸線は、放送電波を受信するためのアンテナが接続された分配器を介して各部屋に配設されており、同軸線通信装置は、分配器を介して接続された各部屋ごとの同軸線を信号伝送路として用いる。
このため、同軸線通信装置が出力する通信信号を同軸線に伝送させると、その通信信号が分配器を通過してアンテナに到達し、アンテナから当該通信信号が電磁波として放射される、いわゆる不要輻射を発生させてしまうおそれがある。
上記アンテナからの不要輻射を抑制するには、通信信号がアンテナ側に到達するのを遮断するためのフィルタをアンテナと分配器との間に設けたり、同軸線通信装置同士による通信が確立できる範囲で、通信信号の通信信号レベルを極力抑えるといったことが考えられる。
しかし、上記フィルタをアンテナと分配器との間に設けるには、専門的な知識を要するので、同軸線通信装置を購入したユーザが容易に設置できないという問題がある。
また、通信が確立できる範囲で通信信号レベルを抑えれば、不要輻射は抑制されるが、通信品質が劣化するという問題が生じる。
一方、電力線通信装置は、住宅等の各部屋に設けられた多数の電源コンセント及び電力線を通信に利用するため利便性が高いというメリットを有しているが、電力線の伝送路損失や線路ノイズの影響で十分な通信品質が得られないケースも存在する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる複合通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、電力線通信機能と同軸線通信機能を併有する複合通信装置であって、同軸線を伝送路とする第一送受信部と、電力線を伝送路とする第二送受信部と、前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定する判定手段と、前記第二送受信部の前記電力線に対する接続を維持しつつ、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線から遮断するスイッチング手段と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された複合通信装置によれば、スイッチング手段が、アンテナ接続が無いと判定された場合は第一送受信部を同軸線に接続し、アンテナ接続が有ると判定された場合は第一送受信部を同軸線から遮断するので、アンテナ接続が無く不要輻射のおそれがない場合には第一送受信部によって通信を行うことができ、アンテナ接続が有り不要輻射のおそれがある場合には第一送受信部が出力する通信信号が伝達するのを防止できる。
また、スイッチング手段は、上記動作に関わらず第二送受信部の電力線に対する接続を維持するので、第一送受信部を同軸線から遮断したとしても通信を維持することができる。
以上のように、本発明の複合通信装置によれば、両送受信部の接続を切り替えることで、不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる。
なお、上記アンテナは、通信信号が伝達することによって不要輻射が生じる地上波受信用のアンテナを指す。
CATVによってテレビ等の放送信号を受信する場合、放送信号を受信するためのアンテナは不要である。このため、同軸線から伝送される放送信号にCATVの放送信号が含まれていれば、アンテナ接続が無いと判定することができる。
よって、前記判定手段は、前記同軸線に伝送されるCATVの放送信号の受信状態に基づいて、前記アンテナ接続の有無を判定するものであることが好ましい。
この場合、CATVの放送信号の受信状態が、当該CATVの放送信号を受信していると判断しうる状態であれば、同軸線にはアンテナが接続されていないと判断できる。
なお、CATVは、一般に、Common Antenna TeleVision、又は、Community Antenna TeleVisionの略称であるが、本願明細書中では、CATVとは、ケーブルを用いてテレビ等の放送信号を送信することで行われる有線放送を示す。
前記スイッチング手段は、さらに、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第二送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第二送受信部を前記同軸線から遮断するものであることが好ましい。
この場合、スイッチング手段は、アンテナ接続が有ると判定された場合は第一送受信部を同軸線から遮断し、かつ第二送受信部を、電力線よりも伝送路損失が少なくノイズも小さい同軸線に接続するので、アンテナ接続があると判定された場合の通信品質をより高めることができる。
なお、第二送受信部の通信信号であっても、アンテナ接続が有る同軸線に伝送されれば、不要輻射の原因となるおそれがある。このため、上記の場合、同軸線に伝送される第二送受信部の通信信号の信号レベルを減衰する減衰器が設けられていることが好ましい。
この場合、第二送受信部が出力する通信信号の信号レベルを好適に減衰、調整することができ、不要輻射を抑えつつ通信品質を確保できる。
また、上記複合通信装置において、アンテナ接続が有る場合、第二送受信部は、電力線と同軸線の両方に接続される状態が生じるが、電力線通信を使用する必要がなければ、電力線に通信信号を出力する必要はない。このため、前記第二送受信部を前記電力線から遮断するためのスイッチ部材が設けられていてもよい。
電力線に通信信号を出力する必要が無いときに、このスイッチ部材によって第二送受信部を電力線から遮断すれば、第二送受信部が電力線と同軸線の両方に接続されたときに生じる分岐損失を低減できる。
また、住宅等におけるテレビ等の放送信号の受信態様は随時変化するものではないので、一度、判定手段の判定結果に基づいてスイッチングを行えば、その後も、当該受信態様に応じた設定を維持できる。このため、前記判定手段は、予め定められたタイミングで前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定するように構成してもよい。これにより、必要以上に判定が行われるのを防止できる。
上記複合通信装置において、自己の前記スイッチング手段のスイッチング状態を示す情報を、前記同軸線及び前記電力線に接続された他の複合通信装置に通知する通知手段をさらに備えていることが好ましい。
この場合、スイッチング手段によりスイッチングを行った複合通信装置が、他の複合通信装置に対して、自己のスイッチング状態を示す情報を通知することができるので、当該他の複合通信装置は、前記判定手段を備えずとも、自己のスイッチング手段に対するスイッチングを行うことができる。
また、本発明は、同軸線を伝送路とする第一送受信部による同軸通信機能と、電力線を伝送路とする第二送受信部による電力線通信機能とを併有する複合通信装置におけるスイッチング方法であって、
前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定する判定ステップと、
前記第二送受信部の前記電力線に対する接続を維持しつつ、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線から遮断するスイッチングステップと、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された複合通信装置のスイッチング方法によれば、上述のように、両送受信部の接続を切り替えることで、不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる。
以上のように、本発明の複合通信装置とそのスイッチング方法によれば、不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る複合通信装置の通信機能に係る構成を示すブロック図である。図中の複合通信装置M1(以下、単にモデムM1ともいう)は、直交周波数分割多重(OFDM)方式による通信方式が採用されており、電力線を用いた通信である電力線通信を行う機能と、同軸線を用いた通信である同軸線通信を行う機能とを併有している。図1に示すように、モデムM1は、主に同軸線通信に係る送受信処理を行う同軸線送受信部(第一送受信部)2と、主に電力線通信に係る送受信処理を行う電力線送受信部(第二送受信部)3と、これら両送受信部2、3の制御を行うとともにモデム間の通信に係るメディアアクセス制御を行う制御部1と、通信信号の伝送路としての外部の同軸線に接続するためのコネクタ4と、電力線送受信部3に接続され当該モデムM1への電源供給路と通信信号の伝送路とを兼ねる電源コード5と、制御部1に接続され外部に設けられるパソコン等の情報機器とのインターフェースとなる外部インターフェース6(例えばイーサネット(登録商標)のインターフェース)と、当該モデムM1が受信する受信信号に所定の放送信号が含まれているか否かを判定する放送信号判定部7とを備えている。
また、同軸線送受信部2とコネクタ4との間には、両者の間を接続、遮断する第一スイッチ8が設けられている。
さらに、第一スイッチ8及びコネクタ4を繋ぐ信号路9と、電力線送受信部3及び電源コード5を繋ぐ信号路10との間には、両信号路9、10の間を接続、遮断する第二スイッチ11が設けられている。
同軸線送受信部2は、同軸線を主な通信信号の伝送路としかつ比較的広帯域幅を用いることで比較的高速な通信が可能であり、モデム間の通信に係るデータの変復調や、A/D、D/A変換、通信信号の送受信を行う。電力線送受信部3は、電力線を主な通信信号の伝送路としかつ同軸線送受信部2と比較して狭い帯域幅を用いることで比較的低速な通信が可能であり、モデム間の通信に係るデータの変復調及び通信信号の送受信を行う。
両送受信部2、3は、モデムM1が受信した受信信号から他のモデムが送信した通信信号を取り出しA/D変換や復調処理等によって得られた受信データを制御部1に対して出力する。また、両送受信部2、3には、モデムM1に接続されたパソコンが出力する送信データが制御部1を介して与えられる。さらに両送受信部2、3は、与えられた送信データに対して変調処理やD/A変換等を行うことによって、送信すべき通信信号を得、他のモデム等に送信する。なおこれら通信信号の送受信は、例えば、時分割通信方式により行われる。
制御部1は、両送受信部2、3から出力される受信データを外部インターフェース6を介してパソコンに出力するとともに、パソコンから出力される送信データを両送受信部2、3に出力する。
また、制御部1は、放送信号判定部7から出力される後述の判定結果に関する通知に基づいて、両スイッチ8、11の接続、遮断に係る制御を行う。
コネクタ4には、同軸線12の一端に設けられたアンテナプラグ13が接続される。同軸線12の他端のアンテナプラグ13は、宅内に設けられたTV端子に接続される。モデムM1は、TV端子から延び各部屋に放送信号を分配するための同軸線等によって構成される伝送経路を用いて、他のモデムとの間で同軸線通信を行う。
電源コード5は、その先端に設けられた電源プラグ5aを宅内に設けられたコンセントに差し込むことで、当該宅内の各部屋に配設された電力線に接続される。モデムM1は、宅内の電力線を用いて、他のモデムとの間で電力線通信を行う。
図2は、モデムM1と他の機器との間で構築される通信ネットワークを説明するための模式図である。
モデムM1は、アンテナプラグ13及び電源プラグ5aが宅内に設けられたTV端子及びコンセントにそれぞれ差し込まれることで、他のモデムM2との間で、同軸線通信及び電力線通信双方によって通信が可能であり、モデムM1、M2に接続されるパソコン等は、同軸線通信ネットワーク及び電力線通信ネットワークを構成する。なお、ここで他のモデムM2は、図1にて示したモデムM1と同様の構成を有しており、電力線通信機能と同軸線通信機能とを併有している。
電力線通信ネットワークには、例えば、電力線通信機能のみを有しているモデムP1を接続することができ、モデムM1、M2は、このようなモデムP1との間においては、電力線通信ネットワークを介して電力線通信が可能である。この場合、モデムP1に接続されるパソコン等は、電力線通信ネットワークのみで通信可能である。
図3は、住宅内に配設された電力線の構成の一例を示す模式図である。
図に示すように、電力線30は、住宅Hに設置される電化製品等に外部からの電力を分配供給すべく住宅H内の各部に設けられたコンセント31に接続されている。コンセント31に電源プラグを差し込むことで電力線30に接続される機器類は、互いに物理的に接続される。モデムM1は、電源プラグ5aをコンセント31に差し込むことで、電力線30に接続され、この電力線30を通信信号の信号伝送路として通信を行う。これにより、モデムM1に接続されるパソコンは、他のモデムM2に接続されるパソコンや、モデムP1といった他の電力線通信装置に接続されるパソコン等との間で電力線通信を行うことができ、図2に示す電力線通信ネットワークが構成される。
図4は、住宅内に配設されてテレビ等の放送信号を各部屋に分配するための同軸線の接続構成の一例を示す模式図であり、(a)は、地上波放送(UHF)受信用のアンテナを備えた構成を示す図であり、(b)は、CATVによってテレビの放送信号を受信する構成を示す図である。
図4(a)のように、地上波放送受信用のアンテナ20(以下、地上波用アンテナ20ともいう)のみが設置される場合、地上波用アンテナ20は、同軸線24を介して住宅H内に設置された分配器23に接続される。分配器23は、住宅H内の各部屋に設置された複数のTV端子14それぞれとの間で、当該複数のTV端子14ごとに配設された同軸線25を介して接続されており、地上波用アンテナ20が受信する放送信号を各TV端子14に接続される機器に分配する。
なお、図4(a)では、地上波用アンテナ20をUHF用アンテナとした場合を示したが、この地上波用アンテナ20は、VHF用アンテナであっても、その接続の態様は同様である。また、地上波用アンテナ20と分配器23との間に混合器を接続し、この混合器に衛星放送用のパラボラアンテナを接続した場合であっても同様である。
また、図4(b)のように、CATVによってテレビの放送信号を受信する場合、分配器23には、屋外から延びるCATV送信用の同軸線26が接続される。CATVの放送信号は、同軸線26を介して送信されて分配器23に伝達する。分配器23は、CATVの放送信号を各TV端子14に接続される機器に分配する。
本実施形態のモデムM1は、同軸線12を介してTV端子14に接続される。そして、同様に他のTV端子14に接続された他のモデムM2との間で通信信号の送受信を行う。つまり、両モデムM1、M2は、分配器23及びこの分配器23に接続される複数の同軸線25を介して有線で繋がっており、これら分配器23及び同軸線25を通信信号の信号伝送路として通信を行う。これにより、モデムM1に接続されるパソコンは、他のモデムM2に接続されるパソコンとの間で同軸線通信を行うことができ、図2に示す同軸線通信ネットワークが構成される。
モデムM1は、図4中のTV端子14に接続されるので、コネクタ4を通じて当該モデムM1が受信する受信信号には、他のモデムM2からの通信信号の他、住宅Hにおけるテレビ放送の受信態様によっては、アンテナ20からの放送信号又はCATVの放送信号も含まれる。
図5は、各放送信号に割り当てられている周波数帯域を示す図である。なお、図において、衛星放送の放送信号については、IFレベルの周波数帯域を示している。
図に示すように、地上波であるVHF波の放送信号は、約90〜222MHzの帯域が割り当てられており、同じく地上波であるUHF波の放送信号は、約470〜770MHzの帯域が割り当てられている。
衛星放送(BS放送又はCS放送)の放送信号は、約1030〜2050MHzの帯域が割り当てられている。
CATVの放送信号は、約90〜770MHzの帯域が割り当てられており、その内、222〜470MHzの間の帯域については、CATVの放送信号のみが割り当てられている帯域がある。
本実施形態のモデムM1の電力線送受信部3は、宅内の電力線に接続され、この電力線を用いて通信を行うが、後述するように両スイッチ8、11の状態によっては、同軸線25に通信信号を出力することが可能である。この場合、電力線送受信部3は、電力線に通信信号を出力するときの周波数帯域をそのまま用いて通信を行う。
すなわち、電力線送受信部3は、図4中、地上波(VHF波)の放送信号よりも低い周波数帯域である低周波数帯域R1を用いて通信を行う。また、同軸線送受信部2は、地上波(UHF波)の放送信号よりも高い周波数帯域である高周波数帯域R2を用いて通信を行うように構成されている。
具体的に、低周波数帯域R1は、通常電力線通信において用いられる帯域である2〜30MHzに設定され、高周波数帯域R2は、地上波の帯域と衛星放送波の帯域との間である800〜1000MHzに設定されている。
上記のように同軸線送受信部2は、電力線送受信部3と比較して、より広い帯域幅を用いた通信が行われるので、電力線送受信部3による通信よりも、より通信品質が高く、比較的高速な通信が可能である。
なお、地上波(VHF波)の放送信号は90MHzより高い範囲に設定されているので、低周波数帯域R1は、2〜90MHzに設定することもできる。また、高周波数帯域R2としては、図中、衛星放送(BS、CS)の帯域よりも高い周波数領域である、2.1GHz以上、より好ましくは2.2〜2.4GHzの帯域に設定することもできる。
モデムM1が接続されるTV端子14には、上述のように、他のモデムM2からの通信信号の他に、図5に示すような放送信号が、住宅Hにおけるテレビ放送の受信態様に応じて伝達する。このため、モデムM1は、通信信号と放送信号とを含んだ受信信号をTV端子14を介して受信することとなる。
図1に戻って、放送信号判定部7は、コネクタ4と第一スイッチ8との間の信号路9に接続されており、TV端子14からの前記受信信号が与えられる。放送信号判定部7は、TV端子14からの受信信号中に、CATVの放送信号が含まれているか否かを判定する機能を有しており、CATVの放送信号のみが用いている周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ7aと、バンドパスフィルタ7aを通過した信号の信号レベルを検出するレベル検出部7bと、前記信号レベルが後述する予め定められた閾値以上であるか否かを判定する判定部7cとを備えている。
上記バンドパスフィルタ7aは、図3中に示す、CATVの放送信号のみが割り当てられている帯域(222〜470MHz)内に設定された帯域R3における信号を通過させ、レベル検出部7bに与える。
レベル検出部7bは、バンドパスフィルタ7aを通過した信号の信号レベルを検出し、その信号レベル値を判定部7cに出力する。
判定部7cは、予め定められた閾値を記憶しており、レベル検出部7bが検出した信号レベル値がこの閾値以上であるか否かを判定する。前記閾値は、例えば、モデムM1の入力レベルにおいて各種映像機器が放送信号を受信するのに必要なレベル値に設定される。したがって、判定部7cがレベル検出部7bが出力する信号レベル値が前記閾値以上であると判定された場合、受信信号中の放送信号にCATVの放送信号が含まれていると判定することができ、前記閾値より小さいと判定された場合、CATVの放送信号が含まれていないと判定することができる。
CATVによってテレビ等の放送信号を受信する場合、放送信号を受信するためのアンテナは不要である。このため、同軸線25及びTV端子14から伝達する放送信号にCATVの放送信号が含まれていれば、地上波用アンテナ接続が無いと判定することができる。よって、放送信号判定部7は、同軸線25に伝送されるCATVの放送信号の受信状態としての信号レベルに基づいて、地上波用アンテナの接続の有無を判定することができる。
この場合、TV端子14から伝達する放送信号において、CATVの放送信号の信号レベルが前記閾値以上であり、当該CATVの放送信号を受信していると判断しうる受信状態であれば、同軸線25には地上波用アンテナが接続されていないと判断できる。逆に、CATVの放送信号の信号レベルが前記閾値より小さく、CATVの放送信号を受信していないと判断しうる受信状態であれば、地上波用アンテナが接続されていると判断できる。このように、放送信号判定部7は、同軸線25に対する地上波用アンテナの接続の有無を判定するための判定手段を構成している。
また、判定部7cは、上記受信信号中の放送信号にCATVの放送信号が含まれているか否か(同軸線25には地上波用アンテナが接続されているか否か)の判定結果を制御部1に対して出力する。
次に、放送信号判定部7から出力される判定結果に基づいて、モデムM1の制御部1が行う、両スイッチ8、11の接続、遮断に係る制御について説明する。
制御部1は、放送信号判定部7が判定を行うと(判定ステップ)、その判定結果に応じて、下記表1に示すように、両スイッチ8、11の制御(スイッチング)を行う(スイッチングステップ)。
Figure 2010074799
上記表1に示すように、放送信号判定部7から、TV端子14から伝達する放送信号中にCATVの放送信号を含んでいる(同軸線25には地上波用アンテナが接続されていない)旨の判定結果が与えられると、制御部1は、第一スイッチ8を接続状態とし、第二スイッチ11を遮断状態とする(パターン1)。これによって、同軸線送受信部2とコネクタ4との間が接続され、同軸線送受信部2は、同軸線25(図3)に接続されるので、同軸線25に対して通信信号を出力することができ、同軸線25を用いて通信を行うことができる。また、第二スイッチ11は遮断状態であるので、電力線送受信部3は、同軸線25に対して遮断される。
一方、放送信号判定部7から、TV端子14から伝達する放送信号中にCATVの放送信号を含んでいない(同軸線25には地上波用アンテナが接続されている)旨の判定結果が与えられると、制御部1は、第一スイッチ8を遮断状態とし、第二スイッチ11を接続状態とする(パターン2)。これによって、同軸線送受信部2は、同軸線25(図3)に対して遮断され、同軸線25に対して通信信号を出力できない。また、第二スイッチ11は接続状態であるので、電力線送受信部3は、同軸線25に接続される。従って、電力線送受信部3は、同軸線25に対して通信信号を出力することができ、同軸線25を用いて通信を行うことができる。
なお、電力線送受信部3は、信号路10及び電源コード5によって、宅内の電力線30に接続されているので、上記両スイッチ8、11の動作パターンに関わらず、宅内の電力線30に対する接続が維持され、電力線通信を行うことができる。
以上のように、制御部1及び両スイッチ8、11は、電力線送受信部3の電力線送受信部3の電力線30に対する接続を維持しつつ、地上波用アンテナ接続が無いと判定された場合は同軸線送受信部2を同軸線25に接続しかつ電力線送受信部3を同軸線25から遮断し、地上波用アンテナが有ると判定された場合は同軸線送受信部2を同軸線25から遮断しかつ電力線送受信部3を同軸線25に接続するスイッチング手段を構成している。
次に、上記モデムM1を設置する際における、当該モデムM1の具体的な動作の態様について説明する。なお、ここでは、放送信号の受信態様として、図4で示したCATVによってテレビ放送の放送信号を受信する住宅に設置する場合と、地上波用アンテナ等によって放送信号を受信する住宅に設置する場合の二つのパターンについて説明する。
まず、図4(a)に示す、地上波用アンテナ20のみが設置された住宅Hの宅内に、モデムM1を設置する場合について説明する。なお、地上波用アンテナ20は、地上波の放送信号(UHF波)をテレビ等の受像器が十分に受像可能な程度の電力で受信しているものとする。
モデムM1をTV端子14及びコンセント31に接続して起動すると、まず、モデムM1は、TV端子14を介して受信する受信信号中の放送信号についての判定を、放送信号判定部7に行わせる。なお、本実施形態のモデムM1は、当該モデムM1を初めて起動したタイミングで、放送信号判定部7に判定を行わせ、その後は、所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過するまで判定を行わないように制御する。
住宅Hには、地上波用アンテナ20のみが設置されているので、モデムM1が受信する受信信号にはCATVの放送信号が含まれていない。よって、放送信号判定部7は、受信信号にCATVの放送信号が含まれていない旨の判定結果を制御部1に対して通知することとなる。
この結果、制御部1は、両スイッチ8、11を、上記表1に示すパターン2のように制御し、スイッチングを行う。これにより、同軸線送受信部2による通信は遮断されるので、モデムM1は、電力線送受信部3のみによって他のモデムM2と通信を行うこととなる。
また、他のモデムM2との通信において、電力線送受信部3は、第二スイッチ11が接続されることで、電力線30に接続されるのと同時に同軸線25にも接続される。よって、電力線送受信部3が出力する通信信号は、電力線30及び同軸線25の双方に分岐して送信される。
この場合、他のモデムM2は、電力線30及び同軸線25の双方を介して電力線送受信部3が出力した通信信号を受信することとなるが、この場合、他のモデムM2は、先に到達した通信信号を受信し、後から到達した通信信号をノイズと判断する。
一般に、電力線によって通信を行う場合、伝送路損失が大きく、電力線に接続されている他の電気機器からのノイズの影響を大きく受ける一方、同軸線の場合、電力線よりも伝送路品質が高く、伝送遅延も小さい。
このため、電力線送受信部3が出力する通信信号は、より通信品質が高く伝送速度の点で有利な同軸線25を介して他のモデムM2に受信されると考えられる。その一方、他の要因で、同軸線25の方が電力線30と比較し伝送路品質が悪く、伝送遅延も悪化した場合には、電力線30を介して他のモデムM2に受信される場合も考えられる。
このように、電力線30及び同軸線25の状況に応じて、より良好な通信状態が得られる伝送路を介して通信信号が受信されることとなり、結果的に通信品質が高められることとなる。
すなわち、地上波用アンテナ接続が有ると判定され同軸線送受信部2が同軸線25から遮断された場合、第二スイッチ11によって、電力線送受信部3を同軸線25に接続することで、当該電力線送受信部3による通信の通信品質を、電力線30を介した場合よりも高めることができる。
なお、電力線30に接続される電力線通信機能のみを有しているモデムP1に対する通信については、電力線30すなわち電力線通信ネットワークを介して行うことができる。
ここで、地上波用アンテナ20のみが設置されている場合、モデムM1から地上波用アンテナ20までの間には、分配器23が介在しているが、上記従来例にて述べたように、モデムM1が通信信号を出力すると、その通信信号が同軸線25及び分配器23を通過して地上波用アンテナ20に到達し、当該アンテナ20から不要輻射を発生させてしまうおそれがある。
上記のように、電力線送受信部3は、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域R1で通信信号を出力するが、このような通信信号を同軸線25に出力した場合においても、地上波用アンテナ20からの不要輻射が生じるおそれはある。しかし、地上波の周波数帯域から外れているので、通信信号の地上波用アンテナ20からの放射レベルは、そのアンテナの特性上、地上波の放送信号の周波数帯域における通信信号の放射レベルよりも抑制される。
図6は、地上波用アンテナのアンテナ出力特性の一例を示すグラフである。
図中、横軸は信号周波数、縦軸はアンテナの受信出力を示している。また、図中の破線Tは、地上波の放送信号の帯域境界を示しており、破線Tより右側は、地上波の放送信号の周波数帯域を示している。
図中グラフは、周波数軸に対して一定出力の信号波を受信したときの周波数に対する地上波用アンテナの出力変化を示している。図に示すように、地上波用アンテナは、地上波の放送信号の周波数帯域の信号を受信する場合には、比較的高い受信出力を示すが、地上波の放送信号の周波数帯域外の信号を受信する場合には、急激にその受信出力が低下するという特性を有している。
上記のようなアンテナの出力特性は、アンテナからの放射レベルにおいても反映されるので、地上波の放送信号の周波数帯域よりも小さい周波数の信号におけるアンテナからの放射レベルは抑制される。つまり、本実施形態のように、電力線送受信部3が、地上波の放送信号よりも低い低周波数帯域R1を用いて、同軸線25に通信信号を出力した場合、地上波用アンテナ20は上記のような出力特性であることから、当該地上波用アンテナ20からの放射レベルが抑制される。
以上のように、本実施形態のモデムM1では、CATVの放送信号が受信信号に含まれておらず、地上波のアンテナが同軸線に接続されていると判断できるときには、同軸線送受信部2による通信信号が同軸線25に出力されるのを遮断し、電力線送受信部3による低周波数帯域R1を用いた通信信号が同軸線25に出力されるので、地上波用アンテナ20からの放射レベルが抑制され不要輻射を抑制することができる。
次に、図4(b)に示す、CATVによってテレビ放送の放送信号を受信する住宅Hの宅内に、モデムM1を設置する場合について説明する。なお、同軸線26を介して送信されるCATVの放送信号は、テレビ等の受像器が十分に受像可能な程度の電力で送信されているものとする。
上記同様、モデムM1をTV端子14及びコンセント31に接続して起動すると、まず、モデムM1は、TV端子14を介して受信する受信信号中の放送信号についての判定を、放送信号判定部7に行わせる。
住宅Hには、地上波用アンテナは接続されておらず、屋外から延びる同軸線26によってCATVの放送信号が送信されるので、モデムM1が受信する受信信号にはCATVの放送信号が含まれている。よって、放送信号判定部7は、受信信号にCATVの放送信号が含まれている旨の判定結果を制御部1に対して通知することとなる。
この結果、制御部1は、両スイッチ8、11を、上記表1に示すパターン1のように制御し、スイッチングを行う。これにより、同軸線送受信部2が同軸線25に接続されるとともに、電力線送受信部3が同軸線25から遮断されるので、モデムM1は、同軸線送受信部2及び電力線送受信部3双方によって、他のモデムM2や、電力線通信ネットワークに接続される電力線通信機能のみを有しているモデムP1と通信を行うこととなる。
この場合、地上波用アンテナ等が分配器23や同軸線25に接続されていないので、モデムM1が出力する通信信号が外部に放射されることはなく、不要輻射が生じることはない。
従って、高周波数帯域R2を用いて通信信号を出力する同軸線送受信部2は、通信信号レベルを通信に必要十分な比較的高い値に設定することができ、かつ上述したように、高周波数帯域R2は、電力線送受信部3が用いる低周波数帯域R1よりも広い帯域幅に設定されるので、より高い通信品質を得ることができる。
地上波の放送信号よりも高い周波数帯域側は、地上波の放送信号よりも低い周波数帯域側よりも、通信に割当可能な帯域幅の許容範囲が相対的に広い(図5参照)。このため、高周波数帯域R2を用いて通信信号を出力する場合、低周波数帯域R1を用いた場合と比較して、より広い帯域幅で通信信号を送信できる。この結果、より多くのデータの送信が可能となり、より高い通信品質で通信を行うことができる。
以上のように、本実施形態のモデムM1によれば、制御部1及び第一スイッチ8が、地上波用アンテナの接続が無いと判定された場合は同軸線送受信部2を同軸線25に接続し、地上波用アンテナの接続が有ると判定された場合は同軸線送受信部2を同軸線25から遮断するので、アンテナ接続が無く不要輻射のおそれがない場合には同軸線送受信部2によって比較的高速な通信を行うことができ、地上波用アンテナの接続が有り不要輻射のおそれがある場合には、同軸線送受信部2が出力する比較的信号レベルが高い通信信号が伝達するのを防止できる。
また、制御部1及び両スイッチ8、11は、上記動作に関わらず電力線送受信部3の電力線30に対する接続を維持するので、同軸線送受信部2を同軸線25から遮断したとしても通信を維持することができる。
さらに、制御部1及び第二スイッチ11は、地上波用アンテナ接続が有ると判定された場合は電力線送受信部3を同軸線25に接続し、地上波用アンテナ接続が無いと判定された場合は電力線送受信部3を同軸線25から遮断する。
この場合、電力線送受信部3を電力線30よりも伝送路損失が少なくノイズも小さい同軸線25に接続するので、地上波用アンテナ接続があると判定され電力線送受信部3のみで通信を行う場合の通信品質をより高めることができる。
以上のように、本発明のモデム1によれば、両送受信部2、3の接続を切り替えることで、不要輻射を抑制しつつ、通信環境に応じて可能な限り通信品質を確保することができる。
住宅に設置されたアンテナの構成は随時変化するものではないので、一度、放送信号判定部7の判定結果に基づいて、制御部1が両スイッチ8、11を制御しスイッチングを行えば、その後も、住宅Hの放送信号の受信態様に応じた設定を維持できる。このため、本実施形態のモデムM1は、当該モデムM1を初めて起動したタイミングで、放送信号判定部7による判定を行い、両スイッチ8、11の制御(スイッチング)を行う。そして、その動作パターン(スイッチング状態)の設定を維持し、その後は、所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過するまで放送信号判定部7の判定及び両スイッチ8、11の制御設定を行わないように制御する。
このように、放送信号判定部7に、予め定められたタイミングで判定させるように構成することで、必要以上に判定が行われるのを防止できる。
また、上記のようにモデムM1をTV端子14及びコンセント31に接続し、両スイッチ8、11の制御(スイッチング)を終えると、モデムM1の制御部1は、他のモデムM2が同一の信号伝送路内に接続されているか否かを確認するための通信信号を生成し、両送受信部2、3に送信させる。この通信信号には、自己の両スイッチ8、11の動作パターン(スイッチング状態)を示す情報が含まれている。
他のモデムM2が接続されている場合、この通信信号を受信した他のモデムM2は、モデムM1の両スイッチ8、11の動作パターン(スイッチング状態)を示す情報を取得することができ、その情報に基づいて、自己の両スイッチ8、11のスイッチングを行うことができる。
以上のように、制御部1及び両送受信部2、3は、自己の両スイッチ8、11の動作パターンを示す情報を他のモデムM2に通知するための通知手段を構成しており、これによって、他のモデムM2は、上述の放送信号判定部5等を備えずとも、自己の両スイッチ8、11のスイッチングを行うことができる。
図7は、本発明の第二の実施形態に係るモデムM1の通信機能に係る構成を示すブロック図である。本実施形態と第一の実施形態との相違点は、第二スイッチ11と信号路10との間に、減衰器15が接続されている点、及び、減衰器15が信号路10に接続されている接続点10aと電源コード5との間を接続、遮断する第三スイッチ(スイッチ部材)16が設けられている点である。その他の点については、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
上記減衰器15は、電力線送受信部3から出力され第二スイッチ11を通過して同軸線25に伝達する通信信号の信号レベルを減衰する。つまり、上記表1中のパターン2の場合(地上波用アンテナの接続があると判定された場合)における電力線送受信部3が同軸線25に出力する通信信号の信号レベルを調整するものであり、第二スイッチ11が遮断される表1中のパターン1の場合には、通信信号の処理に関与しない。
電力線送受信部3が電力線30に対して出力する通信信号の信号レベルが比較的高い場合、その高い信号レベルの通信信号が、地上波用アンテナに接続されている同軸線25に伝送されれば、不要輻射の原因となるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、減衰器15によって、電力線送受信部3が出力し同軸線25に伝送される通信信号の信号レベルを好適に減衰、調整することができ、不要輻射を抑えつつ通信品質を確保できる。
また、電力線送受信部3が出力する通信信号は、主に電力線30に出力されるため、電力線30の特性に合わせて調整されている。このため、この通信信号をインピーダンス特性の異なる同軸線25に伝送する場合、インピーダンス整合を取る必要がある。この点、本実施形態では、電力線送受信部3と、電力線30との間に減衰器15を接続したので、電力線送受信部3の通信信号の信号レベルを好適に調整することができ、インピーダンス整合を取ることが容易となる。
また、本実施形態では、接続点10aと電源コード5との間に第三スイッチ16が設けられており、この第三スイッチ16を接続、遮断することで、電力線送受信部3から出力される通信信号の電源コード5への伝達を接続、遮断することができる。
地上波用アンテナの接続が有る場合、電力線送受信部3は、電力線30と同軸線25の両方に接続される状態が生じるが、電力線通信を使用する必要がなければ、電力線30に通信信号を出力する必要はない。例えば、図2にて示したような電力線通信機能のみを有しているモデムP1が電力線通信ネットワークに接続されていなければ、モデムM1、M2は、より伝送路損失の少ない同軸線25によって通信が行われるので、電力線30に通信信号を出力する必要がない。
本実施形態では、電力線送受信部3からの通信信号が電源コード5へ伝達するのを接続、遮断する第三スイッチ16を設けたので、上記のように、電力線30に通信信号を出力する必要が無いときに、このスイッチ部材によって第二送受信部を電力線から遮断すれば、第二送受信部が電力線と同軸線の両方に接続されたときに生じる分岐損失を低減できる。
なお、本実施形態では、減衰器15及び第三スイッチ16の双方を設けた場合を示したが、減衰器15、又は第三スイッチ16のいずれか一方のみを設けた構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第一の実施形態に係る複合通信装置の通信機能に係る構成を示すブロック図である。 モデムと他の機器との間で構築される通信ネットワークを説明するための模式図である。 住宅内に配設された電力線の構成の一例を示す模式図である。 住宅内に配設されてテレビ等の放送信号を各部屋に分配するための同軸線の接続構成の一例を示す模式図であり、(a)は、地上波放送(UHF)受信用のアンテナを備えた構成を示す図であり、(b)は、CATVによってテレビの放送信号を受信する構成を示す図である。 各放送信号に割り当てられている周波数帯域を示す図である。 地上波用アンテナのアンテナ出力特性の一例を示すグラフである。 本発明の第二の実施形態に係るモデムM1の通信機能に係る構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 制御部(スイッチング手段)
2 同軸線送受信部(第一送受信部)
3 電力線送受信部(第二送受信部)
7 放送信号判定部(判定手段)
8 第一スイッチ(スイッチング手段)
11 第二スイッチ(スイッチング手段)
15 減衰器
16 第三スイッチ(スイッチ部材)
20 地上波用アンテナ
25 同軸線
30 電力線
M1 モデム(複合通信装置)

Claims (8)

  1. 電力線通信機能と同軸線通信機能を併有する複合通信装置であって、
    同軸線を伝送路とする第一送受信部と、
    電力線を伝送路とする第二送受信部と、
    前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定する判定手段と、
    前記第二送受信部の前記電力線に対する接続を維持しつつ、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線から遮断するスイッチング手段と、を備えていることを特徴とする複合通信装置。
  2. 前記判定手段は、前記同軸線に伝送されるCATVの放送信号の受信状態に基づいて、前記アンテナ接続の有無を判定する請求項1に記載の複合通信装置。
  3. 前記スイッチング手段は、さらに、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第二送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第二送受信部を前記同軸線から遮断する請求項1又は2に記載の複合通信装置。
  4. 前記同軸線に伝送される前記第二送受信部の通信信号の信号レベルを減衰する減衰器が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合通信装置。
  5. 前記第二送受信部を前記電力線から遮断するためのスイッチ部材が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合通信装置。
  6. 前記判定手段は、予め定められたタイミングで前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合通信装置。
  7. 自己の前記スイッチング手段のスイッチング状態を示す情報を、前記同軸線及び前記電力線に接続された他の複合通信装置に通知する通知手段をさらに備えている請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合通信装置。
  8. 同軸線を伝送路とする第一送受信部による同軸通信機能と、電力線を伝送路とする第二送受信部による電力線通信機能とを併有する複合通信装置におけるスイッチング方法であって、
    前記同軸線に対するアンテナ接続の有無を判定する判定ステップと、
    前記第二送受信部の前記電力線に対する接続を維持しつつ、前記アンテナ接続が無いと判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線に接続し、前記アンテナ接続が有ると判定された場合は前記第一送受信部を前記同軸線から遮断するスイッチングステップと、を備えていることを特徴とする複合通信装置のスイッチング方法。
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