JP2010096476A - 加湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転停止中でも、水に含まれるカルキ成分や汚れ等がディスク層部に付着するのを抑制する加湿装置が望まれていた。
【解決手段】空気清浄機(加湿装置)1には、水が溜められる貯水槽22と、貯水槽に一部が浸かり回転するディスク層部34と、ディスク層部34を濡らすための給水部90と、ディスク層部34からこぼれ落ちる水を溜める水受け容器71と、水受け容器71に溜まった水を電気分解するための電極100とが備えられている。この空気清浄機(加湿装置)1は、運転オフ状態であっても、所定の停止時間が経過するごとに、予め定める時間の間ディスク層部34が回転され、乾き抑制用駆動制御が行われる。また、それと連動して、電極100に通電がされ、装置内の水が電解水にされる。
【効果】ディスク層部34の乾きが抑制され、カルキ等が付着しにくい。
【選択図】図10

Description

この発明は、加湿装置に関する。
空気を取り込み、この空気を加湿して機外へ放出する加湿装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の加湿装置では、吸込口および吹出口を有した本体内に、吸込口および吹出口を連通する空気流路が形成され、空気流路には、送風機およびヒータが設けられている。そして、本体の下方部には、水槽が設けられ、水槽には、加湿フィルタが、下部を水槽の水に浸漬した状態で、回転自在に設けられている。
特許文献1に記載の加湿装置が運転状態にあるときには、機外の空気が送風機によって吸込口から空気流路へ吸い込まれた後にヒータへ送られ、ヒータで加熱されて温風となる。そして、この温風が、水槽の水に浸されながら回転している加湿フィルタに接触し、加湿フィルタに付着した水によって加湿された空気が吹出口から機外へ放出される。
特開2006−200762号公報
特許文献1に記載されているような水に浸されながら回転する加湿フィルタ類を備える加湿装置では、水に含まれるカルキ成分や汚れが加湿フィルタに付着しないようにすることが望ましい。しかし、従来の加湿装置では、カルキ成分や汚れ等が加湿フィルタに付着しにくい工夫はされていない。特に、加湿装置の運転態様を制御することにより、カルキ成分や汚れが加湿フィルタに付着するのを防止、抑制することは考えられていない。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、水に濡れて回転するディスク層部を有する加湿装置において、その動作態様を工夫することによって、水に含まれるカルキ成分や汚れ等がディスク層部に付着するのを抑制するようにした、使い勝手の良い加湿装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、また、加湿装置に電解水を生成する機構を設け、電解水を用いることにより水に含まれるカルキ成分や汚れ等がディスク層部に付着しにくいように運転態様が工夫された加湿装置を提供することを他の目的とする。
請求項1記載の発明は、水が溜められる貯水槽と、外周縁および内周縁を有する複数枚の環状ディスクが互いに所定間隔を空けて重ねられていて、各前記環状ディスクの外周縁で区画された外周面および各前記環状ディスクの内周縁で区画された内空間を有し、下部が前記貯水槽の水に浸かっており、回転に伴って、水で濡れた部分を空気に晒すディスク層部と、前記ディスク層部の外周面の周方向に外周面沿いに配置され、それぞれが前記環状ディスクの重なり方向に延びている複数の水汲み容器を含み、前記ディスク層部の回転に伴って、前記貯水槽の水を水汲み容器で汲み上げ、水汲み容器が上方位置に来たときに汲み上げた水を前記ディスク層部へこぼす給水部と、前記内空間に配置され、前記環状ディスクの内周縁から落下する水を溜める水受け容器と、前記水受け容器に溜められた水を電気分解して電解水を生成するための電極と、加湿装置の運転をオン/オフするための運転スイッチと、を有する加湿装置において、前記加湿装置が運転オフ状態において、所定の停止時間が経過するごとに、予め定める時間の間前記ディスク層部を所定の態様で回転させる乾き抑制用駆動手段、を有することを特徴とする加湿装置である。
請求項2記載の発明は、前記乾き抑制用駆動手段は、前記ディスク層部の回転に所定の態様で連動させて、前記電極に通電を行うことを特徴とする、請求項1記載の加湿装置である。
請求項3記載の発明は、前記乾き抑制用駆動手段は、前記ディスク層部を回転し、前記電極には通電をしない駆動態様、前記ディスク層部の回転を停止し、前記電極に通電する駆動態様および前記ディスク層部を回転し、かつ前記電極に通電する駆動態様を一連の駆動態様として行うことを特徴とする、請求項2記載の加湿装置である。
請求項4記載の発明は、さらに、加湿装置周囲の温度および湿度を検知するための温度湿度検知手段を有し、前記乾き抑制用駆動手段は、前記温度湿度検知手段の検知出力に基づいて、少なくとも前記所定の停止時間の長さを変化させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の加湿装置である。
請求項5記載の発明は、水が溜められる貯水槽と、外周縁および内周縁を有する複数枚の環状ディスクが互いに所定間隔を空けて重ねられていて、各前記環状ディスクの外周縁で区画された外周面および各前記環状ディスクの内周縁で区画された内空間を有し、下部が前記貯水槽の水に浸かっており、回転に伴って、水で濡れた部分を空気に晒すディスク層部と、前記ディスク層部の外周面の周方向に外周面沿いに配置され、それぞれが前記環状ディスクの重なり方向に延びている複数の水汲み容器を含み、前記ディスク層部の回転に伴って、前記貯水槽の水を水汲み容器で汲み上げ、水汲み容器が上方位置に来たときに汲み上げた水を前記ディスク層部へこぼす給水部と、前記内空間に配置され、前記環状ディスクの内周縁から落下する水を溜める水受け容器と、前記水受け容器に溜められた水を電気分解して電解水を生成するための電極と、を有する加湿装置において、前記ディスク層部の回転と、前記電極への通電とを予め定める時間差を持たせて行う駆動制御手段、を有することを特徴とする加湿装置である。
請求項6記載の発明は、前記駆動制御手段は、前記ディスク層部の回転時間を動作状態に応じて変更することを特徴とする、請求項5記載の加湿装置である。
請求項7記載の発明は、さらに、加湿装置周囲の温度および湿度を検知するための温度湿度検知手段を有し、前記駆動制御手段は、前記温度湿度検知手段の検知出力に基づいて、前記ディスク層部および電極の動作を制御することを特徴とする、請求項5または6記載の加湿装置である。
請求項8記載の発明は、特殊運転設定手段を有し、特殊運転設定時に、前記ディスク層部の回転と前記電極への通電とを所定の態様で所定時間行うための特殊運転制御手段を有することを特徴する、請求項5〜7のいずれかに記載の加湿装置である。
請求項1記載の発明によれば、加湿装置が運転オフ状態であっても、所定の時間間隔でディスク層部が自動的に一定時間回転される。たとえば、数時間の停止時間が経過するごとに、ディスク層部がたとえば数分間回転される。この回転により、ディスク層部に水が行き渡り、複数枚の環状ディスクが濡らされ、環状ディスクの乾きが防止される。環状ディスクを完全に乾いた状態としないことにより、環状ディスクの表面に付着している水滴に含まれるカルキ成分などが環状ディスク表面で固まり、こびり付くことを防止できる。これにより、加湿性能の劣化を抑えることができる。
加湿装置に、電解水を生成する機構が備えられている場合、運転オフ状態において、ディスク層部が所定の停止時間間隔で定期的に回転されるのに合わせて、請求項2記載のように、電解水生成用の電極に通電される構成が好ましい。生成された電解水は、水に菌やぬめりが繁殖するのを抑える。それゆえ、電極に通電を行い、水受け容器で生成された電解水が貯水槽へこぼれるようにディスク層部を回転させることによって、加湿装置内の水を衛生的に維持することができる。
その結果、水に汚れやぬめりが生じず、ディスク層(環状ディスク)も清潔にかつきれいな状態に保つことができる。
請求項3記載のように、まずディスク層部を回転し、給水部で水を汲み上げてその水を水受け容器に溜め、水受け容器に水が溜まるとディスク層部の回転を停止させて、水受け容器の水を電極で電気分解して電解水を生成し、その後ディスク層部を再度回転して給水部でさらに水を汲み上げ、その汲み上げた水を水受け容器に追加供給しながら電極に通電をして電解水を継続して作ることにより、比較的濃度の高い電解水が水受け容器から溢れてこぼれ落ちることにより、貯水槽に効率良く電解水を与えることができる。
請求項4記載の発明によれば、加湿装置の運転オフ状態において、どのような時間間隔でディスク層部を回転させるかが、加湿装置の置かれた周囲の温度および湿度に基づいて変更される。たとえば、温度が高く湿度が低い場合には、ディスク層部が乾き易い状態に置かれていることから、停止時間の間隔を短くして、相対的に短時間間隔でディスク層部を回転する。逆に、温度が低く湿度が高い場合には、ディスク層部は乾きにくいから、相対的に長時間間隔でディスク層部を回転する。その結果、ディスク層部(環状ディスク)が完全に乾いた状態になることを防止して、カルキ成分等の付着を防ぐことができる。
請求項5記載の発明によれば、加湿装置が運転される際に、ディスク層部の回転と、電極への通電とが時間差を持たせて行われる。より具体的には、まずディスク層部が回転され、それによって水受け容器に水が溜まると、ディスク層部の回転が停止されて、電極への通電が行われる。つまり、水受け容器に水が溜まってから電極への通電が行われるので、電極は水に浸かった状態で通電され、水に浸からない状態で通電されることによる電極寿命の短命化を防止することができる。
また、水受け容器に一定量の水が溜まった状態で、その水が電気分解されるので、短時間で効率の良い電解水の生成が実現できる。言い換えれば、水受け容器に水が供給されながら電気分解が行われると、電解水濃度が高くなりにくく、電解水の生成効率が悪い。よって、この発明のように、まずディスク層部を回転させ、水受け容器に水を溜めた後に電極への通電を行うことにより、効率良く電解水を生成することが可能である。
請求項6記載の発明によれば、加湿運転の開始時や、貯水槽内の水が枯渇状態から復帰したとき(水が供給されたとき)などは、ディスク層部が相対的に長い時間動作しなければ、水受け容器に十分な水を溜めることができない。一方、一旦水受け容器に水が溜まった後は、その水が空にならないように追加供給すればよいから、ディスク層部の回転時間が短くても、水受け容器に水を満たした状態とすることができる。このようにディスク層部を回転させ、給水部によって水を汲み上げる場合に、運転開始時と水受け容器に既に水が溜まっているときとでは水受け容器の水の溜まり具合が異なることを考慮して、ディスク層部の回転時間を動作状態に応じて変更する。よって、実効性のある動作を実現した加湿装置とすることができる。
請求項7記載の発明によれば、加湿装置の置かれた周囲の温度および湿度に基づいて、ディスク層部の回転および電極への通電が制御されるので、使用環境に合わせた最適な運転を行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、たとえば少しでも早く電解水を作って、その電解水を電解水ミスト等として供給したい場合には、特殊運転を行う。その結果、ユーザの多様な要望にも適切に対処し得る加湿装置とすることができる。。
以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態としての加湿機能を有する空気清浄機1について具体的に説明する。なお、この空気清浄機1は、加湿装置としても機能する。
<空気清浄機の全体構成>
図1(a)は、空気清浄機1の平面図であり、図1(b)は、空気清浄機1の正面図である。
図1に示すように、空気清浄機1の筐体としての本体ケース2は、縦長かつ前後方向に薄い中空の略直方体形状である。本体ケース2は、略前半分をなすフロントケース3と略後半分をなすリヤケース4とによって、その外郭が形成されている(図1(a)参照)。なお、前側と正面側とは同義であり、後側と背面側とは同義であり、前後方向と略水平方向とは同義である。
フロントケース3の天面には、操作パネル5が設けられている(図1(a)参照)。操作パネル5に設けられた操作キー6を操作することによって空気清浄機1の運転を制御することができ、空気清浄機1の運転条件および状態は、操作パネル5に設けられた表示部7に表示される。
フロントケース3の前面の幅方向両端においてやや上寄りの位置には、入口8が形成されている(図1(b)参照)。入口8は、フロントケース3の内部に連通している。リヤケース4の天面、左側面および右側面のそれぞれには、出口9が形成されている(図1(a)参照)。これらの出口9は、リヤケース4の内部に連通している。各出口9には、格子10が設けられている。空気清浄機1は、入口8から空気を取り込んで清浄化し、清浄化された空気を、出口9から排出する(図1(a)の2点鎖線の矢印を参照)。
また、本体ケース2(フロントケース3)の正面において、入口8より下側には、着脱可能なフロントカバー23が設けられている(図1(b)参照)。正面側からフロントカバー23を取り外すことによって、本体ケース2内にアクセスすることができる。
図2は、空気清浄機1の右側面図であり、一部を断面で示している。
図2に示すように、フロントケース3とリヤケース4との間には、上下方向に延びる隔壁13が設けられており、隔壁13によって、フロントケース3の内部とリヤケース4の内部とが区画されている。この隔壁13の下側には、連通穴14が形成されており、連通穴14を介して、フロントケース3の内部とリヤケース4の内部とが互いに連通している。詳しくは、フロントケース3の内部は、仕切壁25によって、入口8に連通する上側の第1空間65と、入口8に連通しない下側の第2空間66とに仕切られている。仕切壁25は、隔壁13において連通穴14の下端を縁取る部分に連続して斜め前側上方(図2では斜め左側上方)へ延び、フロントケース3の前壁に接続されており、第1空間65と第2空間66との間を遮断している。そして、連通穴14は、第1空間65とリヤケース4の内部(第3空間74)とを連通させている一方で、第2空間66と第3空間74とを連通させていない。
本体ケース2の内部には、入口8と出口9とを連通させる空気流路としての流路15(図2の太い実線矢印を参照)が形成されている。流路15の途中に、上述した連通穴14が位置している。
本体ケース2では、フロントケース3内部の第1空間65、詳しくは流路15の途中において、入口8に後側(図2では右側)から臨む位置に、空気清浄化手段としてのフィルタ11が備えられ、第1空間65におけるフィルタ11の後側に、送風手段としてのファン12が備えられている。
フィルタ11は、上下方向に長く前後方向(図2では左右方向)に薄い形状であり、複数種類のフィルタ膜を積層することで構成されており、空気中に含まれる比較的大きな塵挨だけでなく、非常に細かな塵挨、たとえば花粉やたばこの煙の粒子等まで捕獲可能なフィルタである。
ファン12は、たとえば、シロッコファンであって、図示しないモータに回転駆動されることによって吸引力を発生し、前側の空気を内側から吸い込んで外側(ここでは外側下方)へ吐出する。
この空気清浄機1において、ファン12が駆動されると、空気清浄機1の外部にある空気が、ファン12が発生する吸引力によって、入口8よりフロントケース3の第1空間65内に取り込まれて空気流となる。そして、この空気(空気流)は、図2の太い実線矢印で示すように、流路15を流れ、その途中においてフィルタ11を通過することで塵埃や臭い成分が除去されて清浄化される。換言すれば、フィルタ11は、入口8から取り込まれた空気を清浄化して流路15の下流側へと流す。清浄化された空気(以下では単に「空気」ということがある。)は、ファン12によって下方へ吐出されて引き続き流路15を流れ、隔壁13の連通穴14からリヤケース4の内部(第3空間74)へ送り込まれる。
このように流路15を流れた空気は、各出口9から空気清浄機1の外部へ排出される。 そして、この空気清浄機1は、流路15を流れる空気を加湿するために、リヤケース4の第3空間74に加湿ユニット20を備えている。つまり、この空気清浄機1は、加湿機能付きの空気清浄機である。
<加湿ユニットの全体構成>
加湿ユニット20は、フィルタ11を通過して清浄化された空気を加湿するものである。これにより、水分を含んだ空気が出口9から室内へ放出されることとなり、室内の湿気が補われる。
加湿ユニット20に関連して、本体ケース2内には、給水タンク21と、回収タンク26と、貯水槽としての受皿22とが設けられている。
給水タンク21は、内部に水を溜めることができる幅方向に長手の中空体であり、フロントケース3内の第2空間66に配置されている。
給水タンク21の底には、図示しない弁体によって開閉される水抜き穴(図示せず)が形成されている。給水タンク21は、ねじ等によってフロントカバー23に固定されている。そのため、給水タンク21とフロントカバー23とは、一体となって、フロントケース3(本体ケース2)に対して正面側から着脱可能である。
回収タンク26は、上下方向に扁平な中空のボックス形状である。回収タンク26は、第2空間66において、給水タンク21の右側部分(図2では手前側部分)の下方に配置されている。そのため、メンテナンスの際、先に給水タンク21を取り外してから、回収タンク26を取り外すことできる。回収タンク26の底には、弁体27によって開閉される流入口28が形成されている。
受皿22は、本体ケース2内の底部に収容されており、加湿ユニット20の下部、給水タンク21の下部および回収タンク26の下部を収容し得る大きさ(深さ)を有している。詳しくは、受皿22の底には、仕切り板67が立設されており、仕切り板67によって、受皿22の内部が前後に二分されている。受皿22の内部において、仕切り板67より前側(図2では左側)の領域(前側領域22A)に、給水タンク21の下部および回収タンク26の下部が配置され、仕切り板67より後側(図2では右側)の領域(後側領域22B)に、加湿ユニット20の下部が配置される。つまり、受皿22において、給水タンク21の下部および回収タンク26の下部を収容する前側領域22Aは、フロントケース3の第2空間66に配置され、加湿ユニット20の下部を収容する後側領域22Bは、リヤケース4の第3空間74に配置される。
ここで、隔壁13において、連通穴14の下方には、仕切り板67にちょうど塞がれる大きさの貫通穴80が形成されている。貫通穴80は、フロントケース3の第2空間66とリヤケース4の第3空間74とを連通させる。常態では、貫通穴80は、前後方向において仕切り板67と一致しており、仕切り板67によって背面側から隙間なく塞がれている。
仕切り板67の下端部には、流入穴68と流出穴69という2つの貫通穴が形成されており、流入穴68および流出穴69を介して、前側領域22Aと後側領域22Bとが連通している。なお、流入穴68および流出穴69は、図2では重なって見えるが実際には幅方向(図2の紙面に垂直な方向)において互いに離れている。
給水タンク21を受皿22の前側領域22Aに収容すると、給水タンク21の底の弁体(図示せず)が、受皿22の底から上向きに突設された突起(図示せず)によって押し上げられて、給水タンク21の水抜き穴(図示せず)を開く。これにより、給水タンク21内の水が排出され、流入穴68から受皿22の後側領域22Bに流入し、後側領域22Bに溜まる。
回収タンク26を受皿22の前側領域22Aに収容すると、回収タンク26の底の弁体27が、受皿22の底から上向きに突設された突起29によって押し上げられて、回収タンク26の流入口28を開く。ここで、後側領域22Bに溜まった水のうち、後側領域22Bに長時間溜まることで古くなった水は、流出穴69から前側領域22Aへ押し出された後、流入口28から回収タンク26内へ回収される。
なお、後側領域22Bに規定水位まで水が溜まると、その途中で流入穴68および流出穴69を介して水が前側領域22Aと後側領域22Bとの間で行き来することによって、前側領域22Aおよび後側領域22Bの水位は、結果的に、等しい水位でつながる(図示した水面Sを参照)。このとき、流入穴68および流出穴69は、水面Sより下方に位置して、水に完全に浸かっている。また、上述したように隔壁13の貫通穴80が受皿22の仕切り板67によって塞がれている。そのため、空気が、流入穴68および流出穴69を介して、前側領域22Aと後側領域22Bとの間で行き来することはない。これにより、フロントケース3の第1空間65およびリヤケース4の内部(第3空間74)の空気が第2空間66に漏れることはないので、流路15を流れる空気が第2空間66に漏れることもない。
そして、加湿ユニット20は、フィルタ11およびファン12を通過して各出口9へ向う空気の流路15(太い実線矢印参照)の途中に配置されている。そのため、フィルタ11で清浄化された空気の流れ(空気流)は、必ず加湿ユニット20を通過する。
加湿ユニット20は、前後方向に延びる中心軸を有する略円盤形状である。加湿ユニット20は、前後方向に重ねられた複数枚(ここでは17枚)の加湿ディスク32(環状ディスク)と、このように重ねられた状態にあるこれらの加湿ディスク32を前後から挟持(保持)する前プレート30(保持部材)および後プレート31(保持部材)とを含んでいる。加湿ディスク32、前プレート30および後プレート31は、ほぼ同じ外径を有する円板形状であり、それぞれの中心軸は、前後方向に沿って延びている。加湿ディスク32および前プレート30は、外周縁および内周縁を有する環状をなしている。
ここで、重ねられた状態にある17枚の加湿ディスク32をまとめてディスク層部34という。ディスク層部34において、隣り合う加湿ディスク32は、互いに所定間隔(後述する隙間X)を空けて重ねられている。そのため、ディスク層部34は、前後方向に厚い環状をなしており、各加湿ディスク32の外周縁で区画された外周面、および、各加湿ディスク32の内周縁で区画された内空間57を有している。
そして、加湿ユニット20は、リヤケース4の後壁の一部(リヤカバー120という。)から略水平方向に沿って前方へ延びて加湿ディスク32(ディスク層部34)、前プレート30および後プレート31の円中心を通る軸51(回転軸)によって、この軸51を中心として回転自在に保持されている。この状態で、ディスク層部34の下部は、受皿22の後側領域22Bに所定水位まで溜まった水(水面S参照)に浸かっている。
そして、上述したようにフィルタ11で清浄化された空気が引き続き流路15を流れて加湿ユニット20を通過する際に加湿ユニット20が回転する。加湿ユニット20が回転することによって、ディスク層部34は、前プレート30および後プレート31とともに回転し、回転に伴って、後側領域22Bの水に浸かった状態と、この水から上がった状態との間を移動する。そして、ディスク層部34は、水から上がった状態のときに、清浄化された空気の流れ(図2の太い実線矢印を参照)に晒される。詳しくは、ディスク層部34において後側領域22Bの水によって濡れた部分が、加湿ユニット20が1回転を終えるまでの間に、流路15における清浄化された空気の流れに晒される。その結果、ディスク層部34の各加湿ディスク32に付着していた水分が、清浄化された空気を加湿して、この空気とともに、出口9から所定の方向へ放出され、室内の加湿に寄与する。
なお、加湿ユニット20は、ディスク層部34の加湿ディスク32の洗浄および交換といったメンテナンスのため、加湿ユニット20を回転自在に保持する軸51、リヤカバー120および受皿22と一体となって、本体ケース2に対して背面側から着脱可能である。
<加湿ユニットの組み立て>
図3(a)は、背面から見た加湿ユニット20の分解斜視図である。図3(b)は、図3(a)の要部を拡大して前後方向から見た図である。図4は、背面から見た加湿ユニット20の斜視図であって、後プレート31が取り外された状態を示している。図5(a)は、加湿ユニット20の略左半分を正面右側から見た斜視図であって、一部を断面で示している。図5(b)は、図5(a)の要部拡大図である。図6は、加湿ユニット20周辺の右側面図であって、一部を断面で示している。
次に、図3(a)を参照して、加湿ユニット20の組み立てについて説明する。なお、図3(a)において、紙面手前側が後側であり、紙面奥側が前側である(図4も同様)。また、図3(a)では、前プレート30、17枚の加湿ディスク32、および、後プレート31が、前からこの順番で分離して並んだ状態で示されている。また、17枚の加湿ディスク32のうち、前側15枚の加湿ディスク32は、前から順に、3枚が1組となって重なった状態で示されており、残りの2枚の加湿ディスク32は、最も後側において、重なった状態で示されている。
まず、前プレート30について説明する。
前プレート30の内周縁には、複数の切込み58が、前プレート30の周方向において等しい間隔を隔てて形成されている。各切込み58は、背面視において略矩形状に形成されており、前プレート30の内周縁を切欠いている。
前プレート30の前面には、前プレート30と同心の環状の第1リブ37が一体的に設けられている。第1リブ37は、前プレート30から前側へ突出しており、第1リブ37の後端の周縁が、前プレート30の内周縁に対して、その全周に亘って接続されている(図2も参照)。第1リブ37の外周面には、その円周方向における全周に亘って配列されるようにギヤ歯52が形成されている(図2および図5参照)。
前プレート30の後面には、複数(ここでは8つ)のボスが一体的に設けられている。これらのボスを前ボス33(第1部分)という。8つの前ボス33は、前プレート30の外周縁に沿うように、前プレート30の周方向において等しい間隔を隔てて配置されている。前ボス33は、中空体であり、前プレート30の後面から後方へ突出している。前ボス33の前後方向寸法は、重ねられた17枚の加湿ディスク32全体(ディスク層部34)の前後方向寸法の略3分の1程度である(図2参照)。前ボス33は、背面から見て、前プレート30の径方向における内側へ向って円弧状に膨出している。
前ボス33の後端面は、垂直方向に沿って平坦であり、この後端面には、挿通穴35が形成されている。挿通穴35は、背面から見て、前プレート30の径方向内側へ向かって膨出する半円形状である。挿通穴35は、前後方向において、前ボス33および前プレート30を貫通している。挿通穴35は、前プレート30の前面では円形状をなしている(図5(a)参照)。また、前ボス33の後端面には、挿通穴35を縁取りつつ後側へ僅かに突出する挿通リブ59が形成されている。挿通リブ59は、背面から見て、時計回りの方向における下流側が切り欠かかれた略C字形状をなしている。
前ボス33において、背面から見て時計回りの方向における下流側の側面には、水抜き穴36が形成されている(図3(a)において前プレート30の下側の前ボス33参照)。前後方向で水抜き穴36と一致する位置において鉛直面で切断したときの前ボス33の断面形状は、正面から見て、反時計回りの方向(背面から見た場合には時計回りの方向)における下流側が切欠かれた略C字形状をなしている(後述する図7(a)参照)。
挿通穴35および水抜き穴36によって、前ボス33の内部が露出されている。
前プレート30の後面において、各前ボス33が接続された位置には、後側へ突出しつつ前プレート30の径方向にほぼ沿って直線状に延びる第1突条62および第2突条63が、前プレート30の周方向に並んで形成されている。前プレート30を背面から見たとき、前プレート30の後面で各前ボス33が接続された位置において、第1突条62は、対応する第2突条63に対して、時計回りの方向における下流側に位置している。前プレート30を背面から見たとき、第1突条62は、対応する前ボス33に対して、時計回りの方向における下流側で、前プレート30の内周縁と外周縁とをつないでいる。第2突条63は、前プレート30の内周縁と、対応する前ボス33において径方向内側へ円弧状に膨出した部分とをつないでいる。
前プレート30の後面には、前プレート30と同心の環状の第2リブ38が一体的に設けられている。詳しくは、第2リブ38は、前プレート30から後側へ突出しており、第2リブ38の前端の周縁が、前プレート30の内周縁に対して、その全周に亘って接続されている。第2リブ38の後端の内側周縁部には、その円周方向における全周に亘って配列されるようにギヤ歯55が形成されている(図2も参照)。
第2リブ38には、その周方向に沿って複数の通過穴56が形成されており、これらの通過穴56は、第2リブ38の径方向における内側と外側とを連通させている。上述した8つの前ボス33は、前プレート30の周方向において、いずれかの通過穴56と一致しており、各前ボス33と対応する第1突条62および第2突条63とは、前プレート30の径方向における外側から、対応する通過穴56に臨んでいる。
前プレート30の内周縁において、前プレート30の周方向で各前ボス33(詳しくは、図5において後述する給水部90を構成する各給水バケット85)と一致する部分には、後方へ突出する貯水部75が一体的に設けられている。そのため、貯水部75は、前ボス33同様、8つ設けられている。各貯水部75は、周方向において対応する通過穴56内に配置されている。各貯水部75は、前プレート30の周方向において間隔を隔てて並ぶ複数(ここでは3つ)の突起76(リブ)と連結部材77とを一体的に含んでいる(図3(a)の紙面において最も右側の貯水部75を参照)。
各突起76は、前プレート30の径方向に薄く前後方向に細長い棒状である。各貯水部75の3つの突起76において、前端部は、前プレート30の内周縁に接続されており、後端部は、前プレート30の周方向に延びる棒状の連結部材77によって連結されている。そのため、貯水部75全体は、前プレート30の径方向から見て、前側が開放された略E字形状をなしている。また、各貯水部75を前プレート30の径方向から見て、各突起76と連結部材77との接続部分は、とがった部分がないように、丸められている。
ここで、各貯水部75は、対応する前ボス33の周りに設けられた第1突条62および第2突条63と、前プレート30の周方向において一致している。詳しくは、前プレート30の周方向において、各貯水部75で両外側に位置する2つの突起76に囲まれる範囲の内側に、対応する第1突条62および第2突条63が位置している。
また、第2リブ38の円周面(通過穴56を除く部分)には、第2リブ38の径方向外側へ突出し、前後方向に沿って延びるレール状の位置決めリブ107が一体的に設けられている。位置決めリブ107は、第2リブ38の周方向において等しい間隔を隔てて複数(ここでは2つ)設けられている。位置決めリブ107は、第2リブ38の径方向における外側に向かって細くなっている。
次に、後プレート31について説明する。
後プレート31の円中心には、前方へ延びる筒状に区画された貫通穴39が形成されている。
後プレート31の前面には、複数(ここでは8つ)のボスが一体的に設けられている。これらのボスを後ボス44(第2部分)という。8つの後ボス44は、後プレート31の外周縁に沿うように、後プレート31の周方向において等しい間隔を隔てて配置されている。後ボス44は、中空体であり、後プレート31の前面から前方へ突出している。後ボス44の前後方向寸法は、重ねられた17枚の加湿ディスク32全体(ディスク層部34)の前後方向寸法の略3分の2程度である(図2参照)。後ボス44は、正面から見て、後プレート31の径方向における内側へ向って円弧状に膨出している。
後ボス44の前端面は、垂直方向に沿って平坦であり(図示せず)、この前端面には、挿通穴40が形成されている。挿通穴40は、前後方向において、後ボス44および後プレート31を貫通している。後ボス44の前端面における挿通穴40の形状は、前プレート30の前ボス33の後端面における挿通穴35の形状とほぼ同じである(図示せず)。挿通穴40は、後プレート31の後面では円形状をなしている。
後プレート31の後面において、各挿通穴40の周囲には、挿通穴40を取り囲むように後側へ僅かに突出する環状のリブ41が形成されており、このリブ41の内側には、対応する挿通穴40に連続する凹部42が形成されている。
次に、加湿ディスク32について説明する。ここで、加湿ユニット20では、上述したように17枚の加湿ディスク32が用いられるが、どの加湿ディスク32も、同一の金型で形成されており、形状が同じである。なお、図3(a)では、最も後側の加湿ディスク32については、全体が図示されているものの、この加湿ディスク32より前側の加湿ディスク32については、一部が図示されていない。そのため、最も後側の加湿ディスク32を参照しながら加湿ディスク32について説明する。
加湿ディスク32は、上述したように環状であり、その内径(内周縁の径)は、前プレート30の環状の第2リブ38の外径より大きい。
加湿ディスク32の外周縁には、上述した前ボス33および後ボス44に対応した個数(8つ)の切欠き45が形成されている(図3(a)において45Aまたは45Bの符号を付した部分を参照)。これらの切欠き45は、加湿ディスク32の周方向において等しい間隔を隔てて形成されている。各切欠き45は、加湿ディスク32の外周縁から、加湿ディスク32の径方向における内側へ向って所定の深さに切り欠かれつつ、加湿ディスク32を、その肉厚方向(前後方向)において貫通している。
詳しくは、8つの切欠き45では、加湿ディスク32の周方向において隣り合うもの同士の形状が異なっている。つまり、8つの切欠き45は、4つの切欠き45Aと、切欠き45Aとは形状が異なる切欠き45B(外側切欠き)とによって構成されており、切欠き45Aと切欠き45Bとが、加湿ディスク32の周方向において交互に配置されている。切欠き45Aは、加湿ディスク32の径方向における内側へ向って膨出する略半円形状である。切欠き45Bは、加湿ディスク32の径方向における内側へ向って細くなる略等脚台形状であり、切欠き45Aよりも深い。
加湿ディスク32の内周縁には、複数の切込み46が、加湿ディスク32の周方向に間隔を隔てて形成されている。各切込み46は、加湿ディスク32の内周縁から、加湿ディスク32の径方向における外側へ向って所定の深さに切り欠かれつつ、加湿ディスク32を、その肉厚方向(前後方向)において貫通している。これらの切込み46には、加湿ディスク32の径方向における外側へ向かって細くなる略三角形状に形成された切込み46Aと、略矩形状の切込み46B(内側切欠き)とが含まれる。切込み46Bは、加湿ディスク32の周方向において切欠き45Aと一致する位置に形成されており、対応する切欠き45Aの最深部の手前まで切り込まれている。
加湿ディスク32の前面および後面のそれぞれにおいて各切欠き45(切欠き45A、B)の近傍には、前後方向における外側へ突出するガイドリブ47が設けられている。
加湿ディスク32後面のガイドリブ47は、背面から見た場合において、対応する切欠き45に対して時計回りの方向における下流側で隣接する位置おいて、加湿ディスク32の外周縁と内周縁とを繋ぐように直線状に延びている。加湿ディスク32前面のガイドリブ47(最も後側の加湿ディスク32において点線で示している。)は、正面から見た場合において、対応する切欠き45に対して時計回りの方向における下流側で隣接する位置おいて、加湿ディスク32の外周縁と内周縁とを繋ぐように直線状に延びている。
また、背面から見た場合において、切欠き45Aに対して時計回りの方向における下流側で隣接する加湿ディスク32後面のガイドリブ47は、加湿ディスク32の周方向においてこの切欠き45Aと同じ位置にある切込み46Bに対して、時計回りの方向における下流側に位置している。同様に、正面から見た場合において、切欠き45Aに対して時計回りの方向における下流側で隣接する加湿ディスク32前面のガイドリブ47(最も後側の加湿ディスク32の点線部分参照)は、加湿ディスク32の周方向においてこの切欠き45Aと同じ位置にある切込み46Bに対して、時計回りの方向における下流側に位置している。
そして、加湿ディスク32を正面または背面から見た場合において、各切欠き45に対応する加湿ディスク32後面のガイドリブ47と加湿ディスク32前面のガイドリブ47(最も後側の加湿ディスク32の点線部分参照)との間隔は、加湿ディスク32の径方向内側ヘ向かって次第に狭くなっている。
また、背面から見た場合に加湿ディスク32後面の各ガイドリブ47に対して時計回りの方向における下流側で隣接する切込み46Aと、正面から見た場合に加湿ディスク32前面の各ガイドリブ47に対して時計回りの方向における下流側で隣接する切込み46Aとは、他の切込み46Aに比べて大きい(最も後側の加湿ディスク32の上端位置にある切込み46Aを参照)。
加湿ディスク32の前面および後面のそれぞれにおいて、加湿ディスク32の周方向において隣り合う切欠き45の間には、前後方向における外側へ突出する凸部49が形成されている。
以上で説明した前プレート30、後プレート31および加湿ディスク32で加湿ユニット20を組み立てるために、まず、前プレート30、17枚の加湿ディスク32、および、後プレート31を、前側からこの順で、同心状に並べる。これにより、前プレート30、後プレート31および各加湿ディスク32の径方向が同じになるので、以下では、各径方向を、単に「径方向」という。同様に、前プレート30、後プレート31および各加湿ディスク32の周方向も同じになるので、以下では、各周方向を、単に「周方向」という。
このように並べられただけの状態にある17枚の加湿ディスク32のうち、前側15枚の加湿ディスク32では、前から順に、3枚が1組となって重ねられており、残りの2枚の加湿ディスク32は、最も後側において、1組となって重ねられている。すなわち、この状態において、17枚の加湿ディスク32は、前から順に、3枚が重ねられたA組、B組、C組、D組、E組と、2枚が重ねられたF組とに組分けされている。図3(a)では、各加湿ディスク32を指す符号32の後に、各加湿ディスク32が属する組のアルファベットが括弧書きで示されている。
各組において、隣り合う加湿ディスク32の間には、各加湿ディスク32の前面および後面のそれぞれに設けられたガイドリブ47および凸部49が介在されている。隣り合う加湿ディスク32のうち、一方の加湿ディスク32のガイドリブ47および凸部49が、他方の加湿ディスク32の前面または後面に当接することによって、隣り合う加湿ディスク32の間隔が、所定間隔(たとえば1.4mm)に維持されている。詳しくは、隣り合う加湿ディスク32の間には、上記所定間隔に相当する隙間Xが形成されている(図5(b)および図6参照)。
そして、各組の隣り合う加湿ディスク32では、切欠き45A同士、切欠き45B同士、切込み46A同士および切込み46B同士のそれぞれが、周方向で一致している。つまり、各組において、各加湿ディスク32の形状は、正面および背面のいずれから見ても同じである。
しかし、隣り合う組(たとえばA組およびB組を参照)では、周方向において、一方の組(たとえばA組)の加湿ディスク32と他方の組(たとえばB組)の加湿ディスク32とが、周方向に45°ずれており、一方の組の切欠き45Aと、他方の組の切欠き45Bとが周方向において一致している。換言すれば、A組、C組、E組では、切欠き45A同士、切欠き45B同士、切込み46A同士および切込み46B同士のそれぞれが、周方向で一致し、B組、D組、F組では、切欠き45A同士、切欠き45B同士、切込み46A同士および切込み46B同士のそれぞれが、周方向で一致している。
そこで、以下では、17枚の加湿ディスク32のうち、A組、C組、E組に属する加湿ディスク32を第1の加湿ディスク32とし、B組、D組、F組に属する加湿ディスク32を第2の加湿ディスク32として、加湿ディスク32が2種類あるとする。ただし、17枚の加湿ディスク32のそれぞれの形状はそもそも同じなので、第1の加湿ディスク32および第2の加湿ディスク32のうち、いずれか一方を周方向に45°ずらすと、他方と形状が一致する。また、対応する各組において、少なくとも2枚の第1の加湿ディスク32は、隣り合っており(A組、C組、E組参照)、少なくとも2枚の第2の加湿ディスク32は、隣り合っていることがわかる(B組、D組、F組参照)。
そして、この状態(隣り合う組の加湿ディスク32同士が周方向に45°ずれた状態)で、A〜F組を前後に重ねると、図3(b)に示すように、隣り合う組において、一方の組の各加湿ディスク32の切欠き45Aの径方向内側の切込み46Bの最深部(径方向外側端部)と、他方の組の各加湿ディスク32の対応する切欠き45B(破線部分参照)の最深部(径方向内側端部)とが、前後方向において連続する。
ここで、各組において、周方向で一致して前後に連続している複数(A〜E組では3つであり、F組では2つ)の切欠き45Bを、まとめて外側孔88とし、周方向で一致して前後に連続している複数(A〜E組では3つであり、F組では2つ)の切込み46Bを、まとめて内側孔89とする(図3(a)参照)。A〜F組を前後に重ねてディスク層部34を完成させると(図4参照)、隣り合う組において、一方の組の外側孔88と、他方の組の対応する内側孔89とが、互いの最深部(連続部分64という。)を介して連通する。なお、ディスク層部34(図4参照)では、上述した各組に関係なく、隣り合う加湿ディスク32の間には、上記隙間X(図5(b)および図6参照)が形成されている。
図4に示すようにディスク層部34が完成した状態で、各外側孔88の前後方向寸法は、各組(図3(a)参照)の全枚数分(B組では3枚分)の加湿ディスク32の前後方向の厚みと、これらの加湿ディスク32における隙間X(B組では2つ分の隙間X)と、これらの加湿ディスク32と前後両側から隣り合う他の組の加湿ディスク32との隙間X(たとえばA組とB組との隣り合う加湿ディスク32同士の隙間X、および、B組とC組との隣り合う加湿ディスク32同士の隙間X)との合計にほぼ相当する。各外側孔88の前後方向寸法は、具体的には、たとえば、6〜8mmに設定されている。各内側孔89の前後方向寸法は、外側孔88の前後方向寸法と同じである。
これにより、重ねられた17枚の加湿ディスク32全体(ディスク層部34)では、周方向に等しい間隔を隔てた8箇所のそれぞれにおいて、外側孔88と内側孔89とが前後に交互に配置されるように形成され、そして、前後に隣り合って連通する外側孔88と内側孔89とによって、加湿ディスク32の外周縁と内周縁とをつなぐ立体的な孔(水誘導孔Yという。)が形成されている。
水誘導孔Yは、外側孔88にて加湿ディスク32の外周縁から径方向内側へ延び、その後、上述した連続部分64(図3(b)参照)にて前後方向に延びて、外側孔88に対して前後に隣り合う内側孔89にて加湿ディスク32の内周縁までさらに径方向内側へ延びてディスク層部34の内空間57に連通している。水誘導孔Yの各部分における前後方向寸法は、水誘導孔Yを構成する外側孔88および内側孔89の前後方向寸法と同じで、6〜8mmに設定されている。
このように、A組、C組、E組に属する第1の加湿ディスク32とB組、D組、F組に属する第2の加湿ディスク32とが所定の態様で重ねられることによって(図3(a)参照)、ディスク層部34には、各組の連続する切欠き45Bにより外側孔88が形成され、各組の連続する切込み46Bにより内側孔89が形成され、かつ、外側孔88と内側孔89とが連通状態となって水誘導孔Yが形成されている。
そして、水誘導孔Yが形成されたディスク層部34が、図4に示すように、前プレート30に対して後側から組み付けられる。このとき、ディスク層部34は、前プレート30の第2リブ38に外嵌され、ディスク層部34において各加湿ディスク32の切欠き45(切欠き45A、B)に、前プレート30において対応する前ボス33が前側から嵌まり込む。ここで、上述したように、前ボス33の前後方向寸法は、ディスク層部34の前後方向寸法の略3分の1程度であるから、前ボス33は、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32の切欠き45に嵌まり込む。
このとき、第2リブ38および各貯水部75が、ディスク層部34の内空間57に収容されている。各貯水部75では、各突起76が、前後方向(加湿ディスク32の重なり方向)に延びつつ、加湿ディスク32の内周縁に沿って周方向に間隔を隔てて配置されている。また、第2リブ38の2つの位置決めリブ107が、全ての加湿ディスク32における最寄りの切込み46Aに対して、径方向内側から嵌合している。これにより、全ての加湿ディスク32(ディスク層部34)が、全ての前ボス33に対して非接触となるように周方向および径方向において位置決めされた状態で、前プレート30によって保持されている。なお、第2リブ38では、位置決めリブ107以外の部分は、ディスク層部34に接触していない。また、各貯水部75は、ディスク層部34の全ての加湿ディスク32の内周縁に対して、僅か(たとえば1mm程度)周方向内側にあって、加湿ディスク32の内周縁に接触していない。
そして、この状態において、各前ボス33の水抜き穴36(図3(a)参照)は、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32の各隙間X、および、ディスク層部34の前側略3分の1の部分に形成された各水誘導孔Yに連通している(図5(b)参照)。また、周方向に等しい間隔を隔てた8箇所のそれぞれにおいて、径方向内側へ向かって、前ボス33、ディスク層部34の前側略3分の1の部分、貯水部75が、この順で並んでいる。そのため、貯水部75が、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32の内周縁に沿って間隔を隔てて8つ配置されていることがわかる。また、ディスク層部34(少なくとも前側略3分の1の部分)では、周方向において各前ボス33および貯水部75と一致する各位置に、水誘導孔Yが形成されている。
なお、A組(図3(a)参照)において最も前側の加湿ディスク32と前プレート30の後面との間では、この加湿ディスク32の前面のガイドリブ47および凸部49が前プレート30の後面に当接し、かつ、前プレート30の第1突条62および第2突条63がこの加湿ディスク32前面に当接することによって、上述した隙間Xが形成されている(図3(a)も参照)。
次いで、後プレート31が、ディスク層部34が組み付けられた状態にある前プレート30に対して、後側から組み付けられる。このとき、図5に示すように、ディスク層部34では、各加湿ディスク32の切欠き45(切欠き45A、B)に、後プレート31において対応する後ボス44が後側(図5では右側)から嵌まり込む。ここで、上述したように、後ボス44の前後方向寸法は、ディスク層部34の前後方向寸法の略3分の2程度であるから、後ボス44は、ディスク層部34の後側略3分の2を構成する加湿ディスク32の切欠き45に嵌まり込む。そして、各後ボス44の前端面は、対応する前ボス33の後端面に対して後側から対向し、各前ボス33の後端面の挿通リブ59は、対応する後ボス44の挿通穴40に前側から挿通され、後ボス44の内周面に沿うように配置される。
この状態で、前後方向において互いに対向している前ボス33の後端面と後ボス44の前端面と間(換言すれば前ボス33と後ボス44との継ぎ目)には、図5(b)に示すように、パッキン79(ドットで塗り潰した部分を参照)が介在されている。
パッキン79は、前ボス33の後端面および後ボス44の前端面のそれぞれ輪郭(図3(a)参照)とほぼ同じ形状をなす略D字の環状であり、前後方向において薄い。パッキン79の内周縁79Aは、全周に亘って前側へ突出している。これに対応して、前ボス33の後端面には、挿通リブ59を取り囲むように前側へ窪む環状の溝83が形成されており、パッキン79の内周縁79Aは、溝83に後側から嵌め込まれている。これにより、パッキン79は、挿通リブ59に対して外嵌された状態で位置決めされ、前ボス33の後端面と後ボス44の前端面との前後方向における隙間を塞いでいる。この状態で、パッキン79の外周縁のうち、前プレート30および後プレート31の径方向における内側部分は、前ボス33の外表面よりも径方向内側へ突出しており、案内部79Bとされる。
なお、後ボス44の周面(前端面および後端面以外の面)において、後ボス44の前端面に隣接する位置には、後ボス44の内外を連通させる略三角形状の空気抜き穴84が形成されている。
このように前ボス33の後端面と後ボス44の前端面とが前後方向において互いに対向することによって、前ボス33の内部空間(挿通穴35)と、後ボス44の内部空間(挿通穴40)とが前後方向に並んで互いに連通している。ここで、挿通穴35と挿通穴40とが連通した状態にある前ボス33および後ボス44をまとめて給水バケット85(水汲み容器)という。
上述したように前ボス33および後ボス44のそれぞれが周方向において等しい間隔を隔てて8つ設けられ、各加湿ディスク32の外周縁の対応する切欠き45に嵌り込んでいることから、給水バケット85は、加湿ディスク32で構成されたディスク層部34の外周面の周方向に等間隔となるようにこの外周面沿いに8つ配置されることになる。また、前ボス33が後方へ突出し、後ボス44が前方へ突出していることから、各給水バケット85は、前後方向(加湿ディスク32の重なり方向)に延びている。そして、給水バケット85の内部空間(つまり、連通状態にある挿通穴35および挿通穴40)を給水室86という。給水室86は、前ボス33の水抜き穴36および後ボス44の空気抜き穴84に対して連通している。また、8つの給水バケット85をまとめて給水部90という。給水部90は、加湿ユニット20に含まれる。
このように後プレート31が前プレート30に組み付けられた後、図2に示すように、ねじ形状のピン50を、後プレート31の後面側から、対応する挿通穴40を介して給水バケット85の給水室86に挿入する。挿入後にピン50をねじるとピン50の先端50A(前端)が前プレート30に引っ掛かることから、前プレート30と後プレート31との間にディスク層部34が挟まれてこれらのプレートに保持された状態で、前プレート30と後プレート31とが一体化される。また、給水バケット85が完成した状態で維持される。このとき、ピン50の頭部50Bは、後プレート31において対応する凹部42(図4参照)に収まっており、後プレート31からはみ出ていない。
また、給水バケット85の給水室86において、前プレート30の前面から露出される挿通穴35がピン50の先端50Aによって塞がれ、さらに、後プレート31の後面から露出される挿通穴40がピン50の頭部50Bによって塞がれる。これにより、給水室86は、前後方向における両端において塞がれ、前ボス33の水抜き穴36および後ボス44の空気抜き穴84のみにおいて外部に連通している(図5(b)参照)。
以上により、加湿ユニット20の組み立てが完了する。ここで、加湿ユニット20において、給水部90(8つの給水バケット85)および貯水部75は、前プレート30に設けられている(厳密には、給水部90は、前プレート30および後プレート31に設けられている)ので、給水部90および貯水部75のそれぞれを支持する部品を別途設けずに済み、部品点数の削減を図ることができる(図5(a)参照)。
最後に、上述した軸51を、後プレート31の貫通穴39に後側から挿通する。貫通穴39に挿通された軸51の前端部は、貫通穴39から前側に露出される。そして、この露出した軸51の前端部に対して円筒状のカラー53が前から外嵌されて軸51と一体化されることによって、軸51が、貫通穴39から抜けないように、後プレート31に取り付けられる。これより、加湿ユニット20が、軸51によって、回転自在に保持される。なお、軸51の前側は、隔壁13に支持されている。
ここで、図6に示すように、上述した隔壁13には、モータ60が取り付けられ、モータ60の出力軸に取り付けられたギヤ61が、加湿ユニット20の前プレート30における第1リブ37の外周面のギヤ歯52と噛み合っている。そのため、モータ60が駆動されると、ギヤ61が所定の方向へ回転し、これに伴って、加湿ユニット20全体が、所定の一方向、詳しくは正面から見て反時計回りの方向へ回転する。
図7(a)は、図6のA−A矢視図である。図7(b)は、図7(a)の要部拡大図である。図8(a)は、加湿ユニット20を正面右下側から見た斜視図であって、図8(b)は、図8(a)の要部断面図である。
このように加湿ユニット20が回転すると(図7(a)の太い破線矢印参照)、8つの給水バケット85も加湿ユニット20(ディスク層部34)とともに回転する。以下では、図7(a)を参照して、加湿ユニット20が1回転するまでにおける1つの給水バケット85の様子を説明する。
まず、給水バケット85が受皿22(詳しくは、上述した後側領域22B)の水に浸かると、その給水バケット85の内部(給水室86)には、水抜き穴36を介して水が一杯まで溜められる(給水バケット85Aを参照)。このとき、ディスク層部34の各加湿ディスク32において給水バケット85A周辺の部分も、受皿22の水に浸かって濡れる。このときを加湿ユニット20の回転開始時とする。なお、給水室86に水が溜められる際、給水室86内の空気は、空気抜き穴84(図5(b)参照)から抜け出す。
そして、加湿ユニット20が回転するにつれ、受皿22に浸かっていた給水バケット85が受皿22の水面Sから離れて上昇し、これにより、受皿22の水が給水バケット85によって汲み上げられる(給水バケット85B、給水バケット85Cおよび給水バケット85Dを参照)。そして、加湿ディスク32において受皿22の水に浸かって濡れた部分が、加湿ユニット20が1/2回転するまでの間に、加湿ユニット20において上側へ移動し、流路15を流れる空気(図2の太い実線矢印を参照)に晒される。これにより、加湿ディスク32に付着していた水が、微細な粒子となって、清浄化された空気に乗り(換言すればこの空気を加湿し)、各出口9(図2参照)から外部へ放出される。その結果、上述したように、室内が加湿される。
これに伴い、加湿ユニット20が1/2回転するまでの間に、加湿ディスク32から水分がほとんどなくなってしまうが、加湿ユニット20が1/2回転した時点で、最上位にある給水バケット85の給水室86の水W(受皿22から汲みだした水)が、水抜き穴36からこぼれて加湿ディスク32に供給される(給水バケット85Eを参照)。
詳しくは、加湿ユニット20が1/2回転する手前において、給水バケット85Dに示すように、給水バケット85の給水室86には、水Wが残っている。ここで、給水バケット85Cおよび給水バケット85Dを参照して、給水バケット85Cでの水抜き穴36が上を向いているのに対し、給水バケット85Dでの水抜き穴36は、上下方向に対して傾斜した方向を向いている。そのため、加湿ユニット20の回転に伴って、給水バケット85が、給水バケット85Cから給水バケット85Dの状態へ移動すると、給水室86に残っている水Wが、水抜き穴36からこぼれ落ちようとして水抜き穴36へ移動する。ここで、この水Wの水面のうち、水抜き穴36付近の部分Vが、表面張力によって上側へ僅かに膨らみ、水抜き穴36へ移動してくる水Wを堰き止める(給水バケット85D参照)。しかし、加湿ユニット20が1/2回転することによって、給水バケット85が、給水バケット85Dの状態から給水バケット85Eの状態へ移動すると、水抜き穴36付近の水Wの水面は、水抜き穴36へ移動してくる水Wを堰き止めることができなくなり、給水室86の水Wは、水抜き穴36からこぼれ落ちる。こぼれ落ちた水Wは、毛細管現象によって、ディスク層部34において隣り合う加湿ディスク32における各隙間X(図6参照)に浸透して加湿ディスク32に供給され、加湿ディスク32が再び濡らされる。
このように加湿ディスク32において給水バケット85の給水室86の水Wによって濡れた部分が、加湿ユニット20が1回転を終えるまでの間に(給水バケット85E〜Hを参照)、清浄化された空気の流れ(図2の太い実線矢印を参照)に晒される。これにより、加湿ディスク32に付着した水が、加湿ユニット20が1/2回転するまでと同様に、清浄化された空気とともに室内に放出され、室内の加湿に寄与する。
このように、8つの給水バケット85(給水部90)は、加湿ユニット20(ディスク層部34)の回転に伴ってディスク層部34とともに回転し、下方位置にて、つまり、下方の給水バケット85(給水バケット85A参照)で受皿22の水を汲み上げ、上方位置に来たときに(給水バケット85E参照)、汲み上げた水を水抜き穴36からディスク層部34にこぼす。こぼれた水は、ディスク層部34の外周面(加湿ディスク32の外周縁)側から、ディスク層部34内(隣り合う加湿ディスク32の隙間X)を通って落下し、ディスク層部34の内空間57(加湿ディスク32の内周縁)へ向かう途中で、各加湿ディスク32を濡らす。
そのため、ディスク層部34が1回転する際、ディスク層部34の各加湿ディスク32において、水で濡れた部分が空気を加湿することで早い段階で乾燥しても、給水バケット85がこの部分を再び濡らすので、この部分では、加湿を続行できる。つまり、各加湿ディスク32が濡れた状態を長く保つことができるので、ディスク層部34は、水で濡れた部分を流路15(図2参照)の空気に比較的長時間晒すことができ、空気の加湿効率の向上を図ることができる。また、給水バケット85を加湿ディスク32の外周縁側に配置して、給水バケット85の水を加湿ディスク32の内周縁へこぼすことにより、加湿ディスク32を径方向において効率よく濡らすことができ、これによっても、加湿効率の向上を図っている。
ここで、上述したように、全ての加湿ディスク32(ディスク層部34)が、全ての前ボス44(詳しくは給水バケット85)に対して非接触となるように位置決めされている。仮にどこかが接触していると、図7(a)の給水バケット85Dで示す表面張力による水のもり上がり(V)がきかず、早い段階でこぼれ落ちてしまうところ、全て非接触となっているので、加湿ユニット20が1/2回転するまでの早い段階で、給水バケット85の給水室86の水Wが、まだ濡れている加湿ディスク32を伝って不必要にこぼれ落ちてしまうことを防止できる。
また、上述したように、ディスク層部34には、図5(a)に示すように、加湿ディスク32の外周縁と内周縁とをつなぎ、ディスク層部34の内空間57に連通する立体的な水誘導孔Yが形成されている(図4および図5(b)も参照)。給水バケット85の水抜き穴36からこぼれる水は、上述したように、ディスク層部34において隣り合う加湿ディスク32における各隙間X(図5(b)および図4および図6参照)に浸透するが、水誘導孔Yを経ることで、ディスク層部34内を通ってディスク層部34の内空間57へ落下することもできる(図5(a)の太い破線矢印参照)。
空気清浄機1の継続使用に伴い、給水バケット85からこぼれた水が、ディスク層部34内に留まって加湿ディスク32に付着し、この水から析出したカルキ成分や水垢が汚れとなって加湿ディスク32に付着する虞がある。この汚れによって、ディスク層部34において隣り合う加湿ディスク32の隙間Xが塞がれると、それ以降、給水バケット85からこぼれてディスク層部34内を通る水のうち、加湿に寄与しなかった水は、ディスク層部34の内空間57に落下できずにディスク層部34内に留まる。そして、この水からカルキ成分や水垢が析出することによって、一層水が落下しにくくなり、加湿ユニット20のメンテナンスが必要になる程加湿ディスク32の汚れが悪化する。
しかし、ディスク層部34に形成された水誘導孔Yが、給水バケット85からこぼれる水を、ディスク層部34内を通って内空間57へ強制的に落下させるので(図5(a)の太い破線矢印参照)、加湿に寄与しなかった水がディスク層部34内に留まり続けることを抑制できる。これにより、ディスク層部34内に留まる水から生じた汚れが加湿ディスク32に付着することを防止できる。そして、仮に汚れによって、ディスク層部34において隣り合う加湿ディスク32の隙間Xが塞がれたとしても、ディスク層部34内を通る水のうち、加湿に寄与しなかった水は、水誘導孔Yを通って、内空間57へ確実に落下するので、この水がディスク層部34内に留まることはほとんどなく、加湿ユニット20のメンテナンスが必要になる程度まで加湿ディスク32の汚れが悪化することを抑制できる。
その結果、加湿ユニット20のメンテナンス(加湿ディスク32に汚れ除去)のタイミングを遅らせることができるので、加湿ユニット20を頻繁にメンテナンスせずに済み、使い勝手の向上を図ることができる。
また、加湿ユニット20のメンテナンス時(ディスク層部34の組み立て時)には、A組、C組、E組に属する第1の加湿ディスク32とB組、D組、F組に属する第2の加湿ディスク32とを所定の態様で重ねるだけの単純な作業で(図3(a)参照)、ディスク層部34に水誘導孔Yを簡単に形成できる(図4参照)。これにより、使い勝手のさらなる向上を図ることができる。なお、図3(a)に示すように、加湿ディスク32を所定の態様で重ねることで水誘導孔Yを形成するのとは異なり、各加湿ディスク32において、周方向に一致する切欠き45Aと切込み46Bとを連続させることでも水誘導孔Yを形成することは実施的には可能である。しかし、この場合、各加湿ディスク32は、周方向において、ばらばらになってしまう。
また、ディスク層部34を構成する各組において、少なくとも2枚の第1の加湿ディスク32が隣り合っており(A組、C組、E組)、少なくとも2枚の第2の加湿ディスク32が隣り合っている(B組、D組、F組)。
これにより、A組、C組、E組では、隣り合う第1の加湿ディスク32の切欠き45B同士が連続することによって、前後方向(加湿ディスク32の重なり方向)において外側孔88を広くできる。同様に、B組、D組、F組では、隣り合う第2の加湿ディスク32の切込み46B同士が連続することによって、前後方向において内側孔89を広くできる。その結果、図4および図5に示すように、これらの外側孔88と内側孔89とが連通状態となることで形成される水誘導孔Yでは、各部分が、前後方向において広くなる。そのため、水誘導孔Yは、給水部90の給水バケット85からこぼれる水を、ディスク層部34内を通って内空間57へ確実かつ円滑に落下させることができる(図5(a)の太い破線矢印参照)。
なお、図3(a)に示すように、A組、C組、E組に属する第1の加湿ディスク32と、B組、D組、F組に属する第2の加湿ディスク32とは、形状自体が同じである。そのため、加湿ユニット20のメンテナンス時においてディスク層部34を組み立てる際には、加湿ディスク32の種類を気にせずに済み、使い勝手の向上を図ることができる。以上では、説明の便宜上、A組、C組、E組に属する加湿ディスク32を第1の加湿ディスク32とし、B組、D組、F組に属する加湿ディスク32を第2の加湿ディスク32としたが、逆に定義しても良い。
<電解水ユニット>
この空気清浄機1には、図6および図7に示すように、加湿ユニット20において、ディスク層部34の内空間57(厳密には前プレート30の第2リブ38および各貯水部75に囲まれる空間)内に、電解水ユニット70が設けられている。電解水ユニット70は、フィルタ11を通過して清浄化された後に流路15(図2参照)を流れる空気に電解水を乗せるものである。そのため、この空気清浄機1は、上述したように取り込んだ外気をフィルタ11で清浄化するだけでなく、電解水ユニット70に電解水を放散させて、この電解水によって外部の空気を殺菌・脱臭することができる。
詳しくは、図6に示すように、電解水ユニット70は、上面が開放された水受け容器71と、放散板72と、ギヤ73と、電極ユニット98とを備えている。
水受け容器71の内部は、仕切り壁110によって、溢水室111と貯留室121とに左右に区画されている(図7(a)参照)。
放散板72は、多数の貫通穴が形成された円板形状である。放散板72は、貯留室121において、斜め前側下方(図6では斜め左側下方)へ傾斜した状態で水受け容器71に保持されている。
ギヤ73は、上下方向に延びる中心軸を有する円盤形状であり、その外周部分に、ギヤ歯92が形成されている。また、ギヤ73の底面の円中心位置には、上下に延びるギヤ軸93の上端部が接続されている。ギヤ軸93の下端部は、上述したように傾斜した状態にある放散板72の円中心部分に上から接続されており、これにより、放散板72とギヤ73とが一体化されている。この状態で、放散板72およびギヤ73は、ギヤ軸93とともに、回転自在である。なお、放散板72は、回転中においても、常に、斜め前側下方へ傾斜した状態を維持している。
電極ユニット98は、水受け容器71の貯留室121に収容されており、一対の電極100を含んでいる。一対の電極100は、貯留室121の底へ向けて下方に延びている。一対の電極100のリード線(図示せず)は、電解水ユニット70の外部の本体電源(図示せず)に接続されている。後述するように、電解水ユニット70では、貯留室121に溜められた水が電極ユニット98の作用によって電気分解されることにより、電解水が生成される。
この電解水ユニット70は、本体ケース2の隔壁13に支持されている。この状態において、電解水ユニット70は、加湿ユニット20において前プレート30の第2リブ38に囲まれ、かつ軸51より上側の空間に、配置される。ここで、電解水ユニット70では、ギヤ73のギヤ歯92が、第2リブ38の上端部におけるギヤ歯55に噛合しているものの、それ以外の部分は、加湿ユニット20に接触していない。
そして、電解水ユニット70と加湿ユニット20の相対位置について、電解水ユニット70の水受け容器71(厳密には貯留室121)と、加湿ユニット20のディスク層部34の前側略3分の1の部分(換言すれば各給水バケット85の前ボス33)とは、前後方向(図6では左右方向)において一致している。換言すれば、各給水バケット85は、前後方向(加湿ディスク32の重なり方向)において電解水ユニット70(水受け容器71の貯留室121)と対向する位置にて、電解水ユニット70に近い前ボス33と、前ボス33に比べて電解水ユニット70から後側へ離れた後ボス44とを含んでいる。そして、前ボス33と後ボス44との継ぎ目に介在されたパッキン79の上述した案内部79B(図5(b)参照)は、電解水ユニット70へ向けて径方向内側へ突出している。また、加湿ユニット20の各貯水部75(図5参照)は、前後方向において電解水ユニット70(水受け容器71の貯留室121)と一致する範囲内に配置されている。
電解水ユニット70と加湿ユニット20とのこのような相対位置により、加湿ユニット20の回転に伴い、ディスク層部34、給水部90の各給水バケット85および各貯水部75は、電解水ユニット70の周りを回転する。
ここで、上述したように、加湿ユニット20では、各給水バケット85の前ボス33に対して、ディスク層部34の前側略3分の1の部分、貯水部75が、径方向内側へ向かって、この順で並んでいる(図5参照)。そして、前ボス33の水抜き穴36は、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32の各隙間Xに連通している(図5(b)参照)。
そのため、図7(a)に示すように、加湿ユニット20が1/2回転した時点で、最上位にある給水バケット85(給水バケット85E)の給水室86の水が、給水バケット85Eの水抜き穴36から、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32に落下する。そして、この水は、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32における各隙間X(図5(b)参照)に浸透して径方向内側へ向かいながら、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32を濡らす。詳しくは、この水は、各隙間Xにおいて加湿ディスク32の前面のガイドリブ47と後面のガイドリブ47とに挟まれる部分(図3(a)参照)を伝って、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32の内周縁へ下降する。最も前側の加湿ディスク32と前プレート30の後面との隙間X(図5参照)においては、水は、前プレート30の後面において対応する給水バケット85の前ボス33に設けられた第1突条62と第2突条63(図3(a)参照)とに挟まれる部分を伝って、この加湿ディスク32の内周縁へ下降する。
また、図5(b)に示すように、水抜き穴36からこぼれた水が、落下せずに、給水バケット85(給水バケット85E)における前ボス33の下側外表面を伝って後側へ移動しようとしても、この水は、パッキン79の案内部79Bに堰き止められて案内部79Bで大きな水滴となる(図5(b)の太い破線矢印参照)。そして、この水は、結局、ディスク層部34の前側略3分の1を構成する加湿ディスク32における各隙間Xに浸透する。上述したように、電解水ユニット70(水受け容器71の貯留室121)とディスク層部34の前側略3分の1の部分とは、前後方向において一致していることから(図6参照)、パッキン79の案内部79Bは、水抜き穴36からこぼれた水を電解水ユニット70へ向けて案内しているといえる。
ここで、上述したように、給水部90の各給水バケット85は、加湿ディスク32の重なり方向(前後方向)において電解水ユニット70と対向する位置にて、電解水ユニット70に近くて水抜き穴36が形成された前ボス33と、前ボス33に比べて電解水ユニット70から離れた後ボス44とを含んでいる(図6参照)。これにより、各給水バケット85の水抜き穴36は、前後方向において電解水ユニット70と一致する位置に常に配置されることとなる。そのため、図7(a)に示すように、各給水バケット85の水抜き穴36は、ディスク層部34の回転に伴って、電解水ユニット70の真上を必ず通過する(給水バケット85Eを参照)。
図5(a)を参照して、水抜き穴36が電解水ユニット70の真上を通過する際、給水バケット85内の水は、後ボス44側から前ボス33側へ流れて水抜き穴36へ到達する。そして、この水は、水抜き穴36から、ディスク層部34の前側略3分の1の部分において電解水ユニット70の真上に位置する部分(図6参照)にこぼれる(図5(a)の太い破線矢印参照)。そのため、ディスク層部34(詳しくは、前側略3分の1の部分)では、こぼれた水のうち加湿に寄与せずに加湿ディスク32の内周縁まで到達した水を、電解水ユニット70の真上でこぼして、確実に電解水ユニット70に落下させることができる。
また、上述したように、各給水バケット85は、前後方向において電解水ユニット70と対向する位置にて、前ボス33と後ボス44とを含んでいる。これにより、各給水バケット85における前ボス33と後ボス44との継ぎ目も、水抜き穴36と同様に、前後方向において電解水ユニット70と一致する位置に常に配置されることとなるので、ディスク層部34の回転に伴って、電解水ユニット70の真上を必ず通過する(図6参照)。
そして、図5(b)に示すように、この継ぎ目には、パッキン79が介在されている。そのため、各給水バケット85において、水抜き穴36が電解水ユニット70の真上を通過する際、水抜き穴36からこぼれた水が、前ボス33の下側外表面の汚れ(上述したカルキ成分や水垢)等を伝って後ボス44へ向かって後方へ移動しようとしても、この水は、パッキン79(詳しくは案内部79B)で堰き止められる(図5(b)の太い破線矢印参照)。そして、堰き止められた水は、パッキン79から、ディスク層部34の前側略3分の1の部分において電解水ユニット70の真上に位置する部分にこぼれる(図5(b)の太い破線矢印参照)。空気清浄機1(図2参照)が後側へ傾いて配置されていることで、水抜き穴36からこぼれた水が後ボス44へ向かって後方へ移動しようとする場合も同様の結果を得ることができる。
よって、ディスク層部34(詳しくは、前側略3分の1の部分)では、こぼれた水のうち加湿に寄与せずに加湿ディスク32の内周縁まで到達した水を、電解水ユニット70の真上でこぼして、確実に電解水ユニット70に落下させることができる。特に、パッキン79に設けられた案内部79Bは、上述したように、電解水ユニット70(図6参照)へ向けて突出し、水抜き穴36からこぼれた水を電解水ユニット70へ向けて案内する。そのため、水抜き穴36からこぼれてパッキン79で堰き止められた水は、パッキン79の案内部79Bに案内されることによって、ディスク層部34において電解水ユニット70の真上に位置する部分に確実にこぼれる。
以上のように、この空気清浄機1では、各給水バケット85の水抜き穴36からこぼれた水が、ディスク層部34の前側略3分の1の部分(電解水ユニット70と前後方向で一致する部分)において電解水ユニット70の真上に位置する部分に必ずこぼれるように構成されている。これにより、ディスク層部34において加湿に寄与しなかった水をディスク層部34の所定位置(電解水ユニット70の真上)で安定してこぼすことができる。
そして、ディスク層部34において電解水ユニット70の真上に位置する部分の加湿ディスク32の各隙間Xに浸透して加湿ディスク32の内周縁まで到達した水は、加湿ディスク32の内周縁から、第2リブ38の通過穴56(図5参照)を経由して落下する。この水Wは、図7(a)に示すように、給水バケット85(給水バケット85E)の前ボス33の真下に位置する電解水ユニット70の水受け容器71の貯留室121によって受けとめられ、この貯留室121に溜まる。
また、上述したように、ディスク層部34(少なくとも前側略3分の1の部分)では、図5に示すように、周方向において各前ボス33(給水バケット85)と一致する各位置に、水誘導孔Yが形成されている。汚れによって、ディスク層部34において隣り合う加湿ディスク32の隙間X(図5(b)参照)が塞がれたとしても、ディスク層部34内を通る水のうち、加湿に寄与しなかった水は、水誘導孔Yを通って、内空間57へ確実に落下するので、この水を確実に電解水ユニット70の真上でこぼすことができる。
ここで、ディスク層部34において加湿に寄与せずに加湿ディスク32の内周縁に到達した水は、加湿ディスク32の内周縁から電解水ユニット70(図6参照)に落下せずに加湿ディスク32の内周縁を周方向に伝って流れ落ちようとしたり、積層された加湿ディスク32の内周縁を横切って後方(後プレート31側)へ移動しようとしたりする。特に、上述した汚れ(カルキ成分や水垢)が加湿ディスク32(特に内周縁)に付くと、水は、この汚れを伝うように癖付けられてしまうので、汚れを除去しない限り、電解水ユニット70へ落下せず、上述した意図しない方向(周方向や後方)へ偏って流れがちである。また、空気清浄機1が載置される載置面の状態に応じて空気清浄機1(図1参照)が左右方向や前後方向へ傾いていた場合にも、加湿ディスク32の内周縁の水が、意図しない方向へ偏って流れ得る。
しかし、この水(加湿に寄与せずに加湿ディスク32の内周縁にある水)のうち、ほとんどは、図7(b)に示すように、給水バケット85(給水バケット85E)と周方向で一致する貯水部75の突起76によって捕獲される(図7(b)の太い実線矢印参照)。捕獲された水Wは、水膜となり、表面張力によって、隣り合う突起76の間に溜まる(黒く塗り潰した部分を参照)。そして、ある程度の量の水Wが突起76に捕獲され、この水Wの水膜が、表面張力で支えきれなくなる程度まで大きくなると、水滴となって、隣り合う突起76の間からこぼれ落ち、真下に位置する電解水ユニット70の水受け容器71の貯留室121に溜まる(図7(a)参照)。
また、空気清浄機1(図2参照)が奥側(後側)へ傾いている場合には、突起76に捕獲された水は、図8(a)の太い破線矢印で示すように、突起76を伝って後方へ流れる。この水は、その後、突起76の後端からこぼれ落ち、真下に位置する電解水ユニット70の貯留室121(図7(a)参照)に溜まる(図8(a)の太い破線矢印および図8(b)の水Wを参照)。
つまり、貯水部75(少なくとも突起76)を設けることによって、周方向および前後方向において水のこぼれる位置を電解水ユニット70の真上に維持でき、この水を漏れなく電解水ユニット70に落下させることができる。その結果、図7(a)に示す電解水ユニット70では、安定して水が供給されるので、電解水の生成効率の向上を図ることができる。なお、貯水部75は、上述したように前プレート30の第2リブ38の通過穴56内に配置されているが、第2リブ38には接触していないので、貯水部75の突起76が捕獲した水が第2リブ38に受け渡されて第2リブ38から意図しない方向へ流れることを防止できる(図7(a)および図8(a)参照)。
ここで、各貯水部75において、周方向で隣り合う突起76の間隔は、加湿ディスク32の内周縁に存在する水滴として想定し得る所定の大きさ(最小限)の水滴より小さく設定されている。そのため、加湿ディスク32の内周縁を伝って流れ落ちようとする水を貯水部75の突起76が捕獲し損なうことを防止できる。
また、上述したように、貯水部75は、前後方向(図7(a)の紙面に垂直な方向)において電解水ユニット70と一致する範囲内に配置されている(図6も参照)。そのため、加湿ディスク32の内周縁を伝って流れ落ちようとする水を捕獲した貯水部75の突起76が電解水ユニット70の真上にあるときに、この貯水部75において突起76のどの部分も前後方向において電解水ユニット70の真上に位置するので、突起76からこぼれた水を漏れなく電解水ユニット70に落下させることができる。これにより、突起76が捕獲した水が、たとえば後方の後プレート31(電解水ユニット70の真上にない位置)まで流れてしまうことを防止できる(図8参照)。
さらに、上述したように、各貯水部75は、ディスク層部34の周方向において給水部90の給水バケット85と一致する位置に配置されているので、対応する給水バケット85に近くなり、この給水バケット85からこぼれた水のうち、加湿ディスク32の内周縁を伝って流れ落ちようとする水を確実に捕獲することができる。
図5を参照して、上述した構成(各給水バケット85において前ボス33と後ボス44との継ぎ目および水抜き穴36を、前後方向において電解水ユニット70と一致させ、さらに、前ボス33と後ボス44との継ぎ目にパッキン79を介在させる構成)に加えて、貯水部75を設けることにより、ディスク層部34において加湿に寄与しなかった水を電解水ユニット70の真上で一層安定してこぼすことができる。
そのため、空気清浄機1の継続使用によって上述した汚れ(カルキ成分や水垢)が加湿ユニット20の各部品に付着しても、給水バケット85およびディスク層部34では、水を、この汚れを伝って意図しない方向(たとえば後方の後プレート31)へ流すことなく、電解水ユニット70側(図6参照)に偏った位置(電解水ユニット70の真上)でこぼすことができる。これにより、電解水ユニット70では、この水を確実に貯留室121(図7(a)参照)に溜めて電解水を効率よく生成することができる。そして、加湿ユニット20が多少汚れても、空気清浄機1を引き続き使用できるので、加湿ユニット20を頻繁にメンテナンスせずに済む。
特に、この空気清浄機1では、給水バケット85で比較的少量の水を汲み上げて加湿ディスク32にこぼすので、こぼれた水のうち、加湿に寄与せずに残る水も僅かである。この僅かな水を、いかに効率よく電解水ユニット70で回収して電解水を生成できるかが、電解水ユニット70の性能を左右する。そこで、この僅かな水を、その表面張力をうまく制御することによって、加湿ユニット20に付着した汚れを伝って意図しない方向へ流れないようにしたり、貯水部75で所定の大きさ水滴(図8(b)参照)に成長させたりすることによって、電解水ユニット70へ真上から確実に落下させている。これにより、電解水ユニット70の貯留室121(図6参照)に安定して水が供給されることとなり、電解水ユニット70は、その性能を安定して発揮できるのである。
なお、貯水部75は、上述したように加湿ディスク32の内周縁に接触していないので、加湿ディスク32の内周縁から電解水ユニット70に落下しようとする水まで捕獲してしまうことを防止できる。
また、図7(a)を参照して、加湿ディスク32の内周縁から電解水ユニット70に落下せずに加湿ディスク32の内周縁を伝って流れ落ちようとした水のうち、一部が、加湿ディスク32の内周縁に沿って周方向に流れることがある。しかし、この水は、加湿ディスク32の内周縁に形成された最寄の切込み46によって堰き止められるので、引き続き内周縁に沿って流れることはなく、切込み46において所定の大きさの水滴となって、真下に位置する電解水ユニット70の水受け容器71の貯留室121に溜まる。同様に、前プレート30の内周縁を伝って流れようとした水は、前プレート30の内周縁の最寄の切込み58によって堰き止められるので、引き続き内周縁に沿って流れることはなく、この水も、貯留室121に溜まる(図8参照)。
さらに、加湿ユニット20が1/2回転する手前において、給水バケット85Dに示すように、給水室86の水Wの一部が水抜き穴36からこぼれ、この水抜き穴36を有する前ボス33(給水バケット85D)と周方向で一致する貯水部75に受け渡されることなく、加湿ディスク32の各隙間Xに浸透しつつ、そのまま下方へ流れ落ちることがある(図7(a)の太い実線矢印参照)。また、加湿ディスク32には、給水バケット85から常に水が供給されるので、一部の水が、加湿ディスク32の各隙間Xに浸透しつつ、そのまま下方へ流れ落ちることがある(図7(a)の太い実線矢印参照)。
その場合、この水がこぼれ落ちる先には、別の貯水部75(給水バケット85Cと周方向で一致する貯水部75)が位置しており、この水は、別の貯水部75に受け渡される(厳密には、この貯水部75と最寄りの加湿ディスク32の内周縁との間に溜まる)。そして、加湿ユニット20が1/2回転することで、給水バケット85が、給水バケット85Cから給水バケット85Eの状態へ移動して、いよいよ電解水ユニット70の真上に至ると、この別の貯水部75に受け渡された水は、給水バケット85内の水と合わさって所定の大きさの水滴(水の塊)となって、こぼれ落ちる。この水の塊は、真下に位置する電解水ユニット70の水受け容器71の貯留室121に溜まる。
また、何らかの理由により、給水バケット85が給水バケット85Eから給水バケット85Fの状態へ移動する最中にも給水バケット85に水が残って、頂上を過ぎてから水抜き穴36からこぼれる場合がある。この場合には、いずれかの貯水部75(給水バケット85Eに対応する貯水部75)の水と合わさって水の塊となり、この貯水部75が電解水ユニット70の真上に位置する間に落下して貯留室121に溜まる。
なお、ディスク層部34に供給されて加湿に寄与しなかった水のうち、どうしても電解水ユニット70に到達しない水も僅かながら存在し得るが、この水は、受皿22に受け止められ、再び給水バケット85によって汲み上げられる。
そして、このように水受け容器71の貯留室121に溜められた水の水位が、予め定める水位(所定水位T)まで上昇すると、電極ユニット98の一対の電極100が、貯留室121に溜められた水に浸る。貯留室121の水位が所定水位Tを超えるまで貯留室121に水が受け入れられると、所定水位Tを超えた分の水が、仕切り壁110を乗り越えて溢水室111へ流れ込む。
そして、電極ユニット98では、一対の電極100にリード線(図示せず)を介して電圧が印加されることにより、貯留室121内の水は電気分解されて、電解水となる。水には、通常、水道水が用いられ、水道水には塩素が含まれているから、電解水ユニット70は、電極ユニット98での電気分解により、殺菌作用や脱臭作用を有する次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水を生成することができる。
ここで、上述した所定水位Tまで貯留室121に水が溜まっている場合には、図6に示すように、放散板72が貯留室121の水面に対して斜め前側下方へ傾斜しており、放散板72の前側部分(略前半分)が貯留室121に溜められた水(電解水)に浸かっている。そして、上述したように、電解水ユニット70では、ギヤ73のギヤ歯92が、加湿ユニット20の第2リブ38のギヤ歯55に噛合しているので、加湿ユニット20が回転すると、ギヤ73が、加湿ユニット20の回転力を受けて回転する。
そして、ギヤ73の回転に伴い、ギヤ軸93を介してギヤ73と一体化されている放散板72が、ギヤ軸93によって、上述したように斜め前側下方へ傾斜して前側部分が貯留室121の水に浸った状態に維持されつつ、加湿ユニット20の回転に同期するように回転する。
貯留室121に溜められた水(電解水)に浸かっている放散板72の前側部分では、表面張力によって放散板72の上述した貫通穴(図示せず)に電解水の膜が形成され、この状態で放散板72が回転することによって、電解水の膜が張った貫通穴(図示せず)が、放散板72における後側へ移動して、水受け容器71(貯留室121)の電解水を連続的に取り出す。そうすると、電解水の膜が張った貫通穴(図示せず)は、放散板72の後側部分において、流路15を流れる空気(図2の太い実線矢印を参照)に順に晒されることとなり、電解水の膜がミスト状に壊されて放散板72の貫通穴(図示せず)から剥がされ、電解水が連続的に放散される。その後、このミスト状の電解水(電解水ミスト)が空気に乗って上昇し、重ねられた加湿ディスク32の隙間Xを通過してから、清浄化された空気ともに室内に放出される(図2の太い実線矢印および2点鎖線の矢印を参照)。このように、放散板72は、生成された電解水を、流路15を流れる空気に乗せる。これにより、電解水は、出口9(図2参照)から機外(たとえば室内)に放散され、室内の空気を殺菌したり脱臭したりする。
ここで、図7(a)に示すように、電解水ユニット70の水受け容器71の貯留室121において、電解水が必要以上に生成された場合や所定水位Tを超える量の水が受け入られた場合には、不必要な量の水(所定水位Tを超えた分の水)は、上述したように、溢水室111に流れ込む。そして、溢水室111に流れ込んだ水は、溢水室111の底面に接続された溢水管112によって溢水させられる。溢水管112の下端の溢水口113には、ドレン弁114が開閉自在に取り付けられている。ドレン弁114が溢水口113を開くと、溢水管112によって溢水させられた水が、溢水管112を流れ落ち、開かれた溢水口113から受皿22(後側領域22B)へ向かって下方へ落下する。
<制御回路ブロック図>
図9は、空気清浄機(加湿装置)1におけるこの発明の特徴となる制御動作を実行するための回路構成ブロック図である。
図9に示すように、空気清浄機(加湿装置)1の制御動作は、マイコン102により制御される。そのために、操作パネル5(図1参照)の各操作スイッチはマイコン102と電気的に接続されている。また、マイコン102によりモータ60および電極100の駆動が制御される。モータ60は、前述したように、加湿ユニット20全体(ディスク層部34)を回転させるためのモータである。また、電極100は水受け容器71に溜められた水を電気分解するためのものである。
さらに、マイコン102には温度湿度センサ101の検知出力が与えられる。温度湿度センサ101は、空気清浄機(加湿装置)1のたとえば本体ケース2の外表面近傍に設けられていて、周囲雰囲気の温度および湿度を検知するためのものである。
なお、空気清浄機(加湿装置)1には、図9で示す構成以外の電装部品(たとえばファン12を回転させるためのモータ等)が備えられているが、この発明における動作には直接関係がないので、それらの電装部品については説明の便宜上図示が省略されている。
<制御動作>
図10は、図9に示すマイコン102により行われる運転オフ状態におけるディスク層部34の制御動作(乾き抑制用の駆動制御動作)の一例を示すフローチャートである。
図10を参照して、マイコン102は、空気清浄機(加湿装置)1が運転オフ状態(運転切時)において、ディスク層部34(モータ60)が回転しているか否かを常時監視しており、所定の時間間隔で、ディスク層部34を自動的に一定時間回転させる。
すなわち、ディスク層部34が動作中か否か(回転しているか否か)の判別がされる(ステップS1)。運転切時であるから、通常はディスク層部34は回転していないので、処理はステップS2へ進み、停止時間のカウント値が+1される(ステップS2)。そして停止時間のカウント値が規定時間(たとえば8時間)を超えたか否かの判別がされる(ステップS3)。そしてカウント値が規定時間を超えたときには、停止時間のカウント値がクリアされ(ステップS4)、ディスク層部34が回転される(ステップS5)。
このようにして、運転切時には、所定時間間隔でディスク層部34が自動的に回転開始される。そしてディスク層部34が動作中の場合は、ステップS1から処理はステップS6へ進み、運転時間のカウント値が+1される(ステップS6)。そして運転時間のカウント値が規定時間(たとえば3分)を超えたか否かの判別がされる(ステップS7)。そしてカウント値が規定時間を超えたときには、運転時間のカウント値がクリアされ(ステップS8)、ディスク層部34の回転が停止される(ステップS9)。
マイコン102により図10に示す処理が行われることにより、空気清浄機(加湿装置)1が運転オフ状態であっても、所定の時間間隔(たとえば8時間間隔)で、ディスク層部34が自動的に一定時間(たとえば3分間)回転される。よって、ディスク層部34が定期的に濡らされ、乾きが防止される。
上述の停止時間の規定時間は、8時間に限定されるものではなく、ディスク層部34が完全に乾くことのない任意の時間(たとえば数時間)であればよい。また、ディスク層部34を回転させる規定時間も、上述の3分に限定されるものではなく、数分〜10分程度であればよい。
また、停止時間は、ディスク層部34が乾き切らない時間であればよいので、空気清浄機(加湿装置)1が配置された雰囲気の温度や湿度により影響を受ける。このため、温度湿度センサ101の検知温度および検知湿度に基づき、停止時間や運転時間が変更される構成とするのが望ましい。たとえば、温度が高く湿度が低い場合には、ディスク層部が乾き易い状態に置かれていることから、停止時間の間隔を短くして、相対的に短時間間隔でディスク層部を回転する。逆に、温度が低く湿度が高い場合には、ディスク層部は乾きにくいから、相対的に長時間間隔でディスク層部を回転する。
図11は、図10に示す制御フローチャートをタイミングチャートを用いて表した図(図11(A))、および、この発明の他の制御動作態様を表わすタイミングチャート(図11(B))である。
図11(A)に示すように、空気清浄機(加湿装置)1の運転オフ時に、マイコン102により、ディスク層部34(モータ60)が所定の時間間隔(たとえばt1間隔)で自動的に一定時間(たとえばt2)回転される構成とすることができる。ここに、t1は数時間〜8時間程度であり、t2は数分〜十数分程度である。
一方、ディスク層部34(モータ60)のみを所定時間間隔で回転させるのに加え、ディスク層部34(モータ60)の回転に所定の態様で連動させて、電極100に通電が行われてもよい。
たとえば、図11(B)に示すように、所定の時間t1間隔で、ディスク層部34(モータ60)がt21オンされ、次いで電極100がオフからオンに切り換えられ、時間t22が経過した時点でディスク層部34(モータ60)が再度オンされて、t23の間回転される。このとき、電極100は合計t3時間通電される。
このような制御を行うと、空気清浄機(加湿装置)1が運転オフ状態の間に、所定時間(t1時間)間隔で、ディスク層部34が自動的に回転され、それにより水受け容器71に水が溜められる。そして水受け容器71に水が溜まると電極100が通電されて、その水は電解水とされる。そして電解水が作成された後再びディスク層部34が回転されて、水受け容器71に水が追加供給される。水が追加供給されながらも電極100は通電されるので、電解水の生成は継続される。そして水受け容器71の電解水は下方へこぼれ落ち、貯水槽22にも電解水が供給される。
このような制御が行われることにより、空気清浄機(加湿装置)1が停止中であっても、ディスク層部34が完全に乾く状態にはならないから、ディスク層部34に水滴に含まれるカルキ成分等が乾いて付着することがない。また、空気清浄機(加湿装置)1内の水は所定時間間隔で電解水となるので、溜まった水に汚れやぬめりが生じにくく、衛生的に保つことができる。
図12は、図9に示すマイコン102により行われる電解水生成のための制御を示すフローチャートである。
図12を参照して、電解水を生成すると判別された場合には(ステップS11でYES)、まず、ディスク層部34(モータ60)の動作時間および電極100への通電時間がクリアされる(ステップS12)。次いでディスク層部34(モータ60)の動作が開始される(ステップS13)。そしてディスク層部34(モータ60)が予め定める規定時間(たとえば数分)駆動されると(ステップS14、S15)、ディスク層部34(モータ60)の回転が停止され、代わりに電極100の通電が開始される(ステップS16)。そして電極100が所定の規定時間(たとえば数分)通電されると(ステップS17、ステップS18)、電極100への通電が停止される(ステップS19)。
すなわち、電解水の生成制御においては、図13に示すように、ディスク層部34(モータ60)と電極100とのオンおよびオフのタイミングを、ずらすことにより、短時間で効率の良い電解水生成が実現されている。より詳細には、ディスク層部34(モータ60)が回転されることにより、水受け容器71に水が溜められる。水が溜められ続けると、水は水受け容器71から溢れ出るので、水受け容器71に水が溜まると、ディスク層部34(モータ60)が停止される。そして水受け容器71に溜められた水を電気分解するために、電極100が通電される。これにより、水受け容器71に溜められた水が効率良く電気分解される。
かかる電解水生成のための処理が行われることにより、ディスク層部34(モータ60)を回転させながら水受け容器71に水を溜めつつ、電極100に通電がされて電気分解が行われる場合と比べて、効率の良い電解水生成を実現できる。
この図12および図13で説明したディスク層部34(モータ60)と電極100との通電タイミングをずらせる制御は、空気清浄機(加湿装置)1が運転中において、電解水を生成する場合に実行される制御である。
なお、図13においては、時間t1毎にディスク層部34が回転され水受け容器71に水が溜められ、その後電解水の生成が行われるが、生成した電解水は、ディスク層部34が回転する度に、電解水ミストとなって、出口9より放出される。
図14は、図9に示すマイコン102により行われるディスク層部34(モータ60)の別の制御内容を表わすフローチャートである。図14に示す制御では、ディスク層部34(モータ60)の回転時間が、動作状態に応じて変更される。すなわち、空気清浄機(加湿装置)1が購入されて、最初の加湿運転が行われる場合であるとか、たとえば夏の間動作されていなかった装置が、冬になってそのシーズンの最初に使用される場合であるとか、あるいは週末に停止されていた装置が、週初めに使用開始される場合であるとかには、装置内の水は一旦除去された状態になっている。このため、水受け容器71には水が溜まっていないので、水受け容器71に水を溜めるのに要する時間は相対的に長く必要である。そこで、このような状況を考慮して、マイコン102では、最初のディスク動作か否かの判別を行ってディスク層部34(モータ60)の運転時間を変更するように制御する。
より具体的に、図14を参照して説明する。まず、ディスク層部34(モータ60)の動作が開始すると、動作時間が+1され(ステップS21)、今回の動作は、最初のディスク動作か否かの判別がされる(ステップS22)。この最初のディスク動作か否かは、たとえば内部タイマが、イニシャライズ状態から動作開始されたか否かにより判別することが可能である。内部タイマのイニシャライズは、空気清浄機(加湿装置)1の電源プラグかコンセントから外されたときに行われるようにしておけばよい。そして最初のディスク動作である場合には、ディスク動作時間として、規定時間Aがセットされ(ステップS23)、この規定時間Aを超えるまでディスク層部34(モータ60)が回転される。そしてディスク層部34(モータ60)が規定時間Aの間駆動されると、ディスク動作時間がクリアされて(ステップ24)、ディスク層部34(モータ60)が停止される(ステップS25)。
一方、最初のディスク動作でない場合には、ディスク動作時間として規定時間Bがセットされる。ここに、規定時間A>Bである。具体的な時間としては、たとえば規定時間Aは3〜6分、規定時間Bは2〜4分を例示できる。最初のディスク動作でない場合とは、空気清浄機(加湿装置)1において間欠的にディスク層部34が回転されている場合の、一定の停止時間を挟んで後の動作である。このような場合は、水受け容器71には水が残っている場合が多いので、ディスク層部34により汲み上げる水の量も相対的に少なくてよい。従って、かかる場合は、規定時間B(相対的に短い時間)の間ディスク層部34(モータ60)が回転されると、ディスク動作時間がクリアされて(ステップS24)、ディスク層部34(モータ60)が停止される(ステップS25)。
図15は、電極100に対する通電制御を表わすフローチャートである。
この実施形態に係る空気清浄機(加湿装置)1は、電解水効果を得る為に、早く電解水を作って運転を行いたいという特殊運転を設定することができる。この特殊運転は、たとえば操作パネル5の特殊運転キー(図示せず)を操作することにより行うことができる。 特殊運転の場合には、電極100を通電して電解水を早く作る必要があるから、電極100の動作につき、図15に示すような制御が行われる。
まず、特殊運転か否かの判別がされる(ステップS31)。特殊運転でない場合は、通常の制御として、水が汲み上がっているか否かの判別がされる(ステップS32)。この判別は、たとえばディスク層部34(モータ60)が所定の時間回転したか否かにより行うことができる。あるいは、水受け容器71に設けられた水位検知用の電極により、水受け容器71に水が溜まっている否かを検知することも可能である。
特殊運転でない場合には、水受け容器71に水が溜まっている場合に、電極100に通電がされる(ステップS33)。また、水受け容器71に水が汲み上がっていない場合には、電極100への通電が停止され(ステップS34)、エラー表示がされる(ステップS35)。
一方、特殊運転である場合には、水受け容器71に水が汲み上がっているか否かの判別は行われず、電極100に通電がされる。通電は、予め定める規定時間の間行われる。すなわち、電極通電時間が+1され(ステップ36)、電極通電時間が規定時間を超えたか否かの判別がされ(ステップS37)、超えていなければ電極100に通電が継続される(ステップS39)。そして規定時間の通電が行われると、電極通電時間タイマがクリアされ(ステップS38)、ステップS32の水が汲み上がっているか否かの処理へと進む。
このように、特殊運転であると判別された場合には、最初から電極100へ通電が開始され、電解水が速やかに生成される。
以上のように、空気清浄機(加湿装置)1は、マイコン102により上述した各駆動制御が実行されることにより、水に含まれるカルキ成分や汚れ等がディスク層部34に付着するのを抑制することができ、使い勝手の良い空気清浄機(加湿装置)1とすることかできる。
また、運転態様を工夫することにより、カルキ成分や汚れ等がディスク層部34に付着しにくい空気清浄機(加湿装置)1とすることができる。
この発明は、以上説明した加湿機能付の空気清浄機1に限定されるものではなく、加湿装置単体としての構成にも適用可能である。その他、この発明は、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能であり、実施形態に限定されるものではない。
図1(a)は、空気清浄機1の平面図であり、図1(b)は、空気清浄機1の正面図である。 空気清浄機1の右側面図であり、一部を断面で示している。 図3(a)は、背面から見た加湿ユニット20の分解斜視図である。図3(b)は、図3(a)の要部を拡大して前後方向から見た図である。 背面から見た加湿ユニット20の斜視図であって、後プレート31が取り外された状態を示している。 図5(a)は、加湿ユニット20の略左半分を正面右側から見た斜視図であって、一部を断面で示している。図5(b)は、図5(a)の要部拡大図である。 加湿ユニット20周辺の右側面図であって、一部を断面で示している。 図7(a)は、図6のA−A矢視図である。図7(b)は、図7(a)の要部拡大図である。 図8(a)は、加湿ユニット20を正面右下側から見た斜視図であって、図8(b)は、図8(a)の要部断面図である。 空気清浄機(加湿装置)1におけるこの発明の特徴となる制御動作を実行するための回路構成ブロック図である。 図9に示すマイコン102により行われる運転オフ状態におけるディスク層部34の制御動作(乾き抑制用の駆動制御動作)の一例を示すフローチャートである。 図10に示す制御フローチャートをタイミングチャートを用いて表わした図(A)およびこの発明の他の制御動作態様を表わすタイミングチャート(B)である。 図9に示すマイコン102により行われる電解水生成のための制御を示すフローチャートである。 図12に示すフローチャートの制御内容をタイミングチャートで表わした図である。 図9に示すマイコン102により行われるディスク層部34(モータ60)の別の制御内容を表わすフローチャートである。 電極100に対する通電制御を表わすフローチャートである。
符号の説明
1 空気清浄機(加湿装置)
34 ディスク層部
60 モータ(ディスク層部34回転用のモータ)
71 水受け容器
85 給水バケット(水汲み容器)
100 電極

Claims (8)

  1. 水が溜められる貯水槽と、
    外周縁および内周縁を有する複数枚の環状ディスクが互いに所定間隔を空けて重ねられていて、各前記環状ディスクの外周縁で区画された外周面および各前記環状ディスクの内周縁で区画された内空間を有し、下部が前記貯水槽の水に浸かっており、回転に伴って、水で濡れた部分を空気に晒すディスク層部と、
    前記ディスク層部の外周面の周方向に外周面沿いに配置され、それぞれが前記環状ディスクの重なり方向に延びている複数の水汲み容器を含み、前記ディスク層部の回転に伴って、前記貯水槽の水を水汲み容器で汲み上げ、水汲み容器が上方位置に来たときに汲み上げた水を前記ディスク層部へこぼす給水部と、
    前記内空間に配置され、前記環状ディスクの内周縁から落下する水を溜める水受け容器と、
    前記水受け容器に溜められた水を電気分解して電解水を生成するための電極と、
    加湿装置の運転をオン/オフするための運転スイッチと、
    を有する加湿装置において、
    前記加湿装置が運転オフ状態において、所定の停止時間が経過するごとに、予め定める時間の間前記ディスク層部を所定の態様で回転させる乾き抑制用駆動手段、を有することを特徴とする加湿装置。
  2. 前記乾き抑制用駆動手段は、前記ディスク層部の回転に所定の態様で連動させて、前記電極に通電を行うことを特徴とする、請求項1記載の加湿装置。
  3. 前記乾き抑制用駆動手段は、前記ディスク層部を回転し、前記電極には通電をしない駆動態様、前記ディスク層部の回転を停止し、前記電極に通電する駆動態様および前記ディスク層部を回転し、かつ前記電極に通電する駆動態様を一連の駆動態様として行うことを特徴とする、請求項2記載の加湿装置。
  4. さらに、加湿装置周囲の温度および湿度を検知するための温度湿度検知手段を有し、
    前記乾き抑制用駆動手段は、前記温度湿度検知手段の検知出力に基づいて、少なくとも前記所定の停止時間の長さを変化させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
  5. 水が溜められる貯水槽と、
    外周縁および内周縁を有する複数枚の環状ディスクが互いに所定間隔を空けて重ねられていて、各前記環状ディスクの外周縁で区画された外周面および各前記環状ディスクの内周縁で区画された内空間を有し、下部が前記貯水槽の水に浸かっており、回転に伴って、水で濡れた部分を空気に晒すディスク層部と、
    前記ディスク層部の外周面の周方向に外周面沿いに配置され、それぞれが前記環状ディスクの重なり方向に延びている複数の水汲み容器を含み、前記ディスク層部の回転に伴って、前記貯水槽の水を水汲み容器で汲み上げ、水汲み容器が上方位置に来たときに汲み上げた水を前記ディスク層部へこぼす給水部と、
    前記内空間に配置され、前記環状ディスクの内周縁から落下する水を溜める水受け容器と、
    前記水受け容器に溜められた水を電気分解して電解水を生成するための電極と、
    を有する加湿装置において、
    前記ディスク層部の回転と、前記電極への通電とを予め定める時間差を持たせて行う駆動制御手段、を有することを特徴とする加湿装置。
  6. 前記駆動制御手段は、前記ディスク層部の回転時間を動作状態に応じて変更することを特徴とする、請求項5記載の加湿装置。
  7. さらに、加湿装置周囲の温度および湿度を検知するための温度湿度検知手段を有し、
    前記駆動制御手段は、前記温度湿度検知手段の検知出力に基づいて、前記ディスク層部および電極の動作を制御することを特徴とする、請求項5または6記載の加湿装置。
  8. 特殊運転設定手段を有し、
    特殊運転設定時に、前記ディスク層部の回転と前記電極への通電とを所定の態様で所定時間行うための特殊運転制御手段を有することを特徴する、請求項5〜7のいずれかに記載の加湿装置。
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