JP2010096233A - シール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】溝部の空間を封止する時にシール部材の引っ掛かりをより低減することができるシール構造を提供する。
【解決手段】 シール構造は、溝部2が設けられた第1の部材3、第1の部材3に対してスライドし溝部2の空間を封止する第2の部材4、溝部2内に配置されると共に第1の部材3と第2の部材4との隙間をシールするシール部材1を備えている。シール部材1は、リング状に形成された弾性変形部材5をそのリング状に形成された状態で溝部2に配置し、第2の部材4に封止された後にそのリング状に形成された状態を解除することにより、第1の部材3と第2の部材4との隙間をシールする。
【選択図】 図4
【解決手段】 シール構造は、溝部2が設けられた第1の部材3、第1の部材3に対してスライドし溝部2の空間を封止する第2の部材4、溝部2内に配置されると共に第1の部材3と第2の部材4との隙間をシールするシール部材1を備えている。シール部材1は、リング状に形成された弾性変形部材5をそのリング状に形成された状態で溝部2に配置し、第2の部材4に封止された後にそのリング状に形成された状態を解除することにより、第1の部材3と第2の部材4との隙間をシールする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、シール構造に関する。
従来、このような分野の技術として、例えば特開平11−336909号公報に記載されるものが知られている。この公報に記載されたシール構造では、図8に示すように、断面台形蟻溝10にシール部材11が装着され、当該シール部材11は大径弧状部12、小径弧状部13、及び大径弧状部12と小径弧状部13とを連結する凹窪部14を備えている。そして、シール部材11を蟻溝10に装着する際に、凹窪部14を蟻溝10の開口部の角部15に引っ掛けて回転させることにより、シール部材11の捩れの発生を防止することができ装着作業を確実に行える。
特開平11−336909号公報
しかしながら、上述したシール構造では、シール性を確保するためにシール部材11に圧縮荷重がかかるように組み付けなければならず、組み付ける前にシール部材11が蟻溝10からはみ出す必要があるので、以下のような問題が生じる。すなわち、図8に示すように、封止部材16を矢印F1方向にスライドさせて蟻溝10の空間を封止する際に、シール部材11のはみ出した部分(図8(a)の斜線部分参照)が封止部材16に引っ掛かる。その結果、シール部材11が封止部材16によって削れてしまい(図8(b)参照)、シール性が低下する問題があった。
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、溝部の空間を封止する時にシール部材の引っ掛かりをより低減することができるシール構造を提供することを目的とする。
本発明に係るシール構造は、溝部が設けられた第1の部材と、第1の部材に対してスライドし溝部の空間を封止する第2の部材と、溝部に配置されると共に第1の部材と第2の部材との隙間をシールするシール部材と、を備え、シール部材は、リング状に形成された弾性変形部材をそのリング状に形成された状態で溝部に配置し、第2の部材に封止された後にそのリング状に形成された状態を解除し、第1の部材と第2の部材との隙間をシールすることを特徴とする。
この発明によれば、リング状に形成された弾性変形部材がそのリング状に形成された状態で溝部に配置されるので、第2の部材をスライドし溝部の空間を封止する際に、シール部材の引っ掛かりをより低減することができる。従って、第2の部材をスムーズにスライドし、溝部の空間を容易に封止することが可能となる。そして、溝部の空間を封止した後にリング状に形成された状態を解除することにより、弾性変形部材が弾性復元力によって広がり第2の部材に当接し、第1の部材と第2の部材との隙間を確実にシールすることができる。
また本発明に係るシール構造において、シール部材は、シート状の弾性変形部材を曲げて曲げられる両端部を連結部材により連結することにより、リング状に形成されることが好適である。
この発明によれば、リング状のシール部材を容易に形成することができる。
また本発明に係るシール構造において、弾性変形部材のリング状に形成された状態は、連結部材を加熱することにより解除されることが好適である。
この発明によれば、弾性変形部材のリング状に形成された状態を容易に解除することができる。
また本発明に係るシール構造において、連結部材は、低温接着剤、ロウ又は低溶融合金であることが好適である。
この発明によれば、弾性変形部材のリング状に形成された状態を容易に解除することができる。
本発明によれば、溝部の空間を封止する時にシール部材の引っ掛かりをより低減することができるシール構造を提供することができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るシール構造を示す概略図である。本実施形態に係るシール構造は、溝部2が設けられた第1の部材3、第1の部材3の上方に配置されると共に溝部2の空間を密封する第2の部材4、溝部2内に収納されるシール部材1を備えて構成されている。
図1は第1実施形態に係るシール構造を示す概略図である。本実施形態に係るシール構造は、溝部2が設けられた第1の部材3、第1の部材3の上方に配置されると共に溝部2の空間を密封する第2の部材4、溝部2内に収納されるシール部材1を備えて構成されている。
図2は組み付け前のシール部材を示す斜視図である。シール部材1は、円筒状に形成され、弾性変化可能な弾性変形部材5と、連結部材6とを備えている。このシール部材1は、例えば図3に示すように、シート状の弾性変形部材5をその長手方向に位置する両端部5a,5bを向き合わせるように曲げた後に、向き合わせた両端部5a,5bを連結部材6で固定することにより形成されている。弾性変形部材5の材質として、例えばフッ素ゴムやシリコーンゴムのようなゴム材料が挙げられる。
連結部材6は、低温接着剤であることが好適である。この場合には、低温で連結部材6を用いて弾性変形部材5の両端部5a,5bを接着することにより円筒状のシール部材1を容易に形成することができる。そして、連結部材6を加熱し連結部材6を溶融させることにより、弾性変形部材5の両端部5a,5bの接着状態を容易に解除することができる。なお、連結部材6として、低温接着剤に代えてロウや低溶融合金を用いてよい。
図4はシール構造の形成手順を示す説明図である。まず、図4(a)に示すように、円筒状に形成されたシール部材1を溝部2に入れる。シール部材1を入れた後、第1の部材3の上面3aに配置される第2の部材4を矢印方向F2に沿ってスライドさせて、溝部2の空間を密封する(図4(b)参照)。
このとき、円筒状に形成されたシール部材1の位置が第1の部材3の上面3aより低いので、シール部材1が第2の部材4に引っ掛かることが生じない。従って、第2の部材4をスムーズにスライドさせ、溝部2の空間を容易に封止することが可能となる。
溝部2の空間を封止した後に、第1の部材3を介して溝部2内に配置されるシール部材1を加熱し、連結部材6を溶融させる。そして、連結部材6が溶融し、弾性変形部材5の両端部5a,5bが接着された状態から解除される。弾性変形部材5は、その弾性復元力によって広がり、溝部2の底部と第2の部材4にそれぞれ当接し、第1の部材3と第2の部材4との隙間をシールする(図4(c)参照)。これによって、本実施形態に係るシール構造が形成される。
このように構成されるシール構造にあっては、断面リング状に形成された弾性変形部材5がそのリング状に形成された状態で溝部2に収納されるので、第2の部材4をスライドし溝部2の空間を封止する際に、シール部材1の引っ掛かりをより低減することができる。
従って、第2の部材4をスムーズにスライドし、溝部2の空間を容易に封止することが可能となる。そして、溝部2の空間を封止した後にリング状に形成された状態を解除することにより、弾性変形部材5が弾性復元力によって広がり溝部2の底部及び第2の部材4に当接し、第1の部材3と第2の部材4との隙間を確実にシールすることができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態に係るシール構造を示す斜視図である。本実施形態に係るシール構造と第1実施形態に係るシール構造との相違点は、円環状のシール部材21を用いて円環状に形成された第1の部材23と第2の部材24との隙間をシールすることである。
図5は第2実施形態に係るシール構造を示す斜視図である。本実施形態に係るシール構造と第1実施形態に係るシール構造との相違点は、円環状のシール部材21を用いて円環状に形成された第1の部材23と第2の部材24との隙間をシールすることである。
具体的には、円環状の第1の部材23の外周には、円環状の溝部22が形成されている。この溝部22は、第1の部材23の中心軸Lを中心とし、断面矩形状に形成されている。また、第1の部材23の外周には、円環状の第2の部材24が密接され、溝部22の空間を密封している。溝部22の内部には、円環状に形成されたシール部材21は収納されている。このシール部材21は、溝部22の底部と第2の部材24にそれぞれ当接している。
図6は組み付け前のシール部材を示す斜視図である。シール部材21は、弾性変形部材25と、連結部材26とを備えている。このシール部材21は、例えば帯状の弾性変形部材25をその幅方向に位置する端部25a,25bを向き合わせるように曲げた後に、向き合わせた両端部25a,25bを連結部材26で固定し、更に長手方向の両端を連結することにより円環状に形成されている。弾性変形部材25及び連結部材26は、第1実施形態の弾性変形部材5及び連結部材6と同様な材料から形成されている。
図7はシール構造の形成手順を示す説明図である。まず、図7(a)に示すように、円環状に形成されたシール部材21を溝部22に入れる。シール部材21を入れた後、第1の部材23の外周面23aに配置される第2の部材24を矢印方向F3に沿ってスライドさせて、溝部22の空間を密封する(図7(b)参照)。
このとき、円環状のシール部材21の位置が第1の部材23の外周面23aより低いので、シール部材21が第2の部材24に引っ掛かることが生じない。従って、第2の部材24をスムーズにスライドさせ、溝部22の空間を容易に封止することが可能となる。
溝部22の空間を封止した後に、第1の部材23を介して溝部22内に配置されるシール部材21を加熱し、連結部材26を溶融させる。そして、連結部材26が溶融し、弾性変形部材25の両端部25a,25bが接着された状態から解除される。弾性変形部材25は、その弾性復元力によって広がり、溝部22の底部と第2の部材24にそれぞれ当接し、第1の部材23と第2の部材24との隙間をシールする(図7(c)参照)。これによって、本実施形態に係るシール構造が形成される。
以上のように構成された本実施形態に係るシール構造は、第1実施形態に係るシール構造と同様な作用効果が得られ、重複の説明を省略する。
なお、上述した実施形態は本発明に係るシール構造一例を説明したものであり、本発明に係るシール構造は上述の実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係るシール構造は、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係るシール構造を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
1,21…シール部材、2,22…溝部、3,23…第1の部材、4,24…第2の部材、5,25…弾性変形部材、5a,5b,25a,25b…端部、6,26…連結部材。
Claims (4)
- 溝部が設けられた第1の部材と、
前記第1の部材に対してスライドし前記溝部の空間を封止する第2の部材と、
前記溝部に配置されると共に前記第1の部材と前記第2の部材との隙間をシールするシール部材と、
を備え、
前記シール部材は、リング状に形成された弾性変形部材をそのリング状に形成された状態で前記溝部に配置し、前記第2の部材に封止された後にそのリング状に形成された状態を解除し、前記第1の部材と前記第2の部材との隙間をシールすることを特徴とするシール構造。 - 前記シール部材は、シート状の前記弾性変形部材を曲げて曲げられる両端部を連結部材により連結することにより、リング状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
- 前記弾性変形部材のリング状に形成された状態は、前記連結部材を加熱することにより解除されることを特徴とする請求項2に記載のシール構造。
- 前記連結部材は、低温接着剤、ロウ又は低溶融合金であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008266438A JP2010096233A (ja) | 2008-10-15 | 2008-10-15 | シール構造 |
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JP2008266438A JP2010096233A (ja) | 2008-10-15 | 2008-10-15 | シール構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018141755A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 株式会社名村造船所 | 溶接部漏洩検査用真空室形成装置 |
JP7446685B2 (ja) | 2020-06-03 | 2024-03-11 | イーグル工業株式会社 | メタルシールおよびメタルシールの製造方法 |
-
2008
- 2008-10-15 JP JP2008266438A patent/JP2010096233A/ja active Pending
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