JP2010096221A - 樹脂製筒形ブラケットとかかる樹脂製筒形ブラケットを用いた防振マウント組立体 - Google Patents

樹脂製筒形ブラケットとかかる樹脂製筒形ブラケットを用いた防振マウント組立体 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な耐荷重強度を確保することが出来る、新規な構造の樹脂製筒形ブラケットとかかる樹脂製筒形ブラケットを用いた防振マウント組立体を提供することを、目的とする。
【解決手段】防振マウント本体18が組み付けられて防振マウント本体18を防振連結すべき一方の部材23に取り付けるための樹脂製筒形ブラケット20において、防振マウント本体18が嵌め入れられる筒状部98の軸方向一方の開口を塞ぐようにして筒状部98に一体形成された底壁部100を利用して、空気圧式アクチュエータ122のハウジングを構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振マウント本体に組み付けられて防振マウント本体を防振連結すべき一方の部材に固定するための樹脂製筒形ブラケットと、かかる樹脂製筒形ブラケットを用いた防振マウント組立体に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それらの部材を防振連結乃至は防振支持せしめる防振マウントの一種として、流体封入式防振マウントが知られている。この流体封入式防振マウントは、一般に、それぞれ非圧縮性流体が封入された受圧室と平衡室を設けると共に、それら受圧室と平衡室をオリフィス通路で相互に連通した構造とされている。そして、振動入力時に受圧室と平衡室の間に生ずる相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路を流動する非圧縮性流体の共振作用等によって防振効果を得るようになっている。
また、流体封入式防振マウントにおいては、防振特性の切換制御のために、空気圧式アクチュエータを採用したものが提案されている。例えば、特許文献1には、オリフィス通路の連通状態と遮断状態を空気圧式アクチュエータで切り換える構造が提案されている。
ところで、特許文献1に記載の如く、空気圧式アクチュエータによって防振特性を切換制御する構造においては、防振マウント本体に対して別途形成された空気圧式アクチュエータを組み付ける必要がある。そこで、特許文献1(特開2005−106150号公報)に記載されているように、例えば防振マウント本体に組み付けられて防振マウント本体を防振連結すべき一方の部材に固定するためのブラケットを利用して、防振マウント本体と空気圧式アクチュエータとを所定の相対位置関係で組み付ける防振マウント組立体が提案されている。
そこにおいて、ブラケットには、防振マウント本体への入力荷重を考慮した強度が要求されること等から、従来では、専ら金属製のブラケットが採用されていた(特許文献1参照)。しかしながら、近年の自動車におけるエネルギー効率の高度な向上要求に伴い、ブラケットの軽量化が必要になってきた。なお、単に、ブラケットを合成樹脂製にすることは、金属と合成樹脂との材料強度が大幅に違うことから、到底、実現不可能とされていた。
特開2005−106150号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、十分な耐荷重強度を確保することが出来る、新規な構造の樹脂製筒形ブラケットとかかる樹脂製筒形ブラケットを用いた防振マウント組立体を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、防振マウント本体が嵌め入れられて組み付けられる筒状部を有していると共に、筒状部の軸方向一方の開口部分に底壁部が設けられており、底壁部の内側中央に出力部材が対向配置されて出力部材が付勢手段の付勢力で底壁部から離隔方向に付勢されていると共に、出力部材の外周部分が底壁部の外周部分に対して環状のゴム弾性壁によって連結されて、底壁部と出力部材およびゴム弾性壁との対向面間に作用空気室が形成されており、作用空気室への負圧作用を外部から制御することによって出力部材を付勢手段の付勢力に抗して駆動変位させるようにした空気圧式アクチュエータが構成された樹脂製筒型ブラケットにおいて、合成樹脂材料の一体成形により筒状部に対して底壁部が一体形成されていると共に、底壁部には筒状部内に向かって開口する円形凹所が形成されている一方、出力部材の外周縁部に固着されて外周側に広がるゴム弾性壁の外周縁部に円環状の嵌着金具が固着されており、嵌着金具が円形凹所の開口内周面に嵌め入れられて固定されることによって作用空気室が形成されていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた樹脂製筒形ブラケットにおいては、空気圧式アクチュエータのハウジングを利用して、ブラケット強度の向上を図ることが可能となる。その結果、合成樹脂製ブラケットを実現可能な強度をもって提供することが出来る。
すなわち、本発明においては、空気圧式アクチュエータのハウジングを構成する底壁部が、筒状部の軸直角方向に広がる態様で、筒状部の軸方向一方の開口を塞ぐようにして、筒状部に一体形成されていることから、筒状部の変形が阻止されて、極めて効果的な補強効果を達成することが出来る。特に、筒状部の他方の開口部は、そこに嵌め入れられる防振マウント本体による変形拘束効果に基づいて補強効果が発揮されることから、より一層の補強効果を得ることが出来る。
しかも、空気圧式アクチュエータのハウジングを、例えば、部分的に固定しただけでは、固定部分に応力が集中して、樹脂製ブラケットの実現が難しくなる。しかし、本発明では、筒状部の軸方向一方の開口を全周に亘って覆蓋するようにして、空気圧式アクチュエータのハウジングを筒状部に一体形成した。これにより、応力が全周に分散され、強度が飛躍的に高められる。その結果、ブラケットの樹脂化が、十分なブラケット強度や剛性を確保しつつ実現され得たのである。
加えて、空気圧式アクチュエータの吸引作動時の打ち当たり衝撃が、ブラケットの全体を樹脂化したことで、ブラケット全体に分散される。また、かかる打ち当たり衝撃は、合成樹脂材料の弾性や減衰の効果によっても低減される。その結果、吸引作動時の打ち当たり衝撃に伴う異音や衝撃を抑えることも可能となる。
また、本発明においては、底壁部が、筒状部内に開口して円形凹所を形成する浅底の有底円筒状部と、有底円筒状部の開口周縁部から外側に向かって広がる外フランジ状部とを含んで構成されており、外フランジ状部の外周縁部から筒状部が連続して軸方向に延び出している態様が好適に採用される。かかる態様においては、より一層の補強効果が発揮され得ることとなる。
そこにおいて、このような態様を採用するのであれば、筒状部内で有底円筒状部の外フランジ状部に重ね合わせられて固着された環状部材が設けられており、嵌着金具の軸方向端面に環状部材が当接されて、嵌着金具の有底円筒状部からの抜け出しが阻止されている態様が好適に採用される。かかる態様においては、環状部材の固着スペースを効果的に確保することが可能となる。なお、環状部材は、合成樹脂製の他、金属製のもの等が好適に用いられる。合成樹脂製の環状部材を採用すれば、ビスやカシメ、接着等による固着の他、溶着等の固着構造が任意に採用可能となる。
また、上述の如き態様を採用するのであれば、防振マウント本体において防振連結すべき一方の部材に取り付けられる固定部が、外フランジ状部に対して、軸方向で重なる位置に突設されている態様が好適に採用される。かかる態様においては、例えばパワーユニットの支持荷重等の比較的に大きな外力が集中的に作用する固定部が、筒状部と底壁部の一体形成による補強効果が発揮されている軸方向一端部分に設けられていることから、ブラケット強度に対する信頼性を一層向上させることが出来る。
また、本発明においては、筒状部と底壁部の間に跨る補強リブが形成されていても良い。これにより、更なる補強効果を得ることが出来る。
さらに、本発明においては、筒状部の開口側端部において軸直角方向外方へ延び出すストッパ支持部が一体形成されており、筒状部の開口部から軸方向外方に突出して開口部を跨いで延びるリバウンドストッパ部材が、ストッパ支持部に取り付けられている態様が好適に採用される。かかる態様においては、例えばストッパ荷重等の比較的大きな外力が集中的に作用する支持部が、防振マウント本体の嵌め入れによる補強効果が発揮されている軸方向他端部分に設けられていることから、ブラケット強度に対する信頼性を一層向上させることが出来る。
更にまた、本発明は、第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置して第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で閉塞する一方、本体ゴム弾性体と可撓性膜の対向面間に仕切部材を配設して第二の取付部材で支持せしめることにより、仕切部材を挟んだ一方の側には本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室を形成し且つ他方の側には可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造の防振マウント本体を採用し、筒状部の開口側端部において軸直角方向外方へ延び出すストッパ支持部が一体形成された構造の樹脂製筒形ブラケットの筒状部に対して防振マウント本体における第二の取付部材を嵌め入れて固定すると共に、オリフィス通路の平衡室側への開口部に対して可撓性膜を挟んで樹脂製筒形ブラケットに設けられた空気圧式アクチュエータの出力部材を対向配置して、出力部材を駆動変位させることによりオリフィス通路を連通状態と遮断状態に切り換えるようにし、更に、第一の取付部材の第二の取付部材からの離隔方向への変位量を規制するリバウンドストッパ部材が樹脂製筒形ブラケットに組み付けられている防振マウント組立体も、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた防振マウント組立体においては、防振マウント本体が組み付けられている樹脂製筒形ブラケットのブラケット強度が十分に確保されていることから、防振マウント組立体の耐荷重強度も十分に確保することが出来る。
加えて、ブラケットの全体が樹脂化されて、ブラケットの軽量化が図られていることから、防振マウント組立体の軽量化も実現され得ることとなる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態としての防振マウント組立体10が、自動車への装着状態で示されている。この防振マウント組立体10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された防振マウント本体としてのマウント本体18と、樹脂製筒形ブラケットとしての筒形ブラケット20を含んで構成されており、第一の取付金具12がパワーユニット側の取付ブラケット22に取り付けられる一方、第二の取付金具14が筒形ブラケット20に嵌め入れられて、筒形ブラケット20を介して防振連結すべき一方の部材としての車両ボデー23に取り付けられることで、パワーユニットが車両ボデー23に対して防振支持されるようになっている。
なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、主たる振動入力方向である図1中の上下方向を言うものとする。また、図1において、中心線を挟んだ左側断面と右側断面は、互いに中心線回りの周方向で90度の夾角で異なる断面を示している。
より詳細には、第一の取付金具12は、鉄やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、略逆円錐台形のブロック形状を呈している。また、第一の取付金具12の大径側端面には、軸方向上方に突出する取付ボルト24が一体形成されている。
一方、第二の取付金具14は、第一の取付金具12と同様な金属材によって形成されており、全体として大径の略円筒形状を有している。そこにおいて、本実施形態では、第二の取付金具14の軸方向中間部分には、軸方向下方に行くに従って次第に小径化する傾斜部26が形成されている。これにより、傾斜部26よりも軸方向上側が大径部28とされている一方、傾斜部26よりも軸方向下側が小径部30とされている。また、小径部30側の開口端縁部は、径方向内側に屈曲されたかしめ部とされている。
また、第二の取付金具14の軸方向上側端部には、径方向内方に凹んで全周に亘って略一定の断面形状で延びるくびれ部32が形成されている。更に、第二の取付金具14には、くびれ部32の開口側端縁部において、径方向外方に向かって広がるフランジ状部34が一体形成されている。
そこにおいて、フランジ状部34には、径方向一方向で対向位置する部分において、更に径方向外方に延びる一対の固定片36,36が一体形成されている。また、フランジ状部34には、周上の一箇所において、外周側に突出する一つの当接片38が一体形成されている。かかる当接片38の上面には、緩衝ゴム40が被着形成されている。これにより、第一の取付金具12が取り付けられたパワーユニット側の取付ブラケット22が当接せしめられて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の接近方向への相対変位量を緩衝的に制限するバウンドストッパ機構が構成されている。なお、本実施形態の緩衝ゴム40は、後述する本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
このような構造とされた第二の取付金具14の軸方向上側の開口部側に離隔して、第一の取付金具12が略同一中心軸線上に配されている。そして、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が配設されており、この本体ゴム弾性体16によって第一の取付金具12と第二の取付金具14が弾性的に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、全体として円錐台形状とされており、小径側端面から挿し込まれるようにして第一の取付金具12が加硫接着されていると共に、大径側端部外周面には、くびれ部32を含む第二の取付金具14の軸方向上側の開口部分が重ね合わされて加硫接着されている。即ち、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されており、本体ゴム弾性体16によって第二の取付金具14の上側開口部が流体密に覆蓋されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、すり鉢状の大径凹所42が形成されて、第二の取付金具14内に開口せしめられている。
更にまた、第二の取付金具14には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層44が、大径部28と傾斜部26の内周面の略全面を覆うように被着形成されている。なお、シールゴム層44と本体ゴム弾性体16の境界部分には、軸直角方向に広がる段差面46が形成されている。
また、第二の取付金具14の外周面には、軸方向上端部から大径部28の下端部までを覆うように嵌合ゴム48が被着されている。そこにおいて、嵌合ゴム48は、その下側部分が第二の取付金具14の大径部28の外周面に固着された圧接部50とされていると共に、上側部分がくびれ部32の外周側に形成された凹溝状の部分に充填された厚肉の固着部52とされている。特に本実施形態では、圧接部50の外径寸法が固着部52の外径寸法よりも大きくされており、これら圧接部50と固着部52の境界に円環状の環状段差面が形成されている。
なお、本実施形態において、嵌合ゴム48は、第二の取付金具14のフランジ状部34やくびれ部32等に貫設された貫通孔(図示せず)を通じて本体ゴム弾性体16と一体形成されている。また、図中では必ずしも明らかではないが、本実施形態における嵌合ゴム48の圧接部50には、外周面に開口して軸方向で直線的に延びる複数条の溝状部が形成されており、圧接部50の外周面が周方向で凹凸形状とされている。なお、嵌合ゴム48の外周面上に、小突起形状で周方向に延びる環状のシールリップを一体形成しても良い。
さらに、第二の取付金具14には、その軸方向下方の開口部から仕切部材54と可撓性膜としてのダイヤフラム56が順次挿入されて、第二の取付金具14に対して嵌着固定されている。仕切部材54は、何れも金属材や合成樹脂材等の硬質材で形成された略円板形状を有する上下の仕切板58,60が、軸方向で相互に重ね合わされた構造とされている。ダイヤフラム56は、薄肉ゴム膜によって形成されており、波紋状の弛みをもった略薄肉円板形状を有していると共に、その外周縁部には、円筒形状の支持金具62が加硫接着されている。
そして、これら仕切部材54とダイヤフラム56が、第二の取付金具14に対して順次軸方向に挿入されて、その後、第二の取付金具14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、仕切部材54と支持金具62の各外周面が第二の取付金具14に対して嵌着固定されて、仕切部材54と支持金具62が第二の取付金具14によって支持されている。これにより、仕切部材54が本体ゴム弾性体16とダイヤフラム56の対向面間に配されている。なお、第二の取付金具14の下側開口部は、かしめ加工されて支持金具62の下端部に係止されている。
また、かかる組付状態下、仕切部材54と支持金具62は、相互に軸方向で重ね合わされて、本体ゴム弾性体16の段差面46と第二の取付金具14の下端かしめ部との間で、軸方向に位置決めされている。また、支持金具62と第二の取付金具14の間には、ダイヤフラム56と一体形成されて支持金具62の外周面に被着されたシールゴム64が挟圧されている。これにより、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。また、仕切部材54と第二の取付金具14の間には、シールゴム層44が挟圧されている。これにより、仕切部材54の軸方向上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に圧力変化が生ぜしめられる受圧室66が形成されている。一方、仕切部材54の軸方向下側には、壁部の一部がダイヤフラム56で構成されて、容積変化が許容される平衡室68が形成されている。また、これら受圧室66および平衡室68は、外部空間に対して流体密に仕切られており、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されている。なお、受圧室66や平衡室68への流体の封入は、仕切部材54やダイヤフラム56を、非圧縮性流体中において第二の取付金具14に嵌め入れて、第二の取付金具14に絞り加工を施すこと等によって有利に為され得る。
また、仕切部材54を構成する上仕切板58には、外周縁部を略一定の断面形状で延びる周溝70が、外周面に開口して周方向に所定の長さで形成されている。一方、下仕切板60には、外周縁部を略一定の断面形状で延びる外周溝72が、外周面および軸方向上面に開口して周方向に所定の長さで形成されていると共に、径方向中間部分を略一定の断面形状で延びる内周溝74が、軸方向上面に開口して周方向に所定の長さで形成されている。更に、下仕切板60の中央部分には、下方に開口する円形の凹所76が形成されている。
そして、上下の仕切板58,60が軸方向で重ね合わされると共に、各外周面に第二の取付金具14が嵌着固定されることにより、周溝70と外周溝72が覆蓋されており、仕切部材54には、外周縁部をそれぞれ周方向に所定長さで延びる上下二段の外側流路78,80が形成されている。また、これらの外側流路78,80は、一方の端部において上仕切板58に形成された接続孔82で直列的に接続されていると共に、他方の端部が上下仕切板58,60に形成された連通孔84,86を通じて受圧室66と平衡室68の各一方に連通せしめられている。これにより、仕切部材54の外周部分には、周方向に一周以上の長さで延びて、受圧室66と平衡室68の間での流体流動を許容する第一のオリフィス通路88が形成されている。
また、下仕切板60の内周溝74が上仕切板58で覆蓋されていることにより、仕切部材54の内部には、径方向の中間部分を所定長さで延びる内側流路90が形成されている。この内側流路90の一方の端部は、上仕切板58に形成された連通孔92を通じて受圧室66に開口して連通せしめられていると共に、他方の端部は、下仕切板60に形成された連通孔94を通じて凹所76から平衡室68に開口して連通せしめられている。これにより、仕切部材54の径方向中間部分には、周方向に一周以下の長さで延びて、受圧室66と平衡室68の間での流体流動を許容する第二のオリフィス通路96が形成されている。
なお、本実施形態では、第一のオリフィス通路88は、エンジンシェイクに対して有効な防振効果が発揮されるように10Hz前後の低周波数域にチューニングされている一方、第二のオリフィス通路96は、アイドリング振動に対して有効な防振効果が発揮されるように20〜40Hz程度の高周波数域にチューニングされている。
このような構造とされたマウント本体18は、図1に示されているように、筒形ブラケット20に対して固定的に組み付けられている。筒形ブラケット20は、繊維強化樹脂等の硬質な合成樹脂材によって形成されており、略円筒形状を呈してマウント本体18が嵌め入れられる筒状部98を備えている。
また、筒状部98の軸方向下端部には、軸直角方向に広がる底壁部100が一体形成されている。これにより、筒状部98の軸方向下側の開口部が、底壁部100によって覆蓋されている。
底壁部100は、浅底の有底円筒状部102の開口周縁部分に外フランジ状部104が一体形成された構造とされている。有底円筒状部102は、略一定の内外径寸法で軸方向にストレートに延びる筒壁の軸方向下端開口が底壁で覆蓋された構造とされている。換言すれば、有底円筒状部102は、略一定の円形断面で軸方向に延びて上方に向かって開口する円形凹所106を備えている。また、有底円筒状部102の底壁の中央部分には、略逆カップ形状の中央突部108が一体形成されている。更に、中央突部108の上底壁には、下方に延びるポート110が一体形成されている。一方、外フランジ状部104は、円環板形状とされており、有底円筒状部102の開口周縁部分から径方向外方に向かって広がっている。
そして、底壁部100の外フランジ状部104の外周縁部が、筒状部98の軸方向下端縁部に繋がっており、円形凹所106が筒状部98内に開口している。即ち、筒状部98が外フランジ状部104の外周縁部から軸方向上方へ延び出している。
また、筒状部98の下端部には、固定部としての取付脚部112が一体形成されている。取付脚部112は、筒状部98の軸直角方向で外方に広がる板形状とされている。この取付脚部112は、全周に亘って円環板形状とされていても良いし、周上で離隔して複数形成されていても良いが、本実施形態では、筒状部98の径方向一方向で対向位置して一対の取付脚部112,112が形成されている。また、本実施形態では、取付脚部112は、筒状部98の軸方向で、外フランジ状部104と重なる位置に形成されている。要するに、取付脚部112を筒状部98の軸直角方向内方に延び出させた位置で、取付脚部112と同じ面内に広がるようにして、外フランジ状部104が形成されている。なお、本実施形態では、外フランジ状部104の厚さ寸法が、取付脚部112よりも薄肉とされており、且つ外フランジ状部104の軸方向外面が取付脚部112の軸方向外面および筒状部98の軸方向下端面と同一面上で広がっている。
また、筒状部98の上端縁部には、径方向外方に広がるフランジ状部が一体形成されており、このフランジ状部によって、一対のストッパ支持部としての固定支持片114,114が構成されている。これら一対の固定支持片114,114は、一対の取付脚部112,112の対向方向で突出せしめられている。また、固定支持片114には、固定ボルト116が植設されている。更に、筒状部98には、一対の固定支持片114,114の対向方向に対して略直交する方向に突出する当接支持片118が、上記フランジ状部によって一体形成されている。更にまた、筒形ブラケット20の外周面には、固定支持片114,114および当接支持片118をそれぞれ補強する補強用リブ119が一体形成されている。この補強用リブ119は、筒状部98の軸方向中間部分からフランジ状部の略先端部を略直線的につなぐ略三角形の側面形状を有しており、筒状部98の周上の複数箇所において、筒状部98の周方向に所定厚さを有する板状体とされている。
このような筒形ブラケット20には、マウント本体18が組み付けられる。マウント本体18は、筒形ブラケット20における筒状部98の上側開口部から嵌め入れられて、第二の取付金具14が、そのフランジ状部34を除く略全体に亘って筒形ブラケット20の筒状部98内に収容された状態で組み込まれている。
かかる組付状態下、第二の取付金具14のフランジ状部34は、筒形ブラケット20の軸方向上端面に対して重ね合わされている。また、筒状部98の上側開口縁部に設けられた一対の固定支持片114,114と当接支持片118に対して、第二の取付金具14に突設された一対の固定片36,36と当接片38が重ね合わされて下方から支持せしめられるようになっている。
そして、マウント本体18と筒形ブラケット20は、第二の取付金具14の固定片36,36に形成されたボルト挿通孔120,120に対して、固定支持片114,114に植設された固定ボルト116,116が挿通されることにより、径方向で相互に位置決めされている。そこにおいて、本実施形態では、後述の如くリバウンドストッパ金具144が固定されることにより、第二の取付金具14が筒形ブラケット20に対して固定されるようになっている。
また、上述の如くマウント本体18が筒形ブラケット20に嵌め入れられた状態で、第二の取付金具14と筒形ブラケット20の間には、嵌合ゴム48が挟圧状態で介在せしめられることから、マウント本体18と筒形ブラケット20がこじり方向や径方向で相対的に変位する等の問題が有効に防がれると共に、嵌合ゴム48の摩擦抵抗等による抜け抗力の確保を有利に実現することが出来る。
さらに、防振マウント組立体10には、筒形ブラケット20の底壁部100を利用して、空気圧式アクチュエータ122が設けられている。この空気圧式アクチュエータ122は、弾性隔壁としてのゴム弾性壁124を含んで構成されている。
ゴム弾性壁124は、全体として円環板形状を有しており、その内周縁部が略逆カップ形状を有する出力部材としての押圧金具126の開口周縁部に加硫接着されている。そして、押圧金具126は、底壁部100の中央部分において底壁部100の上方に離隔して配設されている。また、押圧金具126の表面には、その全体に亘って、ゴム弾性壁124と一体形成された被覆ゴム128が被着されている。更に、ゴム弾性壁124の外周縁部は、略円環形状の嵌着金具としての嵌着リング130に加硫接着されている。
そして、嵌着リング130が底壁部100の円形凹所106に嵌め込まれることにより、底壁部100に対してゴム弾性壁124が組み付けられている。これにより、有底円筒状部102の底壁とゴム弾性壁124および押圧金具126との対向面間において、外部空間から隔てられた作用空気室134が形成されている。
また、本実施形態では、ゴム弾性壁124が底壁部100に組み付けられた状態で、環状部材としての樹脂リング132によって、嵌着リング130を全周に亘って押圧されている。嵌着リング130は、熱可塑性材料で形成されて、円環板形状を有している。また、底壁部100において、有底円筒状部102の上端面と外フランジ状部104の軸方向上面は、軸直角方向に広がる円環状の平坦面を協働形成している。この円環状の平坦面に対して、嵌着リング130が重ね合わされており、周上の適当な部位で、超音波溶着や接着等によって固着されている。嵌着リング130の内径寸法は、円形凹所106に嵌め入れられた嵌着リング130の内径寸法よりも小さくされている。円形凹所106の開口部から径方向内方に突出した嵌着リング130の内周縁部が、嵌着リング130の軸方向上端面に当接されている。これにより、嵌着リング130の有底円筒状部102からの抜け出しが阻止されている。
なお、嵌着リング130は、軸方向下端部が内方に屈曲された略L字断面で全周に亘って延びる金具とされている。その下端部の内方屈曲部分には、底壁部100の有底円筒状部102の底壁に向かって突出するシール突部133が、ゴム弾性壁124と一体的に形成されている。このシール突部133は、嵌着リング130から軸方向下方に向かって略一定高さで突出して、全周に亘って形成されている。そして、樹脂リング132で軸方向に押し付けられた嵌着リング130と有底円筒状部102との軸方向対向面間で、このシール突部133が挟圧保持されることにより、ゴム弾性壁124の外周縁部が有底円筒状部102の底壁の外周縁部に流体密に組み付けられて、作用空気室134の流体密性が確保されている。
また、作用空気室134の中央部分には、付勢手段としてのコイルスプリング136が収容配置されており、有底円筒状部102の底壁と押圧金具126の対向面間に配設されている。特に本実施形態では、コイルスプリング136は、中央突部108とゴム突部138に嵌め付けられて位置決め支持されている。そして、コイルスプリング136の付勢力によって、押圧金具126が、常時、底壁部100から軸方向上方に離隔する方向に付勢されている。
このような空気圧式アクチュエータ122は、その押圧金具126の上底部がダイヤフラム56を挟んで仕切部材54の底部中央に対して対向配置されている。そこにおいて、作用空気室134が大気中に接続せしめられた状態下では、図1に示されているように、押圧金具126がコイルスプリング136の付勢力で上方に向かって弾性的に突出せしめられており、かかる押圧金具126の上底部によって、ダイヤフラム56が凹所76の開口部に押し付けられて、第二のオリフィス通路96が遮断状態に維持されるようになっている。一方、空気圧式アクチュエータ122の作用空気室134に外部から負圧を及ぼすことにより、コイルスプリング136の負勢力に抗して押圧金具126を下方に変位させて、ダイヤフラム56への押圧力を解除することで、第二のオリフィス通路96を連通状態に維持することが出来るようになっている。なお、負圧吸引による押圧金具126の引き下げ時における押圧金具126の変位量は、緩衝ストッパゴム139の有底円筒状部102への当接で緩衝的に制限されるようになっている。
そして、上述の如き構造とされた防振マウント組立体10は、第一の取付金具12が、取付ボルト24を介して、自動車のパワーユニット側の取付ブラケット22に取り付けられると共に、第二の取付金具14に外嵌固定された筒形ブラケット20の取付脚部112に形成されている固定用孔140に挿入される固定ボルト142によって、筒形ブラケット20、延いては、第二の取付金具14が自動車におけるサブフレーム等の車両ボデー23に取り付けられる。これにより、防振マウント組立体10が、パワーユニットと車両ボデー23に介装されて、パワーユニットが車両ボデー23に対して防振支持されるようになっている。
なお、このような防振マウント組立体10の自動車への装着状態下では、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に、パワーユニットの分担支持荷重が略軸方向に及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が所定量だけ弾性変形せしめられて、マウント本体18における第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で相互に接近方向に所定量だけ変位せしめられた状態とされる。これにより、外力が及ぼされていない状態では、ダイヤフラム56が仕切部材54の下面から離隔した位置に保持されることとなるが、作用空気室134に大気圧が及ぼされた状態下では、押圧金具126がコイルスプリング136の付勢力に基づいて上方に向かって弾性的に突出せしめられるようになっており、かかる押圧金具126の上底部によって、ダイヤフラム56が凹所76の開口部に押し付けられて、第二のオリフィス通路96が遮断状態に維持されるようになっている。
また、上述の如く自動車に装着された防振マウント組立体10には、リバウンドストッパ部材としてのリバウンドストッパ金具144が装着されている。リバウンドストッパ金具144は、略水平方向に延びる天板部146の延出方向両端部分のそれぞれから下方に向かって脚部148,148が延び出しており、全体として門形状を呈している。また、リバウンドストッパ金具144の幅方向両縁部には、天板部146と両脚部148,148を含む全長に亘って補強用リブ150,150が一体形成されている。更に、天板部146の中央部分には、上方に凹んで下方に開口するボルト逃げ用の凹所152が形成されている。更にまた、天板部146の下面には、ボルト逃げ用の凹所152を囲むようにして、厚肉のリバウンドストッパゴム154が突設されている。
このようなリバウンドストッパ金具144は、筒状ブラケット20の上方から組み付けられており、マウント本体18の軸方向上方に離隔して、マウント本体18を径方向一方向に跨いで配設されている。また、リバウンドストッパ金具144の両脚部148,148の下端に設けられた取付板部156,156が、筒状ブラケット20の固定支持片114,114に対して、第二の取付金具14の固定片36,36を挟んで上から重ね合わせられている。そして、固定支持片114に植設されて第二の取付金具14のボルト挿通孔120に挿通された固定ボルト116が、取付板部156に形成されたボルト挿通孔158に挿通されており、取付板部156が固定片36と共に、固定ボルト116と固定ナット160でとも締めされて、筒状ブラケット20に固定されている。
そして、上述の如くリバウンドストッパ金具144が筒状ブラケット20に固定された状態では、図1に示されているように、リバウンドストッパゴム154の下面が、パワーユニット側の取付ブラケット22に対して、所定距離を隔てて対向位置せしめられるようになっている。これにより、第一の取付金具12が第二の取付金具14から離隔するリバウンド方向での振動荷重の入力時に、取付ブラケット22がリバウンドストッパゴム154を介してリバウンドストッパ金具144に打ち当たることによって、リバウンド方向の相対変位量を制限するリバウンドストッパ機構が構成されている。
また、防振マウント組立体10の装着状態下では、空気圧式アクチュエータ122のハウジングを構成する底壁部100に形成されたポート110に対して空気管路162が接続されている。そして、空気管路162を通じて、作用空気室134が大気中と負圧源(図示せず)に選択的に接続されるようになっている。即ち、作用空気室134に接続された空気管路162上には、図示しない切換弁が配設されており、かかる切換弁が、制御装置(図示せず)で作動制御されて、切換作動されることによって、作用空気室134が大気中と負圧源に対して、択一的に切り替え接続されるようになっている。
そして、自動車の走行状態に応じて作用空気室134に大気圧と負圧を選択的に及ぼすことにより、前述の如く第二のオリフィス通路96を連通/遮断制御せしめて、マウント本体18の防振特性を切換変更することが出来るようになっている。
上述の如き構造とされた防振マウント組立体10においては、マウント本体18が組み付けられる筒状ブラケット20が合成樹脂製とされているが、かかる筒状ブラケット20を構成する筒状部98の軸方向下側開口部が筒状部98に一体形成された底壁部100で覆蓋されていると共に、筒状部98の軸方向上側開口部からマウント本体18が嵌め入れられて固定されていることから、筒状部98の軸方向両端部分のそれぞれが補強されることとなり、筒状ブラケット20において十分な耐荷重強度が実現され得ることとなる。
そして、このような筒状ブラケット20にマウント本体18が組み付けられることで構成された防振マウント組立体10にあっては、十分な軽量化を図ることが可能となり、自動車におけるエネルギー効率の高度な向上要求にも対応することが出来る。
また、底壁部100は、筒状部98の軸方向下側開口部に対して、全周に亘って一体形成されており、筒状部98の軸方向下側開口部を覆蓋していることから、底壁部100が筒状部98に対して部分的に一体形成されている場合に比して、応力が全周に分散されることとなり、耐荷重強度が飛躍的に高められることとなる。
さらに、筒状ブラケット20の全体が合成樹脂材料で形成されていることから、空気圧式アクチュエータ122の吸引作動時における中央突部108の打ち当たり衝撃が、筒状ブラケット20の全体に分散される。また、かかる打ち当たり衝撃は、筒状ブラケット20を形成する合成樹脂材料の弾性や減衰の効果によっても低減される。その結果、空気圧式アクチュエータ122の吸引作動時における中央突部108の打ち当たり衝撃に伴う異音や衝撃を抑えることが出来る。
そこにおいて、本実施形態の防振マウント組立体10で採用されている筒状ブラケット20にあっては、底壁部100が、有底円筒状部102の開口周縁部に外フランジ状部104が一体形成された段付形状とされていることから、より一層の補強効果を得ることが出来る。
また、本実施形態の防振マウント組立体10で採用されている筒状ブラケット20においては、段付形状の底壁部100が筒状部98に一体形成されていることから、嵌着リング130が円形凹所106から抜け出すことを防止する樹脂リング132の固着スペースを有利に確保することが出来る。
さらに、本実施形態の防振マウント組立体10で採用されている筒状ブラケット20においては、筒状部98の軸方向上端部分に固定支持片114,114が一体形成されていると共に、筒状部98の軸方向下端部分であって外フランジ状部104と軸方向で重なる位置に取付脚部112,112が一体形成されていることから、リバウンド荷重やパワーユニットの支持荷重が集中的に作用する部分に対して、補強効果が発揮されていることになり、筒状ブラケット20の耐荷重強度に対する信頼性を一層向上させることが出来る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、図2に示されているように、有底円筒状部102と筒状部98を連結する補強リブ164を設けるようにしても良い。これにより、筒状部98の軸方向下端部分でのより一層の補強効果を得ることが出来る。なお、理解を容易にするために、図2では、前記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、前記実施形態と同一の符号を付してある。
かかる補強リブ164は、底壁部100の有底円筒状部102の周壁の外周面上において、周方向に適当な間隔で複数形成されている。各補強リブ164は、適当な厚さの板形状をもってマウント縦断面方向に広がっており、その内周縁部が有底円筒状部102の周壁の外周面に一体化されていると共に、その図2中の上縁部が筒状部98の下端面に一体化されている。
尤も、かかる補強リブ164の具体的形状は、例示の如き略矩形の平板形状に限定されるものでなく、略三角形の平板形状を採用し、その一辺を有底円筒状部102の周壁の外周面に一体化すると共に、別の一辺を筒状部98の下端面に一体化した態様等も採用可能である。また、かかる補強リブ164を取付脚部112にまで延長して取付脚部112の下面に一体化させて形成することにより、補強リブ164による補強効果を取付脚部112にまで及ぼすことも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としての防振マウント組立体を示す縦断面説明図。 本発明において採用可能な樹脂製筒形ブラケットの他の態様を示す縦断面説明図。
符号の説明
18:マウント本体,20:筒形ブラケット,98:筒状部,100:底壁部,106:円形凹所,122:空気圧式アクチュエータ,124:ゴム弾性壁,126:押圧金具,134:作用空気室,136:コイルスプリング

Claims (7)

  1. 防振マウント本体が嵌め入れられて組み付けられる筒状部を有していると共に、該筒状部の軸方向一方の開口部分に底壁部が設けられており、該底壁部の内側中央に出力部材が対向配置されて該出力部材が付勢手段の付勢力で該底壁部から離隔方向に付勢されていると共に、該出力部材の外周部分が該底壁部の外周部分に対して環状のゴム弾性壁によって連結されて、該底壁部と該出力部材および該ゴム弾性壁との対向面間に作用空気室が形成されており、該作用空気室への負圧作用を外部から制御することによって該出力部材を該付勢手段の付勢力に抗して駆動変位させるようにした空気圧式アクチュエータが構成された樹脂製筒型ブラケットにおいて、
    合成樹脂材料の一体成形により前記筒状部に対して前記底壁部が一体形成されていると共に、該底壁部には該筒状部内に向かって開口する円形凹所が形成されている一方、前記出力部材の外周縁部に固着されて外周側に広がる前記ゴム弾性壁の外周縁部に円環状の嵌着金具が固着されており、該嵌着金具が該円形凹所の開口内周面に嵌め入れられて固定されることによって前記作用空気室が形成されていることを特徴とする樹脂製筒形ブラケット。
  2. 前記底壁部が、前記筒状部内に開口して前記円形凹所を形成する浅底の有底円筒状部と、該有底円筒状部の開口周縁部から外側に向かって広がる外フランジ状部とを含んで構成されており、該外フランジ状部の外周縁部から該筒状部が連続して軸方向に延び出している請求項1に記載の樹脂製筒形ブラケット。
  3. 前記筒状部内で前記有底円筒状部の前記外フランジ状部に重ね合わせられて固着された環状部材が設けられており、前記嵌着金具の軸方向端面に該環状部材が当接されて、該嵌着金具の該有底円筒状部からの抜け出しが阻止されている請求項2に記載の樹脂製筒形ブラケット。
  4. 前記防振マウント本体において防振連結すべき一方の部材に取り付けられる固定部が、前記外フランジ状部に対して、軸方向で重なる位置に突設されている請求項2又は3に記載の樹脂製筒形ブラケット。
  5. 前記筒状部と前記底壁部の間に跨る補強リブが形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂製筒形ブラケット。
  6. 前記筒状部の開口側端部において軸直角方向外方へ延び出すストッパ支持部が一体形成されており、該筒状部の開口部から軸方向外方に突出して該開口部を跨いで延びるリバウンドストッパ部材が、該ストッパ支持部に取り付けられている請求項1乃至5の何れか1項に記載の樹脂製筒形ブラケット。
  7. 第一の取付部材を筒状の第二の取付部材の一方の開口部側に離隔配置して該第一の取付部材と該第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を可撓性膜で閉塞する一方、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間に仕切部材を配設して該第二の取付部材で支持せしめることにより、該仕切部材を挟んだ一方の側には該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室を形成し且つ他方の側には該可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造の前記防振マウント本体を採用し、請求項6に記載の樹脂製筒形ブラケットの筒状部に対して該防振マウント本体における該第二の取付部材を嵌め入れて固定すると共に、該オリフィス通路の該平衡室側への開口部に対して該可撓性膜を挟んで該樹脂製筒形ブラケットに設けられた空気圧式アクチュエータの出力部材を対向配置して、該出力部材を駆動変位させることにより該オリフィス通路を連通状態と遮断状態に切り換えるようにし、更に、該第一の取付部材の該第二の取付部材からの離隔方向への変位量を規制するリバウンドストッパ部材が該樹脂製筒形ブラケットに組み付けられていることを特徴とする防振マウント組立体。
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